JP2004355892A - 即用式鉛蓄電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用時に放電容量が大きく、充電されやすい即用式鉛蓄電池の製造方法を提供する。
【解決手段】未化成のクラッド式正極板、未化成の負極板及びセパレータを積層した後に耳部9を溶接して極板群を作製し、該極板群を電槽4に挿入し、蓋5を溶着して鉛蓄電池を組み立て、前記電槽内に電解液を注入して電槽化成をする。電槽化成後に電解液を抜き取った後、安全弁付密封栓1で密封した後に、周囲温度が40〜60℃で1〜3ヶ月間の加熱処理をする。
【選択図】 図1
【解決手段】未化成のクラッド式正極板、未化成の負極板及びセパレータを積層した後に耳部9を溶接して極板群を作製し、該極板群を電槽4に挿入し、蓋5を溶着して鉛蓄電池を組み立て、前記電槽内に電解液を注入して電槽化成をする。電槽化成後に電解液を抜き取った後、安全弁付密封栓1で密封した後に、周囲温度が40〜60℃で1〜3ヶ月間の加熱処理をする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、即用式鉛蓄電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用鉛蓄電池や電動式フォークリフトには、補修用として図4に示されるような即用式鉛蓄電池が使用されている。これらの即用式鉛蓄電池は、運搬や保管を容易にするために電解液を注液していない状態で市場に流通させ、後日、使用時に希硫酸電解液を注液栓10から電槽4内に注液することによって、その使用を可能とするものである。なお、注液栓10は、使用中に電解液中の水分が蒸発等によって失われた場合に、水を補給するために用いられている。
そして、これらの即用式鉛蓄電池は、使用中の鉛蓄電池が寿命となった場合には、その代替・交換が容易であることが望ましい。したがって、これらの即用式鉛蓄電池は、必要に応じて、電解液を電槽内に注液することによって、短時間にその使用が可能となることを強く要求されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−042858号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した方式で作製した従来の即用式鉛蓄電池は、充電が入りにくく、放電されにくいという問題点があった。そして、この傾向は即用式鉛蓄電池を製造してから使用するまでに、長期間にわたって放置されたり、高温な雰囲気中に放置された場合に著しいことも知られている。
【0005】
この原因としては、負極活物質に不活性な硫酸鉛などの鉛酸化物の層が生成するためであると考えられている。なお、前記した不活性な鉛酸化物は、即用式鉛蓄電池内部の水分量を減らすことによって、その生成量を押さえられることも知られている。
【0006】
そこで、特開平9−190834号公報では、あらかじめ即用式鉛蓄電池の内部に吸湿性の塩をあらかじめ添加しておく手法が開示されている。しかしながら、この方法を用いると即用式鉛蓄電池の製造工程が複雑になることや、製造コストが高くなるという問題点がある。
【0007】
本発明は、一定期間の放置をし、電解液の注入直後においても充電特性や放電特性が良好であり、且つ、低コストな即用式鉛蓄電池の製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明では電槽化成後に電槽内の前記電解液を抜き取り、安全弁付密封栓で密封した後に、加熱処理をすることを特徴としている。
【0009】
すなわち、請求項1の発明では、未化成の正極板、未化成の負極板及びセパレータを積層した後に溶接して極板群を作製し、該極板群を電槽に挿入して鉛蓄電池を組み立て、前記電槽内に電解液を注入し、電槽化成をして作製する即用式鉛蓄電池の製造方法であって、前記電槽化成後に前記電槽内の前記電解液を抜き取り、安全弁付密封栓で密封した後に、加熱処理をすることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、加熱処理は、40〜60℃で行うことを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、正極板が、クラッド式正極板であることを特徴としている。
【0012】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。すなわち、後述する方式で電動式フォークリフト等に用いられている、公称容量が2V−280Ahのクラッド式鉛蓄電池を製造して比較のための実験をした。
