JP2004354453A - 光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】小型でかつ低コストで生産が可能な光モジュールを提供する。
【解決手段】光モジュール100は、導光部材を嵌挿可能なスリーブ11と、所与の収容空間15を有する筐体部10と、収容空間10内に配置され、屈折率変化領域22が周期的に配列された2次元フォトニック結晶領域21を有し、光信号の分波および合波をするための光合分波部20と、発光機能および受光機能の少なくとも一方の機能を有し、光合分波部20に対して光軸が適合するように収容空間15内に配置される複数の素子を含む光能動素子部30と、を含み、スリーブ11、筐体部10および光合分波部20が、所定の波長帯の光を透過可能な樹脂材料を用いて一体的に形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】光モジュール100は、導光部材を嵌挿可能なスリーブ11と、所与の収容空間15を有する筐体部10と、収容空間10内に配置され、屈折率変化領域22が周期的に配列された2次元フォトニック結晶領域21を有し、光信号の分波および合波をするための光合分波部20と、発光機能および受光機能の少なくとも一方の機能を有し、光合分波部20に対して光軸が適合するように収容空間15内に配置される複数の素子を含む光能動素子部30と、を含み、スリーブ11、筐体部10および光合分波部20が、所定の波長帯の光を透過可能な樹脂材料を用いて一体的に形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として光通信に用いられる光モジュールに関する。
【0002】
【背景技術】
近年の光通信技術の発展に伴い、大容量でかつ高速な光ファイバを用いた通信が可能となっている。かかる光通信技術においては、光を分波あるいは合波することにより複数の光信号を適切に処理することが必要である。これらの処理を実現するための光通信用モジュールとしては、干渉フィルタや回折格子を用いたものが提案されている。
【0003】
しかし、干渉フィルタや回折格子を用いると、光の分解能を高精度とするためには長い光路長が必要となり、システムの集積化に伴う部品の小型化の要請に十分に応えられないといった課題が生じていた。また、部品を小型化するに当たっては、光ファイバと部品との間の光軸調整が困難となってきて、正確な光軸調整をするためのコスト負担が新たに生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、小型でかつ低コストで生産が可能な光モジュールを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の光モジュールは、導光部材を嵌挿可能なスリーブと、所与の収容空間を有する筐体部と、前記収容空間内に配置され、屈折率変化領域が周期的に配列された2次元フォトニック結晶領域を有し、光信号の分波および合波をするための光合分波部と、発光機能および受光機能の少なくとも一方の機能を有し、前記光合分波部に対して光軸が適合するように前記収容空間内に配置される複数の素子を含む光能動素子部と、を含み、前記スリーブ、前記筐体部および前記光合分波部が、所定の波長帯の光を透過可能な樹脂材料を用いて一体的に形成されている。
【0006】
本発明において、「導光部材」とは、光ファイバに限られず、広く光を伝搬させるための部材を意味し、光ファイバと結合されたコネクタ等のフェルールなども「導光部材」に含まれる。また、光能動素子部を構成する「複数の素子」は、フォトダイオードなどの各種受光素子や半導体レーザー、発光ダイオード、EL素子などの各種発光素子などから構成され、これらが光合分波部で処理される分波光や合波光と対応するように設けられれば、単一種類のものが複数含まれていてもよいし、異なる複数種類のものの組合せが含まれていてもよい。
【0007】
本発明によれば、2次元フォトニック結晶領域を用いて光信号を合波あるいは分波することにより、干渉フィルタや回折格子などを用いる場合に比べて十分に短い光路長で分波あるいは合波することが可能であり、モジュールを小型化することができる。さらに、本発明の光モジュールでは、各部の収容空間を構成する筐体部と、導光部材を嵌挿するためのスリーブと、光の合波あるいは分波を行う光合分波部とが一体的に形成されることにより、スリーブに嵌挿される導光部材と光合分波部との間の光軸調整が不要となる。このため、本発明の光モジュールによれば、生産効率を向上させることができ、低コストでの実現が可能となる。
【0008】
また、一般に樹脂材料は、屈折率が低いため、低次の伝搬モードを透過させるための2次元フォトニック結晶領域の厚さがシリコンなどの無機材料を用いた場合に比べて厚くすることができる。このため、本発明の光モジュールでは、2次元フォトニック結晶領域を厚膜化して形成することにより、スリーブや光能動素子部との光の結合効率を向上させた高性能のモジュールを実現することができる。
【0009】
本発明の光モジュールは、以下の態様を採り得る。
【0010】
(1)前記スリーブは、前記光合分波部に向けて前記導光部材から入射した光を集光するためのレンズ機能を有することができる。
【0011】
かかる態様によれば、スリーブのレンズ機能により集光された光が光合分波部に入射されるため、スリーブと光合分波部との間における光の損失を低減することができる。
【0012】
(2)前記光合分波部は、2次元フォトニック結晶領域の上に前記樹脂材料より屈折率の高い材料からなる高屈折率膜が形成されていることができる。
【0013】
かかる態様によれば、光合分波部の2次元フォトニック結晶領域が形成された面と交差する方向に対して、光を光合分波部内に確実に閉じ込めながら伝搬させることができる。これは特に、2次元フォトニック結晶領域が樹脂材料で形成されることにより、光を伝搬させたい部分以外が厚膜化してしまう場合に有効である。かかる場合には、高屈折率膜を形成しないと面と交差する方向において光の閉じ込めが不十分であり、厚膜化した部分の方が実効的な屈折率も高くなるため、光がかかる部分に漏れてしまうからである。
【0014】
(3) 前記高屈折率膜は、前記2次元フォトニック結晶領域上の一部に線状に形成されていることができる。
【0015】
