JP2004351304A - 除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよびメタノール合成システム - Google Patents

除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよびメタノール合成システム Download PDF

Info

Publication number
JP2004351304A
JP2004351304A JP2003151258A JP2003151258A JP2004351304A JP 2004351304 A JP2004351304 A JP 2004351304A JP 2003151258 A JP2003151258 A JP 2003151258A JP 2003151258 A JP2003151258 A JP 2003151258A JP 2004351304 A JP2004351304 A JP 2004351304A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
gas
inner cylinder
suction inner
jet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003151258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3806416B2 (ja
Inventor
Shinji Matsumoto
慎治 松本
Toshimitsu Ichinose
利光 一ノ瀬
Keiji Takeno
計二 武野
Hideaki Ota
英明 太田
Kiyoshi Tatsuhara
潔 龍原
Yajuro Seike
弥十郎 清家
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2003151258A priority Critical patent/JP3806416B2/ja
Publication of JP2004351304A publication Critical patent/JP2004351304A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3806416B2 publication Critical patent/JP3806416B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Of Particles Using Liquids (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】未処理ガスをクリーンなガスに精製することができ除塵装置と、クリーンなガスを効率的に製造することのできる有機系燃料のガス化システムと、有機系燃料をガス化して得たガスからクリーンな燃料であるメタノールを高効率に製造することのできるメタノール合成システムとを提供する。
【解決手段】未処理ガスを吸引して水ジェット水滴噴流を鉛直軸方向に形成する駆動ノズルと、前記駆動ノズルに連通し、該駆動ノズルから放出されたジェット水滴噴流を覆うように受けることによって前記水ジェット水滴噴流と生成ガスとを気液混合し、生成ガスの除塵を行うスクラバ部と、前記水ジェット水滴噴流水を循環水として貯留する循環水タンクと、前記循環水タンク内に配設され、前記スクラバ出口の開口部に対向するとともに、周囲に堰を有する開口部を備えた吸引内筒と、前記吸引内筒内に配設され、該吸引内筒内の循環水を循環ポンプにより強制排出する排出管と、前記排出管に介装されたストレーナとを少なくとも用いて構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種ガス化装置、燃焼装置から排出される生成ガスから該ガス中に含まれている煤塵を安価かつ高効率に除去することのできる除塵装置および除塵方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
石油、石炭などの化石燃料、廃棄物、バイオマス等の可燃性物質を用いた燃焼装置やガス化装置が種々開発されているが、いずれの装置によって生成もしくは排出されるガスには、量の多少はあるものの、微細ダスト状の煤塵成分が含まれている。これらガスを燃料ガス、アルコール合成用原料ガスとして使用する場合でも、排気ガスとして処理する場合でも、ガス中の煤塵の除去処理を高精度に行う必要がある。
【0003】
前述のようなガスの除塵装置として、従来、除去媒体として水ジェット水滴噴流を利用した装置が知られており(特許文献1)、その処理対象により一部改良したものが種々提案されている。それらの内、代表的一例を図3に示す。
【0004】
