JP2004360604A - 内燃機関の可変バルブタイミング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可変バルブタイミング機構を制御するに際し、機関回転速度Neが所定回転速度N1以上のときには、機関回転速度Neと体積効率Evとに基づき目標バルブ開閉タイミングを設定する一方(S10,S14)、機関回転速度Neが所定回転速度N1より小さいときには、機関回転速度Neとスロットルバルブの開度θthとに基づいて目標バルブ開閉タイミングを設定する(S10,S16)。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の可変バルブタイミング装置に係り、詳しくは、可変バルブタイミング機構の制御技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
近年、内燃機関(エンジン)の低中速低負荷域及び高速高負荷域の双方の出力性能の向上を図ることを目的として、吸排気バルブの開閉タイミングを可変させることの可能な可変動弁装置が実用化されている。
そして、最近では、可変動弁装置として、例えば、エンジン回転に応じて回転するカムシャフトとカムスプロケット間、即ちカムシャフトとクランクシャフト間の位相角を所定範囲内で連続的に変更することで吸排気バルブの開閉タイミングを可変制御可能な可変バルブタイミング(バリアブル・バルブ・タイミング;VVT)機構が開発されている。
【0003】
この可変バルブタイミング機構では、エンジン回転速度(機関回転速度)とエンジン負荷(機関負荷)とに基づいてカムシャフトとクランクシャフト間の目標位相角を設定し、当該目標位相角に基づいてバルブタイミングを可変制御するようにしている。
例えば、エンジンが吸気管噴射型のエンジンである場合には、一般にエンジン負荷と燃焼室内における体積効率との相関が高いため、吸入空気量から体積効率を求めるようにし、エンジン回転速度と当該体積効率とから目標位相角(目標バルブ開閉タイミング)を設定するようにしている。
【0004】
しかしながら、エンジン回転速度と吸入空気量に基づく体積効率とから目標位相角を設定するようにすると、例えば高負荷時には、吸気バルブの開閉タイミングの変更に伴って吸入空気量が変化し、変化した吸入空気量に基づいてさらに吸気バルブの開閉タイミングの変更が実施されるという現象が繰り返され、安定した制御を実施できない可能性がある。
【0005】
そこで、例えばスロットルバルブの開度、即ちスロットル開度が閾値開度以上となる高負荷時において、エンジン回転速度とスロットル開度から目標位相角を設定する技術が開発されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3185438号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンが吸気管噴射型のエンジンである場合、エンジン回転速度が低回転域にありながら当該スロットル開度が大きい領域において、スロットル開度の開度変化に対して吸入空気量、ひいては体積効率の変化が緩慢になることが確認されている(図3参照)。そして、このような領域においてもエンジン回転速度と体積効率とから目標位相角を設定するようにすると、運転者の意思、即ちスロットル開度を反映した位相角の適正な制御を行うことができず、低中速域におけるエンジンの出力性能の向上を十分に図れないという問題がある。
【0008】
この場合、エンジン回転速度やエンジン負荷に拘わらず全領域でエンジン回転速度とスロットル開度とに基づいて目標位相角を設定することも考えられる。しかしながら、吸気管噴射型のエンジンでは、通常、点火時期等をエンジン回転速度と体積効率とから設定するようにしており、一般にエンジン制御においては極力制御パラメータを共通化することが好ましいことから、目標位相角についてもできる限り設定パラメータを統一化して求めるのが効率よく、基本的にはエンジン回転速度と体積効率とから目標位相角を設定することが望ましい。
【0009】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、機関回転速度や機関負荷に拘わらず効率よく十分に内燃機関の出力性能の向上を図ることの可能な内燃機関の可変バルブタイミング装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の内燃機関の可変バルブタイミング装置では、吸気バルブ又は排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを連続可変で調整可能な可変バルブタイミング機構と、該可変バルブタイミング機構を制御する可変バルブタイミング制御手段とを備える内燃機関の可変バルブタイミング装置において、アクセル操作に応じて開閉し、吸気通路の通路面積を調節するスロットルバルブと、該スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