JP2004353625A - スクロール式圧縮機 - Google Patents

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和孝 末藤
Toshikazu Harashima
寿和 原島
Koji Fukui
宏治 福井
Hiroshi Chikuma
寛 筑間
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Abstract

【課題】スラスト荷重をスクロールの圧縮室と軸方向反対面に設けた密閉室に圧縮室内の圧縮流体を導入することにより受承するスクロール圧縮機において、圧縮室の放熱ができるようにする。
【解決手段】旋回スクロール3のラップ部4aと軸方向反対面に放熱板8aを有し、該放熱板8aの一端には受圧部材8bを設け、該受圧部材8bと密閉室形成部材1bとで密閉室13を形成し、該密閉室13内に圧縮室5内の圧縮空気を導入する。これにより、密閉室13内に導入された圧縮空気でスラスト荷重を相殺することができ、かつ圧縮室5内で発生した熱を圧縮室5に直接設けた放熱板8aにより取ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気圧縮機に用いて好適なスクロール式圧縮機に関し、特に、無給油式のスクロール式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ケーシングと、該ケーシングに設けられたラップ部を有する2つのスクロールとからなり、該ラップ部が重なり合って圧縮室を形成し、駆動手段の駆動により少なくとも1つのスクロールがケーシングに対して相対変位しながら旋回運動する間に、外部から吸込んだ流体を圧縮するスクロール式圧縮機は知られている。この種の従来技術によるスクロール式圧縮機では、一方のスクロールの外周側に設けた吸込口から空気(外気)などの流体を吸込みつつ、この空気を2つのスクロールのラップ部間の各圧縮室内で順次圧縮し、一方のスクロールの中心部に設けた吐出口から圧縮空気を外部に向けて吐出するようになっている。
【0003】
また、特許文献1に示す従来技術では、圧縮運転することにより発生するスラスト荷重を受承する機構としてスクロール式圧縮機の圧縮室と軸方向反対面に密閉室を形成し、該密閉室内に圧縮室内の圧縮流体を導入することによりスラスト荷重を相殺する構成が知られている。
【0004】
また、無給油式のスクロール式圧縮機においては、圧縮運転することにより温度上昇する圧縮室およびその背面を冷却するために、特許文献2に示す従来技術では、スクロールの圧縮部と反対面に冷却のためのフィンを設けて圧縮室の熱を放熱するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特公昭57−23793号公報
【特許文献2】
特開平9−53576号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述した従来技術には、2つの課題がある。まず第1に、圧縮運転することにより温度上昇する圧縮室の背面に密閉室を形成した構成の場合には、圧縮室の放熱が困難であるという課題がある。そのため、圧縮室内の温度が上昇し、ラップが熱倒れを起こすことによりかじり現象を引き起こす可能性がある。特許文献2に示すような冷却フィンを特許文献1に示す構成のスクロールに設けた場合、圧縮室の背面に密閉室を有する側のスクロールは、圧縮室と冷却フィンとの間に密閉室を介するため、直接圧縮室内の熱を放熱することができないという問題がある。
また、第2に、特許文献1に示す構成のスクロールでは、駆動手段の駆動をスクロールに伝える駆動軸および軸受けを密閉室内に設けているため、駆動軸と密閉室との間をシールする必要がある。