JP2004357249A - 車両用ルーフマウントアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】弱い外力に対しては一定の取付角度を保持し、強い外力に対しては角度を可変して破損を回避し、外力がなくなると自動的に元の取付角度に復帰する。
【解決手段】アンテナロッド下端に設けられ、円弧状切欠き332 、凸部331 を形成したジョイントアセンブリ33と、これを回動枢支するアンテナベース32上部の円孔321 、端子部322 、円弧状切欠き323 を形成した一対の枢支部32a,32bと、枢支部32a,32b間にあるジョイントアセンブリ33内に円孔321 より挿入され、他端35bが切欠き323 に挿入され、一端35aがジョイントアセンブリ33に係止されたトーションスプリング35と、このスプリング35に挿入され、スプリング35の一端35aが挿入される円弧状切欠き372 を形成したクリックシリンダ37と、このシリンダ37に挿入されるコイルスプリング38と、これらを貫通螺合し、その締付けによりクリック感を調整するボルト39及びナット41とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】アンテナロッド下端に設けられ、円弧状切欠き332 、凸部331 を形成したジョイントアセンブリ33と、これを回動枢支するアンテナベース32上部の円孔321 、端子部322 、円弧状切欠き323 を形成した一対の枢支部32a,32bと、枢支部32a,32b間にあるジョイントアセンブリ33内に円孔321 より挿入され、他端35bが切欠き323 に挿入され、一端35aがジョイントアセンブリ33に係止されたトーションスプリング35と、このスプリング35に挿入され、スプリング35の一端35aが挿入される円弧状切欠き372 を形成したクリックシリンダ37と、このシリンダ37に挿入されるコイルスプリング38と、これらを貫通螺合し、その締付けによりクリック感を調整するボルト39及びナット41とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナロッドを枢支した車両用ルーフマウントアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に一般的な可倒式の車両用ルーフマウントアンテナ10の外観について示す。同図で、11がアンテナロッド、12がこのアンテナロッド11を回動自在に枢支するアンテナベースである。
【0003】
同図に示すようにアンテナロッド11は、アンテナベース12に対して0°,50°,180°の3つのポジションのいずれかで固定できるような可倒式の構造を有しており、各ポジションで確実に固定できるように適度なクリック感が与えられる構造となっている。
【0004】
図5は、過去に本出願人が提案した、主としてアンテナベース12内の具体構造を示すものである。(特許文献1参照。)
同図で、アンテナロッド11の下端、アンテナベース12に取付ける側にジョイントアセンブリ13を設ける。
【0005】
このジョイントアセンブリ13は、アンテナロッド11の軸方向と直交する軸方向の有底円筒状部材からなり、図6に示すようにこの有底円筒状部材の底部内面に中心位置を挟んで180°離れた一対の半球状の凸部131,131をクリック感を付与するものとして形成している。
【0006】
この有底円筒状部材の底部外面は、図示しないがアンテナロッド11で得たアンテナ信号を伝搬するための端子部となっている。
【0007】
また、このジョイントアセンブリ13を回動枢支するべくアンテナベース12上部に対峙するようにして一対の枢支部12a,12bが形成されるもので、その一方12aには対峙方向を軸方向とする円孔121を形成し、他方12bの上記円孔121に相対向する内面には上記ジョイントアセンブリ13の端子部と当接されて電気的に接続される端子部122を形成している。
【0008】
しかして、上記ジョイントアセンブリ13の端子部と枢支部12bの端子部122間にOリング23を介在するようにしてジョイントアセンブリ13を上記枢支部12a,12b間に位置させた状態で、枢支部12aの上記円孔121よりジョイントアセンブリ13の有底円筒状部材開口を介してクリックシリンダ14が挿入される。
【0009】
このクリックシリンダ14は、その有底円筒状の底部外面側に、上記凸部131,131と嵌合する複数のクリック位置に対応した複数対の円孔141,141,…を形成した例えばプレス加工で製造されたプレート14aを埋設しており、またこのプレート14aを埋設していない開口側の外周面端部近傍には、枢支部12aの円孔121内でその軸方向と直交する面での回動を抑制するべく円孔121内周面と係合するような凹凸形状を相互に形成している。
【0010】
しかるに、このクリックシリンダ14の開口側よりコイルスプリング15をワッシャ16を介して挿入し、さらにクリックシリンダ14と同様に枢支部12aの円孔121内でその軸方向と直交する面での回動が抑制されるワッシャ17を挿入した状態で、ボルト18によりこれらワッシャ17、コイルスプリング15、ワッシャ16、クリックシリンダ14の底面プレート14a、枢支部12bの端子部122を貫通させ、枢支部12bの外面側より波ワッシャ19、ワッシャ20、ばねワッシャ21を介してナット22で締付け螺合することで、この回動枢支構造が形成される。
【0011】
このような構成にあって、有底筒状のジョイントアセンブリ13の底部内面に形成された凸部131,131と、ここに当接されるクリックシリンダ14の底部外面に埋設された底面プレート14aに形成された円孔141,141,…のうちの一対とが嵌合する際のコイルスプリング15の弾性によりクリックトルクが発生し、ジョイントアセンブリ13の図示しない端子部は上記波ワッシャ19の弾性により押圧される枢支部12bの端子部122との摩擦摺動により電気的に接続されて、アンテナロッド11で得られたアンテナ信号が伝搬される。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−345613号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記図5に示した如くアンテナロッド11はアンテナベース12に枢支され、特定の角度位置でクリック感をもって固定されるもので、取付け対象となる車両のルーフ上に、該車両の後方側に傾いた状態となるべく、図示した50°の位置が通常の装着状態となる。一方、上記0°の位置、すなわち車両後方側に完全に倒した状態と、180°の位置、すなわち車両前方側に完全に倒した状態が、例えば天井の低い車庫に車両を入庫する場合や、洗車機を利用する場合などの収納状態となる。
【0014】