この水ジェット水滴噴流を利用した除塵装置は、除塵処理を要するガス101を吸引して水ジェット水滴噴流102を鉛直軸方向に形成する駆動ノズル103と、前記駆動ノズル103に連通し、該駆動ノズル103から放出された水ジェット水滴噴流102を覆うように受けることによって前記水ジェット水滴噴流102とガス101とを気液混合し、ガス中のダスト粒子を水滴に付着させることにより、ガス101の除塵を行う筒状のスクラバ部104と、前記水ジェット水滴噴流水を循環水として貯留するとともに、前記スクラバ部104において微粒子成分および水溶性成分を分離されたガス101を次の処理工程に送り出す排出口105aを有する循環水タンク105と、前記循環水タンク105内の貯留水を撹拌する撹拌手段106と、循環水タンク105の側部下端に配設され、該循環水タンク105内の循環水を循環ポンプ107により強制排出する排出管108と、前記排出管108に介装されたストレーナ109とを具備する装置である。
【0005】
前記スクラバ部104は、一体構造の筒状部材であり、比較的径の大きなチャンバー部104aと、それに順次続く、漏斗状の吸引部104b、縮径直管状のスロート部104c、徐々に拡径するディフューザ部104d、および拡幅直管状の出口管部104eとから構成されている。前記チャンバー部104aの中央には前記駆動ノズル103が配置されており、この駆動ノズル103の噴出口は該スクラバ部104の中心線に位置している。このチャンバー部104aの側部には、前記ガス101の導入口104fが形成されており、ガス101を水ジェット水滴噴流102に巻き込むように設定されている。この水ジェット水滴噴流102とガス101とは、吸引部104bで合流し、縮径直管状のスロート部104cにて高流速で気液混合がなされ、水滴へのダスト粒子の付着合体を促進する。その後、水滴噴流は徐々に拡径するディフューザ部104dに導かれて、流速が低下し、高流速エネルギーを圧力エネルギーに変えてスクラバの圧力損失を減少させる。ガス101から微粒子成分および水溶性成分を吸収した水滴流は、拡幅直管状の出口管部104eから前記循環水タンク105内に低速で流下し、水によって洗浄されたガス101は、循環水タンク105の上部空間を経由してガス排出口105aから次の処理工程に導出される。
【0006】
前記水ジェット水滴噴流102によってガス101から分離され水滴に付着したダストおよびタール成分は、循環水タンク105内に水滴とともに落下することによって、一時的に水中に沈下させられるが、疎水性かつ軽量であるため、直ぐに水面に浮上する。常に水滴噴流水が強く流下し続ける状態にあっても、前記微粒成分を循環液に均一に分布させることができない。したがって、循環水タンク15の下部の配設されている排出管から循環液を吸引しても、前記浮上微粒成分はほとんど回収することができない。そこで、この装置では、循環水タンク105内の水を撹拌する撹拌手段106を設けている。この撹拌手段106を駆動させることにより、前述のように勢いよく流下する水によって水中に潜った微粒成分の水中滞在時間を長引かせ、それら微粒成分を循環水とともに排出管108を介して循環ポンプ107により吸引し、ストレーナー109により分離して回収する。微粒成分をストレーナー109により分離された水は循環モータ107から循環ライン110により前記駆動ノズル103に回送される。
【0007】
前記循環ライン110には、熱交換型冷却器111が介装されるとともに、開閉弁112および流量計113が設けられている。また、循環ライン110の前記冷却器111の下流側にはバイパス管114が連結されており、循環水の一部を直接に循環水タンク105内に送るように設定されている。このバイパス管114にも開閉弁115および流量計116が取り付けられている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−63644号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記除塵装置は、水ジェット水滴噴流による接触によりガス中の水溶性物質およびタールなどの凝縮化可能な塵を除くことができるが、凝縮によって生じた疎水性の低比重微粒成分が捕捉水の水面に浮上するために、循環水タンク105からストレーナー109に効率的に導入することが難しくなる。そのために前記除塵装置では、撹拌手段106を設けているが、疎水性かつ低比重な微粒成分を効率的に排出管108に導くことができない。浮上微粒成分は、水面に偏在して常に残留した状態になり、除去効率化のネックとなっている。
