JP2004361130A - 沸騰水型原子炉の燃料集合体及び沸騰水型原子炉 - Google Patents

沸騰水型原子炉の燃料集合体及び沸騰水型原子炉 Download PDF

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Abstract

【課題】製作が容易で、核的特性と限界出力特性の両方の向上を実現できる沸騰水型原子炉用燃料集合体、及びそのような燃料集合体を使用した沸騰水型原子炉を得ること。
【解決手段】正方格子状に配列された複数本の燃料棒と一本若しくは複数本の水ロッドとをスペーサにより束状に保持し、その束状の燃料棒を断面が擬似正方形のチャンネルボックスにより囲んだ沸騰水型原子炉の燃料集合体に関するものであり、角筒状に成形加工されたチャンネルボックス30の隅角部に、チャンネルボックスの長手方向に延びる開口部34を形成し、その開口部34に、上記開口部を挟んで隣接するチャンネル壁間を連結するコーナ部材35,36を固定し、チャンネルボックス30の高さ方向の一部分において、水平方向の断面が擬似多角形となるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術的分野】
本発明は、沸騰水型原子炉用の燃料集合体及びその燃料集合体を装荷した沸騰水型原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
図21は、沸騰水型原子炉の炉心の概略構成を示す平面図であり、炉心内には複数の燃料集合体10が格子状に装荷されており、4本の燃料集合体10の中央部には制御棒11が配設されている。また、炉心内には中性子束を検出するために複数個の局部出力領域モニタ12が配置されている。
【0003】
従来沸騰水型原子炉に採用されている燃料集合体10は、図22(a)、(b)に示されている9×9燃料集合体の例のように、上部タイプレート13及び下部タイプレート14、これらのタイプレートに両端が保持される複数の燃料棒15、及びウォータロッド16、これらの燃料を束ねる燃料スペーサ17、及び燃料スペーサ17で束ねられた燃料棒束を取り囲み上部タイプレート13に取り付けられるチャンネルボックス18を備えている。燃料棒15としては、高さが上部タイプレート13まで達しない部分長の燃料棒19が採用される場合もある。そして上記燃料集合体10は、原子炉の炉心に格子状に装荷されるのが普通である。
【0004】
BWRのチャンネルボックス18は、図23に示すように縦方向に長い薄肉のチャンネル壁から形成された筒状体であり、その断面は、通常、コーナー部に半径約1cmの曲率の四分割円を有する、約13cm四方の擬似正方形である。その材質としては、ジルカロイが用いられる場合が多く、肉厚は、2mm〜3mm程度である。現在商用BWRで使用されている燃料集合体用のチャンネルボックスは、一般的に、コの字状に成形した2枚の金属板を、チャンネルボックス側面中央部の縦方向に溶接し、箱型とすることにより製造されている。
【0005】
さらに、各燃料集合体10は、図24に示すように、炉心支持板20及び上部格子板21で支持され、円筒形のシュラウド22に囲まれている。冷却材23は、下方より、燃料支持金具24のオリフィス及び燃料集合体10の下部タイプレート14を経由してチャンネルボックス18内に流入し、燃料集合体により熱せられ、沸騰により蒸気(ボイド)を発生し、気液二相流となる。現在運転されている商用BWRでの燃料集合体有効長さは、約3.7mである。このとき、一部の冷却材は、下部タイプレート14に開けられた小孔(リークホール)等を通って、チャンネルボックス18の外側(バイパス領域)に流れ込む。バイパス領域の入口では大きな圧力損失が発生するため、チャンネルボックス18の内側と外側を流れる冷却材では圧力差が生じる。特に、冷却材圧力が高くなっているチャンネルボックス18の入口部で、相対的に前記内外差圧の効果は大きくなっている。そのため、チャンネルボックス18は、その内外の冷却材圧力の違いによる内側から外側に対する力が働くこと、及び、制御棒ローラーの接触面になることを考慮して、強度設計がなされている。
【0006】
以上のような沸騰水型原子炉における燃料集合体としては、国内で商用の発電が行われて以来、7行7列型、8行8列型、改良8行8列型、高燃焼度8行8列型、そして9行9列型が採用されるに至っている。これらの改良により燃料集合体当たりの核分裂性物質の収容量が増加し、集合体内濃縮度分布の最適化と可燃性毒物の最適配置により、高燃焼度化と長期運転サイクル化が実現され、炉心の経済性は向上している。高燃焼度8×8燃料から9×9燃料では、燃料棒本数の増加によって総伝熱面積が増加するため、限界出力特性が改善される。また、2本の太径ウォータロッドの採用等により高燃焼度化/長期運転サイクル化に伴うボイド反応度係数絶対値増加による核的要因に基づく安定性の低下が回避されている。
【0007】
図25は、水ギャップ面積と水ロッド面積の和を一定としたとき、両者の比率と冷温時反応度上昇量、及び、二相流領域の蒸気ボイド率が40%のときの中性子無限増倍率との関係を示している。水ギャップ面積割合が大きいと、減速された中性子がギャップ水で無駄に吸収される割合が増し、過減速状態に近づくので冷温時反応度上昇は小さくなる。一方、水ロッド面積割合が大きい程燃料集合体中の減速材分布が平坦化されるので通常運転時の中性子増倍率は高くなる。
【0008】
