JP2004355658A - 表面形状認識装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 予め被対象物から得られたその照合対象表面全体の凹凸を示すテンプレートデータを記憶回路9に記憶しておき、表面形状検出回路7において、被対象物の照合対象表面の一部領域の凹凸を電気的に検出し、その凹凸を示す検出データと、記憶回路9から読み出したテンプレートデータの一部分を示す照合データとを比較し、この比較結果に基づき制御回路8で被対象物の認証判定を行う。表面形状検出回路に対する被対象物の位置を検出し、検出された被対象物の位置に応じてテンプレートデータの対応する領域から照合データを読み出す。
【選択図】 図11
Description
また、盗難やカードの不正使用の防御策のための認証技術についても研究開発が活発になっているのが実情である(例えば、非特許文献1など参照)。 このような認証方式としては、指紋や声紋など種々の方式があるが、中でも、指紋認証技術については、これまで多くの技術開発がなされている。
光学的に読みとる方式は、主に光の反射とCCDを用い指紋データを取り込み照合を行う方式である(例えば、特許文献1など参照)。
指の指紋の圧力差を読みとるために圧電薄膜を利用した方式も開発されている(例えば、特許文献2など参照)。
また、同じように、皮膚の接触により生じる電気特性の変化を電気信号の分布に置き換えて指紋を検出する方式として、感圧シートを用い抵抗変化量もしくは容量変化量による認証方式が提案されている(例えば、特許文献3など参照)。
次に、感圧シートなどを用いて指の凹凸を感知する方式は、材料が特殊であることや加工性のむずかしさから実用化が難しいことや信頼性に乏しいことが考えられる。
一方、LSI製造技術を用いた容量型の指紋センサも提案されている(例えば、非特許文献2など参照)。
この容量型センサは、LSI配線の最上層に2枚のプレートを形成し、その上にパシベーション膜を形成したものである。
皮膚の表面が第3のプレートとして機能し、空気からなる絶縁層で隔離され、その距離の違いでセンシングを行うことにより指紋を検出するものである。
この構造は、従来の光学式に比較し、特殊なインターフェイスが不要なことや小型化が可能なことが特徴である。
第一は、システム構築において、LSIの開発の歩留まりを考えるとコストが高くなるという問題であり、第二は、接触面積が小さければ壊れる確率が低いこと、機械的ストレスに強いことを考慮すると、容積が大きいために信頼性の観点から壊れやすいという問題である。
すなわち、従来の認識装置では、図17に示すように、センサ部分の表面積が大きいセンサ回路装置81と照合処理回路装置82とメモリ回路装置83をマルチチップ実装して認証している。
したがって、センサ回路装置81部分の面積が大きくなり、低コスト化の障害となっている。
もちろん、マルチチップ実装でなくワンチップ化したとしてもチップ面積が大きくなることは避けられず、LSIの歩留まりの観点からコスト大になるのは明らかであり、信頼性の観点からも問題であることは明らかである。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、人問の指紋や動物の鼻紋など微細な凹凸の表面形状を、比較的小さい検出面積で認識できるとともに、低コスト化と信頼性を確保できる表面形状認識処理装置を提供することを目的としている。
さらに、記憶回路に被対象物から得られた複数のテンプレートデータを記憶しておき、制御回路で、これらテンプレートデータと被対象物との認証判定を行うようにしてもよい。
照合データを取り込むタイミングについては、所定のタイミング信号を出力するタイミング発生回路を設け、制御回路で、このタイミング発生回路からのタイミング信号に応じて表面形状検出回路へ検出データの取得を指示し、得られた検出データの比較結果を用いて被対象物の認証判定を行うようにしたものである。
上記タイミング発生回路については、被対象物が表面形状検出回路へ接触したことを検出し、その検出に応じてタイミング信号を出力する接触センサ回路を用いてもよく、所定期間ごとにタイミング信号を出力するタイマ回路や、被対象物が表面形状検出回路へ接触しながら移動した移動量を検出し、その移動量に応じてタイミング信号を出力する移動センサ回路を用いてもよい。
また、各回路のうち、少なくとも記憶回路を他の回路とは異なるチップに形成し、これら記憶回路のチップおよび他の回路のチップを同一基板上に実装するようにしてもよい。
保持回路としては、RAM(ランダムアクセスメモリ)を用いてもよく、記憶回路としては、不揮発性メモリを用いてもよい。