しかし、このような構成では圧縮室の熱が密閉室内に伝わり、温度が上昇するため、密閉室内の軸や軸受に熱が伝わり、軸シールや軸受のグリース漏れ・劣化により耐久性の低下などの問題を引き起こす場合がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明はスラスト荷重を密閉室内に導入した圧縮流体により受承するようにし、圧縮室と密閉室との間に放熱手段を設けることにより、圧縮室内の温度上昇を抑え、安価で信頼性の高いスラスト支持機構としたスクロール式圧縮機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した第1の課題を解決するために、請求項1の発明では、ケーシングと、該ケーシングに設けられたラップ部を有する2つのスクロールとからなり、該ラップ部が重なり合って圧縮室を形成し、駆動手段の駆動により一方のスクロールが他方のスクロールに対して旋回運動する間に、外部から吸込んだ流体を圧縮するスクロール式圧縮機であって、前記2つのスクロールのうち、少なくとも一方のスクロールの前記ラップ部と軸方向反対面に放熱手段を設け、該放熱手段の前記一方のスクロールと軸方向反対面に受圧部材を設け、該受圧部材と前記ケーシングに一体的に設けられた密閉室形成部とで密閉室を形成し、前記圧縮室と前記密閉室とを連通する連通路を設け、該連通路を介して前記密閉室内に導入された前記圧縮室よりの圧縮流体により前記一方のスクロールを他方のスクロールに向けて押し付けるよう構成したことにある。
【0008】
このように構成したことにより、圧縮室の熱を放熱手段により放熱することができ、かつスラスト荷重を密閉室内に連通路を介して導入した圧縮流体により受承することができる。
【0009】
またさらに、第2の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、前記駆動手段の駆動を前記スクロールに伝える軸受けを、前記受圧部材と一体的に形成し前記密閉室外に設けたことにある。
【0010】
このように構成したことにより、密閉室のシール構成を簡易にすることができる。また、駆動軸部の軸受の寿命を延ばすことができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記放熱手段を冷却フィンで構成し、該冷却フィン内部に前記連通路を設けたことにあるこのように構成したことにより、圧縮室から密閉室内に圧縮流体が導入される間を冷却することができ、密閉室内の温度上昇を抑えることができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3において、前記スクロールの自転防止手段を前記密閉室内に形成したことにある。このように構成したことにより、密閉室外に設けた場合と比して、軸方向長さを短くすることができる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3において、前記スクロールの自転防止手段を前記2つのスクロールの外周面でかつ摺動する面間に設け、該自転防止手段はスラスト荷重を受けるように構成したことにある。このように構成したことにより、2つのスクロールの摺動面の摺動抵抗を低減することができ、機械損失を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1ないし図7に基づき、スクロール式圧縮機として無給油式のスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明する。
ここで、図1ないし図3は本発明の第1の実施の形態を説明する図であり、図1はスクロール式圧縮機の圧縮部100の縦断面図、図2は図1のA−A断面、図3は圧縮部100の外観図を示している。
図において、1はスクロール式空気圧縮機の外枠を形成する段付筒状のケーシングを示し、該ケーシング1は、軸方向に延びる筒状部1aと、後述する密閉室13の一部を構成する密閉室形成部1bとから大略構成されている。また、図3に示されるように、ケーシング1の筒状部1aにはケーシング1内外とを連通する連通孔1c、1c、…が複数個設けられている。
ケーシング1の筒状部1aの一端は、固定スクロール2のフランジ部2bとボルト(図示せず)等で締結されている。
2はケーシング1の筒状部1aの先端側に固着された固定スクロールを示し、該固定スクロール2は、略円板状に形成され中心が駆動軸9の軸線O1−O1と一致するように配設された鏡板2aと、該鏡板2aの外縁側から突出し、外周側が前記ケーシング1の筒状部1aにボルト(図示せず)等を介して固着された取付フランジ部2bと、前記鏡板2aの表面側から軸方向に立設され、中心側が巻き始め端となり外周側が巻終り端となった渦巻状のラップ部2cと、鏡板2aの背面側に並列に多数立設された放熱板2d、2d、…とから構成されている。
【0015】