なお、スペーサ圧損係数の低減と8本の部分長燃料棒、及び、高圧損型下部タイプレートの採用により、集合体格子の増加に伴う二相圧損増加による熱水力的要因に基づく安定性の低下は回避されている。
【0009】
ここで、限界出力特性とは、与えられた運転条件下(出力、流量、圧力、入口エンタルピ)で、当該燃料集合体にて遷移沸騰が発生する出力閾値の高低を意味する。限界出力特性は、燃料集合体格子数(例えば8×8、9×9)の他に、炉心燃料格子形状(チャンネルボックスの内幅が広いC格子、D格子、N格子のグループと、チャンネルボックスの内幅が狭いS格子)、スペーサタイプ、ウォータロッド本数・形状・配置等によっても影響を受ける。このため、新燃料集合体の開発に当たっては、通常、実寸の模擬燃料集合体に対して、BWR運転条件下での熱水力試験を行い、限界出力特性を確認している。図26は、9×9燃料でのコーナー部燃料棒の限界出力特性を示す図であって、流量の増加に伴い限界出力は向上する。
【0010】
さらに、試験結果は、BWR燃料集合体についての熱水力解析コードを用いることにより、「限界クオリティ対沸騰長さ」の関係を表す沸騰遷移相関式に整理される。その代表的なものとして米国GE社が開発したGEXL相関式であり、現在運転中の商用BWRでは、燃料集合体のタイプ毎に求められたGEXL相関式を基にして、定常運転時の最小限界出力比(Minimum Critical Power Ratio、以下MCPRと記す)と、過渡時のMCPR変化量(ΔMCPR)が評価される場合が多い。
【0011】
BWR燃料集合体の限界出力試験と、GEXL相関式については、“TLR−009(改訂4)「沸騰水型原子力発電所 GETABの概要、平成10年1月株式会社東芝」”(非特許文献1)、または、“HLR−007(訂4)「沸騰水形原子力発電所 原子炉の熱特性評価法(GETAB)について、平成9年12月 株式会社日立製作所」”(非特許文献2)に詳しい。また、炉心燃料格子形状については、“TLR−046「沸騰水型原子力発電所“炉心燃料格子形状”、平成6年4月 株式会社東芝」”(非特許文献3)、または、“HLR−049「沸騰水型原子力発電所“炉心燃料格子形状”、平成6年4月 株式会社日立製作所」”(非特許文献4)に具体的な記載がある。
【0012】
ところで、チャンネルボックス18内を流れる冷却材は下部からチャンネルボックス18内を上昇すると共に燃料棒15により加熱され、沸騰して液相と気相からなる気液二相流となって上部を通過する。その際、気相は主として、燃料棒15に挟まれた比較的広い流路中を流れ、液相は一部が気相に随伴して流れ、その一部は燃料棒15の表面を流れる。
【0013】
図27に示すように、チャンネルボックス18の下端近傍は冷却材が飽和温度以下から飽和温度にまで加熱される領域Aであり、チャンネルボックス内部には蒸気は存在せず水が充満している。チャンネルボックス内部の軸方向の大半の領域Bでは冷却材流は蒸気と水の混合物からなり、チャンネルボックス18の内壁および各燃料棒15の表面には水の液膜25が形成される。軸方向に上方に行くに従って冷却材は蒸気27と液滴26となり、燃料棒15からの加熱により発生した蒸気27の冷却材流の中で占める体積が増え、燃料棒表面に接する液膜25の厚さは減少する。もし、燃料棒15に接する液膜25の厚さが過小でその燃料棒15の発熱が大きいときは、冷却効率が低下して燃料棒15が過熱状態になり、極端な場合には遷移沸騰を経て膜沸騰状態に至り燃料棒15が破損する可能性が生じる。原子炉は、いかなる事態においてもこのような状況にならないように設計されなければならない。一方、燃料棒15と異なりチャンネルボックス18はほとんど発熱しないので、チャンネルボックス18の内壁の液膜は厚いままで上方に流れる。
【0014】
燃料棒15の表面を流れる液相が減少すると、燃料棒表面の熱伝達率が低下し(沸騰遷移開始)、過熱が起こるおそれがある。このような燃料棒表面の過熱状態(限界出力)を生じさせないために、冷却材混合による燃料棒表面への液相の供給の観点から限界出力の増加方法が提案されている。
【0015】
例えば、特公平8−17264号公報「燃料集合体」では、燃料棒15の冷却に使われる冷却材割合を増加して冷却効率を増加させるために、燃料棒15の冷却に寄与していないチャンネルボックス18の表面を流れる液相を燃料棒15に振り向ける作用を有する図28に示したような横溝状フロートリッパ28をチャンネルボックス18の内壁に設けることが開示されている。この横溝状フロートリッパ28はチャンネル出口方向に対して削り量が増加する複数の溝状を呈しており、チャンネルボックス18の内面を流れる液膜25にチャンネルボックス18から離れる方向の速度を与えることにより、燃料棒15の冷却に使われる冷却材割合を増加させる効果がある。図28に詳細に示すように、チャンネルボックス18の側面壁の横溝状フロートリッパ28はテ―パ―部28aとエッジ部28bとからなっている。側面壁の表面に形成した液膜25は、テ―パ―部28aに沿って下から上に向かって流れ、エッジ部28bにぶつかるとそこで方向を変え、水滴26となって燃料棒15の方へ飛ばされる。この水滴26が燃料棒15に付着してその液膜25を厚くすることによって燃料棒15の冷却効率が高められる。
【0016】