【0010】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、水ジェット水滴噴流によりガスから分離した浮上微粒成分の分離手段への搬送の効率化を実現した除塵装置と、この除塵装置を用いた有機系燃料のガス化システムおよび有機系燃料バイオマスを用いたメタノール合成システムを提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する[請求項1]の発明の除塵装置は、未処理ガスを吸引して水ジェット水滴噴流を鉛直軸方向に形成する駆動ノズルと、前記駆動ノズルに連通し、該駆動ノズルから放出されたジェット水滴噴流を覆うように受けることによって前記水ジェット水滴噴流と生成ガスとを気液混合し、生成ガスの除塵を行うスクラバ部と、前記水ジェット水滴噴流水を循環水として貯留する循環水タンクと、前記循環水タンク内に配設され、前記スクラバ出口の開口部に対向するとともに、上端縁部分が堰を兼ねる開口部を備えた吸引内筒と、前記吸引内筒内に配設され、該吸引内筒内の循環水を循環ポンプにより強制排出する排出管と、前記排出管に介装されたストレーナとを具備していることを特徴とする。
【0012】
[請求項2]の発明は、請求項1において、前記吸引内筒の液面が循環水タンクより、常に低い状態に維持されることを特徴とする。
【0013】
[請求項3]の発明は、請求項2において、前記吸引内筒の下部側壁にはオリフィス孔が形成され、このオリフィス孔によって前記吸引内塔内の液空間と該吸引内筒外部の前記循環水タンク内の液空間とが液通状態におかれていることにより、前記吸引内筒の液面が循環水タンクより常に低い状態に維持されることを特徴とする。
【0014】
[請求項4]の発明は、請求項1から3のいずれか1項において、前記吸引内筒の上端開口部の内径が前記スクラバ出口の開口部の内径より大きく形成されていることを特徴とする。
【0015】
[請求項5]の発明は、請求項1から4のいずれか1項において、前記吸引内筒の上端開口部が拡径されていることを特徴とする。
【0016】
[請求項6]の発明は、請求項1から5のいずれか1項において、前記吸引内筒の上端開口縁には少なくとも一つのVまたはU字形の切り欠き溝が形成されて切り欠き堰が構成されており、該切り欠き堰の切り欠き溝から前記循環水タンク内の水面部の水が優先的に前記吸引内筒内に流れ込むことを特徴とする。
【0017】
[請求項7]の発明は、請求項1から6のいずれかにおいて、前記吸引内筒内に水位計が備えられていることを特徴とする。
【0018】
[請求項8]の発明は、請求項1から7のいずれかにおいて、前記未処理ガスが有機系燃料のガス化炉により生成されたガスであることを特徴とする。
【0019】
[請求項9]の発明は、請求項1から7のいずれか一つの除塵装置を備えたことを特徴とする有機系燃料のガス化システムである。
【0020】
[請求項10]の発明は、請求項1から7のいずれか一つの除塵装置を備えたことを特徴とする有機系燃料を用いたメタノール合成システムである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る除塵装置の一例を示す全体構成図であり、図3と共通する要素には同一符号を付している。
この水ジェット水滴噴流を利用した除塵装置は、例えば、バイオマスガス化炉で生成したガスなどの未処理ガス101を吸引して水ジェット水滴噴流102を鉛直軸方向に形成する駆動ノズル103と、前記駆動ノズル103に連通し、該駆動ノズル103から放出された水ジェット水滴噴流102を覆うように受けることによって前記水ジェット水滴噴流102とガス101とを気液混合し、ガス101の除塵を行う筒状のスクラバ部104と、前記水ジェット水滴噴流水を循環水として貯留するとともに、前記スクラバ部104において微粒子成分および水溶性成分を分離されたガスを高精度吸着精製装置などの次の処理装置に送り出す排出口105aを有する循環水タンク105と、前記循環水タンク105内に配設され、上記スクラバ部104の出口の開口部104aに対向するとともに、上端縁部分が前記循環水タンク105内のみずに対する堰として作用する開口部17を備えた吸引内筒18と、前記吸引内筒18内に配設され、該吸引内筒18内の循環水を循環ポンプ107により強制排出する排出管108と、前記排出管108に介装されたストレーナ109とを具備する装置である。
【0023】
前記スクラバ部104は、一体構造の筒状部材であり、比較的径の大きなチャンバー部104aと、それに順次続く、漏斗状の吸引部104b、縮径直管状のスロート部104c、徐々に拡径するディフューザ部104d、および拡幅直管状の出口管部104cとから構成されている。前記チャンバー部104aの中央には前記駆動ノズル103が配置されており、この駆動ノズル103の噴出口は該スクラバ部104の中心線に位置している。このチャンバー部104aの側部には、前記ガス導入口104fが形成されており、生成ガスを水ジェット水滴噴流102に巻き込むように設定されている。この水ジェット水滴噴流102と生成ガスとは、吸引部104bで合流し、縮径直管状のスロート部104cで高流速にて気液混合され、水滴へのダスト粒子の付着合体を促進する。その後、水滴噴流は徐々に拡径するディフューザ部104dに導かれて、流速が低下し、高流速エネルギーを圧力エネルギーに変えてスクラバの圧力損失を減少させる。微粒子成分および水溶性成分を吸収した水滴流は、拡幅直管状の出口管部104eから前記吸引内筒18に向かって流下し、水によって洗浄されたガスは、循環タンク105の上部空間を経由してガス排出口105aから次の工程に向かって排出される。
