JP2004360810A - 等速ジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化が可能で、かつ耐久性の高い等速ジョイントを提供する。
【解決手段】等速ジョイントは、第1の溝14が形成された複数の第1の腕部13を含む第1の等速ジョイント部品と、第2の溝24が形成された複数の第2の腕部を含む第2の等速ジョイント部品と、第1および第2の溝14および24により挟持される複数のボール30とを備える。第1の等速ジョイント部品の回転軸と第2の等速ジョイント部品の回転軸とがなす角度Bが最大となる状態で第1および第2の等速ジョイント部品が回転すると、常に、第1の溝14の表面上の2点以上とボール30とが接触し、かつ第2の溝24の表面上の2点以上とボール30とが接触するように第1および第2の溝14および24が形成されている。
【選択図】 図15
【解決手段】等速ジョイントは、第1の溝14が形成された複数の第1の腕部13を含む第1の等速ジョイント部品と、第2の溝24が形成された複数の第2の腕部を含む第2の等速ジョイント部品と、第1および第2の溝14および24により挟持される複数のボール30とを備える。第1の等速ジョイント部品の回転軸と第2の等速ジョイント部品の回転軸とがなす角度Bが最大となる状態で第1および第2の等速ジョイント部品が回転すると、常に、第1の溝14の表面上の2点以上とボール30とが接触し、かつ第2の溝24の表面上の2点以上とボール30とが接触するように第1および第2の溝14および24が形成されている。
【選択図】 図15
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、等速ジョイントに関し、特に、ワイス型の等速ジョイントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、等速ジョイントとしてワイス型の等速ジョイントが知られている。ワイス型の等速ジョイントは、たとえば米国特許第1,522,351号(特許文献1)、特開昭61−153020号公報(特許文献2)、および特開昭62−35116号公報(特許文献3)に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第1,522,351号
【0004】
【特許文献2】
特開昭61−153020号公報
【0005】
【特許文献3】
特開昭62−35116号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ワイス型の等速ジョイントでは、トリポート型ジョイントに比べて、耐久性が小さいという問題があった。
【0007】
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、耐久性の高い等速ジョイントを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った等速ジョイントは、第1および第2の等速ジョイント部品と、ボールとを備える。第1の等速ジョイント部品は、第1の台座部と、その第1の台座部から突出するように延在してボールを案内するための第1の溝が側面に形成された複数の第1の腕部とを含む。第2の等速ジョイント部品は、第2の台座部と、その第2の台座部から突出するように延在してボールを案内するための第2の溝が表面に形成された複数の第2の腕部とを含む。第1および第2の溝によりボールが挟持される。第1の等速ジョイント部品の回転軸と第2の等速ジョイント部品の回転軸とがなす角度Bが最大となる状態で第1および第2の等速ジョイント部品が回転すると、常に、第1の溝の表面上の2点以上とボールとが接触し、かつ第2の溝の表面上の2点以上とボールとが接触するように第1および第2の溝が形成されている。
【0009】
このように構成された等速ジョイントでは、第1の等速ジョイント部品の回転軸と第2の等速ジョイント部品の回転軸とがなす角度が最大の状態で第1および第2の等速ジョイント部品が回転しても、常に第1の溝の表面上の2点以上とボールとが接触し、かつ第2の溝の表面上の2点以上とボールとが接触する。その結果、第1および第2の溝上の複数の点でボールが接触するため、第1および第2の溝上の1点のみがボールと接触する場合と比べて接点での荷重を低減することができ、第1および第2の溝の摩耗を防止し、耐久性が向上する。さらに、第1および第2の溝の複数点とボールとが接触するため、ボールが第1および第2の溝により確実に位置決めされる。その結果、ボールが溝内でがたつくことを防止することができ、がたつきの抑制およびNV性能(ノイズ・バイブレーション性能)が向上する。
【0010】
好ましくは、第1および第2の溝はそれぞれ2つの接点でボールと接触し、ボールの中心と接点とを結ぶ直線は、ボールの中心と接点側の等速ジョイント部品の回転軸を含む平面に対し垂直かつボールの中心を通る直線に対して最小で角度Aをなし、ボールへ荷重が加わる方向と、中心線とのなす角度Yの最大値Ymaxは角度A以下である。
【0011】
この場合、ボールへ荷重が加わる方向と上記直線とのなす角度Yの最大値Ymaxは角度A以下であるため、2つの接点の間の領域に常に荷重が加わることになる。その結果、荷重を常に2点で受止めることができ、荷重を1点のみで受止める場合に比べて、ボールおよび第1および第2の溝の摩耗を低減することができる。その結果、ボールおよび第1および第2の溝の耐久性が向上する。さらに、2つの接点の間の領域に荷重が印加されるため、ボールが溝断面方向で移動することを防止することができる。その結果、がたつきの発生を抑制し、さらにNV性能を向上させることができる。
【0012】
また好ましくは、第1の溝と第1の台座部の回転軸との距離は、第1の台座部から第1の腕部の先端部に近づくにつれて大きくなる。第2の溝と第2の台座部の回転軸との距離は、第2の台座部から第2の腕部の先端部に近づくにつれて大きくなる。この場合、第1および第2の溝は第1および第2の先端部から離れるにつれて開いていくような向きに位置する。そのため、これらの第1および第2の溝により挟持される複数のボールを結んで得られる円は、従来の円よりも大きくなる。その結果、回転軸からボールまでの距離が大きくなり、各々のボールに加わる荷重が小さくなる。同時に、各々のボールを挟持する第1および第2の腕部に加わる荷重も小さくなるため、第1および第2に腕部と、それを支持する第1および第2の台座部とを小型化することができる。その結果、等速ジョイント全体を小型化することができる。また、ボールに加わる荷重が小さくなるため、第1および第2の溝に加わるモーメントが小さくなり、第1および第2の溝における歪みの発生を抑制することができる。その結果、ボールが確実に荷重を負担することができる。
【0013】
また好ましくは、第1の台座部の周縁部には、複数の第1の腕部の各々の間に複数の第2の腕部の各々に向かい合うように複数の第1の凹部が形成されている。第2の台座部の周縁部には、複数の第2の腕部の各々の間に複数の第1の腕部の各々に向かい合うように複数の第2の凹部が形成されている。この場合、第1の台座部の周縁部には、複数の第1の腕部の各々の間に複数の第2の腕部の各々に向かい合うように複数の第1の凹部が形成されているため、等速ジョイントが曲げられた場合に、第2の腕部の先端部は第1の凹部に受入れられ、第1の台座部に接触することがない。また、第2の台座部の周縁部には、複数の第2の腕部の各々の間に複数の第1の腕部の各々に向かい合うように複数の第2の凹部が形成されているため、等速ジョイントが曲げられた場合に、第1の腕部の各々の先端部が第2の凹部に受入れられた第2の台座部に接触することがない。その結果、曲げ角度が大きな等速ジョイントを得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
なお、同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明は繰返さない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った等速ジョイント部品の斜視図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1に従った第1の等速ジョイント部品10は、第1の台座部11と、その第1の台座部11から突出するように延在してボールを案内するための第1の溝14が側面に形成された複数の第1の腕部13とを含む。第1の台座部11の周縁部には、複数の第1の腕部13の各々の間に複数の第1の凹部12が形成されている。
【0017】
第1の台座部11は板状であり、その外周に、互いに等しい間隔を隔てて3本の第1の腕部13が設けられている。第1の腕部13は、第1の台座部11に取付けられる根元部13rと、根元部13rとは反対側の端部の先端部13tとを有する。複数の第1の腕部13の各々の距離は、根元部13rから先端部13tに近づくにつれて大きくなる。
【0018】
1本の第1の腕部13には、2つの第1の溝14が形成される。第1の溝14は、第1の腕部13の側面に形成されて、ボールを案内する。
【0019】
図2は、図1で示す第1の等速ジョイント部品の側面図である。図2を参照して、第1の等速ジョイント部品10は、回転軸10Jを中心に回転する。第1の溝14と第1の台座部11の回転軸10Jとの距離は、第1の台座部11から第1の腕部13の先端部13tに近づくにつれて大きくなる。第1の溝14は複数本形成されているが、いずれの第1の溝14においても、根元部13rから先端部13tに近づくにつれて第1の溝14の中心軸14Jと第1の台座部11の回転軸10Jとの距離が大きくなる。第1の溝14の中心軸14Jと第1の台座部11の回転軸10Jとは、角度θをなす。第1の溝14の中心軸14Jと第1の台座部11の回転軸10Jとが交わらない場合には、中心軸14Jを平行移動させて回転軸10Jに交わらせて、角度θを特定する。
