JP2004351669A - 多層構造体および該多層構造体から製造される包装袋 - Google Patents

多層構造体および該多層構造体から製造される包装袋 Download PDF

Info

Publication number
JP2004351669A
JP2004351669A JP2003149632A JP2003149632A JP2004351669A JP 2004351669 A JP2004351669 A JP 2004351669A JP 2003149632 A JP2003149632 A JP 2003149632A JP 2003149632 A JP2003149632 A JP 2003149632A JP 2004351669 A JP2004351669 A JP 2004351669A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas barrier
otr
layer
thickness
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003149632A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4236989B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Matsuda
博行 松田
Yasunori Senoo
恭憲 妹尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okura Industrial Co Ltd filed Critical Okura Industrial Co Ltd
Priority to JP2003149632A priority Critical patent/JP4236989B2/ja
Publication of JP2004351669A publication Critical patent/JP2004351669A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4236989B2 publication Critical patent/JP4236989B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bag Frames (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】優れたガスバリア性を有し、熱水処理を行ってもガスバリア性が低下しない、或いは低下してもその低下度が小さく、また速やかにガスバリア性が回復する多層構造体ならびに包装袋を提供すること。
【解決手段】脂肪族ポリアミド樹脂から主としてなる厚み5〜100μmの最外層(A)、エチレンビニルアルコール共重合体から主としてなる厚み3〜40μmの第一ガスバリア樹脂層(B)、23℃、60%RH下での酸素透過係数をOTR60とし、23℃、90%RH下での酸素透過係数をOTR90とした場合、OTR90/OTR60<50、かつ、OTR60<0.6cc・mm/m・day・atmである合成樹脂からなる厚み5〜40μmの第二ガスバリア樹脂層(C)、ヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂から主としてなる厚み5〜200μmの最内層(D)がこの順で配されていることを特徴とする多層構造体。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、多層構造体に関し、より詳しくは、熱水処理後のガスバリア性の低下が少なく、またガスバリア性の回復が速い多層構造体、ならびに該多層構造体から製造される包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、食品や医薬品包装に用いられる包装材料には、内容物の変質を防ぎ、その機能や性質を保持するため、酸素などに対するガスバリア性を有するものが種々提案されてきた。例えば、シリカ、アルミナ等の無機物質蒸着層を基材となる熱可塑性プラスチックフィルム上に設けたもの、塩化ビニリデンやポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体を総称して単に、EVOHと称することがある)等のガスバリア樹脂をガスバリア層として用いた多層積層体、また、それらを利用した包装体が提案されている。
【0003】
しかしながら、シリカ、アルミナ等の無機物質蒸着層を熱可塑性プラスチックフィルム上に設けたものについては、ガスバリア性は十分であるが、その処理装置が大掛かりなものになったり、ガスバリア性を示す蒸着層には一般に耐屈曲性がなく、多層積層体が屈曲することにより、ガスバリア層に欠陥を生じ、ガスバリア性の維持が難しいという問題点があった。