したがって、アンテナロッド11を上記0°または180°の位置に倒した状態から、50°の位置まではユーザがその都度手動で戻さなくてはならず、特にルーフの高いミニバンタイプの車両や、アンテナをルーフの中央に取り付けている車両、あるいはユーザが小柄である場合などには、その取扱いが煩雑であり、且つ車両の汚れが衣服についてしまう、などという不具合もあった。
【0015】
この点を考慮し、本出願人は上記特許文献1を出願した後、例えばジョイントアセンブリ13外周面のアンテナロッド11を取り付けている位置とは180度反対側の位置と、アンテナベース12内部の底面との間をコイルスプリングで張架し、その引張り力によりアンテナロッドに外力が加わっていない状態では常に一定の角度位置に自動復帰するようなルーフマウントアンテナを考えた。
【0016】
しかしながら、そのような構成とした場合、コイルスプリングの発生する引張り力の大きさとアンテナロッドの重さとのバランスにもよるが、車両の発進/停止で生じる加減速や走行風等によりアンテナロッドが常に一定の取付け角度付近で揺動することになり、アンテナとしての受信性能が不安定なものとなってしまう。
【0017】
加えて、ジョイントアセンブリとアンテナベース内部の底面との間にコイルスプリングを張架する構成となるため、アンテナベース自体のボックス構造をある程度大きなものとせざるを得ず、小型化が要求されているこの種のアンテナでは実現がきわめて困難である。
【0018】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ある程度までの外力が与えられても一定の取付角度を保持する反面、ある一定以上の外力が与えられた場合には容易に取付角度を可変して外力による破損を回避し、外力が与えられなくなった時点で自動的に元の取付角度に復帰することが可能なメンテナンスフリーの車両用ルーフマウントアンテナを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、アンテナロッドと、このアンテナロッドを回動自在に取付けるアンテナベースとを有する車両用ルーフマウントアンテナであって、上記アンテナロッドの一端部に設けられた該ロッドの軸方向と直交する軸方向の有底円筒状部材からなり、この有底円筒状部材に上記アンテナロッドを定常位置から第1の方向に回動する範囲角度に対応した円弧状の切欠きを形成すると共に、同底部内面にクリック感を付与するための凹部または凸部を形成し、同底部外面にアンテナロッドと電気的に接続された端子面を形成したジョイント部と、このジョイント部を回動枢支するべく上記アンテナベース上部に対峙し、その一方に対峙方向を軸方向とする貫通孔を形成し、他方の上記貫通孔に相対向する内面に上記ジョイント部の端子面と電気的に接続される端子部を形成し、且つこの端子部近傍の上記ジョイント部底部の円弧状切欠きと対応する位置に上記アンテナロッドの定常位置から第2の方向に回動する範囲角度に対応した円弧状の切欠きを形成した一対の枢支部と、上記ジョイント部を上記枢支部間に位置させた状態で、枢支部の上記貫通孔よりジョイント部の有底円筒状部材開口を介して挿入され、その軸方向と平行に延在された一端が上記ジョイント部底部内面の円弧状切欠きを介して上記枢支部の他方に形成された円弧状切欠きに挿入され、その軸方向と平行に延在された他端が上記ジョイント部に係止されて一方の回動方向にのみ規制されたコイル状のトーションスプリングと、上記ジョイント部を上記枢支部間に位置させ、上記トーションスプリングをその有底円筒状部材開口より挿入した状態で、該トーションスプリング内に同軸的に挿入され、その有底円筒状の底部外面に上記ジョイント部底部内面の凹部または凸部と嵌合する複数のクリック位置に対応した凸部または凹部を形成し、その軸方向と直交する面での回動を上記枢支部の上記貫通孔との係合により抑制され、且つ上記トーションスプリングの他端が挿入される、上記アンテナロッドの定常位置から第2の方向に回動する範囲角度に対応した円弧状の切欠きを形成したクリックシリンダと、このクリックシリンダ内に挿入されるコイルスプリングと、上記コイルスプリング、クリックシリンダの底部、トーションスプリング、ジョイント部の底部、枢支部の他方側のアンテナ端子部を貫通して螺合され、その締付けにより調整される上記コイルスプリングの弾性により、上記クリックシリンダの底部外面とジョイント部の底部内面間の当接圧力、及び上記ジョイント部の底部外面の端子部と上記枢支部他方側内面の端子部間の当接圧力を調整可能としたボルト及びナットとを具備したことを特徴とする。
【0020】
このような構成とすれば、ある程度までの外力が与えられても一定の取付角度を保持する反面、ある一定以上の外力が与えられた場合には容易に取付角度を可変して外力による破損を回避し、外力が与えられなくなった時点で自動的に元の取付角度に復帰することが可能となる。
【0021】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記クリックシリンダは、その有底円筒状の底部外面に上記ジョイント部底部内面の凹部または凸部と嵌合する複数のクリック位置に対応した凸部または凹部を形成したことを特徴とする。
【0022】
このような構成とすれば、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、例えば取付車両の洗車時等では、あえて手動操作で上記一定の取付角度以外の取付角度を固定的に保持させてアンテナロッドを収納状態とし、その後も簡単な操作で再び元の一定の取付角度に自動復帰するようにしたので、必要に応じて一時的にアンテナロッドを収納状態としておくことも可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態に係る車両用ルーフマウントアンテナについて図面を参照して説明する。
【0024】
なお、本実施の形態に係る車両用ルーフマウントアンテナ30の組立後の外観構成については、上記図4に示したものとほぼ同様であるので、ここではその図示を省略するが、アンテナロッド31がアンテナベース32により回動自在に枢支される。
【0025】
そして、アンテナロッド31は、アンテナベース32に対して0°,50°,180°の3つのポジションのいずれかで固定できるような可倒式の構造を有しており、各ポジションで確実に固定できるように適度なクリック感が与えられる構造となっている。
【0026】
加えて、クリック感が付与されない上記0°,50°,180°以外のポジションでは、アンテナロッド31になんらかの外力が与えられていない限り、後述するアンテナベース32内のトーションスプリングの弾性により、通常の取付角度となる50°のポジションに自動的に復帰するものとする。
【0027】
次に図1によりアンテナベース32内の具体構造を説明する。
同図で、アンテナロッド31の下端、アンテナベース32に取付ける側にジョイントアセンブリ33を設ける。
【0028】
