JP2004350154A - 画像投射装置、画像処理装置およびその方法 - Google Patents

画像投射装置、画像処理装置およびその方法 Download PDF

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Abstract

【課題】斜め投射の場合に、投射手段のズーム位置に応じたキーストン歪み補正を容易に行う。
【解決手段】LCDパネル3の表示画像3aを、光を利用して外部のスクリーン101に投射する投射手段5と、そのズーム位置を検出する検出手段7と、画像変換手段2aとを有する。画像変換手段2aは、スクリーン上の歪み画像のサイズを変化させるように規定されたパラメータ(たとえば投射距離)を有し、その値をズーム位置で調整し、調整後のパラメータを用いてパネル表示画像3aのアドレスを生成する。入力される画像データを変換して得られたデータを、この生成したアドレスに割り当てることにより表示画像3aを生成する。歪み画像のアドレスがズーム位置の情報を含むため、いかなるズーム位置でも歪み補正の精度が高い。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル等の画像表示手段を有し、当該画像表示手段に表示した表示画像を、光を利用して外部の投射面に投射したときの投射の角度に応じて生じる投射面上の歪みを補正することができる画像投射装置、画像処理装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるプロジェクターと称される画像投射装置は、画像表示手段、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)パネルを有している。画像表示手段に画像を表示させ、その画像を外部のスクリーン等の投射面に投影する。このとき、スクリーンに対するプロジェクターからの画像の投射角度が斜めであると、本来、矩形状であるはずの画像がスクリーン上で台形状に歪む。
このため、液晶パネル上での画像を逆に歪ませてスクリーン上の画像の台形歪みを補正するいわゆるキーストン補正機能を備えた液晶プロジェクターが知られている。
【0003】
鉛直または水平のキーストン歪み補正では、スクリーン上の投射映像と逆方向に意図的に歪ませた画像を液晶パネル上で生成する。正矩形の入力画像を意図的に歪ませる画像変換は、通常、プロジェクターが有する画素数変換機能を利用して行う。たとえば、鉛直のキーストン歪み補正は、元画像の1フレーム内の単数または複数の水平ラインデータに対して、補間処理や間引き処理をディジタル的に施すことにより台形歪みの逆変換を実行させることにより実現されている。
【0004】
たとえば図14(A)に示すように、スクリーン101に向かって斜め左下にプロジェクター1を配置し、その位置からスクリーン101に画像を投射した場合、スクリーン101上では水平方向と鉛直方向の歪みが合成され投影画像が複雑に歪む。図14(A)では、この歪み画像の形状を、スクリーン101上の斜線を含む画像形状で表している。この歪み画像を正矩形の形状に補正するには、鉛直と水平の両方向でキーストン歪み補正を行う必要がある。このキーストン歪み補正によって、図14(B)に示す入力画像を元に、LCDパネル上で図14(C)に示すように意図的に逆に歪ませた表示画像が生成される。この表示画像を投射すると、図14(A)に示すように、スクリーン101でキーストン歪が相殺されたほぼ正矩形の投影画像が得られる。
【0005】
ところで、鉛直のキーストン歪みを補正することができるビデオプロジェクタにおいて、鉛直方向の投射角度および画角、すなわち鉛直および水平の投射映像の拡がり角度を検出して、キーストン歪み補正を行う技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−186538号公報(第4−第5頁等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この特許文献1にも記載されているが、キーストン歪みの度合いは、投射レンズのズーム量を変えて、ワイドモードにする場合とテレモードにする場合で異なる。換言すると、投射レンズのズーム位置あるいは画角に応じてキーストン歪み量が若干変化することがある。これは、レンズの光学パラメータをワイド側とテレ側で完全に同じにできないなどの理由による。
【0008】
図15を用いて、投射光軸がスクリーンに対し鉛直と水平の2つの方向とも垂直でない斜め投射の場合、光学パラメータの違いに応じた画像の違いを説明する。図15(A)に画角が最大のワイド設定時の光学パラメータを用いて作図した画像を、図15(B)に画角が最小のテレ設定時の光学パラメータを用いて作図した画像を、それぞれ示す。また、図15(C)は、ワイド設定画像とテレ設定画像とを比較するため、この2つの画像を重ね合わせた図であり、図15(D)に、その一部を拡大して示す。
図15(A)と図15(B)を横並びで比較すると、一見同じように見えるが、差分を見やすくするために画像同士を重ね合わせてみると、図15(C)および図15(D)に示すように、2つの画像で歪み方が異なっていることがわかる。
【0009】
以上のように、キーストン歪みを精度よく補正しようとした場合、スクリーンに投射する前のLCDパネル上に表示する画像を、レンズ系の光学パラメータなどの違いを考慮した形状で生成しなければならない。
【0010】
前述した特許文献1では、投射レンズのズーム量をキーストン歪み補正に反映させるとしているが、そのズーム量の情報はCPUで検出されてCPUに制御された画角変換回路に供給される。このとき、ラインごとの補正値をCPUで算出し、算出した補正値を元に画角変換回路により画角を変換するとしている。より詳細には、拡大されたラインの倍率Zを、ズーム量を規定する投射角度(画角)で表し、このラインを1/Z倍にすることでズーム量に応じた歪みを補正するものである。