テンプレートデータとして、被対象物の全照合対象表面以上の検出面積を有する大型センサで検出したデータを用いるようにしてもよく、比較的接触面積の大きい光学式センサまたは半導体センサで検出したデータや、被対象物の全照合対象表面より小さい検出面積を有するセンサでその照合対象表面を分割して複数の分割データを検出し、これら分割データを合成して得られたデータを用いるようにしてもよい。
その際、表面形状検出回路で、被対象物の異なる位置から検出データを個別に検出して出力し、制御回路で、これら複数の検出データごとにテンプレートデータとの照合判定を行い、各検出データとテンプレートデータとの照合判定結果のうち、一致の数および不一致の数をそれぞれに対応する調整可能な設定値と比較した結果に基づき被対象物の認証判定を行うようにしたものである。あるいは、表面形状検出回路の周部に配置された複数の接触センサ回路からなり、表面形状検出回路に対する被対象物の位置を検出する位置検出回路を備え、制御回路で、この位置検出回路で検出された被対象物の位置に応じて、テンプレートデータの対応する領域から照合データを読み出すようにしたものである。
これにより、人間の指紋や動物の鼻紋など微細な凹凸の表面形状を比較的小さい表面積で認識できるとともに、低コスト化と信頼性を確保できる。
図1は本発明の第1の実施の形態である表面形状認識装置のブロック図であり、(a)は装置全体、(b)は信号処理回路部分を示している。
なお、本実施の形態では、半導体集積技術により各回路部が1チップの半導体集積回路装置10に実装されている。
図1(a)において、表面形状検出回路7は、マトリクス状に配置された多数のセンサ素子1からなるセンサ2(半導体センサ)と、これらセンサ素子1ごとに近接してそれぞれ設けられた信号処理回路3から構成されている。
この場合、センサ素子1は、被対象物の照合対象表面の全部ではなくその一部分を検出するのに必要な数だけ設けられており、全センサ素子1が占める表面積は従来より小さい。
この信号処理回路3には、図1(b)に示すように、対応するセンサ素子1からの検出信号1Aを処理し検出データ15を出力するセンサ回路4と、その検出データ15と比較する照合データ13を保持する保持回路5と、駆動信号14に基づきセンサ回路4および保持回路5を制御し、センサ回路4からの検出データ15と保持回路5からの照合データ13とを比較して比較結果16を出力する比較回路6とが設けられている。
また、記憶回路9が、予め被対象物から得られたその照合対象表面全体の凹凸を示すテンプレートデータを記憶する記憶手段に対応し、制御回路8が、記憶手段に記憶されているテンプレートデータのうち、任意の位置からその一部分を照合データとして読み出して比較手段へ出力し、比較手段からの比較結果に基づき被対象物の認証判定を行う制御手段に対応している。
なお、照合対象表面の凹凸を検出できる方式で有れば、他の方式、例えば抵抗型等であっても良いことはいうまでもない。
例えば、人間の指紋を認識する場合、センサ2の表面積(検出面積)は10mm角以下程度となる。
また、センサ素子1で検出された検出データと照合データとを比較照合する信号処理回路3は、50〜100μm角の大きさで形成されている。
保持回路5としてRAM(ランダムアクセスメモリ)を用いている。
なお、記憶回路9は、システム電源の供給方法によっては不揮発性である必要はなく、システムに応じて選択されることは言うまでもない。
この記憶回路9には、被対象物の照合対象表面のすべてから予め得ておいたデータがテンプレートデータとして格納されており、例えば指紋の場合は約20mm角に占める指紋データがすべて確保されている。
図2は本実施の形態の基本認識動作を示す説明図であり、(a)は概略動作、(b)はフローチャートを示している。
一般に、被対象物を認識する場合、その被対象物から得られた検出データと、照合基準となるテンプレートデータとを比較し、その結果に応じて認識判定を行う。
従来では、被対象物の照合対象表面全てを示す検出データについて照合していた。
ここで、被対象物の照合対象表面の複雑な凹凸パターンから見て、照合対象表面全体を照合する必要性がないことに着目し、本発明では被対象物の照合対象表面の一部から得た検出データ15を用い、この検出データ15と一致するパターンを全テンプレートデータ21の中から探索するようにしたものである。
このとき、テンプレートデータ21から照合データ13(12)として切り出す領域については、表面形状検出回路7で検出される被対象物の照合対象表面に相当する領域を切り出す必要がある。
