JP2004356319A - 超音波接合用銅材 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅材同士又は銅材を有するプリント配線基板同士を超音波接合させる技術において、簡便・安価であり、かつ高い接合強度を得ることができる接合方法を提供することである。
【解決手段】銅材を還元処理溶液に接触させて銅材の表面を処理することによって、表面に極薄の酸化膜が形成され、銅微粒子が付着している超音波接合に適した銅材を得ることができる。また、この銅材同士又はこの銅材を有するプリント配線基板同士を超音波接合させることによって高い接合強度を持った超音波接合物を得ることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】銅材を還元処理溶液に接触させて銅材の表面を処理することによって、表面に極薄の酸化膜が形成され、銅微粒子が付着している超音波接合に適した銅材を得ることができる。また、この銅材同士又はこの銅材を有するプリント配線基板同士を超音波接合させることによって高い接合強度を持った超音波接合物を得ることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅材と銅材の超音波接合技術に関するものであり、プリント配線基板上の銅箔の接合等の技術分野において利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、電子回路の高密度化、プリント配線基板上の配線の狭ピッチ化が進んでいる。このため、これらの技術において金属材同士を接合する方法として、従来のハンダ付けにとって代わり、超音波接合が多く用いられるようになってきている。超音波接合とは、周知のごとく、第1の部材を第2の部材に対して圧力を加えながら超音波振動させることにより、その接触面に発生した摩擦熱により両部材を溶着させる方法である。超音波接合によって金属材同士を接合する場合、接合性あるいは接合部の強度は、金属の種類によって大きく異なっている。例えば、金は表面に酸化膜が形成されにくいため、金属材同士を超音波接合すると、その接合性は良好である。これに対し、銅は大気中で酸化され易く、表面に酸化膜が形成され易いため、銅材同士を超音波接合しても、その接合性は良くない。
【0003】
特に、フレキシブルプリント配線基板(以下、「FPC」という。)同士を接合させるため、FPC上に金属配線として形成されている銅箔同士に超音波接合を試みると、FPCの樹脂に起因して過大な圧力が必要となる。このような圧力の下では、銅材同士が接合される前に樹脂が破壊されてしまう。そこで、通常、プリント配線基板同士を超音波接合させる場合は、接合部の銅材の上に金メッキを施して超音波接合を行っている。
また、超音波接合を用いて高い接合強度を得るための方法として、接合部に突起を設けてそこに超音波振動のエネルギーを集中させて圧力を増加させる方法(特許文献1参照)や、FPCの金属配線をメッキ法により形成する際、メッキを硬メッキと軟メッキの2段構成とする方法(特許文献2参照)や、FPCの超音波による接合部位の基材フィルムを除去する方法(特許文献3参照)や、超音波接合の後に接合部にレーザービームを照射して熱を加える方法(特許文献4参照)等がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−277882号公報
【特許文献2】
特開2001−144206号公報
【特許文献3】
特開2001−119145号公報
【特許文献4】
特開平6−132643号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際には、上述した技術はいずれも工程が複雑であるため、超音波接合を用いて高い接合強度が得られたとしても、接合物の製造コストが高いという問題があった。
【0006】
従って、本発明の課題は、銅材同士又は銅材を有するプリント配線基板同士を超音波接合させる技術において、簡便・安価であり、かつ高い接合強度を得ることができる接合方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる事情において、本発明者は種々の検討を行った結果、銅材を還元処理溶液に接触させて銅材の表面を処理することによって、超音波接合に適した銅材を得ることができることを見出した。また、この銅材同士を超音波接合させることによって高い接合強度を持った銅の接合物を得ることができることを見出した。さらに、この銅材を有するプリント配線基板同士を超音波接合させることによって高い接合強度を持ったプリント配線基板の接合物を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明の第1の発明は、表面に厚さ0.5〜5nmの酸化膜が形成されていることを特徴とする超音波接合用銅材である。
【0009】
本発明の第2の発明は、表面に直径0.05〜0.5μmの銅微粒子が付着していることを特徴とする超音波接合用銅材である。
【0010】
