JP2004351038A - 浴室音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】浴室内の空間全体を音響空間として有効利用し、3チャンネル再生方式において鮮度の高い低音が得られる浴室音響装置を提供する。
【解決手段】浴室の天井もしくは壁パネルに取り付けられる一対のスピーカと、前記浴室の壁パネルに埋設状態で取り付けられ、壁パネルを振動させることにより低音を再生するアクチュエータと、を備えることを特徴とする。前記アクチュエータは、バスタブの上縁より上方の壁パネルで、その駆動コイル部が壁パネルに設けられた取付穴内に位置するように壁パネルの表側から取り付けられる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばユニットバスルーム等の浴室の音響装置に係わり、特に、3チャンネル再生方式を維持しつつ音質を大幅に向上させ得る浴室音響装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴室における音響装置として、中高音再生用の一対のスピーカと、低音再生用のアクチュエータとを備えた3チャンネル再生方式のものが、例えば特許文献1に提案されている。この音響装置は、中高音再生用の防水性のスピーカを天井パネルもしくは壁パネルに取り付け、低音再生用のアクチュエータをバスタブと対向する壁パネル表面等に取り付けるようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】
特許第3314162号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような音響装置においては、低音再生用のアクチュエータをバスタブの外壁と対向する壁パネル表面等に取り付け、壁パネル表面とバスタブ外壁とで形成される空間を音響空間として利用するため、浴室内に低音を良好に再生できるという利点が得られるものの、低音用の音響空間が比較的狭い空間となり、鮮度が低いこもった低音になり易いという問題点を有している。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、浴室内の空間全体を音響空間として有効利用し、3チャンネル再生方式において鮮度の高い低音が得られる浴室音響装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、浴室の天井もしくは壁パネルに取り付けられる一対のスピーカと、前記浴室の壁パネルに埋設状態で取り付けられ、壁パネルを振動させることにより低音を再生するアクチュエータと、を備えることを特徴とする。
【0007】
このように構成することにより、CD等に記録されている例えば音楽が再生機器で再生されると、主として中高音が浴室内の天井パネル等に取り付けられた防水性等のスピーカで浴室内に再生され、また低音は、浴室の壁パネルに取り付けられたアクチュエータで壁パネルが振動することで浴室内に再生される。この時、アクチュエータが壁パネルに埋設状態で取り付けられていることから、壁パネルの見栄えの低下を防止しつつ、アクチュエータの振動が広い面積の壁パネルに伝達され、浴室内の略全空間を音響空間として有効利用できて、浴室内に鮮度の高い低音を再生できる。
【0008】
そして、前記アクチュエータは、請求項2に記載の発明のように、バスタブの上縁より上方の壁パネルに取り付けられることが好ましい。このように構成することにより、低音再生用のアクチュエータが壁パネルの浴槽の上縁より上方に取り付けられることから、アクチュエータを壁パネルの略中央部分等に配置して該壁パネルを効率的に振動させることができ、浴室内に一層良好な音質の低音が再生される。
【0009】
また、前記アクチュエータは、請求項3に記載の発明のように、駆動コイル部が壁パネルに設けられた取付穴内に位置するように壁パネルの表側から取り付けられることが好ましい。このように構成することにより、浴室内からアクチュエータを取り外してメンテナンスを行うことが可能となる。
【0010】
また、前記アクチュエータは、請求項4に記載の発明のように、表面側がカバーで覆われた状態で壁パネルに取り付けられることが好ましい。このように構成することにより、アクチュエータがカバーで覆われた状態で壁パネルに取り付けられることから、例えば適宜意匠が付与されたカバーにより、アクチュエータ取付部の意匠的価値の向上が図れる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明のように、前記スピーカが、バスタブの背足方向と直交する方向の両端部の天井パネルもしくは壁パネル上部に取り付けられ、前記アクチュエータが、バスタブの背側もしくは足側の壁パネルに取り付けられることが好ましい。このように構成することにより、スピーカがバスタブの両側でアクチュエータがその間に配置されることから、バスタブに入浴中の入浴者の左右両側から中高音が再生され、その間から低音が再生される状態となり、浴室内に再生される3チャンネル方式の音楽等の音質が一層向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明に係わる浴室音響装置の一実施形態を示し、図1が該音響装置を使用した浴室の概略構成図、図2がそのアクチュエータの取付状態の断面図、図3が使用状態を示す図である。