3は固定スクロール2と対向してケーシング1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールを示し、該旋回スクロール3は圧縮室を形成する本発明の一方のスクロールとしての旋回スクロール本体4と、該旋回スクロール本体4の背面側に取付けられた本発明の放熱手段としての放熱板8aと略円板状で本発明の受圧部材を形成する背面プレート8bとからなり、旋回スクロール本体4と、放熱板8aと、背面プレート8bとは一体的に構成されている。
【0016】
4は旋回スクロール本体で、該旋回スクロール本体4は図1に示すように、円板状に形成された鏡板4aと、該鏡板4aの表面側から軸方向に立設され、中心側が巻始め端となり外周側が巻終り端となった渦巻状のラップ部4bとから大略構成されている。ここで、前記旋回スクロール本体4のラップ部4bは、固定スクロール2のラップ部2cに対して所定角度(例えば、180度)だけずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部2c、4b間には複数の圧縮室5、5、…が形成される。
【0017】
そして、当該スクロール式空気圧縮機の運転時には、固定スクロール2の外周側に設けた吸込口6から外周側の圧縮室5内に空気を吸込みつつ、この空気を旋回スクロール3が旋回運動する間に各圧縮室5内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室5から固定スクロール2の中心に設けた吐出口7を介して外部に圧縮空気を吐出する。
【0018】
8は旋回スクロール本体4の背面側に設けられた放熱機構を示し、該放熱機構8は、鏡板4aの背面側に並列に多数立設された放熱板8a、8a、…と受圧部材を形成する背面プレート8bとから大略構成され、該背面プレート8bは、旋回スクロール本体4の鏡板4aとほぼ同一径の円板状に形成され、該背面プレート8bの軸方向一側面中央部には本発明の軸受けを形成するボス部8cが軸方向に突出して形成されている。そして、該背面プレート8bは旋回スクロール本体4の各放熱板8a先端部に溶接などの方法により固着されており、該各放熱板8a間に複数の冷却風通路a、a、…を画成し、ケーシング1内外を連通している連通孔1cを介して外部からの冷却風によって旋回スクロール本体4の熱を効率よく冷却できるようにしている。ここで、連通孔1cは効率良くケーシング1内部に冷却風を供給し、ケーシング1外部にその風を吐出するため、冷却風通路Aと対向する位置に設けるほうが望ましい。背面プレート8bのボス部8cはケーシング1の密閉室形成部内周側1dの内側に形成し、該ボス部8cは駆動軸部9のクランク9aに旋回軸受10を介して回転可能に取付けられている。
【0019】
9は本発明の駆動手段としてのモータ40の駆動軸部を示し、該駆動軸部9の駆動軸9bの先端側はクランク9aとなっている。また、クランク9aの先端側は、ボス部8cに挿入され、このボス部8c内にはクランク9aを回転支持する旋回軸受10(軸受け)が設けられている。クランク9aの軸線O2−O2は駆動軸9bの軸線O1−O1に対して所定寸法δだけ偏心している。そして、駆動軸9bはケーシング1外に突出した基端側が駆動手段としての駆動モータ40に連結され、駆動モータ40で回転駆動されることにより、クランク9aを介して旋回スクロール3を旋回運動させる。
【0020】
11は旋回スクロール3の自転を防止する自転防止機構を示す。この自転防止機構11は図1ないし図2に示すように、円環状のオルダムリング12と、該オルダムリング12の軸方向表、裏面に設けたキー12a、12bと、該キー12a、12bを係合させる部材であり、背面プレート8b及び密閉室形成部1bに形成されたキー溝形成部材8d、及びキー溝8eより構成される。キー12aは、軸方向表面(図1中左側)に180°間隔に2ヶ所設けられる突起であり、キー12bは軸方向裏面(図1中右側)にキー12aとは90°ずらした位置に180°間隔に2ヶ所設けられている。
【0021】