次に、安定性とは、プラント起動時または停止時に運転点が低流量/高出力状態となった場合、或いは、プラントで再循環ポンプ1台トリップ等の過渡変化が発生し、運転点が低流量/高出力に移行したときの、中性子束振動の減衰特性を意味する。炉心は、全運転領域で安定であることが望ましく、安定性の判定パラメータである中性子束振動の減幅比が1.0未満であることを解析により確認している。逆に、減幅比1.0に対して余裕の少ない運転領域は、選択制御棒挿入(Selected Rods Insertion;以下、「SRI」と記す)や安定性制限曲線により除外される。安定性の種類には、特に最高出力チャンネルの熱水力的な安定性に注目したチャンネル安定性、炉心全体の位相が揃った中性子束振動である炉心安定性、炉心周方向に対称軸を有し180度位相がずれた中性子束振動である領域安定性がある。それぞれの安定性の軸方向出力分布への感度は、炉心安定性が一般に平坦な分布ほど厳しい方向であり、チャンネル安定性、領域安定性は下部ピークな分布ほど厳しい方向となっている。炉心安定性では、他の安定性と軸方向出力分布への感度が異なるのは、炉心安定性では核的フィードバックの効果が大きく、これはボイド率の高いところで出力ピークが高いときに、大きな影響となって現れるためである。BWRの安定性については、“TLR−010(改訂3)「沸騰水型原子力発電所“安定性解析手法について”、平成10年2月、株式会社東芝」”(非特許文献5)、または、“HLR−013(訂3)「沸騰水型原子力発電所“安定性解析手法について”、平成10年2月、株式会社日立製作所」”(非特許文献6)に記述がある。
【0017】
図29に、9×9ウラン燃料を全数装荷したBWRプラントの炉心安定性解析結果を示す。ここで、安定性解析は、冷却材の再循環系を含むBWR炉心をモデル化した周波数領域の安定性解析コードで行ったものである。炉心安定性減幅比は、最低ポンプ速度曲線上の最大出力点で最も大きくなっており、9×9ウラン燃料を全数装荷した炉心では、減幅比が0.67である。
【0018】
このように、BWR炉心では、各種設計改良により安定性の向上に努めているが、他方、ウラン資源の有効利用と使用済燃料発生量の削減を目的として軽水炉燃料の高燃焼度化が進められており、これにともなってウラン濃縮度は増加する傾向にある。ウラン濃縮度の増加により、ボイド反応度係数はより負になり、また、通常運転状態に対する冷温状態での反応度上昇量も増加する。沸騰水型原子炉では、熱水力フィードバック効果を含む炉心動特性や炉停止余裕など、炉の制御性の観点から、ボイド反応度係数や冷温時反応度上昇量を適切な値に保つ必要がある。ボイド係数や冷温時反応度上昇量を調整する方法として、中性子減速材である水の量を調整することが知られている。
【0019】
沸騰水型原子炉では、燃料集合体下部からチャンネルボックス内に飽和状態に近い水が流入し、燃料棒からの伝熱により発生した蒸気がボイドを含む二相流となって燃料集合体上端から流出する。燃料集合体間はほぼ飽和状態にある水ギャップ領域となっているほか、チャンネルボックス内部にもほぼ飽和状態となっている領域を形成するため、水ロッドを燃料集合体中央付近に配置する場合がある。
【0020】
また、冷温時反応度上昇量を低減するには、燃料集合体間の水ギャップ領域を増すのが有効である。さらに、チャンネルボックス上部の厚みを減らして水ギャップ領域を増加する構造でも、同様の効果が得られる。
【0021】
なお、この種の燃料集合体に関連するものとしては、例えば特公平4−27391号公報に開示されているように、燃料集合体の四隅に上部の燃料を欠如させた燃料棒(部分長燃料棒)を配置し、さらに燃料を欠如させた部分でチャンネルボックス18のコーナー部を凹ませ核的特性の改善を図るようにしたものが挙げられる。
【0022】
【特許文献1】
特公平8−17264号公報
【特許文献2】
特公平4−27391号公報
【特許文献3】
特開平5−80172号公報
【非特許文献1】
TLR−009(改訂4)「沸騰水型原子力発電所 GETABの概要、平成10年1月 株式会社東芝」
【非特許文献2】
HLR−007(訂4)「沸騰水形原子力発電所 原子炉の熱特性評価法(GETAB)について、平成9年12月 株式会社日立製作所」
【非特許文献3】
TLR−046「沸騰水型原子力発電所“炉心燃料格子形状”、平成6年4月 株式会社東芝」
【非特許文献4】
HLR−049「沸騰水型原子力発電所“炉心燃料格子形状”、平成6年4月 株式会社日立製作所」
【非特許文献5】
TLR−010(改訂3)「沸騰水型原子力発電所“安定性解析手法について”、平成10年2月、株式会社東芝」
【非特許文献6】
HLR−013(訂3)「沸騰水型原子力発電所“安定性解析手法について”、平成10年2月、株式会社日立製作所」
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
沸騰水型原子炉の炉心内は、燃料物質の領域、蒸気ボイドを含む二相流流路、蒸気ボイドがほとんど発生しない飽和水領域、そして、構造材領域に分類できる。飽和水領域の割合を増やすことによってボイド反応度係数や冷温時反応度上昇量を低減できるが、このとき他の領域は犠牲になるので、飽和水領域を効果的に分布させることが重要である。従来の四角形状のチャンネルボックスを有する燃料集合体からなる炉心では、前述したようにチャンネルボックス間の水量は、燃料の核的特性および炉心の大きさ等の制限から、ある一定量以上にはできない。沸騰水型原子炉では、水は中性子を減速させ核分裂を起こしやすくする働きをもつ。したがって、水の量に制限があるということは原子炉燃料の燃焼度や中性子経済等に制限が生じてしまう嫌いがあり、また、ウランとプルトニウムを混合した燃料(MOX燃料)では、中性子吸収が多くなり、減速材である水が従来のウランのみで作られた燃料より炉心中に多くあることが望ましい。