このジョイントアセンブリ33は、アンテナロッド31の軸方向と直交する軸方向の有底円筒状部材からなり、図2に示すようにこの有底円筒状部材の底部内面に中心位置を挟んで180°離れた一対の半球状の凸部331,331をクリック感を付与するものとして形成すると共に、中心角50°の円弧状の切欠き332を形成している。
【0029】
この有底円筒状部材の底部外面は、図示しないがアンテナロッド31で得たアンテナ信号を伝搬するための端子部となっている。
【0030】
また、このジョイントアセンブリ33を回動枢支するべくアンテナベース32上部に対峙するようにして一対の枢支部32a,32bが形成されるもので、その一方32aには対峙方向を軸方向とする円孔321を形成し、他方32bの上記円孔321に相対向する内面には上記ジョイントアセンブリ33の端子部と当接されて電気的に接続される端子部322と、中心角130°の円弧状の切欠き323とを形成している。
【0031】
しかして、上記ジョイントアセンブリ33の端子部と枢支部32bの端子部322間にOリング34を介在するようにしてジョイントアセンブリ33を上記枢支部32a,32b間に位置させた状態で、枢支部32aの上記円孔321よりジョイントアセンブリ33の有底円筒状部材開口を介して、まず、その両端35a,35bが軸方向に延在されたコイル状のトーションスプリング35が挿入される。
【0032】
この場合、枢支部32b側に位置するトーションスプリング35の他端35bは、ジョイントアセンブリ33底部の上記切欠き332を介して上記枢支部32bの切欠き323に挿入される。
【0033】
一方、トーションスプリング35の一端35aは、ジョイントアセンブリ33の開口部に嵌合される係止部材36により係止され、位置が規制される。
【0034】
さらに、このトーションスプリング35内にクリックシリンダ37が挿入される。
【0035】
このクリックシリンダ37は、図2に示す如くその有底円筒状の底部外面側に、上記凸部331,331と嵌合する複数のクリック位置に対応した2対の円孔371,371,…を形成した例えばプレス加工で製造された底面プレート37aを埋設しており、またこの底面プレート37aを埋設していない開口側の外周面端部近傍には、枢支部32aの円孔321内でその軸方向と直交する面での回動を抑制するべく円孔321内周面と係合するような凹凸形状を形成しており、さらにその一部には上記トーションスプリング35の一端35aを遊貫する、中心角50°の円弧状の切欠き372を形成している。
【0036】
しかるに、このクリックシリンダ37の開口側よりコイルスプリング38を挿入した状態で、ボルト39によりこれらコイルスプリング38、クリックシリンダ37のプレート37a、枢支部32bの端子部322を貫通させ、枢支部32bの外面側よりワッシャ40を介してナット41で締付け螺合する。
【0037】
そして、一対のキャップ42,43を上記ボルト39、ナット41を隠すようにそれぞれ枢支部32a,32bの外側より嵌め込むことで、この車両用ルーフマウントアンテナ30の回動枢支構造が形成される。
【0038】
上記のような構成にあって、アンテナロッド31に外力が与えられて当該アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33が回動する場合の動作について説明する。
【0039】
図3は、上記のようにして組立された車両用ルーフマウントアンテナ30を部分的に抽出して示すもので、この図3はいずれもアンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33が上記図4で示した50°の回動位置にある状態を示す。
【0040】
図3(A−1)〜図3(A−3)は、ジョイントアセンブリ33にトーションスプリング35と係止部材36を組込んだ状態を、図3(B−1)〜図3(B−3)はさらにクリックシリンダ37を組込んだ状態を、図3(C−1)〜図3(C−3)はアンテナベース32内に上記図3(B−1)〜図3(B−3)で示した内容を組込んだ状態をそれぞれ抽出して示す。
【0041】
ここで、図3(A−1),図3(B−1),図3(C−1)はアンテナベース32の枢支部32a側から見た左側面を、図3(A−2),図3(B−2),図3(C−2)はアンテナベース32の背面を、図3(A−3),図3(B−3),図3(C−3)はアンテナベース32の枢支部32b側から見た右側面を示す。
【0042】
アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33が50°の回動状態にある時、上記図2で示した如く、クリックシリンダ37の底面プレート37aに形成された一対の円孔371,371とジョイントアセンブリ33の底部に形成された凸部331,331が当接、係合するものとする。
【0043】
また、このときトーションスプリング35の一端35aは係止部材36により一方向(図3(A−1),図3(B−1),図3(C−1)における現在の位置から左回転方向)への動きが規制されており、一方、同他端35bも枢支部32bの切欠き323により一方向(図3(C−3)における現在の位置から左回転方向)への動きが規制されているもので、若干のねじり力が発生した状態、具体的には他端35bの位置決めを行なった後、係止部材36により一端35aを若干コイルを巻き込む方向にねじり力を発生してジョイントアセンブリ33に固定すべく取付けられる。
【0044】
しかるに、上記アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33に対して図3(C−1)で矢印Aで示す方向に外力が与えられ、上記コイルスプリング38の弾性に基づく上記クリックシリンダ37の底面プレート37aに形成された一対の円孔371,371とジョイントアセンブリ33の底部に形成された凸部331,331との嵌合を保持する力を越えた場合、上記クリックの状態が解かれ、その外力に応じてアンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33の回動角度が0°以上50°未満となる。
【0045】
このとき、トーションスプリング35の他端35bは上記図3(A−3),図3(B−3),図3(C−3)で示した枢支部32bの切欠き323の左端位置からまったく移動しない反面、トーションスプリング35の一端35aは、ジョイントアセンブリ33と一体に回動する係止部材36により、アンテナベース32と一体に取付けられたクリックシリンダ37の切欠き372内に沿って、図3(C−1)で矢印Bで示す方向に移動し、その力の大きさに応じた角度分だけのさらなるねじり力をトーションスプリング35に発生する。
【0046】
したがって、アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33に与えられる外力がなくなった時点で、トーションスプリング35に蓄積されたねじり力により再び上記50°の回動角度まで自動復帰し、上記コイルスプリング38の弾性に基づく上記クリックシリンダ37の底面プレート37aに形成された一対の円孔371,371とジョイントアセンブリ33の底部に形成された凸部331,331との嵌合により、再びそれを越える外力が与えられるまで、該50°の回動角度を維持する。