出手段と、内燃機関の機関回転速度を検出する機関回転速度検出手段と、吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、該吸入空気量検出手段により検出される吸入空気量に基づき体積効率を算出する体積効率算出手段とを備え、前記可変バルブタイミング制御手段は、前記機関回転速度検出手段により検出される機関回転速度が所定回転速度以上のときには、該検出される機関回転速度と前記体積効率算出手段により算出される体積効率とに基づき目標バルブ開閉タイミングを設定する一方、機関回転速度が前記所定回転速度より小さいときには、該機関回転速度と前記スロットル開度検出手段により検出される前記スロットルバルブの開度とに基づき目標バルブ開閉タイミングを設定し、該目標バルブ開閉タイミングに応じて前記可変バルブタイミング機構を制御することを特徴としている。
【0011】
上述したように、エンジンが例えば吸気管噴射型のエンジンである場合、機関回転速度(エンジン回転速度)が低回転域にあり且つスロットル開度が大きい領域ではスロットル開度の開度変化に対して吸入空気量、ひいては体積効率の変化が緩慢になることが確認されている。故に、本発明に係る可変バルブタイミング装置では、可変バルブタイミング機構を制御するに際し、機関回転速度が所定回転速度以上のときには、従来通り該検出される機関回転速度と体積効率算出手段により算出される体積効率とに基づき目標バルブ開閉タイミングを設定する一方、機関回転速度が所定回転速度より小さいときには、該機関回転速度とスロットル開度検出手段により検出されるスロットルバルブの開度とに基づいて目標バルブ開閉タイミングを設定するようにする。
【0012】
これにより、スロットル開度と体積効率とが直線的に比例関係をなす高速域では、他の点火時期等の設定に用いる制御パラメータと同じく体積効率から機関負荷(エンジン負荷)が求められ、機関回転速度と体積効率とに基づいて目標バルブ開閉タイミングが良好に設定される一方、スロットル開度が大きい領域で体積効率の変化が緩慢となりスロットル開度と体積効率とが完全には比例関係をなさない低中速域では、体積効率ではなく直接にスロットル開度から機関負荷が求められ、機関回転速度とスロットル開度とに基づいて目標バルブ開閉タイミングが設定されることになり、高速域のみならず低中速域においても運転者の意思、即ちスロットル開度を適正に反映して吸排気バルブの開閉タイミングが適正に可変制御される。
【0013】
従って、機関回転速度や機関負荷に拘わらず効率よく十分に内燃機関の出力性能の向上が図られる。
また、請求項2の内燃機関の可変バルブタイミング装置では、前記可変バルブタイミング制御手段は、機関回転速度が前記所定回転速度より小さく、且つ、前記スロットルバルブの開度が所定開度以上のときに、機関回転速度と前記スロットルバルブの開度とに基づき目標バルブ開閉タイミングを設定することを特徴としている。
【0014】
つまり、機関回転速度が所定回転速度より小さく且つスロットル開度が所定開度以上の領域、即ち体積効率の変化が緩慢となりスロットル開度と体積効率とが完全には比例関係をなさない低中速高負荷域においてのみ、体積効率ではなく直接にスロットル開度から機関負荷が求められ、機関回転速度とスロットル開度とに基づいて目標バルブ開閉タイミングが設定される。
【0015】
これにより、吸排気バルブの開閉タイミングがより適正にして効果的に可変制御され、機関回転速度や機関負荷に拘わらず一層効率よく十分に内燃機関の出力性能の向上が図られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1を参照すると、車両に搭載された本発明に係る内燃機関の可変バルブタイミング装置の概略構成図が示されており、以下、当該可変バルブタイミング装置の構成を説明する。
【0017】
同図に示すように、内燃機関であるエンジン本体(以下、単にエンジンという)1としては、吸気管噴射型(Multi Point Injection:MPI)DOHCガソリンエンジンが採用される。
エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4が取り付けられており、点火プラグ4には高電圧を出力する点火コイル8が接続されている。
【0018】
シリンダヘッド2には、各気筒毎に吸気ポート9が形成されており、各吸気ポート9の燃焼室5側には、エンジン回転に応じて回転するカムシャフト12のカム12aに倣って開閉作動し、各吸気ポート9と燃焼室5との連通と遮断とを行う吸気バルブ11がそれぞれ設けられている。そして、各吸気ポート9には吸気マニホールド10の一端がそれぞれ接続されており、吸気マニホールド10には吸入空気量を調節する電磁式のスロットルバルブ(ETV)17が設けられている。スロットルバルブ17近傍には、スロットル開度θthを検出するスロットルポジションセンサ(スロットル開度検出手段、TPS)18が設けられている。
【0019】