【0011】
ところが、鉛直方向の投射角度に応じた縦キーストン歪みのみが生じている場合は、この補正方法が適用できるが、これに水平方向の投射角度に応じた横キーストン歪みが複合された斜め投射の場合、複数のラインを操作して新たな画素ラインを生成する必要がある。この場合、上記ズーム量をどのように反映させてよいかが不明である。
このように、従来のプロジェクターでは、斜めのキーストン歪み補正において投射レンズ内のズームレンズの位置(ズーム位置)をどのように反映させるかの手法が確立されていないという課題があった。
【0012】
本発明の第1の目的は、投射面に対し正面位置から水平と鉛直の両方向の角度をもって画像が投射された斜め投射の場合であっても、投射手段のズーム位置に応じた歪み補正ができる画像投射装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記画像投射装置で好適に用いることができ、投射手段のズーム位置に応じた歪み補正のための画像を生成する画像処理装置とその方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像投射装置は、画像表示手段と、当該画像表示手段の表示画像を、光を利用して外部の投射面に投射する投射手段と、前記投射手段のズーム位置を検出する検出手段と、前記投射面上の歪み画像のサイズを変化させるように規定されたパラメータを有し、当該パラメータの値を前記検出されたズーム位置で調整し、調整後のパラメータを用いて前記表示画像のアドレスを生成し、入力される画像データを変換して得られた前記表示画像のデータを前記生成したアドレスに割り当てる画像変換手段と、を有する。
好適に、前記画像変換手段が、前記投射面上の歪み画像のアドレスを、前記画像表示手段と前記投射面との相対関係情報に基づいて生成するアドレス生成手段と、前記歪み画像のアドレスと所望の画像のアドレスとの対応関係から決められる前記画像表示手段のアドレスに、投射したときに前記投射面上で歪みが補正される表示画像を補間処理により生成する補間手段と、を有し、前記アドレス生成手段が用いる前記相対関係情報に、前記投射手段のズーム位置に応じて前記歪み画像のサイズを変化させるように規定された前記パラメータを含む。
【0014】
前記パラメータは、好適に、前記ズーム位置に応じて変化するように正規化された投射距離である。また、前記パラメータは、好適に、前記ズーム位置が変化したときの最大の投射距離と最小の投射距離とを、合計が1となる係数で加重平均して求めた投射距離である。
【0015】
本発明に係る画像処理装置は、画像表示手段に表示した表示画像を、光を利用した投射手段により外部の投射面に投射したときに、当該投射面上で歪みが補正されるように投射前の前記表示画像を補正する画像処理装置であって、前記投射面上の歪み画像のサイズを変化させるように規定されたパラメータを有し、当該パラメータの値を前記検出されたズーム位置で調整し、調整後のパラメータを用いて前記表示画像のアドレスを生成し、入力される画像データを変換して得られた前記表示画像のデータを前記生成したアドレスに割り当てる画像変換手段を有する。
【0016】
このように構成された画像投射装置および画像処理装置によれば、画像投射装置内の検出手段が投射手段のズーム位置を検出する。検出されたズーム位置は、画像変換手段に送られ、ここで規定されているパラメータの値を調整するために用いられる。このパラメータは、画像表示手段に表示された画像を投射したときに、投射面上の歪み画像のサイズを変化させるように規定されている。より詳細には、このようなパラメータとして、たとえば正規化された投射距離が用いられ、投射距離がズーム位置により変化可能に定義されている。そのため、検出されたズーム位置に応じて一意にパラメータ(たとえば、正規化された投射距離)の値が決められる。
値が確定したパラメータは、画像変換手段内で歪み画像のアドレス生成に用いられ、その結果、水平と鉛直の両方向の歪み量にズーム位置が反映される。この歪み画像のアドレスと所望の画像のアドレスとの相対関係から、意図的に逆に歪ませるためのアドレスが決められ、そのアドレスに対応した画像表示手段の位置に、入力した画像を変換して生成した新たな画像が割り当てられる。この画像表示手段に生成された表示画像を、上記ズーム位置の投射手段を用いて投射すると、投射面上の画像は当該ズーム位置に適合し、かつ水平と垂直の両方向で正確に歪みが補正された投影画像となる。
【0017】
本発明に係る画像処理方法は、画像表示手段に表示した表示画像を、光を利用した投射手段により外部の投射面に投射したときに、当該投射面上で歪みが補正されるように投射前の前記表示画像を補正する画像処理方法であって、前記投射手段のズーム位置を検出するステップと、前記投射面上の歪み画像のサイズを変化させるように規定されたパラメータの値を前記検出されたズーム位置で調整するステップと、調整後のパラメータを用いて前記表示画像のアドレスを生成し、入力される画像データを変換して得られた前記表示画像のデータを前記生成したアドレスに割り当てる画像変換のステップと、を含む。
好適に、前記画像を変換するステップが、さらに、前記投射面上の歪み画像のアドレスを、前記画像表示手段と前記投射面との相対関係情報に基づいて生成するアドレス生成のステップと、前記歪み画像のアドレスと所望の画像のアドレスとの対応関係から決められる前記画像表示手段のアドレスに、投射したときに前記投射面上で歪みが補正される表示画像を補間処理により生成するステップと、を含み、前記アドレス生成のステップで用いる前記相対関係情報に、前記投射手段のズーム位置に応じて前記歪み画像のサイズを変化させるように規定された前記パラメータを含む。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法および画像投射装置の実施の形態を、フロントプロジェクション型の液晶プロジェクターを例に、図面を参照して説明する。
