JP2004350058A - 電源スイッチ回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体集積回路中に構成された論理回路の動作時に論理回路の動作電圧を減少させて、論理回路の動作時の消費電力を削減することができる電源スイッチ回路を提供することを目的とする。
【解決手段】ゲート端子を有し、仮想地線(VGND)と地線(GND)との間に接続されたスイッチトランジスタ(20)と、論理回路(10)の動作時に、スイッチトランジスタのゲート端子に制御入力を印加することによって、仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないように制御する制御回路(30)とを有することを特徴とする、電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。
【選択図】 図1
【解決手段】ゲート端子を有し、仮想地線(VGND)と地線(GND)との間に接続されたスイッチトランジスタ(20)と、論理回路(10)の動作時に、スイッチトランジスタのゲート端子に制御入力を印加することによって、仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないように制御する制御回路(30)とを有することを特徴とする、電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細MOSトランジスタで構成された半導体集積回路に好適に用いられることができる電源スイッチ回路、特に半導体集積回路中の論理回路の動作時及び/または待機時に消費電力を削減することができる電源スイッチ回路に関する。
【0002】
近年、半導体微細加工技術の進歩につれて、移動通信端末、パーソナルコンピュータ又はPDA等の携帯端末が普及しつつある。このような携帯端末では、必要な電力が電池によって供給されるので、携帯端末を長時間稼動するために、携帯端末に用いられる半導体集積回路の低消費電力化のための電源スイッチ回路が要望されている。
【0003】
【従来の技術】
半導体集積回路における低消費電力化の有効な手段の一つは、半導体集積回路の低電圧化である。そのため、半導体集積回路を駆動する電源電圧を低く抑えることが考えられる(例えば1.0V以下)。例えば、MOSトランジスタを微細化し、電源電圧の低下に伴い、動作速度の低下を防ぐためにしきい値電圧を下げると、MOSトランジスタの待機時に漏れ電流が増加する。また、特にMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧がしきい値電圧以下となった領域での漏れ電流は、サブスレッショルド電流と呼ばれ、ゲート・ソース間電圧に指数関数的に比例して大きくなってしまう。特に、微細化されたMOSトランジスタによる半導体集積回路の待機時の消費電力は、このサブスレッショルド電流により決定される。
【0004】
そこで、電源電圧と仮想の電源電圧との間にスイッチング用MOSトランジスタを設け、待機時の半導体集積回路全体のサブスレッショルド電流を、待機時のスイッチング用MOSトランジスタのサブスレッショルド電流に制限して、全体の消費電力を低下させようとする試みが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、電源電圧と半導体集積回路との間に、MOSトランジスタによって構成された抵抗素子を設け、待機時では抵抗素子を通して半導体集積回路には小電流しか流れ込まないようにして、待機時の消費電力を低下させようとする試みが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
なお、このような従来の回路では、電源電圧と半導体集積回路との間に設けられるMOSトランジスタのオン抵抗による電圧降下は問題であるとされ、なるべく小さい方が好ましいとされていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−210976号公報(第5頁、図1)
【特許文献2】
特開平5−347550号公報(第4頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の回路では、電源電圧と半導体集積回路との間に設けられるMOSトランジスタを利用して、半導体集積回路の動作時においても消費電力を低下させようとする試みはなされていなかった。
【0009】
そこで、本発明は、半導体集積回路中に構成された論理回路の動作時に論理回路の動作電圧を減少させて、論理回路の動作時の消費電力を削減することができる電源スイッチ回路を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、半導体集積回路中に構成された論理回路の動作時に論理回路の動作電圧を減少させ、且つ論理回路の待機時に漏れ電流を減少させて、論理回路の動作時及び待機時の消費電力を削減することができる電源スイッチ回路を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、半導体集積回路中に構成された論理回路の動作時に論理回路の動作電圧を減少させ、且つスイッチトランジスタを小型化することができる電源スイッチ回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の形態によれば、ゲート端子を有し、仮想地線(VGND)と地線(GND)との間に接続されたスイッチトランジスタと、論理回路の動作時に、スイッチトランジスタのゲート端子に制御入力を印加することによって、仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないように制御する制御回路とを有することを特徴とする、電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、スイッチトランジスタのオン抵抗によって発生する電位差によってVGNDを上昇させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0013】
また、本発明の第2の形態によれば、ゲート端子を有し、電源線(VDD)と仮想電源線(V−VDD)との間に接続されたスイッチトランジスタと、論理回路の動作時に、スイッチトランジスタのゲート端子に制御入力を印加することによって、仮想電源線の電位を所定レベル以下に下降させないように制御する制御回路とを有することを特徴とする、仮想電源線と地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、スイッチトランジスタのオン抵抗によって発生する電位差によってV−VDDを下降させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0014】
また、本発明の第3の形態によれば、仮想地線と地線との間に接続された第1スイッチトランジスタと、電源線と仮想電源線との間に接続された第2スイッチトランジスタと、論理回路の動作時に、第1スイッチトランジスタのゲート端子に第1制御入力を印加することによって、仮想地線を所定レベル以上に上昇させないように制御する第1制御回路と、論理回路の動作時に、第2スイッチトランジスタのゲート端子に第2制御入力を印加することによって、仮想電源線を所定レベル以下に下降させないように制御する第2制御回路とを有することを特徴とする、仮想電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、第1及び第2スイッチトランジスタのオン抵抗によって発生する電位差によってVGNDを上昇させ且つV−VDDを下降させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0015】
また、本発明の第4の形態によれば、仮想地線と地線との間に接続された能力可変スイッチと、論理回路の動作時に、能力可変スイッチを制御することによって、仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないようにする制御回路とを有することを特徴とする、電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、能力可変スイッチのオン抵抗によって発生する電位差によってVGNDを上昇させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0016】
また、本発明の第5の形態によれば、電源線と前記仮想電源線との間に接続された能力可変スイッチと、論理回路の動作時に、能力可変スイッチを制御して、仮想電源線の電位を所定レベル以下に下降させないようにする制御回路とを有することを特徴とする、仮想電源線と地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、能力可変スイッチのオン抵抗によって発生する電位差によってV−VDDを下降させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0017】
また、本発明の第6の形態によれば、仮想地線と地線との間に接続された第1能力可変スイッチと、電源線と前記仮想電源線との間に接続された第2能力可変スイッチと、論理回路の動作時に、第1能力可変スイッチを制御することによって、仮想地線を所定レベル以上に上昇させないようにする第1制御回路と、論理回路の動作時に、第2能力可変スイッチを制御することによって、仮想電源線を所定レベル以下に下降させないように制御する第2制御回路とを有することを特徴とする仮想電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、第1及び第2能力可変スイッチのオン抵抗によって発生する電位差によってVGNDを上昇させ且つV−VDDを下降させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電源スイッチ回路を添付図面を参照して詳述する。
【0019】
図1に、本発明の第1の実施例の概略を示す。図1において、論理回路10は、MISトランジスタ、特にMOSトランジスタを用いて構成した論理回路であって、所定の入力信号から所定の出力信号を得られるように、複数のP型MOSトランジスタ12及び複数のN型MOSトランジスタ14等から構成されている。また、論理回路10は、電源線(VDD、例えば1.0V)と仮想地線(VGND)の間に接続されている。
【0020】