本発明の第3の発明は、表面に厚さ0.5〜5nmの酸化膜が形成され、かつ、直径0.05〜0.5μmの銅微粒子が付着していることを特徴とする超音波接合用銅材である。
【0011】
本発明の第4の発明は、銅材を還元処理溶液に接触させて、請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を得ることを特徴とする銅材の表面処理方法である。
【0012】
本発明の第5の発明は、酸洗い後の銅材を還元処理溶液に接触させて、請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を得ることを特徴とする銅材の表面処理方法である。
【0013】
本発明の第6の発明は、還元処理溶液がヒドラジン、テトラヒドラホウ酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、アルキルアミン、ジメチルアミンボラン、ホウ化水素、ホスフィン酸、ホスフィン酸ナトリウムから選択された1種以上を含有することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の銅材の表面処理方法である。
【0014】
本発明の第7の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を超音波接合することを特徴とする銅材の接合方法である。
【0015】
本発明の第8の発明は、加圧力0.1〜3kgf/mm2、接合時間0.1〜1秒で超音波接合することを特徴とする請求項7記載の銅材の接合方法である。
【0016】
本発明の第9の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を有するプリント配線基板を超音波接合してなるプリント配線基板である。
【0017】
本発明の第10の発明は、加圧力0.1〜3kgf/mm2、接合時間1〜3秒で超音波接合してなることを特徴とする請求項9記載のプリント配線基板である。
【0018】
本発明の第11の発明は、プリント配線基板が、フレキシブルプリント配線基板、リジッドプリント配線基板のいずれか一方若しくは両方からなることを特徴とする請求項9又は請求項10記載のプリント配線基板である。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る超音波接合用銅材の一例を示すもので、この例は、銅材として銅箔を用いたものである。図中符号1は、銅箔基体を示す。この銅箔基体1は、厚さ5〜50μmの電解銅、圧延銅等の銅からなるものである。この銅箔基体1の表面には酸化膜2が形成されている。この酸化膜2は、酸化銅からなる厚さ0.5〜5nmの極めて薄い膜である。
【0020】
図2は、本発明に係る超音波接合用銅材の他の一例を示すもので、この例では、銅箔基体1の表面に直径0.05〜0.5μmの銅微粒子3が多数付着している。この銅微粒子3は、酸化銅をほとんど含まない銅からなるものである。この銅微粒子3の付着量は、銅箔基体1の表面積1mm2当たり、105〜108個の範囲とされる。
【0021】
また、これ以外の超音波接合用銅材の例としては、銅箔基体1の表面に上述の酸化膜2が形成され、かつ、銅微粒子3が多数付着しているものであってもよく、この場合は、酸化膜2の上に銅微粒子3が多数付着した状態となっている。
【0022】
このような超音波接合用銅材は、銅箔基体等の銅材を還元処理することで得ることができる。この還元処理は、銅箔基体を酸洗いした後、還元処理溶液に接触させるものである。酸洗いは、銅材に対する一般的な酸洗いの方法を用いて行われる。例えば、5〜50体積%の硫酸と1〜10体積%の過酸化水素との混合溶液に銅箔基体を浸漬し、銅箔基体表面のスケール、酸化物、油脂等を除去するとともに、銅箔基体表面を数μmエッチングする。次いで、大気中で200℃、30分加熱することによりエッチングされた新鮮な銅箔の表面に厚さ2〜10μm程の酸化銅からなる均一な酸化膜を形成する方法である。
【0023】
次の還元処理は、以下のようにして行われる。還元処理に用いられる還元処理溶液には、例えば、ヒドラジンとNaBH4との混合溶液が用いられる。ここで、ヒドラジンの濃度は10〜80質量%とされ、NaBH4の濃度は10〜80質量%とされる。これ以外の還元処理溶液としては、ホルムアルデヒド、アルキルアミン、ジメチルアミンボラン、ホウ化水素、ホスフィン酸、ホスフィン酸ナトリウム等の10〜80質量%溶液が用いられる。
【0024】
還元処理は、この還元処理溶液中に銅箔基体を浸漬させるなどして、銅箔基体を還元処理溶液に接触させることによって行われる。この時、還元処理溶液の温度は、室温〜80℃、処理時間は0〜10分程度とされる。ここで、処理時間0分とは、実際には、銅箔基体を還元処理溶液に接触させることを行わず、酸洗いのみを行うことをいう。
次いで、この溶液による還元処理の終わった銅箔基体を還元処理溶液から取り出し、乾燥させることで、超音波接合用の銅材が得られる。この乾燥に際しては、100℃以下の低温で、好ましくは窒素雰囲気中で行い、酸化膜の余分な生成を防止することが好ましい。
【0025】