【0019】
図1に、プロジェクターの基本構成を示す。
プロジェクター1は、映像信号(入力信号)に種々の信号処理を施す回路および各種駆動系の回路を含む回路部2を有する。回路部2は、信号処理回路内の一部に、画素数変換の機能を利用した画素データの補間により、入力画像を変換して投影画像の歪み補正を行う画像変換手段2aと、その制御手段、たとえばCPU2bとを含む。また、プロジェクター1は、画像変換手段2aから出力された画像3aを表示する画像表示手段3、たとえばLCDパネルを有する。この画像3aを、以下、表示画像または歪み補正画像という。さらに、プロジェクター1は、表示画像3aを外部に投射するための光源を含む投光部4と、各種レンズを含む光学部5とを有する。この投光部4および光学部5が本発明における「投射手段」の一実施態様を構成する。LCDパネル3は透過型と反射型のいずれでもよいが、いずれにしても表示画像3aが、光学部5を通ってほぼ鉛直の投射面、たとえばスクリーン101に投影画像101aとして映し出される。LCDパネル3はRGBの色ごとに3つ設け、色ごとの画像が光学部5で合成される。
【0020】
プロジェクター1は、LCDパネル3の画像とスクリーン101との相対的な関係を示す相対関係データを取得する手段(以下、相対関係取得手段)6と、光学部5のズーム位置を検出する検出手段7と、を有する。ここで「ズーム位置」とは、いわゆるズーム量を規定するものであり、具体的には、光学部5を構成する複数のレンズ群内でズームレンズの光軸方位の位置を表す。
相対関係取得手段6は、外部から相対関係データを入力する入力部、外部操作手段(ボタン等)、想定される相対関係データを予め記憶した記憶手段(たとえば、ROM)、あるいは相対関係を自ら検出する手段など、種々の形態がある。相対関係取得手段6は、たとえば、少なくとも、画像のスクリーン101までの距離と、光学部5の光軸とスクリーン面とのなす角度とを取得する。
【0021】
一方、検出手段7は、たとえば図2に示すように、プロジェクター1の投射レンズ外枠に設けられたズーム操作リング5Aの操作量を、互いに結合したギヤ5aと7aを介して検出するポテンショメータなどの回転検出センサから構成される。一般に、投射レンズのズーム操作リング5Aを一方または逆の向きにまわすことにより、内部のズームレンズの位置が光軸方向に変化し、その結果、投射レンズのズーム位置が調整される。この仕組みに対応して、ズーム操作リング5Aに固定され、このリングとともに回転するギヤ5aを設け、このギヤ5aに結合したギヤ7aを有したセンサ7を、プロジェクターの筺体内側面に設けている。このセンサ7がギヤ7aの回転量を測ることにより、ズームレンズが投射レンズ内のどの位置にあるかがわかり、結果としてズーム位置が検出される。
【0022】
なお、ズーム位置が検出できれば検出手段(センサ)の種類に限定はない。また、検出手段7および相対関係取得手段6は、回路部2内のCPU2bを介してズーム位置などの制御量を取得し画像変換手段2aに送るが、このCPU2aの役割を画像変換手段2a内の制御手段が行ってもよい。
【0023】
画像変換手段2aは、入力される相対関係データおよびズーム位置に基づいて歪み画像のアドレス(補間アドレス)を生成し、この補間アドレスと所望の正矩形の画像のアドレスとの対応関係に基づいて、補間処理により新たな画素データを生成する。このとき1つの画素データの生成に用いるべき元画像の複数N個の画素データが上記対応関係から求まり、また、フィルタ係数セットを生成して、これら元画像のN個の画素データとフィルタ係数セットを、Nタップのフィルタに入力する。これにより投射面上で歪みがキャンセルされるように逆方向に歪んだ画像が、当該画像変換手段2aから出力される。
【0024】
このフィルタ補間演算は、たとえば、イメージプロセッサと称される画像処理回路内に、スケーラと呼ばれる回路ブロックを内蔵させることにより実現される。
【0025】
図3は、回路部に含まれる、イメージプロセッサとその周辺の回路ブロックの一構成例を示す図である。
図解した回路部は、コムフィルタ(Comb Filter)21、クロマデコーダ(Chroma Decoder)22、セレクトスイッチ(SW)23、アナログ−ディジタル・コンバータ(A/D)24、イメージプロセッサ(Image Processor)25、SDRAM等からなる画像メモリ26を有する。このうち、イメージプロセッサ25が、本発明に係る「画像処理回路」の一実施態様を構成する。なお、画像メモリ26やCPU2bの機能をイメージプロセッサ25内に内蔵させてもよい。
【0026】
図解した回路部は、コンポジットビデオ信号(以下、Video信号)、Y/C信号、RGB信号のいずれの映像信号にも対応している。Video信号はコムフィルタ21に、Y/C信号はクロマデコーダ22に、RGB信号はセレクトスイッチ23に、それぞれ入力される。いま、Video信号が入力されている場合を考えると、コムフィルタ21でY/C信号に変換され、続くクロマデコーダ22でYUV信号に変換される。セレクトスイッチ23によって選択された信号がA/D24により変換されてディジタル信号になる。この信号がイメージプロセッサ25に入力され、所望の信号処理が行われる。このとき、イメージプロセッサ25の処理がCPU2bにより制御され、処理中に、適宜画像メモリ26が使用される。所望の信号処理が行われた後は、処理後の信号が画像表示手段、たとえばLCDパネル3に送られ、この信号に基づいてLCDパネル3に、投射する画像が表示される。
【0027】
図4に、イメージプロセッサ内部の回路ブロックの一構成例を示す。
