JP2004354935A - 積層波長板及びそれを用いたプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、入射角度依存性を改善し、且つ熱伝導率の高い材料を使用した波長板、及びそれをもちいたプロジェクタを提供することを目的とする。
【解決手段】波長λの単色光に対して位相差αの第1波長板と位相差βの第2波長板とを貼り合せた積層波長板において、該積層波長板の主表面の法線と前記第1波長板の光学軸Aとのなす角度がθ、該積層波長板の主表面の法線と前記第2波長板の光学軸Bとのなす角度が−θであり、前記θの範囲が、0<θ<90°であることを特徴とする積層波長板。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射角度依存性を改善し、且つ熱伝導率の高い材料を使用した波長板、及びそれをもちいたプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、透過型カラー液晶プロジェクタ装置(以下、プロジェクタと称す)は、企業用から一般家庭用まで幅広く用途が広がっている。それに伴って、プロジェクタ市場においては映像の高輝度化の要求が高まってきている。近年、プロジェクタの光学系部品には小型化、低価格化の要求に応えるべく偏光フィルムなどの樹脂系材料を多く採用している。しかし、フィルム単体では平面を維持できないので偏光フィルムに支持基板を貼り付けなければならないこと、更には、映像の高輝度化の要求に応えるべく光源の光量を増大させているために、光量だけでなく熱量も大きくなっているので、偏光フィルムを構成する樹脂材料が変質するなどの劣化が生じてしまうという問題があり、この問題を解決するために、偏光フィルムに放熱板として機能する支持基板を貼り付けている。
【0003】
図6に示す如くプロジェクタにおいて、ハロゲンランプ等の発光管1から出た光は、PS変換素子2により直線偏光(P偏光)となってフライアレンズ3で均一に集光させて出射される。そして、ダイクロイックフィルタ4によって光を分解する。尚、ダイクロイックフィルタは、プレートの斜面に光学多層膜を形成することによって光を透過光と反射光の2つに分離させる働きをもっている。前記ダイクロイックフィルタ4においては、赤色光(R)を透過させると共に、青色光(B)と緑色光(G)を反射させ、ダイクロイックフィルタ5においては青色光(B)を透過させると共に、緑色光(G)を反射させる。光を分離した後、赤色光(R)及び青色光(B)は、ダイクロイックミラー6で反射され、放熱板7で支持された入射側偏光フィルム8を通過し、透過型液晶シャッタ9に入射して画像情報がインプットされる。そして、前記透過型液晶シャッタ9から出射された赤色光(R)及び青色光(B)は、放熱板7で支持された出射側偏光フィルム10、1/2波長板12を透過後、クロスダイクロイックプリズム11に入射する。一方、緑色光(G)は、放熱板7で支持された入射側偏光フィルム8を透過して透過型液晶シャッタ9へ入射して画像情報がインプットされ、放熱板7で支持された出射側偏光フィルム10を透過した後、前記クロスダイクロイックプリズム11に入射される。このようにR,G,B光が前記クロスダイクロイックプリズム11に入射すると各光が合成されスクリーン20に画像が投影される。
尚、発生した熱は、ファンにおいて強制的に空冷される機構となっている。
【0004】
ここで、前記プロジェクタにおいては、クロスダイクロイックプリズムの斜面に形成される光学薄膜は、反射経路(R,B光経路)ではS偏光、透過経路(G経路)ではP偏光を入射する設計となっているので、前記発光管1からの出射光をPS変換素子2でP偏光にした前記プロジェクタの場合は、R,B光がクロスダイクロイックプリズム11へ入射する前にR,B光の偏光方向を変えて反射率を上げる、即ち位相を180°ずらす必要があるので、クロスダイクロイックプリズム11と偏光フィルム10との間に1/2波長板12を配置する。
【0005】
または、前記発光管1からの出射光をPS変換素子2でS偏光にした場合においては、G光がクロスダイクロイックプリズム11へ入射する前にG光の偏光方向のみを変えて透過率を上げる、即ち位相を180°ずらす必要があるので、クロスダイクロイックプリズム11と偏光フィルム10との間に1/2波長板12を配置する。