【0024】
前記吸引内筒18の開口部17は、該吸引内筒18の下部本体部分に対して拡径されており、この拡径された開口部17の内径寸法は、その上方に位置する前記筒状スクラバ部104の下部開口部14gの内径寸法よりも幾分大きく設定されている。また、前記吸引内筒18の下部側壁には、オリフィス孔18aが形成されている。したがって、前記循環ポンプ107を駆動させて前記排出管108から吸引内筒18内の循環水を強制吸引すると、急激に吸引内筒18内の循環水が排出されるが、前記オリフィス孔18aが存在するため、そこから注水されるので、吸引内筒18内が空になることはない。しかし、前記排出管108からの排出量に比べて前記オリフィス孔18aからの注水量は大幅に下回るので、吸引内筒内18内の液面18bは、吸引内筒18の周囲の液面、すなわち循環水タンク105内の液面105bより常に低い状態に維持されることになる。このように吸引内筒18内の液面を周囲の液面より低く維持するために、主に、前記水ジェット水滴噴流102の流量と、前記循環ポンプ109による排出量とを適宜コントロールする必要があり、そのために循環水タンク105内と前記吸引内筒18内には不図示の水位計を備えて、それぞれの水位データをリアルタイムで計測可能としている。
【0025】
前記吸引内筒18内の液面18bの位置は、前記排出管108の開口面から空気を吸い込むことないように該開口面より上位にあればよく、前記吸引内筒18の上部開口面より下位にあればよい。好ましくは、吸引内筒18内の液面18bは、その開口面から可能な範囲で落差を大きく設定する。
【0026】
前記吸引内筒18の上部拡径開口部17の上端には、複数のVまたはU字形の切り欠き溝17aが形成されており、この複数の溝17aによって、拡径開口部17の開口面には、前記複数の溝を有する堰(切り欠き堰)が形成された状態となっている。この複数の溝を有する堰はその形状から三角堰と呼称する場合もある。循環水タンク105内の液面105bが、前記三角堰の上端にまで上昇すると、水はVまたはU字形の切り欠き溝17aを通って、吸引内筒18内に流下するが、この時、溝17aの狭隘な下部より溝の上面に近づけば近づく程、流量が多くなる。したがって、前記水ジェット水滴噴流102によってガス101から分離され冷却されることにより微粒子状となったタール成分などの水面浮上ダスト(微粒成分)は、効率的に吸引内筒18内に流入されることになる。
【0027】
なお、前記スクラバ部104からの前記浮上ダストを含む流下水のほとんどは、スクラバ部104の下部開口面の口径より大きな口径の開口部17を有する前記吸引内筒18内に直接流入するが、流下水の流下エネルギーが大きいので、その一部が飛散、散乱して吸引内筒18周囲の循環水タンク105内に流下する。この散乱した流下水中に含まれる浮上ダストを前述のように切り欠き溝17aによって、効率的に吸引内筒18内部に回収することになる訳である。このようにして吸引内筒18内に回収された浮上ダストは、前記流下水滴噴流水により吸引内筒18内の水面下に叩き落とされることになる。
【0028】
水面下深くに叩き込まれた浮上ダストが再浮上する前に吸引内筒18内の循環水を前記循環ポンプ107で吸引しなければ、浮上ダストはいつまでも吸引内筒18内に残留し続けることになるので、前記循環ポンプ107による吸引量は、ダスト浮上速度より循環水の排出速度が上回る値に調節する必要がある。この値は、循環流量と吸引内筒18の本体内径寸法とにより調節することができる。
【0029】
前述のように効率的に回収した浮上ダストを含む吸引内筒18内の循環水は 、前述のように、ダストの浮上速度を上回る速度で、循環ポンプ107によって排出管108を介してストレーナー109に吸引され、ここで循環水中の浮上ダストが除去、回収され、循環水は熱交換器111により冷却され、前記駆動ノズル103に送られる。前記ストレーナー109の下流側には、バイパス管114が連結されており、このバイパス管114の他端は、前記循環水タンク105内に開口するように循環水タンク105に連結されている。このバイパス管114による循環水タンク105内への補給水量と、前記スクラバ部104からの流下水の循環タンク105内への飛散量と、オリフィス孔18aからの吸引内筒18内への注水量とにより、循環水タンク105内の水面が、常に前記三角堰16から吸引内筒18内に水が流下する位置に調整できるようになっている。
【0030】