【0047】
また、上記アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33に対して図3(C−3)で矢印Cで示す方向に外力が与えられ、上記コイルスプリング38の弾性に基づく上記クリックシリンダ37の底面プレート37aに形成された一対の円孔371,371とジョイントアセンブリ33の底部に形成された凸部331,331との嵌合を保持する力を越えた場合、上記クリックの状態が解かれ、その外力に応じてアンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33の回動角度が50°より大きく、180°以下となる。
【0048】
このとき、トーションスプリング35の一端35aは上記図3(A−1),図3(B−1),図3(C−1)で示した係止部材36により規制された上端位置にあってジョイントアセンブリ33と一体に回動する反面、トーションスプリング35の他端35bは、ジョイントアセンブリ33の底部に形成された切欠き332の端部により、アンテナベース32の枢支部32bの切欠き323内に沿って、図3(C−3)で同じく矢印Cで示す方向に移動し、その力の大きさに応じた角度分だけのさらなるねじり力をトーションスプリング35に発生する。
【0049】
したがって、アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33に与えられる外力がなくなった時点で、トーションスプリング35に蓄積されたねじり力により再び上記50°の回動角度まで自動復帰し、上記コイルスプリング38の弾性に基づく上記クリックシリンダ37の底面プレート37aに形成された一対の円孔371,371とジョイントアセンブリ33の底部に形成された凸部331,331との嵌合により、再びそれを越える外力が与えられるまで、該50°の回動角度を維持する。
【0050】
このように、クリック感を付与した構造としたため、アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33にある程度までの外力が与えられても一定の取付角度(例えば50°)を保持する反面、上記クリック感を付与するコイルスプリング38の弾性を越えるような、ある一定以上の外力が与えられた場合にはアンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33の取付角度を容易に可変して外力による破損を回避し、外力が与えられなくなった時点で自動的に元の取付角度に復帰する。
【0051】
なお、上記図2に示した如く、クリックシリンダ37の底面プレート37aには2対の円孔371,371,…を形成し、アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33が50°の回動角度のみならず、0°と180°の回動角度でもクリック感が得られるようにしている。
【0052】
したがって、この車両用ルーフマウントアンテナ30のユーザが、あえて手動によりアンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33を0°または180°の回動角度まで操作し、上記50°の回動角度に自動的に復帰しないように一時的に収納した状態とすることにより、例えばこの車両用ルーフマウントアンテナ30を取付けた車両の洗車時等では、アンテナロッド31が邪魔になることもなく、その後も簡単な操作で再び元の一定の回動角度に自動復帰させることができ、より使い勝手を向上することができる。
【0053】
なお、上記実施の形態では、アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33の回動角度が50°の位置に自動的に復帰するものとしたが、本発明はその角度について限定するものではなく、任意に設定することができることは言うまでもない。
【0054】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0055】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0056】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ある程度までの外力が与えられても一定の取付角度を保持する反面、ある一定以上の外力が与えられた場合には容易に取付角度を可変して外力による破損を回避し、外力が与えられなくなった時点で自動的に元の取付角度に復帰することが可能となる。
【0057】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、例えば取付車両の洗車時等では、あえて手動操作で上記一定の取付角度以外の取付角度を固定的に保持させてアンテナロッドを収納状態とし、その後も簡単な操作で再び元の一定の取付角度に自動復帰するようにしたので、必要に応じて一時的にアンテナロッドを収納状態としておくことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る車両用ルーフマウントアンテナのアンテナマストの枢支構造を示す斜視図。
【図2】図1のジョイントアセンブリ及びクリックシリンダに設けられたクリック構造を説明する図。
【図3】同実施の形態に係る組立段階毎の主要部品を抽出して示す図。
【図4】一般的な車両用のルーフマウントアンテナの外観構成を示す斜視図。
【図5】従来の車両用ルーフマウントアンテナのアンテナマストの枢支構造を示す斜視図。
【図6】図5のジョイントアセンブリ及びクリックシリンダに設けられたクリック構造を説明する斜視図。
【符号の説明】
30…車両用ルーフマウントアンテナ、31…アンテナロッド、32…アンテナベース、32a,32b…枢支部、321…円孔、322…端子部、323…切欠き、33…ジョイントアセンブリ、331…凸部、332…切欠き、34…Oリング、35…トーションスプリング、35a…一端、35b…他端、36…係止部材、37…クリックシリンダ、37a…底面プレート、371…円孔、372…切欠き、38…コイルスプリング、39…ボルト、40…ワッシャ、41…ナット、42,43…キャップ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナロッドを枢支した車両用ルーフマウントアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に一般的な可倒式の車両用ルーフマウントアンテナ10の外観について示す。同図で、11がアンテナロッド、12がこのアンテナロッド11を回動自在に枢支するアンテナベースである。
