JP2004358847A - 非晶質または微結晶磁性金属薄帯からなる積層体の製造方法 - Google Patents

非晶質または微結晶磁性金属薄帯からなる積層体の製造方法 Download PDF

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光伸 吉田
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Abstract

【課題】本発明では、非晶質または微結晶合金薄帯からなる積層体の製造方法において、均一な磁気的特性を有する磁性積層板を提供することを目的とする。
【解決手段】非晶質磁性合金薄帯または微結晶磁性合金薄帯と樹脂が交互に積層された磁性積層体の製造法であり、積層体13を加圧板で挟んで加熱および加圧するとき、金属平板12と積層体13の間に、圧力差緩和シート21を挟んで金属平板にプレス機で圧力をかけ,かつ加熱をして磁性積層体を得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の磁気応用部品の磁気コア材料として用いられる。例えば、インダクタンス、各種コイル、各種トランス、ノイズフィルター、磁気センサー、磁気ヘッド、アンテナ、電波吸収体、モータ、各種コア、配線基板など、幅広い分野において用いられる磁性積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
非晶質磁性金属薄帯または微結晶(ナノ結晶)磁性金属薄帯は、その優れた磁気特性を発現させるために、予め所定の焼鈍熱処理を施す方法が一般的に用いられている。焼鈍熱処理条件は発現させたい磁気特性や非晶質または微結晶磁性金属の種類よって異なるが、概ね、不活性雰囲気下において温度200℃から500℃程度、時間0.1〜100時間程度の高温長時間で行われることが一般的である。また非晶質または微結晶磁性金属薄帯は厚みが15μm〜30μmと極めて薄いため、ある一定の体積を有する磁性材料として使用しようとするとき、積層一体化して使用される。
【0003】
特許文献1(特開昭58―175654)は、接着剤を塗布した非晶質合金薄帯を積み重ねた後、圧下ロールで圧着し、加熱接着することを特徴とする積層接着非晶質合金体の製造方法が記載されている。
【0004】
非晶質合金薄帯の積層体を圧力を過熱圧着すると積層体内で磁気特性が不均一になることが避け難かった。
【0005】
磁気特性が不均一すなわち磁性積層体内部に異なる磁気特性を有する部位が存在するような磁性積層体を、変圧器やモータなどの磁性応用製品内で使用すると、例えば、モータなどでは、鉄損が大きい部位が局所的に発熱し、モータに使用する永久磁石の減磁、また高温下でのコイルの絶縁劣化等につながり、モータの定格出力の低減や、モータの寿命の低減につながるといった問題が生じる。また変圧器では、コイルの絶縁劣化が局所的に進行し、寿命の低減に繋がる。
【0006】
【特許文献1】特開昭58―175654号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、非晶質または微結晶金属薄帯からなる積層体の製造方法において、均一な磁気的特性を有する磁性積層板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、熱処理時に均一に加圧する方法として、以下の方法が極めて有効であることを見出した。すなわち、図1に示すように熱処理時に積層体13と金属平板12の間に耐熱性を有する圧力差緩和シート21を挟んで加圧する。その結果、驚くべきことに加圧力のムラが著しく低減でき、均一な磁気特性を有する積層体を実現することが可能となり、積層体内での磁気特性のバラツキを極めて小さく抑えることができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、非晶質磁性金属薄帯または微結晶磁性金属薄帯と樹脂が交互に積層された磁性積層体の製造法であり、積層体を加圧板で挟んで加熱および加圧するとき、加圧板と磁性積層体の間に、圧力差緩和手段を用いた磁性積層体の製造方法である。
圧力緩和手段として耐熱性を有する圧力差緩和シートを用いることが好ましい。
【0010】
非晶質または微結晶磁性金属薄帯には厚み分布が存在し、例えば公称厚み25μmでも実際には22μm〜28μmほどの分布がある。そのため、積層数が多くなり、例えば1000層積層したとすると、厚みは22mm〜28mmと大きくばらつくことになる。積層体の厚みバラツキが大きくなった積層体を直接、金属板に挟み圧力を印加すると、厚みの厚い箇所は圧力が強く印加され、厚みが薄い箇所は、弱い圧力が印加されることになる。一般に磁性金属材料は、磁気特性を改善するために熱処理200℃〜1000℃の熱処理が施されるが、その際、加圧されていると、磁歪効果により、誘導磁気異方性が生じ、透磁率の低下や、鉄損の増大に繋がる。よって、磁性積層体の熱処理時に圧力のムラがあると、磁性積層体内部に異なる磁気特性を有する部位が存在することになる。
【0011】
珪素鋼板などは圧延により厚み分布を小さくすることができるが、非晶質磁性金属や微結晶磁性金属は圧延することが困難なので本発明により、圧力の均一化が図れ、よって磁気特性も均一になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(磁性金属)
