JP2004354108A - 角速度センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Kazuo Eda
和夫 江田
Takuji Keno
拓治 毛野
Masao Kirihara
昌男 桐原
Yoichi Nishijima
洋一 西嶋
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Abstract

【課題】角速度に対する検出感度のばらつきが小さな角速度センサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】質量体3および外フレーム4および内フレーム5は、第1のSi層30a/第1のSiO層30b/第2のSi層30c/第2のSiO層30d/第3のSi層30eの5層構造を有する1枚の多層構造基板30をマイクロマシン加工することにより形成されている。トーションバー31および重り部32および外フレーム4および内フレーム5は、第1のSi層30a/第1のSiO層30b/第2のSi層30c/第2のSiO層30d/第3のSi層30eの5層構造を有し、メンブレンばね33は、厚さ寸法が第2のSi層30cの厚さに設定されており第2のSi層30cの一部からなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車、航空機、家電製品などに用いられる角速度センサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の角速度センサとして、図12および図13に示すように、円筒状に形成された重り部32’を備え、重り部32’における軸方向の一面に一対の電極12a’および一対の電極12b’が対向し、軸方向の他面に4つの電極13が対向する構成のものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。重り部32’の内周面には、重り部32’の軸方向において可撓となる薄肉の円板状のメンブレンばね33’が一体に設けられ、メンブレンばね33’の中心には重り部32’の中心軸上に配置されたトーションバー31’が一体に結合されている。言い換えれば、メンブレンばね33’は、トーションバー31’が直交しトーションバー31’と重り部32’とを連結している。ここにおいて、重り部32’とメンブレンばね33’とトーションバー31’とからなる質量体3’は1枚のシリコン基板を厚み方向の両面からエッチングすることによって形成されている。
【0003】
重り部32’は、上記一面から突出する略扇形の複数個の極歯36’が周方向において略等間隔で設けられている。重り部32’の上記一面に対向している各電極12a’,12b’は、極歯36’に略一致する形状である略扇形の複数本の歯部17a’と、歯部17a’の外周端を各電極12a’,12b’ごとにまとめて接続する背部17bとを備え、全体形状としては扇形状に形成されている。
【0004】
一対の電極12a’は駆動用電極であって、トーションバー31’がねじれていない状態において、重り部32’の極歯36’と電極12a’の歯部17a’とが周方向において規定した角度だけずれるように配置されている。したがって、重り部32’と電極12a’との間に交流電圧を印加することによって、重り部32’の極歯36’と電極12a’の歯部17a’との吸引力が変化し、吸引力が大きくなればトーションバー31’のばね力に抗して重り部32’が回転しようとし、吸引力が小さくなればトーションバー31’のばね力によって重り部32’に復帰力が作用する。つまり、上述のように交流電圧を印加することによって、重り部32’にトーションバー31’の回りで回転する参照振動を与えることができる。なお、残りの一対の電極12b’は参照振動の振幅を検出するための検出用電極である。
【0005】
また、重り部32’の上記他面に対向する4つの電極13は円を4の1に分割した扇形状に形成されている。各電極13は検出用電極であって、重り部32’の周方向において電極12a’,12b’と略同じ位置にそれぞれ配置され、各電極12a’,12b’と各電極13’とが対向している。いま、電極13’を配置した平面に平行であってメンブレンバネ33’の中心(トーションバー31’の長手方向の中心)を通る平面をxy平面とし、xy平面に直交する方向をz軸方向とすれば、参照振動はz軸の回りに与えられており、角速度がy軸回りに印加されたとする。このとき、参照振動に同期したコリオリ力による検出振動がx軸回りに生じるから、検出振動によって生じる重り部32’と電極13’との間のギャップの変化を静電容量の差動変化として検出すれば、重り部32’に作用した角速度を求めることができる。
【0006】
【非特許文献1】
井奥淳、外6名,「シリコン円筒振動型ジャイロ」,電気学会 センサマイクロマシン準部門,マイクロマシン・センサシステム研究会,2000年11月27日,PHS−02−16
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来構成の角速度センサでは、シリコン基板を厚み方向の両面からエッチングすることによって質量体3’を形成しているので、シリコン基板の両面それぞれからのエッチング深さによってメンブレンばね33’の厚みが決まるから、メンブレンばね33’の厚み制御が難しくて、検出感度のばらつきが大きいという不具合があった。その結果、製造歩留まりが低く、低コスト化が難しいという不具合もあった。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、角速度に対する検出感度のばらつきが小さな角速度センサおよびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、厚み方向に離間して配置された一対の支持基板と、一対の支持基板の間に介在するトーションバー、トーションバーを囲む円筒状に形成され両支持基板の間で両支持基板から離間して配置された重り部、トーションバーが直交しトーションバーと重り部とを連結した薄肉の円板状のメンブレンばねを有する質量体と、一対の支持基板の間に介在し質量体を囲む枠状のフレームと、各支持基板における重り部との対向面それぞれに設けられた電極とを備え、質量体は、第1のSi層/第1のSiO層/第2のSi層/第2のSiO層/第3のSi層の5層構造を有する多層構造基板を用いて形成され、重り部は、第1のSi層/第1のSiO層/第2のSi層/第2のSiO層/第3のSi層の5層構造を有し、メンブレンばねは、厚さ寸法が第2のSi層の厚さに設定され第2のSi層の一部からなることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、製造時においてメンブレンばねを形成するために多層構造基板を厚み方向の両面それぞれからエッチングする際に、第1のSiO層および第2のSiO層をそれぞれエッチングストッパ層として利用することにより、第2のSi層の一部からなるメンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することが可能であるから、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができる。
【0011】
請求項2の発明は、厚み方向に離間して配置された一対の支持基板と、一対の支持基板の間に介在するトーションバー、トーションバーを囲む円筒状に形成され両支持基板の間で両支持基板から離間して配置された重り部、トーションバーが直交しトーションバーと重り部とを連結した円板状のメンブレンばねを有する質量体と、一対の支持基板の間に介在し質量体を囲む枠状のフレームと、各支持基板における重り部との対向面それぞれに設けられた電極とを備え、質量体は、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し第1のSi層が第2のSi層よりも厚い多層構造基板を用いて形成され、重り部は、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し、メンブレンばねは、第1のSi層よりも薄く厚み方向の一面が第1のSi層とSiO層との界面を含む平面により規定された多結晶シリコン層からなることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、製造時においてメンブレンばねを形成するために多層構造基板を厚み方向の両面それぞれからエッチングする際に、SiO層および厚み方向の一面が第1のSi層とSiO層との界面を含む平面により規定された多結晶シリコン層をそれぞれエッチングストッパ層として利用することにより、多結晶シリコン層の一部からなるメンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することが可能であるから、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができる。
【0013】
請求項3の発明は、厚み方向に離間して配置された一対の支持基板と、一対の支持基板の間に介在するトーションバー、トーションバーを囲む円筒状に形成され両支持基板の間で両支持基板から離間して配置された重り部、トーションバーが直交しトーションバーと重り部とを連結した円板状のメンブレンばねを有する質量体と、一対の支持基板の間に介在し質量体を囲む枠状のフレームと、各支持基板における重り部との対向面それぞれに設けられた電極とを備え、質量体は、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し第1のSi層が第2のSi層よりも厚い多層構造基板を用いて形成され、重り部は、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し、メンブレンばねは、第1のSi層の厚み方向におけるSiO層側の面から所定深さまで不純物を拡散して形成された高濃度不純物拡散層からなることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、製造時においてメンブレンばねを形成するために多層構造基板を厚み方向の両面それぞれからエッチングする際に、SiO層および第1のSi層の厚み方向におけるSiO層側の面から所定深さまで不純物を拡散して形成された高濃度不純物拡散層をそれぞれエッチングストッパ層として利用することにより、高濃度不純物拡散層からなるメンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することが可能であるから、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1記載の角速度