JP2004350460A - サーボモータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ通信機能を備えたサーボモータ制御装置において、コントローラなどから供給される条件指定情報に基づいてモータへ供給する電力を制限することで、騒音周波数および騒音レベルを低下させる。
【解決手段】電動モータ式アクチュエータ30Aの制御装置40は、ポテンショメータ31で検出したアクチュエータの回動位置(例えばカーエアコンのミックスドアの開度)に基づいてドア開度等を目標値に制御する。制御装置40は、コントローラ100側から供給されるモータ運転条件指定情報に基づいてPWM制御のデューティ比を設定し、電動モータ30に供給する電力の上限を例えば70%に制限する。モータへ供給する電力を制限し、モータ回転数を低下させることで、電動モータ式アクチュエータ30Aが発生する騒音周波数を低くするとともに騒音レベルを低下させる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、データ通信機能を備えたサーボモータ制御装置に係り、詳しくは、上位装置等から供給される条件指定情報に基づいてモータへ供給する電力を制限できるようにしたサーボモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の空調ユニット内に配設された各種のドアに対して、ドアを駆動するモータと、ドアの現在位置を電圧として出力する位置検出部と、与えられた目標位置データと位置検出部の出力とに基づいてモータを制御する制御部とを備えた同種の複数のアクチュエータを設け、これら同種の複数のアクチュエータをシリアル通信を使って制御手段によって統合制御するようにした自動車用空調システムは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
モータの回転速度がパルスのデューティ比により変化されるようにしたデューティ制御によるモータ制御部を備える多重通信装置は、従来から知られている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−48741号公報
【特許文献2】
特開平8−186881号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
自動車用空気調和装置(カーエアコン)等では、各種のドア(例えば、インテークドア、エアミックスドア、モードドア等)に対応して電動モータ式アクチュエータがそれぞれ設けられている。ドアを開閉駆動するために必要なトルク等は、ドアの種類によって異なる。このため、負荷の重いドアを駆動できるだけのモータ出力を有するモータ(直流モータ)を用いている。
【0006】
そこで、軽負荷のドアに対しては定格出力が小さい小型のモータを用いることで、電動式モータアクチュエータの小型化や経済化を図ることが考えられる。ところが、小型のモータは定格回転数が大きいものが多く、モータ運転音(騒音)の周波数も高い。さらに、小型のモータの中には、回転数が大きいためにモータ運転音(騒音)の周波数が高くなるだけでなく、そのレベル(騒音レベル)が大きいものがある。
【0007】
このためモータの違いによってアクチュエータ動作時の騒音の周波数が異なることがある。複数のアクチュエータの動作状態によって、騒音周波数が変化したり、2種類の周波数の騒音が同時に発生したりすると、使用者等に違和感を与える虞れがある。
【0008】
そこで、小型モータを採用する電動モータ式アクチュエータに、モータへ供給する電圧(または供給する電力)を低下させるための電圧規制回路等を設け、モータ供給電圧(または供給電力)を低くすることでモータの回転数を低下させ、モータ運転時の騒音周波数を低くすることが考えられる。しかし、電圧規制回路等の追加はコストアップとなるだけでなく、その実装スペースが必要となる。このため、電動モータ式アクチュエータを思ったほど小型化できない。
【0009】
前述したように各種ドアに対して1種類の電動モータ式アクチュエータをそれぞれ設ける従来の構成では、負荷の重いドアを駆動できるだけのモータ出力を有するモータが使用される。このため、負荷の軽いドアを開閉駆動する場合には、モータに必要以上の電力が供給されていることがある。モータ出力が比較的大きいモータを備えたアクチュエータで、軽負荷を駆動する場合にはモータに供給する電力を低減して、電力消費量を低減することができる場合がある。
【0010】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、モータに供給する電力を外部から選択的に指定することのできるサーボモータ制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係るサーボモータ制御装置は、電動モータを有する電動モータ式アクチュエータを駆動するサーボモータ制御装置であって、シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、受信した情報の中に含まれるモータ運転条件指定情報に基づいて電動モータに供給する電力を変更するモータ供給電力変更手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
なお、モータ供給電力変更手段は、電動モータへ供給する電力をPWM制御によって変更するのが望ましい。この場合、モータ供給電力変更手段は、モータ運転条件指定情報とデューティ比との対応テーブルを備え、モータ運転条件指定情報に対応するデューティ比を上限とすることで電動モータへ供給する電力を制限するようにしてもよい。
【0013】
この発明に係るサーボモータ制御装置は、電動モータ式アクチュエータの電動モータ(以下、単にモータと記す)へ供給する電力を変更することができる。モータへの供給電力の変更は、サーボモータ制御装置にシリアルデータ通信によってモータ運転条件指定情報を供給することでなされる。
【0014】
この発明に係るサーボモータ制御装置を小型のモータを備えた電動モータ式アクチュエータの駆動制御に用いる場合、PWM制御におけるデューティ比の最大値を例えば70パーセントに設定し、モータへ供給する電力の上限を定格電力の70パーセントに制限する。これにより、小型のモータの回転数を低下させて、モータの運転に伴って発生する騒音の周波数を低くすることができる。したがって、他の電動モータ式アクチュエータが発生する騒音の周波数と小型のモータを採用した電動モータ式アクチュエータが発生する騒音の周波数とを略一致させることができる。これにより、騒音の周波数が異なることで聴感フィーリングが悪くなることや使用者等に違和感を与えるのを解消できる。