前記水ジェット水滴噴流を利用した除塵装置は、生成ガスと多量の水滴とを充分に気液混合することができるので、3μm以下の微粒子成分を容易に捕捉し、ダストまたはタール粒子を水滴に付着合体させることができる。同様の理由により、タール、NH,HCN、Na、K、Clなどの水溶性不純物を水相に分離することが可能になる。
【0031】
水ジェット水滴噴流水によって未処理ガスを冷却するために、ガス中の気体状タールなどの揮発成分を凝縮し分離することが可能になる。ジェット水滴噴流水は、循環使用することで、水相に捕捉した不純物を濃縮することができ、分離が容易になる。このタール成分は、循環水を得るための前記ストレーナー109によって回収することができ、このタール成分は、燃料や殺虫剤等の化学原料として再利用することができる。なお、水循環ラインには、循環経路中、特に水滴噴流部分にて飛散した水量を系外から適宜補給する手段を設けておく必要がある。
【0032】
本発明の水ジェット水滴噴流を利用した除塵装置では、筒状空間であるスクラバ部104内に噴射する水ジェット水滴噴流に未処理ガスを巻き込むように作用するので、圧力損失が生じないばかりでなく、逆に、以降のガス流に圧力を幾分ながら付与することになり、ガス精製ライン全体の効率化に寄与することができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図2は、前述の本発明の除塵装置を有機系燃料の代表例であるバイオマスを用いたメタノール合成システムに用いた実施例を示している。
【0034】
一般にバイオマスとは、エネルギー源または工業原料として利用することのできる生物体(例えば、農業生産物または副産物、木材、植物等)をいい、太陽エネルギー、空気、水、土壌等の作用により生成されるので、無限に再生可能である。
【0035】
上記バイオマスを利用することで燃料用のガスおよびメタノール等のクリーンなエネルギー源の製造が可能となる。また、廃棄物としてのバイオマスを処理できるので、環境の浄化にも役立つとともに、新規に生産されるバイオマスも光合成によりCOの固定により生育されるので、大気のCOを増加させないので、COの抑制につながるので好ましい技術である。
【0036】
バイオマス30を炉本体31内に供給するバイオマス供給手段32と、酸素または酸素と水蒸気の混合物からなる燃焼用の酸化剤33を炉本体31内に供給する酸化剤供給手段34とを備えてなるバイオマスガス化炉35と、該バイオマスガス化炉35でガス化した生成ガス36中の粉塵を除去するサイクロンなどの分離手段37と、この分離手段37で3μm以上の比較的大きな粒径の粉塵を除去されたガスをさらに高精度に除塵処理する前記本発明の除塵装置11と、高精度に除塵したガスを精製するガス精製装置38と、該精製後のガスを用いてメタノールを合成し、排ガス39とメタノール40とに分離する蒸留装置41を備えたメタノール合成装置42とからメタノール合成システム43を構成している。
【0037】
供給するバイオマス30としては、生産または廃棄されたバイオマスを粉砕・乾燥したものを供給するのが好ましい。本発明で言うバイオマスとは、エネルギー源または工業原料として利用することのできる生物資源(例えば、農業生産物または副産物、木材、植物等)をいい、例えば、スイートソルガム,ネピアグラス,スピルリナ等が用いられている。
【0038】
前記バイオマスを原料として生成したガスには、微粒子、タール成分、硫化水素、塩素などが含まれるため、そのままでは、合成触媒を利用した液体燃料や、燃料電池へのエネルギー源を合成するためのガスには適さない。そのため、本発明では、前述の第1の実施の形態に示した水ジェット水滴噴流を利用した除塵装置11を用いて、前記微粒子、タール成分、硫化水素、塩素などの微量成分を効率的に除去している。その除去の仕組みは、前記第1の実施形態に説明した通りである。液体燃料や燃料電池へのエネルギー源を得るための原料ガスとしては、実際の運用に当たっては、前記微量成分は、その許容含有量を検出限界量程度までに低減する必要があるが、本発明の除塵装置11を用い、さらに必要に応じて高精度吸着精製装置を組み合わせて用いれば、従来困難であった前記微量成分の充分なる低減が可能になる。なお、バイオマスから主にクリーンな生成ガスを得る場合のシステムは、図2のガス精製装置38までの構成要素にて実現することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る除塵装置は、未処理ガスを吸引して水ジェット水滴噴流を鉛直軸方向に形成する駆動ノズルと、前記駆動ノズルに連通し、該駆動ノズルから放出されたジェット水滴噴流を覆うように受けることによって前記水ジェット水滴噴流と生成ガスとを気液混合し、生成ガスの除塵を行うスクラバ部と、前記水ジェット水滴噴流水を循環水として貯留する循環水タンクと、前記循環水タンク内に配設され、前記スクラバ出口の開口部に対向するとともに、周囲に堰を有する開口部を備えた吸引内筒と、前記吸引内筒内に配設され、該吸引内筒内の循環水を循環ポンプにより強制排出する排出管と、前記排出管に介装されたストレーナとを具備していることを特徴とするものである。