本発明の積層体に用いる軟磁性金属材料は主に非晶質または微結晶磁性金属薄帯が対象となる。例えば、Fe系やCo系などの非晶質磁性金属材料、Fe系やCo系などの微結晶磁性金属薄帯等が用いられる。これらのなかでも、Fe系の非晶質磁性金属薄帯もしくはCo系の非晶質磁性金属薄帯を用いることが望ましい。非晶質磁性金属薄帯は、通常溶融金属を急冷ロールを用いて、急冷して得られる。通常は10〜50μmの厚さであり、好ましくは10〜30μmの厚さの薄帯が用いられる。また均一に加圧する上で厚み公差は極力少ない方が好ましく、公差は±薄帯厚×0.3以内であることが好まく、さらに好ましくは公差は±薄帯厚×0.1以内であることが好適である。Fe系非晶質磁性金属材料としては、Fe−Si−B系、Fe−B系、Fe−P−C系などのFe−半金属系非晶質磁性金属材料や、Fe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などのFe−遷移金属系非晶質合金材料を挙げることができる。Co系非晶質磁性金属材料としてはCo−Si−B系、Co−B系などの非晶質合金材料が例示できる。
【0013】
(樹脂)
本発明に用いられる非晶質または微結晶磁性金属薄帯間を接着する耐熱性樹脂としては、熱可塑性、非熱可塑性、熱硬化性樹脂を挙げることができる。中でも熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。
【0014】
熱可塑性の耐熱性樹脂を用いることで、前記非晶質または微結晶磁性金属薄帯の少なくとも一部に耐熱性樹脂を付与した後、もしくは耐熱性樹脂の前駆体を付与し該耐熱性樹脂を形成した後、この磁性基材を積層し、磁性基材の積層体を得ることができる。この製造方法により、耐熱性樹脂を樹脂化しているため、室温でタック性がなく、また安定であるため、取り扱いが簡便であり、積層時の作業性がよく工程の歩留まりが向上できるメリットがある。
【0015】
本発明に用いられる耐熱性樹脂は、前処理として120℃で4時間乾燥を施し、その後、窒素雰囲気下、300℃で2時間保持した際の重量減少量を、DTA−TGを用いて測定され、通常1%以下、好ましくは0.3%以下であるものが用いられる。
【0016】
本発明に用いられる樹脂は、上記の耐熱性に加えて下記の特性を兼ね備えている樹脂であることがさらに好ましい。
▲1▼窒素雰囲気下300℃、2時間の熱履歴を経た後の引っ張り強度が30MPa以上である。
▲2▼ガラス転移温度が120℃〜400℃である。さらに好ましくは120℃〜250℃
▲3▼溶融粘度が10万Pa・sである温度が、250℃以上400℃以下であり、さらに好ましくは300℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。
▲4▼400℃から120℃まで0.5℃/分の一定速度で降温した後、樹脂中の結晶物による融解熱が10J/g以下である。この結晶物による融解熱が10J/g以下であり、好ましくは5J/g以下、さらに好ましくは1J/g以下である。このような範囲にある場合に本発明の接着性に優れる効果を得ることができる。
【0017】
本発明に用いられる耐熱性樹脂としてはポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー,ニトリル系樹脂,チオエ−テル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アリレ−ト系樹脂,サルホン系樹脂,イミド系樹脂,アミドイミド系樹脂を挙げることができる。これらのうちポリイミド系樹脂,スルホン系樹脂、アミドイミド系樹脂を用いるのが好ましい。
【0018】
(積層条件)
まず非晶質磁性金属からなる磁性積層体の作製条件について説明する。本発明の磁性積層体は、上記非晶質磁性金属薄帯に、上記耐熱樹脂を塗布したものを、複数枚重ねて、温度(200℃〜500℃)と圧力(0.01Mpa〜50Mpa)を印加することにより、樹脂を溶融もしくは接着硬化させる。その際、磁性積層体は金属平板でサンドイッチされて加熱及び加熱されるが、加熱の際、磁性積層体と金属平板の間には圧力差緩和シートを挿入して圧力を印加する。圧力の印加は、加熱温度が200℃から500℃の間にあるとき、一定の圧力を保持することが、磁気特性を安定に制御する上で好ましい。
【0019】
(加圧方法)
上記積層における加圧は、手動油圧式熱プレス、電動油圧式熱プレス、電動式熱プレス等の装置により加圧することが可能である。これらの熱プレスは、2枚の金属板の中に発熱体が埋め込まれており、加圧板である2枚の金属板に挟んで加圧ができると同時にに発熱体による加熱が可能であり、加熱と加圧が同時に制御できるため好適に使用される。特に油圧ポンプを用いた電動式油圧熱プレスや、モータに接続したボールネジにより金属板を可動させる電動式熱プレス等は、工程を自動化する上で好適である。電動油圧式熱プレスにおいて、圧力のプログラム制御や、温度のプログラム制御が可能なものは工程を自動化する上でより好ましい。
【0020】
(圧力差緩和シート)
次に本発明に用いる磁性積層体と、金属板の間に挿入する耐熱性を有する圧力差緩和シートは、素材に凹凸があって通常均一に圧力が印加できない場合でも、加圧する金属平板と非晶質磁性金属積層体の凹凸を吸収するように変形する、柔軟性及び可とう性を有するシートである。 以下の物性を有する材料により構成されれば良い。