【0003】
同図に示すようにアンテナロッド11は、アンテナベース12に対して0°,50°,180°の3つのポジションのいずれかで固定できるような可倒式の構造を有しており、各ポジションで確実に固定できるように適度なクリック感が与えられる構造となっている。
【0004】
図5は、過去に本出願人が提案した、主としてアンテナベース12内の具体構造を示すものである。(特許文献1参照。)
同図で、アンテナロッド11の下端、アンテナベース12に取付ける側にジョイントアセンブリ13を設ける。
【0005】
このジョイントアセンブリ13は、アンテナロッド11の軸方向と直交する軸方向の有底円筒状部材からなり、図6に示すようにこの有底円筒状部材の底部内面に中心位置を挟んで180°離れた一対の半球状の凸部131,131をクリック感を付与するものとして形成している。
【0006】
この有底円筒状部材の底部外面は、図示しないがアンテナロッド11で得たアンテナ信号を伝搬するための端子部となっている。
【0007】
また、このジョイントアセンブリ13を回動枢支するべくアンテナベース12上部に対峙するようにして一対の枢支部12a,12bが形成されるもので、その一方12aには対峙方向を軸方向とする円孔121を形成し、他方12bの上記円孔121に相対向する内面には上記ジョイントアセンブリ13の端子部と当接されて電気的に接続される端子部122を形成している。
【0008】
しかして、上記ジョイントアセンブリ13の端子部と枢支部12bの端子部122間にOリング23を介在するようにしてジョイントアセンブリ13を上記枢支部12a,12b間に位置させた状態で、枢支部12aの上記円孔121よりジョイントアセンブリ13の有底円筒状部材開口を介してクリックシリンダ14が挿入される。
【0009】
このクリックシリンダ14は、その有底円筒状の底部外面側に、上記凸部131,131と嵌合する複数のクリック位置に対応した複数対の円孔141,141,…を形成した例えばプレス加工で製造されたプレート14aを埋設しており、またこのプレート14aを埋設していない開口側の外周面端部近傍には、枢支部12aの円孔121内でその軸方向と直交する面での回動を抑制するべく円孔121内周面と係合するような凹凸形状を相互に形成している。
【0010】
しかるに、このクリックシリンダ14の開口側よりコイルスプリング15をワッシャ16を介して挿入し、さらにクリックシリンダ14と同様に枢支部12aの円孔121内でその軸方向と直交する面での回動が抑制されるワッシャ17を挿入した状態で、ボルト18によりこれらワッシャ17、コイルスプリング15、ワッシャ16、クリックシリンダ14の底面プレート14a、枢支部12bの端子部122を貫通させ、枢支部12bの外面側より波ワッシャ19、ワッシャ20、ばねワッシャ21を介してナット22で締付け螺合することで、この回動枢支構造が形成される。
【0011】
このような構成にあって、有底筒状のジョイントアセンブリ13の底部内面に形成された凸部131,131と、ここに当接されるクリックシリンダ14の底部外面に埋設された底面プレート14aに形成された円孔141,141,…のうちの一対とが嵌合する際のコイルスプリング15の弾性によりクリックトルクが発生し、ジョイントアセンブリ13の図示しない端子部は上記波ワッシャ19の弾性により押圧される枢支部12bの端子部122との摩擦摺動により電気的に接続されて、アンテナロッド11で得られたアンテナ信号が伝搬される。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−345613号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記図5に示した如くアンテナロッド11はアンテナベース12に枢支され、特定の角度位置でクリック感をもって固定されるもので、取付け対象となる車両のルーフ上に、該車両の後方側に傾いた状態となるべく、図示した50°の位置が通常の装着状態となる。一方、上記0°の位置、すなわち車両後方側に完全に倒した状態と、180°の位置、すなわち車両前方側に完全に倒した状態が、例えば天井の低い車庫に車両を入庫する場合や、洗車機を利用する場合などの収納状態となる。
【0014】
したがって、アンテナロッド11を上記0°または180°の位置に倒した状態から、50°の位置まではユーザがその都度手動で戻さなくてはならず、特にルーフの高いミニバンタイプの車両や、アンテナをルーフの中央に取り付けている車両、あるいはユーザが小柄である場合などには、その取扱いが煩雑であり、且つ車両の汚れが衣服についてしまう、などという不具合もあった。
【0015】
この点を考慮し、本出願人は上記特許文献1を出願した後、例えばジョイントアセンブリ13外周面のアンテナロッド11を取り付けている位置とは180度反対側の位置と、アンテナベース12内部の底面との間をコイルスプリングで張架し、その引張り力によりアンテナロッドに外力が加わっていない状態では常に一定の角度位置に自動復帰するようなルーフマウントアンテナを考えた。
【0016】
しかしながら、そのような構成とした場合、コイルスプリングの発生する引張り力の大きさとアンテナロッドの重さとのバランスにもよるが、車両の発進/停止で生じる加減速や走行風等によりアンテナロッドが常に一定の取付け角度付近で揺動することになり、アンテナとしての受信性能が不安定なものとなってしまう。
【0017】
加えて、ジョイントアセンブリとアンテナベース内部の底面との間にコイルスプリングを張架する構成となるため、アンテナベース自体のボックス構造をある程度大きなものとせざるを得ず、小型化が要求されているこの種のアンテナでは実現がきわめて困難である。
【0018】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ある程度までの外力が与えられても一定の取付角度を保持する反面、ある一定以上の外力が与えられた場合には容易に取付角度を可変して外力による破損を回避し、外力が与えられなくなった時点で自動的に元の取付角度に復帰することが可能なメンテナンスフリーの車両用ルーフマウントアンテナを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、アンテナロッドと、このアンテナロッドを回動自在に取付けるアンテナベースとを有する車両用ルーフマウントアンテナであって、上記アンテナロッドの一端部に設けられた該ロッドの軸方向と直交する軸方向の有底円筒状部材からなり、この有底円筒状部材に上記アンテナロッドを定常位置から第1の方向に回動する範囲角度に対応した円弧状の切欠きを形成すると共に、同底部内面にクリック感を付与するための凹部または凸部を形成し、同底部外面にアンテナロッドと電気的に接続された端子面を形成したジョイント部と、このジョイント部を回動枢支するべく上記アンテナベース上部に