センサの製造方法であって、第1のSi層/第1のSiO層/第2のSi層/第2のSiO層/第3のSi層の5層構造を有する多層構造基板における第1のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように第1のSiO層をエッチングストッパ層として第1のSi層を第1のSiO層に達するまでエッチングし、次に、第3のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように第2のSiO層をエッチングストッパ層として第3のSi層を第2のSiO層に達するまでエッチングし、その後、第1のSiO層および第のSiO層それぞれについて露出した部分を第2のSi層に達するまでエッチングすることで第2のSi層の一部からなるメンブレンばねを形成し、続いて、前記電極を形成した一方の支持基板と多層構造基板とを接合してから、第2のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とが分離されるように第2のSi層をエッチングし、その後、前記電極を形成した他方の支持基板を接合することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、第1のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように第1のSiO層をエッチングストッパ層として第1のSi層を第1のSiO層に達するまでエッチングし、次に、第3のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように第2のSiO層をエッチングストッパ層として第3のSi層を第2のSiO層に達するまでエッチングし、その後、第1のSiO層および第のSiO層それぞれについて露出した部分を第2のSi層に達するまでエッチングすることで第2のSi層の一部からなるメンブレンばねを形成しているので、第2のSi層の一部からなるメンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきが小さな角速度センサを提供することができる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1記載の角速度センサの製造方法であって、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜が介在し多層構造基板のもととなる2枚のSOI基板それぞれについて、フレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように埋込酸化膜をエッチングストッパとしてシリコン基板をSOI基板の裏面側から埋込酸化膜に達するまでエッチングし、次に、各SOI基板それぞれについて、埋込酸化膜の露出した部分をシリコン層に達するまでエッチングし、その後、2枚のSOI基板のシリコン層同士を重ねて2枚のSOI基板を接合することにより、一方のSOI基板のシリコン基板を第1のSi層、一方のSOI基板の埋込酸化膜を第1のSiO層、一方のSOI基板のシリコン層と他方のSOI基板のシリコン層とを合わせて第2のSi層、他方のSOI基板の埋込酸化膜を第2のSiO層、他方のSOI基板のシリコン基板を第3のSi層とした多層構造基板を形成する同時に第2のSi層の一部からなるメンブレンばねを形成し、続いて、前記電極を形成した一方の支持基板と多層構造基板とを接合してから、第2のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とが分離されるように第2のSi層をエッチングし、その後、前記電極を形成した他方の支持基板を接合することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、フレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように埋込酸化膜をエッチングストッパとしてシリコン基板をSOI基板の裏面側から埋込酸化膜に達するまでエッチングし、次に、各SOI基板それぞれについて、埋込酸化膜の露出した部分をシリコン層に達するまでエッチングし、その後、2枚のSOI基板のシリコン層同士を重ねて2枚のSOI基板を接合することにより、一方のSOI基板のシリコン基板を第1のSi層、一方のSOI基板の埋込酸化膜を第1のSiO層、一方のSOI基板のシリコン層と他方のSOI基板のシリコン層とを合わせて第2のSi層、他方のSOI基板の埋込酸化膜を第2のSiO層、他方のSOI基板のシリコン基板を第3のSi層とした多層構造基板を形成する同時に第2のSi層の一部からなるメンブレンばねを形成しているので、第2のSi層の一部からなるメンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきが小さな角速度センサを提供することができる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項2記載の角速度センサの製造方法であって、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し第1のSi層が第2のSi層よりも厚い多層構造基板における第1のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるようにSiO層をエッチングストッパ層として第1のSi層をSiO層に達するまでエッチングし、次に、SiO層の露出表面上に膜厚をメンブレンばねの厚さ寸法に設定した多結晶シリコン層を形成し、その後、第2のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるようにSiO層をエッチングストッパ層として第2のSi層をSiO層に達するまでエッチングし、さらにその後、SiO層の露出した部分を多結晶シリコン層に達するまでエッチングすることで多結晶シリコン層の一部からなるメンブレンばねを形成し、続いて、前記電極を形成した一方の支持基板と多層構造基板とを接合してから、多結晶シリコン層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とが分離されるように多結晶シリコン層をエッチングし、その後、前記電極を形成した他方の支持基板を接合することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、第1のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるようにSiO層をエッチングストッパ層として第1のSi層をSiO層に達するまでエッチングし、次に、SiO層の露出表面上に膜厚をメンブレンばねの厚さ寸法に設定した多結晶シリコン層を形成し、その後、第2のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるようにSiO層をエッチングストッパ層として第2のSi層をSiO層に達するまでエッチングし、さらにその後、SiO層の露出した部分を多結晶シリコン層に達するまでエッチングすることで多結晶シリコン層の一部からなるメンブレンばねを形成しているので、メンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきが小さな角速度センサを提供することができる。また、多層構造基板ごとに多結晶シリコン層の膜厚(つまり、メンブレンばねの膜厚)を調整可能なので、多結晶シリコン層の形成前に多層構造基板の厚さを測定しておけば、多層構造基板の厚みより決まる重り部の質量のばらつきによる感度のばらつきをメンブレンばねの厚みより調整可能となるから、対加速度性能のばらつきおよび角速度に対する検出感度のばらつきを低減した角速度センサを提供することが可能となる。
【0021】
請求項7の発明は、請求項3記載の角速度センサの製造方法であって、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し第1のSi層が第2のSi層よりも厚い多層構造基板における第2のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるようにSiO層をエッチングストッパ層として第2のSi層をSiO層に達するまでエッチングし、次に、SiO層のうち露出した部分をエッチングし、その後、第1のSi層の厚み方向におけるSiO層側であって露出した全ての面から所定深さまで不純物を拡散して高濃度不純物拡散層を形成し、その後、第1のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように高濃度不純物拡散層をエッチングストッパ層として第1のSi層を高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングすることで高濃度不純物拡散層の一部からなるメンブレンばねを形成し、続いて、前記電極を形成した一方の支持基板と多層構造基板とを接合してから、高濃度不純物拡散層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とが分離されるように高濃度不純物拡散層をエッチングし、その後、前記電極を形成した他方の支持基板を接合することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、第2のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるようにSiO層をエッチングストッパ層として第2のSi層をSiO層に達するまでエッチングし、次に、SiO層のうち露出した部分をエッチングし、その後、第1のSi層の厚み方向におけるSiO層側であって露出した全ての面から所定深さまで不純物を拡散して高濃度不純物拡散層を形成し、その後、第1のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように高濃度不純物拡散層をエッチングストッパ層として第1のSi層を高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングすることで高濃度不純物拡散層の一部からなるメンブレンばねを形成しているので、メンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきが小さな角速度センサを提供することができる。また、多層構造基板ごとに高濃度不純物拡散層の拡散深さ(つまり、メンブレンばねの膜厚)を調整可能なので、高濃度不純物拡散層の形成前に多層構造基板の厚さを測定しておけば、多層構造基板の厚みより決まる重り部の質量のばらつきによる感度のばらつきをメンブレンばねの厚みより調整可能となるから、対加速度性能のばらつきおよび角速度に対する検出感度のばらつきを低減した角速度センサを提供することが可能となる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記第1のSi層を前記高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングする際には、湿式の異方性エッチングにて前記第1のSi層をエッチングすることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、前記第1のSi層を前記高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングする際に湿式の等方性エッチングにて前記第1のSi層をエッチングする場合に比べて前記第1のSi層に形成される開口部のサイズを小さくすることができ、より小型の角速度センサを提供可能となる。
