JP2004359862A - 分岐状オレフィン重合体 - Google Patents

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純治 斎藤
Makoto Mitani
誠 三谷
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Abstract

【課題】優れた物性を示す低分子量オレフィン共重合体、およびそれらの製造方法、用途を提供すること。
【解決手段】片末端に酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、ハロゲン含有基またはスズ含有基を有する低分子量オレフィン重合体であって、(i)片末端に不飽和結合を有する低分子量エチレン系共重合体(A)の、ビニルまたはビニリデン基を、エポキシ化剤、スルホン化剤、無水マレイン酸、ヒドロホウ素化剤、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、シリル化剤、ハロゲン化剤から選ばれる少なくとも1種の化合物で処理することによって製造され、(ii)前記低分子量エチレン系共重合体(A)が、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンを重合することによって得られる融点を示さない非晶性重合体であることを特徴とする非晶性の低分子量オレフィン重合体。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低分子量オレフィン重合体、及び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
ギヤ油、エンジン油等の潤滑油としては、従来から、鉱油あるいはポリ−α−オレフィン、低分子量エチレン・α−オレフィン共重合体等の合成物等が知られており、さらに、潤滑油の粘度/温度特性を高めるためにエチレン・α−オレフィン共重合体あるいはポリメタクリレート等の粘度指数向上剤を添加した潤滑油組成物が知られている。このような潤滑油組成物としては、粘度特性、特に低温流動性に優れるとともに剪断安定性、熱安定性、酸化安定性に優れていることが求められている。
また、エンジン油、ギヤ油、グリース、金属加工油等の潤滑油には性能を高めるために各種の添加剤が使用されているが、これらの添加剤の多くは極性化合物であり、上記のような非極性基油に対する親和性は低い。このため基油へ溶解せず、添加量が制限される、もしくは添加効果が低下するといった問題が生じていた。特に近年では潤滑油への要求性能が高まり、使用される基油が鉱油から、より極性の低い合成油への代替が進み、上記の問題点がより明瞭になってきている。従って、無極性基油に対するこれらの極性添加剤の相溶化剤が求められている。
【0003】
また、プラスチックの分野においては、摩擦摩耗特性(摺動性)を高めるためにエチレン・α−オレフィン共重合体やα−オレフィンオリゴマーのような合成潤滑油を樹脂中に配合することが行われている。しかし、この場合に使用される樹脂としてはポリアセタール、ポリアミド、ポリエステルといった極性樹脂が多く、上記のような無極性の合成潤滑油は相溶性が悪く、強度の低下、表面剥離の発生といった問題が生じている。このため、極性樹脂中における非極性潤滑油の分散性を高める相溶化剤が強く求められている。
上記のような潤滑油もしくは添加剤として使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法としては従来、特公平2−1163号および特公平2−7998号に記載されているようなバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒、特開昭61−221207号、特公平7−121969号に記載されているようなジルコノセンなどのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)からなる触媒系を用いる方法が知られている。これらの方法により得られるエチレン・α−オレフィン共重合体は分子末端に不飽和結合を有しており、変性による官能基の付与を行うことができるといった特徴を有している。しかしながら、その不飽和末端は、ビニリデン基が多く、変性できる反応に限りがあった。また、液状物となるような低分子量体を製造するためには分子量調整剤として大量の水素ガスを使用する必要があり、重合収率の低下や変性反応における活性点となる分子末端の不飽和結合の多くが水添されて消失するといった問題点があった。
【0004】
近年、新しいオレフィン重合触媒として、特開平11−315109号は、サリチルアルドイミン配位子を有する遷移金属化合物が記載され、この錯体は高いオレフィン重合活性を示すことが記載されている。さらに特開2001−2731号、EP−1043341号、特開2003−073412号において、該遷移金属化合物を用いる事によって製造できる、新規な片末端に二重結合を含有する低分子量エチレン系重合体、末端二重結合の変性体、及びそれらの用途について記載されている。において、該遷移金属化合物を用いる事によって製造できる、新規な片末端に二重結合を含有する低分子量エチレン系重合体、末端二重結合の変性体、及びそれらの用途(トナー用離型剤、顔料分散剤、塩化ビニル樹脂用滑剤)について記載されている。しかしながらこれらの用途においてより高い性能を発揮させる為、及び更に上記に記述した用途に使用する為には、重合体中のα−オレフィン含量を増やして非晶性にし、かつ重合体鎖末端の二重結合中のビニル基含量が高い樹脂末端を変成した重合体が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた物性を示す低分子量オレフィン共重合体、およびそれらの製造方法、用途を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達したものである。以下、本発明の低分子量オレフィン重合体について順次説明する。
【0007】
本発明の低分子量オレフィン重合体は、片末端に酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、ハロゲン含有基またはスズ含有基を有し、