N型MOSスイッチトランジスタ20は、そのドレインがVGNDに、ソースが地線(GND)に接続されるように、VGNDとGNDとの間に配置されている。また、スイッチトランジスタ20のゲートには、VGND制御回路30からの制御入力が印加されるように構成されている。VGND制御回路30は、VGNDの電圧を検出するための電圧センサ回路32及び電圧センサ回路32からの出力を増幅し制御入力を出力するための増幅回路34等から構成されている。
【0021】
図2に、図1に示す回路における信号波形の例を示す。図2(a)は、システムクロック200を示している。論理回路10には、システムクロック200に同期して信号が入力される。
【0022】
論理回路10が動作すると、回路中のゲートが遷移を起こすが、回路中の伝播遅延の違いによって、システムクロック200の1周期中のさまざまなタイミングで遷移によるグリッチ(ハザード)が発生する。また、システムクロック200の1周期中に複数の遷移を行うゲートもある。図2(b)は、このようにしてグリッジの包絡線210を示している。したがって、包絡線210は、論理回路10の動作時に、VDDからVGNDへ流れる電流を示していることとなる。通常、論理回路10は、システムクロック200の1周期中の前半で多くのゲートが遷移を起こし、後半ではクリティカルパスを含む遅延の長いパスが遷移を起こすのみであることが多い。このため、VGNDの上昇が回路性能に与える影響は小さい。
【0023】
図2(c)は、スイッチトランジスタ20とVGND制御回路30によって制御されたVGNDの波形230を示している。図2(c)に示されるように、遷移するゲートの多い、システムクロック200の1周期中の前半では、VGNDを上昇させて論理回路10内の信号振幅(VS1)を低減させ、システムクロック200の1周期中の後半では、VGNDを下げて論理回路10内の信号振幅(VS2)を上昇するように制御している。
【0024】
図3に、VGNDとPD積及びVGNDと遅延時間との関係をシミュレーションによって求めた結果を示す。図中、横軸にVGND(ピーク値)(V)をとり、縦軸にPD積(μW・μs)及び遅延時間(ns)をとった。PD積は、電力遅延積を示し動作エネルギーに相当する値である。
【0025】
図3において、301、302、303、304及び305は、それぞれVDDが1.0V、0.9V、0.8V、0.7V及び0.6Vの時のVGNDとPD積の関係を示している。また、311、312、313、314及び315は、それぞれVDDが1.0V、0.9V、0.8V、0.7V及び0.6Vの時のVGNDと遅延時間との関係を示している。
【0026】
図3から理解できるように、VGNDを上昇させれば、PD積が小さくなる(消費電力が小さくなる)が、遅延時間が長くなる。なお、論理回路10の回路動作を正常に動作させるためには、信号振幅がVDDの2/3程度あれば良いので、VGND(ピーク値)をVDDの20%〜30%に抑えておけば、回路動作を正常に保つことができる。
【0027】
図1に示す電源スイッチ回路では、図2(c)に示すようにVGNDを制御することにより、遷移の多い(即ち、電力消費が多い)タイミングで、VGNDを上昇させて信号振幅を低減し、論理回路10全体の消費電力の削減を図っている。図3から理解されるように、VGNDを上昇させると、消費電力は削減できるが、遅延時間が長くなってしまう。しかしながら、前述したように、通常、システムクロック200の1周期中の前半で、遷移が多いので、このタイミングで遷移を行うゲートの動作時間が遅延してもまだ時間の余裕があって大きな問題とはならない。
【0028】
逆に、論理回路10のクリティカルパスを含む遷移の遅いパスは、システムクロック200の1周期中の後半で遷移を起こすが、この時点ではVGNDはGNDレベルまで低減しており、信号振幅は十分に取れるので、遅延時間を短くすることができる。
【0029】
図1に示す電源スイッチ回路では、論理回路10のゲートが遷移を起こすことによって流れる電流がスイッチトランジスタ20を通過することによって、MOSトランジスタで構成されるスイッチトランジスタのオン抵抗成分によってVGNDが上昇する。したがって、スイッチトランジスタ20には、オン抵抗の大きいものを使用するか、オン抵抗が大きくなるように制御することが必要である。即ち、従来の回路で、論理回路10とVDD又はGNDの間に設けられた待機時の漏れ電流等を抑えるためのスイッチトランジスタには、オン抵抗が小さいものが用いられたことと対照的である。
【0030】
スイッチトランジスタ20のオン抵抗は、スイッチトランジスタのゲート幅(Wg)と反比例する関係にあるので、オン抵抗を大きくすることができればゲート幅を小さくすることが可能となり、半導体集積回路上におけるスイッチトランジスタ20のサイズを従来のスイッチトランジスタに比較して十分に小さくすることができる。
【0031】
なお、前述したように、論理回路10の動作を正常に維持するために、電圧センサ回路32がVGNDの電位を検出し、それに応じてスイッチトランジスタ20のゲートに制御入力を印加することによって、スイッチトランジスタ20のオン抵抗又は電流容量を変化させ、VGNDの電位が所定レベル以上に上昇しないように制御している。図1の例では、VGND制御回路30は、VGNDの上昇を、VDDの20%以内になるように制御している。
【0032】
したがって、遷移の多いシステムクロック200の1周期内の前半では、多くの電流がスイッチトランジスタ20を流れるので、その結果VGNDが上昇することとなる。論理回路内での遷移が収まり、スイッチトランジスタ20を流れる電流が減少すれば、VGNDはすみやかにGNDレベルまで落ちることとなる。したがって、半導体集積回路内の他のブロックとの間にVGNDの電位を調整するためのレベルシフタ回路等を設ける必要はない。
【0033】
図4に、図1に示す電源スイッチ回路を実際に構成した回路例を示す。図4において、図1と同様に、論理回路10は、VDDとVGNDとの間に配置されており、N型MOSスイッチトランジスタ40は、ドレインがVGNDに接続され、ソースがGNDに接続されるように配置されている。N型MOSトランジスタ42は、そのゲートがVGNDに接続され、ソースがGNDに接続されている。カレントミラー回路44は、ゲート同士が接続された2つのP型MOSトランジスタから構成されており、各トランジスタのドレインがVDDに接続され、各トランジスタのゲートがN型MOSトランジスタ42のドレインと接続されている。基準電流源46は、3つのN型MOSトランジスタから構成され、各ゲートはVDDと接続され、図中最上段のトランジスタのドレインはカレントミラー回路42を構成する図中左側のトランジスタのソースと接続され、最下段のトランジスタのソースはGNDと接続されている。また、カレントミラー回路44と基準電流源46との接続点48とN型MOSトランジスタ40のゲートが接続されている。
【0034】
図4に示す回路例では、N型MOSトランジスタ42がVGNDの電位を検出し、その出力がカレントミラー回路44で増幅されて、基準電流源46による基準と比較されて、N型MOSスイッチトランジスタ40のゲートに制御入力として印加されるように構成されている。したがって、論理回路10の動作時に、N型MOSスイッチトランジスタ40のオン抵抗によってVGNDが上昇しても、N型MOSスイッチトランジスタ40のゲートに印加される制御入力によって、VGNDの電位が所定レベル以上に、上昇しないように制御されている。
【0035】
図5に、本発明の第2の実施例の概要を示す。図5では、VDDと仮想電源線(V−VDD)との間にN型MOSスイッチトランジスタ50を配置し、V−VDD制御回路60によって、スイッチトランジスタ50を制御するように構成した。V−VDD制御回路60は、論理回路10の動作時に、V−VDDの電位を検出して制御入力をスイッチトランジスタ50のゲートに印加し、スイッチトランジスタ50のオン抵抗又は電流容量を変化させて、V−VDDの電位が所定レベル以下に降下しないように制御している。
【0036】
図6に、図5に示す回路における信号波形の例を示す。図6(a)は、システムクロック600を示している。論理回路10には、通常システムクロック600に同期して信号が入力される。図6(b)に示す包絡線610は、論理回路10が動作することによって、VDDからV−VDDへ流れる電流を示している。通常、論理回路10は、システムクロック600の1周期中の前半で多くのゲートが遷移を起こし、後半では遅延の長いパスが遷移を起こすのみであることが多い。
【0037】
図6(c)は、スイッチトランジスタ50とV−VDD制御回路60によって、制御されたV−VDDの波形620を示している。図6(c)に示されるように、遷移するゲートの多い、システムクロック600の1周期中の前半では、V−VDDを下降させて論理回路10内の信号振幅(VS3)を低減させ、システムクロック600の1周期中の後半では、V−VDDを上昇させて論理回路10内の信号振幅(VS4)を上昇するように制御している。
【0038】
図6(c)に示すようにV−VDDを制御することにより、遷移の多い(即ち、電力消費が多い)タイミングで、V−VDDを下降させて信号振幅を低減し、論理回路全体の消費電力の削減を図っている。図3から類推されるように、V−VDDを下降させると、消費電力が削減できるが、遅延時間が長くなってしまう。しかしながら、前述したように、通常、システムクロック600の1周期中の前半に遷移が多いので、このタイミングで遷移を行うゲートの動作時間が遅延してもまだ時間の余裕があって大きな問題とはならない。
【0039】
逆に、論理回路10のクリティカルパスを含むパスでは、システムクロック600の1周期中の後半で遷移を起こすこととなるが、この時点ではV−VDDはVDDレベルまで上昇しており、信号振幅は十分に取れるので、遅延時間を短くすることができる。
【0040】
なお、図5の例では、V−VDD制御回路60は、論理回路10の正常な動作を維持するために、VGND制御回路30は、V−VDDの下降を、最大でもVDDの20%〜30%以内になるように制御している。
【0041】
図7に、本発明の第3の実施例の概要を示す。第3の実施例は、第1及び第2の実施例を組み合わせたものである。図7では、VGNDとGNDとの間に第1のN型MOSスイッチトランジスタ20を接続し、VGND制御回路30がスイッチトランジスタ20を制御するように構成し、さらにVDDとV−VDDとの間に第2のN型MOSスイッチトランジスタ50を設け、V−VDD制御回路60がスイッチトランジスタ50を制御するように構成した。
【0042】
