JP2004351746A - レーザ走査によるガラスの描画方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス表面または内部にクラックを発生させることなく描画を行い、白色に限らず所望の色調で描画することで優れた意匠性、視認性を得たガラスの描画方法を提供する。
【解決手段】金属粉体および/または無機顔料を着色源としてペースト中に混練した着色ペーストを塗布被覆したガラス面にレーザ走査することで、レーザ走査部にペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化の着色ペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス表面上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラスの描画方法。
【選択図】 図1
【解決手段】金属粉体および/または無機顔料を着色源としてペースト中に混練した着色ペーストを塗布被覆したガラス面にレーザ走査することで、レーザ走査部にペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化の着色ペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス表面上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラスの描画方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームをガラスに走査すること、即ち、レーザ走査によるガラスの描画方法に関するものであり、本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法によりガラス上に形成した描画、例えば、文字、図柄、バーコード等は、ガラスの装飾、製品管理のためのガラスへのマーキング等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
ガラスにレーザビームを走査して走査部に微細なクラックを生じさせること、即ち、レーザアブレーションを利用して、ガラスに描画する方法が広く知られている。しかしながら、ガラス表面に微細なクラックを生成させるので、ガラスの破片が製造ラインに混入する、また、走査部の近傍に「デブリ」と称される付着物が発生し、付着物除去のために洗浄工程が必要であるという問題があった。
【0003】
透明基板材料の表面に損傷を与えることなく、その内部にレーザビームを集光し、透明基板内部にクラックを生成させることにより描画を行う方法が、特許文献1、特許文献2および特許文献3により知られている。
【0004】
特許文献1には、対象物の内部にレーザビームを収束させてレーザ走査して、表面に損傷を与えることなく内部にマークするレーザ描画方法が開示されている。しかしながら、対象物がガラスの場合、レーザビームを内部に集光させるとクラックが発生し表面まで到達することがあり、対象物が脆くなるという問題があった。
【0005】
また、特許文献2には、透明基板内部に焦点を結ぶようにレーザ走査して透明基板内部を選択的に不透明化することにより描画する方法が開示されている。この方法により、ガラス内部に描画することが可能であるが、レーザビームの集光位置を材料の深さ方向に厳密に制御できないため、薄い透明材料の描画に適さないという問題や、描画方法がレーザ走査したことによるガラス内部のクラックの生成によるものなので、描画色が白色に限定されるという問題があった。
【0006】
また、特許文献3には、描画対象物を透過する波長域のレーザビームを、fθレンズを用いて対象物の内部に集光させてレーザ走査する描画する方法が開示されている。この方法により、ガラス内部に描画することが可能であるが、描画方法がレーザビームを走査したことによるガラス内部のクラックの生成によるものなので、特許文献2に開示の方法と同様に描画色が白色に限定されるという問題があった。
【0007】
【特許文献】
特開平3−124486号
【特許文献2】
特開平4−71792号
【特許文献3】
特開平11−156568号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の方法と同様レーザ走査によりガラスに描画を行う方法であるが、従来の方法と異なり、ガラス表面または内部にクラックを発生させることなく描画を行い、白色に限らず所望の色調で描画することで優れた意匠性、視認性を得たガラスの描画方法を提供することを目的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】
本発明は、着色ペーストを塗布被覆したガラス表面にレーザ光を走査することで、ガラス上に着色ペーストによる着色ぺーストパターンとして硬化させ、その後、レーザ未走査部の着色ペーストを有機溶剤に溶解させて除去し、乾燥させた後に焼成してガラス上に描画するレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0010】
即ち、本発明は、金属粉体および/または無機顔料を着色源としてペースト中に混練した着色ペーストを塗布被覆したガラス面にレーザ走査することで、レーザ走査部にペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化の着色ペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス表面上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0011】
更に、本発明は、上記金属粉体が銀の粉体であることを特徴とする上記のレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0012】
更に、本発明は、上記のレーザ走査によるガラスの描画方法であって、レーザ発振器、光変調器、リニアトランスレータに搭載された集光レンズ、対物レンズ、およびガルバノメータミラーからなるレーザ走査装置により、着色ペーストを塗布したガラス面にレーザ走査することで、着色ペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化の着色ペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラス基板の描画方法である。
【0013】
更に、本発明は、上記のレーザ走査によるガラスの描画方法であって、レーザ発振器、光変調器、ガルバノメータミラーおよびfθレンズからなるレーザ走査装置より、着色ペーストを塗布したガラス面にレーザ走査することで、着色ペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化のペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0014】
更に、本発明は、上記のレーザ発振器が連続レーザ発振器またはパルスレーザ発振器であり、用いるレーザの種類が赤外光、近赤外光、可視光、および紫外光のいずれかであることを特徴とする上記のレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0015】
更に、本発明は、上記の光変調器が音響光学変調器または電気光学変調器であることを特徴とする上記のレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0016】
