JP2004353479A - オイルポンプ - Google Patents
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Abstract
【目的】この発明の目的は、インロー部と軸受孔との嵌め合い部分を潤滑して摩耗を防止し、エンジン出力の向上を図ることができるとともに変形による嵌め合い溝のオイルの流出を防止することにある。
【構成】このため、この発明は、ハウジングの収容室に駆動軸を嵌合される嵌合部を備えたインナロータとこのインナロータに偏心して内接するアウタロータとを配設するとともに、インタロータとアウタロータとをハウジングとロータプレートとで保持するオイルポンプにおいて、インナロータの嵌合部を軸方向に突出させてインロー部を形成し、このインロー部を回転支持する軸受孔をハウジング又はロータプレートに形成し、この軸受孔の周面に対向する環状の嵌め合い溝を前記インロー部の前記収容室側縁部に形成し、軸受孔又はインロー部の少なくともいずれか一方の周面にオイル溝を形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【構成】このため、この発明は、ハウジングの収容室に駆動軸を嵌合される嵌合部を備えたインナロータとこのインナロータに偏心して内接するアウタロータとを配設するとともに、インタロータとアウタロータとをハウジングとロータプレートとで保持するオイルポンプにおいて、インナロータの嵌合部を軸方向に突出させてインロー部を形成し、このインロー部を回転支持する軸受孔をハウジング又はロータプレートに形成し、この軸受孔の周面に対向する環状の嵌め合い溝を前記インロー部の前記収容室側縁部に形成し、軸受孔又はインロー部の少なくともいずれか一方の周面にオイル溝を形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はオイルポンプに係り、特に、インロー部と軸受孔との嵌め合い部分を潤滑して摩耗を防止し、エンジン出力の向上を図ることができるとともに変形による嵌め合い溝のオイルの流出を防止するオイルポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されるエンジンにおいては、各運動部分や各種油圧機器等にオイルを供給するために、オイルポンプを設けている。このオイルポンプとしては、例えば、トロコイド式のオイルポンプがある。
【0003】
図13・図14に示す如く、トロコイド式のオイルポンプ102は、車両に搭載されるエンジンのシリンダブロック(図示せず)のブロック側面に取付けられハウジング104を設け、このハウジング104に吸込室106と吐出室108と収容室110とを形成している。
【0004】
オイルポンプ102は、この収容室110に駆動軸であるクランク軸112を嵌合される嵌合部114を備えたインナロータ116とこのインナロータ116に偏心して内接するアウタロータ118とを配設するとともに、インタロータ116とアウタロータ118とをハウジング104とこのハウジング104に取付ボルト120により取付けられるロータプレート122とで保持している。
【0005】
オイルポンプ102は、図15に示す如く、インナロータ116の嵌合部114を軸方向に突出させてインロー部124を形成し、このインロー部124を回転支持する軸受孔126をロータプレート122に形成し、この軸受孔126の周面128に対向する環状の嵌め合い溝130をインロー部124の周面132の収容室110側縁部に形成している。オイルポンプ102は、インナロータ116とロータプレート122との位置関係を定めるために、インロー部124を軸受孔126に嵌合させて回転支持している。
【0006】
オイルポンプ102は、収容室110内でクランク軸112によりインナロータ116とアウタロータ118を回転させて、インナロータ116とアウタロータ118との間に形成されるポンプ室134を吸込室106側から吐出室108側に移動させて、オイルの吐出圧力を得る。
【0007】
従来のオイルポンプには、インナロータの一端部から突出して外周面がポンプハウジングのロータ受け部の内周面に嵌合する嵌合筒部を設け、この嵌合筒部が突出するインナロータの一端面とこのインナロータの一端面が対向するロータ受け部の内端面との間にラビリンス部を設けて油漏れ防止するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来のオイルポンプには、インナロータの内周部に突設したインローフランジをポンプハウジングのインロー部に回転自在に支持し、インロー部の内周面にインローフランジの端面に対向する内端面を有するダム部を一体形成し、ダム部の内端面とインローフランジの端面との間にクリアランスを形成してオイル漏れ量を減少させたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、従来のオイルポンプには、ポンプハウジングのインロー型軸受部におけるインナロータ対向面に環状溝を周設し、この環状溝に吐出室から吐出オイルを導く連通路を設けて、環状溝に導かれた吐出側の加圧オイルの油圧によりインナロータをカバー側に偏倚させるものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−229479号公報(第3、4頁、図1、図2)