また、吸気マニホールド10には、電磁式の燃料噴射弁6が取り付けられており、燃料噴射弁6には、燃料パイプ7を介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(図示せず)が接続されている。
さらに、吸気マニホールド10のスロットルバルブ17よりも上流部分には、吸入空気量Qaを検出するエアフローセンサ(吸入空気量検出手段)19が設けられている。エアフローセンサ19としては、例えばカルマン渦式エアフローセンサが使用される。
【0020】
また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に排気ポート13が形成されており、各排気ポート13の燃焼室5側には、エンジン回転に応じて回転するカムシャフト16のカム16aに倣って開閉作動し、各排気ポート13と燃焼室5との連通と遮断とを行う排気バルブ15がそれぞれ設けられている。そして、各排気ポート13には排気マニホールド14の一端がそれぞれ接続されている。
【0021】
排気マニホールド14の他端には排気管20が接続されており、当該排気管20には、排気浄化触媒装置として三元触媒30が介装されている。
また、シリンダヘッド2には、カム12aやカム16aを進角或いは遅角操作することで吸気バルブ11や排気バルブ15の開閉タイミングを可変させる可変バルブタイミング機構40が設けられている。
【0022】
可変バルブタイミング機構40は、歯付きベルトを介してクランク軸3と同期回転するベーンハウジングと、カムシャフト12、16の一端に固定されたベーンロータとからなるベーンユニット42、42、及び、電磁式のオイルコントロールバルブ(OCV)44から構成されている。
詳しくは、ベーンロータには例えば2つのベーンが一体に形成され、ベーンハウジングには2つのベーン収容室が設けられており、各ベーン収容室は、各々収容されたベーンにより遅角油室と進角油室とに区分されている。そして、各油室がOCV44を介して油ポンプ(図示せず)に接続されている。
【0023】
つまり、可変バルブタイミング機構40は、OCV44の開閉操作により各油室に対する圧油の給排が制御されることで、ベーン収容室内でベーンの位置が変化し、クランクシャフト3に対するカムシャフト12、16の位相角が変化するように構成されている。これにより、吸気バルブ11や排気バルブ15の開閉タイミングが可変制御される。
【0024】
なお、当該ベーン式の可変バルブタイミング機構は公知であり、構成の詳細についてはここでは説明を省略する。
ECU(電子コントロールユニット)50は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えており、当該ECU50により、エンジン1や本発明に係る可変バルブタイミング装置等の総合的な制御が行われる。
【0025】
ECU50の入力側には、上述したTPS18、エアフローセンサ19の他、エンジン1のクランク角を検出するクランク角センサ52や、エンジン1の加減速操作を行うアクセルペダル54の操作量、即ちアクセル開度θaccを検出するアクセルポジションセンサ(APS)56等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。なお、クランク角センサ52からのクランク角情報に基づいてエンジン回転速度Neが検出される(機関回転速度検出手段)。
【0026】
一方、ECU50の出力側には、上述の燃料噴射弁6、点火コイル8、スロットルバルブ17、可変バルブタイミング機構40のOCV44等の各種出力デバイスが接続されており、これら各種出力デバイスには各種センサ類からの検出情報に基づき演算された燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、吸排気バルブ開度(例えば、デューティ率)等がそれぞれ出力される。
【0027】
詳しくは、アクセルペダル54の操作によりアクセル開度θaccが変化すると、APS56からのアクセル開度情報θaccに基づいてスロットルバルブ17が適正な開度に調整される。そして、エアフローセンサ19からの吸入空気量情報Qaに基づいて体積効率Evが求められ(体積効率算出手段)、当該体積効率Evとエンジン回転速度Neとに基づいて目標空燃比(目標A/F)が設定され、当該目標A/Fに応じた量の燃料が適正なタイミングで燃料噴射弁6から噴射される。さらに、体積効率Evとエンジン回転速度Neとに基づいて目標点火時期が設定され、当該目標点火時期に応じて適正なタイミングで点火プラグ4により火花点火が実施される。また、ECU50によりOCV44が制御されて可変バルブタイミング機構40の可変操作も行われ、これにより吸気バルブ11や排気バルブ15の開閉タイミングの適正化が図られ、エンジン1の出力性能の向上が図られる。
【0028】