かかる態様によれば、2次元フォトニック結晶領域における高屈折率膜の下部においてフォトニックバンド構造を変化して、光を伝搬させるための光路が形成されるため、2次元フォトニック結晶領域内に所望の光路を形成することができる。
【0016】
(4)前記筐体部は、内部に前記光能動素子部と他の電子部品とを電気的に接続するための配線部を含むことができる。
【0017】
かかる態様によれば、光能動素子部とこれらの駆動回路や制御回路等の他の電子部品を実装するための配線スペースを収容空間内に予め用意する必要が無いため、さらなるモジュールの小型化を達成することができる。
【0018】
(5)前記光合分波部は、支持部を有し、前記光能動素子部は、前記光合分波部に対して空隙を介して前記支持部に支持されていることができる。
【0019】
かかる態様によれば、光合分波部と光能動素子部とを立体的に重ねた構造を採用することができるため、筐体部の収容空間をコンパクトにすることができ、部品全体の小型化を図ることができる。
【0020】
なお、かかる態様において、光合分波部と光能動素子部との間の光の結合を担保するためには、光合分波部において2次元フォトニック結晶領域の面と交差する方向に光が放出され、該面と交差する方向から入射する光を受け入れる構成を採用することが望ましい。
【0021】
そこで、このような構成を実現するために、前記光合分波部は、2次元フォトニック結晶領域内の光路から所定の波長の光信号を捕獲して外部に放出し、かつ所定の波長の光信号を捕獲して該光路に導入するための点欠陥を有し、前記光能動素子部に含まれる複数の素子は、前記光合分波部の点欠陥に対応して配置されていることができる。
【0022】
また、かかる態様において、2次元フォトニック結晶領域内における光路は、以下のようにして形成されることが可能である。
【0023】
前記2次元フォトニック結晶領域の一部の上に、前記樹脂材料よりも屈折率の高い材料からなる高屈折率膜が線状に配置され、前記光合分波部の2次元フォトニック結晶領域内の光路は、前記高屈折率膜の下部に形成されることができる。
【0024】
また、前記光合分波部の2次元フォトニック結晶領域内の光路は、該2次元フォトニック結晶領域が有する線欠陥により形成されることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
[第1の実施形態]
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る光モジュール100を模式的に示す平面図である。また、図1(B)は、図1(A)におけるa−a´断面図である。
【0027】
本実施の形態に係る光モジュール100は、スリーブ11ともに収容空間15を構成する筐体部10と、該収容空間15内に配置される2次元フォトニック結晶構造を有する光合分波部20、複数の受光素子、あるいは発光素子からなる光能動素子部30、および光能動素子部30の受光素子や発光素子のための制御回路などを含む電子回路部(他の電子部品)40とを含んで構成されている。
【0028】
筐体部10は、樹脂材料で形成され、後述するスリーブ11や光合分波部20とともに一体的に形成される。樹脂材料としては、光を透過可能なものが選択され、例えば、プラスチック系光ファイバ(POF)に用いられるポリメチルメタクリレート(PMMA)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート、フェニルメタクリレート、フッ素系ポリマー等、公知のものを採用することができる。
【0029】
スリーブ11は、筐体部10と一体的に形成されて収容空間15の周壁の一部を構成しており、外部から光ファイバなどの導光部材を嵌挿可能に形成されている。またスリーブ11の収容空間15側には、光合分波部20に向けて導光部材からの光信号を集光して送り出すためのレンズ部12を有する。これにより、光合分波部20と導光部材との間における光信号の損失を低減して両者の結合効率を良好なものとすることができる。
【0030】
光合分波部20は、収容空間15内にスリーブ11と光軸が適合するように配置されている。また、光合分波部20は、凹部あるいは凸部からなる屈折率変化領域22が周期的に配列された2次元フォトニック結晶領域21を有する。この光合分波部20も筐体部10やスリーブ11と一体的に形成されている。すなわち、光合分波部20における2次元フォトニック結晶領域21は、一般的にシリコンなどの無機材料に比べて屈折率の低い樹脂材料により形成されているため、厚みを大きくしても低次の伝搬モードを透過させることができる。このため、光モジュール100では、2次元フォトニック結晶領域21を厚膜化して形成することにより、スリーブ11や光能動素子部30との光の結合効率を向上させた高性能のモジュールを実現することができる。
【0031】
また、光合分波部20は、2次元フォトニック結晶領域21の上に当該2次元フォトニック結晶領域21などを構成する樹脂材料より屈折率の高い材料からなる高屈折率膜24が設けられている。これにより、光合分波部20の2次元フォトニック結晶領域21が形成された面と交差する方向に対して、光信号を光合分波部20内に確実に閉じ込めながら伝搬させることができる。本実施の形態では、2次元フォトニック結晶領域21が所定の波長帯の光信号を透過可能な樹脂材料で形成される。このため、高屈折率膜24を形成しないと、面と交差する方向において光信号の閉じ込めが不十分であり、厚膜化した部分の方が実効的な屈折率も高くなるため、光信号がかかる部分に漏れてしまう。したがって、この高屈折率膜24を設けることは、光信号を伝搬させたい部分以外が厚膜化して、光信号が外部に漏れやすくなるような場合に有効である。
【0032】
また、光合分波部20において、光信号を分波するための手法としては、例えば、図2に示すように、2次元フォトニック結晶領域21内に形成された屈折率変化領域22の周期的な配列の端面を光信号の入射方向に対して所与の角度を有するように配置することにより、偏光プリズムとして機能させることにより、所定の方向に向けて分波された光信号を出射端面から取り出すものが挙げられる。なお、図2において、Pinは入力光信号を示し、Pout1〜Pout4は、分波された出力光信号を示す。また、光合分波部20において、光信号を合波する場合には、図2に示す2次元フォトニック結晶領域21の分波光の出力側から光信号を入射させればよい。
【0033】