【特許文献2】
特開平7−238889号公報(第3頁、図2、図3)
【特許文献3】
実開平5−42686号公報(実用新案登録請求の範囲、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のオイルポンプにおいては、インナロータの嵌合部を軸方向に突出させてインロー部を形成し、このインロー部を回転支持する軸受孔をハウジング又はロータプレートに形成し、この軸受孔の周面に対向する環状の嵌め合い溝をインロー部の収容室側縁部に形成し、インロー部を軸受孔に嵌合させて回転支持している。
【0010】
ところが、このオイルポンプは、インロー部と軸受孔との嵌め合い部分の潤滑が不良になると、摩擦力が増加してエンジン出力の低下や燃費悪化の原因となる不都合がある。また、インロー部と軸受孔との嵌め合い部分の潤滑不良は、摩擦が促進されて隙間の拡大による油圧の低下が発生する不都合がある。
【0011】
さらに、これら潤滑不良を原因として、インナロータ及びアウタロータとハウジング又はロータプレートとの位置がずれが生じ、NHV性能が悪化する不都合がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、ハウジングに吸込室と吐出室と収容室とを形成し、この収容室に駆動軸を嵌合される嵌合部を備えたインナロータとこのインナロータに偏心して内接するアウタロータとを配設するとともに、前記インタロータとアウタロータとを前記ハウジングとこのハウジングに取付けられるロータプレートとで保持するオイルポンプにおいて、前記インナロータの嵌合部を軸方向に突出させてインロー部を形成し、このインロー部を回転支持する軸受孔を前記ハウジング又はロータプレートに形成し、この軸受孔の周面に対向する環状の嵌め合い溝を前記インロー部の前記収容室側縁部に形成し、前記軸受孔又はインロー部の少なくともいずれか一方の周面にオイル溝を形成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明のオイルポンプは、ハウジング又はロータプレートの軸受孔又はインナロータのインロー部の少なくともいずれか一方の周面にオイル溝を形成したことにより、このオイル溝によってインロー部と軸受孔との摺動面を潤滑して摩耗を防止することができる。
【0014】
【実施例】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。図1〜図4は、この発明の第1実施例を示すものである。図2〜図4において、2はトロコイド式のオイルポンプである。このオイルポンプ2は、例えば、車両に搭載されるエンジンのシリンダブロック(図示せず)のブロック側面に設けられる。
【0015】
オイルポンプ2は、シリンダブロックのブロック側面に取付けられハウジング4を設け、このハウジング4に吸込室6と吐出室8と収容室10とを形成している。
【0016】
オイルポンプ2は、この収容室10に、駆動軸であるクランク軸12を嵌合される嵌合部14を備えたインナロータ16と、このインナロータ16に偏心して内接するアウタロータ18とを配設している。オイルポンプ2は、インタロータ16とアウタロータ18とを、ハウジング4とこのハウジング4に取付ボルト20により取付けられるロータプレート22とで回転自在に保持している。
【0017】
オイルポンプ2は、図1に示す如く、インナロータ16の嵌合部14を軸方向の一側(シリンダブロック側)に突出させてインロー部24を形成し、このインロー部24を回転支持する軸受孔26をロータプレート22に形成している。
【0018】
オイルポンプ2は、この軸受孔26の周面28に対向する環状の嵌め合い溝30を、インロー部24の周面32の軸方向における収容室10側縁部に形成している。オイルポンプ2は、インナロータ16とロータプレート22との位置関係を定めるために、インロー部24を軸受孔26に嵌合させて回転支持している。
【0019】
このオイルポンプ2は、ロータプレート22の軸受孔26又はインナロータ16のインロー部24の少なくともいずれか一方、この実施例においてはインロー部24の周面32にオイル溝34を形成している。このオイル溝34は、インロー部24の周面32に環状に形成している。
【0020】