VGND制御回路30は、論理回路10の動作時に、VGNDの電位を検出して制御入力をスイッチトランジスタ20のゲートに印加し、スイッチトランジスタ20のオン抵抗又は電流容量を変化させて、VGNDが所定電位以下に降下しないように制御している。また、V−VDD制御回路60は、論理回路10の動作時に、V−VDDの電位を検出して制御入力をスイッチトランジスタ50のゲートに印加し、スイッチトランジスタ50のオン抵抗又は電流容量を変化させて、V−VDDが所定電位以下に降下しないように制御している。
【0043】
図8に、図7に示す回路における信号波形の例を示す。図8(a)は、システムクロック800を示している。論理回路10には、通常システムクロック800に同期して信号が入力される。図8(b)に示す包絡線810は、論理回路10が動作することによって、論理回路10内を流れる電流を示している。通常、論理回路10は、システムクロック800の1周期中の前半で多くのゲートが遷移を起こし、後半では遅延の長いパスが遷移を起こすのみであることが多い。
【0044】
図8(c)は、スイッチトランジスタ20とVGND制御回路30によって制御されたVGNDの波形820、及びスイッチトランジスタ50とV−VDD制御回路60によって制御されたV−VDDの波形830を示している。図8(c)に示されるように、遷移するゲートの多い、システムスロック800の1周期中の前半では、VGNDを上昇且つV−VDDを下降させて論理回路10内の信号振幅(VS5)を低減させ、システムクロック800の1周期中の後半では、VGNDを下降且つV−VDDを上昇させて論理回路10内の信号振幅(VS6)を上昇するように制御している。
【0045】
図8(c)に示すようにVGND及びV−VDDを制御することにより、遷移の多い(即ち、電力消費が多い)タイミングで、VGNDを上昇且つV−VDDを下降させて信号振幅を低減し、論理回路全体の消費電力の削減を図っている。図3から類推されるように、VGNDを上昇且つV−VDDを下降させると、消費電力が削減できるが、遅延時間が長くなってしまう。しかしながら、前述したように、通常、システムクロック1000の1周期中の前半に遷移が多いので、このタイミングで遷移を行うゲートの動作時間が遅延してもまだ時間の余裕があって大きな問題とはならない。
【0046】
逆に、論理回路10のクリティカルパスを含むパスは、システムクロック1000の1周期中の後半で遷移を起こすこととなるが、この時点ではVGNDはGNDレベルまで下降し、且つV−VDDはVDDレベルまで上昇しており、信号振幅は十分に取れるので、遅延時間を短くすることができる。
【0047】
なお、VGND制御回路20及びV−VDD制御回路60は、論理回路10の正常な動作を維持するために、信号振幅の低減を最大でもVDD−GND間の20%〜30%以内になるように制御している。
【0048】
図9に、本発明の第4の実施例の概要を示す。図9の例では、図1におけるMOSスイッチトランジスタ20の代わりに、能力可変スイッチ70を取り付けたものである。能力可変スイッチ70は、例えば、同じゲート長を有する第1のMOSスイッチトランジスタ72及び第2のMOSスイッチトランジスタ74を並列に配置し、コントロール信号C1及びC2によって各トランジスタ72及び74のオン/オフが制御されるように構成されている。
【0049】
図1に示す電源スイッチ回路では、VGND制御回路30がVGNDの電位を検出して、VGNDが所定レベル以上に上昇しないように制御した。これに対して、図9の例では、VGNDの電位が所定レベル以上に上昇しないように、能力可変スイッチ70を構成する複数のトランジスタをコントロール信号C1及びC2によって切替えるように制御するものである。例えば、当初第1のMOSスイッチトランジスタ72のみをオンさせていたのを、所定のタイミングで第1及び第2のMOSスイッチトランジスタ72及び74を両方オンさせるように切替えて、VGNDの電位の上昇を抑えるように制御するものである。この場合、当初第1のMOSスイッチトランジスタ72のみのオン抵抗であったものが、切替えによって第1及び第2のMOSスイッチトランジスタ72及び74の合成オン抵抗となって、抵抗値が下がることによって、VGNDの上昇が抑えられる。
【0050】
なお、図9の例では、能力可変トランジスタ70を並列に接続した2つのMOSトランジスタ72及び74で構成したが、能力可変トランジスタ70を構成するトランジスタは2個には限定されず、3個以上の任意の数であって良い。また、図9の例では、能力可変トランジスタ70を同じゲート長を有するトランジスタで構成したが、異なるゲート長を有する複数のトランジスタを任意に組み合わせても良い。
【0051】
さらに、図9の例では、図1に示す第1の実施例のように、能力可変トランジスタ70をVGNDとGNDとの間に配置したが、図5に示す第2の実施例のように、能力可変トランジスタ70をVDDとV−VDDとの間に配置するようにしても良い。また、図7に示す第3の実施例のように、能力可変トランジスタ70をVGNDとGNDとの間及びVDDとV−VDDとの間の両方に配置するようにしても良い。
【0052】
図10に、前述した論理回路10の動作時における消費電力の削減とともに、論理回路10の待機時における漏れ電流による消費電力をも削減することを目的とする変形例を示す。
【0053】
図10の例では、図1に示す第1の実施例における1つのスイッチトランジスタ20の代わりに、2つのN型MOSスイッチトランジスタ21及び22をVGNDとGNDとの間に直列に配置し、VGND制御回路30からの制御入力によって同時に制御するように構成した。
【0054】
論理回路10の動作時には、VGND制御回路30は、図1の場合と同様に、スイッチトランジスタ21及び22のゲートに制御入力を印加することによって、スイッチトランジスタ21及び22のオン抵抗又は電流容量を変化させ、VGNDの電位が所定レベル以上に上昇しないように制御している。
【0055】
また、論理回路10の待機時には、VGND制御回路30は、スイッチトランジスタ21及び22の制御入力をオフにして2つのスイッチトランジスタをオフ状態に維持する。図10の例では、スイッチトランジスタ2段にすることによって、微細化されたMOSトランジスタにおける、オフ時の微細化によるサブスレッショルド電流等の漏れ電流をより制限できる。
【0056】
例えば、同じサイズのスイッチトランジスタを2個直列に接続した場合、オン抵抗は2倍になるが、オフ状態の抵抗は2倍以上(実際には1ケタ以上)に増大する。これは、2つのスイッチトランジスタを直列に接続したことにより、各トランジスタのオフ状態において、各トランジスタのドレイン・ソース間に印加される電圧を1/2に低下することによって、ショートチャネル効果によるドレイン誘起障壁低下(DIBL:Drain induced barrier lowering)の影響を緩和することができることによる。
【0057】
ドレイン誘起障壁低下とは、短チャネル(ゲート長が約1μm以下)のN型MOSFETによるスイッチトランジスタがオフ時には、ゲート下のp型領域に生じるポテンシャル障壁によって電子がドレインに流れ込むのを防いでいるが、このポテンシャル障壁がトランジスタのドレイン・ソース間に印加される電界によって低くなり、しきい値電圧は低下する現象を言う。
【0058】
図1において、スイッチトランジスタ20のオフ状態の時に、スイッチトランジスタ20のドレイン・ソース間に印加されている電圧をVddとすると、図10において、スイッチトランジスタ21と22との中間ノードXにおける中間電位は1/2Vddとなる。したがって、短チャネルのN型MOSFETによるトランジスタ21及び22では、ドレイン・ソース間の電界が1/2に低下することによってドレイン誘起障壁低下が緩和され、しきい値電圧が高くなり、トランジスタ21及び22を合わせたオフ時の抵抗は単に2倍になるのではなく、それ以上になる。即ち、図1に示すスイッチトランジスタが1つの場合に比べて、サブスレッショルド電流を格段に減少させることができる。
【0059】
また、スイッチトランジスタ21及び22には、論理回路10を構成するロジックトランジスタよりも、ゲート長(Lg)の大きな(10%程度)トランジスタを用いることが好ましい。ショートチャネル効果が減少し、漏れ電流をより確実に制限することができるからである。
【0060】
なお、図10に示したスイッチトランジスタを2段にして、論理回路10の待機時の漏れ電流を制限する構成は、図1に示す第1の実施例だけでなく、図5に示した第2の実施例、図7に示した第3の実施例、及び図9に示した第4の実施例にも適用することができる。
【0061】
図11に、前述した論理回路10の動作時における消費電力の削減とともに、論理回路10の待機時における漏れ電流による消費電力をも削減することを目的とする他の変形例を示す。
【0062】
図11の例では、図1に示す第1の実施例における1つのスイッチトランジスタ20に加えて、スイッチトランジスタ20と直列にスリープ用のトランジスタ23を配置し、論理回路10の待機時には、スリープ信号をスリープ用のトランジスタ23のゲートに印加して、スリープ用のトランジスタ23をオフ状態に維持するように構成した。図11の例では、スイッチトランジスタ20及びスリープ用のトランジスタ23の2段構成によって、微細化されたMOSにおける、オフ時の微細化によるサブスレッショルド電流等の漏れ電流をより制限できる。
【0063】
なお、図11の例でも、図10の例と同様に2つのスイッチトランジスタ20及び23の中間電位Xを低下することができるので、ドレイン誘導障壁低下の影響を緩和することができる。したがって、この場合も、図1に示すスイッチトランジスタが1つの場合に比べて、サブスレッショルド電流を格段に減少させることができる。
【0064】
また、図11に示したスイッチトランジスタ20及びスリープ用のトランジスタ23の2段構成によって、論理回路10の待機時の漏れ電流を制限する構成は、図1に示す第1の実施例だけでなく、図5に示した第2の実施例、図7に示した第3の実施例、及び図9に示した第4の実施例にも適用することができる。
【0065】
図12に、前述した論理回路の動作時における消費電力の削減とともに、スイッチトランジスタを小型化することを目的とする更に他の変形例を示す。
【0066】
