JP2004358733A - 画像形成装置、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷中のインクカートリッジ外れを検出し、インク残量を判断して停止動作を行うことにより、装置の生産性、信頼性をあげる画像形成装置を提供する。
【解決手段】この画像形成装置は、取り外し可能なインクカートリッジから印刷ヘッドに搭載されたサブタンクへインクを供給し、印刷ヘッドを主走査させるとともに記録媒体を副走査させることによって印刷を行う装置であって、前記インクカートリッジの脱着を検出する手段と、前記サブタンク内のインク残量を検知する手段と、前記インク残量が所定量(インクカートリッジからインク補給を必要とする残量またはサブタンク内にインク残量なし)を超えたか否かを判定する手段とを有し、前記インクカートリッジの脱落状態を検出した場合、前記判定手段でインク残量が所定量を超えたと判定されると印刷を停止するようにした。
【選択図】 図15
【解決手段】この画像形成装置は、取り外し可能なインクカートリッジから印刷ヘッドに搭載されたサブタンクへインクを供給し、印刷ヘッドを主走査させるとともに記録媒体を副走査させることによって印刷を行う装置であって、前記インクカートリッジの脱着を検出する手段と、前記サブタンク内のインク残量を検知する手段と、前記インク残量が所定量(インクカートリッジからインク補給を必要とする残量またはサブタンク内にインク残量なし)を超えたか否かを判定する手段とを有し、前記インクカートリッジの脱落状態を検出した場合、前記判定手段でインク残量が所定量を超えたと判定されると印刷を停止するようにした。
【選択図】 図15
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置、プログラムおよび記録媒体に関し、具体的には、取り外し可能なインクカートリッジからインクを印刷ヘッドに搭載したサブタンクに供給する画像形成装置において、印刷中のカートリッジ外れが検出されたときの処置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの出力装置として、記録ヘッドのノズルからインクを噴射するインクジェットプリンタが広く普及している。
このインクジェットプリンタでは、用紙をプラテン上で記録ヘッドに向かい合うように支持し、記録ヘッドを水平方向(主走査方向)に移動させながら用紙上の所定の位置で記録ヘッド上のノズルからインク滴を噴射してドットを形成させ、主走査を終了すると垂直方向(副走査方向)に用紙を所定量だけ搬送し、この主走査と副走査とを交互に繰り返すことにより、所定の印刷を行っている。
【0003】
このインクジェット記録装置が高速化されることによって、一般家庭での個人ユーザや個人事業者だけでなく、オフィスでの使用も急速に広まっている。
オフィスの使用においては、個人ユーザの使用に比べ、印刷に対する要求(用紙のサイズや画像のサイズなど)や印刷枚数が多いのが特徴で、それに応じた生産性および信頼性が必要となるが、従来の個人ユーザ向けに開発された装置をオフィスで使用するのは生産性および信頼性が充分でなく、要求される装置機能を満たせない場合がある。
【0004】
これに対し生産性を考慮し、大量印刷を可能とするためにインクカートリッジを搭載した装置の場合、例えば、インクカートリッジを誤って取り外してしまったときに、サブタンク内のインク残量が少なければ、所望の印刷ができなくなったり、機械にダメージを与えたりすることが考えられる。
【0005】
そのため、上記のような装置ではカバー開閉センサを搭載したインクカートリッジ部カバーを採用し、インクカートリッジ部カバーを開けただけで印刷を停止して、印刷中のカートリッジ抜き差しを不可能にしている。
また、このカバー開閉センサを搭載すると、装置のコストが高くなってしまうという問題点がある。
【0006】
また、インクカートリッジ部カバーにカバー開閉センサを搭載していない装置においては、印刷開始前のインクカートリッジ外れは検出されるが、印刷中のインクカートリッジ外れに対する対処はなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の実情を考慮してなされたものであって、印刷中のカートリッジ外れを検出し、サブタンクのインク残量を判断して停止動作を行うことにより、装置の生産性、信頼性をあげる画像形成装置、その装置の機能を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1は、取り外し可能なインクカートリッジから印刷ヘッドに搭載されたサブタンクへインクを供給し、印刷ヘッドを主走査させるとともに記録媒体を副走査させることによって印刷を行う画像形成装置において、前記インクカートリッジの脱着を検出する手段と、前記サブタンク内のインク残量を検知する手段と、前記インク残量が所定量を超えたか否かを判定する手段とを有し、前記インクカートリッジの脱落状態を検出した場合、前記判定手段でインク残量が所定量を超えたと判定されると印刷を停止するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記所定量は、前記インクカートリッジからインク補給を必要とする残量であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記所定量は、前記サブタンク内にインク残量なしであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4は、請求項1に記載の画像形成装置において、要求された主走査で消費されるインク使用量を算出する手段と、前記算出されたインク使用量に基づいて、要求された主走査を行った後の前記サブタンクのインク残量を推定する手段と、前記推定したインク残量が所定量以下となるか否かを判定する手段とを有し、前記インクカートリッジの脱落状態を検出した場合、前記判定手段で前記インク残量が所定量を超えると推定されると印刷を開始せず停止することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5は、コンピュータに、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置の機能を実行させるためのプログラムである。
また、本発明の請求項6は、請求項5に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0012】
以上の構成により、インクカートリッジ抜けが検出されたとき、サブタンク内のインク残量が所定の量以下となるまで印刷を継続させることにより、ユーザ誤操作時であっても機械にダメージを与えずに停止することができる。
また、所定の量の設定量によっては、インクカートリッジが再装着された際に行う必要な機械復帰動作も変わってくるため、機械の操作性もあがる。
【0013】
また、インクカートリッジ抜けが検出されても、サブタンク内のインク残量がインクカートリッジからインク補給を受ける必要が出てくるまで印刷を継続させることにより、インクカートリッジ脱着の操作・誤操作に影響されることなく、生産性を確保することが可能となる。
【0014】
また、インクカートリッジ抜けが検出されたとき、印刷動作前に、サブタンク内のインク残量が所定の量以下であるかを確認し、所定量以下の場合には機械を停止するので、機械にとってより安全な停止のための所定量を設定することができると共に機械にダメージを与えずに停止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の画像形成装置に係る好適な実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明が実施される画像形成装置の印字機構部の概略斜視図、図2は、同印字機構部の側面図である。
【0016】
ここで、本発明の画像形成装置をインクジェット記録装置として説明するが、本発明はその構成に限定されるものではなく、サブタンクに対してインクカートリッジからインクを供給して印刷を行う画像形成装置について適用できるものである。
【0017】
この画像形成装置は、画像形成装置の本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ13、キャリッジ13に搭載したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14、記録ヘッド14へのインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、画像形成装置の本体1の下方部には前方側から多数枚の記録媒体(用紙)3を積載可能な給紙カセット(あるいは給紙トレイでもよい)4を抜き差し自在に装着することができる。
【0018】
以下の説明では、「記録媒体」とは、記録ヘッドによってドットが形成される媒体を意味し、代表的には、印刷用紙、記録紙、カット紙、連続紙、ロール紙等がある。但し、記録媒体は紙である必要はなく、布、樹脂、セラミックス、金属板等の他の材料から形成され、記録ヘッドによって吐出されるインクを受容可能なものもいう。
【0019】
また、記録媒体3を手差しで給紙するための手差しトレイ5を開倒することができ、給紙カセット4あるいは手差しトレイ5から給送される記録媒体3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0020】