【0024】
特公平4−27391号公報、特開平5−80172号公報に記載のチャンネルボックスでは、炉停止余裕の改善、および、ボイド係数絶対値の低減効果が考慮されているが、チャンネルボックスの厚さを薄肉化することによる強度上の問題と、チャンネルボックス断面を八角形、あるいは、コーナー部にL字状の凹部を設けた形状とするためには、製作技術上の課題があった。
【0025】
また、フロートリッパの提案の代表的なものは、フロートリッパ用の加工位置は側面部としている。コーナー部に沿うように、溝状、または、土手状のフロートリッパを取付けることも可能であるが、従来のコ字状の2枚一組の板を使用して“折り曲げ+溶接方式”によるチャンネルボックスの製作では、コーナー部形成時にフロートリッパ部に歪みが発生する可能性が強い。
【0026】
さらには、多様な燃料・炉心形状に対応した最適化を行う上で、従来の燃料集合体とチャンネルボックスの組合せでは、炉心設計上の自由度が必ずしも十分とは言えないという改善点が残されていた。
【0027】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、製作が容易で、核的特性と限界出力特性の両方の向上を実現できる沸騰水型原子炉用燃料集合体、及びそのような燃料集合体を使用した沸騰水型原子炉を得ることを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、正方格子状に配列された複数本の燃料棒と一本若しくは複数本の水ロッドとをスペーサにより束状に保持し、その束状の燃料棒を断面が擬似正方形のチャンネルボックスにより囲んだ沸騰水型原子炉の燃料集合体において、角筒状に成形加工されたチャンネルボックスの隅角部に、チャンネルボックスの長手方向に延びる開口部を形成し、その開口部に、上記開口部を挟んで隣接するチャンネル壁間を連結するコーナ部材を固定し、チャンネルボックスの高さ方向の一部分において、水平方向の断面が擬似多角形となるようにしたことを特徴とする。
【0029】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、チャンネルボックスは2枚の長方形の薄板を長手方向でコの字状に折り曲げたものを溶接により角筒状に成形加工されたものであり、その隅角部に形成された長手方向に延びる開口部は、長方形の薄板の折り曲げ箇所に穴を開けた上でその薄板を折り曲げることにより形成されることを特徴とする。
【0030】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、チャンネルボックスに形成された長手方向に延びる開口部に固定されるコーナ部材は、ジルカロイ−4、または、チャンネルボックスと同じ素材で、且つ、周方向の曲率がチャンネルボックス自体のコーナー部の曲率よりも小さいことを特徴とする。
【0031】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに係る発明において、
チャンネルボックスに形成された長手方向に延びる開口部に固定されるコーナ部材は、板体または棒状体であることを特徴とする。
【0032】
また、請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに係る発明において、コーナ部材の外側には、固体減速材が固定されていることを特徴とする。
【0033】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれかに係る発明において、コーナ部材の内面側には、上流側から下流側に対してチャンネル内の流路面積が小さくなるようなテーパを有し水平方向に延びるフロートリッパが突設されていることを特徴とする。
【0034】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれかに係る発明において、チャンネルボックス内の水平断面積を軸方向で比較したときに、燃料有効長さの下部領域の(0〜1/2)の最小水平断面積が、同じ燃料有効長さの上部領域(1/2〜2/2)の少なくとも一部の水平断面積と比べて大きいことを特徴とする。
【0035】
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7のいずれかに係る発明のおいて、燃料集合体のコーナー部の1本(×4)の燃料棒、または、コーナー部に隣接した燃料棒を含む3本(×4)の燃料棒を削除、あるいは、その一部を部分長燃料棒としたことを特徴とする。
【0036】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれかに係る発明において、D格子炉心に装荷される場合に、反制御棒側の隅角部のみに、チャンネルボックスと同じ素材で、周方向の曲率がチャンネルボックス自体の曲率よりも小さなコーナー部材が設けられていることを特徴とする。
【0037】
請求項10に係る発明は、沸騰水型原子炉において、請求項1〜9に記載した燃料集合体を装荷したことを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、添付図示を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0039】