更に、本発明は、上記の複数のガルバノメータミラーよって、ガラスへレーザ走査することを特徴とする上記ののレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0017】
更に、本発明は、上記の水平方向および/または垂直方向に移動可能なステージによって、ガラス基板を移動させることを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0018】
更に、本発明は、上記のレーザ走査によるガラスの描画方法によって、描画されていることを特徴とするガラスである。
【0019】
更に、本発明は、上記のレーザ走査によるガラスの描画方法によって、文字、図柄、またはバーコードが描画されていることを特徴とするガラスである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法で用いる着色ペーストについて説明する。
【0021】
本発明に用いる着色ペーストは、金属粉体および/または無機顔料を着色源としてペースト中に混練した着色ペーストであり、具体的には、金属粉体または無機顔料と、それをガラスに定着化させるガラスフリットと、成膜性を向上させるためのバインダーとしてのエチルセルロース等の樹脂と、テルピネオール等の溶剤を混合させたもので、レーザビームの走査、即ち、レーザ走査によって、溶剤に溶解しない程度に硬化し、焼成によって描画パターンとしての十分使用に耐える硬さおよび耐久性が得られるものである。尚、金属粉体としては、金、銀、銅、アルミニウム、鉛、白金等の粉体、およびこれら金属の合金の粉体が挙げられ、無機顔料としてはスクリーン印刷法に用いる着色ペーストで用いられるものと同様のものを使用できる。
【0022】
特に、銀ペーストを本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法に用いると、ガラスにレーザ走査することで硬化させた走査部の銀ペーストパターン中の銀が、焼成時にガラス表面より内部に拡散し、ガラス内部に拡散した銀微粒子のコロイド共鳴吸収により、銀ペースト塗布面の反対側から見た走査部、すなわち描画部が茶色に見え、一方、銀ペースト塗布被覆面側から描画部を見た場合は、焼成時に銀ペースト表面に酸化皮膜が形成されるためマーキング部が白色に見える、また、スチールウール、布等で擦ることによって表面の酸化皮膜を除去すると、描画部は銀色を呈し、格別の装飾効果を有する。また、銀ペーストを用いて本発明レーザ走査によるガラスの描画方法に描画した描画部は、ガラスの軟化点以上に加熱すると銀がガラス内へ拡散しする、即ち、描画を消すことが可能である。
【0023】
本発明に用いるレーザの種類としては、紫外光レーザ、可視光レーザ、近赤外光レーザ、赤外光レーザ等が挙げられる。
【0024】
本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法に使用するレーザ走査装置の構成物であるレーザ発振器には、連続的にレーザビームを発光する連続レーザ発振器、パルス状にレーザビームを発光するパルスレーザ発振器のどちらを用いても構わない。例えば、高出力レーザ発振器である炭酸ガスレーザ発振器、YAGレーザ発振器、UVパルスレーザ発振器またはアルゴンイオンレーザ発振器などを用いることができる。尚、YAGレーザ発振器はイットリウム・アルミニウム・ガーネットレーザ発振器の略であり、UVパルスレーザ発振器は紫外光レーザ発振器の略である。
【0025】
また、用いるレーザビームの種類は、赤外光、近赤外光、可視光または紫外光が挙げられ、波長100nm以上、1mm(106nm)以下の光を使用することができる。
【0026】
本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法に使用するレーザ走査装置の構成物である光変調器は、スイッチング素子としての役割を果たす。すなわち、レーザビームの進行方向を変えるか、遮蔽と透過を切り替えることで、加工物に対してレーザビームの走査のON/OFFを正確に制御するものである。ON/OFFを行うことで、文字、作画が非連続となり様々な描画に対応できる。光変調器には、音響光学変調器(以後、AOMと略する)または電気光学変調器(以後、EOMと略する)のいずれを用いても構わない。
【0027】
AOMは、ONの状態では、無線周波数域のRF波を超音波に変える圧電素子、すなわち、トランスデューサにより石英ガラスに超音波を伝搬させ、石英ガラスの密度揺らぎにより回折格子を形成してレーザビームを回折させ、その光路を変化させる、OFFの状態では、レーザビームを石英ガラス内に直進させるスイッチング素子である。
【0028】
EOMは、レーザビームに電圧を掛け偏光方向を変えることで、偏光板によりレーザビームを通過または遮蔽させるスイッチング素子である。
【0029】
本発明のレーザビーム走査による描画方法に使用するレーザ走査装置の構成物であるガルバノメータミラーは、可動可能な複数のミラー、通常、Xミラー、Yミラーからなり、ミラーの角度を変えてレーザビームの光軸を振ることが可能である。Xミラー、Yミラーの角度を制御しつつ操作調整し、光軸を振って対象物である銀ペーストを塗布したガラスへのレーザビームの走査位置を移動させて、精度よくガラスを描画することができ、結果としてガラスに文字、図柄またはバーコードなどが描画できる。例えば、ガラスに製造番号、製造日、メーカー名などの文字情報、または1次元および2次元バーコードなどを容易に書き込むこと、即ち、マーキングができる。
【0030】
次いで、本発明のレーザ走査による銀パターンの描画方法において使用するレーザ描画装置の例について説明する。
【0031】
図1は、レーザビームの焦点位置の制御に集光レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ走査装置の一例を示す図である。
【0032】
図1に示すレーザ発振器1は、炭酸ガスレーザ発振器、または、紫外、即ち、UVパルスレーザ発振器である。UVパルスレーザ発振器には、通常、音響光学素子(AOM)または電気光学素子(EOM)からなる光変調器が、通称、Qスイッチとして既に組み込まれている。集光レンズ2および対物レンズ3のうち、図示しないリニアトランスレータに搭載された集光レンズ2を、リニアトランスレータにより光軸上を動かすことによって、ターゲット6である銀ペーストを塗布したガラスの表面、または、ガラス表面近傍でレーザビームを集光する。
【0033】
炭酸ガスレーザ発振器、またはUVパルスレーザ発振器より発光させたレーザビームは、集光レンズ2、次いで対物レンズ3を通過した後、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5により反射し、その後、ターゲットである着色ペーストを塗布したガラス6の表面に走査させて、レーザ走査部の着色ペーストを加熱硬化させる。
【0034】
また、該銀ペーストを塗布したガラス6の表面におけるレーザビームの走査は、ガルバノメータミラーを動作させるだけでなく、走査面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7によって、ステージ7を移動させて行うことも可能である。
【0035】
コンピュータ8にデジタルコマンドデータとして入力され、デジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換されたコントロール信号は、サーボドライバ10に受信されて、サ−ボドライバ10が、集光レンズ2、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆動させ、着色ペーストを塗布したガラス基板6のレーザビームの走査位置を移動させる、即ち、レーザ走査する。