【0006】
プロジェクタは、周知の如く発散光を用いているため入射角度依存性の小さな1/2波長板が要求される。従って、特許文献1で提案された図7に示すような光学軸21と波長板の入射面(出射面)に対する法線とが所定の角度θを有するような構造の1/2波長板23では図8に示す如く入射角度依存性が大きいのでプロジェクタには不適である。尚、図7(a)は、1/2波長板23の入射方向から見た平面図、(b)は側面から見た平面図である。
【特許文献1】特公昭52−4948号(第6頁、図1)
【0007】
ここで、図9に示すような光学軸24,25が直交するように2枚の波長板26,27を積層した所謂エーリングハウス・タイプの1/2波長板28に着目すると、図10に示す如くいずれの入射角度においても位相差が180°となり、入射角度依存性の極めて小さい1/2波長板として機能する。尚、図9(a)は、1/2波長板28の入射方向から見た平面図、(b)は側面から見た平面図である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水晶基板の原料となる人工水晶の結晶体を育成するには時間がかかり、工業用に最も利用されている人工水晶結晶体(以下、水晶原石と称する)の結晶軸(Z軸)方向の厚みが20〜25mm程度の結晶を得るためには2ヶ月程の育成期間を要する。図11は水晶原石の構造を示したものである。水晶は安定なSiO2単結晶からなる三方晶系であり、R面、r面、m面などの結晶面に囲まれて結晶が形成されていることは周知の通りである。結晶構造は図11のようにX軸、Y軸、Z軸であらわされ、Z軸は結晶軸(光学軸)と呼ばれている。
【0009】
今日、一般家庭用のプロジェクタにおいてはスクリーンに投影した映像を高輝度にするだけでなく高精細にするという課題がある。この課題を解決するために光学系を大口径とするという手段ある。光学系を大口径とするためには、光学系部品にも大面積化が必然的に要求されることになる。
【0010】
従って、プロジェクタ用の1/2波長板においても大型(1辺が10mm以上)の1/2波長板を使用することとなる。
ここで、前記1/2波長板28の製作について着目すると、図12に示すように光学軸方向(水晶原石の育成方向)を含む平面と波長板の光の入射面(出射面)とが平行になるように水晶をカッティングする必要があるので、カッティングの基となる大型基板も同様に水晶原石からカッティングする必要がある。
しかしながら、結晶軸(Z軸)方向の厚みが20〜25mm程度の水晶原石からでは、波長板を多数個取り可能な大型基板を製作することができないので、これに対応すべく大きな水晶原石を作ろうとすると4〜6ヶ月もの時間を要し材料コストが数倍にはね上がってしまい、製造コストが非常に高価になってしまうという問題があった。
【0011】
また更に、特許文献2に提案されたプロジェクタの構造や図6のプロジェクタの構造では、熱ストレス等の影響による特性劣化を防止するために偏光フィルム8(10)に放熱板として機能する水晶7を積層したものが開示されているが、放熱板を追加したことによって部品点数も増えるので装置が大型化してしまうと共に高価な物になるという問題があった。
【特許文献2】特開2002−014419号(第16頁、図4)
【0012】
本発明は、上記の如き問題を解決するためになされたものであり、入射角度依存性を改善し、且つ熱伝導率の高い材料を使用した波長板、及びそれをもちいたプロジェクタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る請求項1記載の発明は、波長λの単色光に対して位相差αの第1波長板と位相差βの第2波長板とを貼り合せた積層波長板において、該積層波長板の主表面の法線と前記第1波長板の光学軸Aとのなす角度がθ、該積層波長板の主表面の法線と前記第2波長板の光学軸Bとのなす角度が−θであり、前記θが、0<θ<90°であることを特徴としている。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記位相差α、βをλ/4として全体で1/2波長板として機能することを特徴としている。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1において、前記位相差α、βをλ/8として全体で1/4波長板として機能することを特徴としている。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記載において、前記第1、2波長板の材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたことを特徴としている。