まず、図1〜図4に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、本発明における第1の実施の形態の燃料集合体に使用するチャンネルボックス30の斜視図であり、チャンネルボックス30は、2枚の長方形の薄板を長手方向に断面コ字状に折り曲げた折曲片31、31を、図中点線で示す部分で互いに溶接することにより角筒状に成形加工されている。
【0040】
図2は、上記断面コ字状に折り曲げた折曲片31、31を組立て・溶接固定する前の、チャンネルボックスの構成部品である長方形の薄板(ジルカロイ合金製平板)32の平面図であり、基本となる薄板32には、それぞれの折り曲げ箇所(破線部)32aに、チャンネルボックスの長手方向に延びる2個の長方形の穴33、33が形成されている。そして、この2個の長方形の穴33、33が形成されている薄板32が上記折り曲げ箇所(破線部)32aに沿って断面コ字状に折り曲げられ、その断面コ字状に折り曲げた折曲片31、31の2個を互いに溶接することにより、図1に示すような縦方向に長い薄肉のチャンネル壁を有する角筒状のチャンネルボックスに形成される。
【0041】
ところで、このように断面コ字状に折り曲げた折曲片31、31を互いに溶接することにより角筒状に形成されたチャンネルボックス30の隅角部には、図3に拡大して示すように、上記穴33、33により開口部34が形成される。そこで、その各開口部34の互いに対向する左右両側縁34a、34aには、チャンネルボックス30の上記開口部を挟んで隣接するチャンネル壁間を連結する長方形の合金製平板35が溶接により固定されており、上記開口部34の下縁と合金製平板35の下端縁とで囲まれた部分及び開口部34の上縁と合金製平板35の上端縁とで囲まれた部分は、三角状の遮板36によってそれぞれ遮蔽されている。このようにして、上記開口部34が上記合金製平板35と上下の遮板36とからなるコーナ部材により密閉されるとともに、上記合金製平板35部に於いては水平断面が擬似八角形に形成されている。
【0042】
図4(a)、(b)は、チャンネルボックス30を、10×10格子の燃料集合体40に適用した場合の例である。燃料集合体40は、前述の9×9格子の燃料集合体の構造と同様にして、上部タイプレートおよび下部タイプレートに両端部が保持される複数の全長燃料棒41(被覆管外径約10mm×有効長約3.7m)、および、ウォータボックス42、および燃料棒41とウォータボックス42の相互の間隔を保持する合計7個の燃料スペーサ(下から上に向かって、第1スペーサ〜第7スペーサと称する)を備えている。この場合、燃料集合体40の4つのコーナー部での燃料棒41aは、長さが全長燃料棒41の約1/2の部分長燃料棒(P)となっている。図4(a)は、燃料集合体40をチャンネルボックス30で覆ったときの、高さ方向1/2〜2/2の一部での水平断面図(擬似八角形となっている)、図4(b)は、同じく、高さ方向0/2〜1/2の一部での水平断面図(擬似正方形となっている)を表している。
【0043】
図5は、上記チャンネルボックス30と燃料集合体40を炉心に装荷したときの、炉心安定性の解析結果を示したものである。本実施の形態の場合は、チャンネルボックス30内のボイド率が高い領域で、バイパス領域の水の面積が増加することから、負のボイド係数が小さくなる。このため、炉心安定性が改善され、最低ポンプ最大出力点での減幅比は0.45となっている。さらに、本例では、原子炉の停止余裕を大きくできる効果も得られる。
【0044】
次に、本発明の第2の実施の形態を図6〜図9に基づいて説明する。第1の実施の形態と同様にして、図6は、チャンネルボックスを組立て・溶接固定する前の、構成部品(ジルカロイ合金製平板)を示したものである。チャンネルボックスの基本となる合金製平板43には、それぞれの折り曲げ箇所(破線部)の上方(チャンネル出口部)に、2個の長方形状の切り込み44、44が設けられている。合金製平板43の長方形状の切り込み44には、折り曲げ後に形成される三角柱状の開口部において上記開口部を挟んで隣接するチャンネル壁間を連結するように、図7(b)に示すようなコーナ部材を構成する合金製平板45が溶接により固定されている。また、合金製平板45の下端部に於いては図7(c)に示すような三角形状の遮板46により開口部が遮蔽されている。ここで、合金製平板45の内側表面には、図7(b)に示すように、第5スペーサ〜第7スペーサの下端高さから数mm下に合わせて、スペーサ部の下端にて上流側から下流側に対して流路面積が小さくなるようなテーパが設けられたフロートリッパ45aが形成されている。フロートリッパ45aの上端部は、平面部に対して約1mm高くなったエッジ(刃形)を形成している。このような加工処理を、全ての隅角部に施すことにより、軸方向の水平断面の一部が擬似八角形となるチャンネルボックス47として形成されている。
【0045】
図8(a)は、10×10格子の燃料集合体40をチャンネルボックス47で被覆したものの、高さ方向1/2〜2/2の一部での断面図、図8(b)は、同じく高さ方向0/2〜1/2の一部での断面図を示したものである。燃料集合体40は、前記9×9燃料集合体の構造と同様にして、上部タイプレートおよび下部タイプレートに両端部が保持される複数の全長燃料棒41、およびウォータボックス42、並びに燃料棒41とウォータボックス42の相互の間隔を保持する合計7個の燃料スペーサ(下から上に向かって、第1スペーサ〜第7スペーサと称する)を備えている。この場合、燃料棒41は、所定のピッチで格子状に配置されるが、コーナー部の各1本、合計4本の燃料棒41aは長さが全長燃料棒の約1/2の部分長燃料棒としている。