【0036】
図2は、レーザビームの焦点位置の制御にfθレンズを用いた本発明に使用するレーザ走査装置の一例を示す図である。
【0037】
レーザ発振器1である、可視光、即ち、VISレーザ発振器により発光したレーザビームは、スイッチング素子であるAOM11を通過した後、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5により反射し、fθレンズ12を透過した後、ターゲットである着色ペーストを塗布したガラス6に走査させて、該銀ペーストのレーザ走査部を加熱硬化させる。fθレンズ12は、ガルバノメータミラーによって走査されるレーザビームをターゲットである着色ペーストを塗布したガラス基板6に集光する。
【0038】
また、該着色ペーストを塗布したガラス基板6の表面におけるレーザビームの走査は、ガルバノメータミラーを動作させるだけでなく、走査面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7によって、ステージ7を移動させて行うことも可能である。
【0039】
コンピュータ8に入力されたデジタルコマンドデータは、デジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換される。AOMドライバ13は、コンピュータ8から送信されデジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換されたレーザ変調信号を無線周波数の信号、すなわち、RF信号に変換し、図示しない圧電素子、すなわち、トランスデューサを介して、AOM11の中に超音波を発生させる。AOM11に入射したレーザビームは、超音波が形成する回折格子によって回折され、その光路が変化する。その結果、レーザビームはON/OFFする。一方、コンピュータ8にデジタルコマンドデータとして入力され、デジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換されたコントロール信号は、サーボドライバ10に受信されて、サ−ボドライバ10が、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆動させ、ターゲット6である着色ペーストを塗布したガラス基板上のレーザビームの走査位置を移動させる、即ち、レーザ走査する。
【0040】
本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法に使用するレーザ走査装置の構成物であるステージ7は、例えば、走査面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージで構成され、高速でレーザビームを走査する際、前記着色ペーストを塗布したガラス基板を移動させることにより着色ペーストの硬化を効率よく行うことができる。即ち、移動可能なステージを等間隔に移動させることにより、文字、図柄、バーコードなどを等間隔に複数描画することができる。
【0041】
最後に、レーザ走査による着色ペーストの硬化のメカニズムについて説明する。ガラス表面に塗布被覆された塗膜状の着色ペーストにレーザ走査すると、レーザ走査によって走査部位の着色ペーストが熱せられ、着色ペースト中の樹脂成分と溶剤が蒸発除去され、残ったガラスフリットの一部が溶融して、着色ペーストパターンとしてガラス上に弱く溶着する。ガラス上に密着したレーザ走査部位の着色ペーストは、樹脂成分および溶剤が蒸発除去されガラスフリット同士が弱く溶着していることでエチルアルコール、イソプロピルアルコール等の溶剤に不溶となる、即ち、硬化する。よって、着色ペーストにレーザ走査した後、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の溶剤に浸漬、またはこれら溶剤に浸した紙ワイパー等で拭くと、未走査部の着色ペーストが除去され、走査部の硬化した着色ペーストパターンのみが残る。その後、前記着色ペーストパターンをガラスフリットが完全に溶融する温度以上に加熱すること、即ち、焼成することで、着色ペーストパターン中の一部溶解して溶着していたガラスフリットが完全に溶融し、着色ペーストパターンがガラス基板に固着し強固な描画部となり、描画として十分使用に耐える硬さおよび耐久性が発現する。
【0042】
【実施例】
図1および図2に示したレーザ走査装置を用い、着色ペーストとしての銀ペーストを塗布したガラス基板にレーザビームを走査して、走査部の銀ペーストを硬化させた後、未走査部の銀ペーストを溶剤で除去し、ガラス基板上に銀ペーストを焼成させてなる描画パターンを得た。
実施例1
図1に示したレーザ走査装置を使用して文字と図形の描画を行った。
【0043】
図1に示すレーザ走査装置は、レーザ発振器1として、UVパルスレーザ発振器を用い、リニアトランスレータに搭載された集光レンズ2、対物レンズ3、ガルバノメータ内のXミラー4、Yミラー5、水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7に付設されたホルダからなり、ホルダにターゲット6である銀ペーストを塗布したガラス基板が取り付けられる。
【0044】
該銀ペースト塗布を塗布したガラス基板は、板厚3.5mm、サイズ100mm角のソーダライムシリケートガラスに、銀ペースト(エヌ・イー ケムキャット株式会社製、GCN−800M)を、エタノールとイソプロパノールを重量百分率で、エタノール:イソプロパノール=90:10とした混合溶剤であるエキネンを用いて重量比、銀ペースト:エキネン=2:1に希釈してなる銀ペーストを、バーコータを用い塗膜の厚みが25μmとなるように塗布した後に乾燥させたものである。尚、エキネンは商品名であり日本アルコール販売株式会社より販売されているものを使用した。本実施例ではエキネンを使用したが、銀ペーストの種類により、エタノールのみ、イソプロパノールのみ等、他の有機溶剤を用いてもかまわない。
【0045】
UVパルスレーザ発振器より、波長、355nm、繰り返し周波数、25KHz、パルスエネルギー、50μJで発振させたレーザビームの光径を、集光レンズ2により絞ってレーザビームとし、Xミラー4とYミラー5とで反射させ、ホルダに取り付けられた板厚、3.5mm、サイズ、100mm角のターゲット6である前記銀ペーストを塗布したガラス基板6をレーザビームの焦点位置から+6mmの位置になるように配置して、ショット間隔、0.6μm、走査速度、15.2mm/秒で走査し、走査部が図3に示す文字と図形からなる描画パターンとなるように走査した。
【0046】
図3は、銀ペーストを用いて、本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法で描画した文字と図形を示す図である。
【0047】
次いで、レーザ走査した該ガラス基板を超音波洗浄機内のエキネンに浸漬させて、超音波を1分間加えた後で取り出して、エキネンを揮発させ銀ペーストを乾燥させた後、紙ワイパーを用いてレーザ未走査部の銀ペーストを拭き取った。レーザ走査部の銀ペーストは、レーザ走査によって硬化したためエキネンに溶解することなく、図3に示す文字と図形が銀ペーストパターンとしてガラス基板上に残った。
【0048】