【0025】
請求項9の発明は、請求項7の発明において、前記第1のSi層を前記高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングする際には、乾式の異方性エッチングにて前記第1のSi層を途中までエッチングしてから残りを湿式のエッチングにて前記高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングすることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、前記第1のSi層を前記高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングする際に前記第1のSi層に形成される開口部のサイズを請求項8の発明に比べて小さくすることができ、さらに小型の角速度センサを提供可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の角速度センサは、図1に示すように、厚み方向に離間して配置された一対の支持基板1,2と、一対の支持基板1,2の間に配置される質量体3と、一対の支持基板1,2の間に介在し質量体3を囲む枠状のフレーム(以下、外フレームと称す)4と、外フレーム4と質量体3との間に配置される枠状のフレーム(以下、内フレームと称す)5とを備えている。
【0028】
質量体3は、一対の支持基板1,2の間に介在するトーションバー31と、トーションバー31を囲む円筒状に形成され両支持基板1,2の間で両支持基板1,2から離間して配置された重り部32と、トーションバー31が直交しトーションバー31と重り部32とを連結した薄肉の円板状のメンブレンばね33とを備えている。要するに、重り部32の内周面には、重り部32の軸方向において可撓となる薄肉の円板状のメンブレンばね33が一体に設けられ、メンブレンばね33の中心には重り部32の中心軸上に配置されたトーションバー31が一体に結合されている。ここに、重り部32の中心軸方向の寸法とトーションバー31の長さ寸法とは同じ寸法に設定してある。なお、トーションバー31は、長手方向に直交する断面が円形の棒状に形成されている。また、メンブレンばね32は、重り部32の中心軸方向において可撓となるように薄肉の円板状に形成されているので、重り部32がトーションバー31の回りに回転すると復帰力を作用させる。
【0029】
内フレーム5は、外周形状が矩形状に形成され且つ内周形状が円形状に形成されており、外フレーム4は、矩形環状に形成されている。したがって、内フレーム5と質量体3との間には円環状のスリット6が形成され、外フレーム4と内フレーム5との間には矩形環状のスリット7が形成されている。
【0030】
両支持基板1,2はそれぞれ矩形板状のガラス基板により構成されている。ここにおいて、両支持基板1,2は、外周形状が外フレーム4の外周形状に一致する形状に形成されており、外フレーム4とともに質量体3および内フレーム5を囲む空間を形成している。なお、支持基板1と支持基板2との間に形成される空間は密封されている。
【0031】
両支持基板1,2において重り部32との対向面にはそれぞれ重り部32の移動範囲を確保するための凹所1a,2aが形成されている。
【0032】
重り部32において支持基板1に対向する一面には、図2(b)に示すように4つのスリット35が重り部32の周方向において略90間隔で形成され、支持基板2に対向する一面にも4つのスリット(図示せず)が重り部の周方向において略90度間隔で形成されており、重り部32が周方向において4つの可動電極32aに分割されている。なお、各可動電極32aの平面形状は扇形状に形成されている。
【0033】
一方の支持基板1の凹所1aの内底面には、図2(a)に示すような一対の電極12aと一対の電極12bとが形成されている。つまり、支持基板1における重り部32との対向面には、4つの電極12a,12a,12b,12bが配置されている。各電極12a,12bは、可動電極32aに略一致する形状である扇形状に形成されている。各電極12a,12bは金属薄膜(例えば、アルミニウム薄膜)により形成されており、一対の電極12aは、支持基板1に貫設された接続孔1cの内周面に沿って形成された導電性膜(例えば、アルミニウム膜)からなる外部接続電極14aに、金属配線(例えば、アルミニウム配線)15aを介して電気的に接続され、一対の電極12bは、支持基板1に貫設された接続孔(図示せず)の内周面に沿って形成された導電性膜(例えば、アルミニウム膜)からなる外部接続電極14bに、金属配線(例えば、アルミニウム配線)15bを介して電気的に接続されている。各接続孔1cは、質量体3と対向する面から反対側の面に向かって開口面積が大きくなる形状に形成されており、質量体3と対向する側の開口面が外部接続電極14a,14bの一部により閉塞されている。また、支持基板1における質量体3との対向面には、支持基板1の厚み方向に貫設された接続孔1bの内周面に沿って形成された導電性膜からなる外部接続電極14cとトーションバー31とを電気的に接続する金属配線(例えば、アルミニウム配線)15cが形成されており、支持基板1とトーションバー31の長手方向の一面との間に金属配線15cの一部が介在している。
【0034】
一対の電極12aは駆動用電極であって、トーションバー31がねじれていない状態において、重り部32の可動電極32aと電極12aとが周方向において規定した角度だけずれるように配置されている。したがって、外部接続用電極14cと外部接続用電極14aとを利用して重り部32と電極12aとの間に交流電圧を印加することによって、重り部32の可動電極32aと電極12aとの吸引力が変化し、吸引力が大きくなればトーションバー31のばね力に抗して重り部32が回転しようとし、吸引力が小さくなればトーションバー31のばね力によって重り部32に復帰力が作用する。つまり、上述のように交流電圧を印加することによって、重り部32にトーションバー31の回りで回転する参照振動を与えることができる。なお、残りの一対の電極12bは参照振動の振幅を検出するための検出用電極である。
【0035】
一方、支持基板2の凹所2aの内底面には、図2(c)に示すような一対の電極13aと一対の電極13bとが形成されている。つまり、支持基板2における重り部32との対向面には、4つの電極13a,13a,13b,13bが配置されている。各電極13a,13bは、可動電極32aに略一致する形状である扇形状に形成されている。各電極13a,13bは金属薄膜(例えば、アルミニウム薄膜)により形成されており、一対の電極13aは、支持基板2に貫設された接続孔2cの内周面に沿って形成された導電性膜(例えば、アルミニウム膜)からなる外部接続電極18aに、金属配線(例えば、アルミニウム配線)19aを介して電気的に接続され、一対の電極13bは、支持基板2に貫設された接続孔(図示せず)の内周面に沿って形成された導電性膜(例えば、アルミニウム膜)からなる外部接続電極18bに、金属配線(例えば、アルミニウム配線)19bを介して電気的に接続されている。各接続孔2cは、質量体3と対向する面から反対側の面に向かって開口面積が大きくなる形状に形成されており、質量体3と対向する側の開口面が外部接続電極18a,18bの一部により閉塞されている。また、支持基板2における質量体3との対向面には、支持基板2の厚み方向に貫設された接続孔2bの内周面に沿って形成された導電性膜からなる外部接続電極18cとトーションバー31とを電気的に接続する金属配線(例えば、アルミニウム配線)19cが形成されており、支持基板2とトーションバー31の長手方向の他面との間に金属配線19cの一部が介在している。
【0036】
各電極13a,13bは検出用電極であって、重り部32の周方向において電極12a,12bと略同じ位置にそれぞれ配置され、各電極12a,12bと各電極13a,13bとが対向している。いま、電極13を配置した平面に平行であってメンブレンばね33の中心(トーションバー31の長手方向の中心)を通る平面をxy平面とし、xy平面に直交する方向をz軸方向とすれば、参照振動はz軸の回りに与えられている。このとき、角速度がy軸回りに印加されたとすると、参照振動に同期したコリオリ力による検出振動がx軸回りに生じるから、検出振動によって生じる重り部32の可動電極部32aと電極13a(あるいは電極13b)との間のギャップの変化を、外部接続用電極18cと外部接続用電極18aとを利用して静電容量の差動変化として検出すれば、重り部32に作用した角速度を求めることができる。
【0037】
ところで、質量体3および外フレーム4および内フレーム5は、第1のSi層30a/第1のSiO層30b/第2のSi層30c/第2のSiO層30d/第3のSi層30eの5層構造を有する1枚の多層構造基板30(図3(a)参照)をマイクロマシン加工することにより形成されている(つまり、多層構造基板30を用いて形成されている)。ここにおいて、多層構造基板30は、厚み方向の両側に位置する第1のSi層30aと第3のSi層30eとを同じ厚さ寸法に設定し、さらに、第1のSiO層30bと第2のSiO層30dとを同じ厚さ寸法に設定してある。したがって、第2のSi層30cは多層構造基板30の厚み方向における中央部に位置している。なお、多層構造基板30における各Si層30a,30c,30eの導電形はn形としてあり、第1のSi層30aの表面は(100)面としてある。
【0038】
本実施形態の角速度センサでは、トーションバー31および重り部32および外フレーム4および内フレーム5は、第1のSi層30a/第1のSiO層30b/第2のSi層30c/第2のSiO層30d/第3のSi層30eの5層構造を有し、メンブレンばね33は、厚さ寸法が第2のSi層30cの厚さに設定されており第2のSi層30cの一部からなる。