この場合、被対象物を位置決めする手段を設け、テンプレートデータ21の対応する領域から照合データ13(12)を切り出してもよい。
続いて、制御回路8は、制御信号11により記憶回路9内に記憶されているテンプレートデータ21のうち、任意の位置から照合データ12を切り出し(ステップ101)、照合データ13として表面形状検出回路7内の各信号処理回路3へ、各センサ素子1に対応して1ピクセルずつ分配する(ステップ102)。
信号処理回路3では、分配された照合データ13を保持回路5に取り込んで保持する。
そして、センサ回路4からの検出データ15と保持回路5からの照合データ13を比較回路6で比較照合し、1ピクセル単位の比較結果16を出力する(ステップ103)。
その後、制御回路8では、各信号処理回路3からの比較結果16を集計し、全体の照合率など所定の統計量からなる類似度を用いて、被対象物の認証判定を行う(ステップ104)。
また、認定判定が両者の不一致を示すときは(ステップ104:NO)、テンプレートデータ21の全位置から照合データ13を切り出したかどうか判断し(ステップ106)、まだ切り出していない位置がある場合は(ステップ106:NO)、照合データの切り出し位置を次の位置へずらし(ステップ107)、ステップ102へ戻って次の位置から切り出した照合データ13と検出データ15との比較を行う。
以上説明したように、本実施の形態によれば、センサ素子1全体が占める表面積を小さくすることが可能になり、半導体集積回路装置の製造行程における歩留まりが向上し、コスト低減化が実現できるとともに、従来のような大面積のものと比較して信頼性を確保できる。
したがって、本発明によれば、人問の指紋や動物の鼻紋など微細な凹凸の表面形状を比較的小さい表面積で認識できるとともに、低コスト化と信頼性を確保できる。
第1の実施の形態(図1参照)では、各回路部が1チップの半導体集積回路装置に実装されている構成について説明したが、各回路部を独立したチップで構成し、同一実装基板上に配置するようにしてもよい。
本実施の形態では、図3に示すように、表面形状検出回路装置7A、制御回路装置8Aおよび記憶回路装置9Aの3つのチップから表面形状認識装置が構成されており、これら各チップが同一実装基板10A上に一体として配置されている(マルチチップ構成)。
なお、表面形状検出回路装置7A、制御回路装置8Aおよび記憶回路装置9Aは、図1の表面形状検出回路7、制御回路8および記憶回路9に相当しており、ここでの詳細な動作説明は省略する。
特に、比較的集積率が高く歩留まり低下の原因となりやすい記憶回路9を、他の回路と別チップとすることにより、表面形状認識装置全体の製造行程において歩留まりが改善され、コストの低減化が可能である。
また、記憶回路9を別チップとした場合は、1チップ構成と比較して製造プロセスの制約などがなくなってメモリ容量をより大きくすることができ、認識方式の自由度が増加するメリットがある。
図4は本発明の第3の実施の形態による表面形状認識装置を示すブロック図であり、(a)は装置全体、(b)は信号処理回路を示している。
第1の実施の形態(図1参照)では、表面形状検出回路7の各信号処理回路3に、センサ回路4,保持回路5および比較回路6を設けた場合を例に説明したが、本実施の形態では、これら保持回路5および比較回路6を表面形状検出回路7の外部に配置した。
したがって、図4(b)に示すように、信号処理回路3Aには、センサ回路4のみが配置され、制御回路8からの駆動信号14に基づき、対応するセンサ素子1からの検出信号1Aが処理され、検出データ15として出力される。
そして、第1の実施の形態と同様に、比較結果16に基づき制御回路で認証判定が行われる。
このように、保持回路5および比較回路6を信号処理回路3Aとは別個に配置するようにしたので、第1の実施の形態と同様の作用効果に加えて、保持回路5および比較回路6を集約化でき、表面形状認識装置全体を小型化できる。
さらに、比較回路6での認証アルゴリズムが容易に変更できる。
また、信号処理回路3Aの占有面積が小さくなり、その分、センサ素子1の実装密度を改善でき、センサ2の表面積を小さくできる。
第3の実施の形態(図4参照)では、各回路部が1チップの半導体集積回路装置に実装されている構成について説明したが、各回路部を独立したチップで構成し、同一実装基板上に配置するようにしてもよい。
本実施の形態では、図5に示すように、表面形状検出回路装置7A、保持回路装置5A、比較回路装置6A、制御回路装置8Aおよび記憶回路装置9Aの5つのチップから表面形状認識装置が構成されており、これら各チップが同一実装基板10A上に一体として配置されている(マルチチップ構成)。
なお、表面形状検出回路装置7A、保持回路装置5A、比較回路装置6A、制御回路装置8Aおよび記憶回路装置9Aは、図1の表面形状検出回路7、保持回路5、比較回路6、制御回路8および記憶回路9に相当しており、ここでの詳細な動作説明は省略する。
特に、比較的集積率が高く歩留まり低下の原因となりやすい記憶回路9を別チップとすることにより、表面形状認識装置全体の製造行程において歩留まりが改善され、コストの低減化が可能である。
また、記憶回路9を別チップとした場合は、1チップ構成と比較して製造プロセスの制約などがなくなってメモリ容量をより大きくすることができ、認識方式の自由度が増加するメリットがある。
第3の実施の形態では、保持回路5および比較回路6を表面形状検出回路7とは別個に配置した場合を例に説明したが、このうち比較回路6での処理動作を制御回路8内部で行うようにしてもよい。
なお、表面形状検出回路7の各信号処理回路3Aは、図4(b)と同様の構成となる。
すなわち、図6に示すように、表面形状検出回路7の各信号処理回路3Aからの検出データ15Aは制御回路装置8に入力され、ここで記憶回路9から読み出された照合データ13と、各ピクセル単位ごとに比較され、その比較結果に基づき認証判定が行われる。
したがって、保持回路5を設ける必要が無くなり、第1の実施の形態と同様の作用効果に加えて、表面形状認識装置全体を小型化できる。
第5の実施の形態(図6参照)では、各回路部が1チップの半導体集積回路装置に実装されている構成について説明したが、各回路部を独立したチップで構成し、同一実装基板上に配置するようにしてもよい。
本実施の形態では、図7に示すように、表面形状検出回路装置7A、制御回路装置8Aおよび記憶回路装置9Aの3つのチップから表面形状認識装置が構成されており、これら各チップが同一実装基板10A上に一体として配置されている(マルチチップ構成)。
なお、表面形状検出回路装置7A、制御回路装置8Aおよび記憶回路装置9Aは、図1の表面形状検出回路7、保持回路5、比較回路6、制御回路8および記憶回路9に相当しており、ここでの詳細な動作説明は省略する。
特に、比較的集積率が高く歩留まり低下の原因となりやすい記憶回路9を別チップとすることにより、表面形状認識装置全体の製造行程において歩留まりが改善され、コストの低減化が可能である。
また、記憶回路9を別チップとした場合は、1チップ構成と比較して製造プロセスの制約などがなくなってメモリ容量をより大きくすることができ、認識方式の自由度が増加するメリットがある。
したがって、被対象物の照合対象表面のすべてを検出できる大型の半導体センサや光学式センサなどのセンサを用いて、予めテンプレートデータを生成しておけばよい。
また、小型のセンサを用いて、被対象物の照合対象表面を分割して検出し、得られた複数のデータを組み合わせて、被対象物の照合対象表面のすべてを示す含むテンプレートデータを生成してもよい。
図8は本実施の形態の基本認識動作を示す説明図、図9はその動作を示すフローチャートである。
前述の第1〜6の実施の形態では、1つのテンプレートデータと被対象物とを照合する場合について説明した。
以下では、複数のテンプレートデータ21A〜21Nを記憶回路9に保持しておき、これらを用いて被対象物の認証判定を行う場合について説明する。
図9において、前述した図2と同じまたは同等部分には同一符号を付してあり、本実施の形態では、ステップ106とステップ108との間にステップ110,111を設けている。
なお、回路構成については前述の図1と同等である。
ここでまだ照合していないテンプレートデータがある場合は(ステップ110:NO)、次のテンプレートデータを切替選択して(ステップ111)、ステップ101へ戻り、選択されたテンプレートデータとの照合を開始する。
なお、ステップ110の判断として、全てのテンプレートデータではなく決められた数のテンプレートデータとの照合が終了したがどうかを判断するようにしてもよい。
表面形状検出回路7で得られる被対象物の検出データ15は、被対象物が表面形状検出回路7に押し当てられる加減で微妙に変化し、同一被対象物であっても常に同一の検出データ15が得られるものではない。
したがって、同一被対象物から得た異なるテンプレートデータを複数用いて認証判定することにより、1つのテンプレートデータを用いる場合に比較して、認証率を向上させることができ高い信頼性が得られる。
また、異なる複数の被対象物から得たテンプレートデータを用いて認証判定してもよく、複数の被対象物との認証判定を一括して短時間に処理することができる。
図10は本実施の形態の表面形状認識装置を示すブロック図である。