印字機構部2は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド11でキャリッジ13を主走査方向(図2の紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ13にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を噴射するインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14をインク滴噴射方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側には記録ヘッド14に各色のインクを供給するための各サブタンク12を装着している。
【0021】
各色のインクに対応するサブタンク12は、インク供給チューブ16を介して、交換可能に装着されたインクカートリッジ15と接続され、インクカートリッジ15から対応する色のインクを供給される。
【0022】
キャリッジ13は、後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装している。そして、このキャリッジ13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ17で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19との間にタイミングベルト20を張装し、このタイミングベルト20をキャリッジ13に固定している。
【0023】
また、記録ヘッド14としてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を噴射するノズルを有する1個のヘッドとしてもよい。
記録ヘッド14として用いるインクジェットヘッドは、圧電素子などの電気機機械変換素子で液室(インク流路)壁面を形成する振動板を介してインクを加圧するピエゾ型のもの、あるいは発熱抵抗体による膜沸騰でバブルを生じさせてインクを加圧するバブル型のもの、若しくはインク流路壁面を形成する振動板とこれに対向する電極との間の静電力で振動板を変位させてインクを加圧する静電型のものなどを使用することができるが、ここでは静電型インクジェットヘッドを用いることにする。
【0024】
一方、給紙カセット4にセットした記録媒体3を記録ヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット4から記録媒体3を分離給装する給紙ローラ21およびフリクションパッド22と、記録媒体3を案内するガイド部材23と、給紙された記録媒体3を反転させて搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬送コロ25および搬送ローラ24からの記録媒体3の送り出し角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ローラ24は、副走査モータ27によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0025】
そして、キャリッジ13の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された記録媒体3を記録ヘッド14の下方側へ案内する静電搬送ベルト(プラテン)29を設けている。この静電搬送ベルト29は、チャージャ30により帯電することにより搬送されてきた記録媒体3を吸着し、記録媒体面とヘッド面とを並行に保つ役割を担っている。静電搬送ベルト29の用紙搬送方向下流側には、記録媒体3を排紙トレイ6に送り出す排紙コロ33を配設している。
【0026】
また、キャリッジ13の移動方向右端側には記録ヘッド14の信頼性を維持、回復するための信頼性維持回復機構(以下、サブシステムという)37を配置している。キャリッジ13は印字待機中にはこのサブシステム37側に移動されてキャッピング手段などで記録ヘッド14がキャッピングされる。
【0027】
図3は、画像形成装置を正面から見た図で、キャリッジ13には2つの記録ヘッド(141、142)が装着され、さらに記録ヘッド141には2本のノズル列(51,52)および記録ヘッド142には2本のノズル列(53,54)が配置され、この各々のノズル列からインク滴が噴射される。
【0028】
キャリッジ13が図3のようなキャッピング位置にある場合、記録ヘッド141はキャップ55で、記録ヘッド142は吸引兼用キャップ56で覆われ、ヘッド面を保湿し、ノズル列中のインクの目詰まりが起きにくいように保護されている。
用紙検出センサ57は、キャリッジ13の正面から見て左側に据え付けられており、発光部と受光部を持ち、光の反射から用紙の有り無しを検出する。
【0029】
図4は、印写動作のために、キャリッジ13がキャッピング位置から主走査正方向に移動したときを表し、各ノズル列(51,52,53,54)から噴射されたインクが記録媒体に付着し、記録媒体上に画像が形成される。
このキャリッジ位置では、用紙検出センサ57は記録媒体ありを検出する。
また、キャリッジ13がキャッピング位置から移動する場合は、吸引兼用キャップ56およびキャップ55は、キャップ時の位置より降下し、キャリッジの動きは自由になる。
【0030】
図5は、画像形成装置の印字機構部2の制御ブロック図であり、同図において、CPU500は、指令を与えることによって印字機構部2の各部を制御する。副走査モータ動作指令回路509および給紙クラッチドライバ511に指令が与えられると、副走査モータドライバ510を介して副走査モータ27および給紙クラッチ512を駆動し、給紙カセット4(図2参照)から記録媒体3を給紙し、搬送を行う。
【0031】
さらに、主走査モータ動作指令回路506に指令が与えられると、主走査モータドライバ507を介して主走査モータ17を駆動し、キャリッジ13を主走査方向に移動させる。このときCPU500は、主走査エンコーダ513の出力信号を主走査モータ動作指令回路506を介して読み出すことにより、キャリッジ13の位置を知ることができる。
また、CPU500は、インク供給モータ動作指令回路543に指令を与えることによって、インク供給モータドライバ544を介して、インク供給モータ545を駆動し、インクカートリッジ15(図1参照)からサブタンク12(図1参照)へインクを供給する。
【0032】
操作部503は、図6に示すような、6つのLED1〜6(161〜166)と3つのキー1〜3(167〜169)より構成され、CPU500からの指令により装置の状態を操作者に知らしめるとともに、操作者からのキー入力をCPU500に通知する役割を持つ。
LEDの表示は、図7に示すように、1つまたは複数のLEDの点灯・消灯・点滅状態の組合せにより装置の状態を示す。
例えば、黒インクがニアエンド状態にある場合は、LED1が点灯または点滅状態でかつLED3が点滅、黒インクがエンド状態にある場合は、LED1が点灯または点滅状態でかつLED3が点灯、装置がサービスコールの故障状態である場合は、全てのLED1〜6が点滅することによりその状態を示す。
【0033】
不揮発性メモリ501は、電源が遮断された状態でも書き込まれたデータを保持することができるメモリであって、例えばバッテリ内臓のSRAMやE2PROM等により構成される。
画像メモリ502は、印刷する画像データが蓄えられるメモリで、例えばSDRAM等によって構成される。
画像メモリ502から読み出された画像データは、伸張回路520によって圧縮状態から伸張され、さらに、どのノズル列でインク滴を噴射すか否かのマスクを画像マスク回路521で決定して、I/F回路522を介して、記録ヘッド14に送り出され、マスクがかかっていないノズル列からインク滴を噴射させる。
ここで、伸張回路520、画像マスク回路521、I/F回路522は、それぞれノズル列の数の分だけ用意され、各ノズル列のデータを並行して処理する。
【0034】
また、I/F回路522には主走査エンコーダ513の出力信号が入力され、キャリッジ13の主走査位置に同期して、画像データが記録ヘッドに送り出される。
さらに、CPU500は、画像マスク回路521に指令を与えることによって、任意のタイミングで出力画像をマスクすることができる。
CPU500は、時計/カレンダIC540からデータを読み出すことによって、現在の日時を知ることができる。
CPU500は、USB I/F(インターフェイス)回路530を介して、外部にUSB(ユニバーサルシリアルバス)で接続されたPC(personal computer)と通信を行う。
【0035】
カートリッジ着脱検出回路541は、インクカートリッジの着脱を判定する回路であり、その出力信号はCPU500に入力される。
図8は、インクカートリッジの装着状態を示す図であり、4つのインクカートリッジ(151,152,153,154)はそれぞれ、黒、シアン、マゼンタ、イエローのインクカートリッジで、装着された状態を装置の本体1の正面から見た図である。
スイッチ(101,102,103,104)は電流を遮断/流通させる開閉器で、インクカートリッジ(151,152,153,154)が本体1に装着された状態では、スイッチ(101,102,103,104)は、それぞれ押下された状態になっている。
【0036】
図9は、図8の状態から黒カートリッジ151を取り外した状態である。この状態では、スイッチ101は開放状態となる。スイッチ102、103、104についてもそれぞれ同様の回路構成をとる。この回路構成では、スイッチ(101,102,103,104)の押下/開放状態を示す出力信号はそれぞれ独立しているため、図8中のインクカートリッジ(151,152,153,154)の着脱状態は、それぞれ独立に検出することができる。
【0037】
図10は、カートリッジ着脱を検出するカートリッジ着脱検出回路541の回路図である。スイッチ101の片端は、抵抗R1を介してVccに接続される。Vccは、例えば5Vや3.3V等に設定される。スイッチ101のもう一方の片端は、抵抗R2を介してGNDに接続されるとともに、ドライバ素子110を介して、カートリッジ着脱検出回路541の出力となる。