【0013】
(実施例1〜3)
本発明による即用式鉛蓄電池の製造方法を、図1、3、4を用いて詳細に説明する。すなわち、未化成のクラッド式正極板及び未化成のペースト式負極板を用い、ポリエチレン製のセパレータを介して積層した後に、耳部9の部分をバーナ溶接して一体化して極板群を作製する。なお、前記したクラッド式正極板、ペースト式負極板及びセパレータは、従来から使用しているものである。
【0014】
図4に示すように、作製した前記極板群をポリプロピレン製の電槽4に挿入し、前記電槽4に蓋5を熱溶着法により溶着して鉛蓄電池を組み立てた後、前記蓋5の注液栓10が取り付けられる部分から比重が1.28(20℃)の希硫酸電解液を注液し、荷電量として公称容量の250%で、24時間の充電をして電槽化成をした。
【0015】
電槽化成をした鉛蓄電池は、約1時間倒立させた状態で放置し、前記蓋5に形成した注液栓10が取り付けられる部分から希硫酸電解液を抜き取り、その後に正立状態にする。そして、正立状態にしてから、後に注液栓10が取り付けられる部分に、図3に示されるようなキャップ式安全弁2を有する安全弁式密封栓1を取り付けた状態として、約50℃でそれぞれ1ヶ月、2ヶ月及び3ヶ月の放置をして、2V−280Ahの即用式クラッド式鉛蓄電池を作製した。
【0016】
なお、電槽化成後の鉛蓄電池は、正極板や負極板から酸素ガスや水素ガス等が発生することが知られており、このようなガスが発生した場合には、図3(b)に示すように、キャップ式安全弁2を通して外部にガスを放出することができる。また、キャップ式安全弁2があるために、大気中の酸素ガスなどの進入を防止することができる。
【0017】
実施例1の即用式クラッド式鉛蓄電池は、上記したように周囲温度が約50℃で1ヶ月放置後、約25℃の室温で2ヶ月放置して、後述するように作製してから3ヶ月後に補充電をし、一部の即用式クラッド式鉛蓄電池を解体し、正極活物質中の硫酸鉛量(質量%)および負極活物質中の硫酸鉛量(質量%)を測定した。
【0018】
実施例2の即用式クラッド式鉛蓄電池は、上記したように周囲温度が約50℃で2ヶ月放置後、約25℃の室温で1ヶ月放置して、後述するように作製してから3ヶ月後に補充電をし、一部の即用式クラッド式鉛蓄電池を解体し、正極活物質中の硫酸鉛量(質量%)および負極活物質中の硫酸鉛量(質量%)を測定した。
【0019】
実施例3の即用式クラッド式鉛蓄電池は、上記したように周囲温度が約50℃で3ヶ月放置後に補充電をし、後述するように一部の即用式クラッド式鉛蓄電池を解体し、正極活物質中の硫酸鉛量(質量%)および負極活物質中の硫酸鉛量(質量%)を測定した。
【0020】
(比較例)
比較例として、従来からの方法で即用式鉛蓄電池を製造した(図2、4)。すなわち、未化成のクラッド式正極板及び未化成のペースト式負極板を用い、ポリエチレン製のセパレータを介して積層した後に、集電部分をバーナ溶接して一体化して極板群を作製する。なお、前記したクラッド式正極板、ペースト式負極板及びセパレータは、従来から使用をしているものである。
【0021】
作製した前記極板群をポリプロピレン製の電槽4に挿入し、前記電槽4に蓋5を熱溶着法により溶着して鉛蓄電池を組み立てた後、前記蓋5の注液栓10が取り付けられる部分(図4)から比重が1.28(20℃)の希硫酸電解液を注液して、荷電量として公称容量の250%、24時間の充電をして電槽化成をした。
【0022】
電槽化成をした鉛蓄電池は、約1時間倒立させた状態で放置し、前記蓋5に形成した注液栓10が取り付けられる部分から電槽化成時の希硫酸電解液を抜き取り、その後に正立状態にする。そして、正立状態にしてから、従来から使用している注液栓10を取り付けて、2V−280Ahの即用式クラッド式鉛蓄電池を作製した(図2)。
【0023】
比較例の即用式クラッド式鉛蓄電池は、約25℃の室温で3ヶ月間の放置後、一部の即用式クラッド式鉛蓄電池を解体し、後述するように正極活物質中の硫酸鉛量(質量%)および負極活物質中の硫酸鉛量(質量%)を測定した。
【0024】
上述した手法で作製し、作製後3ヶ月を経過した4種類の即用式クラッド式鉛蓄電池に、注液栓10が取り付けられる部分から比重が1.28(20℃)の電解液を注液した。そして、0.05CA(14A)の定電流で24時間の補充電をする。そして、一部の電池は解体して正極活物質中及び負極活物質中の硫酸鉛量を測定した。また、残りの電池は、0.2CA(56A)の定電流で放電して放電容量を測定した。
上記した結果を表1に示す。表1より、実施例1〜3の即用式クラッド式鉛蓄電池は、放電容量が大きく、優れていることがわかる。また、充電状態で比較しても、正極活物質中の硫酸鉛量が若干少なく、負極活物質中の硫酸鉛量が少ない。すなわち、本発明に係わる実施例1〜3の電池は充電されやすいために優れていることがわかる。