【0013】
図1において、ユニットバスルーム等の浴室1は、防水パン2と、4枚の壁パネル3a〜3d及びドーム型の天井パネル4によって箱状に形成され、前記防水パン2上にはバスタブ5が配置されると共に、バスタブ5の側方に洗い場6が設けられている。また、洗い場6の壁パネル3b側のカウンター7上方には、水栓9、ミラー10、シャワー11及び収納棚12等が一体的に設けられたミラーパネル8が組み付け配置されている。
【0014】
そして、浴室1には、音響装置15が設けられている。この音響装置15は、ドーム型の天井パネル4の側壁4a、4bに取り付けられたスピーカ16a、16bと、壁パネル3dのバスタブ5の上縁5a(上面フランジ)より上方に取り付けられたアクチュエータ17と、スピーカ16a、16b及びアクチュエータ17を制御する例えば浴室1の天井パネル4上に配置されたコントロールユニット18等を備えている。
【0015】
前記スピーカ16a、16bは、防水性の図示しない振動板を有する一般的なスピーカが使用され、振動板がボイスコイル(図示せず)で振動させられることにより、浴室1内に主として中高音を再生するように構成されている。そして、このスピーカ16a、16bは、バスタブ5の背足方向(天井パネル4の曲線方向)と直交する方向の左右両側となる前記側壁4a、4bの壁パネル3b側に、図示しない外周縁のフランジをねじ等によって固定することにより取り付けられている。
【0016】
また、前記アクチュエータ17は、図2に示すように、駆動コイル部19と固定板20及びカバー21等で構成され、駆動コイル部19は、ケース22内に内蔵されたボイスコイルユニット24及びマグネット25等を有している。ボイスコイルユニット24は、ケース22にダンパー26を介して嵌挿支持されたセンターポール27を有し、このセンターポール27とアウターポール28間に前記マグネット25が介装されている。なお、固定板20はケース22の外形より所定寸法大きく設定され、アウターポール28は固定板20上に設けられたベース29にサスペンション30を介して弾性支持されている。
【0017】
そして、ボイスコイルユニット24に、該ユニット24に接続されたコードユニット31を介して、前記コントロールユニット18から音楽等の低音信号に応じた交流信号が供給されることにより、ボイスコイルユニット24で誘起される磁束でマグネット25及びアウターポール28等、すなわち駆動コイル部19が振動し、この振動がサスペンション30を介してベース29や固定板20に伝達されるように構成されている。
【0018】
このように構成されたアクチュエータ17は、バスタブ5の通常入浴時に背側(半身浴時に足側)となる壁パネル3dに設けられた取付穴33に埋設状態で取り付けられる。すなわち、壁パネル3dにケース22の外形と略同一形状の取付穴33を形成し、この取付穴33に壁パネル3dの表側からケース22を嵌挿し、コードユニット31を例えば壁パネル3dの裏側を配線してコントロールユニット18に接続すると共に、ケース22より径大な固定板20を壁パネル3dの内面(浴室1内側)に当接させる。
【0019】
そして、この状態で固定板20の固定孔20aを利用して木ねじ等で固定板20を壁パネル3dに固定してアクチュエータ17を壁パネル3dに取り付け、このアクチュエータ17の固定板20をカバー21で覆い、例えば図示しない凹凸部を利用したりねじ等により固定する。この時、カバー21の表面の意匠を壁パネル3dの表面と同一に設定することで、カバー21自体を目立たないようにでき、またカバー21に壁パネル3dとは異なる意匠を施すことで、壁パネル3dに意匠上のアクセントを与えることもできる。このカバー21の取り付けにより、アクチュエータ17の浴室1の壁パネル3dへの設置が完了する。
【0020】
なお、アクチュエータ17の取付穴33への取り付け時に、取付穴33の内径をケース22の外形と同一か僅かに小さく形成し、ケース22を取付穴33に接着性を有するシール剤(図示せず)を介して押し込むことにより、ケース22を取付穴33にシール性を確保しつつ密着状態で取り付ける。この場合、取付穴33の一部に溝33aを設け、この溝33aからコードユニット31を引き出すようにする。また、アクチュエータ17の壁パネル3dへの取り付けに関して、カバー21は必ずしも必要ではなく、例えばアクチュエータ17の固定板20に前述したカバー21と同等の機能を持たせることで省略することもできる。
【0021】