対峙し、その一方に対峙方向を軸方向とする貫通孔を形成し、他方の上記貫通孔に相対向する内面に上記ジョイント部の端子面と電気的に接続される端子部を形成し、且つこの端子部近傍の上記ジョイント部底部の円弧状切欠きと対応する位置に上記アンテナロッドの定常位置から第2の方向に回動する範囲角度に対応した円弧状の切欠きを形成した一対の枢支部と、上記ジョイント部を上記枢支部間に位置させた状態で、枢支部の上記貫通孔よりジョイント部の有底円筒状部材開口を介して挿入され、その軸方向と平行に延在された一端が上記ジョイント部底部内面の円弧状切欠きを介して上記枢支部の他方に形成された円弧状切欠きに挿入され、その軸方向と平行に延在された他端が上記ジョイント部に係止されて一方の回動方向にのみ規制されたコイル状のトーションスプリングと、上記ジョイント部を上記枢支部間に位置させ、上記トーションスプリングをその有底円筒状部材開口より挿入した状態で、該トーションスプリング内に同軸的に挿入され、その有底円筒状の底部外面に上記ジョイント部底部内面の凹部または凸部と嵌合する複数のクリック位置に対応した凸部または凹部を形成し、その軸方向と直交する面での回動を上記枢支部の上記貫通孔との係合により抑制され、且つ上記トーションスプリングの他端が挿入される、上記アンテナロッドの定常位置から第2の方向に回動する範囲角度に対応した円弧状の切欠きを形成したクリックシリンダと、このクリックシリンダ内に挿入されるコイルスプリングと、上記コイルスプリング、クリックシリンダの底部、トーションスプリング、ジョイント部の底部、枢支部の他方側のアンテナ端子部を貫通して螺合され、その締付けにより調整される上記コイルスプリングの弾性により、上記クリックシリンダの底部外面とジョイント部の底部内面間の当接圧力、及び上記ジョイント部の底部外面の端子部と上記枢支部他方側内面の端子部間の当接圧力を調整可能としたボルト及びナットとを具備したことを特徴とする。
【0020】
このような構成とすれば、ある程度までの外力が与えられても一定の取付角度を保持する反面、ある一定以上の外力が与えられた場合には容易に取付角度を可変して外力による破損を回避し、外力が与えられなくなった時点で自動的に元の取付角度に復帰することが可能となる。
【0021】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記クリックシリンダは、その有底円筒状の底部外面に上記ジョイント部底部内面の凹部または凸部と嵌合する複数のクリック位置に対応した凸部または凹部を形成したことを特徴とする。
【0022】
このような構成とすれば、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、例えば取付車両の洗車時等では、あえて手動操作で上記一定の取付角度以外の取付角度を固定的に保持させてアンテナロッドを収納状態とし、その後も簡単な操作で再び元の一定の取付角度に自動復帰するようにしたので、必要に応じて一時的にアンテナロッドを収納状態としておくことも可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態に係る車両用ルーフマウントアンテナについて図面を参照して説明する。
【0024】
なお、本実施の形態に係る車両用ルーフマウントアンテナ30の組立後の外観構成については、上記図4に示したものとほぼ同様であるので、ここではその図示を省略するが、アンテナロッド31がアンテナベース32により回動自在に枢支される。
【0025】
そして、アンテナロッド31は、アンテナベース32に対して0°,50°,180°の3つのポジションのいずれかで固定できるような可倒式の構造を有しており、各ポジションで確実に固定できるように適度なクリック感が与えられる構造となっている。
【0026】
加えて、クリック感が付与されない上記0°,50°,180°以外のポジションでは、アンテナロッド31になんらかの外力が与えられていない限り、後述するアンテナベース32内のトーションスプリングの弾性により、通常の取付角度となる50°のポジションに自動的に復帰するものとする。
【0027】
次に図1によりアンテナベース32内の具体構造を説明する。
同図で、アンテナロッド31の下端、アンテナベース32に取付ける側にジョイントアセンブリ33を設ける。
【0028】
このジョイントアセンブリ33は、アンテナロッド31の軸方向と直交する軸方向の有底円筒状部材からなり、図2に示すようにこの有底円筒状部材の底部内面に中心位置を挟んで180°離れた一対の半球状の凸部331,331をクリック感を付与するものとして形成すると共に、中心角50°の円弧状の切欠き332を形成している。
【0029】
この有底円筒状部材の底部外面は、図示しないがアンテナロッド31で得たアンテナ信号を伝搬するための端子部となっている。
【0030】
また、このジョイントアセンブリ33を回動枢支するべくアンテナベース32上部に対峙するようにして一対の枢支部32a,32bが形成されるもので、その一方32aには対峙方向を軸方向とする円孔321を形成し、他方32bの上記円孔321に相対向する内面には上記ジョイントアセンブリ33の端子部と当接されて電気的に接続される端子部322と、中心角130°の円弧状の切欠き323とを形成している。
【0031】
しかして、上記ジョイントアセンブリ33の端子部と枢支部32bの端子部322間にOリング34を介在するようにしてジョイントアセンブリ33を上記枢支部32a,32b間に位置させた状態で、枢支部32aの上記円孔321よりジョイントアセンブリ33の有底円筒状部材開口を介して、まず、その両端35a,35bが軸方向に延在されたコイル状のトーションスプリング35が挿入される。
【0032】
この場合、枢支部32b側に位置するトーションスプリング35の他端35bは、ジョイントアセンブリ33底部の上記切欠き332を介して上記枢支部32bの切欠き323に挿入される。
【0033】
一方、トーションスプリング35の一端35aは、ジョイントアセンブリ33の開口部に嵌合される係止部材36により係止され、位置が規制される。
【0034】
さらに、このトーションスプリング35内にクリックシリンダ37が挿入される。
【0035】
このクリックシリンダ37は、図2に示す如くその有底円筒状の底部外面側に、上記凸部331,331と嵌合する複数のクリック位置に対応した2対の円孔371,371,…を形成した例えばプレス加工で製造された底面プレート37aを埋設しており、またこの底面プレート37aを埋設していない開口側の外周面端部近傍には、枢支部32aの円孔321内でその軸方向と直交する面での回動を抑制するべく円孔321内周面と係合するような凹凸形状を形成しており、さらにその一部には上記トーションスプリング35の一端35aを遊貫する、中心角50°の円弧状の切欠き372を形成している。
【0036】