図12の例では、図1に示す第1の実施例において、さらに基板制御回路80を付加したものである。図12の例では、図1と同様に、N型MOSスイッチトランジスタ20のドレインをVGNDに接続し、N型MOSスイッチトランジスタ20のソースをGNDに接続した。また、VGND制御回路30は、VGNDの電位を検出してスイッチトランジスタ20のゲートに制御入力を印加し、スイッチトランジスタ20のオン抵抗又は電流容量を変化させて、VGNDが所定の電位以上に上昇しないように制御している。図12の例では、さらに、基板制御回路80を設け、VGND制御回路30からスイッチトランジスタ20への制御入力を用いて論理回路10の動作状態を判断し、論理回路10の動作時にスイッチトランジスタ20の基板に順方向バイアス(図12に82として示す)を印加するように構成している。
【0067】
スイッチトランジスタ20の基板に順方向バイアス82を印加すると、スイッチトランジスタ20のしきい値が下がって、オン抵抗が減少し、より大きな電流(図12に84として示す)が流れるようになる。これは、スイッチトランジスタ20の基板に順方向バイアス82を印加すると、例えばスイッチトランジスタ20のソース・ドレイン間に発生する寄生バイポーラトランジスタがオンし、スイッチトランジスタ20のスイッチとしての抵抗値を下げる効果があるからである。
【0068】
通常、オン時の抵抗値を下げるには、半導体集積回路中において、よりゲート幅(Wg)の大きいトランジスタを作成する必要があった。これに対して、スイッチトランジスタ20の基板に順方向バイアス82を印加することによって、オン時の抵抗値を下げることができるので、同じ機能を有しながら、基板に順方向バイアスを印加しない場合に比べてよりゲート幅の小さい(動作電圧が1.0Vの場合で約20%〜40%程度)スイッチトランジスタを用いることが可能となる。さらに、ゲート幅の小さいスイッチトランジスタを用いることができれば、スイッチトランジスタのオフ時の漏れ電流はゲート幅に比例するので、論理回路10が待機時の漏れ電流をより制限することができる。なお、ゲート幅(Wg)は、ゲート電圧におけるドレイン・ソース間方向の長さ(ゲート長:Lg)に対して直行する方向の長さをいう。
【0069】
なお、図12に示した基板制御回路80を設けて、よりスイッチトランジスタを小型化且つ論理回路10の待機時の漏れ電流を制限する構成は、図1に示す第1の実施例だけでなく、図5に示した第2の実施例及び図7に示した第3の実施例にも適用することができる。また、図12に示した基板制御回路80を設けて、よりスイッチトランジスタを小型化且つ論理回路10の待機時の漏れ電流を制限する構成は、図9に示した第4の実施例における能力可変トランジスタにも適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
このように、本発明に従った電源スイッチ回路によれば、論理回路の動作時に信号振幅を低減させることによって、消費電力を削減することが可能となった。
【0071】
また、本発明に従った電源スイッチ回路によれば、論理回路の待機時に、漏れ電流を制限することによって、消費電力を削減することが可能となった。
【0072】
さらに、本発明に従った電源スイッチ回路によれば、トランジスタの基板電位を制御することによって、よりトランジスタを小型化且つ論理回路の待機時の漏れ電流を制限することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電源スイッチ回路の第1の実施例の概略を示す図である。
【図2】(a)はシステムクロックを示し、(b)は図1における論理回路全体を流れる電流を示し、(c)は図1におけるVGNDの波形例を示す図である。
【図3】VGNDとPD積及びVGNDと遅延時間との関係を示すグラフである。
【図4】図1に示す第1の実施例における回路例を示す図である。
【図5】本発明に係る電源スイッチ回路の第2の実施例の概略を示す図である。
【図6】(a)はシステムクロックを示し、(b)は図5における論理回路全体を流れる電流を示し、(c)は図5におけるV−VDDの波形例を示す図である。
【図7】本発明に係る電源スイッチ回路の第3の実施例態の概略を示す図である。
【図8】(a)はシステムクロックを示し、(b)は図7における論理回路全体を流れる電流を示し、(c)は図7におけるVGND及びV−VDDの波形例を示す図である。
【図9】本発明に係る電源スイッチ回路の第4の実施例の概略を示す図である。
【図10】図1に示す電源スイッチ回路の変形例を示す図である。
【図11】図1に示す電源スイッチ回路の他の変形例を示す図である。
【図12】図1に示す電源スイッチ回路の更に他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
10…論理回路
20、21、22、50、…スイッチトランジスタ
30…VGND制御回路
60…VVDD制御回路
70…可変能力スイッチ回路
80…基板制御回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細MOSトランジスタで構成された半導体集積回路に好適に用いられることができる電源スイッチ回路、特に半導体集積回路中の論理回路の動作時及び/または待機時に消費電力を削減することができる電源スイッチ回路に関する。
【0002】
近年、半導体微細加工技術の進歩につれて、移動通信端末、パーソナルコンピュータ又はPDA等の携帯端末が普及しつつある。このような携帯端末では、必要な電力が電池によって供給されるので、携帯端末を長時間稼動するために、携帯端末に用いられる半導体集積回路の低消費電力化のための電源スイッチ回路が要望されている。
【0003】
【従来の技術】
半導体集積回路における低消費電力化の有効な手段の一つは、半導体集積回路の低電圧化である。そのため、半導体集積回路を駆動する電源電圧を低く抑えることが考えられる(例えば1.0V以下)。例えば、MOSトランジスタを微細化し、電源電圧の低下に伴い、動作速度の低下を防ぐためにしきい値電圧を下げると、MOSトランジスタの待機時に漏れ電流が増加する。また、特にMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧がしきい値電圧以下となった領域での漏れ電流は、サブスレッショルド電流と呼ばれ、ゲート・ソース間電圧に指数関数的に比例して大きくなってしまう。特に、微細化されたMOSトランジスタによる半導体集積回路の待機時の消費電力は、このサブスレッショルド電流により決定される。
【0004】
そこで、電源電圧と仮想の電源電圧との間にスイッチング用MOSトランジスタを設け、待機時の半導体集積回路全体のサブスレッショルド電流を、待機時のスイッチング用MOSトランジスタのサブスレッショルド電流に制限して、全体の消費電力を低下させようとする試みが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、電源電圧と半導体集積回路との間に、MOSトランジスタによって構成された抵抗素子を設け、待機時では抵抗素子を通して半導体集積回路には小電流しか流れ込まないようにして、待機時の消費電力を低下させようとする試みが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
なお、このような従来の回路では、電源電圧と半導体集積回路との間に設けられるMOSトランジスタのオン抵抗による電圧降下は問題であるとされ、なるべく小さい方が好ましいとされていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−210976号公報(第5頁、図1)
【特許文献2】
特開平5−347550号公報(第4頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の回路では、電源電圧と半導体集積回路との間に設けられるMOSトランジスタを利用して、半導体集積回路の動作時においても消費電力を低下させようとする試みはなされていなかった。
【0009】
そこで、本発明は、半導体集積回路中に構成された論理回路の動作時に論理回路の動作電圧を減少させて、論理回路の動作時の消費電力を削減することができる電源スイッチ回路を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、半導体集積回路中に構成された論理回路の動作時に論理回路の動作電圧を減少させ、且つ論理回路の待機時に漏れ電流を減少させて、論理回路の動作時及び待機時の消費電力を削減することができる電源スイッチ回路を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、半導体集積回路中に構成された論理回路の動作時に論理回路の動作電圧を減少させ、且つスイッチトランジスタを小型化することができる電源スイッチ回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の形態によれば、ゲート端子を有し、仮想地線(VGND)と地線(GND)との間に接続されたスイッチトランジスタと、論理回路の動作時に、スイッチトランジスタのゲート端子に制御入力を印加することによって、仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないように制御する制御回路とを有することを特徴とする、電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、スイッチトランジスタのオン抵抗によって発生する電位差によってVGNDを上昇させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0013】
また、本発明の第2の形態によれば、ゲート端子を有し、電源線(VDD)と仮想電源線(V−VDD)との間に接続されたスイッチトランジスタと、論理回路の動作時に、スイッチトランジスタのゲート端子に制御入力を印加することによって、仮想電源線の電位を所定レベル以下に下降させないように制御する制御回路とを有することを特徴とする、仮想電源線と地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、スイッチトランジスタのオン抵抗によって発生する電位差によってV−VDDを下降させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0014】
また、本発明の第3の形態によれば、仮想地線と地線との間に接続された第1スイッチトランジスタと、電源線と仮想電源線との間に接続された第2スイッチトランジスタと、論理回路の動作時に、第1スイッチトランジスタのゲート端子に第1制御入力を印加することによって、仮想地線を所定レベル以上に上昇させないように制御する第1制御回路と、論理回路の動作時に、第2スイッチトランジスタのゲート端子に第2制御入力を印加することによって、仮想電源線を所定レベル以下に下降させないように制御する第2制御回路とを有することを特徴とする、仮想電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、第1及び第2スイッチトランジスタのオン抵抗によって発生する電位差によってVGNDを上昇させ且つV−VDDを下降させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0015】