【0015】
電動モータ式アクチュエータで駆動される負荷が軽い場合には、モータへ供給する電力を低下させることで、節電を図ることができる。また、モータへ供給する電力を低下させることで、電動モータ式アクチュエータが発生する騒音のレベルを低下させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1はこの発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置の本体の構成を概念的に示した図である。この図1において、1は自動車用空気調和装置の本体であり、この本体1は、一般の自動車用空気調和装置と同様、外気または内気を選択的に取り入れるインテークユニット2と、取り入れ空気を冷却するクーリングユニット3と、取り入れ空気を調和して温調した後にこの調和空気を車室内に吹き出すヒータユニット4とから構成されている。
【0018】
インテークユニット2には外気を取り入れる外気取入口5と内気を取り入れる内気取入口6とが開設されており、これら取入口5,6の接続部にはユニット内に取り入れる外気と内気の割合を調節するインテークドア(被駆動機構)7が回動自在に設けられている。このインテークドア7は、図2に示す電動モータ式アクチュエータ30Aによって回動される。
【0019】
図2はこの発明に係るサーボモータ制御装置によって駆動される電動モータ式アクチュエータの一具体例を示す図である。電動モータ式アクチュエータ30Aは、電動モータ30と、電動モータ30の出力軸30bに装着されたウオーム30cと、ウオーム30cに噛合された減速ギア列機構30eと、ウオーム30cおよび減速ギア列機構30eを介して回動されるアクチュエータレバー30Lとを備えている。そして、アクチュエータレバー30Lの回動を図示しないリンク機構を介して図1に示したインテークドア7へ伝達することで、インテークドア7を回動させるようにしている。また、インテークドア7の回動位置は、ポテンショメータ31によって検出されるようにしている。
【0020】
図1に示すように、インテークユニット2は、ファンモータ9によって所定の速度で回転されるファン10を備えている。このファン10の回転によってインテークドア7の位置に応じて外気取入口5または内気取入口6からそれぞれ外気または内気が選択的に吸入され、また、ファンモータ9への印加電圧を可変してファン10の回転速度を変えることによって車室内に吹き出される風量が調節される。インテークドア7が図中のA位置にあるときは外気導入(FRE)となり、図中のB位置にあるときは内気循環(REC)となる。
【0021】
クーリングユニット3には冷凍サイクルを構成するエバポレータ11が内設されており、図示しないコンプレッサを動作させることによってエバポレータ11に冷媒が供給され、この冷媒との熱交換により取り入れ空気が冷却される。
【0022】
ヒータユニット4にはエンジン冷却水が循環されるヒータコア12が内設されており、このヒータコア12の上流側にはヒータコア12を通過する空気の量とヒータコア12を迂回する空気の量との比率を調節するためのミックスドア13が回動自在に設けられている。このミックスドア13もまた、上記と同様に電動モータ式アクチュエータ30Aによってリンク機構(図示しない)を介して回動される。このミックスドア13の開度を変えることによって、ヒータコア12を通過してエンジン冷却水との熱交換により加熱された温風とヒータコア12を迂回した非加熱の冷風との混合割合が可変され、車室内に吹き出される空気の温度が調節される。ミックスドア13の回動位置は、上記と同様にポテンショメータ31によって検出される。
【0023】
調節された空気はデフ吹出口15、ベント吹出口16、フット吹出口17のいずれかの吹出口から車室内に供給される。これらの吹出口15〜17にはそれぞれデフドア18、ベントドア19、フットドア20が回動自在に設けられており、図示しないリンク機構を介して電動モータ式アクチュエータ(図示しない)によって回動される。吹出モードは各吹出口15〜17の開閉状態を組み合わせることにより任意に設定される。
【0024】
図3および図4はこの発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置のシステム構成を示す図である。図3および図4は、3つの電動モータ式アクチュエータユニット、すなわち、ミックスドア13を開閉駆動するミックスドアアクチュエータユニットMIXと、吹出口を選択するモードドアを開閉駆動するモードアクチュエータユニットMODEと、インテークドア7を開閉駆動するインテークドアアクチュエータユニットF/Rとを用いたシステムを例示している。
【0025】
図3および図4に示すように、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rは、電動モータ式アクチュエータ30Aと、アクチュエータレバー30Lの回動に連動して抵抗値が変化されるポテンショメータ31と、サーボモータ制御回路40とをケース(筺体)内に組み付けてなる。各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rは、3端子のコネクタを備える。各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rとコントローラ(上位装置)100との間は、電源線とグランド(GND)線とデータ線(BUS)との3芯のケーブルで接続される。
【0026】