【0025】
これらの結果の詳細な理由は定かではないが、電槽化成後に密封した状態で、加熱処理をすることによって、電池に悪影響を与える何らかのガスがキャップ式安全弁2を通して放出されているためと考えられる。
【0026】
なお、本実施例では、加熱処理時の温度として50℃で行ったが、40〜60℃の温度でもほぼ同様の良好な結果が得られた。また、上記した実施例ではクラッド式正極板を用いたフォークリフト用鉛蓄電池について示したが、ペースト式正極板を用いた自動車用鉛蓄電池についても同様に用いることができる。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
上述したように、本発明を用いると、使用時に放電容量が大きく、充電されやすい即用式鉛蓄電池を提供することができるために、工業上極めて優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる即用式鉛蓄電池の製造方法の概略図である。
【図2】従来の即用式鉛蓄電池の製造方法の概略図である。
【図3】本発明に係わる安全弁付密封栓の概略図である。
【図4】即用式鉛蓄電池の概略図である。
【符号の説明】
1:安全弁付密封栓、2:キャップ式安全弁、3:ガス抜き穴、4:電槽、
5:蓋、6:ストラップ、7:端子、8:極柱、9:耳部、10:注液栓
【発明の属する技術分野】
本発明は、即用式鉛蓄電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用鉛蓄電池や電動式フォークリフトには、補修用として図4に示されるような即用式鉛蓄電池が使用されている。これらの即用式鉛蓄電池は、運搬や保管を容易にするために電解液を注液していない状態で市場に流通させ、後日、使用時に希硫酸電解液を注液栓10から電槽4内に注液することによって、その使用を可能とするものである。なお、注液栓10は、使用中に電解液中の水分が蒸発等によって失われた場合に、水を補給するために用いられている。
そして、これらの即用式鉛蓄電池は、使用中の鉛蓄電池が寿命となった場合には、その代替・交換が容易であることが望ましい。したがって、これらの即用式鉛蓄電池は、必要に応じて、電解液を電槽内に注液することによって、短時間にその使用が可能となることを強く要求されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−042858号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した方式で作製した従来の即用式鉛蓄電池は、充電が入りにくく、放電されにくいという問題点があった。そして、この傾向は即用式鉛蓄電池を製造してから使用するまでに、長期間にわたって放置されたり、高温な雰囲気中に放置された場合に著しいことも知られている。
【0005】
この原因としては、負極活物質に不活性な硫酸鉛などの鉛酸化物の層が生成するためであると考えられている。なお、前記した不活性な鉛酸化物は、即用式鉛蓄電池内部の水分量を減らすことによって、その生成量を押さえられることも知られている。
【0006】
そこで、特開平9−190834号公報では、あらかじめ即用式鉛蓄電池の内部に吸湿性の塩をあらかじめ添加しておく手法が開示されている。しかしながら、この方法を用いると即用式鉛蓄電池の製造工程が複雑になることや、製造コストが高くなるという問題点がある。
【0007】
本発明は、一定期間の放置をし、電解液の注入直後においても充電特性や放電特性が良好であり、且つ、低コストな即用式鉛蓄電池の製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明では電槽化成後に電槽内の前記電解液を抜き取り、安全弁付密封栓で密封した後に、加熱処理をすることを特徴としている。
【0009】
すなわち、請求項1の発明では、未化成の正極板、未化成の負極板及びセパレータを積層した後に溶接して極板群を作製し、該極板群を電槽に挿入して鉛蓄電池を組み立て、前記電槽内に電解液を注入し、電槽化成をして作製する即用式鉛蓄電池の製造方法であって、前記電槽化成後に前記電槽内の前記電解液を抜き取り、安全弁付密封栓で密封した後に、加熱処理をすることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、加熱処理は、40〜60℃で行うことを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、正極板が、クラッド式正極板であることを特徴としている。