また、本発明の第4の形態によれば、仮想地線と地線との間に接続された能力可変スイッチと、論理回路の動作時に、能力可変スイッチを制御することによって、仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないようにする制御回路とを有することを特徴とする、電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、能力可変スイッチのオン抵抗によって発生する電位差によってVGNDを上昇させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0016】
また、本発明の第5の形態によれば、電源線と前記仮想電源線との間に接続された能力可変スイッチと、論理回路の動作時に、能力可変スイッチを制御して、仮想電源線の電位を所定レベル以下に下降させないようにする制御回路とを有することを特徴とする、仮想電源線と地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、能力可変スイッチのオン抵抗によって発生する電位差によってV−VDDを下降させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0017】
また、本発明の第6の形態によれば、仮想地線と地線との間に接続された第1能力可変スイッチと、電源線と前記仮想電源線との間に接続された第2能力可変スイッチと、論理回路の動作時に、第1能力可変スイッチを制御することによって、仮想地線を所定レベル以上に上昇させないようにする第1制御回路と、論理回路の動作時に、第2能力可変スイッチを制御することによって、仮想電源線を所定レベル以下に下降させないように制御する第2制御回路とを有することを特徴とする仮想電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路が提供される。論理回路の動作時に、第1及び第2能力可変スイッチのオン抵抗によって発生する電位差によってVGNDを上昇させ且つV−VDDを下降させ、論理回路の信号振幅を低減して、論理回路の消費電力を削減できるように構成した。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電源スイッチ回路を添付図面を参照して詳述する。
【0019】
図1に、本発明の第1の実施例の概略を示す。図1において、論理回路10は、MISトランジスタ、特にMOSトランジスタを用いて構成した論理回路であって、所定の入力信号から所定の出力信号を得られるように、複数のP型MOSトランジスタ12及び複数のN型MOSトランジスタ14等から構成されている。また、論理回路10は、電源線(VDD、例えば1.0V)と仮想地線(VGND)の間に接続されている。
【0020】
N型MOSスイッチトランジスタ20は、そのドレインがVGNDに、ソースが地線(GND)に接続されるように、VGNDとGNDとの間に配置されている。また、スイッチトランジスタ20のゲートには、VGND制御回路30からの制御入力が印加されるように構成されている。VGND制御回路30は、VGNDの電圧を検出するための電圧センサ回路32及び電圧センサ回路32からの出力を増幅し制御入力を出力するための増幅回路34等から構成されている。
【0021】
図2に、図1に示す回路における信号波形の例を示す。図2(a)は、システムクロック200を示している。論理回路10には、システムクロック200に同期して信号が入力される。
【0022】
論理回路10が動作すると、回路中のゲートが遷移を起こすが、回路中の伝播遅延の違いによって、システムクロック200の1周期中のさまざまなタイミングで遷移によるグリッチ(ハザード)が発生する。また、システムクロック200の1周期中に複数の遷移を行うゲートもある。図2(b)は、このようにしてグリッジの包絡線210を示している。したがって、包絡線210は、論理回路10の動作時に、VDDからVGNDへ流れる電流を示していることとなる。通常、論理回路10は、システムクロック200の1周期中の前半で多くのゲートが遷移を起こし、後半ではクリティカルパスを含む遅延の長いパスが遷移を起こすのみであることが多い。このため、VGNDの上昇が回路性能に与える影響は小さい。
【0023】
図2(c)は、スイッチトランジスタ20とVGND制御回路30によって制御されたVGNDの波形230を示している。図2(c)に示されるように、遷移するゲートの多い、システムクロック200の1周期中の前半では、VGNDを上昇させて論理回路10内の信号振幅(VS1)を低減させ、システムクロック200の1周期中の後半では、VGNDを下げて論理回路10内の信号振幅(VS2)を上昇するように制御している。
【0024】
図3に、VGNDとPD積及びVGNDと遅延時間との関係をシミュレーションによって求めた結果を示す。図中、横軸にVGND(ピーク値)(V)をとり、縦軸にPD積(μW・μs)及び遅延時間(ns)をとった。PD積は、電力遅延積を示し動作エネルギーに相当する値である。
【0025】
図3において、301、302、303、304及び305は、それぞれVDDが1.0V、0.9V、0.8V、0.7V及び0.6Vの時のVGNDとPD積の関係を示している。また、311、312、313、314及び315は、それぞれVDDが1.0V、0.9V、0.8V、0.7V及び0.6Vの時のVGNDと遅延時間との関係を示している。
【0026】
図3から理解できるように、VGNDを上昇させれば、PD積が小さくなる(消費電力が小さくなる)が、遅延時間が長くなる。なお、論理回路10の回路動作を正常に動作させるためには、信号振幅がVDDの2/3程度あれば良いので、VGND(ピーク値)をVDDの20%〜30%に抑えておけば、回路動作を正常に保つことができる。
【0027】
図1に示す電源スイッチ回路では、図2(c)に示すようにVGNDを制御することにより、遷移の多い(即ち、電力消費が多い)タイミングで、VGNDを上昇させて信号振幅を低減し、論理回路10全体の消費電力の削減を図っている。図3から理解されるように、VGNDを上昇させると、消費電力は削減できるが、遅延時間が長くなってしまう。しかしながら、前述したように、通常、システムクロック200の1周期中の前半で、遷移が多いので、このタイミングで遷移を行うゲートの動作時間が遅延してもまだ時間の余裕があって大きな問題とはならない。
【0028】
逆に、論理回路10のクリティカルパスを含む遷移の遅いパスは、システムクロック200の1周期中の後半で遷移を起こすが、この時点ではVGNDはGNDレベルまで低減しており、信号振幅は十分に取れるので、遅延時間を短くすることができる。
【0029】
図1に示す電源スイッチ回路では、論理回路10のゲートが遷移を起こすことによって流れる電流がスイッチトランジスタ20を通過することによって、MOSトランジスタで構成されるスイッチトランジスタのオン抵抗成分によってVGNDが上昇する。したがって、スイッチトランジスタ20には、オン抵抗の大きいものを使用するか、オン抵抗が大きくなるように制御することが必要である。即ち、従来の回路で、論理回路10とVDD又はGNDの間に設けられた待機時の漏れ電流等を抑えるためのスイッチトランジスタには、オン抵抗が小さいものが用いられたことと対照的である。
【0030】
スイッチトランジスタ20のオン抵抗は、スイッチトランジスタのゲート幅(Wg)と反比例する関係にあるので、オン抵抗を大きくすることができればゲート幅を小さくすることが可能となり、半導体集積回路上におけるスイッチトランジスタ20のサイズを従来のスイッチトランジスタに比較して十分に小さくすることができる。
【0031】
なお、前述したように、論理回路10の動作を正常に維持するために、電圧センサ回路32がVGNDの電位を検出し、それに応じてスイッチトランジスタ20のゲートに制御入力を印加することによって、スイッチトランジスタ20のオン抵抗又は電流容量を変化させ、VGNDの電位が所定レベル以上に上昇しないように制御している。図1の例では、VGND制御回路30は、VGNDの上昇を、VDDの20%以内になるように制御している。
【0032】
したがって、遷移の多いシステムクロック200の1周期内の前半では、多くの電流がスイッチトランジスタ20を流れるので、その結果VGNDが上昇することとなる。論理回路内での遷移が収まり、スイッチトランジスタ20を流れる電流が減少すれば、VGNDはすみやかにGNDレベルまで落ちることとなる。したがって、半導体集積回路内の他のブロックとの間にVGNDの電位を調整するためのレベルシフタ回路等を設ける必要はない。
【0033】
図4に、図1に示す電源スイッチ回路を実際に構成した回路例を示す。図4において、図1と同様に、論理回路10は、VDDとVGNDとの間に配置されており、N型MOSスイッチトランジスタ40は、ドレインがVGNDに接続され、ソースがGNDに接続されるように配置されている。N型MOSトランジスタ42は、そのゲートがVGNDに接続され、ソースがGNDに接続されている。カレントミラー回路44は、ゲート同士が接続された2つのP型MOSトランジスタから構成されており、各トランジスタのドレインがVDDに接続され、各トランジスタのゲートがN型MOSトランジスタ42のドレインと接続されている。基準電流源46は、3つのN型MOSトランジスタから構成され、各ゲートはVDDと接続され、図中最上段のトランジスタのドレインはカレントミラー回路42を構成する図中左側のトランジスタのソースと接続され、最下段のトランジスタのソースはGNDと接続されている。また、カレントミラー回路44と基準電流源46との接続点48とN型MOSトランジスタ40のゲートが接続されている。
【0034】
図4に示す回路例では、N型MOSトランジスタ42がVGNDの電位を検出し、その出力がカレントミラー回路44で増幅されて、基準電流源46による基準と比較されて、N型MOSスイッチトランジスタ40のゲートに制御入力として印加されるように構成されている。したがって、論理回路10の動作時に、N型MOSスイッチトランジスタ40のオン抵抗によってVGNDが上昇しても、N型MOSスイッチトランジスタ40のゲートに印加される制御入力によって、VGNDの電位が所定レベル以上に、上昇しないように制御されている。