イメージプロセッサ25は、IP(Interlace−Progressive)変換部251、スケーラ252、CPUインターフェース253、メモリ制御部254、および読み出し専用メモリ(ROM)255を有する。スケーラ252は、図1に示す画像変換手段2aを構成するアドレス発生部256、係数発生部257、および、フィルタ演算部258を有する。このうち、アドレス発生部256が本発明における「アドレス生成手段」の一実施態様を構成し、係数発生部257とフィルタ演算部258が本発明における「補間手段」の一実施態様を構成する。
【0028】
イメージプロセッサ25に入力された映像信号はIP変換部251に送られ、ここでインターレース信号がプログレッシブ化される。この処理では画像メモリ26を用いるが、メモリインターフェースとしてのメモリ制御部254にIP変換部251が接続されることによって、IP変換部251は画像メモリ26との間で画像データのやり取りを行う。プログレッシブ化された信号は、スケーリング処理を行うためにスケーラ252に送られる。スケーラ252の内部では、歪み補正に必要なアドレスをアドレス発生部256で生成する。このアドレス発生がズーム位置に応じて行われる。アドレス発生時にズーム位置を反映させる方法の詳細は、後述する。
つぎに、フィルタ係数を係数発生部257で発生させ、発生させたフィルタ係数をフィルタ演算部258に供給する。フィルタ演算部258が、与えられたフィルタ係数を用いた補間演算を行い、入力した映像信号が示す元画像が、所定の大きさと形状を有したLCDパネルの画像に変換される。この変換後の画像の信号がLCDパネル3に送られる。なお、ROM255は、この補間演算に用いるフィルタ係数などのデータを保持する。また、これら一連の処理を含むイメージプロセッシングを制御するCPU2bのインターフェース253がIP変換部251、スケーラ252およびROM255に接続されている。
【0029】
つぎに、キーストン歪み補正について説明し、そのなかでズーム位置に応じたアドレス生成を説明する。
【0030】
図5は、正面に配置したプロジェクターの位置をP0としたときに、本発明の実施形態におけるプロジェクターの配置可能な範囲を示す図である。
プロジェクター1は、正面位置P0を含む水平面Ph内に配置でき、また、正面位置P0を含む垂直面Pv内に配置できる。さらに、プロジェクター1は、2つの平面Ph,Pvによって区切られる第1象限P1、第2象限P2、第3象限P3、第4象限P4のいずれにおいても任意に配置できる。
プロジェクター1は、その内部のLCDパネルの表示画像を、上述した範囲内であればどの位置から投射してもよい。プロジェクター1は、投射位置に応じた画像の歪みを補正する機能を有しているので、この機能を働かせれば恰も正面から投射したときと同じアスペクト比をもった正四角形の画像をスクリーン101上に映し出すことができる。
【0031】
以下、フロントプロジェクターの表示画像を、スクリーンに対して正面の位置を基準に、鉛直方向にα度上向きで、水平方向ではスクリーン正面から左にβ度回転した位置から斜めに投射する場合を説明する。角度αおよびβが正の場合、投射位置は図5に示す第3象限P3に属する。他の象限からの投射時の補正は、ほぼ同じような考え方、方法で行えることから説明を省略する。また、ここでは、VGA(640画素×480ライン)の解像度をもつ映像信号が入力され、これをSVGA(800画素×600ライン)に解像度変換する場合を想定する。
【0032】
図6(A)に、正面投射の場合の右手座標系におけるプロジェクター1とスクリーン101の位置関係を示す。また、それに対応したyz平面図を図6(B)に、xy平面図を図6(C)に、それぞれ示す。このとき、プロジェクター1の位置座標を(Px,Py,Pz)、スクリーン101上の任意の点の位置座標を(Sx,Sy,Sz)で表す。位置座標(Px,Py,Pz)と(Sx,Sy,Sz)により決まるスクリーン101とプロジェクター1の距離、および、前記斜め投射角度αとβが、前述した相対関係情報である。
図6(B)および図6(C)に示すように、正面投射ではスクリーン面と光軸が直交する。ただし、光軸はスクリーン中央ではなく下寄り位置、ここではスクリーン下辺中央付近でスクリーン面と交差している。フロントプロジェクターは机の上に配置をし、あるいは天井から吊るような配置をとる場合、レンズの中心とスクリーンの中心を結ぶ線が地面と平行にはならないように両者を配置させるためである。これはプロジェクターを机に置いて投射したときなどに、投射する画像の下端部分が机に映ってしまわないようにするための仕様であり、光学オフセットと称される。
【0033】
図7(A)に、鉛直方向にα度上向きで、水平方向については向かって左手からスクリーンに対しβ度の角度で斜めに投射する場合、右手座標系におけるプロジェクターとスクリーンの位置関係を示す。また、yz平面図を図7(B)に、xy平面図を図7(C)に、それぞれ示す。このとき、右手座標系の回転角度は鉛直方向にα度、水平方向に(−β)度となる。
【0034】
ここで、キーストン歪み補正を考えやすくするために相対的な視点を変えることを考える。図7(A)〜図7(C)ではプロジェクター1の位置を動かして斜め方向から投射していたが、ここでは、相対的な位置関係を維持したままでプロジェクター1は動かさずに、スクリーン101を、その場で軸回転させることを想定する。
図8(A)〜図8(C)に、スクリーンを軸回転させた場合の図7(A)〜図7(C)と等価的な斜め投射の位置関係を示す。このとき、右手座標系で表現するとスクリーンを、その下辺(x軸)を中心に直立位置からy方向(背面側)に(−α)度傾かせ、向かって左側の辺(z軸)を中心に左回転方向にβ度回転させる。つまり、図8(B)と図8(C)に示す傾きおよび回転の角度は、図7(A)〜図7(C)に示すプロジェクターの設置位置からの投射角度に対して符号が逆になる。
【0035】
以下、図8(A)〜図8(C)のように、正面の位置にプロジェクター1があり、この位置から傾いたスクリーン(以下、101tと表記)に映像を投射した場合に、投射された映像(投影画像)がどのように変形しているかを考える。