また、光モジュール100は、収容空間15の内壁に光合分波部20と光軸が適合するように配置された複数の発光素子あるいは受光素子を含んで構成される光能動素子部30が配置されている。発光素子としては、例えば、半導体レーザー、発光ダイオード、EL素子などが挙げられる。受光素子としては、例えば、フォトダイオードなどが挙げられる。光能動素子部30は、光モジュール100が受信モジュールとして構成される場合には、少なくとも受光素子を有していればよく、光合分波部20から出射される光信号を受光素子で受けて電子回路部40と電気信号を送受信を行う。また、光能動素子部30は、光モジュール100が送信モジュールとして構成される場合には、少なくとも発光素子を有していればよく、この発光素子が、電子回路部40から送られた電気信号を光信号に変換して、光合分波部20に向けて出射する。なお、光モジュール100をトランシーバモジュールとして構成する場合には、光合分波部20と光軸が適合する一対の受光素子及び発光素子を設けることができる。そして、光モジュール100をトランシーバモジュールとして構成する場合には、発光素子としての半導体レーザーは、面発光型のものが好ましい。かかる面発光型の半導体レーザーであれば、同一の半導体基板上においてフォトダイオードとともに、アレイ化して形成することができるからである。
【0034】
また、光能動素子部30と電気的に接続されて電気信号のやり取りを行う電子回路部40は、受光素子からの電気信号を増幅する増幅回路や発光素子への制御信号を生成する駆動回路などにより構成される。また、光能動素子部30と電子回路部40とは、図1(B)に示すように、筐体部10の内部に設けられた配線部50,52を介して電気的に接続されている。これにより、光能動素子部30と電子回路部40を実装して電気的に接続するための配線スペースを収容空間15内に予め用意する必要が無いため、さらなるモジュールの小型化を達成することができる。
【0035】
以上に述べた本実施の形態に係る光モジュール100によれば、2次元フォトニック結晶構造を用いて光信号を合波あるいは分波することにより、干渉フィルタや回折格子などを用いる場合に比べて十分に短い光路長で分波あるいは合波することが可能であり、モジュールを小型化することができる。
【0036】
また、上述した光モジュール100では、筐体部10、スリーブ11、及び光合分波部20を、を例えば、スタンパなどを用いて型押しすることにより、一体的に形成することができる。より具体的には、例えば、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を材料として、かかる樹脂材料を所与の基体の上に塗布し、樹脂材料の塗布膜をスタンパで押圧しながら、熱や紫外線により硬化させて、硬化した樹脂の表面に所定のパターンで筐体部10、スリーブ11、及び光合分波部20が一体的に形成される。かかる型押しの手法を用いる際には、スタンパを所与の金属体(例えば、Ni)などの表面にフォトリソグラフィー技術や電子線描画法などを用いてパターニングすることにより形成することができる。このように、型押しの手法を用いれば、同一パターンを容易に再現することができるため、スリーブ11と光合分波部20との光軸調整を光モジュール100の生産のたびに個々のモジュールごとに行うといった作業が不要となる。また、スタンパを形成するためのフォトリソグラフィー技術や電子線描画法は、サブミクロンオーダーでの加工が可能であるため、これらの技術を用いて型押し用のパターンを形成すれば、スリーブ11と光合分波部20との間で非常に精度の高い光軸調整が可能である。このため、本実施の形態の光モジュール100によれば、生産効率を向上させることができ、低コストでのモジュールの生産が実現可能となる。
【0037】
(参考例)
図3(A)は、本実施の形態の参考例に係る光モジュール110を模式的に示す平面図である。図3(B)は、図3(A)のa−a´断面図を示している。また、図3(C)は、図3(A)のb−b´断面図を示している。
【0038】
本例に係る光モジュール110では、図3(A)及び図3(B)に示されるように、光合分波部20を構成する2次元フォトニック結晶領域21がスラブ(薄板)により形成され、図3(A)及び図3(C)に示されるように、このスラブが収容空間15内に筐体部10と一体的に形成された支持部18により支持されたエアギャップ構造を有する。この支持部18は、スリーブ11から光合分波部20を経て光能動素子部30に至るまでの光路を遮らないように設けることが肝要である。この構成によれば、2次元フォトニック結晶領域21の上下は空気により低屈折率とすることができるため、スラブと空気によりコアとクラッドの関係となるため、2次元フォトニック結晶領域21の面と交差する方向に確実に光を閉じ込めることができる。また、この光モジュール110においても、2次元フォトニック結晶領域21により光を合波あるいは分波する構成とされているので、干渉フィルタや回折格子などを用いる場合に比べて十分に短い光路長で分波あるいは合波することが可能であり、モジュールを小型化することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係る光モジュール120を模式的に示す平面図である。なお、第1の実施形態で説明したものと実質的に同一の機能を有する部材には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0040】
本実施の形態に係る光モジュール120は、光合分波部20の2次元フォトニック結晶領域21の上に形成された高屈折率膜24が、線状に形成されており、その下部に相当する部分において2次元フォトニック結晶領域21内における光信号用の光路を形成して分波光あるいは合波光の入出射方向を制御している。これは、2次元フォトニック結晶領域21が有するフォトニックバンド構造が上部に高屈折率膜24の形成された領域において光を通過させやすくなるように変化していることによるものである。従って、このように2次元フォトニック結晶領域21の上に線状に高屈折率膜を形成した光合分波部20においては、その内部における光路を任意に設定することができるため、例えば、図4に示すように光信号を入射端面と対向していない端面から出射させるような構成を採用すれば、光能動素子部30の位置を筐体部10の収容空間15内において実装しやすい位置に配置することが可能となる。
【0041】