カートリッジ着脱検出回路541の出力信号は、スイッチ101が押下(閉じた)状態では、例えば2.5V程度の一定レベルの電圧出力として得られ、またスイッチ101が開放された状態では、グラウンドレベルの電圧出力として得られる。
他のスイッチ(102,103,104)についても同様である。
【0038】
図11は、カートリッジ着脱を検出するカートリッジ着脱検出回路541の他の回路図例である。この回路では、スイッチ(101、102、103,104)はそれぞれ直列に接続され、その片端は抵抗R1を介してVccに、もう一方の片端は抵抗R2を介してGNDに接続されるとともに、ドライバ素子110を介して、カートリッジ着脱検出回路541の出力となる。
図11の回路構成では、すべてのスイッチ(101,102,103,104)が押下(閉じた)状態となった場合、カートリッジ着脱検出回路541の出力信号は、例えば2.5V程度の一定レベルの電圧出力として得られ、またスイッチ(101,102,103,104)のいずれか一つでも開放された状態では、グラウンドレベルの電圧出力として得られる。
【0039】
従って、図11の回路構成では、図8中のインクカートリッジ(151,152,153,154)の着脱状態は、それぞれ独立に検出することはできず、全てが装着されているか、少なくともいずれか一つが外されているかのみを検出することができる。
【0040】
図5に戻って、満タン検出回路542は、サブタンク12内のインクが満タンであるか否かを検出し、その出力信号はCPU500に入力される。
図12は、サブタンク内のインクが満タンである場合の状態を示し、装置の本体1の正面から見た図である。サブタンク12内にインク154が満タン近くまで充填されているときは、満タン検出回路542の発光部151から照射された光は、インク色に吸収されて、反射光が受光部152に入射されることはない。
これにより、満タン検出回路542は、満タン状態であることを検出する。
【0041】
図13は、サブタンク12内のインクが満タンでない場合の状態を示し、装置の本体1の正面から見た図である。サブタンク12内にインク154が満タン近くまで充填されていないときは、満タン検出回路542の発光部151から照射された光は、サブタンク12の透明部155を透過した後、サブタンク12内壁に設けられた白色部156で反射され受光部152に入射される。
これにより、満タン検出回路542は満タン状態でないことを検出する。
【0042】
次に、図14は、インクの残量状況を検知し、インクニアエンドおよびインクエンド判定を行うフローチャートである。以下の説明では、インクの残量状態として、次の3つの状態があるものとする。
【0043】
通常状態 :インクカートリッジ中にインク残量がある状態。
インクニアエンド状態:インクカートリッジの中のインクは空であるが、サブタンク中に一定量以上のインク残量があり、印刷を行える状態。
インクエンド状態 :インクカートリッジの中のインクが空で、かつサブタンク中のインク残量が一定値以下になり、印刷を行えない状態。
【0044】
装置の電源投入後、インクカートリッジ15からサブタンク12へのインク供給動作が行われる(ステップS201)。
ここで満タンを検出した場合(ステップS202のYES)は、インクニアエンドフラグおよびC1カウンタを0にクリアして(ステップS204)、インクエンドおよびインクニアエンドの表示を非表示にして(ステップS205)、インク供給動作を停止させる(ステップS208)。
【0045】
一方、満タンで無い場合は(ステップS202のNO)、インク供給動作開始後所定時間経過したか否かの確認を行い、未経過であれば(ステップS203のNO)、そのままインク供給を続け、所定時間経過後であれば(ステップS203のYES)、インクニアエンドフラグを1にセットし、C2カウンタを0にクリアし(ステップS206)、操作部上にインクニアエンドの表示を行い(ステップS207)、インク供給動作を停止させる(ステップS208)。
【0046】
インク供給動作停止後は、スキャン(主走査)要求の待ち状態に入り、スキャン要求があれば(ステップS209のYES)、スキャン動作を実行する(ステップS210)。
スキャン動作終了後、インクニアエンドフラグをチェックし、0であれば(即ちインクニアエンド状態でなければ)(ステップS211のYES)、先のスキャン動作で消費したインク使用量lsをC1カウンタに加える(ステップS212)。ここでlsは、スキャン実行にあたりPCからスキャン開始指令と共に与えられたインク使用量である。
【0047】
このときC1カウンタが所定量Lnを超えていなければ(ステップS213のNO)、ステップS209へ戻って、そのまま次のスキャン要求待ちに入る。
また、Lnを超えていた場合は(ステップS213のYES)、ステップS201へ戻ってインク供給動作に移行する。
ここでLnは、インク供給動作を開始するときの予め決められた閾値であり、サブタンク満タンの状態から使用したインクの使用量がこのLn以上となった場合には、インク供給動作を開始する。
【0048】
スキャン動作終了後のインクニアエンドフラグのチェック結果が1であった場合(即ちインクニアエンド状態になった場合)(ステップS211のNO)、先のスキャン動作で消費したインク使用量lsをC2カウンタに加える(ステップS214)。このときC2カウンタが所定量Leを超えていなければ(ステップS215のNO)、ステップS209へ戻ってそのまま次のスキャン要求待ちに入る。
ここでLeは、インクエンドと判定するための予め決められた閾値であり、インクニアエンド状態遷移から使用したインクの使用量がこのLe以上となった場合には、インクエンドと判定される。
【0049】
一方、Leを超えていた場合は(ステップS215のYES)、操作部のLEDを使ってインクエンドであることを表示し(ステップS216)、インクエンド状態になった後は、インクカートリッジの脱着の監視にはいり、カートリッジがいったん外された(ステップS217)後に、カートリッジが再度装着された(ステップS218)場合は、カートリッジが交換されたものと判断して、ステップS201へ戻ってインク供給動作を開始する。
【0050】
以上のように構成された画像形成装置は、ユーザがPC(personal computer)から印刷指示をすると、次のように動作する。
先ず、ユーザは、必要に応じて、印刷する用紙のサイズおよび紙種や印刷する画像の品質を指定する。
次に、ユーザに印刷指示が与えられると、PCから画像形成装置へ、まずジョブの開始指令が送られる。このジョブ開始指令の中には、ジョブ中に含まれる総印刷ページ数等の情報が含まれている。
次に、ページ1の開始指令が送られる。このページ開始指令中には、印刷するページの用紙サイズおよび紙種等の情報が含まれている。
続いて、ページ1の第1スキャンの開始指令および印刷データが送られる。このスキャン開始指令中には、該当スキャンの結果印字される各色ごとのインク消費量等の情報が含まれている。
続いて、ページ1の第2スキャン、さらにページ1の全スキャンが完了すると、ページ2の開始指令、続いてページ2の第1スキャン・・・と続き全ページ、全スキャンの開始指令およびデータが送信された後に、ジョブ終了を通知して、一連の印刷指令を完了する。
【0051】
次に、印刷動作中にインクカートリッジが外れたときの対処方法について説明する。
以下の説明では、新しいインクカートリッジ15が装着されて、サブタンク12へインクが供給されたときのインクカートリッジ15とサブタンク12のインク残量、および0クリアしたインク使用量カウンタC1を不揮発性メモリ501へ記憶しておく。
このインク残量は、インクカートリッジ15からサブタンク12へインクを供給するたびにインク残量を更新されているものとする。
また、主走査動作によって消費されたインク使用量によってサブタンク12のインク残量は更新されているものとする。
使用量カウンタC1も主走査動作によって消費されたインク使用量によって加算更新され、インクカートリッジ15からサブタンク12へインクを供給するたびに0クリアされるものとする。
【0052】
(1)サブタンク12のインクニアエンド状態の検出による停止
図15は、サブタンクのインク残量のインクニアエンド状態を検出して印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
カートリッジ着脱検出回路541(図5,10,11参照)によってインクカートリッジが外れたことを検出すると(ステップS301のYES)、CPU500はインクカートリッジの脱着状態を不揮発性メモリ501に記憶すると共にインクの残量監視状態にする(ステップS302)。
【0053】
印刷中にサブタンク12のインクの残量が予め設定された所定量以下でない場合(ステップS303のNO)、CPU500は引き続き主走査、副走査、給紙およびインク供給等への駆動の指示をし続ける(ステップS304)。
この判断は、サブタンク12のインク残量が所定量(インクカートリッジからインクを補給しなければならない残量を示す閾値)(図14参照)以下になるか否かによって判断される。
【0054】
一方、監視中に、印刷中にサブタンク12のインクの残量が予め設定された所定量以下となった場合(ステップS303のYES)、CPU500は新たに主走査モータ動作指令回路506への駆動の指示を停止する(ステップS305)。
【0055】
または、上記判断で、インク使用量カウンタC1がLn(サブタンクがインクカートリッジからインクを補給しなければならない使用量を示す閾値)を超えたときに、サブタンク12のインクの残量がなくなり、インクニアエンド状態になったとしても良い。
【0056】
(2)サブタンク12のインクエンド状態の検出による停止