還元処理には、上述の還元処理溶液中に銅箔基体を浸漬する方法以外に、還元処理溶液を銅箔基体にスプレー等で噴射する方法や、カーテンコータ等で塗布する方法等が適宜採用できる。また、銅箔基体が長尺のものでは、還元処理溶液を満たした処理槽に連続的に送り込む方法も採用できる。
【0026】
このような銅材の表面処理方法によって、銅箔基体の表面に極薄の酸化膜が形成され、あるいは、銅微粒子が析出・付着して、上述の図1あるいは図2に示すような超音波接合に適した銅材が得られる。
銅微粒子の析出は、還元溶液により酸化膜が還元されて、還元溶液中で銅イオンになり、乾燥させることで、銅イオンが還元され、表面に微粒子状に析出するものと推定される。
このような超音波接合用銅材は、後述する具体例で示されるように、通常の超音波接合条件によって強固に接合される。
【0027】
次に、この超音波接合用の銅材を用いた超音波接合法について説明する。この接合は、例えば図3に示されるように、2枚の超音波接合用の銅箔4、5の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を超音波接合機のホーン6で加圧しつつ、このホーン6から超音波振動を印加する通常の方法で行われる。
この超音波接合の条件は、加圧力が0.1〜3kgf/mm2、接合時間0.1〜1秒、振幅5〜30μmとされ、従来の方法に比べて加圧力を低く設定でき、この条件でも高い接合強度が得られる。銅箔の超音波接合においては、2枚の銅箔を挟むヤスリ目状の治具を用いているため、接合時間が1秒を超えると銅箔に穴があいてしまう場合があるので好ましくない。
【0028】
本発明において対象となるプリント配線基板としては以下のようなものがある。即ち、1)ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート等からなる基材フィルム、あるいは、エポキシガラス繊維樹脂等からなる基材樹脂板の全面に銅箔を接着した銅箔貼り材、2)この銅箔の一部をエッチングにより除去して配線部を形成した配線済み銅箔貼り材、3)基材フィルムあるいは基材樹脂板上に配線となる銅箔をアディティブ法により形成したもの等がある。
【0029】
このようなプリント配線基板を先に述べたように酸洗いし、次いで、還元処理溶液で表面処理することで、このプリント配線基板上の銅箔の表面に極薄の酸化膜が形成され、あるいは、銅微粒子が析出・付着され、超音波接合に適したプリント配線基板が得られる。
このプリント配線基板の超音波接合は、プリント配線基板の銅箔同士を重ね合わせ、上述の条件で行われる。
【0030】
本発明は、銅箔、プリント配線基板上の銅箔に限定されることなく、超音波接合可能な厚さの銅板等にも適用できる。
【0031】
このように、本発明にかかる超音波接合においては、銅材の表面を酸洗いした後、還元処理溶液により還元処理することによって、銅材の表面の酸化膜の厚さを薄くし、銅材の表面に銅の微粒子を析出させた後に超音波接合を行っているため、接合強度の高い銅の接合物を得ることができる。また、この方法を用いれば、接合強度の高いプリント配線基板の接合物を得ることができる。
【0032】
本発明の作用・効果を確認するために以下の具体例を示す。
〈具体例1〉
2枚の銅箔を表面処理し、次いで超音波接合によって接合し、接合物の接合強度を測定することにより接合物を評価した。
銅箔は、幅10mm、長さ30mm、厚さ35μmのものを用いた。表面処理の方法は、実施の形態において説明した還元処理の方法を用い、比較例として、酸洗いの方法、酸化膜厚づけの方法の2種を用いた。
酸洗いの方法では、溶液:コブラエッチング(硫酸+過酸化水素系の薬液;荏原電産社製)をエッチング速度2μm/分となるように調整し、1μmエッチングした後、銅箔を水洗いして、室温で乾燥させた。
酸化膜厚づけの方法では、上記と同様の方法で酸洗いを行った後、銅箔を200℃の炉に投入し、約30分の熱処理を行った。
還元処理の方法では、上記と同様の方法で酸洗いを行った後、銅箔をヒドラジン(濃度70質量%)の溶液に10秒間浸した後、取り出して室温で乾燥させた。
次いで、上記の方法で表面処理した2枚の銅箔を重ね合わせ超音波接合を行った。図3に本具体例における超音波接合の様子を表した模式図を示す。符号4及び5は銅箔を表している。符号6は超音波振動を伝達するホーンを表している。銅箔4及び銅箔5をそれぞれの端部で重ね合わせホーン6を押し付けて超音波振動を印加させることで超音波接合を行う。本実施例においては、ホーン6の接触部の大きさは6mm×0.5mmであった。ホーン6の表面には滑り止めのローレット加工が施され、ホーン6の加工ピッチは0.2mmであった。2枚の銅箔4及び5は、振幅20μm、加圧力3kgf/mm2、接合時間0.5秒の接合条件で接合した。
次いで、2枚の銅箔の接合物の両端を引っ張り、接合部が破断する時の荷重(破断荷重)を測定することにより、接合強度の評価をした。図4に本実施例における2枚の銅箔の接合物の引っ張りの状態を表した模式図を示す。また、図5に3種の表面処理方法とそれぞれの表面処理方法に対する接合物の破断荷重の関係を示す。