【0012】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。すなわち、後述する方式で電動式フォークリフト等に用いられている、公称容量が2V−280Ahのクラッド式鉛蓄電池を製造して比較のための実験をした。
【0013】
(実施例1〜3)
本発明による即用式鉛蓄電池の製造方法を、図1、3、4を用いて詳細に説明する。すなわち、未化成のクラッド式正極板及び未化成のペースト式負極板を用い、ポリエチレン製のセパレータを介して積層した後に、耳部9の部分をバーナ溶接して一体化して極板群を作製する。なお、前記したクラッド式正極板、ペースト式負極板及びセパレータは、従来から使用しているものである。
【0014】
図4に示すように、作製した前記極板群をポリプロピレン製の電槽4に挿入し、前記電槽4に蓋5を熱溶着法により溶着して鉛蓄電池を組み立てた後、前記蓋5の注液栓10が取り付けられる部分から比重が1.28(20℃)の希硫酸電解液を注液し、荷電量として公称容量の250%で、24時間の充電をして電槽化成をした。
【0015】
電槽化成をした鉛蓄電池は、約1時間倒立させた状態で放置し、前記蓋5に形成した注液栓10が取り付けられる部分から希硫酸電解液を抜き取り、その後に正立状態にする。そして、正立状態にしてから、後に注液栓10が取り付けられる部分に、図3に示されるようなキャップ式安全弁2を有する安全弁式密封栓1を取り付けた状態として、約50℃でそれぞれ1ヶ月、2ヶ月及び3ヶ月の放置をして、2V−280Ahの即用式クラッド式鉛蓄電池を作製した。
【0016】
なお、電槽化成後の鉛蓄電池は、正極板や負極板から酸素ガスや水素ガス等が発生することが知られており、このようなガスが発生した場合には、図3(b)に示すように、キャップ式安全弁2を通して外部にガスを放出することができる。また、キャップ式安全弁2があるために、大気中の酸素ガスなどの進入を防止することができる。
【0017】
実施例1の即用式クラッド式鉛蓄電池は、上記したように周囲温度が約50℃で1ヶ月放置後、約25℃の室温で2ヶ月放置して、後述するように作製してから3ヶ月後に補充電をし、一部の即用式クラッド式鉛蓄電池を解体し、正極活物質中の硫酸鉛量(質量%)および負極活物質中の硫酸鉛量(質量%)を測定した。
【0018】
実施例2の即用式クラッド式鉛蓄電池は、上記したように周囲温度が約50℃で2ヶ月放置後、約25℃の室温で1ヶ月放置して、後述するように作製してから3ヶ月後に補充電をし、一部の即用式クラッド式鉛蓄電池を解体し、正極活物質中の硫酸鉛量(質量%)および負極活物質中の硫酸鉛量(質量%)を測定した。
【0019】
実施例3の即用式クラッド式鉛蓄電池は、上記したように周囲温度が約50℃で3ヶ月放置後に補充電をし、後述するように一部の即用式クラッド式鉛蓄電池を解体し、正極活物質中の硫酸鉛量(質量%)および負極活物質中の硫酸鉛量(質量%)を測定した。
【0020】
(比較例)
比較例として、従来からの方法で即用式鉛蓄電池を製造した(図2、4)。すなわち、未化成のクラッド式正極板及び未化成のペースト式負極板を用い、ポリエチレン製のセパレータを介して積層した後に、集電部分をバーナ溶接して一体化して極板群を作製する。なお、前記したクラッド式正極板、ペースト式負極板及びセパレータは、従来から使用をしているものである。
【0021】
作製した前記極板群をポリプロピレン製の電槽4に挿入し、前記電槽4に蓋5を熱溶着法により溶着して鉛蓄電池を組み立てた後、前記蓋5の注液栓10が取り付けられる部分(図4)から比重が1.28(20℃)の希硫酸電解液を注液して、荷電量として公称容量の250%、24時間の充電をして電槽化成をした。
【0022】
電槽化成をした鉛蓄電池は、約1時間倒立させた状態で放置し、前記蓋5に形成した注液栓10が取り付けられる部分から電槽化成時の希硫酸電解液を抜き取り、その後に正立状態にする。そして、正立状態にしてから、従来から使用している注液栓10を取り付けて、2V−280Ahの即用式クラッド式鉛蓄電池を作製した(図2)。
【0023】
比較例の即用式クラッド式鉛蓄電池は、約25℃の室温で3ヶ月間の放置後、一部の即用式クラッド式鉛蓄電池を解体し、後述するように正極活物質中の硫酸鉛量(質量%)および負極活物質中の硫酸鉛量(質量%)を測定した。
【0024】
上述した手法で作製し、作製後3ヶ月を経過した4種類の即用式クラッド式鉛蓄電池に、注液栓10が取り付けられる部分から比重が1.28(20℃)の電解液を注液した。そして、0.05CA(14A)の定電流で24時間の補充電をする。そして、一部の電池は解体して正極活物質中及び負極活物質中の硫酸鉛量を測定した。また、残りの電池は、0.2CA(56A)の定電流で放電して放電容量を測定した。