プロジェクター1が投射する光は、図7(A)でスクリーン101のあったzx平面上を通過して傾いたスクリーンに映る。傾いたスクリーン101tがある平面は、原点を中心に垂直に(−α)度、水平にβ度回転しているので、原点を中心とした回転行列を用いて表現することができる。本実施形態では水平と垂直の回転なので、先に水平方向に回転させた後に、次に鉛直方向の回転を行う手順によって回転行列が定義される。具体的には、zx平面の法線ベクトル(nx,ny,nz)が、回転によって次の行列式(1)で表現される。
【0036】
【数1】
Figure 2004350154
【0037】
プロジェクター1の位置とスクリーン101の位置していたzx平面上の点を結ぶ直線を考え、この直線と行列式(1)の法線ベクトルをもつ平面との交点を求めれば、傾いたスクリーン101tの平面に映る座標点が求まる。この傾いた座標点に対して、図9(A)のように視点をスクリーンの正面において見る場合には、再び反対向きの回転として原点を中心に垂直にα度、水平に(−β)度回転させればよい。すると、斜め方向から投射した場合に歪む形が求められる。このような方法によって導出されたx方向、y方向、z方向の座標を、それぞれ次式(2−1)、(2−2)、(2−3)に示す。
【0038】
【数2】
Figure 2004350154
【0039】
これらの式で表される(Kx,Ky,Kz)は、図7(B)に示すようにプロジェクター1を垂直にα度上向きで、図7(C)のように水平方向にスクリーン101に対して左から(−β)度の角度で投射するとき、キーストン歪みによって変形された座標である。
図9(A)および図9(B)に、座標関係についてまとめて示した。これらの図で(Sx,Sy,Sz)はスクリーンの座標であり、正面投射の場合にスクリーン上に正四角形に映し出される元画像の座標に相当する。また、座標(Kx’,Ky’,Kz’)は図8(B)および図8(C)のように斜めに傾いたスクリーン101tの平面上に投射された座標である。上述のように(Kx,Ky,Kz)はキーストン歪み変形座標である。
このように、前述した3つの式(2−1)、(2−2)、(2−3)により、任意の方向からの投射によってもたらされるキーストン歪変形座標が与えられる。
【0040】
つぎに、出力信号(表示画像)の解像度に合わせた座標の、式(2−1)、(2−2)、(2−3)による変形座標を求める。つまり、SVGA出力の場合、歪む前の画像のx座標Sxは0から799まで変化し、z座標Szは0から599まで変化するが、このときのキーストン歪み後のx座標Kxとz座標Kzを求める。なお、y座標SyとKyは、画像がzx平面にあるのでゼロである。
【0041】
図10(A)に正面投射のSVGA出力画像のアドレスマップのイメージPIOUT、図10(B)にα=10、−β=−30として座標変換したキーストン変形後のSVGA出力画像のアドレスマップのイメージ(以下、歪み画像イメージ)PIを示す。これらの図では、図示の都合上全ての画素位置のサンプルリング点を示さず、33画素ごとに1つのドットでサンプリング点を代表させている。これらサンプリング点のアドレスについては、必要なときにCPU2bで計算させてもよいし、予め計算させておいたものを参照テーブルとしてROM255に持っていてもよい。後者の場合、当該ROM255が図1に示す相対関係取得手段6に該当する。
【0042】
前記した3つの式(2−1)、(2−2)、(2−3)は、パラメータとして大別すれば、プロジェクターの投射角度、投射位置およびスクリーン上の画素位置の3つのパラメータで与えられる。つまり、このいずれかが変化するときキーストン歪み補正の画像形状も変化することになる。
プロジェクターとして投射する環境を具体的に考えると、上記の3つのパラメータが単純に存在するわけではない。1つのパラメータでも要素的には複雑に絡まって決定されている。とくに位置については、画像を投射させるポジションや拡大、縮小などの操作によっても変化し、光学系レンズパラメータによっても変化する性質をもつ。
【0043】
そこで、本実施の形態では、前記した3つの式(2−1)、(2−2)、(2−3)に与えるパラメータを、ズーム位置の調整が可能な形式に変形することを考える。
【0044】
一般にプロジェクターでは、標準レンズの仕様として、正面投射したときの画面インチ数に対する最大と最小の投射距離のデータやプロジェクターの位置情報が開示されている。たとえば図11(A)に示すように、4:3のアスペクト比をもつ80インチの投影画像をスクリーン上に表示させるには、投射距離Lが3700〜4500mmであり、図6(B)に示すように光軸がスクリーン上の画像最下端と一致するような光学系を想定する。
このとき、80インチの投影画像であるので、単位をミリメートルに直すと対角線が2032mmになる。さらにアスペクト比が4:3であるので、それぞれの辺は1626mmと1219mmとなる。
【0045】
ここで、スクリーンの大きさをパネル解像度800×600画素で正規化する。正規化すること自体は必須ではない。ただし、パネル解像度分のキーストン補正アドレスがあれば補間操作を行うことができ、また、正規化すると、スクリーン座標(Sx,Sy,Sz)などの前記した式(2−1)および式(2−3)で用いるパラメータが小数点以下の情報を含まない整数値となり、その結果、CPUの負担が軽く効率的であることから、正規化することが望ましい。
次式(3)のように、正規化された投射距離lが表される。
【0046】
【数3】
Figure 2004350154
【0047】
この正規化の結果、スクリーンの位置座標SxとSzは、次式(4)の範囲をとることになる。
【0048】
【数4】
Figure 2004350154
【0049】
また、前記式(3)により、Wide時の正規化された投射距離lwとTele時の正規化された投射距離ltは、次式(5)のように求まる。