【0020】
図3は、この発明の実施の形態1に従った等速ジョイントの側面図であって、図2で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。図3を参照して、この発明に従った等速ジョイントは、図1および2で示した第1の等速ジョイント部品10と、その第1の等速ジョイント部品10と同一形状の第2の等速ジョイント部品20と、第1および第2の等速ジョイント部品10および20により挟持される複数のボール30とを備える。
【0021】
具体的には、第1の等速ジョイント部品10は、第1の台座部11と、その第1の台座部11から突出するように延在してボール30を案内するための第1の溝14が側面に形成された複数の第1の腕部13とを含む。第2の等速ジョイント部品20は、第2の台座部21と、その第2の台座部21から突出するように延在してボール30を案内するための第2の溝24が側面に形成された複数の第2の腕部23とを含む。第1の溝14および第2の溝24により複数のボール30が挟持される。第1の溝14と第1の台座部11の回転軸10Jとの距離は、第1の台座部から第1の腕部13の先端部13tに近づくにつれて大きくなる。第2の溝24と第2の台座部21の回転軸20Jとの距離は、第2の台座部21から第2の腕部23の先端部23tに近づくにつれて大きくなる。
【0022】
第2の等速ジョイント部品20は、第1の等速ジョイント部品10と同一形状であり、3本の第2の腕部23と、その第2の腕部23の側面に形成された第2の溝24とを有する。第2の溝24の中心軸24Jと、第2の台座部21の回転軸20Jとの間の距離は、第2の腕部23の根元部23rから先端部23tに近づくにつれて大きくなる。第1および第2の等速ジョイント部品10および20では、第1および第2の溝14および24が口元に向かって開く向きに形成されている。
【0023】
第1の台座部11の周縁部には、複数の第1の腕部13の各々の間に複数の第2の腕部23の各々に向かい合うように複数の第1の凹部12が形成されている。第2の台座部21の周縁部には、複数の第2の腕部23の各々の間に複数の第1の腕部13の各々に向かい合うように複数の第2の凹部22が形成されている。第2の台座部21が回転軸20Jを中心として回転すると、この回転は第2の腕部23およびボール30を介して第1の等速ジョイント部品10へ伝えられる。
【0024】
図4は、図3中の矢印IVで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。図4を参照して、等速ジョイント1は、紙面の手前側に位置する第1の等速ジョイント部品10と、紙面の奥側に位置する第2の等速ジョイント部品20と、第1および第2の等速ジョイント部品10および20により挟持されるボール30とを備える。
【0025】
第1の台座部11には、3つの第1の凹部12が形成されている。第1の凹部12は円弧状に形成されており、第2の腕部23を受け入れるような形状となる。
【0026】
第2の腕部23の両側面には第2の溝24が形成されており、第2の溝24により6つのボール30が挟持されている。ボール30を結んでできる円は、第1および第2の等速ジョイント部品10および20の回転軸上に位置する。
【0027】
図5から図7は、図3および図4で示す等速ジョイントの動作を説明するための等速ジョイントの側面図である。図5を参照して、等速ジョイント1では、第1および第2の等速ジョイント部品10および20の間の距離をさまざまに設定することができる。図5では、第1の等速ジョイント部品10と第2の等速ジョイント部品20との距離が最も小さく設定されている。この場合には、第1の腕部13は、第2の凹部22に受け入れられ、第1の腕部13の先端部13tは第2の凹部22近傍に位置する。同様に、第2の腕部23は第1の凹部12に受け入れられ、第2の腕部23の先端部23tは第1の凹部12の近傍に位置する。各々のボール30は、第1の腕部13の根元部13r側で挟持され、かつ第2の腕部23の根元部23r側で挟持される。
【0028】
図6を参照して、図5で示す状態から第1の等速ジョイント部品10を第2の等速ジョイント部品20から遠ざかる方向に移動させると、図6で示すように、第1の等速ジョイント部品10と第2の等速ジョイント部品20との距離が大きくなる。これに伴い、ボール30は、第1の腕部13の先端部13tと根元部13rとの中間付近での第1の溝14に挟持され、かつ第2の腕部23の先端部23tと根元部23rの中間付近の第2の溝24で挟持される。
【0029】
図7を参照して、図6で示す状態から、第1の等速ジョイント部品10を第2の等速ジョイント部品20から遠ざかる方向へ移動させると、図7で示すように、第1の等速ジョイント部品10と第2の等速ジョイント部品20との距離がさらに大きくなる。この場合、第1の腕部13の先端部13t側の第1の溝14と、第2の腕部23の先端部23t側の第2の溝24とでボール30が挟持される。
【0030】
図8から図10は、2本の回転軸10Jおよび20Jに角度がついた状態を説明するために示す等速ジョイントの側面図である。図8では、図5で示す状態から第1の台座部11の回転軸10Jと、第2の台座部21の回転軸20Jとが0°を超える角度をなす状態を示す。この状態では、2本の回転軸10Jおよび20Jを2等分する面上に各々のボール30が位置する。これにより、第2の等速ジョイント部品20の回転を、等しい速度で第1の等速ジョイント部品10側へ伝えることができる。
【0031】
図9は、図6で示す状態から2本の回転軸10Jおよび20Jに角度をつけた状態を示す。この場合、図8で示す状態より、各々のボール30は第1の腕部13の先端部13t側の第1の溝14と、第2の腕部23の先端部23t側の第2の溝24で挟持される。
【0032】
図10では、図7で示す状態から2本の回転軸10Jおよび20Jに角度がつけられている。図10では、図9で示す状態から、さらに各々のボール30は第1の腕部13の先端部13t側の第1の溝14と、第2の腕部23の先端部23t側の第2の溝24で挟持される。
【0033】
図11は、図7で示す等速ジョイントの模式図である。図11を参照して、第1の溝14および第2の溝24により複数のボール30が保持される。図11では、第1および第2の等速ジョイント部品10および20が大きく離れた状態(スライドアウトした状態)を示している。この複数のボール30を結んでできる円の直径をpcd2とし、等速ジョイント1の外径をD2とする。回転軸20Jと第2の溝24とのなす角度をθとする。回転軸10Jと第1の溝14とのなす角度をθとする。ボール30から第2の溝24の先端部までの距離をbとし、ボール30から第2の溝24の根元部までの距離をr2とする。ボール30から第1の溝14の先端部までの距離をbとし、ボール30から第1の溝14の根元部までの距離をr2とする。等速ジョイント1の外径D2は以下の式で表わされる。
【0034】
D2=pcd2+2bsinθ
図12は、従来のワイス型の等速ジョイントの模式図である。図12を参照して、従来のワイスジョイントで第1の溝14および第2の溝24では、第1の溝14は第1の台座部11から遠ざかるにつれて回転軸10Jに近づくように延びる。同様に、第2の溝24は第2の台座部21から遠ざかるにつれて回転軸20Jに近づくように延びる。図12も、第1および第2の等速ジョイント部品10および20が大きく離れた状態(スライドアウトした状態)を示している。
【0035】
ワイス型の等速ジョイント101の外径をD1とし、複数のボール30を結んでできる円の直径をpcd1とする。回転軸20Jと第2の溝24とのなす角度をθとする。回転軸10Jと第1の溝14とのなす角度をθとする。第1の溝14の根元部からボール30までの距離をaとし、第1の台座部11からボール30までの距離をr1とする。第2の溝24の根元部からボール30までの距離をaとし、第2の台座部21からボール30までの距離をr1とする。等速ジョイント101の外径D1は以下の式で表わされる。
【0036】
D1=pcd1+2asinθ
台座部11上でのA点での曲げモーメントを同一にするためには、図11および図12においてr1=r2、pcd2=pcd1となる。このとき、b<aより、D2<D1となり、本発明品である図11で示す等速ジョイント1は、図12で示す従来のワイス型の等速ジョイント101に比べて外径を小さくすることができる。
【0037】
図13は、図5で示す等速ジョイントの模式図である。図13を参照して、ボール30の中心から第1の溝14の先端部までの距離をa、ボール30の中心から第1の溝14の根元部までの距離をb、ジョイント角付与時にボール30と第1の台座部11が干渉しないための隙間をdとし、第1の台座部11から第1の溝14の先端部までの距離をe2とする。ボール30の中心から第2の溝24の先端部までの距離をa、ボール30の中心から第2の溝24の根元部までの距離をb、ジョイント角付与時にボール30と第2の台座部21が干渉しないための隙間の距離をdとし、第2の台座部21から第2の溝24の先端部までの距離をe2とする。図13は、第1および第2の等速ジョイント部品10および20が近接した状態(スライドインした状態)を示している。第1の台座部11と第2の台座部21とが最も接近した位置から第1の台座部11が距離+L/2、第2の台座部21が距離−L/2移動したとき、スライド量をLとする。スライド量Lは、a=b+Lで表わされる。第1の台座部11から第1の溝14の先端部までの距離e2は以下の式で表わされる。
【0038】
e2=a+b+d=2b+L+d
図14は、従来のワイス型の等速ジョイントの模式図である。図14を参照して、ジョイント角付与時にボール30と第1の台座部11とが干渉しないための隙間をcとする。第1の台座部11から第1の溝14の先端部までの距離をe1とする。第1の台座部11から第1の溝14の先端部までの距離e1は以下の式で表わされる。