【0017】
請求項5記載の発明は、波長λの単色光に対して位相差αの第1波長板と位相差βの第2波長板とを貼り合せた積層波長板に偏光素子を積層した複合光学部品において、該積層波長板の主表面の法線と前記第1波長板の光学軸Aとのなす角度がθ、該積層波長板の主表面の法線と前記第2波長板の光学軸Bとのなす角度が−θであり、前記θが、0<θ<90°であって、且つ前記積層波長板の光学軸と前記偏光素子の光学軸とのなす角が45°±5°であることを特徴としている。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5において、前記位相差α、βをλ/4として全体で1/2波長板として機能することを特徴としている。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項5において、前記位相差α、βをλ/8として全体で1/4波長板として機能することを特徴としている。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項5乃至8において、前記第1、2波長板の材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたことを特徴としている。
【0021】
請求項9記載の発明は、光源と、該光源から出射する光線の光軸上に配置した液晶シャッタと、クロスダイクロイックプリズムとを備えたプロジェクタにおいて、前記液晶シャッタと前記クロスダイクロイックプリズムとの間に、波長λの単色光に対して位相差αの第1波長板と位相差βの第2波長板とを貼り合せた積層波長板を配置し、該積層波長板の主表面の法線と前記第1波長板の光学軸Aとのなす角度がθ、該積層波長板の主表面の法線と前記第2波長板の光学軸Bとのなす角度が−θであり、前記θが、0<θ<90°であることを特徴としている。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項9において、前記位相差α、βをλ/4とし、前記積層波長板が全体で1/2波長板として機能することを特徴としている。
【0023】
請求項11記載の発明は、請求項9乃至10において、前記第1、2波長板の材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたことを特徴としている。
【0024】
請求項12記載の発明は、光源と、該光源から出射する光線の光軸上に配置した液晶シャッタと、ビームスプリッタとを備えたプロジェクタにおいて、前記液晶シャッタと前記ビームスプリッタとの間に、波長λの単色光に対して位相差αの第1波長板と位相差βの第2波長板とを貼り合せた積層波長板を配置し、該積層波長板の主表面の法線と前記第1波長板の光学軸Aとのなす角度がθ、該積層波長板の主表面の法線と前記第2波長板の光学軸Bとのなす角度が−θであり、前記θの範囲が、0<θ<90°であることを特徴としている。
【0025】
請求項13記載の発明は、請求項12において、前記位相差α、βをλ/8とし、前記積層波長板が全体で1/4波長板として機能することを特徴としている。
【0026】
請求項14記載の発明は、請求項12乃至13において、前記第1、2波長板の材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたことを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態例に基づいて詳細に説明する。
従来の積層型1/2波長板では、光学軸方向(水晶原石の育成方向)を有する平面と波長板の光の入射面(出射面)とが平行になるように水晶をカッティングする必要があるので、製造コストが非常に高価になってしまうという問題があったのは前述した通りである。そこで、本願発明者は、推考を重ねた結果、特許文献3で提案された、つまり波長板の光の入射面(出射面)に対する法線と光学軸とに所要の角度を与える所謂バイアス・カット式の波長板を採用すれば、結晶軸(Z軸)方向の厚みが20〜25mm程度の水晶原石から、波長板を多数個取り可能な大型基板を製作することができ、製造コストを安価に抑えられるのではないかという発想に思い至った。