図16は、サブタンクのインク残量のインクエンド状態を検出して印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
カートリッジ着脱検出回路541(図5,10,11参照)によってインクカートリッジが外れたことを検出すると(ステップS401のYES)、CPU500はインクカートリッジの脱着状態を不揮発性メモリ501に記憶すると共にインクの残量監視状態にする(ステップS402)。
【0057】
印刷中にサブタンク12のインクの使用量が予め設定された所定量以下である場合(ステップS403のNO)、CPU500は引き続き主走査、副走査、給紙およびインク供給等への駆動の指示をし続ける(ステップS404)。
この判断は、主走査動作で消費したインクの使用量lsをC1カウンタへ加え、インク使用量C1が所定量Ln+Le(図14参照)以上になるか否かによって判断される。
ここでLeは、インクニアエンド状態(Ln)をすぎて消費したインク量がこのLeを超えた場合にはインクエンド状態となることを示す閾値である。
【0058】
一方、監視中に、印刷中にインクの使用量が予め設定された所定量以上である場合(ステップS403のYES)、CPU500は新たに主走査モータ動作指令回路506への駆動の指示を停止する(ステップS405)。
【0059】
(3)印刷動作前にサブタンク12のエンド状態の検出による停止
図17は、印刷動作中にインクエンド状態になるようなサブタンク12のインク残量であるかを検出して印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
カートリッジ着脱検出回路541(図5,10,11参照)によってインクカートリッジが外れたことを検出すると(ステップS501のYES)、CPU500はインクカートリッジの脱着状態を不揮発性メモリ501に記憶すると共にインクの残量監視状態にする(ステップS502)。
【0060】
スキャン要求が来た場合には(ステップS503のYES)、まずスキャン実行前に、スキャン開始指令と共に与えられたインク使用量lsと現在までのインク使用量C1をあわせた使用量が印刷を停止する条件となる所定量を超えているかを判断し、所定量を超えていなければ(ステップS504のNO)、CPU500は引き続き主走査、副走査、給紙およびインク供給等への駆動の指示をし続ける(ステップS505)。
【0061】
一方、所定量を超えていれば(ステップS504のYES)、CPU500は、新たに主走査モータ動作指令回路506への駆動の指示は与えずに停止し、インクカートリッジの装着待ちの状態となる(ステップS506)。
【0062】
上記のすべての動作で、CPU500が駆動指示を停止する前に、インクカートリッジ装着が検出された場合には、そのままインク残量監視状態を抜け、通常状態に戻ることが可能である。
また、CPU500の駆動指示を停止した後に、インクカートリッジ装着が検出された場合は、必要なインク補給動作を行い、通常印刷可能状態に戻ることが可能となる。
また、CPU500からの主走査モータ動作指令回路506への駆動指示が停止した場合でも動作可能な副走査モータ動作指令回路509等への駆動指示は行っても良い。
【0063】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されたものではない。上述した実施形態を構成する各機能をそれぞれプログラム化し、予めROMの記録媒体に書き込んでおき、装着したこのROMのプログラムをマイクロプロセッサで実行することによって、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されて実行された状態が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
【0064】
なお、このような機能を実現するプログラムは、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれの形態の記録媒体で提供されてもよい。
あるいは、ネットワーク等の通信網を介して記憶装置に格納されたプログラムをサーバコンピュータから直接供給を受けるようにしてもよい。この場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
【0065】
このような記録媒体で提供された場合は、その記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置にインストールし、そのインストールされたプログラムをマイクロプロセッサが実行することによって上述した実施形態の機能が実現される。または、記録媒体に記録されたプログラムを直接実行するようにしてもよい。
【0066】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能であるのは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、インクカートリッジ抜けが検出されたとき、サブタンク内のインク残量が所定の量以下となるまで印刷を継続させることにより、ユーザ誤操作時であっても機械にダメージを与えずに停止することができる。
また、所定の量の設定量によっては、インクカートリッジが再装着された際に行う必要な機械復帰動作も変わってくるため、機械の操作性もあがる。
【0068】
また、インクカートリッジ抜けが検出されても、サブタンク内のインク残量がインクカートリッジからインク補給を受ける必要が出てくるまで印刷を継続させることにより、インクカートリッジ脱着の操作・誤操作に影響されることなく、生産性を確保することが可能となる。
【0069】
また、インクカートリッジ抜けが検出されたとき、印刷動作前に、サブタンク内のインク残量が所定の量以下であるかを確認し、所定量以下の場合には機械を停止するので、機械にとってより安全な停止のための所定量を設定することができると共に機械にダメージを与えずに停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施される画像形成装置の印字機構部の概略斜視図である。
【図2】印字機構部の側面図である。
【図3】キャッピング状態の画像形成装置を正面から見た図である。
【図4】印字動作中の画像形成装置を正面から見た図である。
【図5】画像形成装置の印字機構部の制御ブロック図である。
【図6】操作部のLED、キーの配置例である。
【図7】操作部のLED表示仕様例である。
【図8】インクカートリッジの装着状態を示す図である。
【図9】インクカートリッジの外れた状態を示す図である。
【図10】個別にカートリッジの着脱を検出できるカートリッジ着脱検出回路の回路図例である。
【図11】カートリッジ全体で着脱を検出できるカートリッジ着脱検出回路の他の回路図例である。
【図12】サブタンク内のインクが満タンである場合の状態を示す図である。
【図13】サブタンク内のインクが満タンでない場合の状態を示す図である。
【図14】インクの残量状況を検知し、インクニアエンドおよびインクエンド判定を行うフローチャートである。
【図15】サブタンクのインク残量のインクニアエンド状態を検出して印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
【図16】サブタンクのインク残量のインクエンド状態を検出して印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
【図17】印刷動作中にインクエンド状態になるようなサブタンクのインク残量であるかを動作前に検出して、印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
【符号の説明】
1…本体、2…印字機構部、3…記録媒体、4…給紙カセット、5…手差しトレイ、6…排紙トレイ、11…主ガイドロッド、12…サブタンク、13…キャリッジ、14,141,142…記録ヘッド、15…インクカートリッジ、151…黒カートリッジ、152…シアンカートリッジ、153…マゼンタカートリッジ、154…イエローカートリッジ、16…インク供給チューブ、17…主走査モータ、18…駆動プーリ、19…従動プーリ、20…タイミングベルト、21…給紙ローラ、22…フリクションパッド、23…ガイド部材、24…搬送ローラ、25…搬送コロ、26…先端コロ、27…副走査モータ、29…静電搬送ベルト、30…チャージャ、33…排紙コロ、37…信頼性維持回復機構(サブシステム)、51,52,53,54…ノズル列、55…キャップ、56…吸引兼用キャップ、57…用紙検出センサ、101,102,103,104…スイッチ、110…ドライバ素子、151…発光部、152…受光部、154…インク、155…透明部、156…白色部、161〜166…LED、167〜169…キー、500…CPU、501…不揮発性メモリ、502…画像メモリ、503…操作部、506…主走査モータ動作指令回路、507…主走査モータドライバ、509…副走査モータ動作指令回路、510…副走査モータドライバ、511…給紙クラッチドライバ、512…給紙クラッチ、513…主走査エンコーダ、520…伸張回路、521…画像マスク回路、522…I/F回路、530…USB I/F回路、540…時計/カレンダIC、541…カートリッジ着脱検出回路、542…満タン検出回路、543…インク供給モータ動作指令回路、544…インク供給モータドライバ、545…インク供給モータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置、プログラムおよび記録媒体に関し、具体的には、取り外し可能なインクカートリッジからインクを印刷ヘッドに搭載したサブタンクに供給する画像形成装置において、印刷中のカートリッジ外れが検出されたときの処置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの出力装置として、記録ヘッドのノズルからインクを噴射するインクジェットプリンタが広く普及している。