8dは背面プレート8bと一体的に設けられ、背面プレート8bと、密閉室形成部1bとで形成する密閉室13内に向けて軸方向に突出したX軸方向の(図2中左右方向)移動規制キー溝形成部材を示している。X軸方向移動規制キー溝形成部材8dは図2に示すように、2枚の細長い角板状の部材をX軸方向にキー12aのY軸方向幅だけ離間し、かつY軸方向(図2中上下方向)に沿って平行に延びるよう形成し、それを1セットとして、2セット径方向に対向して設けている。キー溝形成部材8dとキー12aは旋回スクロール3がケーシング1に対してY軸方向に摺動変位するのを補償し、X軸方向に摺動変位するのを規制している。また、8eは密閉室形成部1bの表面に設けられた凹溝からなるY軸方向移動規制キー溝を示し、該Y軸方向移動規制キー溝8eは、径方向に対向して2つ設けている。そして、キー溝8eとキー12bは、旋回スクロール3がケーシング1に対してY軸方向に摺動変位するのを規制し、X軸方向に摺動変位するのを補償することにより、旋回スクロール3の自転を防止している。
【0022】
13は、ケーシング1の密閉室形成部1bと、背面プレート8bと、遮蔽部材としてのシール14a、14bより構成される密閉室を示し、該密閉室13は、連通路15を介して導入される圧縮室5内の圧力を貯留し、旋回スクロール3からのスラスト方向の荷重(押圧力)を受承している。シール14a、14bは、ケーシング1の密閉室形成部1bと背面プレート8bとの摺動部に設けられ、密閉室13の内外周を遮蔽する遮蔽部材であり、密閉室13を挟んで密閉室内周側14aと外周側14bにそれぞれ設けられている。このシール14a、14bは、密閉室13の圧力が背圧として作用し、常に背面プレート8bに押圧されるように構成されている。
【0023】
15は、圧縮室5内の圧縮空気を密閉室13内に導入するための連通路を示し、該連通路15は熱交換手段としての放熱板8a内を貫通して形成している。
【0024】
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0025】
まず、駆動手段としての駆動モータ40により駆動軸9bを回転させ、旋回スクロール3を旋回運動させると、固定スクロール2のラップ部2cと旋回スクロール本体4のラップ部4bとの間に画成された圧縮室5、5、…が連続的に縮小する。これにより、固定スクロール2の吸込口6から吸込んだ外気を該各圧縮室5で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を固定スクロール2の吐出口7から図示せぬ外部の空気タンク等に貯留させる。
【0026】
圧縮運転が開始されると、圧縮室5内の圧縮空気により、固定スクロール2と旋回スクロール3とが軸方向に離れるような力が発生する。固定スクロール2は、ケーシング1の筒状部1aと締結され、軸方向への移動を規制しているが、旋回スクロール3は、軸方向への移動を規制されていないので、固定スクロール2から軸方向に遠ざかる方向に向けて移動しようとするスラスト力が発生する。そこで、圧縮室5内の中間圧を連通路15を介して密閉室13内に導くことにより、スラスト力と反対の力を背面プレート8bに与え、スラスト荷重を相殺して、旋回スクロール3の挙動の安定化を図る。
【0027】
また、圧縮運転が開始されると、圧縮室5内の圧縮空気により、固定スクロール2と旋回スクロール3に圧縮熱が伝達される。固定スクロール2に伝えられた熱は、固定スクロール2の鏡板2aを介して放熱板2dに伝えられ、外気に触れることにより放熱する。
【0028】
次に、旋回スクロール本体4に伝わった熱は、旋回スクロール本体4の鏡板4aを介して放熱機構8としての放熱板8aに伝えられる。そして、ケーシング1の筒状部1aに設けられた連通孔1cを介して、空間a内に冷却風を挿通させる。これにより、放熱板8aに伝えられた熱は、連通孔1cを介してケーシング1外部に逃がすことができる。
【0029】
また、連通路15は、放熱板8a内に設けられているため、圧縮室5内の圧力が密閉室13に導入される間に放熱することができ、密閉室13内の温度上昇を抑えている。
【0030】
かくして、本実施の形態では、複雑なスラスト支持機構を有することなく、圧縮室5内の圧縮空気を密閉室13内に導入することによりスラスト荷重を支持することができるので、安価で信頼性が高く、長寿命なスクロール式圧縮機を提供することができる。
【0031】
また、背圧によるスラスト支持機構で問題であった旋回スクロール本体4の熱を、放熱機構8としての放熱板8aに伝え、ケーシング1内外を連通する連通孔1cを介して熱を放出することができるため、旋回スクロール本体4の温度上昇を抑えることができ、ラップ2cのかじり現象等を防止することができる。
【0032】