【0046】
フロートリッパ45aによる冷却効率の改善効果は、スペーサによる冷却材(水・蒸気の二相流)の攪拌、液滴の下流側への飛散、そして、燃料棒41への付着によって得られる効果と本質的には同じものである。スペーサによる二相流の攪拌に起因する燃料棒への液滴の付着は、スペーサ上端位置から離れる程、量が小さくなることから、フロートリッパ45aにより、スペーサ外周部下端からやや上流付近での液滴の付着を促すことで、図9に示すように、特に、コーナー部2本(×4)の燃料棒の限界出力が、従来の9×9燃料のコーナー部1本(×4)の燃料棒の限界出力と比べて大幅に向上する。
【0047】
上述した例以外にも、フロートリッパを側面部(内側)に設け、さらに、フロートリッパのエッジ部の上向き角度、形状を、コーナー部と側面部で変えることにより、燃料集合体外周部の除熱特性を最適化することも可能である。
【0048】
また、このようにして製造されたチャンネルボックスと燃料集合体を、炉心に装荷した場合には、外部のコーナー部の広くなった空間に水が沸騰せずに多く流れるのでボイド反応度が小さくなり、原子炉の安定性が改善されるとともに、原子炉の停止余裕を大きくできる効果も得られる。また、従来型チャンネルボックスに対しては設置が難しかったコーナー部へも、側面部と同様にしてフロートリッパを設けることができ、これによりコーナー部を含む燃料集合体外周部の限界出力特性の大幅な向上効果が得られる。
【0049】
次に、本発明の第3の実施の形態を図10〜図12に基づいて説明する。第1、第2の実施の形態と同様にして、図10(a)は、チャンネルボックスを組立て・溶接固定する前の、構成部品(ジルカロイ合金製平板)を示したものである。このとき、基本となる2枚の合金製平板の何れか一方の合金製平板50の折り曲げ箇所(破線部)の片方のみに、1個の逆台形と逆三角形を組み合わせた穴51があけられている。そして、折り曲げ後に形成される三角柱状の開口部に、図10(b)に示すような逆三角形状の合金製平板52からなるコーナ部材が溶接により固定され、上記開口部を挟んで隣接するチャンネル壁間が連結されている。また、上部の三角形の開口部は図10(c)に示すような三角形状の遮板53により遮蔽されている。
【0050】
その結果、図11に示すような、軸方向水平断面の一部が擬似五角形で、チャンネルボックス内の流路面積が上流側から下流側にかけて減少するチャンネルボックス54として製造される。
【0051】
図12及び図13は、チャンネルボックス54を、10×10格子の燃料集合体61に適用し、炉心格子形状がD格子の炉心に装荷した場合の例である。燃料集合体61は、上部タイプレートおよび下部タイプレートに両端部が保持される複数の全長燃料棒41、及びウォータボックス42、並びに燃料棒41とウォータボックス42の相互の間隔を保持する合計7個の燃料スペーサを備えている。この場合、燃料集合体61の4つのコーナー部での燃料棒1本(×4)41c(図13(b))は、長さが全長燃料棒の約1/3の部分長燃料棒(S)となっている。また、ウォータボックスの外側の燃料棒の内1本(×4)41b(図13(a))は、長さが全長燃料棒の約2/3の部分長燃料棒(L)となっている。図12(a)は、燃料集合体61をチャンネルボックス54で覆ったときの高さ方向7/8付近での水平断面図、図12(b)は同じく5/8付近での水平断面図、図13(a)は同じく3/8付近での水平断面図、図13(b)は同じく1/8付近での水平断面図を表している。
【0052】
このように、燃料集合体61をD炉心に装荷するに際しては、前記逆三角形状の合金製平板52が制御棒62と対角の位置のコーナー部に位置するように配設されている。したがって、制御棒62と対角の位置のバイパス領域の面積が大きくなっている。その結果、チャンネルボックス外の水の面積が均等化される方向となり、燃料集合体内の中性子束分布の歪が緩和される。
【0053】
次に、本発明の第4の実施の形態を図14〜図16に基づいて説明する。第1〜第3の実施の形態と同様にして、図14は、チャンネルボックス64を組立て・溶接固定する前の、構成部品(ジルカロイ合金製平板)を示したものである。基本となる2枚の合金製平板65には、それぞれの折り曲げ箇所(破線部)の上方(チャンネル出口部)に、それぞれ2個の縦長の長方形状の切り込み66が設けられている。上記合金製平板65を折り曲げチャンネルボックス64を形成した場合には、図15(a)に示すように、その隅角部に開口部67が形成され、その開口部67には、図15(b)に示すような合金にて被覆されたガドリニア棒68が、凸凹の結合、或いは溶接により固定される。図16は、チャンネルボックス64を、10×10格子の燃料集合体40に適用した場合の例である。燃料集合体40は、上部タイプレートおよび下部タイプレートに両端部が保持される複数の全長燃料棒41、及びウォータボックス42、並びに燃料棒41とウォータボックス42の相互の間隔を保持する合計7個の燃料スペーサを備えている。この場合、燃料集合体40の4つのコーナー部での燃料棒41aは、長さが全長燃料棒の約1/2の部分長燃料棒(P)となっている。図16(a)は、燃料集合体40をチャンネルボックス64で覆ったときの、高さ方向1/2〜2/2の一部での水平断面図、図16(b)は、同じく、高さ方向0/2〜1/2の一部での水平断面図を表している。