図5からわかるように、還元処理の方法を用いた銅箔の超音波接合物が最も高い接合強度を示した。
【0033】
〈具体例2〉
具体例1における銅箔の接合性のメカニズムを解明するため、3種の表面処理方法について、それぞれの表面処理をした後の銅箔の酸化膜の厚さを測定した。酸化膜の厚さは、オージェ電子分光の深さプロファイルの方法で測定した。
図6に3種の表面処理方法に対する銅箔の酸化膜の厚さと接合物の破断荷重の関係を示す。この図からわかるように、接合物の接合強度と酸化膜の厚さの間には緩やかな相関関係が成立し、酸化膜が薄くなるほど、接合物の接合強度が高いことがわかった。
【0034】
〈具体例3〉
具体例1において還元処理の方法による銅箔の表面を観察したところ、表面に銅の微粒子が析出していることがわかった。そこで還元処理の条件を変えて、銅の微粒子を析出させない状態にして銅箔を接合し、具体例1と同様に破断荷重を測定した。銅箔を還元処理溶液で処理した後、還元剤をつけて水洗いすると銅微粒子は析出しなくなる。図7に、酸洗いの方法と銅の微粒子を析出させない還元処理の方法と銅の微粒子を析出させる還元処理の方法の3種の表面処理方法とそれぞれの表面処理方法に対する接合物の破断荷重の関係を示す。この図からわかるように、銅箔の表面に銅の微粒子を析出させることにより、接合物の接合強度が向上していることがわかった。
【0035】
〈具体例4〉
具体例1から3の結果により、還元処理の方法が銅箔の接合性向上に有効であることがわかった。そこでFPCにおいても同様の効果が得られるかどうかを以下の具体例で確認した。
本具体例においては、ポリイミドと接着剤と銅箔の3層からなる幅10mm、長さ30mmのFPC(ポリイミド/接着剤/銅箔の厚さはそれぞれ25μm/20μm/35μm)を用い、接触部の大きさが6mm×0.5mmのホーンを用いた。
このFPCについて、還元処理の方法で表面処理をし、比較例として酸洗いの方法で表面処理をし、具体例1と同様の方法で2枚のFPCを超音波接合させた。本具体例では2枚のFPCは、振幅20μm、加圧力3kgf/mm2、接合時間0.5、1.0、1.5、2.0、3.0秒の接合条件で接合した。 次いで、2枚のFPCの接合物の両端を引っ張り、接合部が破断する時の加重(破断加重)を測定することにより、接合強度の評価をした。図8に2種の表面処理方法における接合時間と接合物の破断荷重の関係を示す。図8からわかるように、酸洗いの方法においては、FPC上の銅箔の超音波接合が不可能であったのに対し、還元処理の方法においては、FPC上での銅箔の超音波接合の接合強度が高いことがわかった。本実施例においては、接合時間が3秒を超えると樹脂と銅箔とのはく離が発生してしまうことが分かった。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、銅材を還元処理溶液に接触させて銅材の表面を処理することによって、表面に極薄の酸化膜が形成され、銅微粒子が付着している超音波接合に適した銅材を得ることができる。また、この銅材同士を超音波接合させることによって高い接合強度を持った銅の接合物を得ることができる。さらに、この銅材を有するプリント配線基板同士を超音波接合させることによって高い接合強度を持ったプリント配線基板の接合物を得ることができる。また、本発明における銅材の表面処理方法は簡便であり、低い製造コストで高い接合強度を持つ銅の接合物やプリント配線基板の接合物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波接合用銅材の一例を示す模式図である。
【図2】本発明に係る超音波接合用銅材の他の一例を示す模式図である。
【図3】本発明に係る超音波接合方法の一例を示す模式図である。
【図4】本発明における超音波接合物の引張試験の状態を表した模式図である。
【図5】酸洗い、酸化膜厚づけ、還元処理の3種の表面処理方法とそれぞれの表面処理方法に対する接合物の破断荷重の関係を示すグラフである。
【図6】酸洗い、酸化膜厚づけ、還元処理の3種の表面処理方法に対する銅箔の酸化膜の厚さと接合物の破断荷重の関係を示すグラフである。
【図7】酸洗いの方法と銅の微粒子を析出させない還元処理の方法と銅の微粒子を析出させる還元処理の方法の3種の表面処理方法とそれぞれの表面処理方法に対する接合物の破断荷重の関係を示すグラフである。
【図8】酸洗いの方法と還元処理の方法の2種の表面処理方法における接合時間と接合物の破断荷重の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2・・・酸化膜、3・・・銅微粒子