しかるに、このクリックシリンダ37の開口側よりコイルスプリング38を挿入した状態で、ボルト39によりこれらコイルスプリング38、クリックシリンダ37のプレート37a、枢支部32bの端子部322を貫通させ、枢支部32bの外面側よりワッシャ40を介してナット41で締付け螺合する。
【0037】
そして、一対のキャップ42,43を上記ボルト39、ナット41を隠すようにそれぞれ枢支部32a,32bの外側より嵌め込むことで、この車両用ルーフマウントアンテナ30の回動枢支構造が形成される。
【0038】
上記のような構成にあって、アンテナロッド31に外力が与えられて当該アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33が回動する場合の動作について説明する。
【0039】
図3は、上記のようにして組立された車両用ルーフマウントアンテナ30を部分的に抽出して示すもので、この図3はいずれもアンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33が上記図4で示した50°の回動位置にある状態を示す。
【0040】
図3(A−1)〜図3(A−3)は、ジョイントアセンブリ33にトーションスプリング35と係止部材36を組込んだ状態を、図3(B−1)〜図3(B−3)はさらにクリックシリンダ37を組込んだ状態を、図3(C−1)〜図3(C−3)はアンテナベース32内に上記図3(B−1)〜図3(B−3)で示した内容を組込んだ状態をそれぞれ抽出して示す。
【0041】
ここで、図3(A−1),図3(B−1),図3(C−1)はアンテナベース32の枢支部32a側から見た左側面を、図3(A−2),図3(B−2),図3(C−2)はアンテナベース32の背面を、図3(A−3),図3(B−3),図3(C−3)はアンテナベース32の枢支部32b側から見た右側面を示す。
【0042】
アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33が50°の回動状態にある時、上記図2で示した如く、クリックシリンダ37の底面プレート37aに形成された一対の円孔371,371とジョイントアセンブリ33の底部に形成された凸部331,331が当接、係合するものとする。
【0043】
また、このときトーションスプリング35の一端35aは係止部材36により一方向(図3(A−1),図3(B−1),図3(C−1)における現在の位置から左回転方向)への動きが規制されており、一方、同他端35bも枢支部32bの切欠き323により一方向(図3(C−3)における現在の位置から左回転方向)への動きが規制されているもので、若干のねじり力が発生した状態、具体的には他端35bの位置決めを行なった後、係止部材36により一端35aを若干コイルを巻き込む方向にねじり力を発生してジョイントアセンブリ33に固定すべく取付けられる。
【0044】
しかるに、上記アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33に対して図3(C−1)で矢印Aで示す方向に外力が与えられ、上記コイルスプリング38の弾性に基づく上記クリックシリンダ37の底面プレート37aに形成された一対の円孔371,371とジョイントアセンブリ33の底部に形成された凸部331,331との嵌合を保持する力を越えた場合、上記クリックの状態が解かれ、その外力に応じてアンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33の回動角度が0°以上50°未満となる。
【0045】
このとき、トーションスプリング35の他端35bは上記図3(A−3),図3(B−3),図3(C−3)で示した枢支部32bの切欠き323の左端位置からまったく移動しない反面、トーションスプリング35の一端35aは、ジョイントアセンブリ33と一体に回動する係止部材36により、アンテナベース32と一体に取付けられたクリックシリンダ37の切欠き372内に沿って、図3(C−1)で矢印Bで示す方向に移動し、その力の大きさに応じた角度分だけのさらなるねじり力をトーションスプリング35に発生する。
【0046】
したがって、アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33に与えられる外力がなくなった時点で、トーションスプリング35に蓄積されたねじり力により再び上記50°の回動角度まで自動復帰し、上記コイルスプリング38の弾性に基づく上記クリックシリンダ37の底面プレート37aに形成された一対の円孔371,371とジョイントアセンブリ33の底部に形成された凸部331,331との嵌合により、再びそれを越える外力が与えられるまで、該50°の回動角度を維持する。
【0047】
また、上記アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33に対して図3(C−3)で矢印Cで示す方向に外力が与えられ、上記コイルスプリング38の弾性に基づく上記クリックシリンダ37の底面プレート37aに形成された一対の円孔371,371とジョイントアセンブリ33の底部に形成された凸部331,331との嵌合を保持する力を越えた場合、上記クリックの状態が解かれ、その外力に応じてアンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33の回動角度が50°より大きく、180°以下となる。
【0048】
このとき、トーションスプリング35の一端35aは上記図3(A−1),図3(B−1),図3(C−1)で示した係止部材36により規制された上端位置にあってジョイントアセンブリ33と一体に回動する反面、トーションスプリング35の他端35bは、ジョイントアセンブリ33の底部に形成された切欠き332の端部により、アンテナベース32の枢支部32bの切欠き323内に沿って、図3(C−3)で同じく矢印Cで示す方向に移動し、その力の大きさに応じた角度分だけのさらなるねじり力をトーションスプリング35に発生する。
【0049】
したがって、アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33に与えられる外力がなくなった時点で、トーションスプリング35に蓄積されたねじり力により再び上記50°の回動角度まで自動復帰し、上記コイルスプリング38の弾性に基づく上記クリックシリンダ37の底面プレート37aに形成された一対の円孔371,371とジョイントアセンブリ33の底部に形成された凸部331,331との嵌合により、再びそれを越える外力が与えられるまで、該50°の回動角度を維持する。
【0050】