【0039】
e1=2a+c=2b+2L+c
ただし、a=b+Lである。
【0040】
e2−e1=−L−c+d=(d−L)−c
ここで、dはボールの半径以下のため、d−L<0
ゆえにe2−e1<0となり、e2<e1
よって、軸方向の長さを短縮することができ、かつ、点Aでの曲げモーメントを低減でき、溝の撓みを低減することができる。
【0041】
以上のような、この発明に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびにそれを用いた等速ジョイント1では、小型化が可能となり、かつ、各々の第1および第2の腕部13および23にかかるモーメントが小さくなるため、第1および第2の溝14および24が確実にボール30を挟持することができる。
【0042】
図15は、第1の等速ジョイント部品とボールとを示す図であり、図15の(A)は、図9中の矢印XVAで示す方向からみた第1および第2の溝とボールの平面図であり、図15の(B)は、図15の(A)中のXVB−XVB線に沿った断面図であり、図15の(C)は中心線を説明するための斜視図である。図15の(A)から図15の(C)を参照して、第1の溝14と第2の溝24とは、互いに交差するように配置されている。ボール30は、第1の溝14と第2の溝24との交点に位置する。第1の等速ジョイント部品の回転軸と第2の等速ジョイント部品の回転軸とがなす角度が最大となる状態で第1および第2の等速ジョイント部品が回転すると、常に、第1の溝14の表面上の2つの接点15とボール30とが接触し、かつ第2の溝24の表面上の2つの接点25とボール30とが接触するように第1の溝14および第2の溝24が形成されている。
【0043】
図15の(B)は、第1の溝14が延びる方向と直交する断面である。第1の溝14は溝の中心線14aに対して左右対称形状を有する。なお、図示していないが、第2の溝24も中心線24aに対して左右対称形状を有する。第1の溝14は中心線14aに対して対称に位置する2つの接点15でボール30と接触する。ボール30の中心30cと接点15とを結ぶ直線15aは中心線14aに対して角度Aをなす。ボール30へ荷重fが加わる方向と中心線14aとのなす角度Yの最大値Ymaxは角度A以下である。
【0044】
図15の(C)で示すように、第1の溝14の中心線14aは、ボール30の中心30cと等速ジョイント部品10の回転軸10Jとを含む平面に対して垂直で、かつ、ボール30の中心30cを通る直線である。同様に、第2の溝24の中心線(図15の(C)では図示せず)は、ボール30の中心30cと等速ジョイント部品20の回転軸20Jとを含む平面に対して垂直で、かつ、ボール30の中心30cを通る直線である。
【0045】
ここで、上述の角度の関係について説明する。図15において、荷重fが加わる方向と中心線14aとのなす角度Yは、第1の溝14の中心軸14Jと回転軸10Jとのなす角度θ(図2参照)、第1の等速ジョイント部品10の回転軸10Jと第2の等速ジョイント部品20の回転軸20Jとのなす角度B(図10参照)および第1および第2の等速ジョイント部品10および20の回転角度(X)とにより、以下の式に従い決定される。
【0046】
【数1】
【0047】
上述の式のXに0から90°までの角度を入れたときのYの最大値がYmaxである。本発明では、このYmaxが角度A(接触角A)以下となる必要がある。
【0048】
図16は比較例に従った第1の溝の断面図である。図16を参照して、比較例に従った第1の溝14においては、荷重がf0のときには、2つの接点15で溝14がボール30を支持している。しかしながら、荷重f1で示すような荷重が加わったときには、荷重の入力方向が2つの接点15の間の領域からずれて接点15fの1点でボール30と第1の溝14とが接触する。これにより、ボール30は点線で示す位置に移動する。そのために、2点接触にある面圧低減効果が減少するとともに、1点接触と同様にがたが発生する。また、接点の数が2点から1点と変化するため、NV性能についても悪化が懸念される。
【0049】
図17は従来の溝の断面図である。従来の溝では、荷重f0が印加されたときには接点15のみで第1の溝14とボール30とが接触する。また、荷重f1が印加された場合には、接点15fのみでボール30と第1の溝14とが接触する。このため、荷重がf0からf1まで移動すると、接点が移動するため、がたつきが大きくなる。
【0050】
図18は、ジョイント角度Bを一定にした場合のボール溝(第1および第2の溝)の傾き角度θと接触角Aとの関係を示すグラフである。なお、図18は、ジョイント角度Bが15°のときの、ボール30の接点数が変動しないような、第1および第2の溝14および24の傾き角度θと接触角Aの関係をグラフ化している。
【0051】
図18より、本発明の範囲である、どの回転位相でも常に2点接触となる領域は、ボール溝の傾き角度θと接触角Aとによって変化することがわかる。そのため、本発明では、常に2点接触となる領域が得られるように第1および第2の溝14および24の角度θと接触角Aを設定する必要がある。
【0052】
図19はジョイント角度Bをさまざまに変化させた場合の本発明の範囲の推移を示すグラフである。図19では、どの回転位相でも常に2点接触となる領域についてジョイント角度Bを3°から30°の間で3°刻みで示している。図19からわかるように、ジョイント角度Bが大きくなれば第1および第2の溝の傾き角度θと接触角Aを大きくする必要があることがわかる。
【0053】
以上のような、この発明に従えば、常に第1および第2の溝14および24の2点の接点でボール30と第1および第2の溝14および24が接触するため、接点での面圧を低減することができる。その結果、ボール30および第1および第2の溝14および24の摩耗を防止でき、耐久性を向上させることができる。
【0054】
さらに、常にボール30の接点の数が変動することがないため、がたつきを抑制し、NV性能を向上させることができる。
【0055】
(実施の形態2)
図20は、この発明の実施の形態2に従った等速ジョイントの斜視図である。図21は、図20で示す等速ジョイント部品の側面図である。図20および図21を参照して、この発明の実施の形態2に従った等速ジョイントおよび等速ジョイント部品では、第1および第2の溝14および24の延びる方向が、実施の形態1に従った第1および第2の溝と異なる。すなわち、第1の溝14と第1の台座部11の回転軸10Jとの距離は、第1の台座部11から第1の腕部13の先端部13tに近づくにつれて小さくなる。また、第2の溝24と第2の台座部21との距離は、第2の台座部21から第2の腕部23の先端部に近づくにつれて小さくなる。
【0056】
すなわち、第1および第2の溝14および24は第1および第2の台座部11および21から離れるにつれて狭まるような向きに位置する。
【0057】
図21のXVB−XVB線に沿った断面は図15の(B)と同様であり、ボール30は第1の溝14の表面と常に2点で接触する。すなわち、回転軸10Jと回転軸20Jとのなす角度Bが最大角となった状態で第1および第2の等速ジョイント部品10および20が回転しても、ボール30は第1の溝14の表面の2点で常に接触し、ボール30は、また第2の溝24の表面の2点で常に接触する。
【0058】
このように構成された実施の形態2に従った等速ジョイント1でも、実施の形態1と同様に2点接触による効果がある。
【0059】
(実施の形態3)
図22は、この発明の実施の形態3に従った等速ジョイント部品の側面図である。図22を参照して、この発明の実施の形態3に従った等速ジョイント部品10では、台座部11に凹部が設けられていない点で、実施の形態1に従った等速ジョイント部品と異なる。その他の点は実施の形態1に従った等速ジョイント部品と同様である。特に、なお、図22のXVB−XVB線に沿った断面図は図15の(B)と同様であり、第1の溝14内にボールが位置決めされると、そのボールは常に第1の溝14の2点と接触する。
【0060】
このように構成された、この発明の実施の形態3に従った等速ジョイントでは、実施の形態1に従った等速ジョイントと同様の効果がある。
【0061】
(実施の形態4)
図23は、この発明の実施の形態4に従った等速ジョイント部品の正面図である。図24は、図23で示す等速ジョイント部品の側面図である。図23および図24を参照して、この発明の実施の形態4に従った第1の等速ジョイント部品10では、第1の腕部13の数が2本である点で、第1の腕部が3本存在する実施の形態1に従った第1の等速ジョイント部品と異なる。第1の等速ジョイント部品10の2本の腕部13は、第1の台座部11に取付けられる根元部13rと、第1の台座部11から最も遠い部分に位置する先端部13tとを有する。第1の腕部13の両側面にはボールを案内するための第1の溝14が設けられている。第1の溝14は第1の台座部11から先端部13tに近づくにつれて第1の台座部11の回転軸10Jから遠ざかるように位置する。すなわち、第1の溝14の中心軸14Jと回転軸10Jとの距離は根元部13rから先端部13tに近づくにつれて大きくなる。
【0062】
図25は、図23および図24で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。図26は、図25中の矢印XXVIで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。図25および図26を参照して、この発明の実施の形態4に従った等速ジョイント1は、互いに同一形状の第1および第2の等速ジョイント部品10および20と、第1および第2の等速ジョイント部品10および20により挟持される複数(4つ)のボール30とを有する。実施の形態1の等速ジョイント部品10および20に比べて、実施の形態4で示す等速ジョイント部品10および20では、第1の腕部13および第2の腕部23の数が少ないため、実施の形態1よりも第1の腕部13および第2の腕部23が大きく形成されている。