上記した結果を表1に示す。表1より、実施例1〜3の即用式クラッド式鉛蓄電池は、放電容量が大きく、優れていることがわかる。また、充電状態で比較しても、正極活物質中の硫酸鉛量が若干少なく、負極活物質中の硫酸鉛量が少ない。すなわち、本発明に係わる実施例1〜3の電池は充電されやすいために優れていることがわかる。
【0025】
これらの結果の詳細な理由は定かではないが、電槽化成後に密封した状態で、加熱処理をすることによって、電池に悪影響を与える何らかのガスがキャップ式安全弁2を通して放出されているためと考えられる。
【0026】
なお、本実施例では、加熱処理時の温度として50℃で行ったが、40〜60℃の温度でもほぼ同様の良好な結果が得られた。また、上記した実施例ではクラッド式正極板を用いたフォークリフト用鉛蓄電池について示したが、ペースト式正極板を用いた自動車用鉛蓄電池についても同様に用いることができる。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
上述したように、本発明を用いると、使用時に放電容量が大きく、充電されやすい即用式鉛蓄電池を提供することができるために、工業上極めて優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる即用式鉛蓄電池の製造方法の概略図である。
【図2】従来の即用式鉛蓄電池の製造方法の概略図である。
【図3】本発明に係わる安全弁付密封栓の概略図である。
【図4】即用式鉛蓄電池の概略図である。
【符号の説明】
1:安全弁付密封栓、2:キャップ式安全弁、3:ガス抜き穴、4:電槽、
5:蓋、6:ストラップ、7:端子、8:極柱、9:耳部、10:注液栓
Claims (3)
- 未化成の正極板、未化成の負極板及びセパレータを積層した後に溶接して極板群を作製し、該極板群を電槽に挿入して鉛蓄電池を組み立て、前記電槽内に電解液を注入し、電槽化成をして作製する即用式鉛蓄電池の製造方法であって、前記電槽化成後に前記電槽内の前記電解液を抜き取り、安全弁付密封栓で密封した後に、加熱処理をすることを特徴とする即用式鉛蓄電池の製造方法。
- 前記加熱処理は、40〜60℃で行うことを特徴とする請求項1記載の即用式鉛蓄電池の製造方法。
- 前記正極板が、クラッド式正極板であることを特徴とする請求項1又は2記載の即用式鉛蓄電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003150565A JP2004355892A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 即用式鉛蓄電池の製造方法 |
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JP2003150565A JP2004355892A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 即用式鉛蓄電池の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004355892A true JP2004355892A (ja) | 2004-12-16 |
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ID=34046331
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JP (1) | JP2004355892A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102569908A (zh) * | 2012-01-18 | 2012-07-11 | 广西大学 | 阀控密封式免维护铅酸蓄电池装配方法 |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003150565A patent/JP2004355892A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102569908A (zh) * | 2012-01-18 | 2012-07-11 | 广西大学 | 阀控密封式免维护铅酸蓄电池装配方法 |
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