JP2004358514A - 打抜き面の疲労強度向上方法 - Google Patents

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厚司 瀬戸
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Abstract

【課題】疲労強度に優れた打抜き面の加工方法を提供する。
【解決手段】金属板をポンチ2及びダイス3を用いて打抜き加工をする際に、ポンチとダイスのクリアランスを板厚の80〜200%にして打抜いた後、打抜き面の少なくとも裏面の角部に、外形が打抜き穴径以上で、先端の角度が90°〜160°のポンチを用いて、穴縁単位長さあたりの押し込み量を490〜1960N/mmとして押し込み加工を施すことを特徴とする打抜き面の疲労強度向上方法を特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車、家電製品、建築構造物、船舶、橋梁、建設機械、各種プラント、ペンストック等で用いられる鉄、アルミニウム、チタン等の金属板からなる構造部材のうち、打抜き加工によって生じる打抜き面の疲労強度向上方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車、家電製品、建築構造物等の金属部材には、打抜き加工が施されることが多く、図2に示すように打抜き面5の裏面にはバリ12が発生し、また板厚中央部では中心偏析による割れ11が発生することが多く、打抜き穴を有する部材に繰返し荷重が負荷された場合、これらが疲労破壊の起点になって疲労強度の低下を引き起こす。
【0003】
このため、打抜き面5のバリ12や割れ11を低減させる方法、および打抜き面5の性状を良くする方法がいくつか提案されている。
【0004】
まず打抜き面のバリや割れを低減させる方法として、特許文献1および2では、打抜きクリアランスを規定するとともに打抜き工具(ポンチ)の形状を規定した技術が開示されている。また打抜き部分を裏面から板厚途中までプレスした後、表面から打ちぬく方法が特許文献3に開示されている。
【0005】
またさらに打抜き面の性状を良くする方法として、非特許文献1では板押さえをした状態でクリアランスを極端に小さくする方法が開示されている。さらに打抜き面に仕上げのための加工を加える方法が非特許文献2、特許文献4および特許文献5に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−57557号公報
【特許文献2】
特開平8−99131号公報
【特許文献3】
特開平11−221628号公報
【特許文献4】
特開平11−333530号公報
【特許文献5】
特開平6−57325号公報
【非特許文献1】
塑性と加工、Vol.9、No.92(1968−9)
【非特許文献2】
プレス加工便覧、日本塑性加工学会編、丸善株式会社
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術のうち、まず特許文献1では、打抜きポンチに、ポンチ径の5〜20%の部分を面取りする打抜き型、および打抜き時のクリアランスを板厚の6〜15%にする方法が開示されている。また特許文献2では、ポンチ径よりも小さな径の凸部を有する打抜き型が示されているが、これらは、80%以上のクリアランスで打抜き、加工後に打抜き面の裏面の角部を押し込み加工する本発明の方法とは異なる技術である。
【0008】
次に、特許文献3では、打抜き部分を予め裏面から板厚の途中までプレスしておいた後、表面から打抜くことによりバリ発生を抑制する方法が開示されているが、クリアランスの規定と押し込み加工を併用する本発明とは異なる技術である。
【0009】
さらに非特許文献1では、打抜きクリアランスを1%以下に小さくして三角形状もくは台形状の板押さえをする、いわゆるファインブランキングの技術が開示されているが、本発明では逆にクリアランスを大きくとり、かつ押し込み加工を行う技術であるので、異なる技術である。
【0010】
またさらに非特許文献2では、ポンチまたはダイスの刃に丸みを持たせて、クリアランスを0または負にして打抜かれた穴の側面を削りとる、いわゆる仕上げ抜き法が開示されているが、打抜き時のクリアランスを大きくして後に押し込み加工を行う本発明とは異なる技術である。
【0011】