このインクジェットプリンタでは、用紙をプラテン上で記録ヘッドに向かい合うように支持し、記録ヘッドを水平方向(主走査方向)に移動させながら用紙上の所定の位置で記録ヘッド上のノズルからインク滴を噴射してドットを形成させ、主走査を終了すると垂直方向(副走査方向)に用紙を所定量だけ搬送し、この主走査と副走査とを交互に繰り返すことにより、所定の印刷を行っている。
【0003】
このインクジェット記録装置が高速化されることによって、一般家庭での個人ユーザや個人事業者だけでなく、オフィスでの使用も急速に広まっている。
オフィスの使用においては、個人ユーザの使用に比べ、印刷に対する要求(用紙のサイズや画像のサイズなど)や印刷枚数が多いのが特徴で、それに応じた生産性および信頼性が必要となるが、従来の個人ユーザ向けに開発された装置をオフィスで使用するのは生産性および信頼性が充分でなく、要求される装置機能を満たせない場合がある。
【0004】
これに対し生産性を考慮し、大量印刷を可能とするためにインクカートリッジを搭載した装置の場合、例えば、インクカートリッジを誤って取り外してしまったときに、サブタンク内のインク残量が少なければ、所望の印刷ができなくなったり、機械にダメージを与えたりすることが考えられる。
【0005】
そのため、上記のような装置ではカバー開閉センサを搭載したインクカートリッジ部カバーを採用し、インクカートリッジ部カバーを開けただけで印刷を停止して、印刷中のカートリッジ抜き差しを不可能にしている。
また、このカバー開閉センサを搭載すると、装置のコストが高くなってしまうという問題点がある。
【0006】
また、インクカートリッジ部カバーにカバー開閉センサを搭載していない装置においては、印刷開始前のインクカートリッジ外れは検出されるが、印刷中のインクカートリッジ外れに対する対処はなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の実情を考慮してなされたものであって、印刷中のカートリッジ外れを検出し、サブタンクのインク残量を判断して停止動作を行うことにより、装置の生産性、信頼性をあげる画像形成装置、その装置の機能を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1は、取り外し可能なインクカートリッジから印刷ヘッドに搭載されたサブタンクへインクを供給し、印刷ヘッドを主走査させるとともに記録媒体を副走査させることによって印刷を行う画像形成装置において、前記インクカートリッジの脱着を検出する手段と、前記サブタンク内のインク残量を検知する手段と、前記インク残量が所定量を超えたか否かを判定する手段とを有し、前記インクカートリッジの脱落状態を検出した場合、前記判定手段でインク残量が所定量を超えたと判定されると印刷を停止するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記所定量は、前記インクカートリッジからインク補給を必要とする残量であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記所定量は、前記サブタンク内にインク残量なしであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4は、請求項1に記載の画像形成装置において、要求された主走査で消費されるインク使用量を算出する手段と、前記算出されたインク使用量に基づいて、要求された主走査を行った後の前記サブタンクのインク残量を推定する手段と、前記推定したインク残量が所定量以下となるか否かを判定する手段とを有し、前記インクカートリッジの脱落状態を検出した場合、前記判定手段で前記インク残量が所定量を超えると推定されると印刷を開始せず停止することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5は、コンピュータに、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置の機能を実行させるためのプログラムである。
また、本発明の請求項6は、請求項5に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0012】
以上の構成により、インクカートリッジ抜けが検出されたとき、サブタンク内のインク残量が所定の量以下となるまで印刷を継続させることにより、ユーザ誤操作時であっても機械にダメージを与えずに停止することができる。
また、所定の量の設定量によっては、インクカートリッジが再装着された際に行う必要な機械復帰動作も変わってくるため、機械の操作性もあがる。
【0013】
また、インクカートリッジ抜けが検出されても、サブタンク内のインク残量がインクカートリッジからインク補給を受ける必要が出てくるまで印刷を継続させることにより、インクカートリッジ脱着の操作・誤操作に影響されることなく、生産性を確保することが可能となる。
【0014】
また、インクカートリッジ抜けが検出されたとき、印刷動作前に、サブタンク内のインク残量が所定の量以下であるかを確認し、所定量以下の場合には機械を停止するので、機械にとってより安全な停止のための所定量を設定することができると共に機械にダメージを与えずに停止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の画像形成装置に係る好適な実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明が実施される画像形成装置の印字機構部の概略斜視図、図2は、同印字機構部の側面図である。
【0016】
ここで、本発明の画像形成装置をインクジェット記録装置として説明するが、本発明はその構成に限定されるものではなく、サブタンクに対してインクカートリッジからインクを供給して印刷を行う画像形成装置について適用できるものである。
【0017】
この画像形成装置は、画像形成装置の本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ13、キャリッジ13に搭載したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14、記録ヘッド14へのインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、画像形成装置の本体1の下方部には前方側から多数枚の記録媒体(用紙)3を積載可能な給紙カセット(あるいは給紙トレイでもよい)4を抜き差し自在に装着することができる。
【0018】
以下の説明では、「記録媒体」とは、記録ヘッドによってドットが形成される媒体を意味し、代表的には、印刷用紙、記録紙、カット紙、連続紙、ロール紙等がある。但し、記録媒体は紙である必要はなく、布、樹脂、セラミックス、金属板等の他の材料から形成され、記録ヘッドによって吐出されるインクを受容可能なものもいう。
【0019】
また、記録媒体3を手差しで給紙するための手差しトレイ5を開倒することができ、給紙カセット4あるいは手差しトレイ5から給送される記録媒体3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0020】
印字機構部2は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド11でキャリッジ13を主走査方向(図2の紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ13にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を噴射するインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14をインク滴噴射方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側には記録ヘッド14に各色のインクを供給するための各サブタンク12を装着している。
【0021】
各色のインクに対応するサブタンク12は、インク供給チューブ16を介して、交換可能に装着されたインクカートリッジ15と接続され、インクカートリッジ15から対応する色のインクを供給される。
【0022】
キャリッジ13は、後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装している。そして、このキャリッジ13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ17で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19との間にタイミングベルト20を張装し、このタイミングベルト20をキャリッジ13に固定している。
【0023】
また、記録ヘッド14としてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を噴射するノズルを有する1個のヘッドとしてもよい。
記録ヘッド14として用いるインクジェットヘッドは、圧電素子などの電気機機械変換素子で液室(インク流路)壁面を形成する振動板を介してインクを加圧するピエゾ型のもの、あるいは発熱抵抗体による膜沸騰でバブルを生じさせてインクを加圧するバブル型のもの、若しくはインク流路壁面を形成する振動板とこれに対向する電極との間の静電力で振動板を変位させてインクを加圧する静電型のものなどを使用することができるが、ここでは静電型インクジェットヘッドを用いることにする。
【0024】