また、本実施の形態に係る光モジュール120では、光学系部材ではない電子回路部40を筐体部10の外周面に配置して、筐体部の10の側壁に貫通電極部54を形成して光能動素子部30との電気的接続を実現している。このようにすれば、電子回路部40の収容スペースを筐体部10の収容空間15内に用意する必要がないため、収容空間15のコンパクト化を図ることができる。
【0042】
[第3の実施形態]
図5(A)は、本発明の第3の実施形態に係る光モジュール130を模式的に示す平面図である。図5(B)は、図5(A)のa−a´断面図を示しており、図5(C)は、図5(A)のb−b´断面図を示している。なお、第1の実施形態で説明したものと実質的に同一の機能を有する部材には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0043】
本実施の形態に係る光モジュール130では、図5(B)に示すように、光合分波部20において2次元フォトニック結晶領域21の面と交差する方向に対して光信号を入出射可能に設けて、光能動素子部30を光合分波部20の上部に配置した構成を採用する。かかる場合において、光能動素子部30と電子回路部40とは、例えば、ワイヤボンディングなどにより金属線56を用いて電気的に接続することができる。このとき、光能動素子部30は、光合分波部20において2次元フォトニック結晶領域21と一体的に形成された支持部26に支持されて2次元フォトニック結晶領域21の上部に配置される。この支持部26についても、2次元フォトニック結晶領域21と同様に型押しの手法で形成することができる。
【0044】
また、光能動素子部30を光合分波部20の上に配置する構成としては、図6に示すように、光合分波部20の2次元フォトニック結晶領域21の上に、第1の実施形態における光合分波部20と同様の高屈折率膜24を設けて、かかる高屈折率膜24を接着層として、その上に光能動素子部30を配置する構成としてもよい。
【0045】
なお、本実施の形態に係る光モジュール130においては、光合分波部20と光能動素子部30との間の光の結合を担保するためには、例えば、図5の(B)に示すように、2次元フォトニック結晶領域21の屈折率変化領域22の一部の形状を異なるものとした点欠陥23を設けて、かかる点欠陥23により所定の波長帯の光を入出射可能にすることができる。より具体的には、以下に説明するように2次元フォトニック結晶領域21を構成すればよい。
【0046】
図7(A)及び図7(B)は、点欠陥23が設けられた光合分波部20における2次元フォトニック結晶領域21を示すものである。
【0047】
まず、図7(A)では、2次元フォトニック結晶領域21内の光路を形成するために屈折率変化領域22の配列が線状に抜き取られたような構造を有する線欠陥25を設けて、これに導波機能を持たせている。そして、線欠陥25の近傍に屈折率変化領域22の形状や大きさを変化させた点欠陥23a〜23dが設けられている。この点欠陥23a〜23dは、それぞれ形状や大きさを異なるものとすることにより、各点欠陥23a〜23dの形状や大きさに応じて異なる波長帯の光を捕獲するように形成することができる。そして、この点欠陥23は、線欠陥25を通過する光から所定の波長帯の光を捕獲して2次元フォトニック結晶領域21の面と交差する方向に光を放出し、外部からの光のうち所定の波長帯の光を捕獲して線欠陥25内に導入させることができる。そして、2次元フォトニック結晶領域21に点欠陥23を設けた構成を採用する場合には、光能動素子部30に含まれる複数の受光素子あるいは発光素子は、点欠陥23の上部に対応して配置されることにより、光合分波部20と光能動素子部30とを立体的に重ねて配置しても両者の間で光信号のやり取りを行うことができる。
【0048】
また、2次元フォトニック結晶領域21においては、図7(B)に示されるように、線欠陥の上に線状の高屈折率膜24を形成してもよい。かかる場合においても、点欠陥23は、高屈折率膜24の下部に形成される光信号の光路から光信号を捕獲して放出し、外部から捕獲した光信号を高屈折率膜24の下部に形成される光路内に導入することができる。
【0049】
以上に述べたように、本実施形態の光モジュール130によれば、光合分波部20と光能動素子部30とを立体的に重ねた構造を採用することができるため、光能動素子部30を実装する際の作業性が向上し、さらに筐体部10の収容空間15をコンパクトにすることができるので、モジュール全体の小型化を図ることができる。
【0050】
以上、本発明に好適な実施の形態について述べたが、本発明は、上述した態様に限られるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形態様により実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る光モジュールを示す図。
【図2】第1の実施形態に係る光モジュールの2次元フォトニック結晶領域を説明するための図。
【図3】第1の実施形態の参考例に係る光モジュールを示す図。
【図4】第2の実施形態に係る光モジュールを示す図。
【図5】第3の実施形態に係る光モジュールを示す図。
【図6】第3の実施形態に係る光モジュールの変形例を示す図。
【図7】第3の実施形態に係る光モジュールの2次元フォトニック結晶領域を説明するための図。
【符号の説明】
100 光モジュール、10 筐体部、11 スリーブ、12 レンズ部、15収容空間、20 光合分波部、21 2次元フォトニック結晶領域、22 屈折率変化領域、24 高屈折率膜、30 光能動素子部、40 電子回路部、50、52 配線部
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として光通信に用いられる光モジュールに関する。
【0002】
【背景技術】
近年の光通信技術の発展に伴い、大容量でかつ高速な光ファイバを用いた通信が可能となっている。かかる光通信技術においては、光を分波あるいは合波することにより複数の光信号を適切に処理することが必要である。これらの処理を実現するための光通信用モジュールとしては、干渉フィルタや回折格子を用いたものが提案されている。
【0003】