本実施の形態では、前述した図1の回路構成に加えて、接触センサ回路30を表面形状検出回路7の周部に配置し、その検出出力をタイミング信号31として制御回路8へ入力している。
ここでは接触センサ回路30がタイミング発生手段(タイミング発生回路)に相当する。
被対象物の認証処理を行う場合、まず被対象物が表面形状検出回路7へ押し当てられる。
この接触が接触センサ回路30で検出され、タイミング信号31が制御回路8へ入力される。
これに応じて制御回路8から各信号処理回路3へ、被対象物の照合対象表面の検出を指示する駆動信号14が出力され、図2や図9に示した認証処理を開始する。
図11は本実施の形態の基本認識動作を示す説明図であり、(a)は接触センサ回路の配置図、(b)は被対象物の接触例、(c)は照合データの切り出し領域を示している。
前述の第8の実施の形態では、1つの接触センサ回路30を配置した場合について説明したが、図11(a)に示すように、表面形検出回路7の周囲に複数の接触センサ回路30A〜30Dを配置してもよい。
これら接触センサ回路30A〜30Dからの検出出力を用いることにより、被対象物と表面形検出回路7の位置関係が把握でき、テンプレートデータ21から照合データ12を切り出す領域を限定できる。
ここでは接触センサ回路30A〜30Dが位置検出回路に相当する。
したがって制御回路8では、表面形状検出回路7とテンプレートデータ21の大きさに基づいて、表面形状検出回路7が検出しうる領域22をテンプレートデータ21上で規定することができ、照合データ12はこの領域22の範囲内の各位置から切り出せばよいことになる。
図12は本実施の形態の基本認識動作を示す説明図、図13はその動作を示すフローチャートである。
前述した各実施の形態では、同一被対象物から検出した1つの検出データとテンプレートデータを照合する場合について説明した。
以下では、同一被対象物から検出した複数の検出データを用いて被対象物の認証判定を行う場合について説明する。
ここでは、認証判定の尺度として被対象物とテンプレートデータとが類似している度合いを示す類似度を導入している。
なお、回路構成については図10と同等とする。
そして接触センサ回路30から被対象物の接触ありを示す検出出力が入力されるまで待機する(ステップ121)。
この検出出力が接触ありへ変化した場合、制御回路8から各信号処理回路3へ、被対象物の照合対象表面の検出を指示する駆動信号14が出力される(ステップ122)。
信号処理回路3では、この駆動信号14に基づき対応するセンサ素子1からの検出信号をセンサ回路4で処理し検出データ15を出力する。
信号処理回路3では、分配された照合データ13を保持回路5に取り込んで保持する。
そして、センサ回路4からの検出データ15と保持回路5からの照合データ13を比較回路6で比較照合し、1ピクセル単位の比較結果16を出力する(ステップ125)。
この照合判定が両者の一致を示すときは(ステップ126:YES)、一致カウンタの値を1つ加算し(ステップ127)、一致カウンタの値と設定値とを比較する(ステップ128)。
ここで、一致カウンタの値が設定値を上回った場合は(ステップ128:YES)、被対象物とテンプレートデータ21とが「一致」したと判定して(ステップ129)、一連の照合処理を終了する。
一致カウンタの値が設定値以下の場合は(ステップ128:NO)、ステップ121へ戻り、次の接触検出に応じて新たな照合データを検出し照合処理を繰り返す。
ここで、不一致カウンタの値が設定値を上回った場合は(ステップ133:YES)、被対象物とテンプレートデータ21とが「不一致」であると判定して(ステップ134)、一連の照合処理を終了する。
不一致カウンタの値が設定値以下の場合は(ステップ133:NO)、ステップ121へ戻り、次の接触検出に応じて新たな照合データを検出し照合処理を繰り返す。
被対象物の照合対象表面を表面形状検出回路7で検出する場合、検出した場所に傷があったり汗やゴミが付着していた場合、これら傷、汗あるいはゴミがノイズとして検出データに含まれる。
したがって、本実施の形態を適用することにより、このようなノイズが検出データに含まれ正確に認証判定できなかった場合でも、他の検出データで認証判定することができ、精度よく認証判定を行うことができる。
例えば指紋の認証を行う場合は、この設定値を調整することにより、どの程度本人であることを認め、どの程度他人を排斥するかの度合いすなわちセキュリティレベルを設定できる。
具体的には、設定値を低くすれば本人を認めやすくなるが、その反面、他人も受け入れやすくなり、セキュリティレベルを下げたことになる。