次に作用を説明する。
【0021】
オイルポンプ2は、収容室10内でクランク軸12によりインナロータ16とアウタロータ18を回転させて、インナロータ16とアウタロータ18との間に形成されるポンプ室36を吸込室6側から吐出室8側に移動させて、オイルの吐出圧力を得る。
【0022】
このオイルポンプ2は、インロー部24の周面32にオイル溝34を形成している。このオイル溝34は、インロー部24の周面32に環状に形成している。
【0023】
オイルポンプ2は、このオイル溝34によって、インロー部24と軸受孔26との嵌め合い部分に漏れ出たオイルを溜めて、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32とを潤滑して摩耗を防止することができる。
【0024】
このため、このオイルポンプ2は、フリクションを低減してエンジン出力の向上を図ることができるとともに、変形による嵌め合い溝30のオイルの流出を防止することができ、NHV性能を向上することができ、信頼性を向上することができる。なお、この実施例のオイル溝34は、インロー部24の周面32に連続する環状に1本設けたが、不連続に設けることもでき、また、複数本設けることができる。
【0025】
図5・図6は、第2実施例を示すものである。第2実施例のオイルポンプ2は、インナロータ16のインロー部24の周面32に、インナロータ16の矢印に示す回転方向に対して吐出室8側に向かって角度θだけ傾斜するオイル溝38を形成したものである。
【0026】
オイルポンプ2は、この角度θだけ傾斜するオイル溝38によって、インロー部24と軸受孔26との嵌め合い部分に漏れ出たオイルを溜めて、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32とを潤滑して摩耗を防止することができるとともに、漏れ出たオイルを吐出室8側に流すことができる。
【0027】
このため、このオイルポンプ2は、第1実施例と同様の効果を奏し得て、また、漏れ出たオイルをポンプ回路内に回収することができる。
【0028】
図7・図8は、第3実施例を示すものである。第3実施例のオイルポンプ2は、ロータプレート22の軸受孔26の周面28に、オイル溝40を環状に形成したものである。
【0029】
オイルポンプ2は、このオイル溝40によって、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32とを潤滑して摩耗を防止することができ、第1実施例と同様の効果を奏し得る。
【0030】
図9・図10は、第4実施例を示すものである。第4実施例のオイルポンプ2は、インナロータ16のインロー部24の嵌め合い溝30溝から吐出室8側に向かって斜めにオイル溝42を形成したものである。
【0031】
オイルポンプ2は、この傾めのオイル溝42によって、嵌め合い溝30に漏れ出たオイルを溜めて、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32とを潤滑して摩耗を防止することができるとともに、嵌め合い溝30に漏れ出たオイルを吐出室8側に流すことができる。
【0032】
このため、このオイルポンプ2は、第1実施例と同様の効果を奏し得て、また、漏れ出たオイルをポンプ回路内に回収することができる。
【0033】
図11は、第5実施例を示すものである。第5実施例のオイルポンプ2は、インナロータ16のインロー部24の周面32に、波形に湾曲するオイル溝44を形成したものである。
【0034】
オイルポンプ2は、波形に湾曲するオイル溝44によって、嵌め合い溝30に漏れ出たオイルを溜めて、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32との幅方向略全幅にわたり潤滑して摩耗を防止することができる。
【0035】
このため、このオイルポンプ2は、第1実施例と同様の効果を奏し得るとともに、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32との略全幅にわたる摩耗防止を果たすことができる。
【0036】
図12は、第6実施例を示すものである。第6実施例のオイルポンプ2は、ロータプレート22の軸受孔26の周面28に、インナロータ16の回転方向に対して、インナロータ16の周面32に対して接近するように傾斜する傾斜面46と周面32に最接近する幅狭部48とからなる段差状のオイル溝50を形成したものである。
【0037】
オイルポンプ2は、段差状のオイル溝50によって、嵌め合い溝30に漏れ出たオイルを溜めて、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32とを潤滑して摩耗を防止することができるとともに、段差状のオイル溝50の幅狭部48において、インナロータ16の回転に連れ回るオイルの圧力を高めることができ、インナロータ16のインロー部24をフローティング支持することができる。