【0035】
図5に、本発明の第2の実施例の概要を示す。図5では、VDDと仮想電源線(V−VDD)との間にN型MOSスイッチトランジスタ50を配置し、V−VDD制御回路60によって、スイッチトランジスタ50を制御するように構成した。V−VDD制御回路60は、論理回路10の動作時に、V−VDDの電位を検出して制御入力をスイッチトランジスタ50のゲートに印加し、スイッチトランジスタ50のオン抵抗又は電流容量を変化させて、V−VDDの電位が所定レベル以下に降下しないように制御している。
【0036】
図6に、図5に示す回路における信号波形の例を示す。図6(a)は、システムクロック600を示している。論理回路10には、通常システムクロック600に同期して信号が入力される。図6(b)に示す包絡線610は、論理回路10が動作することによって、VDDからV−VDDへ流れる電流を示している。通常、論理回路10は、システムクロック600の1周期中の前半で多くのゲートが遷移を起こし、後半では遅延の長いパスが遷移を起こすのみであることが多い。
【0037】
図6(c)は、スイッチトランジスタ50とV−VDD制御回路60によって、制御されたV−VDDの波形620を示している。図6(c)に示されるように、遷移するゲートの多い、システムクロック600の1周期中の前半では、V−VDDを下降させて論理回路10内の信号振幅(VS3)を低減させ、システムクロック600の1周期中の後半では、V−VDDを上昇させて論理回路10内の信号振幅(VS4)を上昇するように制御している。
【0038】
図6(c)に示すようにV−VDDを制御することにより、遷移の多い(即ち、電力消費が多い)タイミングで、V−VDDを下降させて信号振幅を低減し、論理回路全体の消費電力の削減を図っている。図3から類推されるように、V−VDDを下降させると、消費電力が削減できるが、遅延時間が長くなってしまう。しかしながら、前述したように、通常、システムクロック600の1周期中の前半に遷移が多いので、このタイミングで遷移を行うゲートの動作時間が遅延してもまだ時間の余裕があって大きな問題とはならない。
【0039】
逆に、論理回路10のクリティカルパスを含むパスでは、システムクロック600の1周期中の後半で遷移を起こすこととなるが、この時点ではV−VDDはVDDレベルまで上昇しており、信号振幅は十分に取れるので、遅延時間を短くすることができる。
【0040】
なお、図5の例では、V−VDD制御回路60は、論理回路10の正常な動作を維持するために、VGND制御回路30は、V−VDDの下降を、最大でもVDDの20%〜30%以内になるように制御している。
【0041】
図7に、本発明の第3の実施例の概要を示す。第3の実施例は、第1及び第2の実施例を組み合わせたものである。図7では、VGNDとGNDとの間に第1のN型MOSスイッチトランジスタ20を接続し、VGND制御回路30がスイッチトランジスタ20を制御するように構成し、さらにVDDとV−VDDとの間に第2のN型MOSスイッチトランジスタ50を設け、V−VDD制御回路60がスイッチトランジスタ50を制御するように構成した。
【0042】
VGND制御回路30は、論理回路10の動作時に、VGNDの電位を検出して制御入力をスイッチトランジスタ20のゲートに印加し、スイッチトランジスタ20のオン抵抗又は電流容量を変化させて、VGNDが所定電位以下に降下しないように制御している。また、V−VDD制御回路60は、論理回路10の動作時に、V−VDDの電位を検出して制御入力をスイッチトランジスタ50のゲートに印加し、スイッチトランジスタ50のオン抵抗又は電流容量を変化させて、V−VDDが所定電位以下に降下しないように制御している。
【0043】
図8に、図7に示す回路における信号波形の例を示す。図8(a)は、システムクロック800を示している。論理回路10には、通常システムクロック800に同期して信号が入力される。図8(b)に示す包絡線810は、論理回路10が動作することによって、論理回路10内を流れる電流を示している。通常、論理回路10は、システムクロック800の1周期中の前半で多くのゲートが遷移を起こし、後半では遅延の長いパスが遷移を起こすのみであることが多い。
【0044】
図8(c)は、スイッチトランジスタ20とVGND制御回路30によって制御されたVGNDの波形820、及びスイッチトランジスタ50とV−VDD制御回路60によって制御されたV−VDDの波形830を示している。図8(c)に示されるように、遷移するゲートの多い、システムスロック800の1周期中の前半では、VGNDを上昇且つV−VDDを下降させて論理回路10内の信号振幅(VS5)を低減させ、システムクロック800の1周期中の後半では、VGNDを下降且つV−VDDを上昇させて論理回路10内の信号振幅(VS6)を上昇するように制御している。
【0045】
図8(c)に示すようにVGND及びV−VDDを制御することにより、遷移の多い(即ち、電力消費が多い)タイミングで、VGNDを上昇且つV−VDDを下降させて信号振幅を低減し、論理回路全体の消費電力の削減を図っている。図3から類推されるように、VGNDを上昇且つV−VDDを下降させると、消費電力が削減できるが、遅延時間が長くなってしまう。しかしながら、前述したように、通常、システムクロック1000の1周期中の前半に遷移が多いので、このタイミングで遷移を行うゲートの動作時間が遅延してもまだ時間の余裕があって大きな問題とはならない。
【0046】
逆に、論理回路10のクリティカルパスを含むパスは、システムクロック1000の1周期中の後半で遷移を起こすこととなるが、この時点ではVGNDはGNDレベルまで下降し、且つV−VDDはVDDレベルまで上昇しており、信号振幅は十分に取れるので、遅延時間を短くすることができる。
【0047】
なお、VGND制御回路20及びV−VDD制御回路60は、論理回路10の正常な動作を維持するために、信号振幅の低減を最大でもVDD−GND間の20%〜30%以内になるように制御している。
【0048】
図9に、本発明の第4の実施例の概要を示す。図9の例では、図1におけるMOSスイッチトランジスタ20の代わりに、能力可変スイッチ70を取り付けたものである。能力可変スイッチ70は、例えば、同じゲート長を有する第1のMOSスイッチトランジスタ72及び第2のMOSスイッチトランジスタ74を並列に配置し、コントロール信号C1及びC2によって各トランジスタ72及び74のオン/オフが制御されるように構成されている。
【0049】
図1に示す電源スイッチ回路では、VGND制御回路30がVGNDの電位を検出して、VGNDが所定レベル以上に上昇しないように制御した。これに対して、図9の例では、VGNDの電位が所定レベル以上に上昇しないように、能力可変スイッチ70を構成する複数のトランジスタをコントロール信号C1及びC2によって切替えるように制御するものである。例えば、当初第1のMOSスイッチトランジスタ72のみをオンさせていたのを、所定のタイミングで第1及び第2のMOSスイッチトランジスタ72及び74を両方オンさせるように切替えて、VGNDの電位の上昇を抑えるように制御するものである。この場合、当初第1のMOSスイッチトランジスタ72のみのオン抵抗であったものが、切替えによって第1及び第2のMOSスイッチトランジスタ72及び74の合成オン抵抗となって、抵抗値が下がることによって、VGNDの上昇が抑えられる。
【0050】
なお、図9の例では、能力可変トランジスタ70を並列に接続した2つのMOSトランジスタ72及び74で構成したが、能力可変トランジスタ70を構成するトランジスタは2個には限定されず、3個以上の任意の数であって良い。また、図9の例では、能力可変トランジスタ70を同じゲート長を有するトランジスタで構成したが、異なるゲート長を有する複数のトランジスタを任意に組み合わせても良い。
【0051】
さらに、図9の例では、図1に示す第1の実施例のように、能力可変トランジスタ70をVGNDとGNDとの間に配置したが、図5に示す第2の実施例のように、能力可変トランジスタ70をVDDとV−VDDとの間に配置するようにしても良い。また、図7に示す第3の実施例のように、能力可変トランジスタ70をVGNDとGNDとの間及びVDDとV−VDDとの間の両方に配置するようにしても良い。
【0052】
図10に、前述した論理回路10の動作時における消費電力の削減とともに、論理回路10の待機時における漏れ電流による消費電力をも削減することを目的とする変形例を示す。
【0053】
図10の例では、図1に示す第1の実施例における1つのスイッチトランジスタ20の代わりに、2つのN型MOSスイッチトランジスタ21及び22をVGNDとGNDとの間に直列に配置し、VGND制御回路30からの制御入力によって同時に制御するように構成した。
【0054】
論理回路10の動作時には、VGND制御回路30は、図1の場合と同様に、スイッチトランジスタ21及び22のゲートに制御入力を印加することによって、スイッチトランジスタ21及び22のオン抵抗又は電流容量を変化させ、VGNDの電位が所定レベル以上に上昇しないように制御している。
【0055】
また、論理回路10の待機時には、VGND制御回路30は、スイッチトランジスタ21及び22の制御入力をオフにして2つのスイッチトランジスタをオフ状態に維持する。図10の例では、スイッチトランジスタ2段にすることによって、微細化されたMOSトランジスタにおける、オフ時の微細化によるサブスレッショルド電流等の漏れ電流をより制限できる。
【0056】
例えば、同じサイズのスイッチトランジスタを2個直列に接続した場合、オン抵抗は2倍になるが、オフ状態の抵抗は2倍以上(実際には1ケタ以上)に増大する。これは、2つのスイッチトランジスタを直列に接続したことにより、各トランジスタのオフ状態において、各トランジスタのドレイン・ソース間に印加される電圧を1/2に低下することによって、ショートチャネル効果によるドレイン誘起障壁低下(DIBL:Drain induced barrier lowering)の影響を緩和することができることによる。
【0057】
ドレイン誘起障壁低下とは、短チャネル(ゲート長が約1μm以下)のN型MOSFETによるスイッチトランジスタがオフ時には、ゲート下のp型領域に生じるポテンシャル障壁によって電子がドレインに流れ込むのを防いでいるが、このポテンシャル障壁がトランジスタのドレイン・ソース間に印加される電界によって低くなり、しきい値電圧は低下する現象を言う。