【0040】
また、本発明に係る有機系燃料のガス化システムおよび有機系燃料を用いたメタノール合成システムは、前記除塵装置を用いたことを特徴としたものである。
【0041】
本発明では、水ジェット水滴噴流とガスとを効率的に気液混合してガス中の水溶性成分を水相に溶解除去するとともに、タールなどの疎水性成分を水冷して凝縮させて微粒成分として水相に浮上分離させる。浮上分離した微粒成分は、2重構造とした貯留タンク中で効率的に水とともに回収し、ストレーナーにて分離する。従って、本発明の除塵装置によれば、高精度の除塵が可能になり、ガス化装置や燃焼装置から排出されたガスをクリーンなガスに精製することができる。特にバイオマスを始めとした有機系燃料のガス化システムおよび有機系燃料を用いたメタノール合成システムに適用した場合には、ガスの精製度が高いため、有用な燃料ガス、およびメタノールを高い収率で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水ジェット水滴噴流を利用した除塵装置の全体構成図である。
【図2】図1の除塵装置を用いた本発明に係る「有機系燃料(バイオマス)を用いたメタノール合成システム」の全体構成図である。
【図3】従来の水ジェット水滴噴流を利用した除塵装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
11 水ジェット水滴噴流を利用した除塵装置
17 開口部
17a V字形の切り欠き溝
18 吸引内筒
18a オリフィス孔
18b 吸引内筒内の液面
30 バイオマス
35 バイオマスガス化炉
101 未処理ガス
102 水ジェット水滴噴流
103 駆動ノズル
104 スクラバ部
104a スクラバ部の出口の開口部
105 循環水タンク
105a 排出口
105b 循環水タンク内の液面
107 循環ポンプ
108 排出管
109 ストレーナ

Claims (10)

  1. 未処理ガスを吸引して水ジェット水滴噴流を鉛直軸方向に形成する駆動ノズルと、
    前記駆動ノズルに連通し、該駆動ノズルから放出されたジェット水滴噴流を覆うように受けることによって前記水ジェット水滴噴流と生成ガスとを気液混合し、生成ガスの除塵を行うスクラバ部と、
    前記水ジェット水滴噴流水を循環水として貯留する循環水タンクと、
    前記循環水タンク内に配設され、前記スクラバ出口の開口部に対向するとともに、上端縁部分が堰を兼ねる開口部を備えた吸引内筒と、
    前記吸引内筒内に配設され、該吸引内筒内の循環水を循環ポンプにより強制排出する排出管と、
    前記排出管に介装されたストレーナとを具備していることを特徴とする除塵装置。
  2. 前記吸引内筒の液面が循環水タンクより、常に低い状態に維持されることを特徴とする請求項1に記載の除塵装置。
  3. 前記吸引内筒の下部側壁にはオリフィス孔が形成され、このオリフィス孔によって前記吸引内塔内の液空間と該吸引内筒外部の前記循環水タンク内の液空間とが液通状態におかれていることにより、前記吸引内筒の液面が循環水タンクより常に低い状態に維持されることを特徴とする請求項2に記載の除塵装置。
  4. 前記吸引内筒の上端開口部の内径が前記スクラバ出口の開口部の内径より大きく形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の除塵装置。
  5. 前記吸引内筒の上端開口部が拡径されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の除塵装置。
  6. 前記吸引内筒の上端開口縁には少なくとも一つのVまたはU字形の切り欠き溝が形成されて切り欠き堰が構成されており、該切り欠き堰の切り欠き溝から前記循環水タンク内の水面部の水が優先的に前記吸引内筒内に流れ込むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の除塵装置。
  7. 前記吸引内筒内に水位計が備えられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の除塵装置。
  8. 前記未処理ガスが有機系燃料のガス化炉により生成されたガスであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の除塵装置。
  9. 請求項1から7のいずれか一つの除塵装置を備えたことを特徴とする有機系燃料のガス化システム。
  10. 請求項1から7のいずれか一つの除塵装置を備えたことを特徴とする有機系燃料を用いたメタノール合成システム。