【0050】
【数5】
Figure 2004350154
【0051】
ここで、検出手段7(図1参照)から与えられる検出値に基づいて判断されるズームレンズ位置の状態をWideとTele間の比rで表せば、その状態の正規化された投射距離lrは式式(6)のように求められる。
【0052】
【数6】
Figure 2004350154
【0053】
以上により、パネル解像度内の位置を(x、z)で表せば、前記式(2−1)、(2−2)、(2−3)におけるスクリーン位置座標(Sx,Sy,Sz)とプロジェクター位置座標(Px,Py,Pz)は、式(7)のように表される。このとき図11(A)に示すように、Pxは座標系で示すと最大座標799の中間値として「799/2」となり、Pzは光軸がスクリーン上の画像最下端と一致するような光学系を想定していることから「0」となっている。
【0054】
【数7】
Figure 2004350154
【0055】
このように変形した式(7)に示すスクリーンとプロジェクターの位置座標を前記式(2−1)、(2−2)、(2−3)に代入すると、出力パネルの解像度で正規化されたキーストン歪みアドレス(x,z)が、投射角度(α,β)に依存した形で求まる。この式(7)は、プロジェクターのスクリーンまでの正規化された距離lrを含み、ズームレンズの位置(ズーム位置)の情報を含むため、より正確な歪みアドレスを与えることができる。
【0056】
つぎに、キーストン歪みアドレスの生成処理処理の詳細を、図12に示すフローチャートに沿って説明する。
【0057】
ステップST1において、スクリーンに対しプロジェクター位置が確定すると、投射角度(α,β)が相対関係取得手段6から与えられる。また、ユーザーが投射レンズのズーム操作リングを回して投影画像の大きさを決める。これにより、ズームレンズ位置が確定し、その検出値が検出手段7からCPU2bに送られる。
【0058】
ステップST2において、CPU2bが、入手したズームレンズ位置の検出値を、正規化された投射距離lr(式(6))に用いる比rに変換する。これにより正規化されたズーム位置が求められる。このズーム位置を表す比rを用いて、このステップST2、または、つぎのステップST3において、正規化された投射距離lrの値が算出される。その結果、式(7)に示すプロジェクター位置座標に反映させてズーム設定がなされる。
【0059】
ステップST3において、投射角度(α,β)の具体的数値と式(7)の位置座標が式(2−1)、(2−2)、(2−3)に代入され、これにより、ズーム設定を含むキーストン歪みアドレス(x,z)が算出される。
続くステップST4では、このキーストン歪みアドレス(x,z)が補間アドレスとして出力される。なお、出力された補間アドレスからLCDパネル上のアドレスを求め、そのアドレスに画素データを生成する処理の詳細は後述する。
【0060】
ステップST5は、アドレス算出ごとに設定(プロジェクター位置あるいはズームレンズ位置)が変わっていないかを監視するステップである。この判断が「No」の場合はステップST4のアドレスが必要なだけ繰り返されるが、設定が変更されると、つぎのステップST6で、たとえばプロジェクターが起動状態にあり映像信号の入力があることを確認することにより「終了でない(No)」と判断されると、変更された設定の確認を行うために処理フローがステップST1の前に戻される。ステップST6で「終了(Yes)」と判断されると当該処理全体が終了する。
このようにして、本実施の形態では、ズーム位置、すなわちズームレンズ位置を加味したアドレス生成を行うことができる。
【0061】
つぎに、図13(A)のように、補正により得たい画像のイメージ(スクリーン上に実現したい投影画像の仮想のイメージ、以下、投影画像イメージという)PIを、図10(B)に示す歪みによって変形した座標空間上に重ねる。これにより歪み画像イメージPIに投影画像イメージPIがマッピングされ、両画像のアドレスの対応関係が決まる。このとき、入力した元画像はVGAだが、画像の大きさと位置を調整するために、投影画像イメージPIを任意の大きさ(例えば、SVGAの大きさ)で、変形したアドレス空間(歪み画像イメージPI)内の任意の位置に配置することができる。また、投影画像イメージPIが歪み画像イメージPI内に完全に収まるようにしないと、次に行う補間後に画像の一部が欠けてしまう。したがって、望ましくは、所望のアスペクト比(本例では、4:3)の投影画像イメージサイズが歪み画像のアドレス空間内で最大限となることを規定しておく。すると、この投影画像イメージPIの位置と大きさは単なる図形問題に帰結し、例えば図13(A)のような位置とサイズで、投影画像イメージPIと歪み画像イメージPIとの関係が一意に決まる。
【0062】
このようなマッピング処理(アドレスの対応付け)は、歪み画像イメージPIのアドレス分布が既に前記した式(2−1)、(2−2)、(2−3)から求められているので、実際の物理メモリ(記憶資源)を用いずとも、例えばCPU2b内で仮想メモリ空間を想定して実行できる。このため、マッピング処理自体が高速な上に物理メモリとのデータのやり取りがなくて効率がよく、数回やり直しても、その処理の合計時間が画像変換全体の時間に占める割合は極めて小さい。
【0063】
マッピング処理により得られたアドレスの対応関係は、歪み画像と、歪みがなくスクリーン上で正四角形となる所望の投影画像とのアドレス対応関係であるが、歪み画像というのは元々歪みがない正四角形のLCDパネル上の画像の投影の結果である。したがって、上記アドレスの対応関係を利用して、歪みがないスクリーン上の投影画像を得るためのLCDパネル3の表示画像が生成できる。