【0004】
また、塩化ビニリデン等を用いたものは、そのガスバリア性が十分と言えないでないだけでなく、その焼却廃棄時に有害物質を発生する恐れがあることから、使用することは好ましくない。さらに、通常のナイロンについては、焼却廃棄時の有害物質の発生は少ないものの、そのガスバリア性が十分ではない。
【0005】
このような中、近年では合成樹脂中で最高のガスバリア性を有するEVOHをガスバリア層として用い、その両側に異種の樹脂層を配した多層積層体が開発され、上市されている。しかしながら、EVOHは高湿度雰囲気中でガスバリア性が著しく低下する傾向があり、EVOHを用いた多層積層体はEVOH層が外層に配されていなくても、熱と水とが共存するボイル殺菌、レトルト殺菌等(以下単に熱水処理と称する)を行うと、EVOHが吸水し、積層体全体としてのガスバリア性の低下が著しく、前記したような用途には実用上とても用いることはできなかった。
【0006】
このEVOHの熱水処理によるガスバリア性の低下は、前記したように熱水処理時のEVOHの吸水によるものである。そして、熱水処理後EVOH内部に存在していた水が外層を通過して放散されることにより、ガスバリア性が回復する。
このガスバリア性低下の回復を目的として、中間層のガスバリア層に主としてEVOHからなる樹脂組成物を用い、外層の透湿度を40g/m・day以上とし、更に外層の透湿度>内層の透湿度である多層積層体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、ガスバリア層がEVOHの樹脂組成物のみでは、熱水処理後のガスバリア性の低下が非常に大きく、熱水処理直後から累積した酸素の透過量、いわゆる、累積酸素透過量が非常に多い。従って食品或いは医薬品等、熱水処理が必要であり、なおかつ高度なガスバリア性が求められる内容物の包装材としては用いるには不十分であった。
【0007】
また、外層がポリプロピレンのホモコポリマーあるいはランダムコポリマーからなり、ガスバリア層がEVOH、及びポリ(メタキシリレンアジパミド)(以下単に、ナイロン−MXD6と称することがある)単体からなる層、又は当該樹脂とナイロン−6とのブレンド樹脂からなる層からなり、シール層がポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする深絞り成形用フィルムが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、当該フィルムは熱水処理後のガスバリア性の低下は小さいものの、外層及びシール層にポリプロピレン系樹脂が用いられているため、ひとたび低下したガスバリア性の回復には相当の時間を要するものであった。
このような中、熱水処理を行ってもガスバリア性の低下が小さく、さらに速やかにガスバリア性が回復する資材の開発が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】
特開平01−253442号公報
【特許文献2】
特開2000−190429号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、その目的とするところは、優れたガスバリア性を有し、熱水処理を行ってもガスバリア性が低下しない、或いは低下してもその低下度が小さく、また速やかにガスバリア性が回復する多層構造体ならびに包装袋を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した。この結果、脂肪族ポリアミド樹脂から主としてなる外層(A)、エチレンビニルアルコール共重合体から主としてなる第一ガスバリア樹脂層(B)、ガスバリア性が湿度に依存しにくい樹脂からなる第二ガスバリア樹脂層(C)、ポリオレフィン系樹脂から主としてなる最内層(D)がこの順で積層された積層構造を有する多層構造体が前記課題を解決したものであることを見いだし本発明に至った。すなわち本発明は、
▲1▼脂肪族ポリアミド樹脂から主としてなる厚み5〜100μmの最外層(A)、エチレンビニルアルコール共重合体から主としてなる厚み3〜40μmの第一ガスバリア樹脂層(B)、23℃、60%RH下での酸素透過係数をOTR60とし、23℃、90%RH下での酸素透過係数をOTR90とした場合、OTR90/OTR60<50、かつ、OTR60<0.6cc・mm/m・day・atmである合成樹脂からなる厚み5〜40μmの第二ガスバリア樹脂層(C)、ヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂から主としてなる厚み5〜200μmの最内層(D)がこの順で配されていることを特徴とする多層構造体に関するものである。
【0011】
▲2▼第二ガスバリア樹脂層(C)を構成する合成樹脂が、半芳香族系ポリアミド組成物から選ばれることを特徴とする▲1▼に記載の多層構造体に関するものである。
【0012】