また、設定値を高くすれば本人を認めにくくなるが、その反面、他人をより排斥することが可能となり、セキュリティレベルを上げたことになる。
なお、設定値については一致カウンタおよび不一致カウンタについて、別個に設けてもよい。
図14は本実施の形態の表面形状認識装置を示すブロック図、図15はその基本認識動作を示す説明図である。
ここでは、前述した図1の回路構成に加えて、タイマ回路32が設けられている。
タイマ回路32は所定期間ごとにタイミング信号33を制御回路8へ出力する回路である。
なお、このタイマ回路32については制御回路8の内部に設けられているもの(CPUの内部タイマなど)を用いてもよい。
ここではタイマ回路32がタイミング発生手段(タイミング発生回路)に相当する。
したがって、表面形状検出回路7上で被対象物の位置を移動させることにより、順次異なる位置から検出データが得られるため、さらに認証精度を向上させることができる。
なお、図12に示すように、表面形状検出回路7に被対象物を接触させる位置を変化させても、異なる位置の検出データが得られる。
このような方式では、被対象物を表面形状検出回路7に接触させながら移動させ、被対象物の部分的な形状を検出し、これら検出した複数の検出データをもとに画像処理等により被対象物の全体形状を再合成し、この再合成したデータを用いて認証等の処理を行うものであり、部分的な検出データのままで認証処理を行う本実施例とは根本的に異なる。
図16は本実施の形態の表面形状認識装置を示すブロック図である。
ここでは、前述した図1の回路構成に加えて、移動センサ回路34が設けられている。
移動センサ回路34は被対象物の移動量を検出し、所定移動量ごとにタイミング信号35を制御回路8へ出力する回路であり、センサ上を横切る明暗部例えば指紋の稜線の数を光学的もしくは電気的にカウントする回路などが用いられる。
ここでは移動センサ回路34がタイミング発生手段(タイミング発生回路)に相当する。
したがって、第11の実施の形態と同様に、表面形状検出回路7上で被対象物の位置を移動させることにより、順次異なる位置から検出データが得られるため、さらに認証精度を向上させることができる。
また、以上の各実施の形態では、センサ素子1で得られる検出データ15や記憶回路9に格納されている照合データ12(13)が2次元データから構成されている場合を例として説明したが、これらデータについては2次元に限定されるものではなく、例えば凹凸の深さ方向の情報が加えられた3次元データで構成されている場合であっても、各実施の形態を前述と同様にして適用でき、同様の作用効果が得られる。
Claims (24)
- 微細な凹凸を有する被対象物の照合対象表面の形状を検出し、所定のデータと比較照合することにより、被対象物の認証を行う表面形状認識装置において、
被対象物の照合対象表面の一部領域の凹凸を電気的に検出し、その凹凸を示す検出データと所定の照合データとを比較し、その比較結果を出力する表面形状検出回路と、
予め被対象物から得られたその照合対象表面全体の凹凸を示すテンプレートデータを記憶する記憶回路と、
この記憶回路に記憶されているテンプレートデータのうち、任意の位置からその一部分を照合データとして読み出して前記表面形状検出回路へ出力し、前記表面形状検出回路からの比較結果に基づき被対象物の認証判定を行う制御回路と、
前記表面形状検出回路の周部に配置された複数の接触センサ回路からなり、前記表面形状検出回路に対する被対象物の位置を検出する位置検出回路とを備え、
前記表面形状検出回路は、
被対象物の照合対象表面の一部領域に対応して設けられ、かつその一部領域の凹凸を電気的に検出し検出信号として出力する複数のセンサ素子と、
これらセンサ素子ごとに設けられ、対応するセンサ素子の検出信号から得られた検出データとこれに対応する照合データとを比較し比較結果を出力する複数の信号処理回路とを有し、
前記制御回路は、この位置検出回路で検出された被対象物の位置に応じて、テンプレートデータの対応する領域から照合データを読み出すことを特徴とする表面形状認識装置。 - 微細な凹凸を有する被対象物の照合対象表面の形状を検出し、所定のデータと比較照合することにより、被対象物の認証を行う表面形状認識装置において、
被対象物の照合対象表面の一部領域の凹凸を電気的に検出し、その凹凸を示す検出データを出力する表面形状検出回路と、
この検出データと比較する照合データを保持する保持回路と、
前記表面形状検出回路からの検出データと前記保持回路の照合データとを比較する比較回路と、
予め被対象物から得られたその照合対象表面全体の凹凸を示すテンプレートデータを記憶する記憶回路と、