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅材と銅材の超音波接合技術に関するものであり、プリント配線基板上の銅箔の接合等の技術分野において利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、電子回路の高密度化、プリント配線基板上の配線の狭ピッチ化が進んでいる。このため、これらの技術において金属材同士を接合する方法として、従来のハンダ付けにとって代わり、超音波接合が多く用いられるようになってきている。超音波接合とは、周知のごとく、第1の部材を第2の部材に対して圧力を加えながら超音波振動させることにより、その接触面に発生した摩擦熱により両部材を溶着させる方法である。超音波接合によって金属材同士を接合する場合、接合性あるいは接合部の強度は、金属の種類によって大きく異なっている。例えば、金は表面に酸化膜が形成されにくいため、金属材同士を超音波接合すると、その接合性は良好である。これに対し、銅は大気中で酸化され易く、表面に酸化膜が形成され易いため、銅材同士を超音波接合しても、その接合性は良くない。
【0003】
特に、フレキシブルプリント配線基板(以下、「FPC」という。)同士を接合させるため、FPC上に金属配線として形成されている銅箔同士に超音波接合を試みると、FPCの樹脂に起因して過大な圧力が必要となる。このような圧力の下では、銅材同士が接合される前に樹脂が破壊されてしまう。そこで、通常、プリント配線基板同士を超音波接合させる場合は、接合部の銅材の上に金メッキを施して超音波接合を行っている。
また、超音波接合を用いて高い接合強度を得るための方法として、接合部に突起を設けてそこに超音波振動のエネルギーを集中させて圧力を増加させる方法(特許文献1参照)や、FPCの金属配線をメッキ法により形成する際、メッキを硬メッキと軟メッキの2段構成とする方法(特許文献2参照)や、FPCの超音波による接合部位の基材フィルムを除去する方法(特許文献3参照)や、超音波接合の後に接合部にレーザービームを照射して熱を加える方法(特許文献4参照)等がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−277882号公報
【特許文献2】
特開2001−144206号公報
【特許文献3】
特開2001−119145号公報
【特許文献4】
特開平6−132643号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際には、上述した技術はいずれも工程が複雑であるため、超音波接合を用いて高い接合強度が得られたとしても、接合物の製造コストが高いという問題があった。
【0006】
従って、本発明の課題は、銅材同士又は銅材を有するプリント配線基板同士を超音波接合させる技術において、簡便・安価であり、かつ高い接合強度を得ることができる接合方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる事情において、本発明者は種々の検討を行った結果、銅材を還元処理溶液に接触させて銅材の表面を処理することによって、超音波接合に適した銅材を得ることができることを見出した。また、この銅材同士を超音波接合させることによって高い接合強度を持った銅の接合物を得ることができることを見出した。さらに、この銅材を有するプリント配線基板同士を超音波接合させることによって高い接合強度を持ったプリント配線基板の接合物を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明の第1の発明は、表面に厚さ0.5〜5nmの酸化膜が形成されていることを特徴とする超音波接合用銅材である。
【0009】
本発明の第2の発明は、表面に直径0.05〜0.5μmの銅微粒子が付着していることを特徴とする超音波接合用銅材である。
【0010】
本発明の第3の発明は、表面に厚さ0.5〜5nmの酸化膜が形成され、かつ、直径0.05〜0.5μmの銅微粒子が付着していることを特徴とする超音波接合用銅材である。
【0011】
本発明の第4の発明は、銅材を還元処理溶液に接触させて、請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を得ることを特徴とする銅材の表面処理方法である。
【0012】
本発明の第5の発明は、酸洗い後の銅材を還元処理溶液に接触させて、請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を得ることを特徴とする銅材の表面処理方法である。
【0013】
本発明の第6の発明は、還元処理溶液がヒドラジン、テトラヒドラホウ酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、アルキルアミン、ジメチルアミンボラン、ホウ化水素、ホスフィン酸、ホスフィン酸ナトリウムから選択された1種以上を含有することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の銅材の表面処理方法である。
【0014】
本発明の第7の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を超音波接合することを特徴とする銅材の接合方法である。
【0015】
本発明の第8の発明は、加圧力0.1〜3kgf/mm2、接合時間0.1〜1秒で超音波接合することを特徴とする請求項7記載の銅材の接合方法である。
【0016】
本発明の第9の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を有するプリント配線基板を超音波接合してなるプリント配線基板である。