また、旋回スクロール3を駆動手段としての駆動モータ40の駆動を旋回スクロール3に伝える軸受け部(ボス部)8cを受圧部材としての背面プレート8bと一体的に形成し、密閉室13を形成する密閉室形成部1bと別体に構成したことにより、密閉室13内外の遮蔽を軸シールを用いずフェイスシール等のシール14a、14bとすることができ、耐磨耗性の良いシールとすることができる。
【0033】
また、密閉室13と、駆動軸部9とを別体としたため、旋回軸受10には密閉室の熱が伝わりにくく、冷却が容易となり、熱によりグリースが漏洩し、軸受けが破損するといった問題を回避し、軸受寿命を延ばすことができる。
【0034】
さらに、圧縮室5内の圧縮空気を密閉室13内に導入する連通路15を、放熱板8a内に設けたため、圧縮室5内の圧力が密閉室13に導入される間に放熱することができ、密閉室13内の温度上昇を抑え、シール14a、14b、および自転防止機構11の寿命を延ばすことができる。
【0035】
また、自転防止機構11を密閉室13内に設けたため、密閉室13外に設けた場合と比して、軸方向長さを短くすることができる。
【0036】
次に、図4、5は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素の符号は省略し、異なる構成要素にのみ符号を付し、その説明をする。図4は、本発明の第2の実施の形態によるスクロール式圧縮機の圧縮部を示す縦断面図を、図5は、図4のB−B断面を示す図である。本実施の形態の特徴は、自転防止機構11として固定スクロール2と旋回スクロール3のそれぞれの鏡板2a、4a間にボールカップリング機構を採用し、さらに密閉室13を背面プレート8bと非同心円状に設け、圧縮室5の吐出圧室5aに連通路15の一方を接続するようにしたことにある。
【0037】
20は本実施の形態に用いる自転防止機構としてのボールカップリングであり、該ボールカップリング20は、実開平6−30489号に記載のボールカップリング機構と同様の構成、機能を有するものであるので、詳細な説明は省略する。ボールカップリング20は、固定スクロール2の鏡板2aのフランジ部2bに複数個の円孔2e、2e、…を形成し、該円孔2eと対向する旋回スクロール本体4の鏡板4eのラップ4bを形成する側の外周面に円孔4d、4d、…を形成している。円孔2e、4dの間には鋼球21が入れられており、該鋼球21が円孔2e、4dの内周に沿って移動することで旋回スクロール3の自転を阻止し、旋回スクロール3を旋回運動させている。また、ボールカップリング20は、スラスト荷重と密閉室22a、22bとで力のアンバランスが生じたときには、自転防止機能だけではなく、スラスト荷重をも受承できるよう構成されている。
【0038】
22a、22bは旋回スクロール3とは非同心円状に設けた密閉室で、該密閉室22a、22bはケーシング1の密閉室形成部1bに2ヶ所凹部を形成し、背面プレート8bとの間で密閉室を形成している。そして、各密閉室22a、22bにそれぞれ外気と遮断するためのシール部材23a、23bを設ける。
【0039】
25は一端を圧縮室5の最内周圧縮室5aに接続し、他端を各密閉室22a、22bと連通させる連通路で、該連通路25は、最内周圧縮室5a内の圧力、つまり吐出圧を各密閉室22a、22bに導く。
【0040】
このように構成される本実施の形態では、駆動モータ40が通電されると、駆動軸9bを回転駆動し、該駆動軸9bのクランク9aにより回転運動を公転運動に変換する。また、自転防止機構としてのボールカップリング20により自転が防止され、旋回スクロール3が旋回運動を開始する。
【0041】
旋回スクロール3が旋回運動を開始すると、固定スクロール2との間で形成された圧縮室5内の圧力が上昇し、軸方向に旋回スクロール3が固定スクロール2から離れる向きにスラスト荷重が発生する。
【0042】
しかし、圧縮室5の最内周圧縮室5a内の圧力を連通路25を介して密閉室22a、22b内に導いているため、密閉室22a、22b内の圧力でスラスト荷重が相殺され、旋回スクロール3の挙動の安定化を図ることができる。
【0043】
かくして、本実施の形態でも、複雑なスラスト支持機構を有することなく、圧縮室5内の圧縮空気を密閉室22a、22b内に導入することによりスラスト荷重を支持することができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0044】