この記憶回路に記憶されているテンプレートデータのうち、任意の位置からその一部分を照合データとして読み出して前記保持回路へ出力し、前記比較回路からの比較結果に基づき被対象物の認証判定を行う制御回路と、
前記表面形状検出回路の周部に配置された複数の接触センサ回路からなり、前記表面形状検出回路に対する被対象物の位置を検出する位置検出回路とを備え、
前記表面形状検出回路は、
被対象物の照合対象表面の一部領域に対応して設けられ、かつその一部領域の凹凸を電気的に検出し検出信号として出力する複数のセンサ素子と、
これらセンサ素子ごとに設けられ、対応するセンサ素子の検出信号から得られた検出データを出力する複数の信号処理回路とを有し、
前記制御回路は、この位置検出回路で検出された被対象物の位置に応じて、テンプレートデータの対応する領域から照合データを読み出すことを特徴とする表面形状認識装置。 - 微細な凹凸を有する被対象物の照合対象表面の形状を検出し、所定のデータと比較照合することにより、被対象物の認証を行う表面形状認識装置において、
被対象物の照合対象表面の一部領域の凹凸を電気的に検出し、その凹凸を示す検出データを出力する表面形状検出回路と、
予め被対象物から得られたその照合対象表面全体の凹凸を示すテンプレートデータを記憶する記憶回路と、
この記憶回路に記憶されているテンプレートデータのうち、任意の位置からその一部分を照合データとして読み出し、この照合データと前記表面形状検出回路からの検出データとを比較し、その比較結果に基づき被対象物の認証判定を行う制御回路と、
前記表面形状検出回路の周部に配置された複数の接触センサ回路からなり、前記表面形状検出回路に対する被対象物の位置を検出する位置検出回路とを備え、
前記表面形状検出回路は、
被対象物の照合対象表面の一部領域に対応して設けられ、かつその一部領域の凹凸を電気的に検出し検出信号として出力する複数のセンサ素子と、
これらセンサ素子ごとに設けられ、対応するセンサ素子の検出信号から得られた検出データを出力する複数の信号処理回路とを有し、
前記制御回路は、この位置検出回路で検出された被対象物の位置に応じて、テンプレートデータの対応する領域から照合データを読み出すことを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の表面形状認識装置において、
前記制御回路は、前記テンプレートデータのうち各位置からその一部分を照合データとして順次読み出し、これら照合データと前記検出データとの比較結果に基づき被対象物の認証判定を行うことを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項4記載の表面形状認識装置において、
前記記憶回路は、被対象物から得られた複数のテンプレートデータを記憶し、
前記制御回路は、これらテンプレートデータと被対象物との認証判定を行うことを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の表面形状認識装置において、
所定のタイミング信号を出力するタイミング発生回路をさらに備え、
前記制御回路は、このタイミング発生回路からのタイミング信号に応じて前記表面形状検出回路へ検出データの取得を指示し、得られた検出データの比較結果を用いて被対象物の認証判定を行うことを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の表面形状認識装置において、
前記表面形状検出回路は、被対象物から複数の検出データをそれぞれ検出して出力し、
前記制御回路は、これら複数の検出データごとにテンプレートデータとの照合判定を行い、それぞれの照合判定結果に基づき被対象物の認証判定を行うことを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項7記載の表面形状認識装置において、
前記表面形状検出回路は、被対象物の異なる位置から検出データを個別に検出して出力することを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項8記載の表面形状認識方法において、
前記制御回路は、各検出データとテンプレートデータとの照合判定結果のうち、一致の数および不一致の数をそれぞれに対応する調整可能な設定値と比較した結果に基づき被対象物の認証判定を行うことを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項5記載の表面形状認識装置において、
前記記憶回路は、異なる被対象物から得られた複数のテンプレートデータを記憶することを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項6記載の表面形状認識装置において、