(i)片末端に不飽和結合を有する低分子量エチレン系共重合体(A)の、ビニルまたはビニリデン基を、エポキシ化剤、スルホン化剤、無水マレイン酸、ヒドロホウ素化剤、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、シリル化剤、ハロゲン化剤から選ばれる少なくとも1種の化合物で処理することによって製造され、
(ii)前記低分子量エチレン系共重合体(A)が、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンを重合することによって得られる融点を示さない非晶性重合体であることを特徴とする。
【0008】
本発明にかかる低分子量オレフィン重合体は、重合体鎖の片側末端を酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケい素含有基、ゲルマニウム含有基、ハロゲン含有基またはスズ含有基で変成する事ができる。本発明で変成剤として用いるエポキシ化剤としては、蟻酸―過酸化水素(H)、m−クロロ安息香酸がある。スルホン化剤としては、硫酸−無水酢酸がある。ヒドロホウ素化剤としては、ジボラン、トリメチルボラン、9−ボランビシクロ[3.3.1]ノナン等がある。有機アルミニウム水素化剤としては、ジイソブチルアルミニウムハイドライドが挙げられる。シリル化剤としてはトリエトキシシリルハイドライド/HPtCl、トリメトキシシリルハイドライド/HPtClがある。ハロゲン化剤としては、臭化水素、塩化水素、ヨウ化水素等が挙げられる。
これらの変性剤による具体的変成条件(温度、時間、触媒種、触媒量等の詳細条件)については、例えばDie Makromolecular Chemie Makromolecular Symposia 48/49, 317−332, 1991に記載された条件に準拠することが可能である。
【0009】
本発明で用いられる片末端に不飽和結合を有する低分子量エチレン系共重合体(A)は、エチレンと炭素数3〜10のα―オレフィンを重合することによって得られ、融点を示さない非晶性重合体である。共重合体のエチレン含量は30〜80mol%、好ましくは40〜80mol%、より好ましくは50〜80mol%であり、α−オレフィン成分は20〜70mol%、好ましくは20〜60mol%、より好ましくは20〜50mol%である。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、これらの中の1種又は2種以上が用いられる。この中でも特にプロピレン、1−ブテンが好ましい。
【0010】
更に本発明で用いられる低分子量エチレン系共重合体(A)は、1000炭素あたりのビニル型不飽和結合の個数(L)とビニリデン型不飽和結合の個数(M)、ビニレン型不飽和結合の個数(N)はIR分析によって算出され、それらの間に、以下の関係式(Eq−1)および(Eq−2)が成立する。
【0011】
【数2】
Figure 2004359862
【0012】
IR分析は以下の方法で行われる。
★IR測定法
市販の赤外分光光度計(日本分光社製:DS−702G)を使用し、標準試料を用いて、熱圧延法による厚さ0.15cmから0.25cm程度の固体薄膜を作成し、1000cm−1より850cm−1の間の赤外線吸収スペクトルを測定する。
★ビニル基数(L)の測定方法
モデル物質として1−アイコセン(炭素数20)を使用し、この物質の面外変角振動が910cm−1にあることを確認する。この吸収帯を利用して、1−アイコセンと不飽和結合を含まないポリエチレンを用いて、あらかじめビニル基数が既知のサンプルの吸光度を測定とサンプルの膜厚を測定し、単位厚さ当たりの吸光度を求める。ビニル基数とこの単位膜厚当たりの吸光度の関係を図示すると、ほぼ直線の検量線が得られる。したがって、この検量線を用いて各種サンプルの単位膜厚当たりの吸光度を測定して、この検量線を用いることで、対応するビニル基数が求められる。
★ビニリデン基数(M)の測定方法
上記ビニル基数に関する検量線と同様の検量線を作成する。この際のモデル物質は、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンを用いる。吸収帯は、観測される890cm−1を使用する。
★ビニレン基数(N)の測定方法
上記ビニル基数に関する検量線と同様の検量線を作成する。この際のモデル物質は、トランス−1,4−ポリブタジエンを用いる。吸収帯は、観測される965cm−1を使用する。
【0013】
本発明の低分子量エチレン系共重合体(A)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布が、1.1≦(Mw/Mn)≦3.0、好ましくは1.4≦(Mw/Mn)≦2.8、より好ましくは1.5≦(Mw/Mn)≦2.7であり、分子量(Mw)が500≦Mw≦10000、好ましくは500≦Mw≦8000、特に好ましくは500≦Mw≦7000であることを特徴とする
【0014】
分離カラムは、TSK GNH HTであり、カラムサイズは直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロルベンゼン(和光純薬)及び酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは東ソー社製を用いた。
【0015】
上記、低分子量エチレン系重合体は、チーグラー触媒やメタロセン触媒のような通常知られているオレフィン重合触媒で得られる同等の分子量とコモノマー組成の重合体に比べ、片末端のビニル基数が非常に多いのが特徴として挙げられる。
一般の化学反応においては、ビニル基の方がビニリデン基より優位な事が知られており、その点で、本発明の低分子量オレフィン重合体は容易に製造できる。
【0016】
また、非晶でかつ末端ビニル基を変成した重合体は、通常知られている末端ビニリデン基から変成した重合体とくらべ、2つ以上の2級炭素原子との結合後に3級炭素と結合している構造を有する。