【0021】
すなわち圧力差緩和材料の耐熱性は、窒素雰囲気下、300℃で2時間保持した際の重量減少量を、DTA−TGを用いて測定され、通常1%以下、好ましくは0.3%以下であるものが用いられる。
【0022】
本発明に用いられる圧力差緩和シートは、無機化合物であっても有機化合物であっても良い。
【0023】
無機系材料としては黒鉛シートが挙げることができる。このような黒鉛シートとして、日本カーボン株式会社製「ニカフィルム」、日立化成株式会社製可とう性黒鉛材料「カーボフィット」、東洋炭素株式会社製「PERMA FOIL」等を用いるのが好ましい。特に東洋炭素株式会社製「PERMA FOIL」は圧縮復元性が良く、繰り返し使用できるため好ましい。
【0024】
有機化合物を用いる場合、加熱下において加圧することから耐熱性樹脂により構成されていることが好ましい。耐熱性を有する圧力差緩和シートとしては、樹脂材料としてはポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー,ニトリル系樹脂,チオエ−テル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アリレ−ト系樹脂,サルホン系樹脂,イミド系樹脂,アミドイミド系樹脂からなるシートを挙げることができる。これらのうちポリイミド系樹脂,スルホン系樹脂、アミドイミド系樹脂からなるシートを用いるのが好ましい。
【0025】
耐熱性を有する圧力差緩和シートの厚みは、磁性積層体と金属平板間の凹凸を吸収するのに必要な最小限の厚みがあれば良く、具体的には0.01mm以上20mm以下であれば良い、さらに好ましくは、1mm以上10mm以下であることが好適である。圧力差緩和シートの1枚の厚さがこれに満たない場合は、複数枚重ねて所望の厚さにすることができる。
【0026】
室温で圧力緩和シートを用いて圧力が均一かどうかは、例えば富士フィルム製圧力測定フィルム「プレスケール」で測定できる。このフィルムは圧力の大きいところ程濃く赤色に発色し、変色で均一性がわかる。磁性積層体の両面に「プレスケール」をのせ、更にその上に圧力緩和シートを重ねてプレス機にセッティングして圧力をかけ、その後プレス機からはずして「プレススケール」の変色具合から圧力の均一性を確認することができる。
【0027】
以下、本発明の実施例について示す。
【0028】
【実施例1】(耐熱弾性樹脂)
本発明の磁性積層体の均一な加圧加熱による積層一体化の方法を以下に示す。まず非晶質磁性金属薄帯はHoneywell社性Megtgass2605TCA(形状:213mm×213mm、厚み25μm)を用いた。金属薄帯同士を接着するため、この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定し、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液を付与し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約3ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与し基材を作製した。
【0029】
ポリアミド酸溶液は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合でジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものであり、ジメチルアセトアミドで希釈して用いた。
このものを740枚重ね、平均厚みを20mmとした。非晶質金属薄帯の磁気特性発現のための熱処理は、図1に示すように熱プレス機(東洋精機製ミニテストプレス)にセットして行った。すなわち積層体13の上下面に圧力差緩和シート21を介して加圧板である金属平板12で挟み、熱プレス機31に挟み込んだ。さらに金属枠型11で周囲を囲った。
【0030】
このとき、耐熱性圧力差緩和シート21として、ポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス厚み50μm20枚重ね)を用いた。この積層体に370℃、2MPa、2時間保持し、積層一体化と熱処理を行った。以上の工程を経た積層体の磁気特性のムラを測定するため、図3に示すように磁性積層板の中心部分と周辺部分の部位から、外径40mm内径25mmのトロイダルコアを放電ワイヤー加工により切断し、透磁率(1kHz、1T)と、鉄損を岩通製BHアナライザーSY8217により測定した。その結果を表1に示す。
【0031】
【実施例2】(黒鉛シート)
本発明の磁性積層体の均一な加圧加熱による積層一体化の方法を以下に示す。まず磁性金属薄帯はHoneywell社製Megtgass2605TCA(形状:213mm×213mm、厚み25μm)を用いた。金属薄帯同士を接着するため、この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定し、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液を付与し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約3ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与し基材を作製した。