【0054】
このようにチャンネルボックス64の隅角部にガドリニア棒68を設けることにより、バイパス部の中でも比較的水面積の大きな十字路部(チャンネルボックスコーナー部の外側)での熱中性子束分布の局所的な増大を緩和することができる。
【0055】
ところで、第1の実施の形態では、コーナ部材を長方形の合金製平板35と三角形の遮板36とにより構成したものを示したが、図17に示すように、上記長方形の合金製平板35と三角形の遮板36とを一体構造としてもよい。これにより、溶接個所を減少させることが可能である。
【0056】
また、図18に示すように、コーナー部の穴に取り付ける合金製平板35aの肉厚を軸方向で異なるようにし、チャンネル軸方向(出口方向)に対して薄くなるようにしてもよい。これにより、チャンネル内の比較的ボイド率の大きな領域でのバイパス部での水面積が増加させることができ、中性子経済を向上させることができる。
【0057】
また、図19に示すように、第1の実施の形態でのコーナー部の開口部34に取り付ける合金製平板35に2つの突起35bを突出し、この突起35bにより合金製平板35の外面側に固体減速材70を取り付けるようにしてもよい。しかして、この場合には上記固体減速材70により燃料集合体断面での中性子束分布を最適化することができる。
【0058】
第2の実施の形態でのコーナー部の穴44に取り付ける合金板45aには、図20に示すように、その外面側に2つの半円状の輪71を設け、ガドリニア、または濃縮ガドリニアのような中性子毒物の棒72を取り付けるようにしてもよい。これにより、燃料集合体断面での中性子束分布を最適化することができる。
【0059】
上述したチャンネルボックスの実施例、または、燃料集合体の実施例は、炉心格子形状、チャンネルボックス肉厚、MOX燃料棒の採用等をパラメータとしたときに負のボイド係数の低減、炉停止余裕の改善、限界出力特性の改善、燃料集合体断面での中性子束分布の歪の緩和、および、中性子束経済の向上の観点から、適宜組み合わせて利用することが可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、チャンネルボックスのコーナー部の一部分を取り付け方式としたことから、各部品の成形加工が容易となり、コーナー部を平板とした場合を基本として、多様な形状、厚さ、材質を組み合わせたチャンネルボックスの製造が可能となる。これにより、中性子束の空間及びエネルギー分布を適切自在に調整することが可能であり、燃料集合体断面での中性子束分布の歪を抑え、負のボイド係数を炉心設計上最適にすることができ、応用範囲が広い上に効果が安定しており、炉心格子形状、MOX燃料装荷の有無等の変動要因に対して、柔軟、かつ、きめ細かな対応が可能とする。以上述べたように、本発明の構成により、高いウラン濃縮度やプルトニウム燃料を用いた場合でも、炉心の運転時反応度や冷却材による除熱特性、そして、集合体の構造的強度などを悪化させることなく、炉停止余裕やボイド係数などの核的特性と、限界出力などの熱水力特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるチャンネルボックスの斜視図。
【図2】第1の実施の形態におけるチャンネルボックスの構成部品である長方形の薄板の平面図。
【図3】コーナ部材取付部の拡大図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の燃料集合体の水平断面図であり、(a)は高さ方向1/2〜2/2の一部での水平断面図、(b)は、高さ方向0/2〜1/2の一部での水平断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の燃料集合体を炉心に装荷したときの炉心安定性解析結果を示す図。
【図6】第2の実施の形態におけるチャンネルボックスの構成部品である長方形の薄板の平面図。
【図7】(a)は第2の実施の形態におけるチャンネルボックスの斜視図、(b)はコーナ部材を構成する合金製平板を示す図、(c)は遮板の斜視図。
【図8】(a)は本発明の第2の実施の形態燃料集合体の高さ方向1/2〜2/2の一部での断面図、(b)は、高さ方向0/2〜1/2の一部での断面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態の燃料集合体におけるコーナ部の燃料棒の限界出力特性を示す図。
【図10】(a)は、第3の実施の形態におけるチャンネルボックスの構成部品である長方形の薄板の平面図、(b)はコーナ部材を構成する合金製平板を示す図、(c)は遮板の斜視図。
【図11】第3の実施の形態におけるチャンネルボックスの斜視図。
【図12】(a)は、第3の実施の形態の燃料集合体をチャンネルボックスで覆ったときの高さ方向7/8付近での水平断面図、(b)は同じく5/8付近での水平断面図。
【図13】(a)は第3の実施の形態の燃料集合体をチャンネルボックスで覆ったときの高さ方向3/8付近での水平断面図、(b)は同じく1/8付近での水平断面図。
【図14】第4の実施の形態におけるチャンネルボックスの構成部品である長方形の薄板の平面図。
【図15】(a)は、本発明の第4の実施の形態におけるチャンネルボックスの部分斜視図、(b)は上記チャンネルボックスの開口部に装着するガドリニア棒を示す図。
【図16】(a)は、燃料集合体を第4の実施の形態におけるチャンネルボックスで覆ったときの、高さ方向1/2〜2/2の一部での水平断面図、(b)は、同じく高さ方向0/2〜1/2の一部での水平断面図。