【特許文献3】特公平03−061921号(第10頁、図4)
【0028】
バイアス・カット式を用いれば、従来から用いている水晶原石から波長板の基となる大型基板を安価に大量にカッティングして製作できるのである。
即ち、波長板の光の入射面(出射面)に対する法線と光学軸とのなす角が所要の角度を有しているので、図5に示す如くz軸に対して斜めに水晶をカッティングすることによって、大型の基板が大量にカッティングでき安価に波長板を製造することが可能となるのである。
【0029】
図1は、本発明に係る積層波長板の一実施形態の構成示す図であり、図1(a)は積層波長板を入射方向から見た平面図、図1(b)は積層波長板を側面から見た平面図、図1(c)は積層する波長板の板厚を示す表である。この積層波長板29は、側面から見て積層する第1、第2の波長板30,31の光学軸32,33が互いに交叉するように積層した構造と有している。
このとき前記積層波長板29の法線34,35と波長板30,31の光学軸32,33との関係を、
波長板30の法線34と光学軸32とのなす角度: θ
波長板31の法線35と光学軸33とのなす角度:−θ
となるように設計した。
また、波長板30,31の位相差の関係は、
波長板30の位相差=波長板31の位相差
の関係とした。
【0030】
従って、前記積層波長板29を1/2波長板として機能するよう設計するには、波長板30,31の位相差はバイアス・カット式の定義に基づいて、
波長板30の位相差+波長板31の位相差=λ/2
から、波長板30,31の位相差を各々λ/4に設定すればよい。
また、θは、0°<θ<90°の範囲で仕様に応じて適宜設定すれば良い。
【0031】
例えば、θを13°,16°,20°と設定すると、積層する各波長板の厚みは、各波長λ=450,550,650nmにおいて、図1(c)に示すように求めることができる。
また、各波長板の板厚管理において、マイクロメータ等で容易に測定可能な公差±0.1μm以上で設定すれば良い為、波長板をより安価に製造できる。
この場合、各波長板の板厚は、0.1mm〜1mm程度に設定することが望ましい。
【0032】
上記の如き構造を有する積層型1/2波長板の入射角度依存性をシュミレーション解析した結果、図2に示すような入射角度依存性を有していることが判明した。従来の積層型1/2波長板には及ばないが、前記特許文献1で提案された如き単板タイプの1/2波長板に比べて入射角度依存性が極めて改善され、プロジェクタ用光学装置に適用する分には十分仕様を満足していることが実証された。
更に、従来から広く用いられている結晶軸(Z軸)方向の厚みが20〜25mm程度の水晶原石から、波長板を多数個取り可能な大型基板を製作することが可能となるので安価に量産できるという優れたコスト・メリットも見出すことができた。
【0033】
更に、前記特許文献2に提案されているように、熱ストレス等の影響による特性劣化を防止するため、偏光フィルムに放熱板として機能する水晶を貼り付けた構造のものが提案されているが、このような放熱板を追加したプロジェクタでは部品点数も増えるの装置の大型化、煩雑さを招くことになることは前述した通りである。
【0034】
図3は、本発明に係る1/2波長板を偏光フィルムに積層した複合光学部品の36の斜視概観図である。この複合光学部品36は、1/2波長板37の一方の主面に偏光フィルム38を積層したものである。
尚、1/2波長板37の光学軸39と偏光フィルム38の光学軸40との交叉角は45°である。
【0035】
波長板は、常光線と異常光線の位相の差を利用しているのは周知の通りである。よって、入射した光線を常光線と異常光線に分けるためには、偏光板から出射する光線を1:1の割合で常光線と異常光線とに分離する必要があり、そのために前記1/2波長板37の光学軸39と前記偏光フィルム38の光学軸40との交叉角度を45゜に設定している。尚、交叉角度は、45°±5°の精度であればよい。
【0036】
本発明に係る積層波長板は、1/2波長板に限らず1/4波長板においても有効である。この場合、積層する第1,第2の波長板との関係は、