ガラス基板を、エキネンに浸漬する時間は、超音波を加えない場合は、1〜10分程度が好ましい。エキネンに10分より長く浸漬するとレーザ走査部の銀ペーストの付着力までもが低下し、浸漬した後に紙ワイパーで銀ペーストを拭き取る際、硬化部であるレーザ走査部の銀ペーストパターンに欠け等が生じ易い。欠け等を発生させないためには、エキネンを入れた超音波洗浄器内で1分程度、超音波を加えることがより好ましい。超音波を加えることにより、付着力の弱いレーザ未走査部から選択的に剥離を起こし始め、その後、紙ワイパー拭き取りを行う際に、レーザ走査部の銀ペーストパターンに欠け等が生じ難くなる。
【0049】
このようにして得られた銀ペーストパターン付きガラス基板を、電気炉内、750℃、3分30秒間、加熱して焼成を行い、ガラス基板上に図3に示す文字および図形による描画を得た。描画は、銀ペーストの塗布面の反対側から見ると茶色に見えた。一方、銀ペースト塗布面側から見た場合は、焼成時に銀表面に酸化皮膜が形成されたため白色に見えた。更に、描画部の表面の酸化皮膜をスチールウールで除去すると、描画部は銀色となった。
【0050】
このようにして図3に示す文字および図形を描画したガラス基板を、ソーダライムシリケートガラスの軟化点以上に加熱したところ、着色源がガラス内部に拡散することで、描画部が無色透明に消色した。
実施例2
次いで、図2に示したレーザ走査装置を使用して図と文字の描画を行った。
【0051】
図2に示すレーザ走査装置は、レーザ発振器1である可視光レーザ発振器、AOM11、ガルバノメータ内のXミラー4、Yミラー5、fθレンズ12、および走査面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7に付設されたホルダからなり、ホルダにターゲット6である銀ペーストを塗布したガラス基板が取り付けられる。
【0052】
銀ペーストが塗布された該ガラス基板は、板厚、3.5mm、サイズ、100mm角のソーダライムシリケートガラスに、銀ペースト(エヌ・イー ケムキャット株式会社製、GCN−800M)をエキネンで重量比、銀ペースト:エキネン=3:1に希釈してなる銀ペーストを、バーコータを用い塗膜の厚みが25μmとなるように塗布した後に乾燥させたものである。
【0053】
可視光レーザ発振器より、波長532nm、出力0.8Wで発振させたレーザビームの光径をfθレンズ12により絞ってレーザビームとし、AOM11によるレーザビームのON/OFFと、Xミラー4およびYミラー5とで反射させ、ホルダに取り付けられた板厚、3.5mm、サイズ、100mm角のターゲット6である前記銀ペーストを塗布したガラス基板6のレーザビームの焦点位置に配置して、銀ペースト塗布面を、走査速度3.5mm/秒で走査し、走査部が図3に示す文字と図形からなる描画となるように走査した。
【0054】
次いで、レーザ走査した該ガラス基板を超音波洗浄機内のエキネンに浸漬させて、超音波を1分間加えた後で取り出して、エキネンを揮発させ銀ペーストを乾燥させた後、紙ワイパーを用いてレーザ未走査部の銀ペーストを拭き取った。レーザ走査部の銀ペーストは、レーザ走査によって硬化したためエキネンに溶解することなく、図3に示す文字と図形が銀ペーストパターンとして、ガラス基板上に残った。
【0055】
このようにして得られた銀ペーストパターン付きガラス基板を、電気炉内、750℃、3分30秒間、加熱して焼成を行い、ガラス基板上に図3に示す文字および図形による描画を得た。また、描画部は、銀ペースト塗布面の反対側から見ると茶色に見えた。一方、銀ペースト塗布面側から見ると、焼成時に銀ペースト表面に酸化皮膜が形成されたため描画部が白色に見えた。更に、表面の酸化皮膜をスチールウールで除去すると、描画部は銀色となった。
【0056】
このようにして図3に示す文字および図形を描画したガラス基板を、ソーダライムシリケートガラスの軟化点以上に加熱したところ、着色源がガラス内部に拡散することで、描画部が無色透明に消色した。
【0057】
【発明の効果】
本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法は、従来のレーザ走査によりガラス内部に微細なクラックを発生させて描画する方法に比較して、ガラス表面に塗布被覆された着色ペーストをレーザにより硬化させ着色ペーストパターンとした後で、走査していない未硬化部を除いた後、焼成して描画する方法なので、ガラスにダメージを与えることなく任意な色で描画できる。
【0058】
特に、本発明のレーザによるガラス描画方法の用いる着色ペーストに銀ペーストを用いると、レーザ走査することで硬化させた銀ペーストパターン中の銀が、焼成時にガラスの内部に拡散し、拡散した銀微粒子のコロイド共鳴吸収により、銀ペースト塗布面の反対側から見ると描画部は茶色に、一方、銀ペースト塗布面側から見ると、焼成時に描画部表面に酸化皮膜が形成されるため描画部が白色となり、更に、該酸化皮膜を除去することによって描画部が銀色を呈し、描画部が白色も含め複数の色に着色するため従来のクラックによる描画方に比べて意匠性および視認性の面で優れている。銀ペーストを用いた本発明のレーザによるガラス描画方法でガラスに描画された描画部は、ガラスの軟化点以上に加熱すると描画部が消色する。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザビームの焦点位置の制御に集光レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ走査装置の一例を示す図である。
【図2】レーザビームの焦点位置の制御にfθレンズを用いた本発明で使用するレーザ走査装置の一例を示す図である。
【図3】銀ペーストを用いて、本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法で描画した文字と図形を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器
2 集光レンズ
3 対物レンズ
4 Xミラー
5 Yミラー
6 ターゲット(銀ペーストを塗布したガラス基板)
7 XYZ−ステージ
8 コンピュータ
9 デジタル・アナログ・コンバータ
10 サーボドライバ
11 AOM
12 Fθレンズ
13 AOMドライバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームをガラスに走査すること、即ち、レーザ走査によるガラスの描画方法に関するものであり、本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法によりガラス上に形成した描画、例えば、文字、図柄、バーコード等は、ガラスの装飾、製品管理のためのガラスへのマーキング等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
ガラスにレーザビームを走査して走査部に微細なクラックを生じさせること、即ち、レーザアブレーションを利用して、ガラスに描画する方法が広く知られている。しかしながら、ガラス表面に微細なクラックを生成させるので、ガラスの破片が製造ラインに混入する、また、走査部の近傍に「デブリ」と称される付着物が発生し、付着物除去のために洗浄工程が必要であるという問題があった。
【0003】
透明基板材料の表面に損傷を与えることなく、その内部にレーザビームを集光し、透明基板内部にクラックを生成させることにより描画を行う方法が、特許文献1、特許文献2および特許文献3により知られている。
【0004】
特許文献1には、対象物の内部にレーザビームを収束させてレーザ走査して、表面に損傷を与えることなく内部にマークするレーザ描画方法が開示されている。しかしながら、対象物がガラスの場合、レーザビームを内部に集光させるとクラックが発生し表面まで到達することがあり、対象物が脆くなるという問題があった。