さらに、本実施の形態では、固定スクロール2と旋回スクロール3の摺動面2e、4d間に自転防止機構としてのボールカップリング20を用いているため、第1の実施の形態と比して摺動抵抗を低減することができ、機械損失を抑えることができる。
【0045】
また、密閉室22a、22bを非同心円状に形成し、圧縮室5のうち最も圧力が高い最内周圧縮室5a内の圧力を密閉室22a、22b内に導いているため、密閉室22a、22bの大きさを小さくすることができ、また、発生するスラスト荷重に応じた数、大きさが適性であれば、その位置や形状については自由に形成することができる。
【0046】
尚、本実施の形態では、スクロール式圧縮機として、旋回スクロールを固定スクロールに対して旋回運動することにより流体を圧縮する一般的なスクロール式圧縮機を例にあげて説明したが、これに限らず、2つのスクロールともに回転運動し、2つのスクロールのラップが重なりあって圧縮室を形成する特開平5−1678号に示すようなスクロール式圧縮機に適用してもよいのはもちろんである。
【0047】
また、本実施の形態では、放熱手段として、放熱板8aを旋回スクロール背面に一体的に設ける構成を示し説明したが、これに限らず、例えば図6、図7に示すように、スクロールのラップと反対面にヒートパイプを取り付け放熱するようにしてもよい。
【0048】
ここで、図6はヒートパイプ30を放熱手段として用いた場合の実施の形態を示し、図7は図6のC−C断面を示す図である。図6、図7には上述した実施の形態と同一の構成要素の符号は省略し、異なる構成要素にのみ符号を付し、その説明をする。図に示されるように、ヒートパイプ30を用いた場合には、放熱板8aの変わりに内部に液体(純水)が封入された複数のヒートパイプ30、30、…を鏡板4aに立設させ、該ヒートパイプ30と接触するよう、鏡板4aと平行するヒートパイプ用放熱板31を複数枚間隔をおいて配設する。これにより、ヒートパイプを用いた場合にも、冷却フィンを用いた場合と同様の効果を奏することができる。この場合、図6中右側を上方として使用した方がヒートパイプの効果をより発揮することができる。また、旋回スクロール背面全面にフィンを設けることなく、旋回スクロール背面に空間を設けるだけでもよい。さらに、旋回スクロールとは材質の異なる放熱媒体を用いてもよい。
【0049】
尚、第1の実施の形態において、密閉室13に導く圧力が最内周圧縮室5a内の圧力となるよう連通路15を構成してもよい。さらに、第2の実施の形態において、密閉室22a、22bに導く圧力が中間圧となるよう連通路25を形成してもよい。
【0050】
また、本実施の形態では、本発明の密閉室を形成するために、背面プレート8bは平らに形成し、密閉室形成部1bに凹部を形成するようにしたが、それに限らず、背面プレートに凹部を形成し、密閉室形成部1bを平らに形成することにより密閉室を形成してもよい。
【0051】
また、本実施の形態では密閉室形成部1bをケーシング1自体に設ける例を説明したが、これに限らず、本発明のケーシングが密閉室形成部と一体とは、密閉室形成部1bがケーシング1に対して相対変位しないよう設けられていればよく例えば、ケーシング1に一体に取付られたモータ40に密閉室形成部1bを形成する部材を取付けてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1に記載の発明によれば、ケーシングと、該ケーシングに設けられたラップ部を有する2つのスクロールとからなり、該ラップ部が重なり合って圧縮室を形成し、駆動手段の駆動により一方のスクロールが他方のスクロールに対して旋回運動する間に、外部から吸込んだ流体を圧縮するスクロール式圧縮機であって、前記2つのスクロールのうち、少なくとも一方のスクロールの前記ラップ部と軸方向反対面に放熱手段を設け、該放熱手段の前記一方のスクロールと軸方向反対面に受圧部材を設け、該受圧部材と前記ケーシングに一体的に設けられた密閉室形成部とで密閉室を形成し、前記圧縮室と前記密閉室とを連通する連通路を設け、該連通路を介して前記密閉室内に導入された前記圧縮室よりの圧縮流体により前記一方のスクロールを他方のスクロールに向けて押し付けるよう構成したことにある。
【0053】
このように構成したことにより、圧縮室の熱を放熱手段により放熱することができ、かつスラスト荷重を密閉室内に連通路を介して導入した圧縮流体により受承することができる。
【0054】