第1波長板の位相差+第2波長板の位相差=λ/4
から第1、第2の波長板の位相差を各々λ/8に設定すればよい。
【0037】
本発明に係る1/4波長板をプロジェクタに採用すると、図4に示すような光学経路を有する光学装置となる。図4に示すプロジェクタにおいて、ハロゲンランプ等の発光管1から出た光は、PS変換素子2により直線偏光(P偏光)となってフライアレンズ3で均一に集光させて出射される。そして、ダイクロイックフィルタ4によって光を分解する。前記ダイクロイックフィルタ4においては、赤色光(R)を反射させると共に、青色光(B)と緑色光(G)を透過させ、ダイクロイックフィルタ5においては青色光(B)を透過させると共に、緑色光(G)を反射させる。光を分離した後、赤色光(R)はビームスプリッタ(以下、PBSと称す)40の射面で反射し1/4波長板41を透過したとき位相が90°ずれて円偏光に変化されて反射型液晶シャッタ42へ入射する。前記反射型液晶シャッタ42に入射した円偏光の赤色光(R)は画像情報がインプットされて反射型液晶シャッタ42を逆回転の円偏光となって反射し、再び前記1/4波長板41へ入射して直線偏光(S偏光)として赤色光(R)は出射する。このとき、出射した復路の赤色光(R)は、S偏光であるので往路のP偏光とは干渉せずにクロスダイクロイックプリズム11に入射する。一方、前記ダイクロイックフィルタ5で分離された緑色光(G)及び青色光(B)は、各々の経路において、PBS40の射面で反射し1/4波長板41を透過したとき位相が90°ずれて円偏光に変化されて反射型液晶シャッタ42へ入射して画像情報がインプットされて該反射型液晶シャッタ42を逆回転の円偏光となって反射し、再び前記1/4波長板41へ入射して直線偏光(S偏光)として緑色光(R)及び青色光(B)は出射する。このとき、出射した復路の緑色光(R)及び青色光(B)は、S偏光であるので往路のP偏光とは干渉せずにクロスダイクロイックプリズム11に入射する。このようにR,G,B光が前記クロスダイクロイックプリズム11に入射すると各光が合成されスクリーン20に画像が投影される。
【0038】
ここで、前記プロジェクタにおいては、クロスダイクロイックプリズムの斜面に形成される光学薄膜は、反射型液晶シャッタ42で反射した反射経路(R,G,B光経路共に)ではS偏光、透過経路ではP偏光を入射する設計となっている。即ち、PBS40と反射型液晶シャッタ42との間に1/4波長板12を配置するすことによって往路と復路で光線が互いに干渉しないように1/4波長板は、オプチカル・アイソレータとしての機能を有しているのである。
従って、光学装置のR,G,Bの夫々の経路から偏光フィルムを省くことができ、部品点数も削減できるのでプロジェクタを低コストで製作することが可能となる。
【0039】
本発明の実施形態において水晶を用いて説明したが、本発明はこれに限らず、水晶と同様な結晶を構造を有する一軸性光学結晶であるサファイア結晶を用いて波長板を設計しても良く、同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0040】
以上説明したように、本発明に係る積層波長板の特徴は、積層する波長板の各々の入射角度依存性を互いに相殺するように、波長板の側面から見て積層する第1、第2の波長板の光学軸が互いに交叉するように積層し、各波長板の光学軸の関係において、
波長板の法線と光学軸1とのなす角度: θ
波長板の法線と光学軸2とのなす角度:−θ
となるように設計し、且つ積層する波長板の板厚を同じにしたことを特徴としている。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下のような優れた効果が得られる。
請求項1乃至3の発明は、側面から見て積層する第1、第2の波長板の光学軸が互いに交叉するように積層し、各波長板の光学軸の関係において、
波長板の法線と光学軸1とのなす角度: θ
波長板の法線と光学軸2とのなす角度:−θ
となるように積層したので、入射角度依存性が極めて改善できるという優れた効果を奏する。
更に、結晶軸(Z軸)方向の厚みが20〜25mm程度の水晶原石から、波長板を多数個取り可能な大型基板を製作することができ、製造コストを安価にできるという優れた効果を奏する。