具体的な方法としては、SVGA出力の場合、LCDパネル3の有効表示領域の座標は800×600個になるが、この全ての点について、マッピングされた画像のアドレスで補間を行う。このとき800×600個の各点での補間のうち、図13(A)に示す歪み画像イメージPIと投影画像イメージPIとが重なる領域の全てのアドレスでの補間では、投影画像のように画像データを再現できるようにフィルタ係数が選択され、その画像再現に必要な原画像の複数の画素データを上記フィルタ係数で重み付けして新たな画素データを合成する。合成後の画素データは、マッピング処理により求めた上記アドレス対応関係に基づいて、4:3のアスペクト比の正四角形画面であるSVGA画面内のどの位置に配置するかを一意に決めるアドレスに割り当てられる。一方、投影画像イメージPI周囲の歪み画像イメージPI内領域の補間では、画像データがない黒色画素同士の合成となり、したがって補間後も黒色の画像データがSVGA画面内の対応位置に割り当てられる。
【0064】
図13(B)には、このような画像変換手順により生成されたSVGA出力画像を示す。この画像がキーストン歪み補正を行った画像である。マッピング処理により得られたアドレスの対応関係は、上述したようにイメージサイズ同士の重なる面積が最大となるように決められていることから、スクリーン上の投影画像は解像度の低下が最小に抑えられている。また、前述したアドレス生成の過程でズーム位置を反映させたことから、非常に正確に歪みが補正された画像が得られている。
【0065】
以下、幾つかの変形例を説明する。
ズーム位置検出に関して、上述した例では、ギヤを用いてズームレンズの位置を測ることとしていたが、この検出方法については手段を選ばない。光学センサや感圧センサなどさまざまな種類のセンサで代替が可能である。
さらに位置の正規化については、上述では80インチの画像の場合を例としたが、他のサイズを用いることも可能である。同じく4:3のアスペクト比を例にとったが、16:9やその他のアスペクト比であっても同様に求めることができる。
本手法では、ズーム位置を表すパラメータとして正規化された投射距離を用いているが、基本的に式(2−1)および式(2−3)に示す位置情報にズーム位置の情報を反映できればよい。したがって、投射距離に代えて、ズーム位置の情報が反映されたプロジェクターの位置座標、スクリーンの位置座標、もしくは、その両方の位置座標を用いることができる。ただし、上記のように正規化された投射距離を用いると、1つのパラメータにズーム位置の情報をもたせることができるので、計算の容易さから望ましい。
さらに、標準レンズだけではなくコンバージョンレンズに対してもWide時の投射距離とTele時の投射距離の情報があれば、レンズズームに従ったキーストン補正が可能となる。よって、Wide時とTele時の投射距離を設定したり、選択できる仕組みを持ったりすることでその他のレンズにも正確に対処することができる。
なお、画像変換手段は、回路によりハードウエハで実現してもよいし、マイクロコンピュータまたはCPU等に書き込まれたプログラムによりソフトウエハで実現してもよい。
【0066】
本実施の形態では、これまで近似的計算によって無視されていたレンズズーム位置の変化に対して適合したキーストン歪み補正を行うことができ、正確な補正後の画像が得られる。とくに、深い角度で斜めに投射した場合にはWideとTeleの設定では、より大きく補正量が異なってキーストン補正した映像の形状も大きく異なってくる。この点については、ズーム位置を考慮してキーストン補正を行わなければ、スクリーン上でも補正が完全にできないことになり、このような深い角度の投射の場合に本発明の効果がよりいっそう発揮される。
また、キーストン歪み画像のアドレスの生成時にズーム位置の情報を反映させることから、鉛直と水平の両方の投射角度を変えた斜めのキーストン歪み補正において、光学パラメータの違いを吸収し補正精度を高めることが容易である。このズーム位置を反映させる方法は、ズーム位置を1つのパラメータに対しもたせるため、キーストン補正アドレスを算出する際に複雑な演算を必要としない点で優れた方法である。
また、投射距離さえ設定すれば標準レンズだけでなく、コンバージョンレンズなどでも正確なキーストン補正を行うことができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、投射面に対し正面位置から水平と鉛直の両方向の角度をもって画像が投射された斜め投射の場合であっても、投射手段のズーム位置に応じた歪み補正ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプロジェクターの基本構成を示す図である。
【図2】ズーム位置を検出する手段の一構成例を示す図である。
【図3】回路部に含まれる、イメージプロセッサとその周辺の一構成例を示すブロック図である。
【図4】イメージプロセッサ内部の一構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態におけるプロジェクターの配置可能な範囲を、正面位置を中心に示す図である。
【図6】(A)は正面投射の場合の右手座標系におけるプロジェクターとスクリーンの位置関係を示す図である。(B)はyz平面図、(C)はxy平面図である。
【図7】(A)は垂直投射角α度、水平投射角β度の場合に、右手座標系におけるプロジェクターとスクリーンの位置関係を示す図である。(B)はyz平面図、(C)はxy平面図である。
【図8】(A)〜(C)は、スクリーンを軸回転させた場合の図7(A)〜図7(C)と等価的な斜め投射の位置関係を示す図である。
【図9】(A)および(B)は座標関係についてまとめて示す図である。
【図10】(A)は正面投射のSVGA出力画像のアドレスマップのイメージ図、(B)はキーストン変形による歪み画像イメージ図である。
【図11】(A)は標準レンズを用いた場合の投射距離範囲と投影画像サイズの関係を示す図、(B)はスクリーンの大きさをパネル解像度で正規化した場合の(A)と等価な関係を示す図である。
【図12】アドレス生成処理のフローチャートである。