ところで、可変バルブタイミング機構40では、クランクシャフト3とカムシャフト12、16との目標位相角、即ち吸気バルブ11や排気バルブ15の目標バルブ開閉タイミングを主としてエンジン回転速度Neに応じて設定し、位相角が当該目標位相角となるようにOCV44を制御して吸気バルブ11や排気バルブ15の開閉タイミングを可変させているが、例えば、目標位相角、即ち目標バルブ開閉タイミングを目標A/Fや目標点火時期と同様に体積効率Evとエンジン回転速度Neとに基づいて設定するようにしていると、上述したように、エンジン回転速度Neが小さくスロットル開度θthが大きい領域ではスロットル開度θthの開度変化に対して吸入空気量Qa、ひいては体積効率Evの変化が緩慢になることが確認されている。つまり、図3を参照すると、スロットル開度θthと体積効率Evとエンジン回転速度Neとの関係が計測データとして示されているが、エンジン回転速度Neが小さくスロットル開度θthが大きい領域では、このように、体積効率Evの変化が急に緩慢となり、体積効率Evがスロットル開度θthの開度変化に追従しきれないという現象が起こることが確認されている。
【0029】
そして、このような領域においてもエンジン回転速度Neと体積効率Evとから目標位相角を設定するようにすると、スロットル開度θthを適正に反映した位相角の制御を行うことができず、故に吸気バルブ11や排気バルブ15の開閉タイミングの適正化を図れず、低中速高負荷域におけるエンジンの出力性能の向上を十分に図れない。
【0030】
そこで、本発明の可変バルブタイミング装置では、このような問題を解決すべく目標位相角を設定するようにしており、以下、本発明に係る可変バルブタイミング装置の目標位相角設定手法について説明する。
図2を参照すると、本発明に係る目標位相角設定のための設定ルーチンがフローチャートで示されており(可変バルブタイミング制御手段)、以下、図3を参照しながら当該フローチャートに沿い説明する。
【0031】
先ず、ステップS10では、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1(例えば、3000rpm)より小さいか否かを判別する。判別結果が真(Yes)でエンジン回転速度Neが所定回転速度N1より小さいと判定された場合には、ステップS12に進み、今度はスロットル開度θthが所定開度θ1(例えば、70%の開度)以上であるか否か、即ちエンジン負荷が大きいか否かを判別する。
【0032】
上記ステップS10の判別結果が偽(No)でエンジン回転速度Neが所定回転速度N1以上と判定された場合、或いは、当該ステップS12の判別結果が偽(No)でスロットル開度θthが所定開度θ1より小さいと判定された場合には、次にステップS14に進む。
即ち、図3に示すように、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1以上の高速域、或いは、スロットル開度θthが所定開度θ1より小さい低負荷域(斜線以外の領域)においては、スロットル開度θthと体積効率Evとは直線的にしてほぼ良好に比例関係にある。従って、ステップS14では、目標A/Fや目標点火時期と同様に体積効率Evとエンジン回転速度Neとに基づき、予め設定したNe−Evマップより目標位相角、即ち目標バルブ開閉タイミングを設定するようにする。
【0033】
このように、目標A/Fや目標点火時期と同様に体積効率Evとエンジン回転速度Neとに基づいて目標位相角を設定すると、目標A/Fや目標点火時期等と設定パラメータの統一化が図られて都合がよく、エンジン1の制御性の向上を図ることができることになる。
一方、ステップS12の判別結果が真(Yes)、即ち、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1より小さく、且つ、スロットル開度θthが所定開度θ1以上であると判定された場合には、次にステップS16に進む。
【0034】
即ち、図3に示すように、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1より小さく、且つ、スロットル開度θthが所定開度θ1以上の低中速高負荷域(斜線領域)においては、スロットル開度θthと体積効率Evとは完全には比例関係になく直線的でない。つまり、この低中速高負荷域では、スロットル開度θthと体積効率Evとが比例関係にないため、体積効率Evとエンジン回転速度Neとに基づいて目標位相角を設定すると、スロットル開度θthを反映した位相角の適正な制御を行うことができず、吸気バルブ11や排気バルブ15の開閉タイミングの適正化を図れず、エンジン1の出力性能の向上を十分に図ることができない。
【0035】
従って、ステップS16では、スロットル開度θthとエンジン回転速度Neとに基づき、予め設定したNe−θthマップより目標位相角を設定するようにする。つまり、低中速高負荷域であっても確実に変化するスロットル開度θthに基づいて直接に目標位相角を設定する。
これにより、低中速高負荷域であっても、可変バルブタイミング機構40の位相角を適正に制御可能となり、高速域や低負荷域と同様に、吸気バルブ11や排気バルブ15の開閉タイミングの適正化を図り、エンジン1の出力性能の向上を十分に図ることができる。