前記タイミング発生回路は、被対象物が前記表面形状検出回路へ接触したことを検出し、その検出に応じてタイミング信号を出力する接触センサ回路からなることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項6記載の表面形状認識装置において、
前記タイミング発生回路は、所定期間ごとにタイミング信号を出力するタイマ回路からなることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項6記載の表面形状認識装置において、
前記タイミング発生回路は、被対象物が前記表面形状検出回路へ接触しながら移動した移動量を検出し、その移動量に応じてタイミング信号を出力する移動センサ回路からなることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の表面形状認識装置において、
前記各回路は、同一半導体集積回路装置として1チップに形成されていることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の表面形状認識装置において、
前記各回路は、複数のチップに分割されて形成され、各チップが同一基板上に実装されていることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の表面形状認識装置において、
前記各回路のうち、少なくとも前記記憶回路が他の回路とは異なるチップに形成され、これら記憶回路のチップおよび他の回路のチップが同一基板上に実装されていることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項2記載の表面形状認識装置において、
前記保持回路として、RAM(ランダムアクセスメモリ)を用いることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の表面形状認識装置において、
前記記憶回路として、不揮発性メモリを用いることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の表面形状認識装置において、
すべてのセンサ素子による全検出面積が、被対象物の全照合対象表面より小さいことを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項19記載の表面形状認識装置において、
前記各信号処理回路はそれぞれ対応するセンサ素子と近接配置され、すべての信号処理回路の占有面積がすべてのセンサ素子による全検出面積とほぼ等しいかそれ以下であることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の表面形状認識装置において、
前記テンプレートデータとして、被対象物の全照合対象表面以上の検出面積を有する大型センサで検出したデータを用いることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項21記載の表面形状認識装置において、
前記テンプレートデータとして、比較的接触面積の大きい光学式センサまたは半導体センサで検出したデータを用いることを特徴とする表面形状認識装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の表面形状認識装置において、
前記テンプレートデータとして、被対象物の全照合対象表面より小さい検出面積を有するセンサでその照合対象表面を分割して複数の分割データを検出し、これら分割データを合成して得られたデータを用いることを特徴とする表面形状認識装置。 - 微細な凹凸を有する被対象物の照合対象表面の形状を検出し、所定のデータと比較照合することにより、被対象物の認証を行う表面形状認識方法において、
複数のセンサ素子からなる表面形状検出手段により被対象物の照合対象表面の一部領域の凹凸を検出データとして電気的に検出するとともに、予め被対象物から得られたその照合対象表面全体の凹凸を示すテンプレートデータのうち、任意の位置からその一部分を照合データとして読み出して前記検出データと比較し、その比較結果に基づきテンプレートデータと被対象物との認証判定を行い、
前記表面形状検出手段に対する被対象物の位置を検出し、検出された被対象物の位置に応じてテンプレートデータの対応する領域から照合データを読み出すことを特徴とする表面形状認識方法。
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