【図13】(A)はマッピング処理時に2つの画像イメージを重ねた図、(B)は補間演算により生成したLCDパネルの表示画面である。
【図14】(A)は正面位置から水平と垂直の双方の方向にずれた位置からの斜め投射時の図、(B)は入力画像イメージ図、(C)はLCDのパネル面上での画像イメージ図である。
【図15】(A)はWide設定時の画像イメージ図、(B)はTele設定時の画像イメージ図、(C)は(A)と(B)の重ね合わせ画像のイメージ図、(D)は(C)の一部拡大図である。
【符号の説明】
1…画像投射装置(プロジェクター)、2…回路部、2a…画像変換手段、2b…CPU、3…LCDパネル、3a…表示画像、4…投光部(投射手段)、5…光学部(投射手段)、6…相対関係取得手段、7…検出手段、21…コムフィルタ、22…クロマデコーダ、23…セレクトスイッチ、24…アナログ−ディジタル・コンバータ、25…イメージプロセッサ、26…画像メモリ、101…スクリーン、101a…投影画像、251…IP変換部、252…スケーラ、253…CPUインターフェース、254…メモリ制御部、257…係数発生部、258…フィルタ演算部、α,β…投射角度

Claims (10)

  1. 画像表示手段と、
    当該画像表示手段の表示画像を、光を利用して外部の投射面に投射する投射手段と、
    前記投射手段のズーム位置を検出する検出手段と、
    前記投射面上の歪み画像のサイズを変化させるように規定されたパラメータを有し、当該パラメータの値を前記検出されたズーム位置で調整し、調整後のパラメータを用いて前記表示画像のアドレスを生成し、入力される画像データを変換して得られた前記表示画像のデータを前記生成したアドレスに割り当てる画像変換手段と、
    を有する画像投射装置。
  2. 前記画像変換手段が、
    前記投射面上の歪み画像のアドレスを、前記画像表示手段と前記投射面との相対関係情報に基づいて生成するアドレス生成手段と、
    前記歪み画像のアドレスと所望の画像のアドレスとの対応関係から決められる前記画像表示手段のアドレスに、投射したときに前記投射面上で歪みが補正される表示画像を補間処理により生成する補間手段と、を有し、
    前記アドレス生成手段が用いる前記相対関係情報に、前記投射手段のズーム位置に応じて前記歪み画像のサイズを変化させるように規定された前記パラメータを含む
    請求項1に記載の画像投射装置。
  3. 前記パラメータは、前記ズーム位置に応じて変化するように正規化された投射距離である
    請求項1に記載の画像投射装置。
  4. 前記パラメータは、前記ズーム位置が変化したときの最大の投射距離と最小の投射距離とを、合計が1となる係数で加重平均して求めた投射距離である
    請求項3に記載の画像投射装置。
  5. 前記ズーム位置が変化したときの最大の投射距離と最小の投射距離を変更可能に設定する手段をさらに有する
    請求項1に記載の画像投射装置。
  6. 前記パラメータが前記画像表示手段の解像度により正規化されている
    請求項1に記載の画像投射装置。
  7. 画像表示手段に表示した表示画像を、光を利用した投射手段により外部の投射面に投射したときに、当該投射面上で歪みが補正されるように投射前の前記表示画像を補正する画像処理装置であって、
    前記投射面上の歪み画像のサイズを変化させるように規定されたパラメータを有し、当該パラメータの値を前記検出されたズーム位置で調整し、調整後のパラメータを用いて前記表示画像のアドレスを生成し、入力される画像データを変換して得られた前記表示画像のデータを前記生成したアドレスに割り当てる画像変換手段を
    有する画像処理装置。
  8. 前記画像変換手段が、
    前記投射面上の歪み画像のアドレスを、前記画像表示手段と前記投射面との相対関係情報に基づいて生成するアドレス生成手段と、
    前記歪み画像のアドレスと所望の画像のアドレスとの対応関係から決められる前記画像表示手段のアドレスに、投射したときに前記投射面上で歪みが補正される表示画像を補間処理により生成する補間手段と、を有し、
    前記アドレス生成手段が用いる前記相対関係情報に、前記投射手段のズーム位置に応じて前記歪み画像のサイズを変化させるように規定された前記パラメータを含む
    請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 画像表示手段に表示した表示画像を、光を利用した投射手段により外部の投射面に投射したときに、当該投射面上で歪みが補正されるように投射前の前記表示画像を補正する画像処理方法であって、
    前記投射手段のズーム位置を検出するステップと、
    前記投射面上の歪み画像のサイズを変化させるように規定されたパラメータの値を前記検出されたズーム位置で調整するステップと、
    調整後のパラメータを用いて前記表示画像のアドレスを生成し、入力される画像データを変換して得られた前記表示画像のデータを前記生成したアドレスに割り当てる画像変換のステップと、
    を含む画像処理方法。
  10. 前記画像を変換するステップが、さらに、
    前記投射面上の歪み画像のアドレスを、前記画像表示手段と前記投射面との相対関係情報に基づいて生成するアドレス生成のステップと、
    前記歪み画像のアドレスと所望の画像のアドレスとの対応関係から決められる前記画像表示手段のアドレスに、投射したときに前記投射面上で歪みが補正される表示画像を補間処理により生成するステップと、を含み、
    前記アドレス生成のステップで用いる前記相対関係情報に、前記投射手段のズーム位置に応じて前記歪み画像のサイズを変化させるように規定された前記パラメータを含む
    請求項9に記載の画像処理方法。
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