しかし、干渉フィルタや回折格子を用いると、光の分解能を高精度とするためには長い光路長が必要となり、システムの集積化に伴う部品の小型化の要請に十分に応えられないといった課題が生じていた。また、部品を小型化するに当たっては、光ファイバと部品との間の光軸調整が困難となってきて、正確な光軸調整をするためのコスト負担が新たに生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、小型でかつ低コストで生産が可能な光モジュールを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の光モジュールは、導光部材を嵌挿可能なスリーブと、所与の収容空間を有する筐体部と、前記収容空間内に配置され、屈折率変化領域が周期的に配列された2次元フォトニック結晶領域を有し、光信号の分波および合波をするための光合分波部と、発光機能および受光機能の少なくとも一方の機能を有し、前記光合分波部に対して光軸が適合するように前記収容空間内に配置される複数の素子を含む光能動素子部と、を含み、前記スリーブ、前記筐体部および前記光合分波部が、所定の波長帯の光を透過可能な樹脂材料を用いて一体的に形成されている。
【0006】
本発明において、「導光部材」とは、光ファイバに限られず、広く光を伝搬させるための部材を意味し、光ファイバと結合されたコネクタ等のフェルールなども「導光部材」に含まれる。また、光能動素子部を構成する「複数の素子」は、フォトダイオードなどの各種受光素子や半導体レーザー、発光ダイオード、EL素子などの各種発光素子などから構成され、これらが光合分波部で処理される分波光や合波光と対応するように設けられれば、単一種類のものが複数含まれていてもよいし、異なる複数種類のものの組合せが含まれていてもよい。
【0007】
本発明によれば、2次元フォトニック結晶領域を用いて光信号を合波あるいは分波することにより、干渉フィルタや回折格子などを用いる場合に比べて十分に短い光路長で分波あるいは合波することが可能であり、モジュールを小型化することができる。さらに、本発明の光モジュールでは、各部の収容空間を構成する筐体部と、導光部材を嵌挿するためのスリーブと、光の合波あるいは分波を行う光合分波部とが一体的に形成されることにより、スリーブに嵌挿される導光部材と光合分波部との間の光軸調整が不要となる。このため、本発明の光モジュールによれば、生産効率を向上させることができ、低コストでの実現が可能となる。
【0008】
また、一般に樹脂材料は、屈折率が低いため、低次の伝搬モードを透過させるための2次元フォトニック結晶領域の厚さがシリコンなどの無機材料を用いた場合に比べて厚くすることができる。このため、本発明の光モジュールでは、2次元フォトニック結晶領域を厚膜化して形成することにより、スリーブや光能動素子部との光の結合効率を向上させた高性能のモジュールを実現することができる。
【0009】
本発明の光モジュールは、以下の態様を採り得る。
【0010】
(1)前記スリーブは、前記光合分波部に向けて前記導光部材から入射した光を集光するためのレンズ機能を有することができる。
【0011】
かかる態様によれば、スリーブのレンズ機能により集光された光が光合分波部に入射されるため、スリーブと光合分波部との間における光の損失を低減することができる。
【0012】
(2)前記光合分波部は、2次元フォトニック結晶領域の上に前記樹脂材料より屈折率の高い材料からなる高屈折率膜が形成されていることができる。
【0013】
かかる態様によれば、光合分波部の2次元フォトニック結晶領域が形成された面と交差する方向に対して、光を光合分波部内に確実に閉じ込めながら伝搬させることができる。これは特に、2次元フォトニック結晶領域が樹脂材料で形成されることにより、光を伝搬させたい部分以外が厚膜化してしまう場合に有効である。かかる場合には、高屈折率膜を形成しないと面と交差する方向において光の閉じ込めが不十分であり、厚膜化した部分の方が実効的な屈折率も高くなるため、光がかかる部分に漏れてしまうからである。
【0014】
(3) 前記高屈折率膜は、前記2次元フォトニック結晶領域上の一部に線状に形成されていることができる。
【0015】
かかる態様によれば、2次元フォトニック結晶領域における高屈折率膜の下部においてフォトニックバンド構造を変化して、光を伝搬させるための光路が形成されるため、2次元フォトニック結晶領域内に所望の光路を形成することができる。
【0016】
(4)前記筐体部は、内部に前記光能動素子部と他の電子部品とを電気的に接続するための配線部を含むことができる。
【0017】
かかる態様によれば、光能動素子部とこれらの駆動回路や制御回路等の他の電子部品を実装するための配線スペースを収容空間内に予め用意する必要が無いため、さらなるモジュールの小型化を達成することができる。
【0018】
(5)前記光合分波部は、支持部を有し、前記光能動素子部は、前記光合分波部に対して空隙を介して前記支持部に支持されていることができる。
【0019】
かかる態様によれば、光合分波部と光能動素子部とを立体的に重ねた構造を採用することができるため、筐体部の収容空間をコンパクトにすることができ、部品全体の小型化を図ることができる。
【0020】
なお、かかる態様において、光合分波部と光能動素子部との間の光の結合を担保するためには、光合分波部において2次元フォトニック結晶領域の面と交差する方向に光が放出され、該面と交差する方向から入射する光を受け入れる構成を採用することが望ましい。
【0021】
そこで、このような構成を実現するために、前記光合分波部は、2次元フォトニック結晶領域内の光路から所定の波長の光信号を捕獲して外部に放出し、かつ所定の波長の光信号を捕獲して該光路に導入するための点欠陥を有し、前記光能動素子部に含まれる複数の素子は、前記光合分波部の点欠陥に対応して配置されていることができる。
【0022】
また、かかる態様において、2次元フォトニック結晶領域内における光路は、以下のようにして形成されることが可能である。
【0023】
前記2次元フォトニック結晶領域の一部の上に、前記樹脂材料よりも屈折率の高い材料からなる高屈折率膜が線状に配置され、前記光合分波部の2次元フォトニック結晶領域内の光路は、前記高屈折率膜の下部に形成されることができる。
【0024】
また、前記光合分波部の2次元フォトニック結晶領域内の光路は、該2次元フォトニック結晶領域が有する線欠陥により形成されることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
[第1の実施形態]
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る光モジュール100を模式的に示す平面図である。また、図1(B)は、図1(A)におけるa−a´断面図である。