【0039】
しかして、本実施形態の角速度センサでは、製造時においてメンブレンばね33を形成するために多層構造基板30を厚み方向の両面それぞれからエッチングする際に、第1のSiO層30bおよび第2のSiO層30dをそれぞれエッチングストッパ層として利用することにより、第2のSi層30cの一部からなるメンブレンばね33の厚さ寸法を高精度に制御することが可能であるから、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができる。
【0040】
以下、本実施形態の角速度センサの製造方法について図3を参照しながら説明する。
【0041】
まず、上述の第1のSi層30a/第1のSiO層30b/第2のSi層30c/第2のSiO層30d/第3のSi層30eの5層構造を有する多層構造基板30の厚み方向の両面に例えば熱酸化法によりシリコン酸化膜61,62を形成することによって、図3(a)に示す構造を得る。
【0042】
その後、第1のSi層30aのうち各フレーム4,5およびトーションバー31および重り部32それぞれに対応する部分を残して各スリット6,7,35およびメンブレンばね33それぞれに対応する部分を除去するために、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して多層構造基板30の厚み方向の一表面(図3(a)の上面)側のシリコン酸化膜61をパターニングしてから、パターニングされたシリコン酸化膜61をマスクとして第1のSi層30aを第1のSiO層30bに達する深さまで垂直にエッチングする(異方性エッチングを行う)ことによって、図3(b)に示す構造を得る。なお、第1のSi層30aを第1のSiO層30bに達する深さまで垂直にエッチングするエッチングする工程では、エッチング装置として、例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用い、エッチングガスとして例えばCHFガスを採用すればよく、SiOのエッチングレートがSiのエッチングレートの100分の1程度となるので、第1のSiO層30bをエッチングストッパ層として利用するすることができ、多層構造基板30のエッチング深さ(掘り込み量)の面内均一性を高めることができるとともに、再現性を高めることができる。
【0043】
同様に、第3のSi層30eのうち各フレーム4,5およびトーションバー31および重り部32それぞれに対応する部分を残して各スリット6,7およびメンブレンバネ33それぞれに対応する部分を除去するために、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して多層構造基板30の厚み方向の他表面(図3(a)の下面)側のシリコン酸化膜62をパターニングしてから、パターニングされたシリコン酸化膜62をマスクとして第3のSi層30eを第2のSiO層30dに達する深さまで垂直にエッチングすることによって、図3(c)に示す構造を得る。なお、第3のSi層30eを第2のSiO層30dに達する深さまで垂直にエッチングする工程では、エッチング装置として、例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用い、エッチングガスとして例えばCHFガスを採用すればよく、SiOのエッチングレートがSiのエッチングレートの100分の1程度となるので、第2のSiO層30dをエッチングストッパ層として利用することができ、多層構造基板30のエッチング深さ(掘り込み量)の面内均一性を高めることができるとともに、再現性を高めることができる。
【0044】
次に、多層構造基板30の厚み方向の両面のシリコン酸化膜61,62および各SiO層30b,30dのうち露出した部分をエッチング除去することによって、図3(d)に示す構造を得る。
【0045】
その後、上述の凹所1a、各一対の電極12a,12b,接続孔1b,1c、各外部接続用電極14a,14b,14c、各金属配線15a,15b,15cをあらかじめ形成したガラス基板からなる支持基板1(図4(a)参照)と多層構造基板30とを多層構造基板30の上記一表面側で接合することによって、図3(e)に示す構造を得る。なお、支持基板1は、当該支持基板1と多層構造基板30とを陽極接合することにより多層構造基板30と固着されているが、陽極接合工程では、支持基板1と多層構造基板30とを重ね、所定温度(例えば、400℃)に加熱した状態で、多層構造基板30を正極側、支持基板1を負極側として、所定の直流電圧(例えば、600V)を印加することにより、支持基板1と多層構造基板30とを接合している。
【0046】
次に、多層構造基板30における第2のSi層30cのうちスリット6,7に対応する部分を多層構造基板30の上記他表面側からエッチング除去することによって、図3(f)に示す構造を得る。
【0047】
その後、上述の凹所2a、各一対の電極13a,13b,接続孔2b,2c、各外部接続用電極18a,18b,18c、各金属配線19a,19b,19cをあらかじめ形成したガラス基板からなる支持基板2(図4(b)参照)を多層構造基板30の上記他表面側で接合する(固着する)ことによって、図4(c)に示す構造を得る。なお、支持基板2と多層構造基板30とは、支持基板1と多層構造基板30とを接合したのと同様に陽極接合により固着している。
【0048】
以上説明した製造方法によれば、多層構造基板30の所定部位をエッチングして多層構造基板30の一部からなるメンブレンばね33を形成する際に第1のSiO層30bおよび第2のSiO層30dそれぞれをエッチングストッパ層として利用することにより、メンブレンばね33の厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができる。しかも、重り部32のうち第2のSi層30cの上下に位置する部分の厚みを精度良く揃えることができ、対加速度性能のばらつきを低減した角速度センサを提供することが可能となる。
【0049】
(実施形態2)
本実施形態の角速度センサの構造は実施形態1と同じであって、製造方法が相違するだけである。
【0050】
以下、本実施形態の角速度センサの製造方法について図5を参照しながら説明するが、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明する。なお、本実施形態では、図5(a)に示すようにシリコン基板70aとシリコン層70cとの間に埋込酸化膜であるシリコン酸化膜70bが形成された2枚のSOI基板70のシリコン層70c同士を重ねた形で貼り合わせることによって、実施形態1と同様の5層構造を有する多層構造基板30を形成しており、説明の便宜上、一方のSOI基板70を第1のSOI基板70、他方のSOI基板70を第2のSOI基板70と称する。ここにおいて、本実施形態では、第1のSOI基板70のシリコン基板70aが第1のSi層30aを構成し、第1のSOI基板70のシリコン酸化膜70bが第1のSiO層30bを構成し、第1のSOI基板70のシリコン層70cと第2のSOI基板70のシリコン層70cとで第2のSi層30cを構成し、第2のSOI基板70のシリコン酸化膜70bが第2のSiO層30dを構成し、第2のSOI基板70のシリコン基板70aが第3のSi層30eを構成している。
【0051】
本実施形態の製造方法では、まず、各SOI基板70の厚み方向の両面に、例えば熱酸化法によりシリコン酸化膜71,72を形成することによって、各SOI基板70それぞれについて図5(a)に示す構造を得る。
【0052】
その後、各SOI基板70におけるシリコン基板70aのうち各フレーム4,5,35およびトーションバー31および重り部32それぞれに対応する部分を残して各スリット6,7およびメンブレンばね33それぞれに対応する部分を除去するために、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してシリコン基板70aの表面側のシリコン酸化膜72をパターニングしてから、パターニングされたシリコン酸化膜72をマスクとしてシリコン基板70aをシリコン酸化膜70bに達する深さまで垂直にエッチングする(異方性エッチングを行う)ことによって、各SOI基板70それぞれについて図5(b)に示す構造を得る。なお、シリコン基板70aをシリコン酸化膜70bに達する深さまで垂直にエッチングするエッチングする工程では、エッチング装置として、例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用い、エッチングガスとして例えばCHFガスを採用すればよく、SiOのエッチングレートがSiのエッチングレートの100分の1程度となるので、シリコン酸化膜70bをエッチングストッパ層として利用することができ、SOI基板70のエッチング深さ(掘り込み量)の面内均一性を高めることができるとともに、再現性を高めることができる。
【0053】
次に、各SOI基板70の厚み方向の両面のシリコン酸化膜71,72および中間のシリコン酸化膜70bのうち露出した部分をエッチング除去することによって、図5(c)に示す構造を得る。
【0054】
その後、2枚のSOI基板70のシリコン層70a同士を重ねて接合することで多層構造基板30を形成することによって、図5(d)に示す構造を得る。
【0055】
続いて、上述の凹所1a、各一対の電極12a,12b,接続孔1b,1c、各外部接続用電極14a,14b,14c、各金属配線15a,15b,15cをあらかじめ形成したガラス基板からなる支持基板1(図4(a)参照)と多層構造基板30とを多層構造基板30の一表面側で接合することによって、図5(e)に示す構造を得る。なお、支持基板1は、当該支持基板1と多層構造基板30とを陽極接合することにより多層構造基板30と固着されているが、陽極接合工程では、支持基板1と多層構造基板30とを重ね、所定温度(例えば、400℃)に加熱した状態で、多層構造基板30を正極側、支持基板1を負極側として、所定の直流電圧(例えば、600V)を印加することにより、支持基板1と多層構造基板30とを接合している。
【0056】
次に、多層構造基板30における第2のSi層30cのうちスリット6,7に対応する部分を多層構造基板30の上記他表面側からエッチング除去することによって、図5(f)に示す構造を得る。
【0057】
その後、凹所2a、各一対の電極13a,13b,接続孔2b,2c、各外部接続用電極18a,18b,18c、各金属配線19a,19b,19cをあらかじめ形成したガラス基板からなる支持基板2(図4(b)参照)を多層構造基板30の他表面側で接合する(固着する)ことによって、図5(g)に示す構造を得る。なお、支持基板2と多層構造基板30とは、支持基板1と多層構造基板30とを接合したのと同様に陽極接合により固着している。