図4に示すように、コントローラ100側から各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに対して電源を供給する。コントローラ100と各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rとの間では、データ線(BUS)を介して双方向のシリアルデータ通信が調歩同期方式によってなされる。通信プロトコルは、LIN(Local Interconect Network)に準拠している。データ線(BUS)は、コントローラ100側のデータ入出力回路103内のプルアップ抵抗(例えば1キロオーム)Rおよび逆流防止用ダイオードDを介して正極側電源にプルアップされている。制御回路102の送信データ出力端子TXOから出力される送信データ信号に基づいてエミッタ接地されたNPN型トランジスタQをスイッチングさせることで、データの送信を行なう。データの受信は、受信データ入力端子RXIに供給されるデータ線(BUS)の電圧を所定の電圧しきい値に基づいて2値判定することでなされる。このシリアルデータ通信は、コントローラ100がマスター側となり、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rがスレーブ側となってなされる。スレーブ側は、キャラクタ同期を取るためのスタートビットを検出して、ビット情報を読み込むためのビットクロックを生成する。
【0027】
図3に示すように、コントローラ100を構成するエアコン制御回路101は、操作パネル110からの操作入力および図示しない各種温度センサ等からの入力に基づいて空気調和装置(エアコン)の動作を制御するとともに、操作パネル110に設けられている各種の表示器に動作状態等を表示させる。エアコン制御回路101は、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに対してドア開度目標値データ等の指令データを送信することで各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rの動作を制御する。また、エアコン制御回路101は、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに動作状態に関する情報を送信させ、それを受信することで各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rの動作状態を監視したり診断したりする。なお、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rには、識別(ID)コード(アドレス)がそれぞれ割り当てられている。
【0028】
図5はLIN通信規格の1フレームのデータ構造を示す図、図6および図7はLIN通信規格の1フレーム内の各フィールドのデータ構造を示す図である。図5に示すように、LIN通信規格の1フレームは、シンクブレークフィールド(Synch Break)、シンクフィールド(Synch)、IDフィールド(ID)、データ1フィールド(DATA1)、データ2フィールド(DATA2)、チェックサムフィールド(Checksum)とからなる。
【0029】
図6(a)に示すように、シンクブレークフィールドは、少なくとも13ビット期間の間Lレベルが継続した後に、少なくとも1ビット期間の間Hレベルとなるよう構成されている。
【0030】
図6(b)に示すように、シンクフィールドは、スタートビットと、ビット同期信号として16進表記で「55」Hのデータと、少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。
【0031】
図6(c)に示すように、IDフィールドは、スタートビットと、通信相手を選択指定するための4ビットの識別コード領域(ID0〜ID3)と、2ビットの受信要求/送信要求の指定領域(ID4,ID5)と、2ビットのパリティチェックデータ(P0,P1)と、少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、このIDフィールドによって、各ドアアクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rのいずれかが指定されるとともに、DATA1フィールド以降の動作モード(ドアアクチュエータユニットがコントローラ100側から各種の指令を受け取る受信動作モードとなるか、ドアアクチュエータユニット側が動作状態等をコントローラ100側へ送信する送信動作モードとなるか)が指定される。
【0032】
図7(d)に示すように、データ1フィールドは、スタートビットと、8ビットのデータ(D0〜D7)と少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、IDフィールドで受信要求を指定した場合には、このデータ1フィールドを用いてコントローラ100側(マスター側)からサーボモータ制御回路40側(スレーブ側)に、ドア開度を指定するデータ(目標値データ)を供給する。IDフィールドで送信要求を指定した場合には、このデータ1フィールドを用いてサーボモータ制御回路40側(スレーブ側)からコントローラ100側(マスター側)に、現在のドア開度のデータ(現在位置データ)を供給する。
【0033】
図7(e)に示すように、データ2フィールドは、スタートビットと、8ビットのデータ(d0〜d7)と少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、IDフィールドで受信要求を指定した場合には、このデータ2フィールドを用いてコントローラ100側(マスター側)からサーボモータ制御回路40側(スレーブ側)に、通信エラーフラグクリア要求、ダイアグフラグクリア要求、出力PWM制御要求、PWMトルク制御時間設定要求、モータ緊急停止要求、モータ強制動作要求等の各種の指令を供給する。IDフィールドで送信要求を指定した場合には、このデータ2フィールドを用いてサーボモータ制御回路40側(スレーブ側)からコントローラ100側(マスター側)に、過電流検知フラグ、モータ停止中フラグ、モータ正転フラグ、モータ逆転フラグ、受信IDパリティエラーフラグ、過温度検知フラグ、受信サムチェックエラーフラグ、過電圧検知フラグ等の運転状態や異常検知に関する情報を供給する。
【0034】
図7(f)に示すように、チェックサムフィールドは、スタートビットと、8ビットのデータ(C0〜C7)と少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、このチェックサムデータとして、データ1フィールドとデータ2フィールドのデータを加算し、さらに、加算結果のキャリーを加算した結果の8ビットの反転データを送信する。
【0035】
図8はこの発明に係るサーボモータ制御装置のブロック構成を示す図である。サーボモータ制御回路40は、サーボモータ制御IC50を用いて構成されている。このサーボモータ制御IC50は、直流モータの制御用として開発した専用IC(カスタムIC)であり、例えば同一半導体チップ上にバイポーラ素子とC−MOS素子とD−MOS素子を形成することのできるBiCDMOSプロセスを用いて製造されている。