▲3▼半芳香族系ポリアミドが、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との縮重合により得られるポリ(メタキシリレンアジパミド)であることを特徴とする▲2▼に記載の多層構造体に関するものである。
【0013】
▲4▼▲1▼〜▲3▼のいずれかに記載の多層構造体から製造される包装袋に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明の多層構造体の最外層(A)に用いられる脂肪族ポリアミド樹脂としては、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12,12、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12等のホモポリマー、ナイロン6/ナイロン6,6、ナイロン6,6/ナイロン6,10、ナイロン6,6/ナイロン6,12、ナイロン6/ナイロン6,10、ナイロン6/ナイロン12等のコポリマーが挙げられ、一種以上組み合わされて用いられる。なお上記したうちでも、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/ナイロン6,6共重合体が熱水処理時における多層構造体の強度保持の観点から特に好ましい。また、これらに耐熱水性を付与するために種々の改良がなされたものは既に一般に公知であり、本発明においてはこれらを用いるのが好ましい。最外層の厚みは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmとする。厚みが5μm未満では熱水処理時における多層構造体の強度を維持できず好ましくない。100μmを超えると多層構造体が柔軟性を失い、とりわけ包装袋の用途には不向きとなる。
【0015】
次いで、第一ガスバリア樹脂層(B)はEVOHから主としてなるものであり、詳細についてはここでは言及しないが、一般に公知となっている異種の熱可塑性合成樹脂を共重合あるいは配合して耐熱水性を向上させたものが好ましい。そのベースとなるEVOHは、エチレン含量が20〜50モル%のものが望ましい。
第一ガスバリア樹脂層(B)の厚みは3〜40μm、より好ましくは8〜30μmとする。3μm未満であると、多層構造体の十分なガスバリア性を保証できず好ましくない。40μmを超えると不経済であるし、厚みに比例したガスバリア性の向上が見られなくなる。
【0016】
次いで、本発明の多層構造体を構成する第二ガスバリア樹脂層(C)について説明する。第二ガスバリア樹脂層(C)は、23℃、60%RH下での酸素透過係数をOTR60とし、23℃、90%RH下での酸素透過係数をOTR90とした場合、下記の条件を満たす合成樹脂あるいは合成樹脂組成物から構成されるものである。
OTR90/OTR60<50、かつ、
OTR60<0.6cc・mm/m・day・atm
この条件は、第二ガスバリア樹脂層(C)の酸素透過係数が雰囲気湿度の影響を受けにくいことを意味するとともに、第一ガスバリア樹脂層(B)のガスバリア性を補足する程度が大きいことを意味する。OTR90/OTR60が50以上であると、熱水処理時に水分の第一ガスバリア樹脂層(B)への進入が容易となり、それが大幅なガスバリア性低下の原因のとなり本発明の目的を達成し得ない。また、OTR60が0.6cc・mm/m・day・atm以上となると、熱水処理時に上記の理由により第一ガスバリア樹脂層(B)のガスバリア性が低下した際、ガスバリア性を補足する効果が十分でなく好ましくない。本発明の目的は、この2つの条件を共に満たして初めて達成される。
また、OTR90/OTR60は<30であることが、さらには<15であることがより望ましい。さらに、OTR60は<0.3cc・mm/m・day・atmであることがより望ましい。
【0017】
なお、本発明において、OTR60、OTR90は、いずれも厚み20μmの試料について、JIS K 7126に準拠して測定され、厚み換算されたものである。
【0018】
第二ガスバリア樹脂層(C)に用いられる合成樹脂としては上記条件を満たすものであれば特に限定はないが、好ましくは、半芳香族系ポリアミド、あるいは半芳香族系ポリアミドとその他のポリアミドとの組成物である。半芳香族系ポリアミドとしては、ナイロン6I、ナイロン6,6/ナイロン6T、ナイロン6,6/6I、ナイロン6,6/ナイロン6T/ナイロン6I、ポリ(メタキシリレンアジパミド)等が挙げられ、中でもメタキシレンジアミンとアジピン酸との縮重合反応で得られる、ポリ(メタキシリレンアジパミド)(以下、単にナイロン−MXD6と称することがある)が最も好適なものである。なお、第二ガスバリア樹脂層(C)に用いられる合成樹脂としてナイロン−MXD6を用いる場合、その成形性、耐衝撃性、柔軟性を改良するために低粘度のナイロン6を5〜50重量%、より好ましくは10〜30%重量程度併用するのが望ましい。