JP2003151258A 2003-05-28 2003-05-28 除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよびメタノール合成システム Expired - Fee Related JP3806416B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003151258A JP3806416B2 (ja) 2003-05-28 2003-05-28 除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよびメタノール合成システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003151258A JP3806416B2 (ja) 2003-05-28 2003-05-28 除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよびメタノール合成システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004351304A true JP2004351304A (ja) 2004-12-16
JP3806416B2 JP3806416B2 (ja) 2006-08-09

Family

ID=34046834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003151258A Expired - Fee Related JP3806416B2 (ja) 2003-05-28 2003-05-28 除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよびメタノール合成システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3806416B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008004467A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Toshiba Fuel Cell Power Systems Corp 燃料電池発電システム
KR101436066B1 (ko) 2013-06-24 2014-09-02 고등기술연구원연구조합 습식스크러버 일체형 타르 분리장치
CN105498379A (zh) * 2016-01-07 2016-04-20 徐工集团工程机械股份有限公司 除尘系统控制方法、装置、除尘系统和沥青拌合站
JP2020138191A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 潘彦儒 湿式スクラバー
CN112004589A (zh) * 2018-04-20 2020-11-27 西门子股份公司 用于运行反应器设施的方法
CN112843966A (zh) * 2021-01-13 2021-05-28 凌源日兴矿业有限公司 一种溜矿井粉尘处理装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001310150A (ja) * 2000-04-28 2001-11-06 Nippon Paint Co Ltd 塗装用熱風乾燥炉用排気ガス処理装置および方法、並びにこれらを採用した塗装用熱風乾燥炉
JP2002193858A (ja) * 2000-12-28 2002-07-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd バイオマス原料によるメタノール製造方法及びその装置
JP2003129824A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Suzuko Kk 黒煙除去装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001310150A (ja) * 2000-04-28 2001-11-06 Nippon Paint Co Ltd 塗装用熱風乾燥炉用排気ガス処理装置および方法、並びにこれらを採用した塗装用熱風乾燥炉
JP2002193858A (ja) * 2000-12-28 2002-07-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd バイオマス原料によるメタノール製造方法及びその装置
JP2003129824A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Suzuko Kk 黒煙除去装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008004467A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Toshiba Fuel Cell Power Systems Corp 燃料電池発電システム