【0038】
このため、このオイルポンプ2は、第1実施例と同様の効果を奏し得るとともに、インナロータ16のインロー部24のフローティング支持により滑らかな回転を実現することができる。
【0039】
【発明の効果】
この発明のオイルポンプは、ハウジング又はロータプレートの軸受孔又はインナロータのインロー部の少なくともいずれか一方の周面に形成したオイル溝によって、インロー部と軸受孔との嵌め合い部分を潤滑して摩耗を防止することができる。
このため、このオイルポンプは、エンジン出力の向上を図ることができるとともに、変形による嵌め合い溝のオイルの流出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オイルポンプの第1実施例を示す図2の矢印I部位の拡大断面図である。
【図2】図4のII−II線による断面図である。
【図3】図4のIII−III線による断面図である。
【図4】オイルポンプのロータプレートを一部切除した背面図である。
【図5】第2実施例を示すオイルポンプの断面図である。
【図6】図5の矢印VI部位の拡大断面図である。
【図7】第3実施例を示すオイルポンプの断面図である。
【図8】図7の矢印VIII部位の拡大断面図である。
【図9】第4実施例を示すオイルポンプの断面図である。
【図10】図9の矢印X部位の拡大断面図である。
【図11】第5実施例を示すオイルポンプの拡大断面図である。
【図12】第6実施例を示すオイルポンプの背面図である。
【図13】オイルポンプの従来例を示すロータプレートを一部切除した背面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線による断面図である。
【図15】図13の矢印XV部位の拡大断面図である。
【符号の説明】
2 オイルポンプ
4 ハウジング
6 吸込室
8 吐出室
10 収容室
12 クランク軸
14 嵌合部
16 インナロータ
18 アウタロータ
20 取付ボルト
22 ロータプレート
24 インロー部
26 軸受孔
28 周面
30 嵌め合い溝
32 周面
34 オイル溝
【発明の属する技術分野】
この発明はオイルポンプに係り、特に、インロー部と軸受孔との嵌め合い部分を潤滑して摩耗を防止し、エンジン出力の向上を図ることができるとともに変形による嵌め合い溝のオイルの流出を防止するオイルポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されるエンジンにおいては、各運動部分や各種油圧機器等にオイルを供給するために、オイルポンプを設けている。このオイルポンプとしては、例えば、トロコイド式のオイルポンプがある。
【0003】
図13・図14に示す如く、トロコイド式のオイルポンプ102は、車両に搭載されるエンジンのシリンダブロック(図示せず)のブロック側面に取付けられハウジング104を設け、このハウジング104に吸込室106と吐出室108と収容室110とを形成している。
【0004】
オイルポンプ102は、この収容室110に駆動軸であるクランク軸112を嵌合される嵌合部114を備えたインナロータ116とこのインナロータ116に偏心して内接するアウタロータ118とを配設するとともに、インタロータ116とアウタロータ118とをハウジング104とこのハウジング104に取付ボルト120により取付けられるロータプレート122とで保持している。
【0005】
オイルポンプ102は、図15に示す如く、インナロータ116の嵌合部114を軸方向に突出させてインロー部124を形成し、このインロー部124を回転支持する軸受孔126をロータプレート122に形成し、この軸受孔126の周面128に対向する環状の嵌め合い溝130をインロー部124の周面132の収容室110側縁部に形成している。オイルポンプ102は、インナロータ116とロータプレート122との位置関係を定めるために、インロー部124を軸受孔126に嵌合させて回転支持している。
【0006】
オイルポンプ102は、収容室110内でクランク軸112によりインナロータ116とアウタロータ118を回転させて、インナロータ116とアウタロータ118との間に形成されるポンプ室134を吸込室106側から吐出室108側に移動させて、オイルの吐出圧力を得る。
【0007】
従来のオイルポンプには、インナロータの一端部から突出して外周面がポンプハウジングのロータ受け部の内周面に嵌合する嵌合筒部を設け、この嵌合筒部が突出するインナロータの一端面とこのインナロータの一端面が対向するロータ受け部の内端面との間にラビリンス部を設けて油漏れ防止するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来のオイルポンプには、インナロータの内周部に突設したインローフランジをポンプハウジングのインロー部に回転自在に支持し、インロー部の内周面にインローフランジの端面に対向する内端面を有するダム部を一体形成し、ダム部の内端面とインローフランジの端面との間にクリアランスを形成してオイル漏れ量を減少させたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、従来のオイルポンプには、ポンプハウジングのインロー型軸受部におけるインナロータ対向面に環状溝を周設し、この環状溝に吐出室から吐出オイルを導く連通路を設けて、環状溝に導かれた吐出側の加圧オイルの油圧によりインナロータをカバー側に偏倚させるものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−229479号公報(第3、4頁、図1、図2)
【特許文献2】
特開平7−238889号公報(第3頁、図2、図3)
【特許文献3】
実開平5−42686号公報(実用新案登録請求の範囲、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のオイルポンプにおいては、インナロータの嵌合部を軸方向に突出させてインロー部を形成し、このインロー部を回転支持する軸受孔をハウジング又はロータプレートに形成し、この軸受孔の周面に対向する環状の嵌め合い溝をインロー部の収容室側縁部に形成し、インロー部を軸受孔に嵌合させて回転支持している。
【0010】
ところが、このオイルポンプは、インロー部と軸受孔との嵌め合い部分の潤滑が不良になると、摩擦力が増加してエンジン出力の低下や燃費悪化の原因となる不都合がある。また、インロー部と軸受孔との嵌め合い部分の潤滑不良は、摩擦が促進されて隙間の拡大による油圧の低下が発生する不都合がある。
【0011】
さらに、これら潤滑不良を原因として、インナロータ及びアウタロータとハウジング又はロータプレートとの位置がずれが生じ、NHV性能が悪化する不都合がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、ハウジングに吸込室と吐出室と収容室とを形成し、この収容室に駆動軸を嵌合される嵌合部を備えたインナロータとこのインナロータに偏心して内接するアウタロータとを配設するとともに、前記インタロータとアウタロータとを前記ハウジングとこのハウジングに取付けられるロータプレートとで保持するオイルポンプにおいて、前記インナロータの嵌合部を軸方向に突出させてインロー部を形成し、このインロー部を回転支持する軸受孔を前記ハウジング又はロータプレートに形成し、この軸受孔の周面に対向する環状の嵌め合い溝を前記インロー部の前記収容室側縁部に形成し、前記軸受孔又はインロー部の少なくともいずれか一方の周面にオイル溝を形成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明のオイルポンプは、ハウジング又はロータプレートの軸受孔又はインナロータのインロー部の少なくともいずれか一方の周面にオイル溝を形成したことにより、このオイル溝によってインロー部と軸受孔との摺動面を潤滑して摩耗を防止することができる。
【0014】
【実施例】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。図1〜図4は、この発明の第1実施例を示すものである。図2〜図4において、2はトロコイド式のオイルポンプである。このオイルポンプ2は、例えば、車両に搭載されるエンジンのシリンダブロック(図示せず)のブロック側面に設けられる。
【0015】
オイルポンプ2は、シリンダブロックのブロック側面に取付けられハウジング4を設け、このハウジング4に吸込室6と吐出室8と収容室10とを形成している。
【0016】
オイルポンプ2は、この収容室10に、駆動軸であるクランク軸12を嵌合される嵌合部14を備えたインナロータ16と、このインナロータ16に偏心して内接するアウタロータ18とを配設している。オイルポンプ2は、インタロータ16とアウタロータ18とを、ハウジング4とこのハウジング4に取付ボルト20により取付けられるロータプレート22とで回転自在に保持している。
【0017】
オイルポンプ2は、図1に示す如く、インナロータ16の嵌合部14を軸方向の一側(シリンダブロック側)に突出させてインロー部24を形成し、このインロー部24を回転支持する軸受孔26をロータプレート22に形成している。
【0018】
オイルポンプ2は、この軸受孔26の周面28に対向する環状の嵌め合い溝30を、インロー部24の周面32の軸方向における収容室10側縁部に形成している。オイルポンプ2は、インナロータ16とロータプレート22との位置関係を定めるために、インロー部24を軸受孔26に嵌合させて回転支持している。
【0019】
このオイルポンプ2は、ロータプレート22の軸受孔26又はインナロータ16のインロー部24の少なくともいずれか一方、この実施例においてはインロー部24の周面32にオイル溝34を形成している。このオイル溝34は、インロー部24の周面32に環状に形成している。
【0020】
次に作用を説明する。
【0021】
オイルポンプ2は、収容室10内でクランク軸12によりインナロータ16とアウタロータ18を回転させて、インナロータ16とアウタロータ18との間に形成されるポンプ室36を吸込室6側から吐出室8側に移動させて、オイルの吐出圧力を得る。
【0022】
このオイルポンプ2は、インロー部24の周面32にオイル溝34を形成している。このオイル溝34は、インロー部24の周面32に環状に形成している。
【0023】
オイルポンプ2は、このオイル溝34によって、インロー部24と軸受孔26との嵌め合い部分に漏れ出たオイルを溜めて、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32とを潤滑して摩耗を防止することができる。
【0024】
このため、このオイルポンプ2は、フリクションを低減してエンジン出力の向上を図ることができるとともに、変形による嵌め合い溝30のオイルの流出を防止することができ、NHV性能を向上することができ、信頼性を向上することができる。なお、この実施例のオイル溝34は、インロー部24の周面32に連続する環状に1本設けたが、不連続に設けることもでき、また、複数本設けることができる。
【0025】
図5・図6は、第2実施例を示すものである。第2実施例のオイルポンプ2は、インナロータ16のインロー部24の周面32に、インナロータ16の矢印に示す回転方向に対して吐出室8側に向かって角度θだけ傾斜するオイル溝38を形成したものである。
【0026】
オイルポンプ2は、この角度θだけ傾斜するオイル溝38によって、インロー部24と軸受孔26との嵌め合い部分に漏れ出たオイルを溜めて、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32とを潤滑して摩耗を防止することができるとともに、漏れ出たオイルを吐出室8側に流すことができる。
【0027】
このため、このオイルポンプ2は、第1実施例と同様の効果を奏し得て、また、漏れ出たオイルをポンプ回路内に回収することができる。
【0028】
図7・図8は、第3実施例を示すものである。第3実施例のオイルポンプ2は、ロータプレート22の軸受孔26の周面28に、オイル溝40を環状に形成したものである。
【0029】
オイルポンプ2は、このオイル溝40によって、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32とを潤滑して摩耗を防止することができ、第1実施例と同様の効果を奏し得る。
【0030】
図9・図10は、第4実施例を示すものである。第4実施例のオイルポンプ2は、インナロータ16のインロー部24の嵌め合い溝30溝から吐出室8側に向かって斜めにオイル溝42を形成したものである。
【0031】
オイルポンプ2は、この傾めのオイル溝42によって、嵌め合い溝30に漏れ出たオイルを溜めて、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32とを潤滑して摩耗を防止することができるとともに、嵌め合い溝30に漏れ出たオイルを吐出室8側に流すことができる。
【0032】
このため、このオイルポンプ2は、第1実施例と同様の効果を奏し得て、また、漏れ出たオイルをポンプ回路内に回収することができる。
【0033】
図11は、第5実施例を示すものである。第5実施例のオイルポンプ2は、インナロータ16のインロー部24の周面32に、波形に湾曲するオイル溝44を形成したものである。
【0034】
オイルポンプ2は、波形に湾曲するオイル溝44によって、嵌め合い溝30に漏れ出たオイルを溜めて、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32との幅方向略全幅にわたり潤滑して摩耗を防止することができる。
【0035】
このため、このオイルポンプ2は、第1実施例と同様の効果を奏し得るとともに、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32との略全幅にわたる摩耗防止を果たすことができる。
【0036】
図12は、第6実施例を示すものである。第6実施例のオイルポンプ2は、ロータプレート22の軸受孔26の周面28に、インナロータ16の回転方向に対して、インナロータ16の周面32に対して接近するように傾斜する傾斜面46と周面32に最接近する幅狭部48とからなる段差状のオイル溝50を形成したものである。
【0037】
オイルポンプ2は、段差状のオイル溝50によって、嵌め合い溝30に漏れ出たオイルを溜めて、軸受孔26の周面28とインロー部24の周面32とを潤滑して摩耗を防止することができるとともに、段差状のオイル溝50の幅狭部48において、インナロータ16の回転に連れ回るオイルの圧力を高めることができ、インナロータ16のインロー部24をフローティング支持することができる。
【0038】
このため、このオイルポンプ2は、第1実施例と同様の効果を奏し得るとともに、インナロータ16のインロー部24のフローティング支持により滑らかな回転を実現することができる。
【0039】
【発明の効果】
この発明のオイルポンプは、ハウジング又はロータプレートの軸受孔又はインナロータのインロー部の少なくともいずれか一方の周面に形成したオイル溝によって、インロー部と軸受孔との嵌め合い部分を潤滑して摩耗を防止することができる。
このため、このオイルポンプは、エンジン出力の向上を図ることができるとともに、変形による嵌め合い溝のオイルの流出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オイルポンプの第1実施例を示す図2の矢印I部位の拡大断面図である。
【図2】図4のII−II線による断面図である。
【図3】図4のIII−III線による断面図である。
【図4】オイルポンプのロータプレートを一部切除した背面図である。
【図5】第2実施例を示すオイルポンプの断面図である。
【図6】図5の矢印VI部位の拡大断面図である。
【図7】第3実施例を示すオイルポンプの断面図である。
【図8】図7の矢印VIII部位の拡大断面図である。
【図9】第4実施例を示すオイルポンプの断面図である。
【図10】図9の矢印X部位の拡大断面図である。
【図11】第5実施例を示すオイルポンプの拡大断面図である。
【図12】第6実施例を示すオイルポンプの背面図である。
【図13】オイルポンプの従来例を示すロータプレートを一部切除した背面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線による断面図である。
【図15】図13の矢印XV部位の拡大断面図である。
【符号の説明】
2 オイルポンプ
4 ハウジング
6 吸込室
8 吐出室
10 収容室
12 クランク軸
14 嵌合部
16 インナロータ
18 アウタロータ
20 取付ボルト
22 ロータプレート
24 インロー部
26 軸受孔
28 周面
30 嵌め合い溝
32 周面
34 オイル溝
Claims (4)
- ハウジングに吸込室と吐出室と収容室とを形成し、この収容室に駆動軸を嵌合される嵌合部を備えたインナロータとこのインナロータに偏心して内接するアウタロータとを配設するとともに、前記インタロータとアウタロータとを前記ハウジングとこのハウジングに取付けられるロータプレートとで保持するオイルポンプにおいて、前記インナロータの嵌合部を軸方向に突出させてインロー部を形成し、このインロー部を回転支持する軸受孔を前記ハウジング又はロータプレートに形成し、この軸受孔の周面に対向する環状の嵌め合い溝を前記インロー部の前記収容室側縁部に形成し、前記軸受孔又はインロー部の少なくともいずれか一方の周面にオイル溝を形成したことを特徴とするオイルポンプ。
- 前記オイル溝は、環状であることを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ。
- 前記オイル溝は、前記ロータプレートの前記吐出室側に形成されることを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ。
- 前記オイル溝は、前記嵌め合い溝から吐出室側に向かって斜めに形成されることを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ。
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Cited By (1)
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CN112555117A (zh) * | 2019-09-10 | 2021-03-26 | 纳博特斯克有限公司 | 流体机械和施工机械 |
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- 2003-05-27 JP JP2003149293A patent/JP2004353479A/ja active Pending
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