前記コントロールユニット18は、図示しないアンプやトーンコントロール回路等を有し、後述する再生機器35で再生される音楽等の主として中高音をスピーカ16a、16bを介して浴室1内に所定音量で再生すると共に、音楽等の低音をアクチュエータ17を介して浴室1内に所定音量で再生するようになっている。
【0022】
この音響装置15の使用は、図3に示すように、先ず、前記コントロールユニット18に接続され脱衣場36の壁パネルに設けられた入力端子37に、CD・MDプレーヤ、カセットデッキ、チューナ等の再生機器35を接続する。そして、この状態で、浴室1内のリモコン38が入浴者により操作されると、再生機器35が自動的に作動して、その音楽がコントロールユニット18を介しスピーカ16a、16bやアクチュエータ17によって浴室1内に再生される。
【0023】
この時、音楽の中高音領域は、主として入浴者の上方に配置された左右のスピーカ16a、16bで明瞭にステレオ再生され、音楽の低音領域は、アクチェエータ17の振動による比較的大きな面積でかつ所定の硬度を有する壁パネル3dの振動によって重量感のある音として再生される。特に、アクチュエータ17が壁パネル3dのバスタブ5の上縁5aより上方で一対のスピーカ16a、16bの間に埋設状態で取り付けられていることから、壁パネル3dの略全体を振動板としかつ浴室1内の略全空間を音響空間とすることができて、浴室1内に鮮度の高い良好な低音が再生されることになる。
【0024】
このように、上記実施形態の浴室1にあっては、天井パネル4の側壁4a、4bに主として中高音を再生するスピーカ16a、16bが取り付けられ、壁パネル3dに低音再生用のアクチュエータ17が取り付けられているため、3チャンネル再生方式で浴室1内に音質的に優れた音楽等を再生できる。特に、アクチュエータ17をバスタブ5の上縁5aより上方で壁パネル3dの略中央位置に埋設状態で取り付けていることから、アクチュエータ17の振動を広い面積の壁パネル3dに良好に伝達しつつ、浴室1内の空間全体を音響空間として有効利用できて、浴室1内に音がこもることのない鮮度の高い低音を再生することができる。
【0025】
また、アクチュエータ17が壁パネル3dの表側から取り付けられると共に、駆動コイル部19が壁パネル3dに設けられた取付穴33内に内蔵状態で取り付けられているため、カバー21や木ねじ等を外すことにより、浴室1内から容易にアクチュエータ17のメンテナンス等を行うことが可能となると共に、駆動コイル部19の振動を、壁パネル3d表面に密着する固定板20に効率的に伝達することができて、壁パネル3dをより一層効率的に振動させることができる。
【0026】
さらに、スピーカ16a、16bをバスタブ5の背足方向と直交する方向の左右両側の天井パネル4に取り付け、アクチュエータ17をバスタブ5の背側の壁パネル3dに取り付けているため、バスタブ5に入浴中の入浴者の左右両側から中高音が再生され、その間から低音が再生される状態となり、浴室1内における音質を一層向上させることができる。これらにより、3チャンネル再生方式を利用しつつ、従来の浴室では得られない音質に優れた低音の再生が可能になり、音楽によるリラクゼーション効果が得られてより一層快適な入浴が可能となる。
【0027】
また、アクチュエータ17が壁パネル3dに埋設状態で取り付けられているため、アクチュエータ17が浴室1内から明瞭に視認されることがなくなり、浴室1の壁パネル3dの見栄えの低下を防止することができる。特に、アクチュエータ17の表面側をカバー21で覆った状態で取り付け、このカバー21を壁パネル3dと同一意匠とすることにより、アクチュエータ17の取付部分の違和感の解消を図ることができたり、カバー21自体に積極的に所定の意匠を施すことにより、壁パネル3dに意匠上のアクセントを与えることも可能になる。
【0028】
なお、上記実施形態においては、アクチュエータ17を壁パネル3dに取り付けたが、本発明はこれに限定されず、例えば図1の二点鎖線で示すように、壁パネル3bや壁パネル3a等に取り付けることもでき、要は浴室1内の空間を音響空間として利用できる壁パネル3a〜3dの適宜位置に埋設状態で取り付けることができる。また、上記実施形態においては、アクチュエータ17を壁パネル3dの取付穴33に密着状態で取り付けたが、例えば図2の二点鎖線で示すように、取付穴33の内径をケース22の外形より所定寸法大きくして、両者間に隙間39を形成した状態で取り付けることもできる。
【0029】
さらに、上記実施形態においては、壁パネル3dに内外に貫通する取付穴33を形成し、この取付穴33にケース22を有するアクチュエータ17を嵌挿状態で取り付けたが、例えば壁パネル3dの板厚が比較的厚いかアクチュエータ17が小型で薄い場合は、壁パネル3dの表側に貫通しない取付穴を設け、この取付穴に壁パネル3dの表側からアクチュエータ17を取り付けるようにしても良いし、取付専用の皿状のカバー等を使用して取り付ける等、他の適宜の取付構造を採用することもできる。
【0030】