【0058】
図1において、スイッチトランジスタ20のオフ状態の時に、スイッチトランジスタ20のドレイン・ソース間に印加されている電圧をVddとすると、図10において、スイッチトランジスタ21と22との中間ノードXにおける中間電位は1/2Vddとなる。したがって、短チャネルのN型MOSFETによるトランジスタ21及び22では、ドレイン・ソース間の電界が1/2に低下することによってドレイン誘起障壁低下が緩和され、しきい値電圧が高くなり、トランジスタ21及び22を合わせたオフ時の抵抗は単に2倍になるのではなく、それ以上になる。即ち、図1に示すスイッチトランジスタが1つの場合に比べて、サブスレッショルド電流を格段に減少させることができる。
【0059】
また、スイッチトランジスタ21及び22には、論理回路10を構成するロジックトランジスタよりも、ゲート長(Lg)の大きな(10%程度)トランジスタを用いることが好ましい。ショートチャネル効果が減少し、漏れ電流をより確実に制限することができるからである。
【0060】
なお、図10に示したスイッチトランジスタを2段にして、論理回路10の待機時の漏れ電流を制限する構成は、図1に示す第1の実施例だけでなく、図5に示した第2の実施例、図7に示した第3の実施例、及び図9に示した第4の実施例にも適用することができる。
【0061】
図11に、前述した論理回路10の動作時における消費電力の削減とともに、論理回路10の待機時における漏れ電流による消費電力をも削減することを目的とする他の変形例を示す。
【0062】
図11の例では、図1に示す第1の実施例における1つのスイッチトランジスタ20に加えて、スイッチトランジスタ20と直列にスリープ用のトランジスタ23を配置し、論理回路10の待機時には、スリープ信号をスリープ用のトランジスタ23のゲートに印加して、スリープ用のトランジスタ23をオフ状態に維持するように構成した。図11の例では、スイッチトランジスタ20及びスリープ用のトランジスタ23の2段構成によって、微細化されたMOSにおける、オフ時の微細化によるサブスレッショルド電流等の漏れ電流をより制限できる。
【0063】
なお、図11の例でも、図10の例と同様に2つのスイッチトランジスタ20及び23の中間電位Xを低下することができるので、ドレイン誘導障壁低下の影響を緩和することができる。したがって、この場合も、図1に示すスイッチトランジスタが1つの場合に比べて、サブスレッショルド電流を格段に減少させることができる。
【0064】
また、図11に示したスイッチトランジスタ20及びスリープ用のトランジスタ23の2段構成によって、論理回路10の待機時の漏れ電流を制限する構成は、図1に示す第1の実施例だけでなく、図5に示した第2の実施例、図7に示した第3の実施例、及び図9に示した第4の実施例にも適用することができる。
【0065】
図12に、前述した論理回路の動作時における消費電力の削減とともに、スイッチトランジスタを小型化することを目的とする更に他の変形例を示す。
【0066】
図12の例では、図1に示す第1の実施例において、さらに基板制御回路80を付加したものである。図12の例では、図1と同様に、N型MOSスイッチトランジスタ20のドレインをVGNDに接続し、N型MOSスイッチトランジスタ20のソースをGNDに接続した。また、VGND制御回路30は、VGNDの電位を検出してスイッチトランジスタ20のゲートに制御入力を印加し、スイッチトランジスタ20のオン抵抗又は電流容量を変化させて、VGNDが所定の電位以上に上昇しないように制御している。図12の例では、さらに、基板制御回路80を設け、VGND制御回路30からスイッチトランジスタ20への制御入力を用いて論理回路10の動作状態を判断し、論理回路10の動作時にスイッチトランジスタ20の基板に順方向バイアス(図12に82として示す)を印加するように構成している。
【0067】
スイッチトランジスタ20の基板に順方向バイアス82を印加すると、スイッチトランジスタ20のしきい値が下がって、オン抵抗が減少し、より大きな電流(図12に84として示す)が流れるようになる。これは、スイッチトランジスタ20の基板に順方向バイアス82を印加すると、例えばスイッチトランジスタ20のソース・ドレイン間に発生する寄生バイポーラトランジスタがオンし、スイッチトランジスタ20のスイッチとしての抵抗値を下げる効果があるからである。
【0068】
通常、オン時の抵抗値を下げるには、半導体集積回路中において、よりゲート幅(Wg)の大きいトランジスタを作成する必要があった。これに対して、スイッチトランジスタ20の基板に順方向バイアス82を印加することによって、オン時の抵抗値を下げることができるので、同じ機能を有しながら、基板に順方向バイアスを印加しない場合に比べてよりゲート幅の小さい(動作電圧が1.0Vの場合で約20%〜40%程度)スイッチトランジスタを用いることが可能となる。さらに、ゲート幅の小さいスイッチトランジスタを用いることができれば、スイッチトランジスタのオフ時の漏れ電流はゲート幅に比例するので、論理回路10が待機時の漏れ電流をより制限することができる。なお、ゲート幅(Wg)は、ゲート電圧におけるドレイン・ソース間方向の長さ(ゲート長:Lg)に対して直行する方向の長さをいう。
【0069】
なお、図12に示した基板制御回路80を設けて、よりスイッチトランジスタを小型化且つ論理回路10の待機時の漏れ電流を制限する構成は、図1に示す第1の実施例だけでなく、図5に示した第2の実施例及び図7に示した第3の実施例にも適用することができる。また、図12に示した基板制御回路80を設けて、よりスイッチトランジスタを小型化且つ論理回路10の待機時の漏れ電流を制限する構成は、図9に示した第4の実施例における能力可変トランジスタにも適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
このように、本発明に従った電源スイッチ回路によれば、論理回路の動作時に信号振幅を低減させることによって、消費電力を削減することが可能となった。
【0071】
また、本発明に従った電源スイッチ回路によれば、論理回路の待機時に、漏れ電流を制限することによって、消費電力を削減することが可能となった。
【0072】
さらに、本発明に従った電源スイッチ回路によれば、トランジスタの基板電位を制御することによって、よりトランジスタを小型化且つ論理回路の待機時の漏れ電流を制限することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電源スイッチ回路の第1の実施例の概略を示す図である。
【図2】(a)はシステムクロックを示し、(b)は図1における論理回路全体を流れる電流を示し、(c)は図1におけるVGNDの波形例を示す図である。
【図3】VGNDとPD積及びVGNDと遅延時間との関係を示すグラフである。
【図4】図1に示す第1の実施例における回路例を示す図である。
【図5】本発明に係る電源スイッチ回路の第2の実施例の概略を示す図である。
【図6】(a)はシステムクロックを示し、(b)は図5における論理回路全体を流れる電流を示し、(c)は図5におけるV−VDDの波形例を示す図である。
【図7】本発明に係る電源スイッチ回路の第3の実施例態の概略を示す図である。
【図8】(a)はシステムクロックを示し、(b)は図7における論理回路全体を流れる電流を示し、(c)は図7におけるVGND及びV−VDDの波形例を示す図である。
【図9】本発明に係る電源スイッチ回路の第4の実施例の概略を示す図である。
【図10】図1に示す電源スイッチ回路の変形例を示す図である。
【図11】図1に示す電源スイッチ回路の他の変形例を示す図である。
【図12】図1に示す電源スイッチ回路の更に他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
10…論理回路
20、21、22、50、…スイッチトランジスタ
30…VGND制御回路
60…VVDD制御回路
70…可変能力スイッチ回路
80…基板制御回路
Claims (46)
- 電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路であって、
ゲート端子を有し、前記仮想地線と地線との間に接続されたスイッチトランジスタと、
論理回路の動作時に、前記スイッチトランジスタの前記ゲート端子に制御入力を印加することによって、前記仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないように制御する制御回路とを有することを特徴とする電源スイッチ回路。 - 前記スイッチトランジスタは、論理回路の動作時に前記スイッチトランジスタを流れる電流によって発生する電位差によって前記仮想地線の電位を上昇させる請求項1に記載の電源スイッチ回路。
- 前記制御回路は、前記制御入力によって、前記スイッチトランジスタのオン抵抗又は電流容量を変化させて前記仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないように制御する請求項1に記載の電源スイッチ回路。
- 前記スイッチトランジスタは、複数のトランジスタから構成されている請求項1に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタの全てのゲート端子に、前記制御入力が印加される請求項4に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタの一部のトランジスタのゲート端子に前記制御入力が印加される請求項4に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタの他のトランジスタのゲート端子には、論理回路の待機時に前記他のトランジスタをオフさせるためのスリープ信号が入力される請求項6に記載の電源スイッチ回路。
- さらに前記スイッチトランジスタのオン時に、前記スイッチトランジスタの基板に順方向のバイアスを印加する基板制御回路を有する請求項1に記載の電源スイッチ回路。
- 仮想電源線と地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路であって、
電源線と前記仮想電源線との間に接続されたスイッチトランジスタと、
論理回路の動作時に、前記スイッチトランジスタのゲート端子に制御入力を印加することによって、前記仮想電源線の電位を所定レベル以下に下降させないように制御する制御回路とを有することを特徴とする電源スイッチ回路。 - 前記スイッチトランジスタは、論理回路の動作時に前記スイッチトランジスタを流れる電流によって発生する電位差によって前記仮想電源線の電位を下降させる請求項9に記載の電源スイッチ回路。