【0036】
このサーボモータ制御IC50は、イグニッションスイッチやアクセサリスイッチ等を介して供給されるバッテリ電源Vaccから電力の供給を受けて例えば5ボルトの安定化電源Vrefを生成する定電圧電源回路51と、この定電圧電源回路51を保護する内蔵電源保護回路52と、LIN信号(シリアル通信信号)の入出力を行なうLIN入出力回路53と、識別コード(IDコード)を設定するためのID入力回路54と、通信処理やモータの運転制御等の各種処理・制御を行なうロジック回路部55と、モータ30に電力を供給するHブリッジ回路56と、バッテリ電源Vaccの過電圧を検出する過電圧検出回路57と、モータ電流の過電流およびHブリッジ回路56を構成する各電力用スイッチング素子(MOS−FET)の許容範囲を越える温度上昇(過温度)を検出する過電流・過温度検出回路58と、ポテンショメータ31の出力電圧(ドア開度に対応した電圧)をデジタルデータへ変換するA/D変換部59とを備える。
【0037】
VDDはHブリッジ回路56用のバッテリ電源Vaccの電源端子、Vccは電流制限抵抗R1によって電流制限されたバッテリ電源Vaccの電源端子、C1は電源安定化用コンデンサ、GNDはグランド電源端子である。VID0〜VID3は識別コード(IDコード)を設定するための入力端子である。本実施の形態では、識別コード(IDコード)は4ビット構成としており、最大で16通りの識別コード(言い換えればアドレス)を設定できる。これらのID入力端子VID0〜VID3をグランドに接続することでLレベル(論理0)を設定でき、オープン状態でHレベル(論理1)を設定できる。Vbusはシリアル通信信号(具体的にはLIN通信信号)の入出力端子、すなわちデータ線(BUS)の接続端子である。M+およびM−はHブリッジ回路55の出力端子であり、モータ30との接続端子である。VRは安定化電源Vrefの出力端子であり、ポテンショメータ31の一端側と接続される。Vpbrはポテンショメータ31の出力電圧(ドア開度に対応した電圧)の入力端子である。V12Vは電流制限されたバッテリ電源であり、この電源V12VはLIN入出力回路53に供給される。
【0038】
図9はサーボモータ制御装置のロジック回路部55の一具体例を示す図である。LIN通信処理部61は、LIN入出力回路53から供給される受信信号RXを解読し、IDフィールドのパリティチェック結果が正常であり、受信したIDコードが自己のIDコードと一致しており、かつ、IDフィールド内のID4,ID5の2ビットによって受信要求が指定されている場合、データ1フィールド、データ2フィールド、チェックサムフィールドの各8ビットのデータをそれぞれ仮レジスタ等に一時保存する。そして、一時保存した各データに対してサムチェックを行なって誤りがないことをチェックした後に、データ1フィールドの8ビットのドア指示開度データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62に供給するとともに、通信成立トリガ信号62aを出力して、ドア指示開度データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62にラッチさせる。この際、新指示データラッチ回路61に格納されていた先のドア指示開度データ(目標値データ)は、旧指示データラッチ回路63にシフトされる。
【0039】
なお、LIN通信処理部61は、IDフィールドのパリティチェック結果にエラーが生じた場合には、受信IDパリティエラーフラグをセットする。また、LIN通信処理部61は、サムチェックの結果にエラーが生じた場合には、受信サムチェックエラーフラグをセットする。
【0040】
第1の比較回路64は、新たなドア指示開度データ(目標値データ)と旧指示開度データとを比較し、その比較結果(不一致出力)を動作許可トリガ信号生成部65に供給する。動作許可トリガ信号生成部65は、新旧の指示開度データが異なっている場合には、動作許可トリガ信号を生成して、動作許可/禁止信号処理部66に供給する。動作許可/禁止信号処理部66は、動作許可トリガ信号が供給されると、Hブリッジ駆動処理部67に動作許可信号を供給する。
【0041】
ドア開度を検出するポテンショメータ31の出力は、図8に示したA/D変換部59によって予め設定したA/D変換周期毎に8ビットのドア実開度データ(現在値データ)AD0〜AD7に変換されている。
【0042】
図9に示すフィルタ処理部68は、時系列上で連続する所定個数のドア実開度データ(現在値データ)AD0〜AD7の平均値を求める等の処理を行なった結果をフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)として出力する。
【0043】
CW、CCW、HOLD指示信号生成部69は、ドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)とを比較し、両者の偏差に基づいてモータ30の回転方向を決定する。そして、CW、CCW、HOLD指示信号生成部69は、モータ30を正転方向(CW:時計方向)に駆動させてドアを開方向に駆動させるのか、モータ30を逆転方向(CCW:反時計方向)に駆動させてドアを閉方向に駆動させるのかを指示する回転方向指示信号(CW,CCW)を生成して出力する。また、CW、CCW、HOLD指示信号生成部69はドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)とが略一致した場合には、現在位置の保持を指示するHOLD信号を生成・出力して、モータ30の駆動を停止させることで、ハンチング現象の発生を防止している。
【0044】
Hブリッジ駆動処理部67は、回転方向指示信号(CW,CCW)に基づいてHブリッジ回路56の各アームを構成する各電力用スイッチング素子(例えばMOS−FET)の駆動信号Out1〜Out4を生成して出力する。これにより、図8に示したHブリッジ回路56からモータ30に電力が供給され、モータ30の駆動がなされる。なお、Hブリッジ駆動処理部67は、モータ30の起動時にはPWM制御によってモータ30に供給する電力を徐々に増加させるソフトスタート制御を行なって、モータ起動時の騒音を軽減させるようにしてもよい。また、モータ30を停止させる際にも、PWM制御によってモータ30に供給する電力を徐々に増低減せるソフトストップ制御を行なって、モータ停止時の騒音を軽減させるようにしてもよい。