一方、給紙カセット4にセットした記録媒体3を記録ヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット4から記録媒体3を分離給装する給紙ローラ21およびフリクションパッド22と、記録媒体3を案内するガイド部材23と、給紙された記録媒体3を反転させて搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬送コロ25および搬送ローラ24からの記録媒体3の送り出し角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ローラ24は、副走査モータ27によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0025】
そして、キャリッジ13の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された記録媒体3を記録ヘッド14の下方側へ案内する静電搬送ベルト(プラテン)29を設けている。この静電搬送ベルト29は、チャージャ30により帯電することにより搬送されてきた記録媒体3を吸着し、記録媒体面とヘッド面とを並行に保つ役割を担っている。静電搬送ベルト29の用紙搬送方向下流側には、記録媒体3を排紙トレイ6に送り出す排紙コロ33を配設している。
【0026】
また、キャリッジ13の移動方向右端側には記録ヘッド14の信頼性を維持、回復するための信頼性維持回復機構(以下、サブシステムという)37を配置している。キャリッジ13は印字待機中にはこのサブシステム37側に移動されてキャッピング手段などで記録ヘッド14がキャッピングされる。
【0027】
図3は、画像形成装置を正面から見た図で、キャリッジ13には2つの記録ヘッド(141、142)が装着され、さらに記録ヘッド141には2本のノズル列(51,52)および記録ヘッド142には2本のノズル列(53,54)が配置され、この各々のノズル列からインク滴が噴射される。
【0028】
キャリッジ13が図3のようなキャッピング位置にある場合、記録ヘッド141はキャップ55で、記録ヘッド142は吸引兼用キャップ56で覆われ、ヘッド面を保湿し、ノズル列中のインクの目詰まりが起きにくいように保護されている。
用紙検出センサ57は、キャリッジ13の正面から見て左側に据え付けられており、発光部と受光部を持ち、光の反射から用紙の有り無しを検出する。
【0029】
図4は、印写動作のために、キャリッジ13がキャッピング位置から主走査正方向に移動したときを表し、各ノズル列(51,52,53,54)から噴射されたインクが記録媒体に付着し、記録媒体上に画像が形成される。
このキャリッジ位置では、用紙検出センサ57は記録媒体ありを検出する。
また、キャリッジ13がキャッピング位置から移動する場合は、吸引兼用キャップ56およびキャップ55は、キャップ時の位置より降下し、キャリッジの動きは自由になる。
【0030】
図5は、画像形成装置の印字機構部2の制御ブロック図であり、同図において、CPU500は、指令を与えることによって印字機構部2の各部を制御する。副走査モータ動作指令回路509および給紙クラッチドライバ511に指令が与えられると、副走査モータドライバ510を介して副走査モータ27および給紙クラッチ512を駆動し、給紙カセット4(図2参照)から記録媒体3を給紙し、搬送を行う。
【0031】
さらに、主走査モータ動作指令回路506に指令が与えられると、主走査モータドライバ507を介して主走査モータ17を駆動し、キャリッジ13を主走査方向に移動させる。このときCPU500は、主走査エンコーダ513の出力信号を主走査モータ動作指令回路506を介して読み出すことにより、キャリッジ13の位置を知ることができる。
また、CPU500は、インク供給モータ動作指令回路543に指令を与えることによって、インク供給モータドライバ544を介して、インク供給モータ545を駆動し、インクカートリッジ15(図1参照)からサブタンク12(図1参照)へインクを供給する。
【0032】
操作部503は、図6に示すような、6つのLED1〜6(161〜166)と3つのキー1〜3(167〜169)より構成され、CPU500からの指令により装置の状態を操作者に知らしめるとともに、操作者からのキー入力をCPU500に通知する役割を持つ。
LEDの表示は、図7に示すように、1つまたは複数のLEDの点灯・消灯・点滅状態の組合せにより装置の状態を示す。
例えば、黒インクがニアエンド状態にある場合は、LED1が点灯または点滅状態でかつLED3が点滅、黒インクがエンド状態にある場合は、LED1が点灯または点滅状態でかつLED3が点灯、装置がサービスコールの故障状態である場合は、全てのLED1〜6が点滅することによりその状態を示す。
【0033】
不揮発性メモリ501は、電源が遮断された状態でも書き込まれたデータを保持することができるメモリであって、例えばバッテリ内臓のSRAMやE2PROM等により構成される。
画像メモリ502は、印刷する画像データが蓄えられるメモリで、例えばSDRAM等によって構成される。
画像メモリ502から読み出された画像データは、伸張回路520によって圧縮状態から伸張され、さらに、どのノズル列でインク滴を噴射すか否かのマスクを画像マスク回路521で決定して、I/F回路522を介して、記録ヘッド14に送り出され、マスクがかかっていないノズル列からインク滴を噴射させる。
ここで、伸張回路520、画像マスク回路521、I/F回路522は、それぞれノズル列の数の分だけ用意され、各ノズル列のデータを並行して処理する。
【0034】
また、I/F回路522には主走査エンコーダ513の出力信号が入力され、キャリッジ13の主走査位置に同期して、画像データが記録ヘッドに送り出される。
さらに、CPU500は、画像マスク回路521に指令を与えることによって、任意のタイミングで出力画像をマスクすることができる。
CPU500は、時計/カレンダIC540からデータを読み出すことによって、現在の日時を知ることができる。
CPU500は、USB I/F(インターフェイス)回路530を介して、外部にUSB(ユニバーサルシリアルバス)で接続されたPC(personal computer)と通信を行う。
【0035】
カートリッジ着脱検出回路541は、インクカートリッジの着脱を判定する回路であり、その出力信号はCPU500に入力される。
図8は、インクカートリッジの装着状態を示す図であり、4つのインクカートリッジ(151,152,153,154)はそれぞれ、黒、シアン、マゼンタ、イエローのインクカートリッジで、装着された状態を装置の本体1の正面から見た図である。
スイッチ(101,102,103,104)は電流を遮断/流通させる開閉器で、インクカートリッジ(151,152,153,154)が本体1に装着された状態では、スイッチ(101,102,103,104)は、それぞれ押下された状態になっている。
【0036】
図9は、図8の状態から黒カートリッジ151を取り外した状態である。この状態では、スイッチ101は開放状態となる。スイッチ102、103、104についてもそれぞれ同様の回路構成をとる。この回路構成では、スイッチ(101,102,103,104)の押下/開放状態を示す出力信号はそれぞれ独立しているため、図8中のインクカートリッジ(151,152,153,154)の着脱状態は、それぞれ独立に検出することができる。
【0037】
図10は、カートリッジ着脱を検出するカートリッジ着脱検出回路541の回路図である。スイッチ101の片端は、抵抗R1を介してVccに接続される。Vccは、例えば5Vや3.3V等に設定される。スイッチ101のもう一方の片端は、抵抗R2を介してGNDに接続されるとともに、ドライバ素子110を介して、カートリッジ着脱検出回路541の出力となる。
カートリッジ着脱検出回路541の出力信号は、スイッチ101が押下(閉じた)状態では、例えば2.5V程度の一定レベルの電圧出力として得られ、またスイッチ101が開放された状態では、グラウンドレベルの電圧出力として得られる。
他のスイッチ(102,103,104)についても同様である。
【0038】
図11は、カートリッジ着脱を検出するカートリッジ着脱検出回路541の他の回路図例である。この回路では、スイッチ(101、102、103,104)はそれぞれ直列に接続され、その片端は抵抗R1を介してVccに、もう一方の片端は抵抗R2を介してGNDに接続されるとともに、ドライバ素子110を介して、カートリッジ着脱検出回路541の出力となる。
図11の回路構成では、すべてのスイッチ(101,102,103,104)が押下(閉じた)状態となった場合、カートリッジ着脱検出回路541の出力信号は、例えば2.5V程度の一定レベルの電圧出力として得られ、またスイッチ(101,102,103,104)のいずれか一つでも開放された状態では、グラウンドレベルの電圧出力として得られる。
【0039】
従って、図11の回路構成では、図8中のインクカートリッジ(151,152,153,154)の着脱状態は、それぞれ独立に検出することはできず、全てが装着されているか、少なくともいずれか一つが外されているかのみを検出することができる。
【0040】
図5に戻って、満タン検出回路542は、サブタンク12内のインクが満タンであるか否かを検出し、その出力信号はCPU500に入力される。
図12は、サブタンク内のインクが満タンである場合の状態を示し、装置の本体1の正面から見た図である。サブタンク12内にインク154が満タン近くまで充填されているときは、満タン検出回路542の発光部151から照射された光は、インク色に吸収されて、反射光が受光部152に入射されることはない。
これにより、満タン検出回路542は、満タン状態であることを検出する。
【0041】
図13は、サブタンク12内のインクが満タンでない場合の状態を示し、装置の本体1の正面から見た図である。サブタンク12内にインク154が満タン近くまで充填されていないときは、満タン検出回路542の発光部151から照射された光は、サブタンク12の透明部155を透過した後、サブタンク12内壁に設けられた白色部156で反射され受光部152に入射される。
これにより、満タン検出回路542は満タン状態でないことを検出する。
【0042】
次に、図14は、インクの残量状況を検知し、インクニアエンドおよびインクエンド判定を行うフローチャートである。以下の説明では、インクの残量状態として、次の3つの状態があるものとする。
【0043】
通常状態 :インクカートリッジ中にインク残量がある状態。
インクニアエンド状態:インクカートリッジの中のインクは空であるが、サブタンク中に一定量以上のインク残量があり、印刷を行える状態。
インクエンド状態 :インクカートリッジの中のインクが空で、かつサブタンク中のインク残量が一定値以下になり、印刷を行えない状態。
【0044】
装置の電源投入後、インクカートリッジ15からサブタンク12へのインク供給動作が行われる(ステップS201)。
ここで満タンを検出した場合(ステップS202のYES)は、インクニアエンドフラグおよびC1カウンタを0にクリアして(ステップS204)、インクエンドおよびインクニアエンドの表示を非表示にして(ステップS205)、インク供給動作を停止させる(ステップS208)。
【0045】
一方、満タンで無い場合は(ステップS202のNO)、インク供給動作開始後所定時間経過したか否かの確認を行い、未経過であれば(ステップS203のNO)、そのままインク供給を続け、所定時間経過後であれば(ステップS203のYES)、インクニアエンドフラグを1にセットし、C2カウンタを0にクリアし(ステップS206)、操作部上にインクニアエンドの表示を行い(ステップS207)、インク供給動作を停止させる(ステップS208)。
【0046】
インク供給動作停止後は、スキャン(主走査)要求の待ち状態に入り、スキャン要求があれば(ステップS209のYES)、スキャン動作を実行する(ステップS210)。
スキャン動作終了後、インクニアエンドフラグをチェックし、0であれば(即ちインクニアエンド状態でなければ)(ステップS211のYES)、先のスキャン動作で消費したインク使用量lsをC1カウンタに加える(ステップS212)。ここでlsは、スキャン実行にあたりPCからスキャン開始指令と共に与えられたインク使用量である。
【0047】
このときC1カウンタが所定量Lnを超えていなければ(ステップS213のNO)、ステップS209へ戻って、そのまま次のスキャン要求待ちに入る。
また、Lnを超えていた場合は(ステップS213のYES)、ステップS201へ戻ってインク供給動作に移行する。
ここでLnは、インク供給動作を開始するときの予め決められた閾値であり、サブタンク満タンの状態から使用したインクの使用量がこのLn以上となった場合には、インク供給動作を開始する。
【0048】
スキャン動作終了後のインクニアエンドフラグのチェック結果が1であった場合(即ちインクニアエンド状態になった場合)(ステップS211のNO)、先のスキャン動作で消費したインク使用量lsをC2カウンタに加える(ステップS214)。このときC2カウンタが所定量Leを超えていなければ(ステップS215のNO)、ステップS209へ戻ってそのまま次のスキャン要求待ちに入る。
ここでLeは、インクエンドと判定するための予め決められた閾値であり、インクニアエンド状態遷移から使用したインクの使用量がこのLe以上となった場合には、インクエンドと判定される。
【0049】
一方、Leを超えていた場合は(ステップS215のYES)、操作部のLEDを使ってインクエンドであることを表示し(ステップS216)、インクエンド状態になった後は、インクカートリッジの脱着の監視にはいり、カートリッジがいったん外された(ステップS217)後に、カートリッジが再度装着された(ステップS218)場合は、カートリッジが交換されたものと判断して、ステップS201へ戻ってインク供給動作を開始する。
【0050】
以上のように構成された画像形成装置は、ユーザがPC(personal computer)から印刷指示をすると、次のように動作する。
先ず、ユーザは、必要に応じて、印刷する用紙のサイズおよび紙種や印刷する画像の品質を指定する。
次に、ユーザに印刷指示が与えられると、PCから画像形成装置へ、まずジョブの開始指令が送られる。このジョブ開始指令の中には、ジョブ中に含まれる総印刷ページ数等の情報が含まれている。
次に、ページ1の開始指令が送られる。このページ開始指令中には、印刷するページの用紙サイズおよび紙種等の情報が含まれている。
続いて、ページ1の第1スキャンの開始指令および印刷データが送られる。このスキャン開始指令中には、該当スキャンの結果印字される各色ごとのインク消費量等の情報が含まれている。
続いて、ページ1の第2スキャン、さらにページ1の全スキャンが完了すると、ページ2の開始指令、続いてページ2の第1スキャン・・・と続き全ページ、全スキャンの開始指令およびデータが送信された後に、ジョブ終了を通知して、一連の印刷指令を完了する。
【0051】
次に、印刷動作中にインクカートリッジが外れたときの対処方法について説明する。
以下の説明では、新しいインクカートリッジ15が装着されて、サブタンク12へインクが供給されたときのインクカートリッジ15とサブタンク12のインク残量、および0クリアしたインク使用量カウンタC1を不揮発性メモリ501へ記憶しておく。
このインク残量は、インクカートリッジ15からサブタンク12へインクを供給するたびにインク残量を更新されているものとする。
また、主走査動作によって消費されたインク使用量によってサブタンク12のインク残量は更新されているものとする。
使用量カウンタC1も主走査動作によって消費されたインク使用量によって加算更新され、インクカートリッジ15からサブタンク12へインクを供給するたびに0クリアされるものとする。
【0052】
(1)サブタンク12のインクニアエンド状態の検出による停止
図15は、サブタンクのインク残量のインクニアエンド状態を検出して印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
カートリッジ着脱検出回路541(図5,10,11参照)によってインクカートリッジが外れたことを検出すると(ステップS301のYES)、CPU500はインクカートリッジの脱着状態を不揮発性メモリ501に記憶すると共にインクの残量監視状態にする(ステップS302)。
【0053】
印刷中にサブタンク12のインクの残量が予め設定された所定量以下でない場合(ステップS303のNO)、CPU500は引き続き主走査、副走査、給紙およびインク供給等への駆動の指示をし続ける(ステップS304)。
この判断は、サブタンク12のインク残量が所定量(インクカートリッジからインクを補給しなければならない残量を示す閾値)(図14参照)以下になるか否かによって判断される。
【0054】
一方、監視中に、印刷中にサブタンク12のインクの残量が予め設定された所定量以下となった場合(ステップS303のYES)、CPU500は新たに主走査モータ動作指令回路506への駆動の指示を停止する(ステップS305)。
【0055】
または、上記判断で、インク使用量カウンタC1がLn(サブタンクがインクカートリッジからインクを補給しなければならない使用量を示す閾値)を超えたときに、サブタンク12のインクの残量がなくなり、インクニアエンド状態になったとしても良い。
【0056】
(2)サブタンク12のインクエンド状態の検出による停止
図16は、サブタンクのインク残量のインクエンド状態を検出して印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
カートリッジ着脱検出回路541(図5,10,11参照)によってインクカートリッジが外れたことを検出すると(ステップS401のYES)、CPU500はインクカートリッジの脱着状態を不揮発性メモリ501に記憶すると共にインクの残量監視状態にする(ステップS402)。
【0057】
印刷中にサブタンク12のインクの使用量が予め設定された所定量以下である場合(ステップS403のNO)、CPU500は引き続き主走査、副走査、給紙およびインク供給等への駆動の指示をし続ける(ステップS404)。
この判断は、主走査動作で消費したインクの使用量lsをC1カウンタへ加え、インク使用量C1が所定量Ln+Le(図14参照)以上になるか否かによって判断される。
ここでLeは、インクニアエンド状態(Ln)をすぎて消費したインク量がこのLeを超えた場合にはインクエンド状態となることを示す閾値である。
【0058】
一方、監視中に、印刷中にインクの使用量が予め設定された所定量以上である場合(ステップS403のYES)、CPU500は新たに主走査モータ動作指令回路506への駆動の指示を停止する(ステップS405)。
【0059】
(3)印刷動作前にサブタンク12のエンド状態の検出による停止
図17は、印刷動作中にインクエンド状態になるようなサブタンク12のインク残量であるかを検出して印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
カートリッジ着脱検出回路541(図5,10,11参照)によってインクカートリッジが外れたことを検出すると(ステップS501のYES)、CPU500はインクカートリッジの脱着状態を不揮発性メモリ501に記憶すると共にインクの残量監視状態にする(ステップS502)。
【0060】