【図17】本発明のチャンネルボックスのコーナー部に取り付ける合金板の他の実施例。
【図18】本発明のチャンネルボックスのコーナー部に取り付ける合金板の他の実施例。
【図19】本発明のチャンネルボックスのコーナー部に取り付ける合金板の他の実施例。
【図20】(a)、(b)は本発明のチャンネルボックスのコーナー部に取り付ける合金板の他の実施例。
【図21】沸騰水型原子炉の炉心全体の断面図
【図22】(a)は、沸騰水型原子炉の燃料集合体の縦断面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図。
【図23】チャンネルボックスの斜視図。
【図24】沸騰水型原子炉の炉心シュラウドと集合体配置の関係図。
【図25】水ギャップ面積と水ロッド面積の和を一定としたときの中性子無限増倍率との関係線図。
【図26】従来の9×9燃料集合体とチャンネルボックスを炉心に装荷したときの燃料集合体コーナー部の限界出力特性。
【図27】チャンネルボックス側面での冷却材の流れを示す模式図。
【図28】フロートリッパーを有するチャンネルボックス側面近傍の冷却材の詳細な流れを示す模式図。
【図29】従来の9×9燃料集合体とチャンネルボックス(擬似正方形)を炉心に装荷したときの炉心安定性解析結果を示す図。
【符号の説明】
10 燃料集合体
11 制御棒
15 燃料棒
16 ウォータロッド
18 チャンネルボックス
19 部分長燃料棒
23 冷却材
25 液膜
26 水滴
27 蒸気
28 フロートリッパ
30、54、64 チャンネルボックス
32 薄板
33 穴
34 開口部
35、43、45、50、65 合金製平板
36、46 遮板
40、61 燃料集合体
41 全長燃料棒
42 ウォータロッド
44 切り込み
45a フロートリッパ
68 ガドリニア棒
70 固体減速材
72 中性子毒物の棒

Claims (10)

  1. 正方格子状に配列された複数本の燃料棒と一本若しくは複数本の水ロッドとをスペーサにより束状に保持し、その束状の燃料棒を断面が擬似正方形のチャンネルボックスにより囲んだ沸騰水型原子炉の燃料集合体において、角筒状に成形加工されたチャンネルボックスの隅角部に、チャンネルボックスの長手方向に延びる開口部を形成し、その開口部に、上記開口部を挟んで隣接するチャンネル壁間を連結するコーナ部材を固定し、チャンネルボックスの高さ方向の一部分において、水平方向の断面が任意の多角形となるようにしたことを特徴とする、沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  2. チャンネルボックスは2枚の長方形の薄板を長手方向でコの字状に折り曲げたものを溶接により角筒状に成形加工されたものであり、その隅角部に形成された長手方向に延びる開口部は、長方形の薄板の折り曲げ箇所に穴を開けた上でその薄板を折り曲げることにより形成されることを特徴とする、請求項1記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  3. チャンネルボックスに形成された長手方向に延びる開口部に固定されるコーナ部材は、ジルカロイ−4、または、チャンネルボックスと同じ素材で、且つ、周方向の曲率がチャンネルボックス自体のコーナー部の曲率よりも小さいことを特徴とする、請求項1または2記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  4. チャンネルボックスに形成された長手方向に延びる開口部に固定されるコーナ部材は、板体または棒状体であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  5. コーナ部材の外側には、固体減速材が固定されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  6. コーナ部材の内面側には、上流側から下流側に対してチャンネル内の流路面積が小さくなるようなテーパを有し水平方向に延びるフロートリッパが突設されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  7. チャンネルボックス内の水平断面積を軸方向で比較したときに、燃料有効長さの下部領域の(0〜1/2)の最小水平断面積が、同じ燃料有効長さの上部領域(1/2〜2/2)の少なくとも一部の水平断面積と比べて大きいことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  8. 燃料集合体のコーナー部の1本(×4)の燃料棒、または、コーナー部に隣接した燃料棒を含む3本(×4)の燃料棒を削除、あるいは、その一部を部分長燃料棒としたことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  9. D格子炉心に装荷される場合に、反制御棒側の隅角部のみに、チャンネルボックスと同じ素材で、周方向の曲率がチャンネルボックス自体の曲率よりも小さなコーナー部材が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  10. 請求項1〜9に記載した燃料集合体を装荷したことを特徴とする、沸騰水型原子炉。
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