加えて特許文献4では、打抜きポンチの胴体部に拡径部を設けて、押し込み機能を同時に持たせる工具が開示されているが、クリアランスについての規定は無く、また打抜きポンチが接触する側の角部を押し込む加工であり、少なくとも裏面の角部を押し込む本発明とは異なる加工である。
【0012】
また、特許文献5では、打抜き面について押し込み加工する体積と加工後の硬度上昇量を規定しているが、クリアランスを大きくした加工を必須として押し込みポンチの角度および押し込み力を規定した本発明とは異なる方法である。
【0013】
本発明は疲労強度に優れた打抜き面の加工方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の要旨とするところは、
(1)金属板をポンチ及びダイスを用いて打抜き加工をする際に、ポンチとダイスのクリアランスを80〜200%にして打抜いた後、打抜き面の少なくとも裏面の角部に押し込み加工を施すことを特徴とする打抜き面の疲労強度向上方法、
(2)外径が打抜き穴径以上で、先端の角度が90°〜160°のポンチを用いて、穴縁単位長さあたりの押し込み力を490〜1960N/mmとして押し込み加工を施すことを特徴とする(1)記載の打抜き面の疲労強度向上方法、
にある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明の方法が疲労特性を向上させるのは以下の理由による。
【0017】
本発明者は、図2に示すようなバリ12および中心偏析の割れ11が発生しやすい打抜き面5の疲労強度を向上する方法を検討した結果、まず、図3および図4に示すように打抜き用ポンチ2と打抜き用ダイス3のクリアランス4を板厚の80〜200%とすること、次に打抜き時に裏面に発生したバリを押し込み加工により潰すことにより、打抜きままよりも格段に疲労強度が向上することを見出した。
【0018】
クリアランスは、打抜き面性状を良くするためには非特許文献1に開示されているように、通常は小さくすればするほど有効であるとされているが、クリアランスが小さいほど、打抜き面近傍は、多軸応力状態となって中心偏析を開口させる応力も発生する結果、中心偏析での割れはごく表面ではあるが微細に残り、疲労き裂の発生起点を完全に無くすることは出来ないことが判明した。そこで、逆にクリアランスを80%以上にした結果、図1に示すように、打抜き面1は大きく変形し、打抜き面の裏面にバリ12が発生するものの、打抜き面を含む広い範囲は単軸の引張応力状態であり、中心偏析を開口させる板厚方向の応力は小さくなるため、中心偏析での割れは発生しなくなることを見出した。クリアランスの上限は、大きすぎると打抜き時のせん断力が小さくなって打抜くことが困難になるので板厚の200%とする。
【0019】
次に、打抜き後の押し込み加工について説明する。上記のようにクリアランスを板厚の80%以上にすることにより、板厚中央の中心偏析での割れ発生は低減されるものの、打抜き面の裏面のバリはむしろ増加する傾向を示す。従って疲労強度を向上させるためにはバリを低減する加工が必要となるが、図5および図6に示すように、押込み用ポンチ7により打抜き面裏面の角部6を押し込み加工することが有効であり、かつその押し込みポンチ7については、まず、先端の角度8が90°以上であると更に効果的であることを見出した。通常の押し込み加工ではポンチの角度は鋭角ほど有効であると言われているが、ポンチ角度を鋭意検討した結果、本発明では、クリアランスが板厚の80〜200%と通常より大きいため、打抜き面5が打抜き方向に少し傾く結果、ポンチ角度8が90°未満ではポンチ7が打抜き面5と全面的に接触して中心偏析部にも影響を及ぼし、割れを誘起する可能性のあることから、90°以上とした。上限は、角度8が大きくなるとバリ潰しのための変形付与量が減少するので、160°以下とした。なお、ポンチ先端8の形状が円錐型でなく、半球形やなめらかな形状の場合には、バリと接触し始めるポンチ部分の接線の角度でもって定義する。また、図7に示すように打抜き裏面に加えて打抜き面表面の角部13についても押し込み加工を施すことにより、さらに疲労強度が向上する。
【0020】
次にポンチ7の外径はバリと接触させるため打抜き穴の内径以上とする。上限は特に定めないが押し込み加工を受ける厚みや打抜き面の向きを考慮しても、打抜き穴の内径の2倍あれば十分であり、それ以上大きくすることはコスト増となる。さらに押し込み力については、小さいとバリを潰すほど十分な押し込み効果が得られないので、打抜き穴縁の単位長さあたりの押し込み力は490N/mm以上とする。しかし押し込み力が大きすぎると押し込み領域が板厚中央にまで及び、中心偏析部にも影響を及ぼすので1960N/mmを上限とする。