スキャン要求が来た場合には(ステップS503のYES)、まずスキャン実行前に、スキャン開始指令と共に与えられたインク使用量lsと現在までのインク使用量C1をあわせた使用量が印刷を停止する条件となる所定量を超えているかを判断し、所定量を超えていなければ(ステップS504のNO)、CPU500は引き続き主走査、副走査、給紙およびインク供給等への駆動の指示をし続ける(ステップS505)。
【0061】
一方、所定量を超えていれば(ステップS504のYES)、CPU500は、新たに主走査モータ動作指令回路506への駆動の指示は与えずに停止し、インクカートリッジの装着待ちの状態となる(ステップS506)。
【0062】
上記のすべての動作で、CPU500が駆動指示を停止する前に、インクカートリッジ装着が検出された場合には、そのままインク残量監視状態を抜け、通常状態に戻ることが可能である。
また、CPU500の駆動指示を停止した後に、インクカートリッジ装着が検出された場合は、必要なインク補給動作を行い、通常印刷可能状態に戻ることが可能となる。
また、CPU500からの主走査モータ動作指令回路506への駆動指示が停止した場合でも動作可能な副走査モータ動作指令回路509等への駆動指示は行っても良い。
【0063】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されたものではない。上述した実施形態を構成する各機能をそれぞれプログラム化し、予めROMの記録媒体に書き込んでおき、装着したこのROMのプログラムをマイクロプロセッサで実行することによって、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されて実行された状態が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
【0064】
なお、このような機能を実現するプログラムは、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれの形態の記録媒体で提供されてもよい。
あるいは、ネットワーク等の通信網を介して記憶装置に格納されたプログラムをサーバコンピュータから直接供給を受けるようにしてもよい。この場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
【0065】
このような記録媒体で提供された場合は、その記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置にインストールし、そのインストールされたプログラムをマイクロプロセッサが実行することによって上述した実施形態の機能が実現される。または、記録媒体に記録されたプログラムを直接実行するようにしてもよい。
【0066】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能であるのは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、インクカートリッジ抜けが検出されたとき、サブタンク内のインク残量が所定の量以下となるまで印刷を継続させることにより、ユーザ誤操作時であっても機械にダメージを与えずに停止することができる。
また、所定の量の設定量によっては、インクカートリッジが再装着された際に行う必要な機械復帰動作も変わってくるため、機械の操作性もあがる。
【0068】
また、インクカートリッジ抜けが検出されても、サブタンク内のインク残量がインクカートリッジからインク補給を受ける必要が出てくるまで印刷を継続させることにより、インクカートリッジ脱着の操作・誤操作に影響されることなく、生産性を確保することが可能となる。
【0069】
また、インクカートリッジ抜けが検出されたとき、印刷動作前に、サブタンク内のインク残量が所定の量以下であるかを確認し、所定量以下の場合には機械を停止するので、機械にとってより安全な停止のための所定量を設定することができると共に機械にダメージを与えずに停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施される画像形成装置の印字機構部の概略斜視図である。
【図2】印字機構部の側面図である。
【図3】キャッピング状態の画像形成装置を正面から見た図である。
【図4】印字動作中の画像形成装置を正面から見た図である。
【図5】画像形成装置の印字機構部の制御ブロック図である。
【図6】操作部のLED、キーの配置例である。
【図7】操作部のLED表示仕様例である。
【図8】インクカートリッジの装着状態を示す図である。
【図9】インクカートリッジの外れた状態を示す図である。
【図10】個別にカートリッジの着脱を検出できるカートリッジ着脱検出回路の回路図例である。
【図11】カートリッジ全体で着脱を検出できるカートリッジ着脱検出回路の他の回路図例である。
【図12】サブタンク内のインクが満タンである場合の状態を示す図である。
【図13】サブタンク内のインクが満タンでない場合の状態を示す図である。
【図14】インクの残量状況を検知し、インクニアエンドおよびインクエンド判定を行うフローチャートである。
【図15】サブタンクのインク残量のインクニアエンド状態を検出して印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
【図16】サブタンクのインク残量のインクエンド状態を検出して印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
【図17】印刷動作中にインクエンド状態になるようなサブタンクのインク残量であるかを動作前に検出して、印刷動作の停止を決定するときのフローチャートである。
【符号の説明】
1…本体、2…印字機構部、3…記録媒体、4…給紙カセット、5…手差しトレイ、6…排紙トレイ、11…主ガイドロッド、12…サブタンク、13…キャリッジ、14,141,142…記録ヘッド、15…インクカートリッジ、151…黒カートリッジ、152…シアンカートリッジ、153…マゼンタカートリッジ、154…イエローカートリッジ、16…インク供給チューブ、17…主走査モータ、18…駆動プーリ、19…従動プーリ、20…タイミングベルト、21…給紙ローラ、22…フリクションパッド、23…ガイド部材、24…搬送ローラ、25…搬送コロ、26…先端コロ、27…副走査モータ、29…静電搬送ベルト、30…チャージャ、33…排紙コロ、37…信頼性維持回復機構(サブシステム)、51,52,53,54…ノズル列、55…キャップ、56…吸引兼用キャップ、57…用紙検出センサ、101,102,103,104…スイッチ、110…ドライバ素子、151…発光部、152…受光部、154…インク、155…透明部、156…白色部、161〜166…LED、167〜169…キー、500…CPU、501…不揮発性メモリ、502…画像メモリ、503…操作部、506…主走査モータ動作指令回路、507…主走査モータドライバ、509…副走査モータ動作指令回路、510…副走査モータドライバ、511…給紙クラッチドライバ、512…給紙クラッチ、513…主走査エンコーダ、520…伸張回路、521…画像マスク回路、522…I/F回路、530…USB I/F回路、540…時計/カレンダIC、541…カートリッジ着脱検出回路、542…満タン検出回路、543…インク供給モータ動作指令回路、544…インク供給モータドライバ、545…インク供給モータ。
Claims (6)
- 取り外し可能なインクカートリッジから印刷ヘッドに搭載されたサブタンクへインクを供給し、印刷ヘッドを主走査させるとともに記録媒体を副走査させることによって印刷を行う画像形成装置において、前記インクカートリッジの脱着を検出する手段と、前記サブタンク内のインク残量を検知する手段と、前記インク残量が所定量を超えたか否かを判定する手段とを有し、前記インクカートリッジの脱落状態を検出した場合、前記判定手段でインク残量が所定量を超えたと判定されると印刷を停止するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1に記載の画像形成装置において、前記所定量は、前記インクカートリッジからインク補給を必要とする残量であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1に記載の画像形成装置において、前記所定量は、前記サブタンク内にインク残量なしであることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1に記載の画像形成装置において、要求された主走査で消費されるインク使用量を算出する手段と、前記算出されたインク使用量に基づいて、要求された主走査を行った後の前記サブタンクのインク残量を推定する手段と、前記推定したインク残量が所定量以下となるか否かを判定する手段とを有し、前記インクカートリッジの脱落状態を検出した場合、前記判定手段で前記インク残量が所定量を超えると推定されると印刷を開始せず停止することを特徴とする画像形成装置。
- コンピュータに、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置の機能を実行させるためのプログラム。
- 請求項5に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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JP2006256005A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
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2003
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