【0017】
本発明の第10の発明は、加圧力0.1〜3kgf/mm2、接合時間1〜3秒で超音波接合してなることを特徴とする請求項9記載のプリント配線基板である。
【0018】
本発明の第11の発明は、プリント配線基板が、フレキシブルプリント配線基板、リジッドプリント配線基板のいずれか一方若しくは両方からなることを特徴とする請求項9又は請求項10記載のプリント配線基板である。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る超音波接合用銅材の一例を示すもので、この例は、銅材として銅箔を用いたものである。図中符号1は、銅箔基体を示す。この銅箔基体1は、厚さ5〜50μmの電解銅、圧延銅等の銅からなるものである。この銅箔基体1の表面には酸化膜2が形成されている。この酸化膜2は、酸化銅からなる厚さ0.5〜5nmの極めて薄い膜である。
【0020】
図2は、本発明に係る超音波接合用銅材の他の一例を示すもので、この例では、銅箔基体1の表面に直径0.05〜0.5μmの銅微粒子3が多数付着している。この銅微粒子3は、酸化銅をほとんど含まない銅からなるものである。この銅微粒子3の付着量は、銅箔基体1の表面積1mm2当たり、105〜108個の範囲とされる。
【0021】
また、これ以外の超音波接合用銅材の例としては、銅箔基体1の表面に上述の酸化膜2が形成され、かつ、銅微粒子3が多数付着しているものであってもよく、この場合は、酸化膜2の上に銅微粒子3が多数付着した状態となっている。
【0022】
このような超音波接合用銅材は、銅箔基体等の銅材を還元処理することで得ることができる。この還元処理は、銅箔基体を酸洗いした後、還元処理溶液に接触させるものである。酸洗いは、銅材に対する一般的な酸洗いの方法を用いて行われる。例えば、5〜50体積%の硫酸と1〜10体積%の過酸化水素との混合溶液に銅箔基体を浸漬し、銅箔基体表面のスケール、酸化物、油脂等を除去するとともに、銅箔基体表面を数μmエッチングする。次いで、大気中で200℃、30分加熱することによりエッチングされた新鮮な銅箔の表面に厚さ2〜10μm程の酸化銅からなる均一な酸化膜を形成する方法である。
【0023】
次の還元処理は、以下のようにして行われる。還元処理に用いられる還元処理溶液には、例えば、ヒドラジンとNaBH4との混合溶液が用いられる。ここで、ヒドラジンの濃度は10〜80質量%とされ、NaBH4の濃度は10〜80質量%とされる。これ以外の還元処理溶液としては、ホルムアルデヒド、アルキルアミン、ジメチルアミンボラン、ホウ化水素、ホスフィン酸、ホスフィン酸ナトリウム等の10〜80質量%溶液が用いられる。
【0024】
還元処理は、この還元処理溶液中に銅箔基体を浸漬させるなどして、銅箔基体を還元処理溶液に接触させることによって行われる。この時、還元処理溶液の温度は、室温〜80℃、処理時間は0〜10分程度とされる。ここで、処理時間0分とは、実際には、銅箔基体を還元処理溶液に接触させることを行わず、酸洗いのみを行うことをいう。
次いで、この溶液による還元処理の終わった銅箔基体を還元処理溶液から取り出し、乾燥させることで、超音波接合用の銅材が得られる。この乾燥に際しては、100℃以下の低温で、好ましくは窒素雰囲気中で行い、酸化膜の余分な生成を防止することが好ましい。
【0025】
還元処理には、上述の還元処理溶液中に銅箔基体を浸漬する方法以外に、還元処理溶液を銅箔基体にスプレー等で噴射する方法や、カーテンコータ等で塗布する方法等が適宜採用できる。また、銅箔基体が長尺のものでは、還元処理溶液を満たした処理槽に連続的に送り込む方法も採用できる。
【0026】
このような銅材の表面処理方法によって、銅箔基体の表面に極薄の酸化膜が形成され、あるいは、銅微粒子が析出・付着して、上述の図1あるいは図2に示すような超音波接合に適した銅材が得られる。
銅微粒子の析出は、還元溶液により酸化膜が還元されて、還元溶液中で銅イオンになり、乾燥させることで、銅イオンが還元され、表面に微粒子状に析出するものと推定される。
このような超音波接合用銅材は、後述する具体例で示されるように、通常の超音波接合条件によって強固に接合される。
【0027】
次に、この超音波接合用の銅材を用いた超音波接合法について説明する。この接合は、例えば図3に示されるように、2枚の超音波接合用の銅箔4、5の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を超音波接合機のホーン6で加圧しつつ、このホーン6から超音波振動を印加する通常の方法で行われる。
この超音波接合の条件は、加圧力が0.1〜3kgf/mm2、接合時間0.1〜1秒、振幅5〜30μmとされ、従来の方法に比べて加圧力を低く設定でき、この条件でも高い接合強度が得られる。銅箔の超音波接合においては、2枚の銅箔を挟むヤスリ目状の治具を用いているため、接合時間が1秒を超えると銅箔に穴があいてしまう場合があるので好ましくない。
【0028】