【0019】
第二ガスバリア樹脂層(C)の厚みは5〜40μm、より好ましくは8〜30μmとする。厚みが5μm未満であると第一ガスバリア樹脂層(B)のガスバリア性を補足する効果が十分でなく好ましくない。40μmを超えると、不経済であるとともに、厚みに比例した前記効果の向上が見られなくなる。
【0020】
本発明中の最内層(D)に用いるヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂は、ヒートシール可能なものであれば特に限定されるものではない。例示すると、低密度、中密度、或いは高密度のポリエチレンやα−オレフィン類を共重合したポリエチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、あるいは、アイオノマー樹脂、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレン系共重合ランダムポリマー、ポリプロピレン系共重合ブロックポリマー等があげられる。これらのうち、熱水処理時の耐熱性に優れることからポリプロピレン系樹脂が最適である。また、耐ブロッキング性、柔軟性、透明性等の要求に応じて、各種アンチブロッキング剤、エラストマー成分、その他の添加剤をブレンドすることが可能である。
最内層(D)の厚みは5〜200μm、より好ましくは30〜100μmとする。厚みが5μm未満であるとヒートシール強度が十分でなく好ましくない。200μmを超えると厚みに比例したヒートシール強度の向上が見られなくなるし、多層構造体の全体厚みを不必要に引き上げてしまう結果となる。
【0021】
次に、本発明の樹脂層(A)〜(D)に位置関係は、(A)/(B)/(C)/(D)を基本とするが、各層間に接着性樹脂層を設けることも任意である。さらに本発明の目的を逸脱しない範囲において、さらに別の合成樹脂層を含んでよい。また、本発明の多層構造体の全体厚みは50〜300μm、さらには80〜200μmとするのが好ましい。この範囲とすることで、多層構造体の強度、柔軟性、経済性等において問題がない。
【0022】
本発明の多層構造体は例えばTダイ式共押出法、サーキュラーダイ式共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等の公知の方法により製造することができる。また本発明の多層構造体から製造される包装袋も公知の製袋装置により製造することができる。
【0023】
以上述べた本発明の包装用多層積層フィルムは、その優れたガスバリア性を活かし、各種包装資材分野、産業資材分野、医療分野等に好適に用いられるものであるが、とりわけ熱水処理が施され、しかもガスバリア性を要求される包装袋に用いられるのが好ましい。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
本実施例では次の合成樹脂を用いた。
<使用した合成樹脂>
・Ny1:ナイロン6(宇部興産社製 NRR132)
・Ny2:ナイロン6(宇部興産社製 1022B)
・Ny3:低粘度タイプナイロン6(宇部興産社製 1015B)
・EVOH:エチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ社製 LR101B)
・MXD:ナイロン−MXD6(三菱ガス化学社製 P6007)
・Ad:接着性樹脂(三菱化学社製 P604V)
・PP:(住友化学社製 EP3725)
【0026】
OTR90、OTR60は次のようにして評価した。
<OTR90、OTR60の評価>
第二ガスバリア樹脂層に相当する合成樹脂を厚みが20μmに成形し、モコン社製5/50型酸素透過量測定装置を用いて、23℃−60%RH、ならびに23℃、90%RH下の条件で、JIS K 7126に準じて酸素透過度を測定し、これを厚みにより換算する。
【0027】
累積酸素透過量は次のようにして求めた。
<累積酸素透過量測定方法>
1.熱水処理
多層フィルムを150mm×150mmに裁断し、PP面を内側にしてシール幅10mmで3方ヒートシールをした。それにイオン交換水200ccを充填し、開口部を10mmのシール幅でヒートシールをし、密封した。この包装袋を日阪製作所製熱水処理装置を用いて120℃で30分間熱水処理する。
2.累積酸素透過量測定
熱水処理後、速やかに包装袋を開封し、酸素透過量測定装置にセットし、そのまま1日間調湿を行い熱水処理1日後の酸素透過度の測定を行う。そのまま、同一のサンプルフィルムを用いて7日後まで酸素透過度を測定する。酸素透過度の経時変化をグラフに描き、それを積分することにより累積酸素透過量を求める。なお酸素透過度は、モコン社製5/50型酸素透過量測定装置を用いて、23℃−60%RHの条件でJIS K 7126に準拠して求める(単位:cc/m・day・atm)。
【0028】
[実施例1、比較例1〜3]
700mm幅のTダイ多層キャスト機を用い、加工温度180〜270℃の範囲で表1に示す層構成のフィルムを作成した。またフィルム作成に先立ち、第二ガスバリア樹脂層を有する実施例1、比較例1、4についてはその構成のうち、最外層、最内層、EVOH層、接着剤層を除いた厚み20μmのフィルム(第二ガスバリア樹脂層に相当)を作成し、上記したようにして、OTR90、OTR60、を測定しOTR90/OTR60を算出した。この結果を表2に示す。また同じく上述したようにして、累積酸素透過量を求めた。この結果を表3に示す。
【0029】
【表1】
Figure 2004351669
【0030】
【表2】
Figure 2004351669
【0031】
【表3】
Figure 2004351669
【0032】
実施例1の多層構造体は、第二ガスバリア樹脂層が本願発明の要件を満たしており、熱水処理前のガスバリア性が高い。さらに、熱水処理後のガスバリア性低下も極めて少なく、累積酸素透過量も3cc/m・atmと非常に少ないのがわかる。
ガスバリア性の湿度依存性の少ないものの、OTR60が非常に大きい熱可塑性樹脂を第二ガスバリア樹脂層とした比較例1では、熱水処理後のガスバリア性の回復が遅く、それにともない累積酸素透過量は125cc/m・atmにも達したのがわかる。
現在食品包装用に一般的に使用されている包装材料の層構成を再現し、ガスバリア層としてEVOHのみを用いた比較例2に示された多層構造体は、熱水処理前のガスバリア性は非常に高いが、熱水処理後のガスバリア性低下が大きく、経時である程度は回復するものの累積酸素透過量は112cc/m・atmにも達したのがわかる。
比較例3に示された多層構造体は、ガスバリア層としてナイロン−MXD6と、異種のポリアミドからなる組成物を用いたもので、熱水処理後のガスバリア性の低下は小さいものの、初期のガスバリア性がそれほど高くないため、累積酸素透過量は20cc/m・atmに達したのがわかる。
また、本願発明の要件を満たす第二ガスバリア樹脂層を用いているが、第二ガスバリア層が第一ガスバリア樹脂層の外側に配された比較例4は、熱水処理後のガスバリア性回復が遅く、累積酸素透過量は33cc/m・atmに達したのがわかる。
なお以上示した例では、調湿を行う必要があったことから、累積酸素透過量は熱水処理後1日後から7日後までで求めたが、この種の現象の挙動は指数関数的であることが多く、熱水処理直後から1日経過時点までの酸素透過量を加算できたとすると、本発明で示された多層構造体の累積酸素透過量は他と比べ、一層際だって少なかったに違いない。
【0033】
【本発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、優れたガスバリア性を有し、熱水処理を行ってもガスバリア性が低下しない、或いは低下してもその低下度が小さく、また速やかにバリア性が回復する多層構造体ならびに包装袋が提供される。さらに本発明の多層構造体ならびに包装袋は熱水処理直後からガスバリア性が回復する間における累積酸素透過量が極めて少なく、酸素に敏感な内容物へのダメージを極めて有効に防止できる。このような特長を有する本発明の多層構造体ならびに包装袋は、食品や医薬品包装の用途において好適に用いられるものであり産業上有用であるといえる。

Claims (4)

  1. 脂肪族ポリアミド樹脂から主としてなる厚み5〜100μmの最外層(A)、エチレンビニルアルコール共重合体から主としてなる厚み3〜40μmの第一ガスバリア樹脂層(B)、23℃、60%RH下での酸素透過係数をOTR60とし、23℃、90%RH下での酸素透過係数をOTR90とした場合、OTR90/OTR60<50、かつ、OTR60<0.6cc・mm/m・day・atmである合成樹脂からなる厚み5〜40μmの第二ガスバリア樹脂層(C)、ヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂から主としてなる厚み5〜200μmの最内層(D)がこの順で配されていることを特徴とする多層構造体。
  2. 第二ガスバリア樹脂層(C)を構成する合成樹脂が、半芳香族系ポリアミド組成物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の多層構造体。
  3. 半芳香族系ポリアミドが、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との縮重合により得られるポリ(メタキシリレンアジパミド)であることを特徴とする請求項2に記載の多層構造体。
  4. 請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の多層構造体から製造される包装袋。