このような末端構造を有する変性体は、従来のビニリデン基変性品と比べて変性基周辺の空間が広くなり、他の基質との反応、相互作用が容易に起こることが期待できる。本発明の低分子量オレフィン重合体は、ビニル基末端変性物を多く含んでいることから、従来品より高い性能を示す。
【0017】
【化1】
Figure 2004359862
【0018】
上記の低分子量エチレン系重合体の末端変成した低分子量オレフィン重合体は、潤滑油組成物としては、粘度特性、特に低温流動性に優れるとともに剪断安定性、熱安定性、酸化安定性に優れる。
そのため、エンジン油、ギヤ油、グリース、金属加工油等の潤滑油として高い相溶化性を発揮し、潤滑油添加剤として用いられる。
また、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステルといった極性樹脂に対して高い相溶化性を示すため、これらの樹脂組成物として用いられる。
【0019】
本発明で用いられる片末端に不飽和結合を有する低分子量エチレン系共重合体(A)は、例えば、特開平2000−105406号や、WO99/12981号で開示されるオレフィン重合触媒を用いてエチレンおよび炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれるから選ばれる少なくても1種のオレフィンを共重合することによって得ることができる。
具体的には、
(B)一般式(I)で表わされる遷移金属化合物(D−1)または一般式(II)で表わされる遷移金属化合物(D−2)と、
(C)(C−1)有機金属化合物、
(C−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(C−3)遷移金属化合物(B)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物
からなるオレフィン重合触媒の存在下で前記オレフィンを重合することにより得られる。
【0020】
以下、本発明のオレフィン重合用触媒を形成する各触媒成分について説明する。
(D−1) 遷移金属化合物
(D−1) 遷移金属化合物は下記一般式(I)で表わされる。
【0021】
【化2】
Figure 2004359862
(式中、MはZr、Hfを示し、好ましくはZrを示す。
mは1〜2の整数を示し、好ましくは2である。
〜Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
は、好ましくは炭素数5〜30の炭化水素基を示す。
は炭素数5〜30の炭化水素基を示し、好ましくはt―ブチル基、アミル基、クミル基等の分岐状炭化水素基、シクロヘキシル基、1―メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等の脂環式炭化水素基であり、特に好ましくはアダマンチル基を示す。
また、mが2の場合にはR〜Rで示される基のうち2個の基が連結されていてもよく
4−mは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0022】
以下に上記一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体的な例を示す。
式中、MはZr、Hfを示し、adはアダマンチル基を示す。
【0023】
【化3】
Figure 2004359862
【0024】
【化4】
Figure 2004359862
【0025】
(D−2) 遷移金属化合物
(D−2) 遷移金属化合物は下記一般式(II)で表わされる。
【0026】
【化5】
Figure 2004359862
(式(II)中、Mは周期表8〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、R〜Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して芳香族環、脂肪族環またはヘテロ原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよく、
nはMの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
以下に上記一般式(II)で表される遷移金属化合物の具体的な例を示す。
【0027】
【化6】
Figure 2004359862
【0028】
【化7】
Figure 2004359862
【0029】
(C−1) 有機金属化合物
有機アルミニウム化合物として、具体的にはトリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリ tert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライドが用いられる。
【0030】
(C−2) 有機アルミニウムオキシ化合物
本発明で用いられる(C−2) 有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0031】
(C−3) 遷移金属化合物(B)と反応してイオン対を形成する化合物
本発明の低分子量エチレン系共重合体の製造で用いられる遷移金属化合物(D)と反応してイオン対を形成する化合物 (以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
【0032】
本発明における低分子量エチレン系重合体の製造は、溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
また、重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm 、好ましくは常圧〜50kg/cmの条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない
【0034】
〔合成例1〕 ― 低分子量エチレン系重合体P1の合成 ―
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入し、エチレン50l/hr、プロピレン150l/hrの混合ガスで液相、及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.25mmol、化合物(1)を0.005mmolを加え、重合を開始した。50℃にて10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