【0063】
図25中のXVB−XVB線に沿った断面図は、図15の(B)で示される。第1の溝14の表面上の2点が常にボール30に接触し、かつ、第2の溝24の表面上の2点が常にボール30に接触する。
【0064】
4つのボール30は、等間隔に配置されてもよく、また不等間隔で配置されてもよい。すなわち、4つのボール30を結ぶ円周をちょうど90°で4等分する各点上に4つのボール30が置かれていてもよいし、90°と異なる角でこの円周を分割してその点上に4つのボール30を位置決めしてもよい。
【0065】
このように構成された、この発明の実施の形態4に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびにそれを用いた等速ジョイント1では、実施の形態1に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびに等速ジョイント1と同様の効果がある。
【0066】
(実施の形態5)
図27は、この発明の実施の形態5に従った等速ジョイント部品の正面図である。図27を参照して、この発明の実施の形態5に従った第1の等速ジョイント部品10は、4本の第1の腕部13を有する点で、実施の形態1に従った等速ジョイント部品と異なる。4本の第1の腕部13は互いに等しい間隔を隔てて形成され、各々の第1の腕部13の間には第1の凹部12が形成されている。さらに、第1の腕部13の両側面には第1の溝14が形成されている。
【0067】
図28は、図27で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。図29は、図28中の矢印XXIXで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。図28および図29を参照して、この発明の実施の形態5に従った等速ジョイント1は、互いに同一形状の第1および第2の等速ジョイント部品10および20と、第1および第2の等速ジョイント部品10および20により挟持されるボール30とを有する。第1の等速ジョイント部品10は第1の台座部11に取付けられた第1の腕部13を有し、第1の腕部13にはボール30を案内するための第1の溝14が形成されている。第1の溝14は根元部13rから先端部13tに近づくにつれて回転軸10Jから遠ざかるように延びる。すなわち、第1の溝14の中心軸14Jと回転軸10Jとの距離は根元部13rから先端部13tに近づくにつれて大きくなる。同様に、第2の腕部23の第2の溝24も根元部23rから先端部23tに近づくにつれて回転軸20Jから遠ざかるように延びる。すなわち、第2の溝24の中心軸24Jは根元部23rから先端部23tに近づくにつれて回転軸20Jとの距離が大きくなる。
【0068】
図28中のXVB−XVB線に沿った断面図は、図15で示される。第1の溝14の表面上の2点が常にボール30に接触し、かつ、第2の溝24の表面上の2点が常にボール30に接触する。
【0069】
図28で示すように、第1および第2の等速ジョイント部品10および20は8つのボールを挟持している。ボール30の数が多くなるため、第1および第2の腕部13および23の幅が小さく設計されている。
【0070】
このように構成された、この発明の実施の形態5に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびにそれを用いた等速ジョイント1では、実施の形態1に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびに等速ジョイント1と同様の効果がある。
【0071】
(実施の形態6)
図30は、この発明の実施の形態6に従った等速ジョイント部品の一部断面図である。図30は、図15の(B)で示す断面図に対応する。図30を参照して、この発明の実施の形態6に従った第1の等速ジョイント部品10では、第1の腕部13の第1の溝14は、左右非対称形状である点で、実施の形態1から5に従った第1の溝14と異なる。
【0072】
第1の溝14は2つの接点15でボール30と接触し、ボール30の中心30cと接点15とを結ぶ直線は溝の中心線14aに対して最小で角度Aをなし、最大で角度Zをなす。ボール30へ荷重が加わる方向と中心線とのなす角度Yの最大値Ymaxは角度A以下である。
【0073】
このように構成された、この発明の実施の形態6に従った第1の等速ジョイント部品10およびそれを用いた等速ジョイントでは、実施の形態1に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびに等速ジョイント1と同様の効果がある。
【0074】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、ここで示した実施の形態はさまざまに変形することが可能である。まず、各実施の形態では、第1および第2の台座部11および21に第1および第2の凹部12および22を設けたが、この第1および第2の凹部12および22を設けなくてもよい。さらに、第1および第2の腕部13および23の本数は複数本あればよく、偶数本または奇数本に限られない。さらに、ボール30の寸法、第1および第2の溝14および24の寸法については適宜変更することが可能である。
【0075】
また、この発明の適用分野としては、自動車のドライブシャフト(アクスル)に接続される等速ジョイント、工作機械の回転駆動部での等速ジョイントがある。
【0076】
さらに、第1の溝を左右対称形状とし、第2の溝を左右非対称形状としてもよい。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0078】
【発明の効果】
この発明に従えば、小型化が可能で、かつ確実にボールを挟持することができる等速ジョイント部品および等速ジョイントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に従った等速ジョイント部品の斜視図である。
【図2】図1で示す第1の等速ジョイント部品の側面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に従った等速ジョイントの側面図であって、図2で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。
【図4】図3中の矢印IVで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。
【図5】図3および図4で示す等速ジョイントの動作を説明するための等速ジョイントの側面図である。
【図6】図3および図4で示す等速ジョイントの動作を説明するための等速ジョイントの側面図である。
【図7】図3および図4で示す等速ジョイントの動作を説明するための等速ジョイントの側面図である。
【図8】2本の回転軸10Jおよび20Jに角度がついた状態を説明するために示す等速ジョイントの側面図である。
【図9】2本の回転軸10Jおよび20Jに角度がついた状態を説明するために示す等速ジョイントの側面図である。
【図10】2本の回転軸10Jおよび20Jに角度がついた状態を説明するために示す等速ジョイントの側面図である。
【図11】図7で示す等速ジョイントの模式図である。
【図12】従来のワイス型の等速ジョイントの模式図である。
【図13】図5で示す等速ジョイントの模式図である。
【図14】従来のワイス型の等速ジョイントの模式図である。
【図15】第1の等速ジョイント部品とボールとを示す図であり、図15の(A)は、図9中の矢印XVAで示す方向からみた第1および第2の溝とボールの平面図であり、図15の(B)は、図15の(A)中のXVB−XVB線に沿った断面図であり、図15の(C)は中心線を説明するための斜視図である。
【図16】比較例に従った第1の溝の断面図である。
【図17】従来の溝の断面図である。
【図18】ジョイント角Bを一定にした場合のボール溝の傾き角度θと接触角Aとの関係を示すグラフである。
【図19】ジョイント角Bをさまざまに変化させた場合の本発明の範囲の推移を示すグラフである。
【図20】この発明の実施の形態2に従った等速ジョイントの斜視図である。
【図21】図20で示す等速ジョイント部品の側面図である。
【図22】この発明の実施の形態3に従った等速ジョイント部品の側面図である。
【図23】この発明の実施の形態4に従った等速ジョイント部品の正面図である。
【図24】図23で示す等速ジョイント部品の側面図である。
【図25】図23および図24で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。
【図26】図25中の矢印XXVIで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。
【図27】この発明の実施の形態5に従った等速ジョイント部品の正面図である。
【図28】図27で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。
【図29】図28中の矢印XXIXで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。
【図30】この発明の実施の形態6に従った等速ジョイント部品の一部断面図である。
【符号の説明】
1 等速ジョイント、10 第1の等速ジョイント部品、10J,20J 回転軸、11 第1の台座部、12 第1の凹部、13 第1の腕部、14 第1の溝、14a,24a 中心線、15,25 接点、20 第2の等速ジョイント部品、21 第2の台座部、22 第2の凹部、23 第2の腕部、24 第2の溝、30 ボール。
【発明の属する技術分野】