【0027】
本実施の形態に係る光モジュール100は、スリーブ11ともに収容空間15を構成する筐体部10と、該収容空間15内に配置される2次元フォトニック結晶構造を有する光合分波部20、複数の受光素子、あるいは発光素子からなる光能動素子部30、および光能動素子部30の受光素子や発光素子のための制御回路などを含む電子回路部(他の電子部品)40とを含んで構成されている。
【0028】
筐体部10は、樹脂材料で形成され、後述するスリーブ11や光合分波部20とともに一体的に形成される。樹脂材料としては、光を透過可能なものが選択され、例えば、プラスチック系光ファイバ(POF)に用いられるポリメチルメタクリレート(PMMA)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート、フェニルメタクリレート、フッ素系ポリマー等、公知のものを採用することができる。
【0029】
スリーブ11は、筐体部10と一体的に形成されて収容空間15の周壁の一部を構成しており、外部から光ファイバなどの導光部材を嵌挿可能に形成されている。またスリーブ11の収容空間15側には、光合分波部20に向けて導光部材からの光信号を集光して送り出すためのレンズ部12を有する。これにより、光合分波部20と導光部材との間における光信号の損失を低減して両者の結合効率を良好なものとすることができる。
【0030】
光合分波部20は、収容空間15内にスリーブ11と光軸が適合するように配置されている。また、光合分波部20は、凹部あるいは凸部からなる屈折率変化領域22が周期的に配列された2次元フォトニック結晶領域21を有する。この光合分波部20も筐体部10やスリーブ11と一体的に形成されている。すなわち、光合分波部20における2次元フォトニック結晶領域21は、一般的にシリコンなどの無機材料に比べて屈折率の低い樹脂材料により形成されているため、厚みを大きくしても低次の伝搬モードを透過させることができる。このため、光モジュール100では、2次元フォトニック結晶領域21を厚膜化して形成することにより、スリーブ11や光能動素子部30との光の結合効率を向上させた高性能のモジュールを実現することができる。
【0031】
また、光合分波部20は、2次元フォトニック結晶領域21の上に当該2次元フォトニック結晶領域21などを構成する樹脂材料より屈折率の高い材料からなる高屈折率膜24が設けられている。これにより、光合分波部20の2次元フォトニック結晶領域21が形成された面と交差する方向に対して、光信号を光合分波部20内に確実に閉じ込めながら伝搬させることができる。本実施の形態では、2次元フォトニック結晶領域21が所定の波長帯の光信号を透過可能な樹脂材料で形成される。このため、高屈折率膜24を形成しないと、面と交差する方向において光信号の閉じ込めが不十分であり、厚膜化した部分の方が実効的な屈折率も高くなるため、光信号がかかる部分に漏れてしまう。したがって、この高屈折率膜24を設けることは、光信号を伝搬させたい部分以外が厚膜化して、光信号が外部に漏れやすくなるような場合に有効である。
【0032】
また、光合分波部20において、光信号を分波するための手法としては、例えば、図2に示すように、2次元フォトニック結晶領域21内に形成された屈折率変化領域22の周期的な配列の端面を光信号の入射方向に対して所与の角度を有するように配置することにより、偏光プリズムとして機能させることにより、所定の方向に向けて分波された光信号を出射端面から取り出すものが挙げられる。なお、図2において、Pinは入力光信号を示し、Pout1〜Pout4は、分波された出力光信号を示す。また、光合分波部20において、光信号を合波する場合には、図2に示す2次元フォトニック結晶領域21の分波光の出力側から光信号を入射させればよい。
【0033】
また、光モジュール100は、収容空間15の内壁に光合分波部20と光軸が適合するように配置された複数の発光素子あるいは受光素子を含んで構成される光能動素子部30が配置されている。発光素子としては、例えば、半導体レーザー、発光ダイオード、EL素子などが挙げられる。受光素子としては、例えば、フォトダイオードなどが挙げられる。光能動素子部30は、光モジュール100が受信モジュールとして構成される場合には、少なくとも受光素子を有していればよく、光合分波部20から出射される光信号を受光素子で受けて電子回路部40と電気信号を送受信を行う。また、光能動素子部30は、光モジュール100が送信モジュールとして構成される場合には、少なくとも発光素子を有していればよく、この発光素子が、電子回路部40から送られた電気信号を光信号に変換して、光合分波部20に向けて出射する。なお、光モジュール100をトランシーバモジュールとして構成する場合には、光合分波部20と光軸が適合する一対の受光素子及び発光素子を設けることができる。そして、光モジュール100をトランシーバモジュールとして構成する場合には、発光素子としての半導体レーザーは、面発光型のものが好ましい。かかる面発光型の半導体レーザーであれば、同一の半導体基板上においてフォトダイオードとともに、アレイ化して形成することができるからである。
【0034】
また、光能動素子部30と電気的に接続されて電気信号のやり取りを行う電子回路部40は、受光素子からの電気信号を増幅する増幅回路や発光素子への制御信号を生成する駆動回路などにより構成される。また、光能動素子部30と電子回路部40とは、図1(B)に示すように、筐体部10の内部に設けられた配線部50,52を介して電気的に接続されている。これにより、光能動素子部30と電子回路部40を実装して電気的に接続するための配線スペースを収容空間15内に予め用意する必要が無いため、さらなるモジュールの小型化を達成することができる。
【0035】
以上に述べた本実施の形態に係る光モジュール100によれば、2次元フォトニック結晶構造を用いて光信号を合波あるいは分波することにより、干渉フィルタや回折格子などを用いる場合に比べて十分に短い光路長で分波あるいは合波することが可能であり、モジュールを小型化することができる。
【0036】