【0045】
第2の比較回路70は、ドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)と比較し、その比較結果(一致出力)を動作禁止信号生成部71に供給する。動作禁止信号生成部71は、現在のドア開度が目標値に一致している場合には、動作禁止信号を生成して出力する。この動作禁止信号は、動作許可/禁止信号処理部66に供給される。動作許可/禁止信号処理部66は、動作禁止指令をHブリッジ駆動処理部67に供給して、モータ30の駆動を禁止させる。
【0046】
過電流・過温度・過電圧処理部72は、過電圧検出回路57からの過電圧検出信号Ec、過電流・過温度検出回路58からの過電流検出信号Ecおよび過温度検出信号Etのいずれかが供給されると、それらの異常に対応したフラグをセットするとともに、異常発生を示す情報を動作許可/禁止信号処理部66に供給する。動作許可/禁止信号処理部66は、異常発生を示す情報が供給されると、動作禁止指令をHブリッジ駆動処理部67に供給して、モータ30の駆動を禁止させる。
【0047】
LIN通信処理部61は、IDフィールドのパリティチェック結果が正常であり、受信したIDコードが自己のIDコードと一致しており、かつ、IDフィールド内のID4,ID5の2ビットによって送信要求が指定されている場合には、フィルタ処理後の8ビットのドア実開度データ(現在値データ)をデータ1フィールドで送信するデータとしてセットし、また、データ2フィールドで送信するデータとして次のものをセットする。例えば、データ2フィールドの最下位ビットd0に過電流検知フラグ、2番目のビットd1にモータ停止中フラグ、3番目のビットd3にモータ回転方向が正転方向(CW)であることを示すCWフラグ、4番目のビットd3にモータ回転方向が逆転方向(CCW)であることを示すCCWフラグ、5番目のビットd4に受信IDパリティエラーフラグ、6番目のビットd5に過温度検知フラグ、7番目のビットd6に受信サムチェックエラーフラグ、最上位ビットd8に過電圧検知フラグをそれぞれセットする。そして例えば、データ1フィールドで送信するデータとデータ2フィールドで送信するデータとの加算結果にその加算によって生じたキャリーデータを加算した結果の反転データを求め、これをチェックサムフィールドで送信するチェックサムデータとする。
【0048】
そして、LIN通信処理部61は、IDフィールドが終了した時点後に速やかに(例えば2ビット期間までの間に)、データ1フィールド、データ2フィールド、チェックサムフィールドのデータを順次送信する。これにより、ドア実開度データ(現在位置データ)、モータの回転方向やモータ停止中であるかのモータ運転状態の情報、および、過電流、過電圧、過温度の異常検出情報、ならびに、データ受信時のエラー発生情報が上位装置(マスター側)であるコントローラ100へ供給される。
【0049】
したがって、コントローラ100は、サーボモータ制御回路40の動作を詳細に診断することが可能となる。また、コントローラ100は、サーボモータ制御回路40の過負荷を予測し、サーボモータ制御装置の動作を停止させる指令を発したりすることで、サーボモータ制御回路40や電動式モータアクチュエータ30Aの破損を防止することも可能となる。
【0050】
前述したように、LIN通信処理部61は、LIN入出力回路53から供給される受信信号RXを解読し、IDフィールドのパリティチェック結果が正常であり、受信したIDコードが自己のIDコードと一致しており、かつ、IDフィールド内のID4,ID5の2ビットによって受信要求が指定されている場合、データ1フィールド、データ2フィールド、チェックサムフィールドの各8ビットのデータをそれぞれ仮レジスタ等に一時保存する。そして、一時保存した各データに対してサムチェックを行なって誤りがないことをチェックした後に、データ1フィールドの8ビットのドア指示開度データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62に供給するとともに、通信成立トリガ信号61aを出力して、ドア指示開度データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62にラッチさせる。この際、既に新指示データラッチ回路61に格納されていた先のドア指示開度データ(目標値データ)は、旧指示データラッチ回路63にシフトされる。
【0051】
次に、LIN通信処理部61は、データ2フィールドの内容を解読して処理する。前述したように、IDフィールドで受信要求が設定されている場合、データ2フィールドを用いてコントローラ100側(マスター側)からサーボモータ制御回路40側(スレーブ側)に対する各種の要求が供給される。
【0052】
本実施の形態では、データ2フィールドの最下位ビットd0によって通信エラーフラグクリア要求が供給される。LIN通信処理部61は、最下位ビットd0の論理が「1」である場合には、受信IDパリティエラーフラグおよび受信サムチェックエラーフラグをそれぞれクリアし、最下位ビットd0の論理が「0」である場合には各フラグの状態を変更しない。
【0053】
データ2フィールドの2番目のビットd1によってダイアグフラグクリア要求が供給される。LIN通信処理部61は、2番目のビットd1の論理が「1」である場合には過電流検知フラグ、過温度検知フラグ、過電圧検知フラグを全てクリアし、2番目のビットd1の論理が「1」である場合には各フラグの状態を変更しない。
【0054】
データ2フィールドの3番目のビットd2によって出力PWM制御要求が供給される。ここで、出力PWM制御とは、モータの起動時にPWM制御のデューティ比を徐々に増加させることでモータをソフトスタートさせ、また、ドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)との偏差が予め設定した値以下となった場合には、PWM制御のデューティ比を徐々に減少させることでモータをソフトストップさせることである。3番目のビットd2の論理が「1」である場合にはソフトスタートおよびソフトストップの制御が要求され、論理が「0」である場合にはソフトスタートおよびソフトストップの制御が不要である。LIN通信処理部61は、ソフトスタートおよびソフトストップの制御を行なうか否かの情報をPWMデータマップ(デューティ比対応テーブル)73へ供給する。