本発明において対象となるプリント配線基板としては以下のようなものがある。即ち、1)ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート等からなる基材フィルム、あるいは、エポキシガラス繊維樹脂等からなる基材樹脂板の全面に銅箔を接着した銅箔貼り材、2)この銅箔の一部をエッチングにより除去して配線部を形成した配線済み銅箔貼り材、3)基材フィルムあるいは基材樹脂板上に配線となる銅箔をアディティブ法により形成したもの等がある。
【0029】
このようなプリント配線基板を先に述べたように酸洗いし、次いで、還元処理溶液で表面処理することで、このプリント配線基板上の銅箔の表面に極薄の酸化膜が形成され、あるいは、銅微粒子が析出・付着され、超音波接合に適したプリント配線基板が得られる。
このプリント配線基板の超音波接合は、プリント配線基板の銅箔同士を重ね合わせ、上述の条件で行われる。
【0030】
本発明は、銅箔、プリント配線基板上の銅箔に限定されることなく、超音波接合可能な厚さの銅板等にも適用できる。
【0031】
このように、本発明にかかる超音波接合においては、銅材の表面を酸洗いした後、還元処理溶液により還元処理することによって、銅材の表面の酸化膜の厚さを薄くし、銅材の表面に銅の微粒子を析出させた後に超音波接合を行っているため、接合強度の高い銅の接合物を得ることができる。また、この方法を用いれば、接合強度の高いプリント配線基板の接合物を得ることができる。
【0032】
本発明の作用・効果を確認するために以下の具体例を示す。
〈具体例1〉
2枚の銅箔を表面処理し、次いで超音波接合によって接合し、接合物の接合強度を測定することにより接合物を評価した。
銅箔は、幅10mm、長さ30mm、厚さ35μmのものを用いた。表面処理の方法は、実施の形態において説明した還元処理の方法を用い、比較例として、酸洗いの方法、酸化膜厚づけの方法の2種を用いた。
酸洗いの方法では、溶液:コブラエッチング(硫酸+過酸化水素系の薬液;荏原電産社製)をエッチング速度2μm/分となるように調整し、1μmエッチングした後、銅箔を水洗いして、室温で乾燥させた。
酸化膜厚づけの方法では、上記と同様の方法で酸洗いを行った後、銅箔を200℃の炉に投入し、約30分の熱処理を行った。
還元処理の方法では、上記と同様の方法で酸洗いを行った後、銅箔をヒドラジン(濃度70質量%)の溶液に10秒間浸した後、取り出して室温で乾燥させた。
次いで、上記の方法で表面処理した2枚の銅箔を重ね合わせ超音波接合を行った。図3に本具体例における超音波接合の様子を表した模式図を示す。符号4及び5は銅箔を表している。符号6は超音波振動を伝達するホーンを表している。銅箔4及び銅箔5をそれぞれの端部で重ね合わせホーン6を押し付けて超音波振動を印加させることで超音波接合を行う。本実施例においては、ホーン6の接触部の大きさは6mm×0.5mmであった。ホーン6の表面には滑り止めのローレット加工が施され、ホーン6の加工ピッチは0.2mmであった。2枚の銅箔4及び5は、振幅20μm、加圧力3kgf/mm2、接合時間0.5秒の接合条件で接合した。
次いで、2枚の銅箔の接合物の両端を引っ張り、接合部が破断する時の荷重(破断荷重)を測定することにより、接合強度の評価をした。図4に本実施例における2枚の銅箔の接合物の引っ張りの状態を表した模式図を示す。また、図5に3種の表面処理方法とそれぞれの表面処理方法に対する接合物の破断荷重の関係を示す。
図5からわかるように、還元処理の方法を用いた銅箔の超音波接合物が最も高い接合強度を示した。
【0033】
〈具体例2〉
具体例1における銅箔の接合性のメカニズムを解明するため、3種の表面処理方法について、それぞれの表面処理をした後の銅箔の酸化膜の厚さを測定した。酸化膜の厚さは、オージェ電子分光の深さプロファイルの方法で測定した。
図6に3種の表面処理方法に対する銅箔の酸化膜の厚さと接合物の破断荷重の関係を示す。この図からわかるように、接合物の接合強度と酸化膜の厚さの間には緩やかな相関関係が成立し、酸化膜が薄くなるほど、接合物の接合強度が高いことがわかった。
【0034】
〈具体例3〉
具体例1において還元処理の方法による銅箔の表面を観察したところ、表面に銅の微粒子が析出していることがわかった。そこで還元処理の条件を変えて、銅の微粒子を析出させない状態にして銅箔を接合し、具体例1と同様に破断荷重を測定した。銅箔を還元処理溶液で処理した後、還元剤をつけて水洗いすると銅微粒子は析出しなくなる。図7に、酸洗いの方法と銅の微粒子を析出させない還元処理の方法と銅の微粒子を析出させる還元処理の方法の3種の表面処理方法とそれぞれの表面処理方法に対する接合物の破断荷重の関係を示す。この図からわかるように、銅箔の表面に銅の微粒子を析出させることにより、接合物の接合強度が向上していることがわかった。
【0035】
〈具体例4〉
具体例1から3の結果により、還元処理の方法が銅箔の接合性向上に有効であることがわかった。そこでFPCにおいても同様の効果が得られるかどうかを以下の具体例で確認した。