【0005】
また、特許文献2には、透明基板内部に焦点を結ぶようにレーザ走査して透明基板内部を選択的に不透明化することにより描画する方法が開示されている。この方法により、ガラス内部に描画することが可能であるが、レーザビームの集光位置を材料の深さ方向に厳密に制御できないため、薄い透明材料の描画に適さないという問題や、描画方法がレーザ走査したことによるガラス内部のクラックの生成によるものなので、描画色が白色に限定されるという問題があった。
【0006】
また、特許文献3には、描画対象物を透過する波長域のレーザビームを、fθレンズを用いて対象物の内部に集光させてレーザ走査する描画する方法が開示されている。この方法により、ガラス内部に描画することが可能であるが、描画方法がレーザビームを走査したことによるガラス内部のクラックの生成によるものなので、特許文献2に開示の方法と同様に描画色が白色に限定されるという問題があった。
【0007】
【特許文献】
特開平3−124486号
【特許文献2】
特開平4−71792号
【特許文献3】
特開平11−156568号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の方法と同様レーザ走査によりガラスに描画を行う方法であるが、従来の方法と異なり、ガラス表面または内部にクラックを発生させることなく描画を行い、白色に限らず所望の色調で描画することで優れた意匠性、視認性を得たガラスの描画方法を提供することを目的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】
本発明は、着色ペーストを塗布被覆したガラス表面にレーザ光を走査することで、ガラス上に着色ペーストによる着色ぺーストパターンとして硬化させ、その後、レーザ未走査部の着色ペーストを有機溶剤に溶解させて除去し、乾燥させた後に焼成してガラス上に描画するレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0010】
即ち、本発明は、金属粉体および/または無機顔料を着色源としてペースト中に混練した着色ペーストを塗布被覆したガラス面にレーザ走査することで、レーザ走査部にペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化の着色ペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス表面上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0011】
更に、本発明は、上記金属粉体が銀の粉体であることを特徴とする上記のレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0012】
更に、本発明は、上記のレーザ走査によるガラスの描画方法であって、レーザ発振器、光変調器、リニアトランスレータに搭載された集光レンズ、対物レンズ、およびガルバノメータミラーからなるレーザ走査装置により、着色ペーストを塗布したガラス面にレーザ走査することで、着色ペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化の着色ペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラス基板の描画方法である。
【0013】
更に、本発明は、上記のレーザ走査によるガラスの描画方法であって、レーザ発振器、光変調器、ガルバノメータミラーおよびfθレンズからなるレーザ走査装置より、着色ペーストを塗布したガラス面にレーザ走査することで、着色ペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化のペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0014】
更に、本発明は、上記のレーザ発振器が連続レーザ発振器またはパルスレーザ発振器であり、用いるレーザの種類が赤外光、近赤外光、可視光、および紫外光のいずれかであることを特徴とする上記のレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0015】
更に、本発明は、上記の光変調器が音響光学変調器または電気光学変調器であることを特徴とする上記のレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0016】
更に、本発明は、上記の複数のガルバノメータミラーよって、ガラスへレーザ走査することを特徴とする上記ののレーザ走査によるガラスの描画方法である。
【0017】
更に、本発明は、上記の水平方向および/または垂直方向に移動可能なステージによって、ガラス基板を移動させることを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0018】
更に、本発明は、上記のレーザ走査によるガラスの描画方法によって、描画されていることを特徴とするガラスである。
【0019】
更に、本発明は、上記のレーザ走査によるガラスの描画方法によって、文字、図柄、またはバーコードが描画されていることを特徴とするガラスである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法で用いる着色ペーストについて説明する。
【0021】
本発明に用いる着色ペーストは、金属粉体および/または無機顔料を着色源としてペースト中に混練した着色ペーストであり、具体的には、金属粉体または無機顔料と、それをガラスに定着化させるガラスフリットと、成膜性を向上させるためのバインダーとしてのエチルセルロース等の樹脂と、テルピネオール等の溶剤を混合させたもので、レーザビームの走査、即ち、レーザ走査によって、溶剤に溶解しない程度に硬化し、焼成によって描画パターンとしての十分使用に耐える硬さおよび耐久性が得られるものである。尚、金属粉体としては、金、銀、銅、アルミニウム、鉛、白金等の粉体、およびこれら金属の合金の粉体が挙げられ、無機顔料としてはスクリーン印刷法に用いる着色ペーストで用いられるものと同様のものを使用できる。
【0022】
特に、銀ペーストを本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法に用いると、ガラスにレーザ走査することで硬化させた走査部の銀ペーストパターン中の銀が、焼成時にガラス表面より内部に拡散し、ガラス内部に拡散した銀微粒子のコロイド共鳴吸収により、銀ペースト塗布面の反対側から見た走査部、すなわち描画部が茶色に見え、一方、銀ペースト塗布被覆面側から描画部を見た場合は、焼成時に銀ペースト表面に酸化皮膜が形成されるためマーキング部が白色に見える、また、スチールウール、布等で擦ることによって表面の酸化皮膜を除去すると、描画部は銀色を呈し、格別の装飾効果を有する。また、銀ペーストを用いて本発明レーザ走査によるガラスの描画方法に描画した描画部は、ガラスの軟化点以上に加熱すると銀がガラス内へ拡散しする、即ち、描画を消すことが可能である。
【0023】
本発明に用いるレーザの種類としては、紫外光レーザ、可視光レーザ、近赤外光レーザ、赤外光レーザ等が挙げられる。
【0024】