また、上述した光モジュール100では、筐体部10、スリーブ11、及び光合分波部20を、を例えば、スタンパなどを用いて型押しすることにより、一体的に形成することができる。より具体的には、例えば、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を材料として、かかる樹脂材料を所与の基体の上に塗布し、樹脂材料の塗布膜をスタンパで押圧しながら、熱や紫外線により硬化させて、硬化した樹脂の表面に所定のパターンで筐体部10、スリーブ11、及び光合分波部20が一体的に形成される。かかる型押しの手法を用いる際には、スタンパを所与の金属体(例えば、Ni)などの表面にフォトリソグラフィー技術や電子線描画法などを用いてパターニングすることにより形成することができる。このように、型押しの手法を用いれば、同一パターンを容易に再現することができるため、スリーブ11と光合分波部20との光軸調整を光モジュール100の生産のたびに個々のモジュールごとに行うといった作業が不要となる。また、スタンパを形成するためのフォトリソグラフィー技術や電子線描画法は、サブミクロンオーダーでの加工が可能であるため、これらの技術を用いて型押し用のパターンを形成すれば、スリーブ11と光合分波部20との間で非常に精度の高い光軸調整が可能である。このため、本実施の形態の光モジュール100によれば、生産効率を向上させることができ、低コストでのモジュールの生産が実現可能となる。
【0037】
(参考例)
図3(A)は、本実施の形態の参考例に係る光モジュール110を模式的に示す平面図である。図3(B)は、図3(A)のa−a´断面図を示している。また、図3(C)は、図3(A)のb−b´断面図を示している。
【0038】
本例に係る光モジュール110では、図3(A)及び図3(B)に示されるように、光合分波部20を構成する2次元フォトニック結晶領域21がスラブ(薄板)により形成され、図3(A)及び図3(C)に示されるように、このスラブが収容空間15内に筐体部10と一体的に形成された支持部18により支持されたエアギャップ構造を有する。この支持部18は、スリーブ11から光合分波部20を経て光能動素子部30に至るまでの光路を遮らないように設けることが肝要である。この構成によれば、2次元フォトニック結晶領域21の上下は空気により低屈折率とすることができるため、スラブと空気によりコアとクラッドの関係となるため、2次元フォトニック結晶領域21の面と交差する方向に確実に光を閉じ込めることができる。また、この光モジュール110においても、2次元フォトニック結晶領域21により光を合波あるいは分波する構成とされているので、干渉フィルタや回折格子などを用いる場合に比べて十分に短い光路長で分波あるいは合波することが可能であり、モジュールを小型化することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係る光モジュール120を模式的に示す平面図である。なお、第1の実施形態で説明したものと実質的に同一の機能を有する部材には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0040】
本実施の形態に係る光モジュール120は、光合分波部20の2次元フォトニック結晶領域21の上に形成された高屈折率膜24が、線状に形成されており、その下部に相当する部分において2次元フォトニック結晶領域21内における光信号用の光路を形成して分波光あるいは合波光の入出射方向を制御している。これは、2次元フォトニック結晶領域21が有するフォトニックバンド構造が上部に高屈折率膜24の形成された領域において光を通過させやすくなるように変化していることによるものである。従って、このように2次元フォトニック結晶領域21の上に線状に高屈折率膜を形成した光合分波部20においては、その内部における光路を任意に設定することができるため、例えば、図4に示すように光信号を入射端面と対向していない端面から出射させるような構成を採用すれば、光能動素子部30の位置を筐体部10の収容空間15内において実装しやすい位置に配置することが可能となる。
【0041】
また、本実施の形態に係る光モジュール120では、光学系部材ではない電子回路部40を筐体部10の外周面に配置して、筐体部の10の側壁に貫通電極部54を形成して光能動素子部30との電気的接続を実現している。このようにすれば、電子回路部40の収容スペースを筐体部10の収容空間15内に用意する必要がないため、収容空間15のコンパクト化を図ることができる。
【0042】
[第3の実施形態]
図5(A)は、本発明の第3の実施形態に係る光モジュール130を模式的に示す平面図である。図5(B)は、図5(A)のa−a´断面図を示しており、図5(C)は、図5(A)のb−b´断面図を示している。なお、第1の実施形態で説明したものと実質的に同一の機能を有する部材には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0043】
本実施の形態に係る光モジュール130では、図5(B)に示すように、光合分波部20において2次元フォトニック結晶領域21の面と交差する方向に対して光信号を入出射可能に設けて、光能動素子部30を光合分波部20の上部に配置した構成を採用する。かかる場合において、光能動素子部30と電子回路部40とは、例えば、ワイヤボンディングなどにより金属線56を用いて電気的に接続することができる。このとき、光能動素子部30は、光合分波部20において2次元フォトニック結晶領域21と一体的に形成された支持部26に支持されて2次元フォトニック結晶領域21の上部に配置される。この支持部26についても、2次元フォトニック結晶領域21と同様に型押しの手法で形成することができる。
【0044】
また、光能動素子部30を光合分波部20の上に配置する構成としては、図6に示すように、光合分波部20の2次元フォトニック結晶領域21の上に、第1の実施形態における光合分波部20と同様の高屈折率膜24を設けて、かかる高屈折率膜24を接着層として、その上に光能動素子部30を配置する構成としてもよい。
【0045】
なお、本実施の形態に係る光モジュール130においては、光合分波部20と光能動素子部30との間の光の結合を担保するためには、例えば、図5の(B)に示すように、2次元フォトニック結晶領域21の屈折率変化領域22の一部の形状を異なるものとした点欠陥23を設けて、かかる点欠陥23により所定の波長帯の光を入出射可能にすることができる。より具体的には、以下に説明するように2次元フォトニック結晶領域21を構成すればよい。
【0046】
図7(A)及び図7(B)は、点欠陥23が設けられた光合分波部20における2次元フォトニック結晶領域21を示すものである。
【0047】
まず、図7(A)では、2次元フォトニック結晶領域21内の光路を形成するために屈折率変化領域22の配列が線状に抜き取られたような構造を有する線欠陥25を設けて、これに導波機能を持たせている。そして、線欠陥25の近傍に屈折率変化領域22の形状や大きさを変化させた点欠陥23a〜23dが設けられている。この点欠陥23a〜23dは、それぞれ形状や大きさを異なるものとすることにより、各点欠陥23a〜23dの形状や大きさに応じて異なる波長帯の光を捕獲するように形成することができる。そして、この点欠陥23は、線欠陥25を通過する光から所定の波長帯の光を捕獲して2次元フォトニック結晶領域21の面と交差する方向に光を放出し、外部からの光のうち所定の波長帯の光を捕獲して線欠陥25内に導入させることができる。そして、2次元フォトニック結晶領域21に点欠陥23を設けた構成を採用する場合には、光能動素子部30に含まれる複数の受光素子あるいは発光素子は、点欠陥23の上部に対応して配置されることにより、光合分波部20と光能動素子部30とを立体的に重ねて配置しても両者の間で光信号のやり取りを行うことができる。
【0048】
また、2次元フォトニック結晶領域21においては、図7(B)に示されるように、線欠陥の上に線状の高屈折率膜24を形成してもよい。かかる場合においても、点欠陥23は、高屈折率膜24の下部に形成される光信号の光路から光信号を捕獲して放出し、外部から捕獲した光信号を高屈折率膜24の下部に形成される光路内に導入することができる。
【0049】
以上に述べたように、本実施形態の光モジュール130によれば、光合分波部20と光能動素子部30とを立体的に重ねた構造を採用することができるため、光能動素子部30を実装する際の作業性が向上し、さらに筐体部10の収容空間15をコンパクトにすることができるので、モジュール全体の小型化を図ることができる。
【0050】
以上、本発明に好適な実施の形態について述べたが、本発明は、上述した態様に限られるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形態様により実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る光モジュールを示す図。
【図2】第1の実施形態に係る光モジュールの2次元フォトニック結晶領域を説明するための図。
【図3】第1の実施形態の参考例に係る光モジュールを示す図。
【図4】第2の実施形態に係る光モジュールを示す図。
【図5】第3の実施形態に係る光モジュールを示す図。
【図6】第3の実施形態に係る光モジュールの変形例を示す図。
【図7】第3の実施形態に係る光モジュールの2次元フォトニック結晶領域を説明するための図。
【符号の説明】
100 光モジュール、10 筐体部、11 スリーブ、12 レンズ部、15収容空間、20 光合分波部、21 2次元フォトニック結晶領域、22 屈折率変化領域、24 高屈折率膜、30 光能動素子部、40 電子回路部、50、52 配線部
Claims (9)
- 導光部材を嵌挿可能なスリーブと、
所与の収容空間を有する筐体部と、
前記収容空間内に配置され、屈折率変化領域が周期的に配列された2次元フォトニック結晶領域を有し、光信号の分波および合波をするための光合分波部と、
発光機能および受光機能の少なくとも一方の機能を有し、前記光合分波部に対して光軸が適合するように前記収容空間内に配置される複数の素子を含む光能動素子部と、
を含み、
前記スリーブ、前記筐体部および前記光合分波部が、所定の波長帯の光を透過可能な樹脂材料を用いて一体的に形成されている、光モジュール。 - 請求項1において、
前記スリーブは、前記光合分波部に向けて前記導光部材から入射した光を集光するためのレンズ機能を有する、光モジュール。 - 請求項1または2において、
前記光合分波部は、2次元フォトニック結晶領域の上に前記樹脂材料より屈折率の高い材料からなる高屈折率膜が形成されている、光モジュール。 - 請求項3において、
前記高屈折率膜は、前記2次元フォトニック結晶領域上の一部に線状に形成されている、光モジュール。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記筐体部は、内部に前記光能動素子部と他の電子部品とを電気的に接続するための配線部を含む、光モジュール。 - 請求項1において、
前記光合分波部は、支持部を有し、
前記光能動素子部は、前記光合分波部に対して空隙を介して前記支持部に支持されている、光モジュール。 - 請求項6において、
前記光合分波部は、2次元フォトニック結晶領域内の光路から所定の波長の光信号を捕獲して外部に放出し、かつ所定の波長の光信号を捕獲して該光路に導入するための点欠陥を有し、
前記光能動素子部に含まれる複数の素子は、前記光合分波部の点欠陥に対応して配置されている、光モジュール。 - 請求項7において、
前記2次元フォトニック結晶領域の一部の上に、前記樹脂材料よりも屈折率の高い材料からなる高屈折率膜が線状に配置され、
前記光合分波部の2次元フォトニック結晶領域内の光路は、前記高屈折率膜の下部に形成される、光モジュール。 - 請求項7において、
前記光合分波部の2次元フォトニック結晶領域内の光路は、該2次元フォトニック結晶構造有する線欠陥により形成される、光モジュール。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009128567A (ja) * | 2007-11-22 | 2009-06-11 | Toppan Printing Co Ltd | 光基板及びその製造方法 |
JP2009145605A (ja) * | 2007-12-13 | 2009-07-02 | Toppan Printing Co Ltd | 光基板及び該光基板の製造方法、並びに該光基板を備える光部品及び電子機器 |
JP2009151072A (ja) * | 2007-12-20 | 2009-07-09 | Toppan Printing Co Ltd | 光基板及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-05-27 JP JP2003148902A patent/JP2004354453A/ja not_active Withdrawn
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