【0058】
以上説明した製造方法によれば、多層構造基板30の一部からなるメンブレンばね33を形成する際に各SOI基板70の各シリコン酸化膜70b,70b(各SiO層30b,30d)それぞれをエッチングストッパ層として利用することにより、メンブレンばね33の厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができる。しかも、重り部32のうちメンブレンばね33と同じ3層構造を有する部分の上下に位置する部分の厚みを精度良く揃えることができ、対加速度性能のばらつきを低減した角速度センサを提供することが可能となる。
【0059】
(実施形態3)
本実施形態の角速度センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図6に示すような断面構造を有しており、質量体3および外フレーム4および内フレーム5が、図7(a)に示すようにシリコン基板80aとシリコン層80cとの間に埋込酸化膜であるシリコン酸化膜80bが形成された1枚のSOI基板80を用いて形成されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0060】
本実施形態では、シリコン基板80aが第1のSi層を構成し、シリコン酸化膜80bがSiO層を構成し、シリコン層80cが第2のSi層を構成し、SOI基板80が多層構造基板を構成している。また、本実施形態では、トーションバー31および重り部32および外フレーム4および内フレーム5が、第1のSi層80a/SiO層80b/第2のSi層80cの3層構造を有し、メンブレンばね33が、後述の多結晶シリコン層83の一部により構成されている。なお、各Si層80a,80cの導電形はn形とし、第2のSi層80cの表面は(100)面としてある。また、本実施形態では、第1のSi層80aの厚さ寸法が第2のSi層80bの厚さ寸法よりも大きくて、第1のSi層80aの厚さ寸法からメンブレンばね33の厚さ寸法を減算した値が、第2のSi層80cの厚さ寸法とSiO層80bの厚さ寸法とを加算した値となるように各寸法を設定してある。
【0061】
しかして、本実施形態の角速度センサでは、製造時においてメンブレンばね33を形成するために多層構造基板30を厚み方向の両面それぞれからエッチングする際に、SiO層80bおよび厚み方向の一面が第1のSi層80aとSiO層80bとの界面を含む平面により規定された多結晶シリコン層83をそれぞれエッチングストッパ層として利用することにより、多結晶シリコン層83の一部からなるメンブレンばね33の厚さ寸法を高精度に制御することが可能であるから、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができる。
【0062】
以下、本実施形態の角速度センサの製造方法について図7を参照しながら説明する。
【0063】
まず、SOI基板80の厚み方向の両面に、例えば熱酸化法によりシリコン酸化膜81,82を形成することによって、図7(a)に示す構造を得る。
【0064】
その後、SOI基板80におけるシリコン基板80aのうち各フレーム4,5およびトーションバー31および重り部32それぞれに対応する部分を残して各スリット6,7,35およびメンブレンばね33それぞれに対応する部分を除去するために、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してシリコン基板80aの表面側のシリコン酸化膜82をパターニングしてから、パターニングされたシリコン酸化膜82をマスクとしてシリコン基板80aをシリコン酸化膜80bに達する深さまで垂直にエッチングする異方性エッチングを行うことによって、図7(b)に示す構造を得る。なお、この異方性エッチングでは、エッチング装置として、例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用い、エッチングガスとして例えばCHFガスを採用すればよく、SiOのエッチングレートがSiのエッチングレートの100分の1程度となるので、シリコン酸化膜80bをエッチングストッパ層として利用でき、SOI基板80のエッチング深さ(掘り込み量)の面内均一性を高めることができるとともに、再現性を高めることができる。
【0065】
次に、シリコン酸化膜80bの露出表面およびシリコン酸化膜82上に、例えば減圧CVD法により所定膜厚(メンブレンバネ33の膜厚と同等の膜厚であって、例えば、20μm)の多結晶シリコン層83を形成してから、多結晶シリコン層83のうちシリコン酸化膜80b上に形成されている部分をマスク材でカバーし、その後、多結晶シリコン層83のうちシリコン酸化膜82上に形成されている部分をエッチング除去し、続いて、マスク材を除去することによって、図7(c)に示す構造を得る。
【0066】
その後、SOI基板80におけるシリコン層80cのうち各フレーム4,5およびトーションバー31および重り部32それぞれに対応する部分を残して各スリット6,7およびメンブレンバネ33それぞれに対応する部分を除去するために、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してシリコン層80cの表面側のシリコン酸化膜81をパターニングしてから、パターニングされたシリコン酸化膜81をマスクとしてシリコン層80cを中間のシリコン酸化膜80bに達する深さまで垂直にエッチングする異方性エッチングを行うことによって、図7(d)に示す構造を得る。なお、この異方性エッチングにおいても、エッチング装置として、例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用い、エッチングガスとして例えばCHFガスを採用すればよい。
【0067】
次に、SOI基板80の厚み方向の両面のシリコン酸化膜81,82および中間のシリコン酸化膜80bのうち露出した部分をエッチング除去してから、SOI基板80と上述の凹所1a、各一対の電極12a,12b,接続孔1b,1c、各外部接続用電極14a,14b,14c、各金属配線15a,15b,15cをあらかじめ形成したガラス基板からなる支持基板1(図4(a)参照)とを接合することによって、図7(e)に示す構造を得る。また、支持基板1とSOI基板80とは陽極接合により固着されているが、陽極接合工程では、支持基板1とSOI基板80とを重ね、所定温度(例えば、400℃)に加熱した状態で、SOI基板80を正極側、支持基板1を負極側として、所定の直流電圧(例えば、600V)を印加することにより、支持基板1とSOI基板80とを接合している。
【0068】
次に、SOI基板80における中間のシリコン酸化膜80bのうちスリット6,7に対応する部分をSOI基板80のシリコン層30c側からエッチング除去することによって、図7(f)に示す構造を得る。
【0069】
その後、SOI基板80と上述の凹所2a、各一対の電極13a,13b,接続孔2b,2c、各外部接続用電極18a,18b,18c、各金属配線19a,19b,19cをあらかじめ形成したガラス基板からなる支持基板2(図4(b)参照)を接合することによって、図7(g)に示す構造を得る。なお、支持基板2とSOI基板80とは陽極接合により固着されているが、陽極接合工程では、支持基板2とSOI基板80とを重ね、所定温度(例えば、400℃)に加熱した状態で、SOI基板80を正極側、支持基板2を負極側として、所定の直流電圧(例えば、600V)を印加することにより、支持基板2とSOI基板80とを接合している。
【0070】
以上説明した製造方法によれば、メンブレンばね33を形成する際にSOI基板80の中間のシリコン酸化膜80bおよびシリコン酸化膜80bにより形成位置が決まる多結晶シリコン層83をそれぞれをエッチングストッパ層として利用し、しかもシリコン酸化膜80bに積層する多結晶シリコン層83の一部がメンブレンばね33を構成することになるから、メンブレンばね33の厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができるとともに、トーションバー31の長手方向におけるメンブレンばね33の位置を高精度に制御することができる。また、製造時には多数のSOI基板80のもととなるSOIウェハを扱うことになるが、SOIウェハごとに多結晶シリコン層83の膜厚(つまり、メンブレンばね33の膜厚)を調整可能なので、多結晶シリコン層83の形成前(堆積前)にSOIウェハの厚さ(つまり、多層構造基板の厚さ)を測定しておけば、SOIウェハの厚みのばらつき(多層構造基板の厚みのばらつき)による感度のばらつきをメンブレンばね33の厚みにより調整可能となるから、対加速度性能のばらつきおよび角速度に対する検出感度のばらつきを低減した角速度センサを提供することが可能となる。
【0071】
(実施形態4)
本実施形態の角速度センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図8に示すような断面構造を有しており、質量体3および外フレーム4および内フレーム5が、図9(a)に示すようにシリコン基板80aとシリコン層80cとの間に埋込酸化膜であるシリコン酸化膜80bが形成された1枚のSOI基板80を用いて形成されている。ここに、シリコン基板80aおよびシリコン層80cの導電形はn形とし、シリコン層80cの表面を(100)面としてある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0072】
本実施形態では、シリコン基板80aが第1のSi層を構成し、シリコン酸化膜80bがSiO層を構成し、シリコン層80cが第2のSi層を構成し、SOI基板80が多層構造基板を構成している。また、本実施形態では、トーションバー31および重り部32および外フレーム4および内フレーム5が、第1のSi層80a/SiO層80b/第2のSi層80cの3層構造を有し、メンブレンばね33が、後述の高濃度不純物拡散層84の一部により構成されている。なお、各Si層80a,80cの導電形はn形とし、第2のSi層80cの表面は(100)面としてある。また、本実施形態では、第1のSi層80aの厚さ寸法が第2のSi層80bの厚さ寸法よりも大きくて、第1のSi層80aの厚さ寸法からメンブレンばね33の厚さ寸法を減算した値が、第2のSi層80cの厚さ寸法とSiO層80bの厚さ寸法とを加算した値となるように各寸法を設定してある。
【0073】