【0021】
また、本発明では押し込み用ポンチ7と押し込み用ダイスの水平方向の間隔である押し込みクリアランス10を特に定めていないが、押し込みクリアランス10が小さい場合にはバリを十分潰すことが出来なくなるが、大きくとりすぎると穴広げが行われてしまうので、板厚の10〜30%とすることが好ましい。
【0022】
打抜き加工および押し込み加工に用いる工具の材質は特に限定するものではなく、通常用いられる工具鋼や、その他の材料、および表面に硬化処理等を付与したものでも差し支え無い。
【0023】
また、本発明の方法の適用先は鋼板に限定するものではなく、アルミ、チタンなど非鉄金属にも適用可能であり、板形状以外に管や複雑な形状の構造部材についても適用することが可能である。
【0024】
【実施例】
実施例として、表1に示す強度レベルおよび板厚の鋼板を供試材として、幅70mm、長さ250mmの短冊試験片を作成し、この短冊試験片の中央にまず径10mmの穴の打抜き加工を行い、次いで押し込み加工を行った(図8)。この短冊試験片を用いて疲労試験を行った。荷重作用方向は試験片の長手方向とした。
【0025】
疲労試験条件は、応力比(=最小荷重/最大荷重)を0とする荷重制御疲労試験であり、室温・大気中で行った。荷重の制御が困難となる寿命を破断寿命として、破断寿命が200万回となる応力範囲で評価した。
【0026】
疲労試験結果を同じく表1に示す。本発明の方法を適用した実施例No.1〜19は同じ強度レベルの供試材を用いた比較例No.20〜27に比べて全て疲労強度が20%以上向上している。また。押し込み力が大きい方が疲労強度向上代が大きい傾向にある。押し込みを打抜き穴の表裏について行ったものはさらに疲労強度が向上している。
【0027】
また比較例ではクリアランスが200%を超えた試験片は何とか打抜きができたものの穴形状が不良で疲労強度低下が著しい。
【0028】
【表1】
Figure 2004358514
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は打抜き面のクリアランスを制御した上で押し込み加工を加えて打抜き穴を含む部材の疲労強度を向上させているため、材料、対象部材の種類によらず打抜き穴の疲労強度を安定して向上させることが可能であり、その工業的意味は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法における打抜き後の打ち抜き面の拡大図である。
【図2】比較の方法における打抜き後の打ち抜き面の拡大図である。
【図3】本発明の方法における打抜き前の状況を示す図である。
【図4】本発明の方法における打抜き後の状況を示す図である。
【図5】本発明の方法における打抜き裏面の押し込み前の状況を示す図である。
【図6】本発明の方法における打抜き裏面の押し込み後の状況を示す図である。
【図7】本発明の方法における打抜き裏面押し込み後の打抜き表面の押し込み後の状況を示す図である。
【図8】本発明の実施例における試験片形状を示すである。
【符号の説明】
1…金属材料
2…打抜き用ポンチ
3…打抜き用ダイス
4…打抜きクリアランス
5…打抜き面
6…打抜き面裏面の角部
7…押し込み用ポンチ
8…押し込み用ポンチの先端角
9…押し込み用ダイス
10…押し込みクリアランス
11…中心偏析による割れ
12…バリ
13…打抜き面表面の角部

Claims (2)

  1. 金属板をポンチ及びダイスを用いて打抜き加工をする際に、ポンチとダイスのクリアランスを板厚の80〜200%にして打抜いた後、打抜き面の少なくとも裏面の角部に押し込み加工を施すことを特徴とする打抜き面の疲労強度向上方法。
  2. 外径が打抜き穴径以上で、先端の角度が90°〜160°のポンチを用いて、穴縁単位長さあたりの押し込み力を490〜1960N/mmとして押し込み加工を施すことを特徴とする請求項1記載の打抜き面の疲労強度向上方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011001762A1 (ja) * 2009-07-02 2011-01-06 株式会社 アマダ バリ除去方法及び装置

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