JP2003149632A 2003-05-27 2003-05-27 熱水処理用包装袋 Expired - Fee Related JP4236989B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003149632A JP4236989B2 (ja) 2003-05-27 2003-05-27 熱水処理用包装袋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003149632A JP4236989B2 (ja) 2003-05-27 2003-05-27 熱水処理用包装袋

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004351669A true JP2004351669A (ja) 2004-12-16
JP4236989B2 JP4236989B2 (ja) 2009-03-11

Family

ID=34045678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003149632A Expired - Fee Related JP4236989B2 (ja) 2003-05-27 2003-05-27 熱水処理用包装袋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4236989B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020131508A (ja) * 2019-02-15 2020-08-31 三菱ケミカル株式会社 積層フィルム及び深絞り包装体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020131508A (ja) * 2019-02-15 2020-08-31 三菱ケミカル株式会社 積層フィルム及び深絞り包装体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4236989B2 (ja) 2009-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2183104B1 (en) Multilayer film having active oxygen barrier layer and iron-based oxygen scavenging layer
KR101536827B1 (ko) 수동 및 능동 산소 장벽 층을 갖는 다층 필름
EP2185358B1 (en) Multilayer film having an active oxygen barrier layer with radiation enhanced active barrier properties
JP6573607B2 (ja) 易カット性の吸収性積層体、及びそれを用いた包装袋
US20140124404A1 (en) Dual barrier laminate structure
JP2006281640A (ja) 酸素バリア性多層構造体及び該多層構造体からなる多層容器
JP5424558B2 (ja) 多層包装体及び多層容器
EP1698458B1 (en) Laminate
JP4813238B2 (ja) 酸素バリア性多層フィルム及び深絞り成形品
JP3978542B2 (ja) 脱酸素性多層体及びこれよりなる包装容器
JP2004351669A (ja) 多層構造体および該多層構造体から製造される包装袋
JP2006143303A (ja) 麺包装用共押出多層フィルム、麺包装用ラミネートフィルムおよび麺包装方法
JP4206299B2 (ja) 熱水処理用包装袋
JP2021181318A (ja) 包装用吸湿フィルム
JP2007283569A (ja) 酸素バリア性多層延伸フィルム及びそれを用いた多層包装体
JP2006198878A (ja) パン包装用共押出多層フィルム、パン包装用ラミネートフィルムおよびパン包装方法
JP2003326656A (ja) 多層構造体
JP3724526B2 (ja) 米飯の保存方法及び包装体
JP4206300B2 (ja) 熱水処理用包装袋
JP4741743B2 (ja) 積層包装材
JP6956499B2 (ja) 非吸着性酸素吸収フィルム
JPH10235769A (ja) 脱酸素性多層体及びこれよりなる包装容器
JP2002079620A (ja) ポリアミド系複層フィルム
JP2015217987A (ja) 体外診断薬包装用の積層体、及び包装された体外診断薬
JP2002292812A (ja) 脱酸素剤外装包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4236989

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131226

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees