JP2004351498A - 溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属又は合金からなる部材同士を突合せ溶接又はすみ肉溶接する溶接方法において、溶け込み深さが深く、高速溶接時においてもビード形状が安定し、溶接部の靭性が高い溶接方法を提供する。
【解決手段】先ず、炭素鋼からなる板材同士を突合せ、次に、シールドガスとしてCOガスを噴射しながら、板材同士の突合せ部に対してレーザ光を照射する。続いて、このレーザ光を照射した部分に対して、スラブ系フラックス入り溶接ワイヤを使用してマグ溶接を行う。このとき、溶接ワイヤとして、フラックス中の酸化物の含有量が溶接ワイヤ全体に対して1.5乃至12質量%であるワイヤを使用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属又は合金、例えば、高張力鋼、耐熱鋼及び低温用綱等の低合金鋼、炭素鋼並びにステンレス鋼等に対して突合せ溶接又はすみ肉溶接を行う溶接方法に関し、特に、レーザ溶接とマグ溶接とを組み合わせた複合溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、炭素鋼、ステンレス鋼、並びに低合金鋼(例えば、高張力鋼、耐熱鋼及び低温溶綱等)等を突合せ溶接又はすみ肉溶接する際には、電極として溶接ワイヤを使用し、シールドガスとして炭酸ガス又は炭酸ガスとアルゴンとの混合ガス等を使用するマグ溶接(MAG溶接:Metal Active Gas welding)が一般的に行われている。そして、マグ溶接においては、ワイヤ中に酸化物を含むスラグ系フラックス入りワイヤ(FCW:Flux Cored Wire)が広く適用されている。スラグ系FCWを使用すると、スラグの作用により、スパッタの発生量が少なくなり、ビード外観が良好になる。また、作業性が向上し、全姿勢溶接が容易になる。
【0003】
しかしながら、溶接ワイヤとしてスラグ系FCWを使用すると、溶接ワイヤとしてソリッドワイヤ又はスラグの含有量が少ないメタル系フラックス入りワイヤを使用した場合と比較して、スラグの存在により、母材への最大溶け込み深さが浅くなる傾向がある。特に、厚さが4mmを超える部材を例えば1m/分以上の溶接速度で溶接しようとすると、この問題が深刻になる。これがスラグ系フラックス入りワイヤの短所となっている。
【0004】
そこで近時、レーザ溶接とマグ溶接とを組み合わせ、複合化した所謂レーザ・マグハイブリッド溶接の開発が盛んに行われている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、金属からなる薄板同士を溶接する際に、レーザ溶接とソリッドワイヤを使用したマグ溶接とを組み合わせ、薄板の溶接予定部分にレーザ光を照射し、その後、ガスメタルアーク溶接を行う技術が開示されている。薄板におけるレーザ光が照射された部分は、溶融・蒸発して、その一部が電離してプラズマとなる。レーザ光を照射した部分の周辺においては、金属蒸気密度及び金属イオン密度が高く、また、薄板から熱電子を放出するためのエネルギー及び薄板へ熱電子を吸収させるためのエネルギーが大幅に低下する。このため、この部分にアークを照射すれば容易にアークの陽極点又は陰極点になり易く、アークの発生及び維持が安定化し、アークが集中するようになる。
【0005】
この結果、レーザ光を照射した後、アーク溶接(マグ溶接)を行えば、アーク溶接のみを行う場合と比較して、溶接部における最大溶け込み深さが増大する。これにより、突合せ溶接においては、開先を狭くすることが可能となり、すみ肉溶接においては、大きな脚長を保ちながら溶け込み深さを増大させ、条件によっては、板材の両面からの完全溶け込みとなるフルペネ溶接も可能となる。また、レーザ溶接のみを行う場合と比較して、溶接部に溶接ワイヤから溶融金属が供給されるため、溶接部材間のギャップ(隙間)に対する許容度が大きくなると共に、耐高温割れ性が向上する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−144064号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術には、以下に示すような問題点がある。上述のレーザ溶接とマグ溶接とを組み合わせたハイブリッド溶接では、突合せ溶接においては、高速溶接を行った場合にビード形状が不安定化すると共に、シールド性が低下して溶接金属部分が酸化又は窒化し、溶接部の溶接金属の靭性が低下する。また、すみ肉溶接においても、大脚長化に伴いビード形状が不安定化する。