【0036】
このように、本発明に係る可変バルブタイミング装置では、スロットル開度θthと体積効率Evとが直線的にしてほぼ良好に比例関係をなす高速域や低負荷域においては、目標A/Fや目標点火時期等と同様に体積効率Evとエンジン回転速度Neとに基づき目標位相角を設定し、一方、体積効率Evの変化が緩慢となるようなスロットル開度θthと体積効率Evとが比例関係になく直線的でない低中速高負荷域においては、スロットル開度θthとエンジン回転速度Neとに基づいて目標位相角を設定するようにしている。
【0037】
従って、目標A/Fや目標点火時期等の設定パラメータとの統一化を図り制御性を向上させながら、体積効率Evがスロットル開度θthと比例関係にない低中速高負荷域では可変バルブタイミング機構40の位相角を適正に制御可能となり、高速域や低負荷域のみならず低中速高負荷域においても吸気バルブ11や排気バルブ15の開閉タイミングの適正化を図ることができ、エンジン回転速度Neやエンジン負荷に拘わらず効率よく十分にエンジン1の出力性能の向上を図ることができる。
【0038】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1より小さく、且つ、スロットル開度θthが所定開度θ1以上である低中速高負荷域において、スロットル開度θthとエンジン回転速度Neとに基づいて目標位相角を設定するようにしたが、図3を参照すると、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1より小さく、且つ、スロットル開度θthが所定開度θ1より小さい低中速低負荷域では、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1以上の高速域ほどは比例関係が直線的ではないといえ、故に、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1より小さいときには常にスロットル開度θthとエンジン回転速度Neとに基づいて目標位相角を設定するようにしてもよい。
【0039】
つまり、図4にフローチャートを示すように、他の実施例として、ステップS10においてエンジン回転速度Neが所定回転速度N1より小さいか否かの判別を行った後、上記図2におけるステップS12でのスロットル開度判別を行わず、そのままステップS14或いはステップS16を実行するようにしてもよい。
これにより、高速域のみならず低中速域においても吸気バルブ11や排気バルブ15の開閉タイミングの適正化を図ることができることになり、目標A/Fや目標点火時期等と設定パラメータの統一化を図れない領域が増えるために若干効率が低下するものの、やはりエンジン回転速度Neやエンジン負荷に拘わらず十分にエンジン1の出力性能の向上を図ることができる。
【0040】
また、上記実施形態では、可変バルブタイミング機構40としてベーン式の可変バルブタイミング機構を採用したが、これに限られず、可変バルブタイミング機構40は如何なる方式のものであってもよく、カム切換式の可変バルブタイミング機構であっても本願を良好に適用可能である。
また、上記実施形態では、エンジン1としてMPIエンジンを採用した例を示したが、これに限られず、エンジン1は筒内噴射型エンジンであってもよく、この場合には吸気行程噴射時において本願を適用可能である。
【0041】
また、上記実施形態では、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1より小さいときにはスロットル開度θthとエンジン回転速度Neとに基づいて目標位相角を設定するようにしたが、この場合、APS56により検出されるアクセル開度θaccとエンジン回転速度Neとに基づいて目標位相角を設定するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、可変バルブタイミング機構は吸気バルブ11と排気バルブ15の双方の開閉タイミングを可変制御するようなものとしたが、吸気バルブ11と排気バルブ15のいずれか一方だけを可変制御するようなものであっても勿論よい。
【0043】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の内燃機関の可変バルブタイミング装置によれば、可変バルブタイミング機構を制御するに際し、機関回転速度(エンジン回転速度)が所定回転速度以上のときには、従来通り該検出される機関回転速度と体積効率算出手段により算出される体積効率とに基づき目標バルブ開閉タイミングを設定する一方、機関回転速度が所定回転速度より小さいときには、該機関回転速度とスロットル開度検出手段により検出されるスロットルバルブの開度とに基づいて目標バルブ開閉タイミングを設定するようにしたので、スロットル開度と体積効率とが直線的に比例関係をなす高速域では、他の点火時期等の設定に用いる制御パラメータと同じく体積効率から機関負荷(エンジン負荷)を求め、機関回転速度と体積効率とに基づいて目標バルブ開閉タイミングを良好に設定でき、一方、スロットル開度が大きい領域で体積効率の変化が緩慢となりスロットル開度と体積効率とが完全には比例関係をなさない低中速域では、体積効率ではなく直接にスロットル開度から機関負荷を求め、機関回転速度とスロットル開度とに基づいて目標バルブ開閉タイミングを設定することができる。