KR101436066B1 (ko) 2013-06-24 2014-09-02 고등기술연구원연구조합 습식스크러버 일체형 타르 분리장치
CN105498379A (zh) * 2016-01-07 2016-04-20 徐工集团工程机械股份有限公司 除尘系统控制方法、装置、除尘系统和沥青拌合站
CN112004589A (zh) * 2018-04-20 2020-11-27 西门子股份公司 用于运行反应器设施的方法
JP2020138191A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 潘彦儒 湿式スクラバー
CN112843966A (zh) * 2021-01-13 2021-05-28 凌源日兴矿业有限公司 一种溜矿井粉尘处理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3806416B2 (ja) 2006-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4326436B2 (ja) 除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよび液体燃料製造システム
JP4101699B2 (ja) バイオマスガス化システムおよびバイオマスガス化方法
US4272499A (en) Process and apparatus for the removal of particulate matter and reactive or water soluble gases from carrier gases
US20080173176A1 (en) Fluid scrubber
JPH06254345A (ja) 水平湿式洗浄装置およびガス流から二酸化イオウを除去するための方法
CN1021020C (zh) 处理含有灰尘和化学污染物的废气的方法与设备
JPH01503766A (ja) ガス浄化方法および装置
US5554280A (en) Filter system
RU2650967C1 (ru) Способ очистки газов и устройство для его осуществления
JP2000107540A (ja) 排気ガス処理システム
JP4551165B2 (ja) 除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよび液体燃料製造システム
JP2004351304A (ja) 除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよびメタノール合成システム
JP2020138191A (ja) 湿式スクラバー
JP4146405B2 (ja) 除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよび液体燃料製造システム
CN1068243C (zh) 用于湿式烟道废气脱硫装置中的泥浆增稠槽和吸收塔
JP3848949B2 (ja) 除塵装置、有機系燃料のガス化システムおよび液体燃料合成システム
JP4568573B2 (ja) バイオマスガス化ガス処理システム
KR20040087554A (ko) 가스세정장치
JP2015058430A (ja) 海水中の泡を制御する方法及び装置
RU2284849C1 (ru) Центробежный пылеуловитель
SE533938C2 (sv) Förfarande samt anordning för rening av gaser
KR101803041B1 (ko) 가스 및 거품 제거식 액비화장치
RU171024U1 (ru) Скруббер вентури
CN2521206Y (zh) 喷射吸气气浮净化机
CN213942550U (zh) 一种冲击式粉尘处理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060512

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3806416

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090519

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140519

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees