JP2004358722A - 画像処理装置、描画データ処理方法及び該方法を実行するためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】白で初期化されたページメモリに対し白で塗りつぶすような描画命令に対し描画処理(書き込み操作)が省略可能か否かを簡単な方法によりチェック可能にする。
【解決手段】ホストからのPDLによる印刷要求を解釈し、描画処理に適した中間データとしてメモリ20に蓄積する。描画命令に従いページメモリ23に書き込み処理を行って描画データ(プリンタエンジンを駆動するためのデータ)を生成するが、この描画処理に先立ち、描画省略処理部3で描画が省略できるかを判定し、省略によって描画処理を高速化する。省略可/不可の判定は、ページ領域全体は白(bit off)で初期化されているので、何らかの描画が既に行われたか否かによりON/OFFするメモリ状態フラグ21でフラグOFFが確認でき、描画命令に設定されている描画色が白で、描画(演算)方法が上書きであれば、この描画を省略する。
【選択図】 図1
【解決手段】ホストからのPDLによる印刷要求を解釈し、描画処理に適した中間データとしてメモリ20に蓄積する。描画命令に従いページメモリ23に書き込み処理を行って描画データ(プリンタエンジンを駆動するためのデータ)を生成するが、この描画処理に先立ち、描画省略処理部3で描画が省略できるかを判定し、省略によって描画処理を高速化する。省略可/不可の判定は、ページ領域全体は白(bit off)で初期化されているので、何らかの描画が既に行われたか否かによりON/OFFするメモリ状態フラグ21でフラグOFFが確認でき、描画命令に設定されている描画色が白で、描画(演算)方法が上書きであれば、この描画を省略する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データの図形描画命令に従って図形描画データを生成する描画処理に関し、より特定すると、ページメモリへの図形の書き込み操作により描画データを生成する描画処理において、メモリの初期状態、描画命令の設定(描画色と描画演算方法)を判定条件として描画処理を省略することにより、描画データの生成処理の高速化を図る画像処理装置、描画データ処理方法、該方法を実行するためのプログラム及び該プログラムを搭載したプリンタ、ホスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホストPCのアプリケーションで作成される画像データを可視化像として出力するために、プリンタ等の出力装置を用いる。このような画像出力装置の駆動に用いる描画データは、多くの場合、アプリ(以下、「アプリ」は「アプリケーション」を指す)から指示される画像データの図形描画命令に基づいて生成される。
描画データの生成は、図形描画命令に従ってページメモリ上に出力画像面(印刷面)の描画に用いる図形データを書き込む操作を行うという方法による。ページメモリへの描画データの書き込みは、出力画像のビットごとに決められたメモリ操作により行われるが、この操作を行う際に、書き込むべき画像の描画命令と既にページメモリ上に書き込まれた画像との関係、或いは1枚の出力画像面(印刷面)へ複数の図形描画命令がある場合に各描画命令の相互関係によってはメモリ操作が省略可能な場合があり、こうした描画処理(メモリ操作)の省略を可能とする手法を用いることにより、処理の高速化を図るようにしている。
【0003】
こうした描画処理の省略による高速処理を実現する方法については、例えば、下記特許文献1,2を例示することができる。
下記特許文献1には、画像メモリに対しリード/モディファイ/ライト処理で描画を行う装置で、ここには、先ず描画を行う画像メモリに既に書き込まれているデータをリード(read)し、得られたデータとモディファイ処理により得られたデータとを比較し、比較の結果、データの一致が検出されたときに、次に続くライト(write)処理を省略するようにした手段を用いる描画装置が示されている。つまり、特許文献1では、画像メモリへのライト動作を省略することによる高速化をねらいとするものである。
また、下記特許文献2には、複数の図形描画命令により一つの描画データを生成する際に、全描画命令に対して重なり判定を行い、重なっていない図形に対して論理描画の演算方法の変更を行うようにしており、又この変更の内容には描画の省略が含まれ、条件によっては描画処理が省略される、としている。また、図形を矩形範囲に分割し、各分割範囲で重なり判定をすることで、処理の高速化を図ろうとする方法を用いる例が示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−266177号公報
【特許文献2】
特開平11−7364号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においては、ライト動作を省略する動作の過程でリード動作は必ず行われ、また、リード動作の後に論理演算結果との比較処理があるので、比較処理時間とメモリへのライト動作時間とのトレードオフとなる。従って、高速化は、メモリライト動作が遅い装置には有効であって、限定的にならざるを得ない。
また、特許文献2においては、矩形範囲で重なり判定をすることで高速化をねらいとする方法を用いる例が示されているが、判定回数は描画命令数の2乗に比例するため描画命令が数千数万になる現在では一般的なアプリでの印刷で高速化は望めない。また、重なり判定をするためには、1図形に対してその描画範囲(描画領域)を記憶するメモリも必要となるので省メモリも望めない。また、論理描画方法の変更に描画の省略が含まれているが、描画が省略できるかどうかの判断方法が必ずしも明らかではないが、いずれにしてもこの判断を行うまでの過程には、上記した重なり判定が前提になる。
【0006】
ところで、ホストPC がグラフィック用アプリやプレゼンテーション作成用アプリを有する場合、これらのアプリの利用時に指示される図形描画命令に対する描画処理では、ページ作成前にページをクリアする目的でページ全面を白地で塗りつぶす描画命令がページの先頭で発生することが多い。一方、描画命令を実行する前のページメモリは、初期条件として元々ページメモリが白 (bit off) でクリアされていることが多く、この初期化されたページに対して、アプリから指示された描画命令でページ全面を白で描画するように指示されている場合には、描画前後でページメモリの状態が変わることはなく、この命令に従ってページメモリを操作し描画データを生成することは、無駄な処理となる。この場合には、ページ全面の描画となるので、その描画面積(メモリ量)は広く、描画処理量も高速に印刷するためには無視できない。従って、このような無駄な描画処理をなくすことが望まれるところであり、このための解決方法として、描画処理を省略する上記した従来手法(特許文献1,2)の適用が考えられる。
しかしながら、従来手法においては、上記したように、高速化への問題点を含んでおり、初期化されたページメモリに対するページ全面を白地で塗りつぶすような描画命令に起こり得る無駄な描画処理をなくすための手段として有効に機能する手段とは言えない。
本発明の解決課題
(目的)は、画像データの図形描画命令に従ってページメモリへの図形の書き込み操作により図形描画データを生成する処理において、描画処理(書き込み操作)の省略によって処理の高速化を図るようにすることにあり、この処理を行うために必要になる処理条件、即ち描画処理(書き込み操作)が省略可能か否かのチェックを簡単な方法により行うことができるようにして、上述の従来技術の記載に示した、チェック処理のためにメモリへのリード/ライトのアクセス回数か過大になり、相当のメモリ領域を必要とする、といった問題点を生じることがなく、特に、初期化(白 (bit off) でクリア)されたページメモリに対しページ全面を白地で塗りつぶすような描画命令に対する省略条件のチェックするために有効に機能する手段もしくは手順を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、画像データの図形描画命令に従って図形描画データを生成する描画処理手段を有する画像処理装置であって、前記描画処理手段が、実行中の図形描画命令により描画データが生成されたか否かを示すフラグを設定する手段と、該フラグにより描画データの未生成が示される時に処理対象の図形描画命令に指定された描画属性によって該描画処理の省略が可能か否かを判定する描画省略判定手段を備えたことを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が置き換えと指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が論理和と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が排他的論理和と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が黒を含む任意の色であり、かつ描画演算方法が論理積と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段は、前記描画省略判定手段により図形に対する描画処理の省略が不可能と判定されたときに、フラグの設定状態を変更し、この時点から前記描画省略判定手段は描画省略の判定を行わないようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段の判定結果に従い省略される描画がフルカラーイメージの画素の描画であることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段の判定結果に従い省略される描画が白と黒の2色を描画する際に用いるビットマップイメージの画素の描画であることを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画データの生成が常に描画されていない状態のページに対し行われると予め分かっているときには、前記フラグ設定手段により示されるフラグを無視し、未生成状態を条件として描画省略の判定を行う手段であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段によりフラグを設定する単位をモノクロ印刷に用いるページとしたことを特徴とするものである。
請求項11の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段によりフラグを設定する単位をカラー印刷に用いるCMYK各プレーンとしたことを特徴とするものである。
請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段によりフラグを設定する単位を任意に印刷面を分割した領域としたことを特徴とするものである。
請求項13の発明は、請求項12に記載された画像処理装置において、前記分割した領域をバンド分割した領域としたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項14の発明は、画像データの図形描画命令に従って図形描画データを生成する描画データ処理方法であって、実行中の図形描画命令により描画データが生成されたか否かを示すフラグを設定するフラグ設定手順と、該フラグ設定手順による設定フラグにより描画データの未生成が示される時に描画処理対象図形に指定された描画属性によって該描画処理の省略が可能か否かを判定する描画省略判定手順を行うことを特徴とする描画データ処理方法である。
【0013】
請求項15の発明は、請求項14に記載された描画データ処理方法において、前記描画省略判定手順は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が置き換え、論理和、排他的論理和、のいずれかと指定されている図形、或いは色濃度が黒であり、かつ描画演算方法が論理積と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定することを特徴とする方法である。
【0014】
請求項16の発明は、請求項14及び15に記載された描画データ処理方法において、前記フラグ設定手順は、前記描画省略判定手順により描画処理の省略が不可能と判定されたときにフラグの設定状態を変更し、前記描画省略判定手順は、フラグの設定状態を変更した時点から描画省略の判定を行わないようにすることを特徴とする方法である。
【0015】
請求項17の発明は、請求項14乃至16のいずれかに記載された描画データ処理方法において、前記描画省略判定手順は、描画されるページが描画データの生成前に白であることが予め分かっているときには、前記フラグ設定手順により示されるフラグを無視し、常に未生成状態とする認識によって描画省略の判定を行うことを特徴とする方法である。
【0016】
請求項18の発明は、請求項14乃至17のいずれかに記載された描画データ処理方法において、前記フラグ設定手順によりフラグを設定する単位をモノクロ印刷に用いるページ、カラー印刷に用いるCMYK各プレーンのいずれかとすることを特徴とする方法である。
請求項19の発明は、請求項14乃至18のいずれかに記載された描画データ処理方法において、前記フラグ設定手順によりフラグを設定する単位を任意に印刷面を分割した領域とすることを特徴とする方法である。
【0017】
請求項20の発明は、請求項14乃至19のいずれかに記載された描画データ処理方法の各処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
請求項21の発明は、請求項20に記載されたプログラムを記録した記録媒体である。
【0018】
請求項22の発明は、プリンタコントローラに請求項20に記載されたプログラムを搭載したことを特徴とするプリンタである。
請求項23の発明は、請求項20に記載されたプログラムを含むプリンタドライバを搭載したコンピュータよりなるホスト装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明を添付する図面とともに示す以下の実施形態に基づき説明する。
以下に示す各実施形態は、画像データの図形描画命令に従ってページメモリへ図形の書き込み操作を行うことにより印刷面への描画データを生成する処理において、ページメモリへ図形の書き込み操作を省略することにより、描画データの生成処理の高速化を図ることを目的とする画像処理装置、描画データ処理方法に係わる。
各実施形態では、書き込み操作が省略可能であることを簡単な手段と手順によりチェックできる様にする。このためにページメモリのメモリ状態フラグ、即ち、ページメモリに描画(書き込み)処理が行われているか否かの状態を示すフラグを設定する。このフラグの設定と、描画すべき図形に描画条件として設定されている描画属性とによって、書き込み操作が省略可能であるかを判定し,その結果に従って動作を行わせる。
なお、ここでは、一般化したプリンタシステム(即ち、ホストコンピュータから受け取った印刷コマンドに従い印刷処理を行うプリンタからなるシステム)におけるプリンタにおいて、本発明に係わる描画データ処理を実施した例を示す。プリンタ側で本発明に係わる描画データ処理を実施する場合には、既存の一部のレーザプリンタにおけると同様に、プリンタに装備されるプリンタコントローラの処理として行うことが可能である。また、既存の一部のインクジェットプリンタにおけると同様に、ホストコンピュータ側の処理として行う場合には、プリンタドライバに、処理に必要な機能を搭載させることにより実施することができる。プリンタコントローラ或いはプリンタドライバで実施する場合には、これらを駆動するコンピュータ(CPU)に以下の実施形態に示す描画処理方法の各処理手順を実行させるためのプログラムを搭載することにより、必要な機能を実現することが可能である。
【0020】
「実施形態1」
この実施形態では、ページ全体が白(bit off)で初期化されているページメモリへ図形描画命令に従って図形の書き込み操作を行う際に、描画命令に設定されている描画属性によって、書き込み操作を省略可能とし、描画処理の高速化を図るために必要となる基本的な手段を示す。ここではプリンタ コントローラに実施した例を示す。
図1は、本実施形態のプリンタの概略構成を示す図であり、同図を参照して本実施形態を説明する。
図1に例示するプリンタ1は、ホスト装置としてのPC(パーソナル コンピュータ)7から受け取った印刷コマンドに従い印刷処理を行うために必要なデータを処理し、プリンタの各動作部を制御するプリンタ コントローラ2と、プリンタ コントローラ2からの描画データ出力により紙等の媒体に印字を行うプリンタ エンジン4を有する。
プリンタ コントローラ2内には、入力印刷コマンドからプリンタ エンジン4に出力する描画データを生成するまでのデータ処理に必要な要素として、インタープリタ10、描画省略処理部3、図形描画処理部12、データの処理過程で用いるメモリとして、中間データメモリ20、ページメモリ23、及びCPU14を備える。また、描画省略処理部3は、描画省略判定部11、メモリ状態フラグ21よりなる。なお、CPU14は、インタープリタ10、描画省略処理部3、図形描画処理部12をハードウェアで実現する場合、これらの各画像処理部を制御して処理・操作を行わせ、また、ソフトウェアで実現する場合、インタープリタ10、描画省略処理部3、図形描画処理部12をCPU14が駆動するソフトウェアにより実現する機能とする。
【0021】
図1に例示するプリンタの各要素部における動作を描画データの流れに沿って、以下に説明する。
ホストPC7は、イメージデータが生成可能なアプリケーションからの指示により、生成したデータをもとに例えばPDLデータとしてプリンタ1のプリンタコントローラ2に印刷コマンドを転送する。
プリンタコントローラ2に印刷コマンドとして入力されたPDLデータは、インタープリタ10に入力され、その後の描画処理に適した中間データに解釈され、中間データメモリ20に蓄積される。CPU14の計算処理によって得られるこの中間データは、描画範囲指定命令、描画色指定命令等の描画命令よりなり、後段で行う描画処理に適した形に変換されたデータである。
中間データメモリ20に格納された各描画データは、図形描画処理部12で処理する前に描画省略処理部3で描画処理が省略可能であるか否かの判定がなされる。判定によって省略不可能とされた図形は、命令に従って従来と変わりなく図形描画処理部12によって図形をページメモリ23に描画する。
1ページ分の描画命令による描画処理が終了したら、ページメモリ23の内容をプリンタエンジン4に出力する。
【0022】
本実施形態において、描画処理の省略が可能な単純な例を示す。
図2は、本例の1ページに描画順に従って描画される図形を例示するものである。
ここでは、図2に示すように、ページ領域全体PG内のD2,D3,D5 は、楕円内の領域を白 (bit off) で塗りつぶす図形を示し、D4 は、白以外で塗りつぶす図形を示す。D2,D3,D4,D5の描画演算はSET(上書き)とする。また、図形の処理順は上から D2,D3,D4,D5の順に行われるものとする。この処理を適用する前提条件として、ページ領域全体は白(bit off) で初期化されているものとする。
図3は、描画処理の省略が可能な本実施形態の描画処理のフローチャートを例示する。なお、このフローチャートは、ページごとに行う描画処理の手順を示すものである。
図3を参照して本例の描画処理の手順を説明すると、描画処理が起動されると、ページ領域全体は白(bit off) で初期化されていることを前提とするので、まず、そうした条件が設定されていることを示すためにメモリ状態フラグ21をOFFに初期化する(ステップS1)。
次いで、描画命令を中間データメモリ20から入力する(ステップS2)。ここでは、複数ある描画命令を順次、処理していくので、始めに図形D2 の描画命令が入力され、その処理を行う。
描画命令処理を行うにあたって、描画処理の省略が可能か否かについて描画省略処理部3で判定する。ここでは、メモリ状態フラグ21の設定、即ちページメモリに描画(書き込み)処理が行われたか否か、描画命令に描画属性として設定されている描画色と描画(演算)方法が描画省略判定部11によりチェックされる。初期条件はページ領域全体は白(bit off)であるから、ここに白を上書きする描画属性が設定されている場合には、チェック結果として描画を省略可能とする判定を行う。
【0023】
本例のフローにおけるこのチェック処理手順としては、メモリ状態フラグ21の設定がON/OFFいずれかを調べ(ステップS3)、ONであれば、ページメモリ23に何らかの描画が既に行われたことを示すので、メモリ状態が白であることの保証がなく、描画が省略できないと判断して、その図形は通常通り描画命令処理(ステップS6)に移行する。
また、描画色が白であるか否か調べ(ステップS4)、白でなけば、ページメモリ23に何らかの描画が必要であるから、描画が省略できないと判断して、その図形は通常通り描画命令処理(ステップS6)に移行する。
また、描画(演算)方法がSET(上書き)であるか否か調べ(ステップS5)、SETでなけば、ページメモリ23に描画を必要とする設定が存在する場合があるから、描画が省略できないと判断して、その図形は通常通り描画命令処理(ステップS6)に移行する。なお、描画命令処理(ステップS6)を実行した場合には、ページメモリ23なんらかの描画処理操作を行ったので、それを示すためにメモリ状態フラグ21の設定をONに変更する。
上記描画省略チェック処理手順(ステップS3〜S5)の条件を全て満たす場合、つまりメモリ状態フラグ21の設定がOFFで、塗る色は白であり、かつ、描画演算はSETであれば、白の上に白の図形を上書きすることになり、描画処理を省略して、この描画命令を終了する手順に移行する(ステップS8)。なお、この場合に、結果描画前後のページメモリ23の状態は変わらない。
複数ある描画命令を順次、処理していくので、一つの描画命令を済ませた後に全描画命令の処理を終えたか否かをチェックし(S8)、終了していない場合には、次の描画命令に対する処理を行うためにステップS2に戻し、全描画命令が終了するまで(S8−YES)、処理を繰り返す。
【0024】
図2に例示した図形D2 の描画命令の入力に対する処理は、描画省略チェック処理手順(ステップS3〜S5)の条件を全て満たす場合に当たるので、図形の描画処理を省略することが可能である。
次に描画順の図形D3 (図2参照)を処理するが、この段階では、前の図形D2 の描画命令に対する処理によっても、メモリ状態フラグ21の設定はまだ変更されていないので、ページ内に白以外で描画されていないことがフラグOFFであることからわかる。従って、図形D3は、図形D2の図形と同様に白での描画であるので、判定処理は図形D2と同様の手順を踏んで、描画処理が省略される。
次に描画順の図形D4 を処理するが、この図形は白以外なので、判定結果により描画処理を行う手順を実行することになり、描画処理の後にメモリ状態フラグ21がONに変更される。従って、これ以降の描画命令の入力図形(ここでは図形D5のみ)は判定処理手順では省略不可能と判定され、白であっても、通常通りの描画処理が行われる。
上記実施形態(図3)では、ページメモリ23の状態がメモリ状態フラグ21がOFFに設定されていることからわかる白(bit off)から、描画処理後にも白になる、つまり、描画処理前後でページメモリの状態が変化しない組み合わせである(描画色、描画演算)=(白、SET)の組み合わせを描画省略条件とする例を示した。このような描画処理前後でページメモリの状態が変化しない組み合わせ条件は、(描画色、描画演算)の組み合わせは、他にもあり、その例として(白、OR)(白、XOR)、(任意の色、AND)などの組み合わせもページメモリの状態が変化しない組み合わせになるので、判定条件としてこれらの組み合わせを設定することにより描画処理を省略する動作を実施することが可能である。
【0025】
「実施形態2」
上記「実施形態1」では、描画省略処理をプリンタ コントローラに実施した例を示したが、ここではホスト装置のプリンタドライバに実施した例を示す。
図4は、本実施形態のホスト装置の概略構成を示す図であり、同図を参照して本実施形態を説明する。
図4に例示するホスト装置70は、描画命令を生成するアプリケーション71、プリンタドライバ72を有する。
プリンタドライバ72は、描画インターフェイス(例えば、Windows(登録商標)ではGDI)を経由して指定された描画命令に基づいて、印刷要求先の印刷装置100に搭載されているプリンタ言語に適したPDLデータを生成し、印刷装置100に転送する。プリンタドライバ72には、PDLデータ生成部80、図形省略処理部73、PDLデータ出力部82、CPU84を備える。さらに、図形省略処理部73は、描画省略判定部81、メモリ状態フラグ91よりなる。なお、プリンタドライバ72を構成する、PDLデータ生成部80、図形省略処理部73、PDLデータ出力部82は、CPU14が駆動するソフトウェアにより実現される機能である。
【0026】
図4に例示するホスト装置の動作を描画データの流れに沿って、以下に説明する。
描画インターフェイスを経由して描画対象の画像データを生成するアプリから指示された描画命令に基づいてプリンタドライバ72に入力された描画命令に係わるデータは、PDLデータ生成部80に入力され、そこで描画命令に合うPDLで記述された描画データが生成される。
PDLで記述された描画データはPDLデータ出力部82によって出力されるが、描画省略処理部73で描画処理が省略可能であるか否かの判定がなされる。判定は上記「実施形態1」と同様の方法による。
ただし、判定結果による省略の方法は、省略できる描画処理に対する命令を印刷装置100に転送しないように、例えば省略可能な命令を消去してPDLデータ出力部82へ入力を行わないような処理とする。判定によって省略不可能とされた図形は、命令に従って従来と変わりなくPDLデータ出力部82を経て印刷装置100に転送される。
本実施形態のようにホスト装置70側で描画省略判定を行うことを可能にすることにより、印刷装置100側で無駄な描画処理を省くことになり、さらに、無駄なデータを転送することも省けることで転送量を軽減することにもなる。
【0027】
「実施形態3」
上記「実施形態1」では、ページ全体を一つの単位として描画省略の処理を行う例を示したが、本実施形態では、ページをバンド分割し、分割したバンド単位で描画省略の処理を行うようにするものである。
図5は、本例のバンド分割した領域ごとに順に描画される図形を例示するものである。
ここでは、図5に示すように、ページ領域全体PG内を4分割したバンド領域B1,B2,B3,B4を示す。バンド領域B1,B2,B3,B4にそれぞれ対応して示される図形D2,D3,D4,D5のうち、D2,D3,D5は、楕円内の領域を白 (bit off) で塗りつぶす図形を示し、図形D4 は、白以外で塗りつぶす図形を示す。なお、図形D2,D3,D4,D5の描画演算はSET(上書き)とする。
本実施形態では、図形の処理順は上から D2,D3,D4,D5の順に行われるものとする。また、ページ内を4分割した各バンド領域B1,B2,B3,B4に対してそれぞれ処理するので、メモリ状態フラグ21も各バンドに対して1つずつ持つ。さらに、上記「実施形態1」と同様に、この処理を適用する前提条件として、ページ領域全体は白(bit off) で初期化されているものとする。
【0028】
本実施形態の描画処理の手順を説明すると、始めに、描画順が1番目のバンド領域B1 に含まれる図形D2を処理する。バンドメモリのこの領域のメモリ状態フラグ21はOFF(白)であり、図形D2の描画属性も描画色は白で、かつ、描画(演算)方法もSET(上書き)なので、上記「実施形態1」と同様に描画処理が省略される。
次の2番目のバンド領域B2に含まれる図形D 3も、1番目のバンド領域B1と同様に省略される。
次の3番目のバンド領域B3に含まれる図形D 4は、描画色が白以外で描画されるので、描画処理が行われ、その時にメモリ状態フラグ21は設定がONに変更され、バンド領域B3内に含まれる図形D 4以降(図示せず)の処理は描画属性のいかんにかかわらず省略されず、描画処理される。
次の4番目のバンド領域B4に含まれる図形D5は、図形D2やD3と同様の判定結果に従い描画処理が省略される。このように図形D5における描画処理が省略されるのは、バンド単位で処理を行ったことによる利点である(「実施形態1」においては省略されない)。
このようにメモリ状態フラグを持つ領域をバンド分割により細分化することで、ページ全体で1つのフラグを持つ場合より正確に描画省略判定が可能になり、省略効果が上がる。しかし、あまり細分化してしまうと、判定処理やフラグなどの管理処理によるオーバヘッドが大きくなる。
【0029】
「実施形態4」
上記「実施形態1」では、ページ全体を一つの単位として描画省略の処理を行う例を示したが、本実施形態では、カラープリンタに対応すべく、CMYK の4色分のページメモリを用い、CMYK の各色をバンド分割し、分割結果の領域であるプレーン単位で描画省略の処理を行うようにするものである。
図6は、本例における分割した各色の領域をバンド順に描画される図形を例示するものである。
カラーの場合、処理するページメモリが多くなりがち(単純にモノクロの4倍)になるので、省メモリのためにバンドメモリを用いることが多く、この例は、上記「実施形態3」を基本として、カラーに適用したので、各バンド領域にCMYK の4プレーンを含むという形態であり、図2に示すように、ページ領域全体PG内を4分割したバンド領域B1,B2,B3,B4にそれぞれ対応してCMYKプレーンの領域を持つ。
カラーのページメモリ構成では、出力エンジンインターフェイス等の都合上、各KCMYプレーンが面順次形式で独立していることが多く、その流れで、描画処理自体も各プレーン毎に行われることが多い。つまり、図6の例によると、バンド領域B3では、入力された描画色(RGB)がCMYK変換され、そのK成分の色を用いてKプレーンに楕円を描画する。続けて、C成分の色(図ではKより少し薄めの塗りつぶし部分)でCプレーンに、同様にM、Yプレーンと面順次に描画処理を行っていく。
このようにメモリ状態フラグを設定する領域を各バンドの各プレーンごとというように、より細分化することで、バンド単位で1つのフラグを持つ場合よりさらに正確に描画省略判定が可能になり、省略効果が上がる。
【0030】
「実施形態5」
上記「実施形態1」〜「実施形態4」では、描画する図形が単一色であり、描画命令が複数あることが考慮されたが、本実施形態では、写真画像などのフルカラーイメージに対応するものであり、描画する図形に白を含む複数色を用いる。また、フルカラーイメージの描画では、例えば使用する色が4色であれば、画素ごとに4色から使用する色を指定する方法による描画命令になる。なお、画素ごとに色を指定する方法によるという点で、ビットマップイメージやFAX画像もこのカテゴリーに入る。
図7は、本例におけるフルカラーイメージにより描画される図形を例示し、説明する図である。同図において、イメージを構成する各画素の位置は、(X,Y)座標にて指定できる。
図7に示す例では、イメージは幅高さとも4画素の計16画素で構成されるイメージである。ここでは、描画に使用する色は、白を含め4色ある場合(図中では濃度の違いにより4色を示す)を例にする。
フルカラーイメージによる描画では、メモリ状態フラグ21は、描画の開始時に設定をOFF(白)にすると、描画するページの全画素に対してフラグOFFの状態を設定したと同様の効果を持たせるように、描画処理が終了するまで、フラグの設定は変更しないで、フラグOFFを保つ。描画(演算)方法がSET(上書き)であれば、メモリ状態フラグはOFFであるから、画素の位置座標(X,Y)としたときに、図7に示すように、(X,Y)= (1,1)〜(4,1)、(2,2)〜(4,2)、(3,3)〜(4,3)、(4,4) の計10画素の指定色が白であれば、描画省略判定部ではこれらの画素に対して描画省略を判定し、その描画が省略される。
【0031】
また、ビットマップイメージのような2値イメージについても、上記したフルカラーイメージの描画と同じように、画素ごとに色を指定する方法によるという点で同じカテゴリーに入る(ただし、白/黒といった2値をとる)。
従って、この場合にも、上記したフルカラーイメージの描画におけると同様に、白が割り当てられるビット状態(通常は bit on で黒、bit off で白が一般的)の画素に対する処理を省略する描画処理を実施することが可能である。
また、上記したフルカラーイメージや2値のビットマップイメージの描画(例えば、写真画像やFAX画像などのようにページ1面にイメージ図形を印刷する場合など)におけるように、画素ごとに使用する色を指定する描画命令により描画処理を行う場合には、常にページメモリに描画されていない状態で描画する(つまり、上書きが起きるような他の描画命令がない)と予め分かっているので、メモリ状態フラグを参照したり、フラグの設定を変更する動作は無意味である。よって、この場合には、該当するページに含まれる全図形の描画時には、常にメモリ状態フラグがOFFであることを仮定して、全図形の描画省略の判断を行うことが可能である。
従って、フルカラーイメージや2値のビットマップイメージが描画の対象となる場合には、メモリ状態フラグを参照したり、フラグの設定を変更する動作を行わせないようにすることにより、無駄な処理を省くことが可能になる。
【0032】
【発明の効果】
(1) 請求項1〜5,14,15の発明に対応する効果
描画命令に従って何らかの描画が既に行われたか否かによりON/OFFするフラグのOFFと、描画命令に設定されている描画属性(色濃度が白で、かつ描画演算方法が置き換え、論理和、排他的論理和、のいずれかと指定、或いは色濃度が黒で、かつ描画演算方法が論理積と指定)を条件として描画処理の省略を判定するようにしたので、従来技術における、判定処理のためにメモリへのリード/ライトのアクセス回数が過大になったり、メモリ領域を多く必要とする、といった問題点を生じることがなく、処理の高速化につながる描画処理の省略を簡単な手法により実現することが可能になり、特に、初期化(白 (bit off) でクリア)されたページメモリに対しページ全面を白地で塗りつぶすような描画命令に対する省略条件をチェックするために有効に働く。
【0033】
(2) 請求項6,16の発明に対応する効果
描画命令に従って何らかの描画が既に行われた後の描画命令において、必要な描画の省略が起きないようにし、また、無駄な描画処理の省略の判定処理をしないようにすることにより処理の負担を軽減する。
(3) 請求項7,8の発明に対応する効果
上書きが起きるような他の描画命令がない描画命令により描画処理を行うフルカラーイメージ或いは2値のビットマップイメージに適用することにより全描画面において省略処理が働くので、この機能がより有効に働く。
【0034】
(4) 請求項9,17の発明に対応する効果
前記フラグを無視することが可能な条件に対応することを可能にしたので、無駄な処理を省き処理負担を軽減でき、処理の高速化につながる。
(5) 請求項10〜13,18,19の発明に対応する効果
前記フラグを設定する単位を描画対象の種類に合わせてより適正な設定を行うことを可能にしたので、描画処理の省略を効果的に行うことができる。
【0035】
(6) 請求項20,21の発明に対応する効果
請求項14乃至19のいずれかに記載された描画データ処理方法の各処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラム(プログラムを記録した記録媒体)を画像処理装置のコンピュータに搭載することにより、上記(1)〜(5)の効果を容易に実現することが可能になる。
(7) 請求項22の発明に対応する効果
印刷装置のプリンタコントローラに請求項14乃至19のいずれかに記載された描画データ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを搭載させることにより、上記(1)〜(5)の効果を印刷システムの印刷装置において具現化することが可能になる。
(8) 請求項23の発明に対応する効果
印刷装置へ印刷要求を行うホスト装置に請求項14乃至19のいずれかに記載された描画データ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを搭載させることにより、上記(1)〜(5)の効果を印刷システムのホスト装置において具現化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の「実施形態1」に係わるプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】「実施形態1」に係わる1ページに描画順に従って描画される図形を例示するものである。
【図3】描画処理の省略が可能な「実施形態1」の描画処理のフローチャートを例示する。
【図4】「実施形態2」に係わるホスト装置(PC)の概略構成を示す図である。
【図5】「実施形態3」に係わるバンド分割した領域ごとに順に描画される図形を例示するものである。
【図6】「実施形態4」に係わる分割した各色の領域をバンド順に描画される図形を例示するものである。
【図7】フルカラーイメージにより描画される図形を例示し、説明するための図である。
【符号の説明】
1…プリンタ、 2…プリンタコントローラ、
3,73…描画省略処理部、 4…プリンタエンジン、
7,70…ホストPC、 10…インタープリタ、
11,81…描画省略判定部、 12…図形描画処理部、
14,84…CPU、 20…中間データメモリ、
21,91…メモリ状態フラグ、 23…ページメモリ、
71…アプリケーション、 72…プリンタドライバ、
80…PDLデータ生成部、 82…PDLデータ出力部、
100…印刷装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データの図形描画命令に従って図形描画データを生成する描画処理に関し、より特定すると、ページメモリへの図形の書き込み操作により描画データを生成する描画処理において、メモリの初期状態、描画命令の設定(描画色と描画演算方法)を判定条件として描画処理を省略することにより、描画データの生成処理の高速化を図る画像処理装置、描画データ処理方法、該方法を実行するためのプログラム及び該プログラムを搭載したプリンタ、ホスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホストPCのアプリケーションで作成される画像データを可視化像として出力するために、プリンタ等の出力装置を用いる。このような画像出力装置の駆動に用いる描画データは、多くの場合、アプリ(以下、「アプリ」は「アプリケーション」を指す)から指示される画像データの図形描画命令に基づいて生成される。
描画データの生成は、図形描画命令に従ってページメモリ上に出力画像面(印刷面)の描画に用いる図形データを書き込む操作を行うという方法による。ページメモリへの描画データの書き込みは、出力画像のビットごとに決められたメモリ操作により行われるが、この操作を行う際に、書き込むべき画像の描画命令と既にページメモリ上に書き込まれた画像との関係、或いは1枚の出力画像面(印刷面)へ複数の図形描画命令がある場合に各描画命令の相互関係によってはメモリ操作が省略可能な場合があり、こうした描画処理(メモリ操作)の省略を可能とする手法を用いることにより、処理の高速化を図るようにしている。
【0003】
こうした描画処理の省略による高速処理を実現する方法については、例えば、下記特許文献1,2を例示することができる。
下記特許文献1には、画像メモリに対しリード/モディファイ/ライト処理で描画を行う装置で、ここには、先ず描画を行う画像メモリに既に書き込まれているデータをリード(read)し、得られたデータとモディファイ処理により得られたデータとを比較し、比較の結果、データの一致が検出されたときに、次に続くライト(write)処理を省略するようにした手段を用いる描画装置が示されている。つまり、特許文献1では、画像メモリへのライト動作を省略することによる高速化をねらいとするものである。
また、下記特許文献2には、複数の図形描画命令により一つの描画データを生成する際に、全描画命令に対して重なり判定を行い、重なっていない図形に対して論理描画の演算方法の変更を行うようにしており、又この変更の内容には描画の省略が含まれ、条件によっては描画処理が省略される、としている。また、図形を矩形範囲に分割し、各分割範囲で重なり判定をすることで、処理の高速化を図ろうとする方法を用いる例が示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−266177号公報
【特許文献2】
特開平11−7364号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においては、ライト動作を省略する動作の過程でリード動作は必ず行われ、また、リード動作の後に論理演算結果との比較処理があるので、比較処理時間とメモリへのライト動作時間とのトレードオフとなる。従って、高速化は、メモリライト動作が遅い装置には有効であって、限定的にならざるを得ない。
また、特許文献2においては、矩形範囲で重なり判定をすることで高速化をねらいとする方法を用いる例が示されているが、判定回数は描画命令数の2乗に比例するため描画命令が数千数万になる現在では一般的なアプリでの印刷で高速化は望めない。また、重なり判定をするためには、1図形に対してその描画範囲(描画領域)を記憶するメモリも必要となるので省メモリも望めない。また、論理描画方法の変更に描画の省略が含まれているが、描画が省略できるかどうかの判断方法が必ずしも明らかではないが、いずれにしてもこの判断を行うまでの過程には、上記した重なり判定が前提になる。
【0006】
ところで、ホストPC がグラフィック用アプリやプレゼンテーション作成用アプリを有する場合、これらのアプリの利用時に指示される図形描画命令に対する描画処理では、ページ作成前にページをクリアする目的でページ全面を白地で塗りつぶす描画命令がページの先頭で発生することが多い。一方、描画命令を実行する前のページメモリは、初期条件として元々ページメモリが白 (bit off) でクリアされていることが多く、この初期化されたページに対して、アプリから指示された描画命令でページ全面を白で描画するように指示されている場合には、描画前後でページメモリの状態が変わることはなく、この命令に従ってページメモリを操作し描画データを生成することは、無駄な処理となる。この場合には、ページ全面の描画となるので、その描画面積(メモリ量)は広く、描画処理量も高速に印刷するためには無視できない。従って、このような無駄な描画処理をなくすことが望まれるところであり、このための解決方法として、描画処理を省略する上記した従来手法(特許文献1,2)の適用が考えられる。
しかしながら、従来手法においては、上記したように、高速化への問題点を含んでおり、初期化されたページメモリに対するページ全面を白地で塗りつぶすような描画命令に起こり得る無駄な描画処理をなくすための手段として有効に機能する手段とは言えない。
本発明の解決課題
(目的)は、画像データの図形描画命令に従ってページメモリへの図形の書き込み操作により図形描画データを生成する処理において、描画処理(書き込み操作)の省略によって処理の高速化を図るようにすることにあり、この処理を行うために必要になる処理条件、即ち描画処理(書き込み操作)が省略可能か否かのチェックを簡単な方法により行うことができるようにして、上述の従来技術の記載に示した、チェック処理のためにメモリへのリード/ライトのアクセス回数か過大になり、相当のメモリ領域を必要とする、といった問題点を生じることがなく、特に、初期化(白 (bit off) でクリア)されたページメモリに対しページ全面を白地で塗りつぶすような描画命令に対する省略条件のチェックするために有効に機能する手段もしくは手順を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、画像データの図形描画命令に従って図形描画データを生成する描画処理手段を有する画像処理装置であって、前記描画処理手段が、実行中の図形描画命令により描画データが生成されたか否かを示すフラグを設定する手段と、該フラグにより描画データの未生成が示される時に処理対象の図形描画命令に指定された描画属性によって該描画処理の省略が可能か否かを判定する描画省略判定手段を備えたことを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が置き換えと指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が論理和と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が排他的論理和と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が黒を含む任意の色であり、かつ描画演算方法が論理積と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段は、前記描画省略判定手段により図形に対する描画処理の省略が不可能と判定されたときに、フラグの設定状態を変更し、この時点から前記描画省略判定手段は描画省略の判定を行わないようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段の判定結果に従い省略される描画がフルカラーイメージの画素の描画であることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段の判定結果に従い省略される描画が白と黒の2色を描画する際に用いるビットマップイメージの画素の描画であることを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画データの生成が常に描画されていない状態のページに対し行われると予め分かっているときには、前記フラグ設定手段により示されるフラグを無視し、未生成状態を条件として描画省略の判定を行う手段であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段によりフラグを設定する単位をモノクロ印刷に用いるページとしたことを特徴とするものである。
請求項11の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段によりフラグを設定する単位をカラー印刷に用いるCMYK各プレーンとしたことを特徴とするものである。
請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段によりフラグを設定する単位を任意に印刷面を分割した領域としたことを特徴とするものである。
請求項13の発明は、請求項12に記載された画像処理装置において、前記分割した領域をバンド分割した領域としたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項14の発明は、画像データの図形描画命令に従って図形描画データを生成する描画データ処理方法であって、実行中の図形描画命令により描画データが生成されたか否かを示すフラグを設定するフラグ設定手順と、該フラグ設定手順による設定フラグにより描画データの未生成が示される時に描画処理対象図形に指定された描画属性によって該描画処理の省略が可能か否かを判定する描画省略判定手順を行うことを特徴とする描画データ処理方法である。
【0013】
請求項15の発明は、請求項14に記載された描画データ処理方法において、前記描画省略判定手順は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が置き換え、論理和、排他的論理和、のいずれかと指定されている図形、或いは色濃度が黒であり、かつ描画演算方法が論理積と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定することを特徴とする方法である。
【0014】
請求項16の発明は、請求項14及び15に記載された描画データ処理方法において、前記フラグ設定手順は、前記描画省略判定手順により描画処理の省略が不可能と判定されたときにフラグの設定状態を変更し、前記描画省略判定手順は、フラグの設定状態を変更した時点から描画省略の判定を行わないようにすることを特徴とする方法である。
【0015】
請求項17の発明は、請求項14乃至16のいずれかに記載された描画データ処理方法において、前記描画省略判定手順は、描画されるページが描画データの生成前に白であることが予め分かっているときには、前記フラグ設定手順により示されるフラグを無視し、常に未生成状態とする認識によって描画省略の判定を行うことを特徴とする方法である。
【0016】
請求項18の発明は、請求項14乃至17のいずれかに記載された描画データ処理方法において、前記フラグ設定手順によりフラグを設定する単位をモノクロ印刷に用いるページ、カラー印刷に用いるCMYK各プレーンのいずれかとすることを特徴とする方法である。
請求項19の発明は、請求項14乃至18のいずれかに記載された描画データ処理方法において、前記フラグ設定手順によりフラグを設定する単位を任意に印刷面を分割した領域とすることを特徴とする方法である。
【0017】
請求項20の発明は、請求項14乃至19のいずれかに記載された描画データ処理方法の各処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
請求項21の発明は、請求項20に記載されたプログラムを記録した記録媒体である。
【0018】
請求項22の発明は、プリンタコントローラに請求項20に記載されたプログラムを搭載したことを特徴とするプリンタである。
請求項23の発明は、請求項20に記載されたプログラムを含むプリンタドライバを搭載したコンピュータよりなるホスト装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明を添付する図面とともに示す以下の実施形態に基づき説明する。
以下に示す各実施形態は、画像データの図形描画命令に従ってページメモリへ図形の書き込み操作を行うことにより印刷面への描画データを生成する処理において、ページメモリへ図形の書き込み操作を省略することにより、描画データの生成処理の高速化を図ることを目的とする画像処理装置、描画データ処理方法に係わる。
各実施形態では、書き込み操作が省略可能であることを簡単な手段と手順によりチェックできる様にする。このためにページメモリのメモリ状態フラグ、即ち、ページメモリに描画(書き込み)処理が行われているか否かの状態を示すフラグを設定する。このフラグの設定と、描画すべき図形に描画条件として設定されている描画属性とによって、書き込み操作が省略可能であるかを判定し,その結果に従って動作を行わせる。
なお、ここでは、一般化したプリンタシステム(即ち、ホストコンピュータから受け取った印刷コマンドに従い印刷処理を行うプリンタからなるシステム)におけるプリンタにおいて、本発明に係わる描画データ処理を実施した例を示す。プリンタ側で本発明に係わる描画データ処理を実施する場合には、既存の一部のレーザプリンタにおけると同様に、プリンタに装備されるプリンタコントローラの処理として行うことが可能である。また、既存の一部のインクジェットプリンタにおけると同様に、ホストコンピュータ側の処理として行う場合には、プリンタドライバに、処理に必要な機能を搭載させることにより実施することができる。プリンタコントローラ或いはプリンタドライバで実施する場合には、これらを駆動するコンピュータ(CPU)に以下の実施形態に示す描画処理方法の各処理手順を実行させるためのプログラムを搭載することにより、必要な機能を実現することが可能である。
【0020】
「実施形態1」
この実施形態では、ページ全体が白(bit off)で初期化されているページメモリへ図形描画命令に従って図形の書き込み操作を行う際に、描画命令に設定されている描画属性によって、書き込み操作を省略可能とし、描画処理の高速化を図るために必要となる基本的な手段を示す。ここではプリンタ コントローラに実施した例を示す。
図1は、本実施形態のプリンタの概略構成を示す図であり、同図を参照して本実施形態を説明する。
図1に例示するプリンタ1は、ホスト装置としてのPC(パーソナル コンピュータ)7から受け取った印刷コマンドに従い印刷処理を行うために必要なデータを処理し、プリンタの各動作部を制御するプリンタ コントローラ2と、プリンタ コントローラ2からの描画データ出力により紙等の媒体に印字を行うプリンタ エンジン4を有する。
プリンタ コントローラ2内には、入力印刷コマンドからプリンタ エンジン4に出力する描画データを生成するまでのデータ処理に必要な要素として、インタープリタ10、描画省略処理部3、図形描画処理部12、データの処理過程で用いるメモリとして、中間データメモリ20、ページメモリ23、及びCPU14を備える。また、描画省略処理部3は、描画省略判定部11、メモリ状態フラグ21よりなる。なお、CPU14は、インタープリタ10、描画省略処理部3、図形描画処理部12をハードウェアで実現する場合、これらの各画像処理部を制御して処理・操作を行わせ、また、ソフトウェアで実現する場合、インタープリタ10、描画省略処理部3、図形描画処理部12をCPU14が駆動するソフトウェアにより実現する機能とする。
【0021】
図1に例示するプリンタの各要素部における動作を描画データの流れに沿って、以下に説明する。
ホストPC7は、イメージデータが生成可能なアプリケーションからの指示により、生成したデータをもとに例えばPDLデータとしてプリンタ1のプリンタコントローラ2に印刷コマンドを転送する。
プリンタコントローラ2に印刷コマンドとして入力されたPDLデータは、インタープリタ10に入力され、その後の描画処理に適した中間データに解釈され、中間データメモリ20に蓄積される。CPU14の計算処理によって得られるこの中間データは、描画範囲指定命令、描画色指定命令等の描画命令よりなり、後段で行う描画処理に適した形に変換されたデータである。
中間データメモリ20に格納された各描画データは、図形描画処理部12で処理する前に描画省略処理部3で描画処理が省略可能であるか否かの判定がなされる。判定によって省略不可能とされた図形は、命令に従って従来と変わりなく図形描画処理部12によって図形をページメモリ23に描画する。
1ページ分の描画命令による描画処理が終了したら、ページメモリ23の内容をプリンタエンジン4に出力する。
【0022】
本実施形態において、描画処理の省略が可能な単純な例を示す。
図2は、本例の1ページに描画順に従って描画される図形を例示するものである。
ここでは、図2に示すように、ページ領域全体PG内のD2,D3,D5 は、楕円内の領域を白 (bit off) で塗りつぶす図形を示し、D4 は、白以外で塗りつぶす図形を示す。D2,D3,D4,D5の描画演算はSET(上書き)とする。また、図形の処理順は上から D2,D3,D4,D5の順に行われるものとする。この処理を適用する前提条件として、ページ領域全体は白(bit off) で初期化されているものとする。
図3は、描画処理の省略が可能な本実施形態の描画処理のフローチャートを例示する。なお、このフローチャートは、ページごとに行う描画処理の手順を示すものである。
図3を参照して本例の描画処理の手順を説明すると、描画処理が起動されると、ページ領域全体は白(bit off) で初期化されていることを前提とするので、まず、そうした条件が設定されていることを示すためにメモリ状態フラグ21をOFFに初期化する(ステップS1)。
次いで、描画命令を中間データメモリ20から入力する(ステップS2)。ここでは、複数ある描画命令を順次、処理していくので、始めに図形D2 の描画命令が入力され、その処理を行う。
描画命令処理を行うにあたって、描画処理の省略が可能か否かについて描画省略処理部3で判定する。ここでは、メモリ状態フラグ21の設定、即ちページメモリに描画(書き込み)処理が行われたか否か、描画命令に描画属性として設定されている描画色と描画(演算)方法が描画省略判定部11によりチェックされる。初期条件はページ領域全体は白(bit off)であるから、ここに白を上書きする描画属性が設定されている場合には、チェック結果として描画を省略可能とする判定を行う。
【0023】
本例のフローにおけるこのチェック処理手順としては、メモリ状態フラグ21の設定がON/OFFいずれかを調べ(ステップS3)、ONであれば、ページメモリ23に何らかの描画が既に行われたことを示すので、メモリ状態が白であることの保証がなく、描画が省略できないと判断して、その図形は通常通り描画命令処理(ステップS6)に移行する。
また、描画色が白であるか否か調べ(ステップS4)、白でなけば、ページメモリ23に何らかの描画が必要であるから、描画が省略できないと判断して、その図形は通常通り描画命令処理(ステップS6)に移行する。
また、描画(演算)方法がSET(上書き)であるか否か調べ(ステップS5)、SETでなけば、ページメモリ23に描画を必要とする設定が存在する場合があるから、描画が省略できないと判断して、その図形は通常通り描画命令処理(ステップS6)に移行する。なお、描画命令処理(ステップS6)を実行した場合には、ページメモリ23なんらかの描画処理操作を行ったので、それを示すためにメモリ状態フラグ21の設定をONに変更する。
上記描画省略チェック処理手順(ステップS3〜S5)の条件を全て満たす場合、つまりメモリ状態フラグ21の設定がOFFで、塗る色は白であり、かつ、描画演算はSETであれば、白の上に白の図形を上書きすることになり、描画処理を省略して、この描画命令を終了する手順に移行する(ステップS8)。なお、この場合に、結果描画前後のページメモリ23の状態は変わらない。
複数ある描画命令を順次、処理していくので、一つの描画命令を済ませた後に全描画命令の処理を終えたか否かをチェックし(S8)、終了していない場合には、次の描画命令に対する処理を行うためにステップS2に戻し、全描画命令が終了するまで(S8−YES)、処理を繰り返す。
【0024】
図2に例示した図形D2 の描画命令の入力に対する処理は、描画省略チェック処理手順(ステップS3〜S5)の条件を全て満たす場合に当たるので、図形の描画処理を省略することが可能である。
次に描画順の図形D3 (図2参照)を処理するが、この段階では、前の図形D2 の描画命令に対する処理によっても、メモリ状態フラグ21の設定はまだ変更されていないので、ページ内に白以外で描画されていないことがフラグOFFであることからわかる。従って、図形D3は、図形D2の図形と同様に白での描画であるので、判定処理は図形D2と同様の手順を踏んで、描画処理が省略される。
次に描画順の図形D4 を処理するが、この図形は白以外なので、判定結果により描画処理を行う手順を実行することになり、描画処理の後にメモリ状態フラグ21がONに変更される。従って、これ以降の描画命令の入力図形(ここでは図形D5のみ)は判定処理手順では省略不可能と判定され、白であっても、通常通りの描画処理が行われる。
上記実施形態(図3)では、ページメモリ23の状態がメモリ状態フラグ21がOFFに設定されていることからわかる白(bit off)から、描画処理後にも白になる、つまり、描画処理前後でページメモリの状態が変化しない組み合わせである(描画色、描画演算)=(白、SET)の組み合わせを描画省略条件とする例を示した。このような描画処理前後でページメモリの状態が変化しない組み合わせ条件は、(描画色、描画演算)の組み合わせは、他にもあり、その例として(白、OR)(白、XOR)、(任意の色、AND)などの組み合わせもページメモリの状態が変化しない組み合わせになるので、判定条件としてこれらの組み合わせを設定することにより描画処理を省略する動作を実施することが可能である。