【0044】
これにより、高速域のみならず低中速域においてもスロットル開度を適正に反映して吸排気バルブの開閉タイミングを可変制御でき、機関回転速度や機関負荷に拘わらず効率よく十分に内燃機関の出力性能の向上を図ることができる。
また、請求項2の内燃機関の可変バルブタイミング装置によれば、機関回転速度が所定回転速度より小さく且つスロットル開度が所定開度以上の領域、即ち体積効率の変化が緩慢となりスロットル開度と体積効率とが完全には比例関係をなさない低中速高負荷域においてのみ、体積効率ではなく直接にスロットル開度から機関負荷を求め、機関回転速度とスロットル開度とに基づいて目標バルブ開閉タイミングを設定することが可能となり、吸排気バルブの開閉タイミングをより適正にして効果的に可変制御でき、機関回転速度や機関負荷に拘わらず一層効率よく十分に内燃機関の出力性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両に搭載された本発明に係る内燃機関の可変バルブタイミング装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る目標位相角設定のための設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】スロットル開度θthと体積効率Evとエンジン回転速度Neとの関係を示す計測データである。
【図4】本発明の他の実施例に係る目標位相角設定のための設定ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン本体
11 吸気バルブ
12 カムシャフト
12a カム
15 排気バルブ
16 カムシャフト
16a カム
17 スロットルバルブ
18 TPS(スロットル開度検出手段)
19 エアフローセンサ(吸入空気量検出手段)
40 可変バルブタイミング機構
50 ECU(電子コントロールユニット)
52 クランク角センサ(機関回転速度検出手段)
56 APS
Claims (2)
- 吸気バルブ又は排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを連続可変で調整可能な可変バルブタイミング機構と、該可変バルブタイミング機構を制御する可変バルブタイミング制御手段とを備える内燃機関の可変バルブタイミング装置において、
アクセル操作に応じて開閉し、吸気通路の通路面積を調節するスロットルバルブと、
該スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出手段と、
内燃機関の機関回転速度を検出する機関回転速度検出手段と、
吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
該吸入空気量検出手段により検出される吸入空気量に基づき体積効率を算出する体積効率算出手段とを備え、
前記可変バルブタイミング制御手段は、前記機関回転速度検出手段により検出される機関回転速度が所定回転速度以上のときには、該検出される機関回転速度と前記体積効率算出手段により算出される体積効率とに基づき目標バルブ開閉タイミングを設定する一方、機関回転速度が前記所定回転速度より小さいときには、該機関回転速度と前記スロットル開度検出手段により検出される前記スロットルバルブの開度とに基づき目標バルブ開閉タイミングを設定し、該目標バルブ開閉タイミングに応じて前記可変バルブタイミング機構を制御することを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング装置。 - 前記可変バルブタイミング制御手段は、機関回転速度が前記所定回転速度より小さく、且つ、前記スロットルバルブの開度が所定開度以上のときに、機関回転速度と前記スロットルバルブの開度とに基づき目標バルブ開閉タイミングを設定することを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の可変バルブタイミング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003160983A JP2004360604A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 内燃機関の可変バルブタイミング装置 |
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2003
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