請求項4の発明は、材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたので放熱効果が高い積層波長板を提供できるという優れた効果を奏する。
請求項5乃至7の発明は、側面から見て積層する第1、第2の波長板の光学軸が互いに交叉するように積層し、各波長板の光学軸の関係において、
波長板の法線と光学軸1とのなす角度: θ
波長板の法線と光学軸2とのなす角度:−θ
となるように積層したので、入射角度依存性が極めて改善できるという優れた効果を奏する。
更に、結晶軸(Z軸)方向の厚みが20〜25mm程度の水晶原石から、波長板を多数個取り可能な大型基板を製作することができ、製造コストを安価にできるという優れた効果を奏する。
請求項8の発明は、材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたので放熱効果が高い複合光学部品を提供できるという優れた効果を奏する。
請求項9乃至10の発明は、側面から見て積層する第1、第2の波長板の光学軸が互いに交叉するように積層し、各波長板の光学軸の関係において、
波長板の法線と光学軸1とのなす角度: θ
波長板の法線と光学軸2とのなす角度:−θ
となるように積層したので、入射角度依存性が極めて改善されたプロジェクタを提供できるという優れた効果を奏する。
更に、結晶軸(Z軸)方向の厚みが20〜25mm程度の水晶原石から、波長板を多数個取り可能な大型基板を製作することができ、製造コストを安価にできるという優れた効果を奏する。
請求項11の発明は、材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたので温度上昇を低減できるという優れた効果を奏する。
請求項12乃至13の発明は、側面から見て積層する第1、第2の波長板の光学軸が互いに交叉するように積層し、各波長板の光学軸の関係において、
波長板の法線と光学軸1とのなす角度: θ
波長板の法線と光学軸2とのなす角度:−θ
となるように積層したので、入射角度依存性が極めて改善されたプロジェクタを提供できるという優れた効果を奏する。
更に、結晶軸(Z軸)方向の厚みが20〜25mm程度の水晶原石から、波長板を多数個取り可能な大型基板を製作することができ、製造コストを安価にできるという優れた効果を奏する。
請求項13の発明は、材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたので温度上昇を低減できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層波長板の一実施例の構成を説明するための図であり、(a)は入射方向から見た平面図、(b)は側面から見た平面図、(c)は各切断角度に対する波長板の厚みを示す表である。
【図2】本発明に係る積層波長板の入射角度依存性を示すグラフである。
【図3】本発明に係る積層波長板に偏光板を積層した光学部品の構成を説明するための斜視概観図である。
【図4】本発明に係るプロジェクタの実施形態の構成を説明するための平面図である。
【図5】人工水晶を切断角度θで切断した時の図であり、(a)は斜視概観図、(b)は断面図を示す。
【図6】プロジェクタの構成を説明するための平面図である。
【図7】従来の波長板の構成を説明するための図であり、(a)は入射方向から見た平面図、(b)は側面から見た平面図である。
【図8】従来の波長板の入射角度依存性を示すグラフである。
【図9】従来の積層型波長板の構成を説明するための図であり、(a)は入射方向から見た平面図、(b)は側面から見た平面図である。
【図10】従来の積層型波長板の入射角度依存性を示すグラフである。
【図11】人工水晶の結晶構造を示す斜視概観図である。
【図12】人工水晶を切断角度θ=90°で切断した時の図であり、(a)は斜視概観図、(b)は断面図を示す。
【符号の説明】
1 発光管
2 P/S変換素子
3 フライアレンズ
4 ダイクロイックフィルタ
5 ダイクロイックフィルタ
6 ダイクロイックミラー
7 放熱板
8 偏光フィルム
9 透過型液晶シャッタ
10 偏光フィルム
11 クロスダイクロイックプリズム
12 1/2波長板
20 スクリーン
21 光学軸
22 法線(入射光軸)
23 波長板
24 光学軸
25 光学軸
26 波長板
27 波長板
28 積層波長板
29 積層波長板
30 波長板
31 波長板
32 光学軸
33 光学軸
34 法線(入射光軸)
35 法線(入射光軸)
36 複合光学部品
37 積層波長板
38 偏光フィルム
39 光学軸
40 光学軸
41 1/4波長板
42 反射型液晶シャッタ

Claims (14)

  1. 波長λの単色光に対して位相差αの第1波長板と位相差βの第2波長板とを貼り合せた積層波長板において、
    該積層波長板の主表面の法線と前記第1波長板の光学軸Aとのなす角度がθ、
    該積層波長板の主表面の法線と前記第2波長板の光学軸Bとのなす角度が−θであり、
    前記θが、0<θ<90°であることを特徴とする積層波長板。
  2. 前記位相差α、βをλ/4として全体で1/2波長板として機能することを特徴とする請求項1記載の積層波長板。
  3. 前記位相差α、βをλ/8として全体で1/4波長板として機能することを特徴とする請求項1記載の積層波長板。
  4. 前記第1、2波長板の材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたことを特徴とする請求項1乃至3記載の積層波長板。
  5. 波長λの単色光に対して位相差αの第1波長板と位相差βの第2波長板とを貼り合せた積層波長板に偏光素子を積層した複合光学部品において、
    該積層波長板の主表面の法線と前記第1波長板の光学軸Aとのなす角度がθ、
    該積層波長板の主表面の法線と前記第2波長板の光学軸Bとのなす角度が−θであり、
    前記θが、0<θ<90°であって、
    且つ前記積層波長板の光学軸と前記偏光素子の光学軸とのなす角が45°±5°であることを特徴とする複合光学部品。
  6. 前記位相差α、βをλ/4として全体で1/2波長板として機能することを特徴とする請求項5記載の複合光学部品。
  7. 前記位相差α、βをλ/8として全体で1/4波長板として機能することを特徴とする請求項5記載の複合光学部品。
  8. 前記第1、2波長板の材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたことを特徴とする請求項5乃至8記載の複合光学部品。
  9. 光源と、
    該光源から出射する光線の光軸上に配置した液晶シャッタと、
    クロスダイクロイックプリズムとを備えたプロジェクタにおいて、
    前記液晶シャッタと前記クロスダイクロイックプリズムとの間に、
    波長λの単色光に対して位相差αの第1波長板と位相差βの第2波長板とを貼り合せた積層波長板を配置し、
    該積層波長板の主表面の法線と前記第1波長板の光学軸Aとのなす角度がθ、
    該積層波長板の主表面の法線と前記第2波長板の光学軸Bとのなす角度が−θであり、
    前記θが、0<θ<90°であることを特徴とするプロジェクタ。
  10. 前記位相差α、βをλ/4とし、前記積層波長板が全体で1/2波長板として機能することを特徴とする請求項9記載のプロジェクタ。
  11. 前記第1、2波長板の材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたことを特徴とする請求項9乃至10記載のプロジェクタ。
  12. 光源と、
    該光源から出射する光線の光軸上に配置した液晶シャッタと、
    ビームスプリッタとを備えたプロジェクタにおいて、
    前記液晶シャッタと前記ビームスプリッタとの間に、
    波長λの単色光に対して位相差αの第1波長板と位相差βの第2波長板とを貼り合せた積層波長板を配置し、
    該積層波長板の主表面の法線と前記第1波長板の光学軸Aとのなす角度がθ、
    該積層波長板の主表面の法線と前記第2波長板の光学軸Bとのなす角度が−θであり、
    前記θが、0<θ<90°であることを特徴とするプロジェクタ。
  13. 前記位相差α、βをλ/8とし、前記積層波長板が全体で1/4波長板として機能することを特徴とする請求項12記載のプロジェクタ。
  14. 前記第1、2波長板の材料に水晶或いはサファイア結晶を用いたことを特徴とする請求項12乃至13記載のプロジェクタ。
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