【0025】
「実施形態2」
上記「実施形態1」では、描画省略処理をプリンタ コントローラに実施した例を示したが、ここではホスト装置のプリンタドライバに実施した例を示す。
図4は、本実施形態のホスト装置の概略構成を示す図であり、同図を参照して本実施形態を説明する。
図4に例示するホスト装置70は、描画命令を生成するアプリケーション71、プリンタドライバ72を有する。
プリンタドライバ72は、描画インターフェイス(例えば、Windows(登録商標)ではGDI)を経由して指定された描画命令に基づいて、印刷要求先の印刷装置100に搭載されているプリンタ言語に適したPDLデータを生成し、印刷装置100に転送する。プリンタドライバ72には、PDLデータ生成部80、図形省略処理部73、PDLデータ出力部82、CPU84を備える。さらに、図形省略処理部73は、描画省略判定部81、メモリ状態フラグ91よりなる。なお、プリンタドライバ72を構成する、PDLデータ生成部80、図形省略処理部73、PDLデータ出力部82は、CPU14が駆動するソフトウェアにより実現される機能である。
【0026】
図4に例示するホスト装置の動作を描画データの流れに沿って、以下に説明する。
描画インターフェイスを経由して描画対象の画像データを生成するアプリから指示された描画命令に基づいてプリンタドライバ72に入力された描画命令に係わるデータは、PDLデータ生成部80に入力され、そこで描画命令に合うPDLで記述された描画データが生成される。
PDLで記述された描画データはPDLデータ出力部82によって出力されるが、描画省略処理部73で描画処理が省略可能であるか否かの判定がなされる。判定は上記「実施形態1」と同様の方法による。
ただし、判定結果による省略の方法は、省略できる描画処理に対する命令を印刷装置100に転送しないように、例えば省略可能な命令を消去してPDLデータ出力部82へ入力を行わないような処理とする。判定によって省略不可能とされた図形は、命令に従って従来と変わりなくPDLデータ出力部82を経て印刷装置100に転送される。
本実施形態のようにホスト装置70側で描画省略判定を行うことを可能にすることにより、印刷装置100側で無駄な描画処理を省くことになり、さらに、無駄なデータを転送することも省けることで転送量を軽減することにもなる。
【0027】
「実施形態3」
上記「実施形態1」では、ページ全体を一つの単位として描画省略の処理を行う例を示したが、本実施形態では、ページをバンド分割し、分割したバンド単位で描画省略の処理を行うようにするものである。
図5は、本例のバンド分割した領域ごとに順に描画される図形を例示するものである。
ここでは、図5に示すように、ページ領域全体PG内を4分割したバンド領域B1,B2,B3,B4を示す。バンド領域B1,B2,B3,B4にそれぞれ対応して示される図形D2,D3,D4,D5のうち、D2,D3,D5は、楕円内の領域を白 (bit off) で塗りつぶす図形を示し、図形D4 は、白以外で塗りつぶす図形を示す。なお、図形D2,D3,D4,D5の描画演算はSET(上書き)とする。
本実施形態では、図形の処理順は上から D2,D3,D4,D5の順に行われるものとする。また、ページ内を4分割した各バンド領域B1,B2,B3,B4に対してそれぞれ処理するので、メモリ状態フラグ21も各バンドに対して1つずつ持つ。さらに、上記「実施形態1」と同様に、この処理を適用する前提条件として、ページ領域全体は白(bit off) で初期化されているものとする。
【0028】
本実施形態の描画処理の手順を説明すると、始めに、描画順が1番目のバンド領域B1 に含まれる図形D2を処理する。バンドメモリのこの領域のメモリ状態フラグ21はOFF(白)であり、図形D2の描画属性も描画色は白で、かつ、描画(演算)方法もSET(上書き)なので、上記「実施形態1」と同様に描画処理が省略される。
次の2番目のバンド領域B2に含まれる図形D 3も、1番目のバンド領域B1と同様に省略される。
次の3番目のバンド領域B3に含まれる図形D 4は、描画色が白以外で描画されるので、描画処理が行われ、その時にメモリ状態フラグ21は設定がONに変更され、バンド領域B3内に含まれる図形D 4以降(図示せず)の処理は描画属性のいかんにかかわらず省略されず、描画処理される。
次の4番目のバンド領域B4に含まれる図形D5は、図形D2やD3と同様の判定結果に従い描画処理が省略される。このように図形D5における描画処理が省略されるのは、バンド単位で処理を行ったことによる利点である(「実施形態1」においては省略されない)。
このようにメモリ状態フラグを持つ領域をバンド分割により細分化することで、ページ全体で1つのフラグを持つ場合より正確に描画省略判定が可能になり、省略効果が上がる。しかし、あまり細分化してしまうと、判定処理やフラグなどの管理処理によるオーバヘッドが大きくなる。
【0029】
「実施形態4」
上記「実施形態1」では、ページ全体を一つの単位として描画省略の処理を行う例を示したが、本実施形態では、カラープリンタに対応すべく、CMYK の4色分のページメモリを用い、CMYK の各色をバンド分割し、分割結果の領域であるプレーン単位で描画省略の処理を行うようにするものである。
図6は、本例における分割した各色の領域をバンド順に描画される図形を例示するものである。
カラーの場合、処理するページメモリが多くなりがち(単純にモノクロの4倍)になるので、省メモリのためにバンドメモリを用いることが多く、この例は、上記「実施形態3」を基本として、カラーに適用したので、各バンド領域にCMYK の4プレーンを含むという形態であり、図2に示すように、ページ領域全体PG内を4分割したバンド領域B1,B2,B3,B4にそれぞれ対応してCMYKプレーンの領域を持つ。
カラーのページメモリ構成では、出力エンジンインターフェイス等の都合上、各KCMYプレーンが面順次形式で独立していることが多く、その流れで、描画処理自体も各プレーン毎に行われることが多い。つまり、図6の例によると、バンド領域B3では、入力された描画色(RGB)がCMYK変換され、そのK成分の色を用いてKプレーンに楕円を描画する。続けて、C成分の色(図ではKより少し薄めの塗りつぶし部分)でCプレーンに、同様にM、Yプレーンと面順次に描画処理を行っていく。
このようにメモリ状態フラグを設定する領域を各バンドの各プレーンごとというように、より細分化することで、バンド単位で1つのフラグを持つ場合よりさらに正確に描画省略判定が可能になり、省略効果が上がる。
【0030】
「実施形態5」
上記「実施形態1」〜「実施形態4」では、描画する図形が単一色であり、描画命令が複数あることが考慮されたが、本実施形態では、写真画像などのフルカラーイメージに対応するものであり、描画する図形に白を含む複数色を用いる。また、フルカラーイメージの描画では、例えば使用する色が4色であれば、画素ごとに4色から使用する色を指定する方法による描画命令になる。なお、画素ごとに色を指定する方法によるという点で、ビットマップイメージやFAX画像もこのカテゴリーに入る。
図7は、本例におけるフルカラーイメージにより描画される図形を例示し、説明する図である。同図において、イメージを構成する各画素の位置は、(X,Y)座標にて指定できる。
図7に示す例では、イメージは幅高さとも4画素の計16画素で構成されるイメージである。ここでは、描画に使用する色は、白を含め4色ある場合(図中では濃度の違いにより4色を示す)を例にする。
フルカラーイメージによる描画では、メモリ状態フラグ21は、描画の開始時に設定をOFF(白)にすると、描画するページの全画素に対してフラグOFFの状態を設定したと同様の効果を持たせるように、描画処理が終了するまで、フラグの設定は変更しないで、フラグOFFを保つ。描画(演算)方法がSET(上書き)であれば、メモリ状態フラグはOFFであるから、画素の位置座標(X,Y)としたときに、図7に示すように、(X,Y)= (1,1)〜(4,1)、(2,2)〜(4,2)、(3,3)〜(4,3)、(4,4) の計10画素の指定色が白であれば、描画省略判定部ではこれらの画素に対して描画省略を判定し、その描画が省略される。
【0031】
また、ビットマップイメージのような2値イメージについても、上記したフルカラーイメージの描画と同じように、画素ごとに色を指定する方法によるという点で同じカテゴリーに入る(ただし、白/黒といった2値をとる)。
従って、この場合にも、上記したフルカラーイメージの描画におけると同様に、白が割り当てられるビット状態(通常は bit on で黒、bit off で白が一般的)の画素に対する処理を省略する描画処理を実施することが可能である。
また、上記したフルカラーイメージや2値のビットマップイメージの描画(例えば、写真画像やFAX画像などのようにページ1面にイメージ図形を印刷する場合など)におけるように、画素ごとに使用する色を指定する描画命令により描画処理を行う場合には、常にページメモリに描画されていない状態で描画する(つまり、上書きが起きるような他の描画命令がない)と予め分かっているので、メモリ状態フラグを参照したり、フラグの設定を変更する動作は無意味である。よって、この場合には、該当するページに含まれる全図形の描画時には、常にメモリ状態フラグがOFFであることを仮定して、全図形の描画省略の判断を行うことが可能である。
従って、フルカラーイメージや2値のビットマップイメージが描画の対象となる場合には、メモリ状態フラグを参照したり、フラグの設定を変更する動作を行わせないようにすることにより、無駄な処理を省くことが可能になる。
【0032】
【発明の効果】
(1) 請求項1〜5,14,15の発明に対応する効果
描画命令に従って何らかの描画が既に行われたか否かによりON/OFFするフラグのOFFと、描画命令に設定されている描画属性(色濃度が白で、かつ描画演算方法が置き換え、論理和、排他的論理和、のいずれかと指定、或いは色濃度が黒で、かつ描画演算方法が論理積と指定)を条件として描画処理の省略を判定するようにしたので、従来技術における、判定処理のためにメモリへのリード/ライトのアクセス回数が過大になったり、メモリ領域を多く必要とする、といった問題点を生じることがなく、処理の高速化につながる描画処理の省略を簡単な手法により実現することが可能になり、特に、初期化(白 (bit off) でクリア)されたページメモリに対しページ全面を白地で塗りつぶすような描画命令に対する省略条件をチェックするために有効に働く。
【0033】
(2) 請求項6,16の発明に対応する効果
描画命令に従って何らかの描画が既に行われた後の描画命令において、必要な描画の省略が起きないようにし、また、無駄な描画処理の省略の判定処理をしないようにすることにより処理の負担を軽減する。
(3) 請求項7,8の発明に対応する効果
上書きが起きるような他の描画命令がない描画命令により描画処理を行うフルカラーイメージ或いは2値のビットマップイメージに適用することにより全描画面において省略処理が働くので、この機能がより有効に働く。
【0034】
(4) 請求項9,17の発明に対応する効果
前記フラグを無視することが可能な条件に対応することを可能にしたので、無駄な処理を省き処理負担を軽減でき、処理の高速化につながる。
(5) 請求項10〜13,18,19の発明に対応する効果
前記フラグを設定する単位を描画対象の種類に合わせてより適正な設定を行うことを可能にしたので、描画処理の省略を効果的に行うことができる。
【0035】
(6) 請求項20,21の発明に対応する効果
請求項14乃至19のいずれかに記載された描画データ処理方法の各処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラム(プログラムを記録した記録媒体)を画像処理装置のコンピュータに搭載することにより、上記(1)〜(5)の効果を容易に実現することが可能になる。
(7) 請求項22の発明に対応する効果
印刷装置のプリンタコントローラに請求項14乃至19のいずれかに記載された描画データ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを搭載させることにより、上記(1)〜(5)の効果を印刷システムの印刷装置において具現化することが可能になる。
(8) 請求項23の発明に対応する効果
印刷装置へ印刷要求を行うホスト装置に請求項14乃至19のいずれかに記載された描画データ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを搭載させることにより、上記(1)〜(5)の効果を印刷システムのホスト装置において具現化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の「実施形態1」に係わるプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】「実施形態1」に係わる1ページに描画順に従って描画される図形を例示するものである。
【図3】描画処理の省略が可能な「実施形態1」の描画処理のフローチャートを例示する。
【図4】「実施形態2」に係わるホスト装置(PC)の概略構成を示す図である。
【図5】「実施形態3」に係わるバンド分割した領域ごとに順に描画される図形を例示するものである。
【図6】「実施形態4」に係わる分割した各色の領域をバンド順に描画される図形を例示するものである。
【図7】フルカラーイメージにより描画される図形を例示し、説明するための図である。
【符号の説明】
1…プリンタ、 2…プリンタコントローラ、
3,73…描画省略処理部、 4…プリンタエンジン、
7,70…ホストPC、 10…インタープリタ、
11,81…描画省略判定部、 12…図形描画処理部、
14,84…CPU、 20…中間データメモリ、
21,91…メモリ状態フラグ、 23…ページメモリ、
71…アプリケーション、 72…プリンタドライバ、
80…PDLデータ生成部、 82…PDLデータ出力部、
100…印刷装置。
Claims (23)
- 画像データの図形描画命令に従って図形描画データを生成する描画処理手段を有する画像処理装置であって、前記描画処理手段が、実行中の図形描画命令により描画データが生成されたか否かを示すフラグを設定する手段と、該フラグにより描画データの未生成が示される時に処理対象の図形描画命令に指定された描画属性によって該描画処理の省略が可能か否かを判定する描画省略判定手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1に記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が置き換えと指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1又は2に記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が論理和と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が排他的論理和と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画属性として色濃度が黒を含む任意の色であり、かつ描画演算方法が論理積と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定する手段であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段は、前記描画省略判定手段により描画処理の省略が不可能と判定されたときに、フラグの設定状態を変更し、この時点から前記描画省略判定手段は描画省略の判定を行わないようにしたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段の判定結果に従い省略される描画がフルカラーイメージの画素の描画であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段の判定結果に従い省略される描画が白と黒の2色を描画する際に用いるビットマップイメージの画素の描画であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載された画像処理装置において、前記描画省略判定手段は、描画データの生成が常に描画されていない状態のページに対し行われると予め分かっているときには、前記フラグ設定手段により示されるフラグを無視し、未生成状態を条件として描画省略の判定を行う手段であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段によりフラグを設定する単位をモノクロ印刷に用いるページとしたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段によりフラグを設定する単位をカラー印刷に用いるCMYK各プレーンとしたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載された画像処理装置において、前記フラグ設定手段によりフラグを設定する単位を任意に印刷面を分割した領域としたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項12に記載された画像処理装置において、前記分割した領域をバンド分割した領域としたことを特徴とする画像処理装置。
- 画像データの図形描画命令に従って図形描画データを生成する描画データ処理方法であって、実行中の図形描画命令により描画データが生成されたか否かを示すフラグを設定するフラグ設定手順と、該フラグ設定手順による設定フラグにより描画データの未生成が示される時に描画処理対象図形に指定された描画属性によって該描画処理の省略が可能か否かを判定する描画省略判定手順を行うことを特徴とする描画データ処理方法。
- 請求項14に記載された描画データ処理方法において、前記描画省略判定手順は、描画属性として色濃度が白であり、かつ描画演算方法が置き換え、論理和、排他的論理和、のいずれかと指定されている図形、或いは色濃度が黒であり、かつ描画演算方法が論理積と指定されている図形に対する描画処理を省略可能と判定することを特徴とする描画データ処理方法。
- 請求項14及び15に記載された描画データ処理方法において、前記フラグ設定手順は、前記描画省略判定手順により描画処理の省略が不可能と判定されたときにフラグの設定状態を変更し、前記描画省略判定手順は、フラグの設定状態を変更した時点から描画省略の判定を行わないようにすることを特徴とする描画データ処理方法。
- 請求項14乃至16のいずれかに記載された描画データ処理方法において、前記描画省略判定手順は、描画されるページが描画データの生成前に白であることが予め分かっているときには、前記フラグ設定手順により示されるフラグを無視し、常に未生成状態とする認識によって描画省略の判定を行うことを特徴とする描画データ処理方法。
- 請求項14乃至17のいずれかに記載された描画データ処理方法において、前記フラグ設定手順によりフラグを設定する単位をモノクロ印刷に用いるページ、カラー印刷に用いるCMYK各プレーンのいずれかとすることを特徴とする描画データ処理方法。
- 請求項14乃至18のいずれかに記載された描画データ処理方法において、前記フラグ設定手順によりフラグを設定する単位を任意に印刷面を分割した領域とすることを特徴とする描画データ処理方法。
- 請求項14乃至19のいずれかに記載された描画データ処理方法の各処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項20に記載されたプログラムを記録した記録媒体。
- プリンタコントローラに請求項20に記載されたプログラムを搭載したことを特徴とするプリンタ。
- 請求項20に記載されたプログラムを含むプリンタドライバを搭載したコンピュータよりなるホスト装置。
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