このように、クリック感を付与した構造としたため、アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33にある程度までの外力が与えられても一定の取付角度(例えば50°)を保持する反面、上記クリック感を付与するコイルスプリング38の弾性を越えるような、ある一定以上の外力が与えられた場合にはアンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33の取付角度を容易に可変して外力による破損を回避し、外力が与えられなくなった時点で自動的に元の取付角度に復帰する。
【0051】
なお、上記図2に示した如く、クリックシリンダ37の底面プレート37aには2対の円孔371,371,…を形成し、アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33が50°の回動角度のみならず、0°と180°の回動角度でもクリック感が得られるようにしている。
【0052】
したがって、この車両用ルーフマウントアンテナ30のユーザが、あえて手動によりアンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33を0°または180°の回動角度まで操作し、上記50°の回動角度に自動的に復帰しないように一時的に収納した状態とすることにより、例えばこの車両用ルーフマウントアンテナ30を取付けた車両の洗車時等では、アンテナロッド31が邪魔になることもなく、その後も簡単な操作で再び元の一定の回動角度に自動復帰させることができ、より使い勝手を向上することができる。
【0053】
なお、上記実施の形態では、アンテナロッド31及びジョイントアセンブリ33の回動角度が50°の位置に自動的に復帰するものとしたが、本発明はその角度について限定するものではなく、任意に設定することができることは言うまでもない。
【0054】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0055】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0056】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ある程度までの外力が与えられても一定の取付角度を保持する反面、ある一定以上の外力が与えられた場合には容易に取付角度を可変して外力による破損を回避し、外力が与えられなくなった時点で自動的に元の取付角度に復帰することが可能となる。
【0057】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、例えば取付車両の洗車時等では、あえて手動操作で上記一定の取付角度以外の取付角度を固定的に保持させてアンテナロッドを収納状態とし、その後も簡単な操作で再び元の一定の取付角度に自動復帰するようにしたので、必要に応じて一時的にアンテナロッドを収納状態としておくことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る車両用ルーフマウントアンテナのアンテナマストの枢支構造を示す斜視図。
【図2】図1のジョイントアセンブリ及びクリックシリンダに設けられたクリック構造を説明する図。
【図3】同実施の形態に係る組立段階毎の主要部品を抽出して示す図。
【図4】一般的な車両用のルーフマウントアンテナの外観構成を示す斜視図。
【図5】従来の車両用ルーフマウントアンテナのアンテナマストの枢支構造を示す斜視図。
【図6】図5のジョイントアセンブリ及びクリックシリンダに設けられたクリック構造を説明する斜視図。
【符号の説明】
30…車両用ルーフマウントアンテナ、31…アンテナロッド、32…アンテナベース、32a,32b…枢支部、321…円孔、322…端子部、323…切欠き、33…ジョイントアセンブリ、331…凸部、332…切欠き、34…Oリング、35…トーションスプリング、35a…一端、35b…他端、36…係止部材、37…クリックシリンダ、37a…底面プレート、371…円孔、372…切欠き、38…コイルスプリング、39…ボルト、40…ワッシャ、41…ナット、42,43…キャップ。
Claims (2)
- アンテナロッドと、このアンテナロッドを回動自在に取付けるアンテナベースとを有する車両用ルーフマウントアンテナであって、
上記アンテナロッドの一端部に設けられた該ロッドの軸方向と直交する軸方向の有底円筒状部材からなり、この有底円筒状部材に上記アンテナロッドを定常位置から第1の方向に回動する範囲角度に対応した円弧状の切欠きを形成すると共に、同底部内面にクリック感を付与するための凹部または凸部を形成し、同底部外面にアンテナロッドと電気的に接続された端子面を形成したジョイント部と、
このジョイント部を回動枢支するべく上記アンテナベース上部に対峙し、その一方に対峙方向を軸方向とする貫通孔を形成し、他方の上記貫通孔に相対向する内面に上記ジョイント部の端子面と電気的に接続される端子部を形成し、且つこの端子部近傍の上記ジョイント部底部の円弧状切欠きと対応する位置に上記アンテナロッドの定常位置から第2の方向に回動する範囲角度に対応した円弧状の切欠きを形成した一対の枢支部と、
上記ジョイント部を上記枢支部間に位置させた状態で、枢支部の上記貫通孔よりジョイント部の有底円筒状部材開口を介して挿入され、その軸方向と平行に延在された一端が上記ジョイント部底部内面の円弧状切欠きを介して上記枢支部の他方に形成された円弧状切欠きに挿入され、その軸方向と平行に延在された他端が上記ジョイント部に係止されて一方の回動方向にのみ規制されたコイル状のトーションスプリングと、
上記ジョイント部を上記枢支部間に位置させ、上記トーションスプリングをその有底円筒状部材開口より挿入した状態で、該トーションスプリング内に同軸的に挿入され、その有底円筒状の底部外面に上記ジョイント部底部内面の凹部または凸部と嵌合する複数のクリック位置に対応した凸部または凹部を形成し、その軸方向と直交する面での回動を上記枢支部の上記貫通孔との係合により抑制され、且つ上記トーションスプリングの他端が挿入される、上記アンテナロッドの定常位置から第2の方向に回動する範囲角度に対応した円弧状の切欠きを形成したクリックシリンダと、
このクリックシリンダ内に挿入されるコイルスプリングと、
上記コイルスプリング、クリックシリンダの底部、トーションスプリング、ジョイント部の底部、枢支部の他方側のアンテナ端子部を貫通して螺合され、その締付けにより調整される上記コイルスプリングの弾性により、上記クリックシリンダの底部外面とジョイント部の底部内面間の当接圧力、及び上記ジョイント部の底部外面の端子部と上記枢支部他方側内面の端子部間の当接圧力を調整可能としたボルト及びナットと
を具備したことを特徴とする車両用ルーフマウントアンテナ。 - 上記クリックシリンダは、その有底円筒状の底部外面に上記ジョイント部底部内面の凹部または凸部と嵌合する複数のクリック位置に対応した凸部または凹部を形成したことを特徴とする請求項1記載の車両用ルーフマウントアンテナ。
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