- 前記制御回路は、前記制御入力によって、前記スイッチトランジスタのオン抵抗又は電流容量を変化させて前記仮想電源線の電位を所定レベル以下に下降しないように制御する請求項9に記載の電源スイッチ回路。
- 前記スイッチトランジスタは、複数のトランジスタから構成されている請求項9に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタの全てのゲート端子に、前記制御入力が印加される請求項12に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタの一部のトランジスタのゲート端子に前記制御入力が印加される請求項12に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタの他のトランジスタのゲート端子には、論理回路の待機時に前記他のトランジスタをオフさせるためのスリープ信号が入力される請求項14に記載の電源スイッチ回路。
- さらに前記スイッチトランジスタのオン時に、前記スイッチトランジスタの基板に順方向のバイアスを印加する基板制御回路を有する請求項9に記載の電源スイッチ回路。
- 仮想電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路であって、
前記仮想地線と地線との間に接続された第1スイッチトランジスタと、
電源線と前記仮想電源線との間に接続された第2スイッチトランジスタと、
論理回路の動作時に、前記第1スイッチトランジスタのゲート端子に第1制御入力を印加することによって、前記仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないように制御する第1制御回路と、
論理回路の動作時に、前記第2スイッチトランジスタのゲート端子に第2制御入力を印加することによって、前記仮想電源線の電位を所定レベル以下に下降させないように制御する第2制御回路とを有することを特徴とする電源スイッチ回路。 - 前記第1スイッチトランジスタは、論理回路の動作時に前記第1スイッチトランジスタを流れる電流によって発生する電位差によって前記仮想地線の電位を上昇させ、前記第2スイッチトランジスタは、論理回路の動作時に前記第2スイッチトランジスタを流れる電流によって発生する電位差によって前記仮想電源線の電位を下降させる請求項17に記載の電源スイッチ回路。
- 前記第1制御回路は、前記第1制御入力によって、前記第1スイッチトランジスタのオン抵抗又は電流容量を変化させて前記仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないように制御し、前記第2制御回路は、前記第2制御入力によって、前記第2スイッチトランジスタのオン抵抗又は電流容量を変化させて前記仮想電源線の電位を所定レベル以下に下降させないように制御する請求項17に記載の電源スイッチ回路。
- 前記第1又は第2スイッチトランジスタは、複数のトランジスタから構成されている請求項17に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタの全てのゲート端子に、前記第1、又は第2制御入力が印加される請求項20に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタの一部のトランジスタのゲート端子に前記第1又は第2制御入力が印加される請求項20に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタの他のトランジスタのゲート端子には、論理回路の待機時に前記他のトランジスタをオフさせるためのスリープ信号が入力される請求項22に記載の電源スイッチ回路。
- さらに前記第1又は第2スイッチトランジスタのオン時に、前記第1又は第2スイッチトランジスタの基板に順方向のバイアスを印加する基板制御回路を有する請求項17に記載の電源スイッチ回路。
- 電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路であって、
前記仮想地線と地線との間に接続された能力可変スイッチと、
論理回路の動作時に、前記能力可変スイッチを制御することによって、前記仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないようにする制御回路とを有することを特徴とする電源スイッチ回路。 - 前記能力可変スイッチは、論理回路の動作時に前記能力可変スイッチを流れる電流によって発生する電位差によって前記仮想地線の電位を上昇させる請求項25に記載の電源スイッチ回路。
- 前記能力可変スイッチは並列に接続された複数のトランジスタから構成され、前記制御回路は、前記複数のトランジスタを切替えて前記仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないように制御する請求項25に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタは、異なるゲート長を有する請求項26に記載の電源スイッチ回路。
- さらに、前記仮想地線と前記地線との間に前記能力可変スイッチと直列に接続されているリーク防止用トランジスタを有する請求項25に記載の電源スイッチ回路。
- さらに、前記能力可変スイッチのオン時に、前記能力可変スイッチの基板に順方向のバイアスを印加する基板制御回路を有する請求項29に記載の電源スイッチ回路。
- 仮想電源線と地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路であって、
電源線と前記仮想電源線との間に接続された能力可変スイッチと、
論理回路の動作時に、前記能力可変スイッチを制御して、前記仮想電源線の電位を所定レベル以下に下降させないようにする制御回路とを有することを特徴とする電源スイッチ回路。 - 前記能力可変スイッチは、論理回路の動作時に前記能力可変スイッチを流れる電流によって発生する電位差によって前記仮想電源線の電位を下降させる請求項31に記載の電源スイッチ回路。
- 前記能力可変スイッチは並列に接続された複数のトランジスタから構成され、前記制御回路は、前記複数のトランジスタを切替えて前記仮想電源線の電位を所定レベル以下に下降させないように制御する請求項31に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタは、異なるゲート長を有する請求項33に記載の電源スイッチ回路。
- さらに、前記電源線と前記仮想電源線との間に前記能力可変スイッチと直列に接続されているリーク防止用トランジスタを有する請求項31に記載の電源スイッチ回路。
- さらに、前記能力可変スイッチのオン時に、前記能力可変スイッチの基板に順方向のバイアスを印加する基板制御回路を有する請求項31に記載の電源スイッチ回路。
- 仮想電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路であって、
前記仮想地線と地線との間に接続された第1能力可変スイッチと、
電源線と前記仮想電源線との間に接続された第2能力可変スイッチと、
論理回路の動作時に、前記第1能力可変スイッチを制御することによって、前記仮想地線を所定レベル以上に上昇させないようにする第1制御回路と、
論理回路の動作時に、前記第2能力可変スイッチを制御することによって、前記仮想電源線を所定レベル以下に下降させないように制御する第2制御回路とを有することを特徴とする電源スイッチ回路。 - 前記第1能力可変スイッチは、論理回路の動作時に前記第1能力可変スイッチを流れる電流によって発生する電位差によって前記仮想地線の電位を上昇させ、前記第2能力可変スイッチは、論理回路の動作時に前記第2能力可変スイッチを流れる電流によって発生する電位差によって前記仮想電源線の電位を下降させる請求項37に記載の電源スイッチ回路。
- 前記第1及び第2能力可変スイッチは並列に接続された複数のトランジスタから構成され、前記第1制御回路は前記複数のトランジスタを切替えて前記仮想地線の電位を所定レベル以上に上昇させないように制御し、前記第2制御回路は前記複数のトランジスタを切替えて前記仮想電源線を所定レベル以下に下降させないように制御する請求項37に記載の電源スイッチ回路。
- 前記複数のトランジスタは、異なるゲート長を有する請求項39に記載の電源スイッチ回路。
- さらに、前記仮想地線と前記地線との間に前記第1能力可変スイッチと直列に接続されている第1リーク防止用トランジスタを有する請求項37に記載の電源スイッチ回路。
- さらに、前記電源線と前記仮想電源線との間に前記第2能力可変スイッチと直列に接続されている第2リーク防止用トランジスタを有する請求項37に記載の電源スイッチ回路。
- さらに、前記第1又は第2能力可変スイッチのオン時に、前記第1又は第2能力可変スイッチの基板に順方向のバイアスを印加する基板制御回路を有する請求項37に記載の電源スイッチ回路。
- 電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路であって、
ゲート端子を有し、前記仮想地線と地線との間に直列に接続された複数のスイッチトランジスタとを有し、
論理回路の待機時に、前記複数のスイッチトランジスタをオフさせることによって、前記論理回路から前記地線へ流れる漏れ電流を防止するようにしたことを特徴とする電源スイッチ回路。 - 仮想電源線と地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路であって、
電源線と前記仮想電源線との間に直列に接続された複数のスイッチトランジスタとを有し、
前記論理回路の待機時に、前記複数のスイッチトランジスタをオフさせることによって、前記電源線から前記論理回路へ流れる漏れ電流を防止するようにしたことを特徴とする電源スイッチ回路。 - 仮想電源線と仮想地線との間に構成された論理回路に接続された電源スイッチ回路であって、
前記仮想地線と地線との間に直列に接続された第1の複数のスイッチトランジスタと、
電源線と前記仮想電源線との間に直列に接続された第2の複数のスイッチトランジスタと、
前記論理回路の待機時に、前記第1及び第2の複数のスイッチトランジスタをオフさせることによって、前記電源線から前記論理回路へ且つ前記論理回路から前記地線へ流れる漏れ電流を防止するようにしたことを特徴とする電源スイッチ回路。
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