本具体例においては、ポリイミドと接着剤と銅箔の3層からなる幅10mm、長さ30mmのFPC(ポリイミド/接着剤/銅箔の厚さはそれぞれ25μm/20μm/35μm)を用い、接触部の大きさが6mm×0.5mmのホーンを用いた。
このFPCについて、還元処理の方法で表面処理をし、比較例として酸洗いの方法で表面処理をし、具体例1と同様の方法で2枚のFPCを超音波接合させた。本具体例では2枚のFPCは、振幅20μm、加圧力3kgf/mm2、接合時間0.5、1.0、1.5、2.0、3.0秒の接合条件で接合した。 次いで、2枚のFPCの接合物の両端を引っ張り、接合部が破断する時の加重(破断加重)を測定することにより、接合強度の評価をした。図8に2種の表面処理方法における接合時間と接合物の破断荷重の関係を示す。図8からわかるように、酸洗いの方法においては、FPC上の銅箔の超音波接合が不可能であったのに対し、還元処理の方法においては、FPC上での銅箔の超音波接合の接合強度が高いことがわかった。本実施例においては、接合時間が3秒を超えると樹脂と銅箔とのはく離が発生してしまうことが分かった。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、銅材を還元処理溶液に接触させて銅材の表面を処理することによって、表面に極薄の酸化膜が形成され、銅微粒子が付着している超音波接合に適した銅材を得ることができる。また、この銅材同士を超音波接合させることによって高い接合強度を持った銅の接合物を得ることができる。さらに、この銅材を有するプリント配線基板同士を超音波接合させることによって高い接合強度を持ったプリント配線基板の接合物を得ることができる。また、本発明における銅材の表面処理方法は簡便であり、低い製造コストで高い接合強度を持つ銅の接合物やプリント配線基板の接合物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波接合用銅材の一例を示す模式図である。
【図2】本発明に係る超音波接合用銅材の他の一例を示す模式図である。
【図3】本発明に係る超音波接合方法の一例を示す模式図である。
【図4】本発明における超音波接合物の引張試験の状態を表した模式図である。
【図5】酸洗い、酸化膜厚づけ、還元処理の3種の表面処理方法とそれぞれの表面処理方法に対する接合物の破断荷重の関係を示すグラフである。
【図6】酸洗い、酸化膜厚づけ、還元処理の3種の表面処理方法に対する銅箔の酸化膜の厚さと接合物の破断荷重の関係を示すグラフである。
【図7】酸洗いの方法と銅の微粒子を析出させない還元処理の方法と銅の微粒子を析出させる還元処理の方法の3種の表面処理方法とそれぞれの表面処理方法に対する接合物の破断荷重の関係を示すグラフである。
【図8】酸洗いの方法と還元処理の方法の2種の表面処理方法における接合時間と接合物の破断荷重の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2・・・酸化膜、3・・・銅微粒子
Claims (11)
- 表面に厚さ0.5〜5nmの酸化膜が形成されていることを特徴とする超音波接合用銅材。
- 表面に直径0.05〜0.5μmの銅微粒子が付着していることを特徴とする超音波接合用銅材。
- 表面に厚さ0.5〜5nmの酸化膜が形成され、かつ、直径0.05〜0.5μmの銅微粒子が付着していることを特徴とする超音波接合用銅材。
- 銅材を還元処理溶液に接触させて、請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を得ることを特徴とする銅材の表面処理方法。
- 酸洗い後の銅材を還元処理溶液に接触させて、請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を得ることを特徴とする銅材の表面処理方法。
- 還元処理溶液が、ヒドラジン、テトラヒドラホウ酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、アルキルアミン、ジメチルアミンボラン、ホウ化水素、ホスフィン酸、ホスフィン酸ナトリウムから選択された1種以上を含有することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の銅材の表面処理方法。
- 請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を超音波接合することを特徴とする銅材の接合方法。
- 加圧力0.1〜3kgf/mm2、接合時間0.1〜1秒で超音波接合することを特徴とする請求項7記載の銅材の接合方法。
- 請求項1から3のいずれか1項記載の超音波接合用銅材を有するプリント配線基板を超音波接合してなるプリント配線基板。
- 加圧力0.1〜3kgf/mm2、接合時間1〜3秒で超音波接合してなることを特徴とする請求項9記載のプリント配線基板。
- プリント配線基板が、フレキシブルプリント配線基板、リジッドプリント配線基板のいずれか一方若しくは両方からなることを特徴とする請求項9又は請求項10記載のプリント配線基板。
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