得られたポリマ−溶液に、少量の塩酸を含む500mlの水を加えて、130℃にて10時間減圧乾燥した。得られたエチレン/プロピレン共重合体(P1)は、7.35gであり、Mw=2000、IRで測定したプロピレン含量は23.1mol%、末端はビニル/ビニリデン/ビニレン=8.64/4.90/0.47個/1000炭素であった。
【0035】
【化8】
Figure 2004359862
【0036】
〔合成例2〕 ― 低分子量エチレン系重合体P2の合成 ―
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入し、エチレン50l/hr、プロピレン150l/hrの混合ガスで液相、及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.25mmol、化合物(2)を0.005mmolを加え、重合を開始した。50℃にて10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
得られたポリマ−溶液に、少量の塩酸を含む500mlの水を加えて、130℃にて10時間減圧乾燥した。得られたエチレン/プロピレン共重合体(P2)は、5.37gであり、Mw= 3000 、IRで測定したプロピレン含量は23mol%、末端はビニル/ビニリデン/ビニレン=5.50/0.32/0.28個/1000炭素であった。
【0037】
【化9】
Figure 2004359862
【0038】
〔実施例1〕
300mlのガラス製フラスコに、合成例2で得られた重合体(P2)2gと、トルエン100mlを加え、窒素雰囲気下で110℃に昇温した。続いてm−クロロ過安息香酸0.17gを加え3時間攪拌した。反応後、生成物をメタノール800mlに加えて生成物を析出させた。メタノールで洗浄後、80℃で10時間減圧乾燥した。末端エポキシ化重合体を得た。
【0039】
〔実施例2〕
300mlのガラス製フラスコに、合成例1で得られた重合体(P1)3gと、無水マレイン酸2gを加え、窒素雰囲気下で200℃で6時間反応を行った。過剰の未反応無水マレイン酸を減圧(10mmHg)下、1時間で取り除き、末端無水マレイン化重合体を得た。
【0040】
【実施例3】
300mlのガラス製フラスコに、合成例1で得られた重合体(P1)3gと、キシレン100ml、硫酸0.9g、無水酢酸2.28gを加え100℃で3時間反応を行った。反応後、生成物をメタノール800mlに加えて生成物を析出させた。メタノールで洗浄後、80℃で10時間減圧乾燥し、末端スルホン酸化重合体を得た。
【0041】
【発明の効果】
本発明にかかる低分子量オレフィン重合体は、潤滑油組成物として、粘度特性、特に低温流動性に優れるとともに剪断安定性、熱安定性、酸化安定性に優れる。
また、エンジン油、ギヤ油、グリース、金属加工油等の潤滑油やポリアセタール、ポリアミド、ポリエステルといった極性樹脂に対する相溶化剤として高い性能を発揮する。

Claims (3)

  1. 片末端に酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、ハロゲン含有基またはスズ含有基を有する低分子量オレフィン重合体であって、
    (i)片末端に不飽和結合を有する低分子量エチレン系共重合体(A)の、ビニルまたはビニリデン基を、エポキシ化剤、スルホン化剤、無水マレイン酸、ヒドロホウ素化剤、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、シリル化剤、ハロゲン化剤から選ばれる少なくとも1種の化合物で処理することによって製造され、
    (ii)前記低分子量エチレン系共重合体(A)が、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンを重合することによって得られる融点を示さない非晶性重合体であることを特徴とする非晶性の低分子量オレフィン重合体。
  2. 低分子量エチレン系共重合体(A)が、
    a) エチレン単位が30〜80mol%、炭素数3〜10のα−オレフィン単位が20〜70mol%の範囲にあり、DSC測定によってTmを示さず、
    b) ゲルパーミエーション(GPC)で測定した分子量分布が、1.1≦(Mw/Mn)≦3.0、分子量(Mw)が 500≦Mw≦10000であり、
    c) IRで測定した1000炭素あたりのビニル型不飽和結合の個数(L)とビニリデン型不飽和結合の個数(M)、ビニレン型不飽和結合の個数(N)の間に、以下の関係式(Eq−1)および(Eq−2)が成立することを特徴とする請求項1に記載の低分子量オレフィン重合体。
    Figure 2004359862
  3. 請求項1または2に記載の低分子量オレフィン重合体を含む潤滑油添加剤、および樹脂組成物
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006022355A1 (ja) 2004-08-27 2006-03-02 Mitsui Chemicals, Inc. オレフィン重合用触媒、オレフィン重合体の製造方法、オレフィン共重合体、新規な遷移金属化合物および遷移金属化合物の製造方法
JP2016056337A (ja) * 2013-11-26 2016-04-21 日本ポリエチレン株式会社 架橋用エチレン・α−オレフィン共重合体、架橋性樹脂組成物、及びそれを用いた架橋体

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JP2016056337A (ja) * 2013-11-26 2016-04-21 日本ポリエチレン株式会社 架橋用エチレン・α−オレフィン共重合体、架橋性樹脂組成物、及びそれを用いた架橋体

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