【0055】
データ2フィールドの4番目のビットd3によってPWMトルク制御時間設定要求が供給される。ここで、PWMトルク制御時間とは、出力PWM制御によってソフトスタートを行なう時間のことである。具体的には、ソフトスタートを行なう際にデューティ比を0または最小デューティ値から100パーセントへ変化させるまでの時間のことである。なお、ソフトストップは、ドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)との偏差に基づいてデューティ比を設定するようにしている。
【0056】
本実施の形態では、4番目のビットd3の論理が「1」である場合には500ms(ミリ秒)が設定され、論理が「0」である場合には250ms(ミリ秒)が設定される。LIN通信処理部61は、出力PWM制御(ソフトスタート制御)を行なう際の制御時間に関する情報TsoftをPWMデータマップ(デューティ比対応テーブル)73へ供給する。出力PWM制御(ソフトスタート制御)を行なう際の制御時間に関する情報(出力PWM制御時間情報)Tsoftは、PWMデータマップ(デューティ比対応テーブル)73を介してHブリッジ駆動処理部67へ供給される。なお、LIN通信処理部61は、この出力PWM制御時間情報TsoftをHブリッジ駆動処理部67へ直接供給するようにしてもよい。
【0057】
データ2フィールドの5番目のビットd4および6番目のビットd5によってモータ運転条件指定情報が供給される。ここで、モータ運転条件とは、PWM制御によってモータに供給する電力の上限を制限するか否か、また、出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なう場合にのみモータに供給する電力の上限を制限するか、または、出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なわない場合でもモータに供給する電力の上限を制限するかを設定するものである。モータに供給する電力の制限は、PWM制御におけるデューティ比に上限を設定することで行なう。
【0058】
本実施の形態では、5番目のビットd4の論理が「1」である場合にはデューティ比の上限値が約70パーセントに設定され、論理が「0」である場合にはデューティ比の上限値が100パーセントに設定される。また、6番目のビットd5の論理が「1」である場合には出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なう場合にのみモータに供給する電力の上限を制限することが設定され、論理が「0」である場合には常に(出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なわない場合でも)モータに供給する電力の上限を制限することが設定される。
【0059】
なお、出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なう場合にのみモータに供給する電力の上限を制限するものとし、ビットd4とビットd5の2ビットを用いて、デューティ比の上限値を例えば100,約94,約88,約75パーセントの4段階に切り替えるようにしてもよい。また、常に(出力PWM制御(ソフトスタート・ソフトストップ制御)を行なわない場合でも)モータに供給する電力の上限を制限するものとし、ビットd4とビットd5の2ビットを用いて、デューティ比の上限値を例えば100,約94,約88,約75パーセントの4段階に切り替えるようにしてもよい。
【0060】
LIN通信処理部61は、モータ運転条件指定情報MJをPWMデータマップ(デューティ比対応テーブル)73へ供給する。PWMデータマップ(デューティ比対応テーブル)73は、モータ運転条件指定情報MJで指定された運転条件のPWMデータマップをHブリッジ駆動処理部67に供給する。なお、LIN通信処理部61は、モータ運転条件指定情報MJをHブリッジ駆動処理部67へ直接供給するようにしてもよい。この場合、Hブリッジ駆動処理部67は、PWMデータマップ73にアクセスして、モータ運転条件指定情報MJで指定された運転条件に該当するPWMデータマップを取り込む。
【0061】
データ2フィールドの7番目のビットd6によってモータ緊急停止要求が供給される。7番目のビットd6の論理が「1」の場合、モータへの給電が強制的に遮断される。7番目のビットd6の論理が「0」の場合、モータへの給電が強制遮断されている状態が解除され、モータへの給電が可能な状態(通常の動作状態)となる。LIN通信処理部61は、モータ緊急停止要求Kspを動作許可/禁止信号処理部66へ供給する。モータを緊急停止させた後に、モータを再度回転させる場合は、次のモータ強制動作要求を用いる。なお、モータを緊急停止させた後に再度回転させる場合には、以前とは異なる指示開度データを与えるようにしてもよい。
【0062】
データ2フィールドの最上位のビットd7によって、モータ強制動作要求が供給される。最上位ビットの論理が「1」の場合、モータへの給電が強制的に開始される。最上位ビットの論理が「0」の場合、通常の動作状態となる。LIN通信処理部61は、モータ強制動作要求Kstを動作許可/禁止信号処理部66へ供給される。
【0063】
なお、本実施の形態では、特許請求の範囲に記載したシリアルデータ通信部を、LIN入出力回路53とロジック回路部55とで構成している。特許請求の範囲に記載した受信処理部をロジック回路部55内のLIN通信処理部61によって構成している。また、特許請求の範囲に記載したモータ供給電力変更手段を、Hブリッジ回路56とロジック回路部55内のHブリッジ駆動処理部67とPWMデータマップ73とから構成している。
【0064】
図10はPWM制御によってモータへ供給する電力を16段階に切り替える例を示す図である。本実施の形態では、デューティ比(Duty)を1/16〜16/16までの16段階とし、括弧内に示した16進表記のデューティ比指定データによって各デューティ比(Duty)を指定するようにしている。また、PWM制御の1変調周期Tを前半・後半の2区間(T/2)に区分けし、モータへ通電する区間を前半・後半で交互に増加させていくようにしている。これにより、デューティ比(Duty)2/16以上では、モータへの通電周期がT/2となる。したがって、モータ出力のトルク変動(脈動)を軽減できる。
【0065】