この発明は、等速ジョイントに関し、特に、ワイス型の等速ジョイントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、等速ジョイントとしてワイス型の等速ジョイントが知られている。ワイス型の等速ジョイントは、たとえば米国特許第1,522,351号(特許文献1)、特開昭61−153020号公報(特許文献2)、および特開昭62−35116号公報(特許文献3)に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第1,522,351号
【0004】
【特許文献2】
特開昭61−153020号公報
【0005】
【特許文献3】
特開昭62−35116号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ワイス型の等速ジョイントでは、トリポート型ジョイントに比べて、耐久性が小さいという問題があった。
【0007】
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、耐久性の高い等速ジョイントを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った等速ジョイントは、第1および第2の等速ジョイント部品と、ボールとを備える。第1の等速ジョイント部品は、第1の台座部と、その第1の台座部から突出するように延在してボールを案内するための第1の溝が側面に形成された複数の第1の腕部とを含む。第2の等速ジョイント部品は、第2の台座部と、その第2の台座部から突出するように延在してボールを案内するための第2の溝が表面に形成された複数の第2の腕部とを含む。第1および第2の溝によりボールが挟持される。第1の等速ジョイント部品の回転軸と第2の等速ジョイント部品の回転軸とがなす角度Bが最大となる状態で第1および第2の等速ジョイント部品が回転すると、常に、第1の溝の表面上の2点以上とボールとが接触し、かつ第2の溝の表面上の2点以上とボールとが接触するように第1および第2の溝が形成されている。
【0009】
このように構成された等速ジョイントでは、第1の等速ジョイント部品の回転軸と第2の等速ジョイント部品の回転軸とがなす角度が最大の状態で第1および第2の等速ジョイント部品が回転しても、常に第1の溝の表面上の2点以上とボールとが接触し、かつ第2の溝の表面上の2点以上とボールとが接触する。その結果、第1および第2の溝上の複数の点でボールが接触するため、第1および第2の溝上の1点のみがボールと接触する場合と比べて接点での荷重を低減することができ、第1および第2の溝の摩耗を防止し、耐久性が向上する。さらに、第1および第2の溝の複数点とボールとが接触するため、ボールが第1および第2の溝により確実に位置決めされる。その結果、ボールが溝内でがたつくことを防止することができ、がたつきの抑制およびNV性能(ノイズ・バイブレーション性能)が向上する。
【0010】
好ましくは、第1および第2の溝はそれぞれ2つの接点でボールと接触し、ボールの中心と接点とを結ぶ直線は、ボールの中心と接点側の等速ジョイント部品の回転軸を含む平面に対し垂直かつボールの中心を通る直線に対して最小で角度Aをなし、ボールへ荷重が加わる方向と、中心線とのなす角度Yの最大値Ymaxは角度A以下である。
【0011】
この場合、ボールへ荷重が加わる方向と上記直線とのなす角度Yの最大値Ymaxは角度A以下であるため、2つの接点の間の領域に常に荷重が加わることになる。その結果、荷重を常に2点で受止めることができ、荷重を1点のみで受止める場合に比べて、ボールおよび第1および第2の溝の摩耗を低減することができる。その結果、ボールおよび第1および第2の溝の耐久性が向上する。さらに、2つの接点の間の領域に荷重が印加されるため、ボールが溝断面方向で移動することを防止することができる。その結果、がたつきの発生を抑制し、さらにNV性能を向上させることができる。
【0012】
また好ましくは、第1の溝と第1の台座部の回転軸との距離は、第1の台座部から第1の腕部の先端部に近づくにつれて大きくなる。第2の溝と第2の台座部の回転軸との距離は、第2の台座部から第2の腕部の先端部に近づくにつれて大きくなる。この場合、第1および第2の溝は第1および第2の先端部から離れるにつれて開いていくような向きに位置する。そのため、これらの第1および第2の溝により挟持される複数のボールを結んで得られる円は、従来の円よりも大きくなる。その結果、回転軸からボールまでの距離が大きくなり、各々のボールに加わる荷重が小さくなる。同時に、各々のボールを挟持する第1および第2の腕部に加わる荷重も小さくなるため、第1および第2に腕部と、それを支持する第1および第2の台座部とを小型化することができる。その結果、等速ジョイント全体を小型化することができる。また、ボールに加わる荷重が小さくなるため、第1および第2の溝に加わるモーメントが小さくなり、第1および第2の溝における歪みの発生を抑制することができる。その結果、ボールが確実に荷重を負担することができる。
【0013】
また好ましくは、第1の台座部の周縁部には、複数の第1の腕部の各々の間に複数の第2の腕部の各々に向かい合うように複数の第1の凹部が形成されている。第2の台座部の周縁部には、複数の第2の腕部の各々の間に複数の第1の腕部の各々に向かい合うように複数の第2の凹部が形成されている。この場合、第1の台座部の周縁部には、複数の第1の腕部の各々の間に複数の第2の腕部の各々に向かい合うように複数の第1の凹部が形成されているため、等速ジョイントが曲げられた場合に、第2の腕部の先端部は第1の凹部に受入れられ、第1の台座部に接触することがない。また、第2の台座部の周縁部には、複数の第2の腕部の各々の間に複数の第1の腕部の各々に向かい合うように複数の第2の凹部が形成されているため、等速ジョイントが曲げられた場合に、第1の腕部の各々の先端部が第2の凹部に受入れられた第2の台座部に接触することがない。その結果、曲げ角度が大きな等速ジョイントを得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
なお、同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明は繰返さない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った等速ジョイント部品の斜視図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1に従った第1の等速ジョイント部品10は、第1の台座部11と、その第1の台座部11から突出するように延在してボールを案内するための第1の溝14が側面に形成された複数の第1の腕部13とを含む。第1の台座部11の周縁部には、複数の第1の腕部13の各々の間に複数の第1の凹部12が形成されている。
【0017】
第1の台座部11は板状であり、その外周に、互いに等しい間隔を隔てて3本の第1の腕部13が設けられている。第1の腕部13は、第1の台座部11に取付けられる根元部13rと、根元部13rとは反対側の端部の先端部13tとを有する。複数の第1の腕部13の各々の距離は、根元部13rから先端部13tに近づくにつれて大きくなる。
【0018】
1本の第1の腕部13には、2つの第1の溝14が形成される。第1の溝14は、第1の腕部13の側面に形成されて、ボールを案内する。
【0019】
図2は、図1で示す第1の等速ジョイント部品の側面図である。図2を参照して、第1の等速ジョイント部品10は、回転軸10Jを中心に回転する。第1の溝14と第1の台座部11の回転軸10Jとの距離は、第1の台座部11から第1の腕部13の先端部13tに近づくにつれて大きくなる。第1の溝14は複数本形成されているが、いずれの第1の溝14においても、根元部13rから先端部13tに近づくにつれて第1の溝14の中心軸14Jと第1の台座部11の回転軸10Jとの距離が大きくなる。第1の溝14の中心軸14Jと第1の台座部11の回転軸10Jとは、角度θをなす。第1の溝14の中心軸14Jと第1の台座部11の回転軸10Jとが交わらない場合には、中心軸14Jを平行移動させて回転軸10Jに交わらせて、角度θを特定する。
【0020】
図3は、この発明の実施の形態1に従った等速ジョイントの側面図であって、図2で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。図3を参照して、この発明に従った等速ジョイントは、図1および2で示した第1の等速ジョイント部品10と、その第1の等速ジョイント部品10と同一形状の第2の等速ジョイント部品20と、第1および第2の等速ジョイント部品10および20により挟持される複数のボール30とを備える。
【0021】
具体的には、第1の等速ジョイント部品10は、第1の台座部11と、その第1の台座部11から突出するように延在してボール30を案内するための第1の溝14が側面に形成された複数の第1の腕部13とを含む。第2の等速ジョイント部品20は、第2の台座部21と、その第2の台座部21から突出するように延在してボール30を案内するための第2の溝24が側面に形成された複数の第2の腕部23とを含む。第1の溝14および第2の溝24により複数のボール30が挟持される。第1の溝14と第1の台座部11の回転軸10Jとの距離は、第1の台座部から第1の腕部13の先端部13tに近づくにつれて大きくなる。第2の溝24と第2の台座部21の回転軸20Jとの距離は、第2の台座部21から第2の腕部23の先端部23tに近づくにつれて大きくなる。
【0022】
第2の等速ジョイント部品20は、第1の等速ジョイント部品10と同一形状であり、3本の第2の腕部23と、その第2の腕部23の側面に形成された第2の溝24とを有する。第2の溝24の中心軸24Jと、第2の台座部21の回転軸20Jとの間の距離は、第2の腕部23の根元部23rから先端部23tに近づくにつれて大きくなる。第1および第2の等速ジョイント部品10および20では、第1および第2の溝14および24が口元に向かって開く向きに形成されている。
【0023】
第1の台座部11の周縁部には、複数の第1の腕部13の各々の間に複数の第2の腕部23の各々に向かい合うように複数の第1の凹部12が形成されている。第2の台座部21の周縁部には、複数の第2の腕部23の各々の間に複数の第1の腕部13の各々に向かい合うように複数の第2の凹部22が形成されている。第2の台座部21が回転軸20Jを中心として回転すると、この回転は第2の腕部23およびボール30を介して第1の等速ジョイント部品10へ伝えられる。
【0024】
図4は、図3中の矢印IVで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。図4を参照して、等速ジョイント1は、紙面の手前側に位置する第1の等速ジョイント部品10と、紙面の奥側に位置する第2の等速ジョイント部品20と、第1および第2の等速ジョイント部品10および20により挟持されるボール30とを備える。
【0025】
第1の台座部11には、3つの第1の凹部12が形成されている。第1の凹部12は円弧状に形成されており、第2の腕部23を受け入れるような形状となる。
【0026】
第2の腕部23の両側面には第2の溝24が形成されており、第2の溝24により6つのボール30が挟持されている。ボール30を結んでできる円は、第1および第2の等速ジョイント部品10および20の回転軸上に位置する。
【0027】
図5から図7は、図3および図4で示す等速ジョイントの動作を説明するための等速ジョイントの側面図である。図5を参照して、等速ジョイント1では、第1および第2の等速ジョイント部品10および20の間の距離をさまざまに設定することができる。図5では、第1の等速ジョイント部品10と第2の等速ジョイント部品20との距離が最も小さく設定されている。この場合には、第1の腕部13は、第2の凹部22に受け入れられ、第1の腕部13の先端部13tは第2の凹部22近傍に位置する。同様に、第2の腕部23は第1の凹部12に受け入れられ、第2の腕部23の先端部23tは第1の凹部12の近傍に位置する。各々のボール30は、第1の腕部13の根元部13r側で挟持され、かつ第2の腕部23の根元部23r側で挟持される。
【0028】
図6を参照して、図5で示す状態から第1の等速ジョイント部品10を第2の等速ジョイント部品20から遠ざかる方向に移動させると、図6で示すように、第1の等速ジョイント部品10と第2の等速ジョイント部品20との距離が大きくなる。これに伴い、ボール30は、第1の腕部13の先端部13tと根元部13rとの中間付近での第1の溝14に挟持され、かつ第2の腕部23の先端部23tと根元部23rの中間付近の第2の溝24で挟持される。
【0029】
図7を参照して、図6で示す状態から、第1の等速ジョイント部品10を第2の等速ジョイント部品20から遠ざかる方向へ移動させると、図7で示すように、第1の等速ジョイント部品10と第2の等速ジョイント部品20との距離がさらに大きくなる。この場合、第1の腕部13の先端部13t側の第1の溝14と、第2の腕部23の先端部23t側の第2の溝24とでボール30が挟持される。
【0030】
図8から図10は、2本の回転軸10Jおよび20Jに角度がついた状態を説明するために示す等速ジョイントの側面図である。図8では、図5で示す状態から第1の台座部11の回転軸10Jと、第2の台座部21の回転軸20Jとが0°を超える角度をなす状態を示す。この状態では、2本の回転軸10Jおよび20Jを2等分する面上に各々のボール30が位置する。これにより、第2の等速ジョイント部品20の回転を、等しい速度で第1の等速ジョイント部品10側へ伝えることができる。
【0031】
図9は、図6で示す状態から2本の回転軸10Jおよび20Jに角度をつけた状態を示す。この場合、図8で示す状態より、各々のボール30は第1の腕部13の先端部13t側の第1の溝14と、第2の腕部23の先端部23t側の第2の溝24で挟持される。
【0032】
図10では、図7で示す状態から2本の回転軸10Jおよび20Jに角度がつけられている。図10では、図9で示す状態から、さらに各々のボール30は第1の腕部13の先端部13t側の第1の溝14と、第2の腕部23の先端部23t側の第2の溝24で挟持される。
【0033】
図11は、図7で示す等速ジョイントの模式図である。図11を参照して、第1の溝14および第2の溝24により複数のボール30が保持される。図11では、第1および第2の等速ジョイント部品10および20が大きく離れた状態(スライドアウトした状態)を示している。この複数のボール30を結んでできる円の直径をpcd2とし、等速ジョイント1の外径をD2とする。回転軸20Jと第2の溝24とのなす角度をθとする。回転軸10Jと第1の溝14とのなす角度をθとする。ボール30から第2の溝24の先端部までの距離をbとし、ボール30から第2の溝24の根元部までの距離をr2とする。ボール30から第1の溝14の先端部までの距離をbとし、ボール30から第1の溝14の根元部までの距離をr2とする。等速ジョイント1の外径D2は以下の式で表わされる。
【0034】
D2=pcd2+2bsinθ
図12は、従来のワイス型の等速ジョイントの模式図である。図12を参照して、従来のワイスジョイントで第1の溝14および第2の溝24では、第1の溝14は第1の台座部11から遠ざかるにつれて回転軸10Jに近づくように延びる。同様に、第2の溝24は第2の台座部21から遠ざかるにつれて回転軸20Jに近づくように延びる。図12も、第1および第2の等速ジョイント部品10および20が大きく離れた状態(スライドアウトした状態)を示している。
【0035】
ワイス型の等速ジョイント101の外径をD1とし、複数のボール30を結んでできる円の直径をpcd1とする。回転軸20Jと第2の溝24とのなす角度をθとする。回転軸10Jと第1の溝14とのなす角度をθとする。第1の溝14の根元部からボール30までの距離をaとし、第1の台座部11からボール30までの距離をr1とする。第2の溝24の根元部からボール30までの距離をaとし、第2の台座部21からボール30までの距離をr1とする。等速ジョイント101の外径D1は以下の式で表わされる。
【0036】
D1=pcd1+2asinθ
台座部11上でのA点での曲げモーメントを同一にするためには、図11および図12においてr1=r2、pcd2=pcd1となる。このとき、b<aより、D2<D1となり、本発明品である図11で示す等速ジョイント1は、図12で示す従来のワイス型の等速ジョイント101に比べて外径を小さくすることができる。
【0037】
図13は、図5で示す等速ジョイントの模式図である。図13を参照して、ボール30の中心から第1の溝14の先端部までの距離をa、ボール30の中心から第1の溝14の根元部までの距離をb、ジョイント角付与時にボール30と第1の台座部11が干渉しないための隙間をdとし、第1の台座部11から第1の溝14の先端部までの距離をe2とする。ボール30の中心から第2の溝24の先端部までの距離をa、ボール30の中心から第2の溝24の根元部までの距離をb、ジョイント角付与時にボール30と第2の台座部21が干渉しないための隙間の距離をdとし、第2の台座部21から第2の溝24の先端部までの距離をe2とする。図13は、第1および第2の等速ジョイント部品10および20が近接した状態(スライドインした状態)を示している。第1の台座部11と第2の台座部21とが最も接近した位置から第1の台座部11が距離+L/2、第2の台座部21が距離−L/2移動したとき、スライド量をLとする。スライド量Lは、a=b+Lで表わされる。第1の台座部11から第1の溝14の先端部までの距離e2は以下の式で表わされる。
【0038】
e2=a+b+d=2b+L+d
図14は、従来のワイス型の等速ジョイントの模式図である。図14を参照して、ジョイント角付与時にボール30と第1の台座部11とが干渉しないための隙間をcとする。第1の台座部11から第1の溝14の先端部までの距離をe1とする。第1の台座部11から第1の溝14の先端部までの距離e1は以下の式で表わされる。
【0039】
e1=2a+c=2b+2L+c
ただし、a=b+Lである。
【0040】
e2−e1=−L−c+d=(d−L)−c
ここで、dはボールの半径以下のため、d−L<0
ゆえにe2−e1<0となり、e2<e1
よって、軸方向の長さを短縮することができ、かつ、点Aでの曲げモーメントを低減でき、溝の撓みを低減することができる。
【0041】
以上のような、この発明に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびにそれを用いた等速ジョイント1では、小型化が可能となり、かつ、各々の第1および第2の腕部13および23にかかるモーメントが小さくなるため、第1および第2の溝14および24が確実にボール30を挟持することができる。
【0042】
図15は、第1の等速ジョイント部品とボールとを示す図であり、図15の(A)は、図9中の矢印XVAで示す方向からみた第1および第2の溝とボールの平面図であり、図15の(B)は、図15の(A)中のXVB−XVB線に沿った断面図であり、図15の(C)は中心線を説明するための斜視図である。図15の(A)から図15の(C)を参照して、第1の溝14と第2の溝24とは、互いに交差するように配置されている。ボール30は、第1の溝14と第2の溝24との交点に位置する。第1の等速ジョイント部品の回転軸と第2の等速ジョイント部品の回転軸とがなす角度が最大となる状態で第1および第2の等速ジョイント部品が回転すると、常に、第1の溝14の表面上の2つの接点15とボール30とが接触し、かつ第2の溝24の表面上の2つの接点25とボール30とが接触するように第1の溝14および第2の溝24が形成されている。
【0043】
図15の(B)は、第1の溝14が延びる方向と直交する断面である。第1の溝14は溝の中心線14aに対して左右対称形状を有する。なお、図示していないが、第2の溝24も中心線24aに対して左右対称形状を有する。第1の溝14は中心線14aに対して対称に位置する2つの接点15でボール30と接触する。ボール30の中心30cと接点15とを結ぶ直線15aは中心線14aに対して角度Aをなす。ボール30へ荷重fが加わる方向と中心線14aとのなす角度Yの最大値Ymaxは角度A以下である。
【0044】
図15の(C)で示すように、第1の溝14の中心線14aは、ボール30の中心30cと等速ジョイント部品10の回転軸10Jとを含む平面に対して垂直で、かつ、ボール30の中心30cを通る直線である。同様に、第2の溝24の中心線(図15の(C)では図示せず)は、ボール30の中心30cと等速ジョイント部品20の回転軸20Jとを含む平面に対して垂直で、かつ、ボール30の中心30cを通る直線である。
【0045】
ここで、上述の角度の関係について説明する。図15において、荷重fが加わる方向と中心線14aとのなす角度Yは、第1の溝14の中心軸14Jと回転軸10Jとのなす角度θ(図2参照)、第1の等速ジョイント部品10の回転軸10Jと第2の等速ジョイント部品20の回転軸20Jとのなす角度B(図10参照)および第1および第2の等速ジョイント部品10および20の回転角度(X)とにより、以下の式に従い決定される。
【0046】
【数1】
【0047】
上述の式のXに0から90°までの角度を入れたときのYの最大値がYmaxである。本発明では、このYmaxが角度A(接触角A)以下となる必要がある。
【0048】
図16は比較例に従った第1の溝の断面図である。図16を参照して、比較例に従った第1の溝14においては、荷重がf0のときには、2つの接点15で溝14がボール30を支持している。しかしながら、荷重f1で示すような荷重が加わったときには、荷重の入力方向が2つの接点15の間の領域からずれて接点15fの1点でボール30と第1の溝14とが接触する。これにより、ボール30は点線で示す位置に移動する。そのために、2点接触にある面圧低減効果が減少するとともに、1点接触と同様にがたが発生する。また、接点の数が2点から1点と変化するため、NV性能についても悪化が懸念される。
【0049】
図17は従来の溝の断面図である。従来の溝では、荷重f0が印加されたときには接点15のみで第1の溝14とボール30とが接触する。また、荷重f1が印加された場合には、接点15fのみでボール30と第1の溝14とが接触する。このため、荷重がf0からf1まで移動すると、接点が移動するため、がたつきが大きくなる。
【0050】
図18は、ジョイント角度Bを一定にした場合のボール溝(第1および第2の溝)の傾き角度θと接触角Aとの関係を示すグラフである。なお、図18は、ジョイント角度Bが15°のときの、ボール30の接点数が変動しないような、第1および第2の溝14および24の傾き角度θと接触角Aの関係をグラフ化している。
【0051】
図18より、本発明の範囲である、どの回転位相でも常に2点接触となる領域は、ボール溝の傾き角度θと接触角Aとによって変化することがわかる。そのため、本発明では、常に2点接触となる領域が得られるように第1および第2の溝14および24の角度θと接触角Aを設定する必要がある。
【0052】
図19はジョイント角度Bをさまざまに変化させた場合の本発明の範囲の推移を示すグラフである。図19では、どの回転位相でも常に2点接触となる領域についてジョイント角度Bを3°から30°の間で3°刻みで示している。図19からわかるように、ジョイント角度Bが大きくなれば第1および第2の溝の傾き角度θと接触角Aを大きくする必要があることがわかる。
【0053】
以上のような、この発明に従えば、常に第1および第2の溝14および24の2点の接点でボール30と第1および第2の溝14および24が接触するため、接点での面圧を低減することができる。その結果、ボール30および第1および第2の溝14および24の摩耗を防止でき、耐久性を向上させることができる。
【0054】
さらに、常にボール30の接点の数が変動することがないため、がたつきを抑制し、NV性能を向上させることができる。
【0055】
(実施の形態2)
図20は、この発明の実施の形態2に従った等速ジョイントの斜視図である。図21は、図20で示す等速ジョイント部品の側面図である。図20および図21を参照して、この発明の実施の形態2に従った等速ジョイントおよび等速ジョイント部品では、第1および第2の溝14および24の延びる方向が、実施の形態1に従った第1および第2の溝と異なる。すなわち、第1の溝14と第1の台座部11の回転軸10Jとの距離は、第1の台座部11から第1の腕部13の先端部13tに近づくにつれて小さくなる。また、第2の溝24と第2の台座部21との距離は、第2の台座部21から第2の腕部23の先端部に近づくにつれて小さくなる。
【0056】
すなわち、第1および第2の溝14および24は第1および第2の台座部11および21から離れるにつれて狭まるような向きに位置する。
【0057】
図21のXVB−XVB線に沿った断面は図15の(B)と同様であり、ボール30は第1の溝14の表面と常に2点で接触する。すなわち、回転軸10Jと回転軸20Jとのなす角度Bが最大角となった状態で第1および第2の等速ジョイント部品10および20が回転しても、ボール30は第1の溝14の表面の2点で常に接触し、ボール30は、また第2の溝24の表面の2点で常に接触する。
【0058】
このように構成された実施の形態2に従った等速ジョイント1でも、実施の形態1と同様に2点接触による効果がある。
【0059】
(実施の形態3)
図22は、この発明の実施の形態3に従った等速ジョイント部品の側面図である。図22を参照して、この発明の実施の形態3に従った等速ジョイント部品10では、台座部11に凹部が設けられていない点で、実施の形態1に従った等速ジョイント部品と異なる。その他の点は実施の形態1に従った等速ジョイント部品と同様である。特に、なお、図22のXVB−XVB線に沿った断面図は図15の(B)と同様であり、第1の溝14内にボールが位置決めされると、そのボールは常に第1の溝14の2点と接触する。
【0060】
このように構成された、この発明の実施の形態3に従った等速ジョイントでは、実施の形態1に従った等速ジョイントと同様の効果がある。
【0061】
(実施の形態4)
図23は、この発明の実施の形態4に従った等速ジョイント部品の正面図である。図24は、図23で示す等速ジョイント部品の側面図である。図23および図24を参照して、この発明の実施の形態4に従った第1の等速ジョイント部品10では、第1の腕部13の数が2本である点で、第1の腕部が3本存在する実施の形態1に従った第1の等速ジョイント部品と異なる。第1の等速ジョイント部品10の2本の腕部13は、第1の台座部11に取付けられる根元部13rと、第1の台座部11から最も遠い部分に位置する先端部13tとを有する。第1の腕部13の両側面にはボールを案内するための第1の溝14が設けられている。第1の溝14は第1の台座部11から先端部13tに近づくにつれて第1の台座部11の回転軸10Jから遠ざかるように位置する。すなわち、第1の溝14の中心軸14Jと回転軸10Jとの距離は根元部13rから先端部13tに近づくにつれて大きくなる。
【0062】
図25は、図23および図24で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。図26は、図25中の矢印XXVIで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。図25および図26を参照して、この発明の実施の形態4に従った等速ジョイント1は、互いに同一形状の第1および第2の等速ジョイント部品10および20と、第1および第2の等速ジョイント部品10および20により挟持される複数(4つ)のボール30とを有する。実施の形態1の等速ジョイント部品10および20に比べて、実施の形態4で示す等速ジョイント部品10および20では、第1の腕部13および第2の腕部23の数が少ないため、実施の形態1よりも第1の腕部13および第2の腕部23が大きく形成されている。
【0063】
図25中のXVB−XVB線に沿った断面図は、図15の(B)で示される。第1の溝14の表面上の2点が常にボール30に接触し、かつ、第2の溝24の表面上の2点が常にボール30に接触する。
【0064】
4つのボール30は、等間隔に配置されてもよく、また不等間隔で配置されてもよい。すなわち、4つのボール30を結ぶ円周をちょうど90°で4等分する各点上に4つのボール30が置かれていてもよいし、90°と異なる角でこの円周を分割してその点上に4つのボール30を位置決めしてもよい。
【0065】
このように構成された、この発明の実施の形態4に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびにそれを用いた等速ジョイント1では、実施の形態1に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびに等速ジョイント1と同様の効果がある。
【0066】
(実施の形態5)
図27は、この発明の実施の形態5に従った等速ジョイント部品の正面図である。図27を参照して、この発明の実施の形態5に従った第1の等速ジョイント部品10は、4本の第1の腕部13を有する点で、実施の形態1に従った等速ジョイント部品と異なる。4本の第1の腕部13は互いに等しい間隔を隔てて形成され、各々の第1の腕部13の間には第1の凹部12が形成されている。さらに、第1の腕部13の両側面には第1の溝14が形成されている。
【0067】
図28は、図27で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。図29は、図28中の矢印XXIXで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。図28および図29を参照して、この発明の実施の形態5に従った等速ジョイント1は、互いに同一形状の第1および第2の等速ジョイント部品10および20と、第1および第2の等速ジョイント部品10および20により挟持されるボール30とを有する。第1の等速ジョイント部品10は第1の台座部11に取付けられた第1の腕部13を有し、第1の腕部13にはボール30を案内するための第1の溝14が形成されている。第1の溝14は根元部13rから先端部13tに近づくにつれて回転軸10Jから遠ざかるように延びる。すなわち、第1の溝14の中心軸14Jと回転軸10Jとの距離は根元部13rから先端部13tに近づくにつれて大きくなる。同様に、第2の腕部23の第2の溝24も根元部23rから先端部23tに近づくにつれて回転軸20Jから遠ざかるように延びる。すなわち、第2の溝24の中心軸24Jは根元部23rから先端部23tに近づくにつれて回転軸20Jとの距離が大きくなる。
【0068】
図28中のXVB−XVB線に沿った断面図は、図15で示される。第1の溝14の表面上の2点が常にボール30に接触し、かつ、第2の溝24の表面上の2点が常にボール30に接触する。
【0069】
図28で示すように、第1および第2の等速ジョイント部品10および20は8つのボールを挟持している。ボール30の数が多くなるため、第1および第2の腕部13および23の幅が小さく設計されている。
【0070】
このように構成された、この発明の実施の形態5に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびにそれを用いた等速ジョイント1では、実施の形態1に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびに等速ジョイント1と同様の効果がある。
【0071】
(実施の形態6)
図30は、この発明の実施の形態6に従った等速ジョイント部品の一部断面図である。図30は、図15の(B)で示す断面図に対応する。図30を参照して、この発明の実施の形態6に従った第1の等速ジョイント部品10では、第1の腕部13の第1の溝14は、左右非対称形状である点で、実施の形態1から5に従った第1の溝14と異なる。
【0072】
第1の溝14は2つの接点15でボール30と接触し、ボール30の中心30cと接点15とを結ぶ直線は溝の中心線14aに対して最小で角度Aをなし、最大で角度Zをなす。ボール30へ荷重が加わる方向と中心線とのなす角度Yの最大値Ymaxは角度A以下である。
【0073】
このように構成された、この発明の実施の形態6に従った第1の等速ジョイント部品10およびそれを用いた等速ジョイントでは、実施の形態1に従った第1および第2の等速ジョイント部品10および20ならびに等速ジョイント1と同様の効果がある。
【0074】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、ここで示した実施の形態はさまざまに変形することが可能である。まず、各実施の形態では、第1および第2の台座部11および21に第1および第2の凹部12および22を設けたが、この第1および第2の凹部12および22を設けなくてもよい。さらに、第1および第2の腕部13および23の本数は複数本あればよく、偶数本または奇数本に限られない。さらに、ボール30の寸法、第1および第2の溝14および24の寸法については適宜変更することが可能である。
【0075】
また、この発明の適用分野としては、自動車のドライブシャフト(アクスル)に接続される等速ジョイント、工作機械の回転駆動部での等速ジョイントがある。
【0076】
さらに、第1の溝を左右対称形状とし、第2の溝を左右非対称形状としてもよい。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0078】
【発明の効果】
この発明に従えば、小型化が可能で、かつ確実にボールを挟持することができる等速ジョイント部品および等速ジョイントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に従った等速ジョイント部品の斜視図である。
【図2】図1で示す第1の等速ジョイント部品の側面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に従った等速ジョイントの側面図であって、図2で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。
【図4】図3中の矢印IVで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。
【図5】図3および図4で示す等速ジョイントの動作を説明するための等速ジョイントの側面図である。
【図6】図3および図4で示す等速ジョイントの動作を説明するための等速ジョイントの側面図である。
【図7】図3および図4で示す等速ジョイントの動作を説明するための等速ジョイントの側面図である。
【図8】2本の回転軸10Jおよび20Jに角度がついた状態を説明するために示す等速ジョイントの側面図である。
【図9】2本の回転軸10Jおよび20Jに角度がついた状態を説明するために示す等速ジョイントの側面図である。
【図10】2本の回転軸10Jおよび20Jに角度がついた状態を説明するために示す等速ジョイントの側面図である。
【図11】図7で示す等速ジョイントの模式図である。
【図12】従来のワイス型の等速ジョイントの模式図である。
【図13】図5で示す等速ジョイントの模式図である。
【図14】従来のワイス型の等速ジョイントの模式図である。
【図15】第1の等速ジョイント部品とボールとを示す図であり、図15の(A)は、図9中の矢印XVAで示す方向からみた第1および第2の溝とボールの平面図であり、図15の(B)は、図15の(A)中のXVB−XVB線に沿った断面図であり、図15の(C)は中心線を説明するための斜視図である。
【図16】比較例に従った第1の溝の断面図である。
【図17】従来の溝の断面図である。
【図18】ジョイント角Bを一定にした場合のボール溝の傾き角度θと接触角Aとの関係を示すグラフである。
【図19】ジョイント角Bをさまざまに変化させた場合の本発明の範囲の推移を示すグラフである。
【図20】この発明の実施の形態2に従った等速ジョイントの斜視図である。
【図21】図20で示す等速ジョイント部品の側面図である。
【図22】この発明の実施の形態3に従った等速ジョイント部品の側面図である。
【図23】この発明の実施の形態4に従った等速ジョイント部品の正面図である。
【図24】図23で示す等速ジョイント部品の側面図である。
【図25】図23および図24で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。
【図26】図25中の矢印XXVIで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。
【図27】この発明の実施の形態5に従った等速ジョイント部品の正面図である。
【図28】図27で示す等速ジョイント部品を用いた等速ジョイントの側面図である。
【図29】図28中の矢印XXIXで示す方向から見た等速ジョイントの正面図である。
【図30】この発明の実施の形態6に従った等速ジョイント部品の一部断面図である。
【符号の説明】
1 等速ジョイント、10 第1の等速ジョイント部品、10J,20J 回転軸、11 第1の台座部、12 第1の凹部、13 第1の腕部、14 第1の溝、14a,24a 中心線、15,25 接点、20 第2の等速ジョイント部品、21 第2の台座部、22 第2の凹部、23 第2の腕部、24 第2の溝、30 ボール。
Claims (4)
- 第1の台座部と、その第1の台座部から突出するように延在してボールを案内するための第1の溝が側面に形成された複数の第1の腕部とを含む第1の等速ジョイント部品と、
第2の台座部と、その第2の台座部から突出するように延在してボールを案内するための第2の溝が側面に形成された複数の第2の腕部とを含む第2の等速ジョイント部品と、
前記第1および第2の溝により挟持されるボールとを備えた等速ジョイントであって、
前記第1の等速ジョイント部品の回転軸と前記第2の等速ジョイント部品の回転軸とがなす角度Bが最大となる状態で前記第1および第2の等速ジョイント部品が回転すると、常に、前記第1の溝の表面上の2点以上と前記ボールとが接触し、かつ前記第2の溝の表面上の2点以上と前記ボールとが接触するように前記第1および第2の溝が形成されている、等速ジョイント。 - 前記第1および第2の溝はそれぞれ2つの接点で前記ボールと接触し、前記ボールの中心と前記接点とを結ぶ直線は、前記ボールの中心と前記接点側の前記等速ジョイント部品の回転軸を含む平面に対し垂直かつ前記ボールの中心を通る直線に対して最小で角度Aをなし、前記ボールへ荷重が加わる方向と、前記中心線とのなす角度Yの最大値Ymaxは前記角度A以下である、請求項1に記載の等速ジョイント。
- 前記第1の溝と前記第1の台座部の回転軸との距離は、前記第1の台座部から前記第1の腕部の先端部に近づくにつれて大きくなり、
前記第2の溝と前記第2の台座部の回転軸との距離は、前記第2の台座部から前記第2の腕部の先端部に近づくにつれて大きくなる、請求項1または2に記載の等速ジョイント。 - 前記第1の台座部の周縁部には、前記複数の第1の腕部の各々の間に前記複数の第2の腕部の各々に向かい合うように複数の第1の凹部が形成されており、
前記第2の台座部の周縁部には、前記複数の第2の腕部の各々の間に前記複数の第1の腕部の各々に向かい合うように複数の第2の凹部が形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の等速ジョイント。
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