【0032】
ポリアミド酸溶液は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合でジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものであり、ジメチルアセトアミドで希釈して用いた。
【0033】
このものを740枚重ね、平均厚みを20mmとした。非晶質金属薄帯の磁気特性発現のための熱処理は、図1に示すように熱プレス機(東洋精機製ミニテストプレス)にセットして行った。このとき、耐熱性圧力差緩和シートとして、黒鉛シート(厚み2mm)を用いた。この積層体に370℃、2MPa、2時間保持し、積層一体化と熱処理を行った。以上の工程を経た積層体の磁気特性のムラを測定するため、図3に示すように磁性積層板の中心部分1と周辺部分2の部位から、外径40mm内径25mmのトロイダルコアを放電ワイヤー加工により切断し。透磁率(1kHz、1T)と、鉄損を岩通製BHアナライザーSY8217により測定した。その結果を表1に示す。
【0034】
【比較例】
比較例として作製した磁性積層体の作製評価方法を以下に示す。まず磁性金属薄帯はHoneywell社性Megtgass2605TCA(形状:213mm×213mm、厚み25μm)を用いた。金属薄帯同士を接着するため、この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定し、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液を付与し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約3ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与し基材を作製した。
【0035】
ポリアミド酸溶液は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合でジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものであり、ジメチルアセトアミドで希釈して用いた。
このものを740枚重ね、平均厚みを20mmとした。非晶質金属薄帯の磁気特性発現のための熱処理は、図2に示すように熱プレス機31(東洋精機製ミニテストプレス)にセットした。このとき、耐熱性圧力差緩和シートは用いず、鉄製の金属平板12(250mm×250mm×10mm)2枚で積層体13を挟んだ。この積層体に370℃、2MPa、2時間保持し、積層一体化と熱処理を行った。以上の工程を経た積層体の磁気特性のムラを測定するため、図3に示すように磁性積層板の中心部分と周辺部分の部位から、外径40mm内径25mmのトロイダルコア32を放電ワイヤー加工により切りだし。透磁率(1kHz、1T)と、鉄損を岩通製BHアナライザーSY8217により測定した。その結果を表1に示す。
【表1】
Figure 2004358847
以上より磁性積層板と金属平板に耐熱性圧力差緩和シートを挿入したものは中心部と周辺部で、透磁率及び鉄損は±10%以内の公差に収まっているが、挿入しないものは公差は±30%以上大きくばらついている。
【0036】
【発明の効果】
本発明では磁性金属薄帯を加圧して、熱処理する際に、均一な加圧を施すために、積層金型と積層体の間に耐熱性圧力差緩和シートを挿入することで、磁気特性のバラツキを著しく低減し、均一な磁気特性を有する磁性積層板を作製することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性積層板の熱プレス方法を示す図である。(耐熱性圧力差緩和シートあり)
【図2】従来の磁性積層板の熱プレス方法を示す図である。(耐熱性圧力差緩和シートなし)
【図3】本発明により得られた磁性積層板の評価用トロイダルコアの切断位置を示す図である。
11 金属枠型
12 金属平板
13 積層体
21 圧力差緩和シート
31 熱プレス機
32 トロイダルコア

Claims (2)

  1. 非晶質磁性金属薄帯または微結晶磁性金属薄帯と樹脂が交互に積層された磁性積層体の製造法であり、積層体を加圧板で挟んで加熱および加圧するとき、加圧板と磁性積層体の間に圧力差緩和手段を用いたことを特徴とする磁性積層体の製造方法。
  2. 圧力緩和手段として耐熱性を有する圧力差緩和シートを用いたことを特徴とする請求項1記載の磁性積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010093061A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Murata Mfg Co Ltd 電子部品の製造方法
CN101879767A (zh) * 2010-03-15 2010-11-10 具滋宪 非粘接防噪音耳塞及其制造方法
CN111876580A (zh) * 2016-02-09 2020-11-03 株式会社东北磁材研究所 非晶态合金薄带的层叠体的热处理装置

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