図11はモータ起動時のソフトスタート用PWMデータマップの一例を示す図である。PWMデータマップ73には、図11に示すように、立ち上がりカウンタのカウント値とデューティ比指定データとの対応を示すマップまたはテーブルが予め登録されている。このPWMデータマップ73には、デューティ比の上限を100パーセントにする場合のデューティ比指定データ、およびデューティ比の上限を約70パーセントにする場合のデューティ比指定データがそれぞれ格納されている。なお、図11において、立ち上がりカウンタのカウント値の括弧内は16進表記での表現である。また、出力データ(デューティ比指定データ)は16進表記である。
【0066】
Hブリッジ駆動処理部67は、モータを起動させる場合には、PWMトルク制御時間に基づいて決定される周期毎に立ち上がりカウンタ(図示しない)のカウント値を+1(インクリメント)し、そのカウント値に対応したデューティ値をPWMデータマップ73から読み出し、読み出したデューティ値に基づいてPWM変調された駆動信号Out1〜Out4を生成してHブリッジ回路56に供給し、Hブリッジ回路56内の各アームを構成する電力用スイッチング素子(例えばMOS−FET)を介して電動モータ30へ電力を供給させる。
【0067】
Hブリッジ駆動処理部67は、ソフトスタート処理を終了した時点で、ドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差が16以上(目標値−現在値≧16)である場合は、データ2フィールドのd4,d5で指定される条件(モータ運転条件指定情報)でモータ30への電力供給を行なう。すなわち、デューティ100%が設定されているときは、電動モータ30への電力供給を連続して行なう。デューティ約70%が設定されているときは、デューティ約70%でPWM駆動する。これにより、電動モータ30へ供給される電力は定格電力(連続通電時の電力)の約70%に制限される。したがって、電動モータの回転数は定格回転数よりも低くなって、騒音の周波数も低くなる。さらに、騒音レベルも低下する。
【0068】
Hブリッジ駆動処理部67は、ドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差が15以下(目標値−現在値≦15)になると、ソフトストップ処理を行なう。なお、ソフトストップ処理は、出力PWM制御要求が設定されている場合にのみ実行する。Hブリッジ駆動処理部67は、出力PWM制御要求が設定されていない場合は、ドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差がゼロになるように通常のサーボ制御を実行する。
【0069】
図12はソフトストップ用PWMデータマップの一例を示す図である。PWMデータマップ(デューティ比対応テーブル)73には、目標値と現在値との差(目標値−現在値)に対応してデューティ比設定データが予め登録されている。このPWMデータマップ73には、デューティ比の上限を100パーセントにする場合のデューティ比指定データ、およびデューティ比の上限を約70パーセントにする場合のデューティ比指定データがそれぞれ格納されている。なお、図12において、目標値と現在値との差(目標値−現在値)の欄で括弧内は16進表記での表現である。また、出力データ(デューティ比指定データ)は16進表記である。
【0070】
Hブリッジ駆動処理部67は、PWMデータマップ(デューティ比対応テーブル)73から目標値と現在値との差(目標値−現在値)に対応してデューティ比設定データを読み出して、読み出したデューティ値に基づいてPWM変調された駆動信号Out1〜Out4を生成してHブリッジ回路56に供給し、Hブリッジ出力56内の各アームを構成する電力用スイッチング素子(例えばMOS−FET)を介して電動モータ30へ電力を供給させる。目標値と現在値との差が小さくなるほど、電動モータ30に供給する電力をより小さくしていくので、目標値またはその近傍に精度良く停止させることができる。また、モータ停止時の騒音を低減することができる。
【0071】
図13はソフトスタート・ソフトストップ制御を行なった場合のモータ起動時からモータ停止時までのデューティ比の変化特性を示すグラフである。なお、デューティ比と電動モータに供給される電力とは比例関係にあるので、図13のグラフは電動モータに供給される電力の変化特性を示していることになる。なお、図13(a)はモータ起動時からモータ停止時までのデューティ値の変化特性を示しており、図13(b)はモータ起動時のソフトスタート制御中にドア開度目標値とドア実開度(現在値)との差が所定値以下となったことによって、ソフトスタート制御の途中からソフトストップ制御に移行した場合のデューティ比の変化特性を示している。
【0072】
図13(a)に示すように、ドア開度目標値が設定されると、図11に示したソフトスタート用のPWMデータマップに基づいてモータ起動(ソフトスタート制御)がなされる。ドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差が16以上(目標値−現在値≧16)である間は、データ2フィールドのd4,d5で指定される条件(モータ運転条件指定情報)でモータ30への電力供給が継続される。具体的には、図13(a)に示すように、d4=0設定時にはデューティ100%でモータへ電力が供給され(すなわち、モータへの電力供給が制限されない)、d4=1設定時にはデューティ約70%を上限としてモータ30への電力供給が制限される。
【0073】
そして、ドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差が15以下(目標値−現在値≦15)になった時点から、図12に示したソフトストップ用PWMデータマップに基づいてモータのソフトストップ制御がなされ、モータが停止される。
【0074】
なお、図13(b)に示すように、ソフトスタート制御中にドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差が15以下(目標値−現在値≦15)になった場合は、その時点からソフトストップ制御に移行して、ソフトストップ制御によってモータを停止させる。
【0075】
図14はこの発明に係るサーボモータ制御装置で電動モータ式アクチュエータを駆動した際の騒音レベルの測定結果を示すグラフである。図14において、実線はPWM制御なし(ソフトスタート・ソフトストップ制御なし)の従来の駆動方式の騒音特性である。従来の駆動方式は、ソフトスタート・ソフトストップ制御を行なっていないので、モータ起動時および停止時の騒音レベルが大きい。