しかして、本実施形態の角速度センサでは、製造時においてメンブレンばね33を形成するために多層構造基板を厚み方向の両面それぞれからエッチングする際に、SiO層80bおよび第1のSi層80aの厚み方向におけるSiO層80b側の面から所定深さまで不純物を拡散して形成された高濃度不純物拡散層84をそれぞれエッチングストッパ層として利用することにより、高濃度不純物拡散層84の一部からなるメンブレンばね33の厚さ寸法を高精度に制御することが可能であるから、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができる。
【0074】
以下、本実施形態の角速度センサの製造方法について図9を参照しながら説明する。
【0075】
まず、SOI基板80の厚み方向の両面に、例えば熱酸化法によりシリコン酸化膜81,82を形成することによって、図9(a)に示す構造を得る。
【0076】
その後、SOI基板80におけるシリコン層80cのうち各フレーム4,5およびトーションバー31および重り部32それぞれに対応する部分を残して各スリット6,7,35およびメンブレンばね33それぞれに対応する部分を除去するために、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してシリコン層80cの表面側のシリコン酸化膜81をパターニングし、パターニングされたシリコン酸化膜81をマスクとしてシリコン層80cを中間のシリコン酸化膜80bに達する深さまで垂直にエッチングする異方性エッチングを行うことによって、図9(b)に示す構造を得る。なお、この異方性エッチングでは、エッチング装置として、例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用い、エッチングガスとして例えばCHFガスを採用すればよく、SiOのエッチングレートがSiのエッチングレートの100分の1程度となるので、シリコン酸化膜80bをエッチングストッパ層として利用することができ、SOI基板80のエッチング深さ(掘り込み量)の面内均一性を高めることができるとともに、再現性を高めることができる。
【0077】
続いて、SOI基板80におけるシリコン層80cの表面のシリコン酸化膜81および中間のシリコン酸化膜80bのうち露出した部分を、例えばフッ酸系溶液によりエッチング除去し、その後、シリコン基板80におけるシリコン層80cの表面側からシリコン層80c中およびシリコン基板80a中でp形不純物となる拡散ソース(例えば、ボロン)を堆積させるプレデポジション工程と、プレデポジション工程により堆積された拡散ソースを拡散させるドライブイン工程とを行うことで高濃度不純物拡散層84を形成することによって、図9(c)に示す構造を得る。ここで、p形不純物としてボロンを採用する場合、プレデポジション工程で、例えば、SOI基板80を1100℃に加熱した状態でBBRを供給源としてボロンを堆積させればよい。また、高濃度不純物拡散層84の不純物濃度は1020/cm程度が望ましいが、1019/cm以上であればよい。また、高濃度不純物拡散層84の拡散深さによりメンブレンばね33の厚さが決まるので、メンブレンばね33の所望の厚さに応じて高濃度不純物拡散層84の拡散深さを設定すればよい。なお、本実施形態では、トーションバー31に対応する部分のうちメンブレンばね33に対応する部分よりも上の部分が全体にわたって高濃度不純物拡散層84の他の一部により構成されている。
【0078】
次に、SOI基板80におけるシリコン基板80aのうち各フレーム4,5およびトーションバー31および重り部32それぞれに対応する部分を残して各スリット6,7,35およびメンブレンばね33それぞれに対応する部分を除去するために、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してシリコン基板80aの表面側のシリコン酸化膜82をパターニングしてから、パターニングされたシリコン酸化膜82をマスクとしてシリコン基板80aを高濃度不純物拡散層84に達する深さまでアルカリ系溶液(例えば、KOHなど)を用いた湿式の異方性エッチングを行うことによって、図9(d)に示す構造を得る。
【0079】
次に、SOI基板80におけるシリコン基板80aの表面側のシリコン酸化膜82をエッチング除去し、続いて、SOI基板80と上述の凹所1a、各一対の電極12a,12b,接続孔1b,1c、各外部接続用電極14a,14b,14c、各金属配線15a,15b,15cをあらかじめ形成したガラス基板からなる支持基板1(図4(a)参照)とを接合することによって、図9(e)に示す構造を得る。なお、支持基板1とSOI基板80とは陽極接合により固着されているが、陽極接合工程では、支持基板1とSOI基板80とを重ね、所定温度(例えば、400℃)に加熱した状態で、SOI基板80を正極側、支持基板1を負極側として、所定の直流電圧(例えば、600V)を印加することにより、支持基板1とSOI基板80とを接合している。
【0080】
次に、SOI基板80に形成された高濃度不純物拡散層84のうちスリット6,7に対応する部分をSOI基板80のシリコン基板80a側からエッチング除去することによって、図9(f)に示す構造を得る。
【0081】
その後、SOI基板80と上述の凹所2a、各一対の電極13a,13b,接続孔2b,2c、各外部接続用電極18a,18b,18c、各金属配線19a,19b,19cをあらかじめ形成したガラス基板からなる支持基板2(図4(b)参照)を接合することによって、図9(g)に示す構造を得る。なお、陽極接合工程では、支持基板2とSOI基板80とを重ね、所定温度(例えば、400℃)に加熱した状態で、SOI基板80を正極側、支持基板2を負極側として、所定の直流電圧(例えば、600V)を印加することにより、支持基板2とSOI基板80とを接合している。
【0082】
以上説明した製造方法によれば、メンブレンばね33を形成する際にSOI基板80の中間のシリコン酸化膜80bおよびシリコン酸化膜80bとシリコン基板80aとの界面形成位置により一部の形成位置が決まる高不純物濃度拡散層84をそれぞれをエッチングストッパ層として利用し、しかもシリコン基板80aに形成した高濃度不純物拡散層84の一部がメンブレンばね33を構成することになるから、メンブレンばね33の厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができるとともに、トーションバー31の長手方向におけるメンブレンばね33の位置を高精度に制御することができる。また、製造時には多数のSOI基板80のもととなるSOIウェハを扱うことになるが、SOIウェハ(つまり、多層構造基板)ごとに高濃度不純物拡散層84の不純物の拡散深さ(つまり、メンブレンばね33の膜厚)を調整可能なので、高濃度不純物拡散層84の形成前にSOIウェハの厚さ(つまり、多層構造基板の厚さ)を測定しておけば、SOIウェハの厚さのばらつきによる感度のばらつきもメンブレンばね33の厚みの調整により調整可能となるから、対加速度性能のばらつきおよび角速度に対する検出感度のばらつきを低減した角速度センサを提供することが可能となる。また、メンブレンばね33と重り部32、トーションバー31を一体に形成できるので、耐衝撃性により優れた角速度センサを提供することができる。
【0083】
(実施形態5)
本実施形態の角速度センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図10に示すような断面構造を有しており、質量体3および外フレーム4および内フレーム5が、図11(a)に示すようにシリコン基板80aとシリコン層80cとの間にシリコン酸化膜80bが形成された1枚のSOI基板80を用いて形成されている。ここに、シリコン基板80aおよびシリコン層80cの導電形はn形とし、シリコン層80cの表面を(100)面としてある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0084】
本実施形態では、シリコン基板80aが第1のSi層を構成し、シリコン酸化膜80bがSiO層を構成し、シリコン層80cが第2のSi層を構成し、SOI基板80が多層構造基板を構成している。また、本実施形態では、トーションバー31および重り部32および外フレーム4および内フレーム5が、第1のSi層80a/SiO層80b/第2のSi層80cの3層構造を有し、メンブレンばね33が、後述の高濃度不純物拡散層84の一部により構成されている。なお、各Si層80a,80cの導電形はn形とし、第2のSi層80cの表面は(100)面としてある。また、本実施形態では、第1のSi層80aの厚さ寸法が第2のSi層80bの厚さ寸法よりも大きくて、第1のSi層80aの厚さ寸法からメンブレンばね33の厚さ寸法を減算した値が、第2のSi層80cの厚さ寸法とSiO層80bの厚さ寸法とを加算した値となるように各寸法を設定してある。
【0085】
しかして、本実施形態の角速度センサでは、製造時においてメンブレンばね33を形成するために多層構造基板を厚み方向の両面それぞれからエッチングする際に、SiO層80bおよび第1のSi層80aの厚み方向におけるSiO層80b側の面から所定深さまで不純物を拡散して形成された高濃度不純物拡散層84をそれぞれエッチングストッパ層として利用することにより、高濃度不純物拡散層84の一部からなるメンブレンばね33の厚さ寸法を高精度に制御することが可能であるから、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができる。
【0086】
以下、本実施形態の角速度センサの製造方法について図11を参照しながら説明する。
【0087】
まず、SOI基板80の厚み方向の両面に、例えば熱酸化法によりシリコン酸化膜81,82を形成することによって、図11(a)に示す構造を得る。
【0088】
その後、SOI基板80におけるシリコン層80cのうち各フレーム4,5およびトーションバー31および重り部32それぞれに対応する部分を残して各スリット6,7,35およびメンブレンばね33それぞれに対応する部分を除去するために、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してシリコン層80cの表面側のシリコン酸化膜81をパターニングしてから、パターニングされたシリコン酸化膜81をマスクとしてシリコン層80cを中間のシリコン酸化膜80bに達する深さまで垂直にエッチングする異方性エッチングを行うことによって、図11(b)に示す構造を得る。なお、この異方性エッチングでは、エッチング装置として、例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用い、エッチングガスとして例えばCHFガスを採用すればよく、SiOのエッチングレートがSiのエッチングレートの100分の1程度となるので、シリコン酸化膜80bをエッチングストッパ層として利用することができ、SOI基板80のエッチング深さ(掘り込み量)の面内均一性を高めることができるとともに、再現性を高めることができる。
【0089】
続いて、SOI基板80におけるシリコン層80cの表面のシリコン酸化膜81および中間のシリコン酸化膜80bのうち露出した部分を、例えばフッ酸系溶液によりエッチング除去し、その後、シリコン基板80におけるシリコン層80cの表面側からシリコン層80c中およびシリコン基板80a中でp形不純物となる拡散ソース(例えば、ボロン)を堆積させるプレデポジション工程と、プレデポジション工程により堆積された拡散ソースを拡散させるドライブイン工程とを行うことで高濃度不純物拡散層84を形成することによって、図11(c)に示す構造を得る。ここで、p形不純物としてボロンを採用する場合、プレデポジション工程で、例えば、SOI基板80を1100℃に加熱した状態でBBRを供給源としてボロンを堆積させればよい。また、高濃度不純物拡散層84の不純物濃度は1020/cm程度が望ましいが、1019/cm以上であればよい。また、高濃度不純物拡散層84の拡散深さによりメンブレンばね33の厚さが決まるので、メンブレンばね33の所望の厚さに応じて高濃度不純物拡散層84の拡散深さを設定すればよい。例えば、メンブレンばね33の厚さが20μmに設定されている場合には、高濃度不純物拡散層84の拡散深さを20μmとすればよい。なお、本実施形態では、トーションバー31に対応する部分のうちメンブレンばね33に対応する部分よりも上の部分が全体にわたって高濃度不純物拡散層84の一部により構成されている。
【0090】
次に、SOI基板80におけるシリコン基板80aのうち各フレーム4,5およびトーションバー31および重り部32それぞれに対応する部分を残して各スリット6,7およびメンブレンバネ33それぞれに対応する部分を除去するために、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してシリコン基板80aの表面側のシリコン酸化膜82をパターニングしてから、パターニングされたシリコン酸化膜82をマスクとしてシリコン基板80aを高濃度不純物拡散層84に達しない所定深さまで垂直にエッチングする乾式の異方性エッチングを行うことによって、図11(d)に示す構造を得る。なお、乾式の異方性エッチングでは、エッチング装置として、例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用い、エッチングガスとして例えばCHFガスを採用すればシリコン基板80aを垂直方向へ高速にエッチングすることができる。また、所定深さは、シリコン基板80aにおいて乾式の異方性エッチングにより形成された部分の残りの厚さが所定厚さ(例えば40μm程度)となるように設定すればよい。
【0091】
その後、シリコン酸化膜82をマスクとしてシリコン基板80aを高濃度不純物拡散層84に達する深さまでアルカリ系溶液(例えば、KOHなど)を用いた湿式の異方性エッチングによりエッチングすることによって、図11(e)に示す構造を得る。なお、上述の所定厚さが40μm、メンブレンばね33の厚さが20μmに設定されている場合には、湿式の異方性エッチングによりエッチングする深さは20μm程度となる。
【0092】
次に、SOI基板80におけるシリコン基板80aの表面側のシリコン酸化膜82をエッチング除去し、続いて、SOI基板80と上述の凹所1a、各一対の電極12a,12b,接続孔1b,1c、各外部接続用電極14a,14b,14c、各金属配線15a,15b,15cをあらかじめ形成したガラス基板からなる支持基板1(図4(a)参照)とを接合することによって、図11(f)に示す構造を得る。なお、支持基板1とSOI基板80とは陽極接合により固着されているが、陽極接合工程では、支持基板1とSOI基板80とを重ね、所定温度(例えば、400℃)に加熱した状態で、SOI基板80を正極側、支持基板1を負極側として、所定の直流電圧(例えば、600V)を印加することにより、支持基板1とSOI基板80とを接合している。
【0093】
次に、SOI基板80に形成された高濃度不純物拡散層84のうちスリット6,7に対応する部分をSOI基板80のシリコン基板80a側からエッチング除去することによって、図11(g)に示す構造を得る。
【0094】
その後、SOI基板80と上述の凹所2a、各一対の電極13a,13b,接続孔2b,2c、各外部接続用電極18a,18b,18c、各金属配線19a,19b,19cをあらかじめ形成したガラス基板からなる支持基板2(図4(b)参照)を接合することによって、図11(h)に示す構造を得る。なお、陽極接合工程では、支持基板2とSOI基板80とを重ね、所定温度(例えば、400℃)に加熱した状態で、SOI基板80を正極側、支持基板2を負極側として、所定の直流電圧(例えば、600V)を印加することにより、支持基板2とSOI基板80とを接合している。
【0095】
以上説明した製造方法によれば、実施形態4で説明した製造方法と同様、メンブレンばね33を形成する際にSOI基板80の中間のシリコン酸化膜80bおよびシリコン酸化膜80bとシリコン基板80aとの界面形成位置により一部の形成位置が決まる高不純物濃度拡散層84をそれぞれをエッチングストッパ層として利用し、しかもシリコン基板80aに形成した高濃度不純物拡散層84の一部がメンブレンばね33を構成することになるから、メンブレンばね33の厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができるとともに、トーションバー31の長手方向におけるメンブレンばね33の位置を高精度に制御することができる。また、製造時には多数のSOI基板80のもととなるSOIウェハを扱うことになるが、SOIウェハ(つまり、多層構造基板)ごとに高濃度不純物拡散層84の不純物の拡散深さ(つまり、メンブレンばね33の膜厚)を調整可能なので、高濃度不純物拡散層84の形成前にSOIウェハの厚さ(つまり、多層構造基板の厚さ)を測定しておけば、SOIウェハの厚さのばらつきによる感度のばらつきもメンブレンばね33の厚みの調整により調整可能となるから、対加速度性能のばらつきおよび角速度に対する検出感度のばらつきを低減した角速度センサを提供することが可能となる。また、メンブレンばね33と重り部32、トーションバー31を一体に形成できるので、耐衝撃性により優れた角速度センサを提供することができる。
【0096】
しかも、本実施形態の製造方法では、シリコン基板80aをエッチングする際に垂直エッチングが可能なドライエッチング装置を用いた乾式の異方性エッチングを所定深さまで行ってから、KOHなどのアルカリ系溶液を用いた湿式の異方性エッチングを行っているので、実施形態4に比べてアルカリ系溶液を用いた湿式の異方性エッチングによるエッチング量を少なくすることができ、結果的にSOI基板80の裏面側でのスリット6,7の開口面積を小さくすることができ、実施形態4よりも小型の角速度センサを提供することが可能となる。
【0097】
【発明の効果】
請求項1の発明は、製造時においてメンブレンばねを形成するために多層構造基板を厚み方向の両面それぞれからエッチングする際に、第1のSiO層および第2のSiO層をそれぞれエッチングストッパ層として利用することにより、第2のSi層の一部からなるメンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することが可能であるから、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができるという効果がある。
【0098】
請求項2の発明は、製造時においてメンブレンばねを形成するために多層構造基板を厚み方向の両面それぞれからエッチングする際に、SiO層および厚み方向の一面が第1のSi層とSiO層との界面を含む平面により規定された多結晶シリコン層をそれぞれエッチングストッパ層として利用することにより、多結晶シリコン層の一部からなるメンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することが可能であるから、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができるという効果がある。
【0099】
請求項3の発明は、製造時においてメンブレンばねを形成するために多層構造基板を厚み方向の両面それぞれからエッチングする際に、SiO層および第1のSi層の厚み方向におけるSiO層側の面から所定深さまで不純物を拡散して形成された高濃度不純物拡散層をそれぞれエッチングストッパ層として利用することにより、高濃度不純物拡散層からなるメンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することが可能であるから、角速度に対する検出感度のばらつきを小さくすることができるという効果がある。
【0100】
請求項4の発明は、第2のSi層の一部からなるメンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきが小さな角速度センサを提供することができるという効果がある。
【0101】
請求項5の発明は、第2のSi層の一部からなるメンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきが小さな角速度センサを提供することができるという効果がある。
【0102】
請求項6の発明は、メンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきが小さな角速度センサを提供することができるという効果がある。
【0103】
請求項7の発明は、メンブレンばねの厚さ寸法を高精度に制御することができ、角速度に対する検出感度のばらつきが小さな角速度センサを提供することができるという効果がある。
【0104】
請求項8の発明は、前記第1のSi層を前記高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングする際に湿式の等方性エッチングにて前記第1のSi層をエッチングする場合に比べて前記第1のSi層に形成される開口部のサイズを小さくすることができ、より小型の角速度センサを提供可能となるという効果がある。
【0105】
請求項9の発明は、前記第1のSi層を前記高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングする際に前記第1のSi層に形成される開口部のサイズを請求項8の発明に比べて小さくすることができ、さらに小型の角速度センサを提供可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。