またさらに、第2の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、前記駆動手段の駆動を前記スクロールに伝える軸受けを、前記受圧部材と一体的に形成し前記密閉室外に設けたことにある。
【0055】
このように構成したことにより、密閉室のシール構成を簡易にすることができる。また、駆動軸部の軸受の寿命を延ばすことができる。
【0056】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記放熱手段を冷却フィンで構成し、該冷却フィン内部に前記連通路を設けたことにあるこのように構成したことにより、圧縮室から密閉室内に圧縮流体が導入される間を冷却することができ、密閉室内の温度上昇を抑えることができる。
【0057】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3において、前記スクロールの自転防止手段を前記密閉室内に形成したことにある。このように構成したことにより、密閉室外に設けた場合と比して、軸方向長さを短くすることができる。
【0058】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3において、前記スクロールの自転防止手段を前記2つのスクロールの外周面でかつ摺動する面間に設け、該自転防止手段はスラスト荷重を受けるように構成したことにある。このように構成したことにより、2つのスクロールの摺動面の摺動抵抗を低減することができ、機械損失を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスクロール式圧縮機の圧縮部を示す縦断面図である。
【図2】図1のAーA断面を示す図である。
【図3】圧縮部100の外観を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の圧縮部を示す縦断面図である。
【図5】図4のB−B断面を示す図である。
【図6】ヒートパイプ30を放熱手段として用いた場合の実施の形態を示す図である。
【図7】図6のC−C断面を示す図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
1b 密閉室形成部
1c 連通孔
2 固定スクロール(他方のスクロール)
3 旋回スクロール(一方のスクロール)
2c ラップ部
4b ラップ部
5 圧縮室
8 放熱機構
8a 冷却フィン(放熱手段)
8b 背面プレート(受圧部材)
9 駆動軸部
10 旋回軸受(軸受け)
11 自転防止手段
13 密閉室
15 連通路
22a 密閉室
22b 密閉室
25 連通路
40 駆動モータ(駆動手段)

Claims (5)

  1. ケーシングと、該ケーシングに設けられたラップ部を有する2つのスクロールとからなり、該ラップ部が重なり合って圧縮室を形成し、駆動手段の駆動により一方のスクロールが他方のスクロールに対して旋回運動する間に、外部から吸込んだ流体を圧縮するスクロール式圧縮機であって、
    前記2つのスクロールのうち、少なくとも一方のスクロールの前記ラップ部と軸方向反対面に放熱手段を設け、
    該放熱手段の前記一方のスクロールと軸方向反対面に受圧部材を設け、該受圧部材と前記ケーシングに一体的に設けられた密閉室形成部とで密閉室を形成し、
    前記圧縮室と前記密閉室とを連通する連通路を設け、
    該連通路を介して前記密閉室内に導入された前記圧縮室よりの圧縮流体により前記一方のスクロールを他方のスクロールに向けて押し付けるよう構成してなるスクロール式圧縮機。
  2. 前記駆動手段の駆動を前記スクロールに伝える軸受けを、前記受圧部材と一体的に形成し前記密閉室外に設けてなる請求項1に記載のスクロール式圧縮機。
  3. 前記放熱手段を冷却フィンで構成し、該冷却フィン内部に前記連通路を設けてなる請求項1または2に記載のスクロール式圧縮機。
  4. 前記スクロールの自転防止手段を前記密閉室内に形成してなる請求項1乃至3に記載のスクロール式圧縮機。
  5. 前記スクロールの自転防止手段を前記2つのスクロールの外周面でかつ摺動する面間に設け、該自転防止手段はスラスト荷重を受けるように構成してなる請求項1乃至3に記載のスクロール式圧縮機。
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