【0076】
点線は、PWM制御あり(ソフトスタート・ソフトストップ制御あり、PWM制御時間Tsoft=250ms)で、デューティ100%(モータへの供給電力を制限しない)の条件で駆動した際の騒音特性である。ソフトスタート・ソフトストップ制御を行なうことで、モータ起動時および停止時の騒音レベルは小さくなっている(従来の駆動方式よりも約4dB減)。
【0077】
一点鎖線は、PWM制御あり(ソフトスタート・ソフトストップ制御あり、PWM制御時間Tsoft=250ms)で、デューティ70%(モータへの供給電力を制限する)の条件で駆動した際の騒音特性である。ソフトスタート・ソフトストップ制御を行なうことで、モータ起動時および停止時の騒音レベルは小さくなっている(従来の駆動方式よりも約4〜7dB減)。また、モータへの供給電力を制限しているので、モータ運転中の騒音レベル(定常騒音)が従来方式よりも約2dB低減されている。モータへの供給電力を制限しているので、モータの回転数が低下し、そのためモータ停止時点が電力を制限しない場合よりも約1秒遅くなっている(モータ運転時間が約15%増加している)。
【0078】
なお、本実施の形態では、サーボモータ制御装置を用いて自動車用空気調和機の各種ドアの開度を制御する例について説明したが、この発明に係るサーボモータ制御装置は、ドアアクチュエータだけでなく制御対象を直線的に移動させるアクチュエータ等を含めた種々の用途に適用することができる。
【0079】
また、本実施の形態では、ロジック回路部55をハードウェァ主体の回路構成とした例を示したが、ロジック回路部55は1チップマイクロコンピュータ等を用いてプログラム制御でその機能を実現するようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明に係るサーボモータ制御装置は、上位装置から供給されるモータ運転条件指定情報に基づいてモータへ供給する電力を変更することができる。
【0081】
したがって、小型のモータを備えた電動モータ式アクチュエータに対しては、その小型のモータへ供給する電力を低く設定し、モータの回転数を低く抑えることで騒音の周波数を低くすることができる。これにより、モータの違いによって騒音の周波数が異なることで使用者等に違和感を与えることを解消できる。また、モータの回転数を低く抑えることで、騒音のレベルを低くすることができる。
【0082】
また、電動モータ式アクチュエータの負荷が軽い場合には、モータに供給する電力を低く設定することで、節電を図ることができるとともに、騒音のレベルを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置の本体の構成を概念的に示した説明図である。
【図2】この発明に係るサーボモータ制御装置によって駆動される電動式モータアクチュエータの一具体例を示す図である。
【図3】この発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置のシステム構成を示す図である。
【図4】この発明に係るサーボモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置のシステムの回路ブロック構成を示す図である。
【図5】この発明に係るサーボモータ制御装置のブロック構成を示す図である。
【図6】LIN通信規格の1フレーム内の各フィールドのデータ構造を示す図(その1)である。
【図7】LIN通信規格の1フレーム内の各フィールドのデータ構造を示す図(その2)である。
【図8】この発明に係るサーボモータ制御装置のブロック構成を示す図である。
【図9】この発明に係るサーボモータ制御装置のロジック回路部の一具体例を示す図である。
【図10】PWM制御によってモータへ供給する電力を16段階に切り替える例を示す図である。
【図11】モータ起動時のソフトスタート用PWMデータマップの一例を示す図である。
【図12】ソフトストップ用PWMデータマップの一例を示す図である。
【図13】ソフトスタート・ソフトストップ制御を行なった場合のモータ起動時からモータ停止時までのデューティ比の変化特性を示すグラフである。
【図14】この発明に係るサーボモータ制御装置で電動モータ式アクチュエータを駆動した際の騒音レベルの測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 空調機本体
7 インテークドア
13 ミックスドア
18 デフドア
19 ベントドア
20 フットドア
30 モータ(電動モータ)
30A 電動モータ式アクチュエータ
31 ポテンショメータ
40 サーボモータ制御回路
50 サーボモータ制御IC
53 LIN入出力回路
54 ID入力回路
55 ロジック回路部
56 Hブリッジ回路
57 過電圧検出回路
58 過電流・過温度検出回路
59 A/D変換部
61 LIN通信処理部
67 Hブリッジ駆動処理部
72 PWMデータマップ(デューティ比対応テーブル)
100 コントローラ
101 エアコン制御回路
102 制御回路
110 操作パネル
F/R インテークドアアクチュエータユニット
MIX ミックスドアアクチュエータユニット
MODE モードドアアクチュエータユニット

Claims (3)

  1. 電動モータを有する電動モータ式アクチュエータを駆動するサーボモータ制御装置であって、
    シリアルデータ通信部と、
    前記シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、
    受信した情報の中に含まれるモータ運転条件指定情報に基づいて前記電動モータに供給する電力を変更するモータ供給電力変更手段とを備えることを特徴とするサーボモータ制御装置。
  2. 前記モータ供給電力変更手段は、前記電動モータへ供給する電力をPWM制御によって変更することを特徴とする請求項1記載のサーボモータ制御装置。
  3. 前記モータ供給電力変更手段は、前記モータ運転条件指定情報とデューティ比との対応テーブルを備え、前記モータ運転条件指定情報に対応するデューティ比を上限とすることで前記電動モータへ供給する電力を制限することを特徴とする請求項2記載のサーボモータ制御装置。
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