また、上記実施形態においては、スピーカ16a、16bをドーム型の天井パネル4の側壁4a、4bに取り付けたが、平板状の天井パネルの対向位置や壁パネルの対向する上部等に取り付けることも勿論可能である。また、上記実施形態における、アクチュエータ17の外形形状等の構造、浴室1自体の構造等も一例であって、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、天井もしくは壁パネルに一対のスピーカが取り付けられ、壁パネルに該壁パネルを振動させて低音を再生するアクチュエータが埋設状態で取り付けられるため、壁パネルの見栄えの低下を防止しつつ、アクチュエータの振動が広い面積の壁パネルに伝達され、浴室全体を音響空間として有効利用できて、浴室内に鮮度の高い低音を再生することができる。
【0032】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、低音再生用のアクチュエータが壁パネルの浴槽の上縁より上方に取り付けられるため、アクチュエータを壁パネルの例えば略中央部分に配置できて、壁パネルを効率的に振動させ、浴室内に一層良好な音質の低音を再生することができる。
【0033】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、 アクチュエータの駆動コイル部が壁パネルに設けられた取付穴内に位置するように壁パネルの表側から取り付けられるため、駆動コイル部の振動を効率的に壁パネルに伝達できて、一層良好な音質の低音を再生することができると共に、アクチュエータのメンテナンス等が容易となる。
【0034】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、アクチュエータがカバーで覆われた状態で壁パネルに取り付けられるため、例えばカバーに適宜意匠を付与することにより、アクチュエータ取付部の意匠的価値を向上させることができる。
【0035】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4に記載の発明の効果に加え、スピーカがバスタブの両側でアクチュエータがその略中央部分に配置されるため、バスタブに入浴中の入浴者の左右両側から中高音が再生され、その間から低音が再生される状態となり、浴室内の音質を一層向上できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる浴室音響装置を使用した浴室の概略構成図
【図2】同そのアクチュエータの取付状態の断面図
【図3】同その使用状態を示す図
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・浴室
3a〜3d・・・・・・壁パネル
4・・・・・・・・・・天井パネル
4a、4b・・・・・・側壁
5・・・・・・・・・・バスタブ
5a・・・・・・・・・上縁
15・・・・・・・・・音響装置
16a、16b・・・・スピーカ
17・・・・・・・・・アクチュエータ
18・・・・・・・・・コントロールユニット
19・・・・・・・・・駆動コイル部
20・・・・・・・・・固定板
21・・・・・・・・・カバー
22・・・・・・・・・ケース
24・・・・・・・・・ボイスコイルユニット
25・・・・・・・・・マグネット
31・・・・・・・・・コードユニット
33・・・・・・・・・取付穴
35・・・・・・・・・再生機器
38・・・・・・・・・リモコン

Claims (5)

  1. 浴室の天井もしくは壁パネルに取り付けられる一対のスピーカと、前記浴室の壁パネルに埋設状態で取り付けられ、壁パネルを振動させることにより低音を再生するアクチュエータと、を備えることを特徴とする浴室音響装置。
  2. 前記アクチュエータは、バスタブの上縁より上方の壁パネルに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の浴室音響装置。
  3. 前記アクチュエータは、駆動コイル部が壁パネルに設けられた取付穴内に位置するように壁パネルの表側から取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の浴室音響装置。
  4. 前記アクチュエータは、表面側がカバーで覆われた状態で壁パネルに取り付けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の浴室音響装置。
  5. 前記スピーカは、バスタブの背足方向と直交する方向の両端部の天井パネルもしくは壁パネル上部に取り付けられ、前記アクチュエータは、バスタブの背側もしくは足側の壁パネルに取り付けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の浴室音響装置。
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