【図2】同上を示し、(a)は要部概略平面図、(b)は一方の支持基板を取り外した状態の要部概略平面図、(c)は他方の支持基板の要部概略平面図である。
【図3】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図4】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図5】実施形態2の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図6】実施形態3を示す概略断面図である。
【図7】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図8】実施形態4を示す概略断面図である。
【図9】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図10】実施形態5を示す概略断面図である。
【図11】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図12】従来例を示す概略構成図である。
【図13】同上の概略断面図である。
【符号の説明】
1 支持基板
2 支持基板
3 質量体
4 フレーム(外フレーム)
5 フレーム(内フレーム)
6 スリット
7 スリット
30 多層構造基板
30a 第1のSi層
30b 第1のSiO
30c 第2のSi層
30d 第2のSiO
30e 第3のSi層
31 トーションバー
32 重り部
33 メンブレンばね

Claims (9)

  1. 厚み方向に離間して配置された一対の支持基板と、一対の支持基板の間に介在するトーションバー、トーションバーを囲む円筒状に形成され両支持基板の間で両支持基板から離間して配置された重り部、トーションバーが直交しトーションバーと重り部とを連結した薄肉の円板状のメンブレンばねを有する質量体と、一対の支持基板の間に介在し質量体を囲む枠状のフレームと、各支持基板における重り部との対向面それぞれに設けられた電極とを備え、質量体は、第1のSi層/第1のSiO層/第2のSi層/第2のSiO層/第3のSi層の5層構造を有する多層構造基板を用いて形成され、重り部は、第1のSi層/第1のSiO層/第2のSi層/第2のSiO層/第3のSi層の5層構造を有し、メンブレンばねは、厚さ寸法が第2のSi層の厚さに設定され第2のSi層の一部からなることを特徴とする角速度センサ。
  2. 厚み方向に離間して配置された一対の支持基板と、一対の支持基板の間に介在するトーションバー、トーションバーを囲む円筒状に形成され両支持基板の間で両支持基板から離間して配置された重り部、トーションバーが直交しトーションバーと重り部とを連結した円板状のメンブレンばねを有する質量体と、一対の支持基板の間に介在し質量体を囲む枠状のフレームと、各支持基板における重り部との対向面それぞれに設けられた電極とを備え、質量体は、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し第1のSi層が第2のSi層よりも厚い多層構造基板を用いて形成され、重り部は、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し、メンブレンばねは、第1のSi層よりも薄く厚み方向の一面が第1のSi層とSiO層との界面を含む平面により規定された多結晶シリコン層からなることを特徴とする角速度センサ。
  3. 厚み方向に離間して配置された一対の支持基板と、一対の支持基板の間に介在するトーションバー、トーションバーを囲む円筒状に形成され両支持基板の間で両支持基板から離間して配置された重り部、トーションバーが直交しトーションバーと重り部とを連結した円板状のメンブレンばねを有する質量体と、一対の支持基板の間に介在し質量体を囲む枠状のフレームと、各支持基板における重り部との対向面それぞれに設けられた電極とを備え、質量体は、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し第1のSi層が第2のSi層よりも厚い多層構造基板を用いて形成され、重り部は、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し、メンブレンばねは、第1のSi層の厚み方向におけるSiO層側の面から所定深さまで不純物を拡散して形成された高濃度不純物拡散層からなることを特徴とする角速度センサ。
  4. 請求項1記載の角速度センサの製造方法であって、第1のSi層/第1のSiO層/第2のSi層/第2のSiO層/第3のSi層の5層構造を有する多層構造基板における第1のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように第1のSiO層をエッチングストッパ層として第1のSi層を第1のSiO層に達するまでエッチングし、次に、第3のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように第2のSiO層をエッチングストッパ層として第3のSi層を第2のSiO層に達するまでエッチングし、その後、第1のSiO層および第のSiO層それぞれについて露出した部分を第2のSi層に達するまでエッチングすることで第2のSi層の一部からなるメンブレンばねを形成し、続いて、前記電極を形成した一方の支持基板と多層構造基板とを接合してから、第2のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とが分離されるように第2のSi層をエッチングし、その後、前記電極を形成した他方の支持基板を接合することを特徴とする角速度センサの製造方法。
  5. 請求項1記載の角速度センサの製造方法であって、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜が介在し多層構造基板のもととなる2枚のSOI基板それぞれについて、フレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように埋込酸化膜をエッチングストッパとしてシリコン基板をSOI基板の裏面側から埋込酸化膜に達するまでエッチングし、次に、各SOI基板それぞれについて、埋込酸化膜の露出した部分をシリコン層に達するまでエッチングし、その後、2枚のSOI基板のシリコン層同士を重ねて2枚のSOI基板を接合することにより、一方のSOI基板のシリコン基板を第1のSi層、一方のSOI基板の埋込酸化膜を第1のSiO層、一方のSOI基板のシリコン層と他方のSOI基板のシリコン層とを合わせて第2のSi層、他方のSOI基板の埋込酸化膜を第2のSiO層、他方のSOI基板のシリコン基板を第3のSi層とした多層構造基板を形成する同時に第2のSi層の一部からなるメンブレンばねを形成し、続いて、前記電極を形成した一方の支持基板と多層構造基板とを接合してから、第2のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とが分離されるように第2のSi層をエッチングし、その後、前記電極を形成した他方の支持基板を接合することを特徴とする角速度センサの製造方法。
  6. 請求項2記載の角速度センサの製造方法であって、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し第1のSi層が第2のSi層よりも厚い多層構造基板における第1のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるようにSiO層をエッチングストッパ層として第1のSi層をSiO層に達するまでエッチングし、次に、SiO層の露出表面上に膜厚をメンブレンばねの厚さ寸法に設定した多結晶シリコン層を形成し、その後、第2のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるようにSiO層をエッチングストッパ層として第2のSi層をSiO層に達するまでエッチングし、さらにその後、SiO層の露出した部分を多結晶シリコン層に達するまでエッチングすることで多結晶シリコン層の一部からなるメンブレンばねを形成し、続いて、前記電極を形成した一方の支持基板と多層構造基板とを接合してから、多結晶シリコン層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とが分離されるように多結晶シリコン層をエッチングし、その後、前記電極を形成した他方の支持基板を接合することを特徴とする角速度センサの製造方法。
  7. 請求項3記載の角速度センサの製造方法であって、第1のSi層/SiO層/第2のSi層の3層構造を有し第1のSi層が第2のSi層よりも厚い多層構造基板における第2のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるようにSiO層をエッチングストッパ層として第2のSi層をSiO層に達するまでエッチングし、次に、SiO層のうち露出した部分をエッチングし、その後、第1のSi層の厚み方向におけるSiO層側であって露出した全ての面から所定深さまで不純物を拡散して高濃度不純物拡散層を形成し、その後、第1のSi層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とトーションバーに対応する部分とが分離されるように高濃度不純物拡散層をエッチングストッパ層として第1のSi層を高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングすることで高濃度不純物拡散層の一部からなるメンブレンばねを形成し、続いて、前記電極を形成した一方の支持基板と多層構造基板とを接合してから、高濃度不純物拡散層のうちフレームに対応する部分と重り部に対応する部分とが分離されるように高濃度不純物拡散層をエッチングし、その後、前記電極を形成した他方の支持基板を接合することを特徴とする角速度センサの製造方法。
  8. 前記第1のSi層を前記高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングする際には、湿式の異方性エッチングにて前記第1のSi層をエッチングすることを特徴とする請求項7記載の角速度センサの製造方法。
  9. 前記第1のSi層を前記高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングする際には、乾式の異方性エッチングにて前記第1のSi層を途中までエッチングしてから残りを湿式のエッチングにて前記高濃度不純物拡散層に達するまでエッチングすることを特徴とする請求項7記載の角速度センサの製造方法。
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