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、金属又は合金からなる部材同士を突合せ溶接又はすみ肉溶接する溶接方法において、溶け込み深さが深く、高速溶接時においてもビード形状が安定し、溶接部の靭性が高い溶接方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る溶接方法は、金属又は合金からなる部材同士を突合せ溶接又はすみ肉溶接する溶接方法において、前記部材における溶接予定の部分にレーザ光を照射する工程と、このレーザ光を照射した部分に対してワイヤの全質量の1.5乃至12質量%の酸化物を含むフラックス入りワイヤを使用してマグ溶接を行う工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明においては、部材の溶接予定部分にレーザ光を照射した後、マグ溶接を行っている。これにより、レーザ光の照射により熱源を集中させることができるため、溶接部の溶け込み深さを深くすることができると共に、溶接ワイヤから溶融金属が供給されるため、溶接予定部分における部材間の隙間に対する許容度が高い。また、マグ溶接において、ワイヤにおける酸化物の含有量をワイヤ全体に対して1.5乃至12質量%としているため、高速溶接を行っても、スラグ(酸化物)が溶融プール及び溶接ビードの表面を覆うことにより、ビード形状が安定化すると共に、溶融金属が窒化することを抑制し、溶接金属の靭性を向上させることができる。
【0011】
また、前記酸化物が、前記ワイヤの全質量に対して1.3乃至10質量%含有されたTiOを含むことが好ましい。これにより、高速突合せ溶接において、スラブが溶融プール及び溶接ビードを安定に被覆するため、ビード形状及び溶接金属の靭性がより一層向上する。
【0012】
更に、前記酸化物が、前記ワイヤの全質量に対して1.0乃至7質量%含有されたZrOを含むことが好ましい。これにより、すみ肉溶接における溶融金属の垂れが抑制され、脚長をより効果的に保持することができる。
【0013】
更にまた、少なくとも一方の前記部材の厚さが4mm以上であってもよい。
【0014】
更にまた、前記レーザ光のレーザパワー密度が1.5kW/mm以上であることが好ましい。これにより、溶け込み部の深さがより一層深くなる。また、マグ溶接に使用するシールドガスがCOガスであることが好ましい。これにより、シールドガスの巻き込みを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態においては、金属又は合金からなる部材同士を、突合せ溶接する例を示す。先ず、例えば、厚さが4mm以上、例えば9mmである炭素鋼からなる板材同士を突合せる。このとき、開先は例えば20°のV字形状とする。次に、シールドガスとしてCOガスを噴射しながら、板材の表面における溶接しようとする領域に対して、1.5kW/mm以上、例えば7kW/mmのレーザパワー密度でレーザ光を照射する。即ち、板材における溶接しようとする部分において、板材同士が接触している場合にはその接触面を含む領域にレーザ光を照射し、板材間に隙間がある場合には、この隙間の周辺にレーザ光を照射する。
【0016】
続いて、レーザ光を照射した部分に対して、スラブ系フラックス入り溶接ワイヤを使用してマグ溶接を行う。このとき、溶接ワイヤとして、直径が例えば1.2mmであり、フラックス率が15%であり、フラックス中の酸化物の含有量が溶接ワイヤ全体に対して1.5乃至12質量%である溶接ワイヤを使用する。なお、フラックス中の酸化物としては、TiOがワイヤ全体に対して例えば1.3乃至10質量%含有されており、ZrOがワイヤ全体に対して例えば1.0乃至7質量%含有されている。また、溶接電流は例えば300Aとし、電圧は例えば28Vとする。更に、溶接速度は、例えば1m/分とする。これにより、2枚の板材を突合せ溶接することができる。なお、フラックス率とは、ワイヤ全体に対するフラックスの質量比をいう。
【0017】
本実施形態においては、スラグ系FCWを使用するマグ溶接の短所であった溶け込み部が浅いという問題を、マグ溶接をレーザ溶接と組み合わせることによって解決することができる。即ち、レーザ光の照射により、熱源を集中させることができるため、溶接部の溶け込み深さを深くすることができる。また、溶接ワイヤにより溶接部に溶融金属を供給することができるため、板材間の隙間を埋めることができ、レーザ溶接のみを行う場合と比較して、板材の形状誤差に対する許容度が高い。更に、溶接効率を向上させるために溶接速度を高くしても、フラックス中の酸化物がスラグとなり溶融金属の表面を覆うため、従来のレーザ・マグハイブリッド溶接と比較して、ビード形状及び溶接金属部の靭性が向上する。更に、スラグが溶融金属の表面を覆うことにより、従来の溶接方法と比較して、スパッタの発生量が低くなる。