本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法に使用するレーザ走査装置の構成物であるレーザ発振器には、連続的にレーザビームを発光する連続レーザ発振器、パルス状にレーザビームを発光するパルスレーザ発振器のどちらを用いても構わない。例えば、高出力レーザ発振器である炭酸ガスレーザ発振器、YAGレーザ発振器、UVパルスレーザ発振器またはアルゴンイオンレーザ発振器などを用いることができる。尚、YAGレーザ発振器はイットリウム・アルミニウム・ガーネットレーザ発振器の略であり、UVパルスレーザ発振器は紫外光レーザ発振器の略である。
【0025】
また、用いるレーザビームの種類は、赤外光、近赤外光、可視光または紫外光が挙げられ、波長100nm以上、1mm(106nm)以下の光を使用することができる。
【0026】
本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法に使用するレーザ走査装置の構成物である光変調器は、スイッチング素子としての役割を果たす。すなわち、レーザビームの進行方向を変えるか、遮蔽と透過を切り替えることで、加工物に対してレーザビームの走査のON/OFFを正確に制御するものである。ON/OFFを行うことで、文字、作画が非連続となり様々な描画に対応できる。光変調器には、音響光学変調器(以後、AOMと略する)または電気光学変調器(以後、EOMと略する)のいずれを用いても構わない。
【0027】
AOMは、ONの状態では、無線周波数域のRF波を超音波に変える圧電素子、すなわち、トランスデューサにより石英ガラスに超音波を伝搬させ、石英ガラスの密度揺らぎにより回折格子を形成してレーザビームを回折させ、その光路を変化させる、OFFの状態では、レーザビームを石英ガラス内に直進させるスイッチング素子である。
【0028】
EOMは、レーザビームに電圧を掛け偏光方向を変えることで、偏光板によりレーザビームを通過または遮蔽させるスイッチング素子である。
【0029】
本発明のレーザビーム走査による描画方法に使用するレーザ走査装置の構成物であるガルバノメータミラーは、可動可能な複数のミラー、通常、Xミラー、Yミラーからなり、ミラーの角度を変えてレーザビームの光軸を振ることが可能である。Xミラー、Yミラーの角度を制御しつつ操作調整し、光軸を振って対象物である銀ペーストを塗布したガラスへのレーザビームの走査位置を移動させて、精度よくガラスを描画することができ、結果としてガラスに文字、図柄またはバーコードなどが描画できる。例えば、ガラスに製造番号、製造日、メーカー名などの文字情報、または1次元および2次元バーコードなどを容易に書き込むこと、即ち、マーキングができる。
【0030】
次いで、本発明のレーザ走査による銀パターンの描画方法において使用するレーザ描画装置の例について説明する。
【0031】
図1は、レーザビームの焦点位置の制御に集光レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ走査装置の一例を示す図である。
【0032】
図1に示すレーザ発振器1は、炭酸ガスレーザ発振器、または、紫外、即ち、UVパルスレーザ発振器である。UVパルスレーザ発振器には、通常、音響光学素子(AOM)または電気光学素子(EOM)からなる光変調器が、通称、Qスイッチとして既に組み込まれている。集光レンズ2および対物レンズ3のうち、図示しないリニアトランスレータに搭載された集光レンズ2を、リニアトランスレータにより光軸上を動かすことによって、ターゲット6である銀ペーストを塗布したガラスの表面、または、ガラス表面近傍でレーザビームを集光する。
【0033】
炭酸ガスレーザ発振器、またはUVパルスレーザ発振器より発光させたレーザビームは、集光レンズ2、次いで対物レンズ3を通過した後、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5により反射し、その後、ターゲットである着色ペーストを塗布したガラス6の表面に走査させて、レーザ走査部の着色ペーストを加熱硬化させる。
【0034】
また、該銀ペーストを塗布したガラス6の表面におけるレーザビームの走査は、ガルバノメータミラーを動作させるだけでなく、走査面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7によって、ステージ7を移動させて行うことも可能である。
【0035】
コンピュータ8にデジタルコマンドデータとして入力され、デジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換されたコントロール信号は、サーボドライバ10に受信されて、サ−ボドライバ10が、集光レンズ2、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆動させ、着色ペーストを塗布したガラス基板6のレーザビームの走査位置を移動させる、即ち、レーザ走査する。
【0036】
図2は、レーザビームの焦点位置の制御にfθレンズを用いた本発明に使用するレーザ走査装置の一例を示す図である。
【0037】
レーザ発振器1である、可視光、即ち、VISレーザ発振器により発光したレーザビームは、スイッチング素子であるAOM11を通過した後、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5により反射し、fθレンズ12を透過した後、ターゲットである着色ペーストを塗布したガラス6に走査させて、該銀ペーストのレーザ走査部を加熱硬化させる。fθレンズ12は、ガルバノメータミラーによって走査されるレーザビームをターゲットである着色ペーストを塗布したガラス基板6に集光する。
【0038】
また、該着色ペーストを塗布したガラス基板6の表面におけるレーザビームの走査は、ガルバノメータミラーを動作させるだけでなく、走査面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7によって、ステージ7を移動させて行うことも可能である。
【0039】
コンピュータ8に入力されたデジタルコマンドデータは、デジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換される。AOMドライバ13は、コンピュータ8から送信されデジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換されたレーザ変調信号を無線周波数の信号、すなわち、RF信号に変換し、図示しない圧電素子、すなわち、トランスデューサを介して、AOM11の中に超音波を発生させる。AOM11に入射したレーザビームは、超音波が形成する回折格子によって回折され、その光路が変化する。その結果、レーザビームはON/OFFする。一方、コンピュータ8にデジタルコマンドデータとして入力され、デジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換されたコントロール信号は、サーボドライバ10に受信されて、サ−ボドライバ10が、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆動させ、ターゲット6である着色ペーストを塗布したガラス基板上のレーザビームの走査位置を移動させる、即ち、レーザ走査する。
【0040】
本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法に使用するレーザ走査装置の構成物であるステージ7は、例えば、走査面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージで構成され、高速でレーザビームを走査する際、前記着色ペーストを塗布したガラス基板を移動させることにより着色ペーストの硬化を効率よく行うことができる。即ち、移動可能なステージを等間隔に移動させることにより、文字、図柄、バーコードなどを等間隔に複数描画することができる。
【0041】
最後に、レーザ走査による着色ペーストの硬化のメカニズムについて説明する。ガラス表面に塗布被覆された塗膜状の着色ペーストにレーザ走査すると、レーザ走査によって走査部位の着色ペーストが熱せられ、着色ペースト中の樹脂成分と溶剤が蒸発除去され、残ったガラスフリットの一部が溶融して、着色ペーストパターンとしてガラス上に弱く溶着する。ガラス上に密着したレーザ走査部位の着色ペーストは、樹脂成分および溶剤が蒸発除去されガラスフリット同士が弱く溶着していることでエチルアルコール、イソプロピルアルコール等の溶剤に不溶となる、即ち、硬化する。よって、着色ペーストにレーザ走査した後、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の溶剤に浸漬、またはこれら溶剤に浸した紙ワイパー等で拭くと、未走査部の着色ペーストが除去され、走査部の硬化した着色ペーストパターンのみが残る。その後、前記着色ペーストパターンをガラスフリットが完全に溶融する温度以上に加熱すること、即ち、焼成することで、着色ペーストパターン中の一部溶解して溶着していたガラスフリットが完全に溶融し、着色ペーストパターンがガラス基板に固着し強固な描画部となり、描画として十分使用に耐える硬さおよび耐久性が発現する。
【0042】
【実施例】
図1および図2に示したレーザ走査装置を用い、着色ペーストとしての銀ペーストを塗布したガラス基板にレーザビームを走査して、走査部の銀ペーストを硬化させた後、未走査部の銀ペーストを溶剤で除去し、ガラス基板上に銀ペーストを焼成させてなる描画パターンを得た。
実施例1
図1に示したレーザ走査装置を使用して文字と図形の描画を行った。
【0043】
図1に示すレーザ走査装置は、レーザ発振器1として、UVパルスレーザ発振器を用い、リニアトランスレータに搭載された集光レンズ2、対物レンズ3、ガルバノメータ内のXミラー4、Yミラー5、水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7に付設されたホルダからなり、ホルダにターゲット6である銀ペーストを塗布したガラス基板が取り付けられる。
【0044】
該銀ペースト塗布を塗布したガラス基板は、板厚3.5mm、サイズ100mm角のソーダライムシリケートガラスに、銀ペースト(エヌ・イー ケムキャット株式会社製、GCN−800M)を、エタノールとイソプロパノールを重量百分率で、エタノール:イソプロパノール=90:10とした混合溶剤であるエキネンを用いて重量比、銀ペースト:エキネン=2:1に希釈してなる銀ペーストを、バーコータを用い塗膜の厚みが25μmとなるように塗布した後に乾燥させたものである。尚、エキネンは商品名であり日本アルコール販売株式会社より販売されているものを使用した。本実施例ではエキネンを使用したが、銀ペーストの種類により、エタノールのみ、イソプロパノールのみ等、他の有機溶剤を用いてもかまわない。
【0045】
UVパルスレーザ発振器より、波長、355nm、繰り返し周波数、25KHz、パルスエネルギー、50μJで発振させたレーザビームの光径を、集光レンズ2により絞ってレーザビームとし、Xミラー4とYミラー5とで反射させ、ホルダに取り付けられた板厚、3.5mm、サイズ、100mm角のターゲット6である前記銀ペーストを塗布したガラス基板6をレーザビームの焦点位置から+6mmの位置になるように配置して、ショット間隔、0.6μm、走査速度、15.2mm/秒で走査し、走査部が図3に示す文字と図形からなる描画パターンとなるように走査した。
【0046】
図3は、銀ペーストを用いて、本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法で描画した文字と図形を示す図である。
【0047】
次いで、レーザ走査した該ガラス基板を超音波洗浄機内のエキネンに浸漬させて、超音波を1分間加えた後で取り出して、エキネンを揮発させ銀ペーストを乾燥させた後、紙ワイパーを用いてレーザ未走査部の銀ペーストを拭き取った。レーザ走査部の銀ペーストは、レーザ走査によって硬化したためエキネンに溶解することなく、図3に示す文字と図形が銀ペーストパターンとしてガラス基板上に残った。
【0048】
ガラス基板を、エキネンに浸漬する時間は、超音波を加えない場合は、1〜10分程度が好ましい。エキネンに10分より長く浸漬するとレーザ走査部の銀ペーストの付着力までもが低下し、浸漬した後に紙ワイパーで銀ペーストを拭き取る際、硬化部であるレーザ走査部の銀ペーストパターンに欠け等が生じ易い。欠け等を発生させないためには、エキネンを入れた超音波洗浄器内で1分程度、超音波を加えることがより好ましい。超音波を加えることにより、付着力の弱いレーザ未走査部から選択的に剥離を起こし始め、その後、紙ワイパー拭き取りを行う際に、レーザ走査部の銀ペーストパターンに欠け等が生じ難くなる。
【0049】
このようにして得られた銀ペーストパターン付きガラス基板を、電気炉内、750℃、3分30秒間、加熱して焼成を行い、ガラス基板上に図3に示す文字および図形による描画を得た。描画は、銀ペーストの塗布面の反対側から見ると茶色に見えた。一方、銀ペースト塗布面側から見た場合は、焼成時に銀表面に酸化皮膜が形成されたため白色に見えた。更に、描画部の表面の酸化皮膜をスチールウールで除去すると、描画部は銀色となった。
【0050】
このようにして図3に示す文字および図形を描画したガラス基板を、ソーダライムシリケートガラスの軟化点以上に加熱したところ、着色源がガラス内部に拡散することで、描画部が無色透明に消色した。
実施例2
次いで、図2に示したレーザ走査装置を使用して図と文字の描画を行った。
【0051】
図2に示すレーザ走査装置は、レーザ発振器1である可視光レーザ発振器、AOM11、ガルバノメータ内のXミラー4、Yミラー5、fθレンズ12、および走査面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7に付設されたホルダからなり、ホルダにターゲット6である銀ペーストを塗布したガラス基板が取り付けられる。
【0052】
銀ペーストが塗布された該ガラス基板は、板厚、3.5mm、サイズ、100mm角のソーダライムシリケートガラスに、銀ペースト(エヌ・イー ケムキャット株式会社製、GCN−800M)をエキネンで重量比、銀ペースト:エキネン=3:1に希釈してなる銀ペーストを、バーコータを用い塗膜の厚みが25μmとなるように塗布した後に乾燥させたものである。
【0053】
可視光レーザ発振器より、波長532nm、出力0.8Wで発振させたレーザビームの光径をfθレンズ12により絞ってレーザビームとし、AOM11によるレーザビームのON/OFFと、Xミラー4およびYミラー5とで反射させ、ホルダに取り付けられた板厚、3.5mm、サイズ、100mm角のターゲット6である前記銀ペーストを塗布したガラス基板6のレーザビームの焦点位置に配置して、銀ペースト塗布面を、走査速度3.5mm/秒で走査し、走査部が図3に示す文字と図形からなる描画となるように走査した。
【0054】
次いで、レーザ走査した該ガラス基板を超音波洗浄機内のエキネンに浸漬させて、超音波を1分間加えた後で取り出して、エキネンを揮発させ銀ペーストを乾燥させた後、紙ワイパーを用いてレーザ未走査部の銀ペーストを拭き取った。レーザ走査部の銀ペーストは、レーザ走査によって硬化したためエキネンに溶解することなく、図3に示す文字と図形が銀ペーストパターンとして、ガラス基板上に残った。
【0055】
このようにして得られた銀ペーストパターン付きガラス基板を、電気炉内、750℃、3分30秒間、加熱して焼成を行い、ガラス基板上に図3に示す文字および図形による描画を得た。また、描画部は、銀ペースト塗布面の反対側から見ると茶色に見えた。一方、銀ペースト塗布面側から見ると、焼成時に銀ペースト表面に酸化皮膜が形成されたため描画部が白色に見えた。更に、表面の酸化皮膜をスチールウールで除去すると、描画部は銀色となった。
【0056】
このようにして図3に示す文字および図形を描画したガラス基板を、ソーダライムシリケートガラスの軟化点以上に加熱したところ、着色源がガラス内部に拡散することで、描画部が無色透明に消色した。
【0057】
【発明の効果】
本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法は、従来のレーザ走査によりガラス内部に微細なクラックを発生させて描画する方法に比較して、ガラス表面に塗布被覆された着色ペーストをレーザにより硬化させ着色ペーストパターンとした後で、走査していない未硬化部を除いた後、焼成して描画する方法なので、ガラスにダメージを与えることなく任意な色で描画できる。
【0058】
特に、本発明のレーザによるガラス描画方法の用いる着色ペーストに銀ペーストを用いると、レーザ走査することで硬化させた銀ペーストパターン中の銀が、焼成時にガラスの内部に拡散し、拡散した銀微粒子のコロイド共鳴吸収により、銀ペースト塗布面の反対側から見ると描画部は茶色に、一方、銀ペースト塗布面側から見ると、焼成時に描画部表面に酸化皮膜が形成されるため描画部が白色となり、更に、該酸化皮膜を除去することによって描画部が銀色を呈し、描画部が白色も含め複数の色に着色するため従来のクラックによる描画方に比べて意匠性および視認性の面で優れている。銀ペーストを用いた本発明のレーザによるガラス描画方法でガラスに描画された描画部は、ガラスの軟化点以上に加熱すると描画部が消色する。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザビームの焦点位置の制御に集光レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ走査装置の一例を示す図である。
【図2】レーザビームの焦点位置の制御にfθレンズを用いた本発明で使用するレーザ走査装置の一例を示す図である。
【図3】銀ペーストを用いて、本発明のレーザ走査によるガラスの描画方法で描画した文字と図形を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器
2 集光レンズ
3 対物レンズ
4 Xミラー
5 Yミラー
6 ターゲット(銀ペーストを塗布したガラス基板)
7 XYZ−ステージ
8 コンピュータ
9 デジタル・アナログ・コンバータ
10 サーボドライバ
11 AOM
12 Fθレンズ
13 AOMドライバ
Claims (10)
- 金属粉体および/または無機顔料を着色源としてペースト中に混練した着色ペーストを塗布被覆したガラス面にレーザ走査することで、レーザ走査部にペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化の着色ペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス表面上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラスの描画方法。
- 上記金属粉体が、銀の粉体であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ走査によるガラスの描画方法。
- 請求項1または請求項2に記載のレーザ走査によるガラスの描画方法であって、レーザ発振器、光変調器、リニアトランスレータに搭載された集光レンズ、対物レンズ、およびガルバノメータミラーからなるレーザ走査装置により、着色ペーストを塗布したガラス面にレーザ走査することで、着色ペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化の着色ペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラス基板の描画方法。
- 請求項1または請求項2に記載のレーザ走査によるガラスの描画方法であって、レーザ発振器、光変調器、ガルバノメータミラーおよびfθレンズからなるレーザ走査装置より、着色ペーストを塗布したガラス面にレーザ走査することで、着色ペーストを硬化させてなる着色ペーストパターンを形成した後、レーザ走査部を除く未硬化のペーストを有機溶剤に溶解させて除去した後で焼成することで、前記着色ペーストパターンを焼成してなる描画パターンをガラス上に形成することを特徴とするレーザ走査によるガラスの描画方法。
- 上記のレーザ発振器が連続レーザ発振器またはパルスレーザ発振器であり、用いるレーザの種類が赤外光、近赤外光、可視光、および紫外光のいずれかであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のレーザ走査によるガラスの描画方法。
- 光変調器が音響光学変調器または電気光学変調器であることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のレーザ走査によるガラスの描画方法。
- 複数のガルバノメータミラーよって、ガラスへレーザ走査することを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載のレーザ走査によるガラスの描画方法。
- 水平方向および/または垂直方向に移動可能なステージによって、ガラス基板を移動させることを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれかに記載のレーザ走査によるガラスの描画方法。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のレーザ走査によるガラスの描画方法によって、描画されていることを特徴とするガラス。
- 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のレーザ走査によるガラスの描画方法によって、文字、図柄、またはバーコードが描画されていることを特徴とするガラス。
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JP2003152198A JP2004351746A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | レーザ走査によるガラスの描画方法 |
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JP2003152198A JP2004351746A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | レーザ走査によるガラスの描画方法 |
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JP2010524692A (ja) * | 2007-04-17 | 2010-07-22 | パナソニック エレクトリック ワークス オイローペ アクチェンゲゼルシャフト | 透明な加工品の表面に構造体を組み込む方法 |
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