【0018】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態においては、金属又は合金からなる部材同士を、すみ肉溶接する例を示す。先ず、例えば炭素鋼からなる部材の上に、例えば、厚さが4mm以上、例えば9mmである炭素鋼からなる板材を載置する。そして、板材の側面をすみ肉溶接する。上記以外の溶接方法及び溶接条件は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0019】
本実施形態においては、すみ肉溶接において、脚長を大きく確保しても、ビード形状が良好でフルペネ溶接(両側からの完全溶け込み溶接)が可能となる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0020】
なお、前述の第1及び第2の実施形態においては、被溶接材として炭素鋼からなる板材を使用したが、本発明はこれに限定されず、被溶接材は、高張力鋼、耐熱鋼若しくは低温用綱等の低合金鋼、又はステンレス鋼等からなる部材であってもよい。
【0021】
以下、本発明の各構成要件における数値限定理由について説明する。
【0022】
フラックス入りワイヤにおける酸化物の含有量:ワイヤの全質量に対して1.5乃至12質量%
ワイヤにおける酸化物の含有量がワイヤの全質量に対して1.5質量%未満であると、高速溶接、例えば、溶接速度が1m/分以上である突合せ溶接において、溶融プールの形状が不安定になり、しかも細長くなる傾向があり、ビードの両端縁が不揃いになり、ビード形状が不良になる。また、高速溶接時にはシールドガスの効果が薄れ、溶融金属が窒化されて溶接部の靭性が低下する。これに対して、ワイヤにおける酸化物の含有量を1.5質量%以上とすれば、スラグ(酸化物)が溶融プール及び溶接ビードの表面を覆うことにより、ビード形状が安定化すると共に、溶融金属が窒化することを抑制できる。一方、ワイヤにおける酸化物の含有量がワイヤの全質量に対して12質量%を超えると、溶接金属中のスラグの巻き込み量が著しく増加する。従って、ワイヤにおける酸化物の含有量を、ワイヤの全質量に対して1.5乃至12質量%とする。
【0023】
フラックス入りワイヤにおけるTiO の含有量:ワイヤの全質量に対して1.3乃至10質量%
フラックス入りワイヤに含有させる酸化物として、特にTiOは、高速突合せ溶接において、溶融プール及び溶接ビードを安定に被覆する効果が大きく、ビード形状及び溶接金属の靭性を向上させる効果が高い。但し、TiOの含有量がワイヤの全質量に対して1.3質量%未満であるとその効果が小さい。一方、TiOの含有量がワイヤの全質量に対して10質量%を超えると溶接金属中のスラグの巻き込み量が著しく増加する。従って、フラックス入りワイヤにおけるTiOの含有量は、ワイヤの全質量に対して1.3乃至10質量%であることが好ましい。
【0024】
フラックス入りワイヤにおけるZrO の含有量:ワイヤの全質量に対して1.0乃至7質量%
フラックス入りワイヤに含有させる酸化物として、特にZrOは、すみ肉溶接において、溶融金属の垂れを防止する効果が大きく、すみ肉溶接での脚長保持に効果がある。但し、ZrOの含有量がワイヤの全質量に対して1.0質量%未満であると、その効果が少ない。一方、ZrOの含有量がワイヤの全質量に対して7質量%を超えると、溶接金属中のスラグ巻き込み量が著しく増加する。従って、フラックス入りワイヤにおけるZrOの含有量は、ワイヤの全質量に対して、1.0乃至7質量%であることが好ましい。
【0025】
突合せ溶接又はすみ肉溶接を行う部材の厚さ:4mm以上
厚さが4mm未満である部材同士を突合せ溶接又はすみ肉溶接する場合は、レーザ光の照射を行わずにマグ溶接のみを行っても、高能率な溶接が可能であり、本発明の効果が小さい。従って、本発明において突合せ溶接又はすみ肉溶接を行う部材の板厚は、4mm以上であることが好ましい。
【0026】
レーザ光のレーザパワー密度:1.5kW/mm 以上
レーザ光のレーザパワー密度が1.5kW/mm未満であると、溶け込み部の深さを増大させる効果が少ない。従って、レーザ光のレーザパワー密度は1.5kW/mm以上であることが好ましい。
【0027】
マグ溶接に使用するシールドガス:CO ガス
レーザ・マグハイブリッド溶接は、通常のマグ溶接と比較すると、溶接部の凝固速度が大きいため、シールドガスにAr又はHe等の不活性ガスを使用すると、シールドガスの巻き込みが発生しやすくなる。従って、マグ溶接に使用するシールドガスとして、100%COガスを使用することが好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の効果について、その特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。図1は本試験における突合せ溶接方法を示す平面図である。先ず、相互に組成が異なる11種類のフラックス入りワイヤを用意した。そして、2枚の試験板1及び2を、突合せ溶接又は水平すみ肉溶接により溶接した。即ち、溶接予定領域にレーザ光を照射し、その後、マグ溶接により溶接した。その結果、図1に示すように、試験板1と試験板2との突合せ部には、ビード3が形成された。このとき、突合せ溶接においては、溶接後のビード形状及び溶接金属部分の靭性を評価した。また、水平すみ肉溶接においては、溶接時におけるスパッタの発生量及び溶接後のビード形状を評価した。
【0029】
表1は本試験における標準溶接条件を示す。即ち、特に表記しない限り、本試験は表1に示す標準溶接条件に従って行った。表2は、マグ溶接に使用するワイヤのフラックス率及びフラックスの組成を示し、表3はワイヤ外皮の組成を示す。なお、表2及び表3に示す数値は、ワイヤの全質量に対する各成分の含有量(質量%)である。即ち、表2におけるNo.A乃至No.F、No.I及びNo.Jはフラックス率が15%であり、金属外皮の組成は表3に示すNo.aであり、金属外皮の残部はFe及び不可避的不純物である。ステンレス鋼用のワイヤである表2に示すNo.Gはフラックス率が25%であり、金属外皮の組成は表3に示すNo.bであり、金属外皮の残部はFe及び不可避的不純物である。耐熱鋼用である表2に示すNo.Hは、フラックス率が15%であり、金属外皮の組成は表3に示すNo.cであり、金属外皮の残部はFe及び不可避的不純物である。表2に示すNo.Kは、フラックスを含有しないソリッドワイヤであり、ワイヤ全体の組成を表3のNo.dとして示す。残部はFe及び不可避的不純物である。
【0030】
【表1】
Figure 2004351498
【0031】
【表2】
Figure 2004351498
【0032】
【表3】
Figure 2004351498
【0033】
各試験結果を表4及び表5に示す。表4は突合せ溶接の結果を示し、表5は水平すみ肉溶接の結果を示す。本試験例において、溶接金属の靭性は、温度が0℃におけるシャルピー吸収エネルギーを測定して評価した。このシャルピー試験における試験片は、断面形状が10mm×10mmの矩形状であり、深さが2mmのVノッチが形成されたものを使用した。表4において、シャルピー吸収エネルギーが150J以上であった場合を「◎(特に良好)」とし、100Jを超え150J未満であった場合を「○(良好)」とし、70Jを超え100J未満であった場合を「△(普通)」とし、70J以下であった場合を「×(不良)」とした。なお、「−」は評価を行っていないことを示す。
【0034】
また、スパッタの発生量の評価は以下のように行った。図1に示すように、ビード3のビード長は200mmとした。前述の如く、溶接速度は1m/分としたため、溶接時間は12秒間であった。このような長さが200mmであるビードを5本形成し、合計の溶接長さが1m、合計の溶接時間が1分間となるようにした。そして、発生したスパッタを全量捕集してその質量を測定し、このスパッタ質量の測定値を1分間あたりのスパッタ発生量とした。この1分間あたりのスパッタ発生量が0.5g以下であった場合を「◎(特に良好)」とし、0.5gを超え1.0g未満であった場合を「○(良好)」とし、1.0gを超えた場合を「△(普通)」とした。
【0035】
更に、ビード形状の評価は以下のように行った。図1に示すように、上述の如く形成した長さが200mmのビード3について、10mm間隔で10ヶ所の測定位置a乃至jにおいてビード3の幅を測定した。そして、10点の測定値のうち、最大値及び最小値を除いた8点の測定値の平均値Hを算出した。また、この8点の測定値のうち、最大値と最小値との差Dを計算し、X=(D/H)×100(%)の値を求めた。前記Xの値が5%以下であった場合を「◎(特に良好)」とし、Xの値が5%を超え10%以下であった場合を「○(良好)」とし、Xの値が10%を超え20%以下であった場合を「△(普通)」とし、Xの値が20%を超えた場合を「×(不良)」とした。
【0036】
【表4】
Figure 2004351498
【0037】
【表5】
Figure 2004351498
【0038】
表4及び表5に示す実施例及び比較例のうち、実施例No.1〜3、5、6、8〜10、13、15〜20においては、レーザ溶接とマグ溶接とのハイブリッド溶接を行い、マグ溶接の溶接ワイヤとして、酸化物の含有量がワイヤ全体に対して1.5乃至12質量%であるスラブ系フラックス入りワイヤを使用したため、スパッタの発生量が少なく、ビード形状が良好で、溶接部の溶接金属の靭性が高かった。
【0039】
特に、実施例No.2、3、5、6、8〜10は、ワイヤにおけるTiOの含有量がワイヤ全体に対して1.3乃至10質量%であり、レーザ光のレーザパワー密度が1.5kW/mm以上であるため、ワイヤにおけるTiOの含有量が1.2質量%である実施例No.1、及びレーザ光のレーザパワー密度が1kW/mmである実施例No.13と比較して、ビード形状がより良好であった。また、実施例No.19及び20は、ワイヤにおけるTiOの含有量がワイヤ全体に対して1.3乃至10質量%であり、ZrOの含有量がワイヤ全体に対して1.0乃至7質量%であり、レーザ光のレーザパワー密度が1.5kW/mm以上であるため、レーザ光のレーザパワー密度が1kW/mmである実施例No.15、ワイヤにおけるTiOの含有量が1.2質量%である実施例No.16、ワイヤにZrOが含有されていない実施例No.17及び18と比較して、ビード形状がより良好であった。
【0040】
これに対して、表4及び表5に示す実施例及び比較例のうち、比較例No.4は、レーザ照射を行わなかったため、ビード形状が不良であった。比較例No.7、11、12は、ワイヤにおける酸化物の含有量がワイヤ全体に対して1.5質量%未満であったため、溶接金属の靭性が低かった。比較例No.14は、レーザ照射を行わなかったが、試験板の厚さが3mmと薄く、また溶接速度を40cm/分と低くしたため、ビード形状は良好であった。但し、溶接速度が低いため、溶接効率は低かった。また、比較例No.21、22、23は、水平すみ肉溶接において、ワイヤにおける酸化物の含有量がワイヤ全体に対して1.5質量%未満であったため、ビード形状が不良であった。なお、ワイヤ径については、直径が1.2mmのワイヤを使用した場合と、直径が1.6mmのワイヤを使用した場合とで、同様の傾向が認められた。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、溶接する予定の部分にレーザ光を照射した後、マグ溶接を行っているため、溶接部の溶け込み深さを深くすることができ、また、マグ溶接に使用する溶接ワイヤにおける酸化物の含有量をワイヤ全体に対して1.5乃至12質量%としているため、高速溶接を行っても、スラグが溶融プール及び溶接ビードの表面を覆うことにより、ビード形状が安定化すると共に、溶融金属が窒化することを抑制し、溶接金属の靭性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例における突合せ溶接方法を示す平面図である。
【符号の説明】
1、2;試験板
3;ビード
a〜j:測定位置

Claims (6)

  1. 金属又は合金からなる部材同士を突合せ溶接又はすみ肉溶接する溶接方法において、前記部材における溶接予定の部分にレーザ光を照射する工程と、このレーザ光を照射した部分に対してワイヤの全質量の1.5乃至12質量%の酸化物を含むフラックス入りワイヤを使用してマグ溶接を行う工程と、を有することを特徴とする溶接方法。
  2. 前記酸化物が、前記ワイヤの全質量に対して1.3乃至10質量%含有されたTiOを含むことを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
  3. 前記酸化物が、前記ワイヤの全質量に対して1.0乃至7質量%含有されたZrOを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接方法。
  4. 少なくとも一方の前記部材の厚さが4mm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶接方法。
  5. 前記レーザ光のレーザパワー密度が1.5kW/mm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の溶接方法。
  6. 前記マグ溶接に使用するシールドガスがCOガスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の溶接方法。
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