JP2004349420A - Soiウェーハの検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともベースウェーハ、埋め込み酸化膜、SOI層を具備するSOIウェーハのSOI層に存在する欠陥の検査方法であって、SOI層の欠陥を選択的にエッチングする選択エッチング液にてSOIウェーハをエッチングすることによりSOI層にエッチピットを形成し、前記SOIウェーハをフッ酸溶液に浸漬して前記SOI層のエッチピットを通して前記埋め込み酸化膜をエッチングすることにより埋め込み酸化膜にエッチピットを形成し、前記SOIウェーハをシリコンのエッチング速度の方が埋め込み酸化膜のエッチング速度より速いエッチング液にて前記SOI層をエッチング除去した後、表面に露出した前記埋め込み酸化膜のエッチピットの測定を行うSOIウェーハの検査方法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、SOIウェーハのSOI層に存在する欠陥の検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、絶縁性のシリコン酸化膜の上にシリコン活性層が形成されたSOI(Silocon On Insulator)構造を有するSOIウェーハが、SOI層に形成される半導体デバイスの高速性、低消費電力性、高耐圧性、耐環境性等に優れていることから、電子デバイス用の高性能LSIウェーハとして特に注目されている。これは、SOIウェーハではベースウェーハとシリコン活性層(SOI層)の間に絶縁層である埋め込み酸化膜(Buried OXide:BOX)層が存在するため、SOI層に形成される電子デバイスは帯電性が高く放射線耐性も高いので、例えばα線により生ずる少数キャリアにより引き起こされるソフトエラー率も低くなるという大きな利点を有するためである。
【0003】
また、近年の半導体デバイスの高集積化に伴い、高純度かつ低欠陥の半導体ウェーハの製造が求められている。そのためには、半導体ウェーハ中に存在する結晶欠陥等の評価を正確に行うことが重要であり、これらの半導体ウェーハの欠陥を低減するために、その欠陥の実体を正確に把握し、それに対する適切な処置を施す必要がある。すなわち、欠陥の検査を迅速に行い、その結果を製造工程にフィードバックすることが、半導体ウェーハの品質と生産性の向上のために必要である。
【0004】
シリコン単結晶ウェーハの結晶欠陥を検出する方法としては、シリコン単結晶ウェーハの表面をセコ液(Secco液:0.15molのK2Cr2O7水溶液と49%のフッ酸を1:2の体積比で混合したエッチング液)で選択エッチングしてウェーハ表面に結晶欠陥に起因するエッチピットを発生させ、その後にウェーハ表面のエッチピットを光学顕微鏡で観察することによって欠陥検出を行うという方法がある(特許文献1)。
【0005】
この選択エッチング液は、まず酸化剤であるK2Cr2O7でシリコン表面を酸化し、続いてフッ酸で酸化シリコンを溶解するというプロセスでエッチングを行なう。通常、欠陥領域は欠陥のない完全領域よりシリコンの酸化速度が速いので、欠陥部のエッチング速度が速くなり、結果として欠陥部が選択的にエッチングされることになる。この選択エッチングはエッチピットが光学顕微鏡で観察可能な大きさになるまで行われる。
【0006】
しかし、SOIウェーハの薄膜化されたSOI層中の結晶欠陥検出を行う場合、上記のようなシリコン単結晶ウェーハ(バルクウェーハ)での欠陥検出とは異なり、SOI層の選択エッチングのエッチング代はSOI層の膜厚により制限されるので、エッチピットが光学顕微鏡で観測可能な大きさになるまで選択エッチングを行うことができない場合がある。また、例えばセコ液などのエッチング速度の速いエッチング液を用いるとエッチング量とSOI層の残膜厚さの適切なコントロールが困難となり、薄膜SOI層のエッチングには適さない場合もある。そこで、希釈したセコ液とフッ酸によるエッチングを組み合わせて薄膜SOIウェーハの欠陥を検出する方法が知られている(以下、希釈セコエッチング法と呼ぶ)。
【0007】
この希釈セコエッチング法では、まず希釈セコ液により薄膜SOIウェーハのSOI層に存在する転位やOSF(Oxidation induced Stacking Fault:酸素誘起積層欠陥)等の結晶欠陥を選択的にエッチングしエッチピットを発生させる。その後SOIウェーハをフッ酸に浸漬すると、フッ酸がSOI層のエッチピットが発生した部分から埋め込み酸化膜に浸透し埋め込み酸化膜を形成する酸化シリコンをエッチングしエッチピットを発生させる。すなわちSOI層の欠陥によるエッチピットが埋め込み酸化膜のエッチピットに転写されるということになる。埋め込み酸化膜のエッチピットを観察可能な大きさになるまでエッチングし、これにより顕在化したエッチピットをSOI層の表面から、あるいは、さらに希釈セコ液によりSOI層を完全に除去して露出した埋め込み酸化膜の表面から光学顕微鏡で観察することで欠陥の検出が可能となる。
【0008】
あるいは、上記のようにフッ酸によるエッチングを施して埋め込み酸化膜にエッチピットを発生させたSOIウェーハをさらに希釈セコ液でエッチングし、SOI層を完全に除去するとともに、埋め込み酸化膜のエッチピットを介してベースウェーハ表面にエッチピットを発生させ、次に残った埋め込み酸化膜をフッ酸でエッチング除去し、ベースウェーハ表面のエッチピットを光学顕微鏡で観察することで欠陥検出を行うこともできる。この方法は四段希釈セコエッチング法と呼ばれる(非特許文献1)。
【0009】
一方、SOI層の欠陥検出において、レーザー光を用いた表面検査装置を用いてSOI層の欠陥測定を行うという方法が開示されている(特許文献2)。この方法は結晶成長過程で導入された原子空孔(シリコン原子が欠落した結晶格子点)が冷却過程で集合または成長してできた0.1μm〜0.3μm前後の大きさの微小な結晶空洞の欠陥、すなわち一般的にCOP(Crystal Originated Particle)と呼ばれる欠陥の検出に適しており、以下に説明する方法で行われる。
【0010】
まず薄膜SOIウェーハをアルカリ系洗浄液で洗浄、エッチングし、SOI層を0.1μm程度の膜厚にするとともに、SOI層にCOP欠陥に起因する微小なエッチピットを発生させ、次にSOIウェーハをフッ酸溶液に浸漬して、SOI層のエッチピットを埋め込み酸化膜に転写し、その後レーザー光を用いた表面検査装置により欠陥の検査を行う。このように表面検査装置を用いることにより短時間で高精度な欠陥検査が可能となる。
【0011】
【特許文献1】
特公平6−103714号公報
【特許文献2】
特開平11−74493号公報
【非特許文献1】
UCS半導体基盤技術研究会編、SOIの科学、p306〜309、株式会社リアライズ社発行
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような希釈エッチング法により、薄膜SOI層の欠陥の観察による検査、例えば欠陥密度の検査や面内分布の検査が可能である。しかし欠陥密度検査を光学顕微鏡によりエッチピットを観察し、それをカウントすることで行う場合、光学顕微鏡で一度に測定できる面積は狭いので、ウェーハ全体の測定をする場合膨大な時間がかかると同時に測定精度も悪くなり、ウェーハ面内の欠陥分布の測定をするのは実質上できない場合がある。特に欠陥密度が低い場合、測定の再現性が悪いという問題も生じる。
【0013】
また、特許文献2で開示されている検査方法は、最初のエッチング工程で非選択性のアルカリ系の洗浄液を用いているので、選択エッチング液を用いて欠陥を選択的にエッチングする場合と異なり、COPのような原子空孔型の欠陥のみを微小なエッチピットとして発生させる。従って例えば転位欠陥のような欠陥からエッチピットを発生させることはできない。すなわち転位欠陥は検出できないということになる。
【0014】
一方、希釈セコエッチング法によりエッチピットを発生させた薄膜SOIウェーハの表面を光散乱式のパーティクルカウンタ等の表面検査装置を用いて測定しようとしても、SOI層又は埋め込み酸化膜の表面が希釈セコエッチングにより面荒れをおこしているので、エッチピットだけでなくその面荒れによってもレーザー光が散乱される。この散乱光は測定対象であるエッチピットからの散乱光に対してノイズとなり、精度の高い測定が困難になり、場合によってはエッチピットからの散乱光がノイズに埋もれてしまい測定不可能になるという問題がある。
【0015】
四段希釈セコエッチング法の場合、最後にフッ酸溶液により埋め込み酸化膜を除去し比較的面荒れの少ないベースウェーハ表面を露出させるので、レーザー光を用いた表面検査が可能である。しかしこの方法では工程数が多くなる上に、薄膜SOI層から埋め込み酸化膜、さらにベースウェーハまでエッチピットを転写することになるので、例えば埋め込み酸化膜に存在する欠陥が重畳するなどの不都合が生じる恐れがある。
このため、高集積化が進む半導体デバイス作製用の薄膜SOI層に存在する様々な種類の欠陥を迅速かつ正確に、再現性よく測定できる方法が望まれていた。
【0016】
本発明は、上記課題を解決し、SOI層に存在する様々な種類の欠陥を高い精度で再現性よく、かつ短時間で測定することを可能にするSOIウェーハの検査方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明では、少なくともベースウェーハ、埋め込み酸化膜、SOI層を具備するSOIウェーハのSOI層に存在する欠陥の検査方法であって、SOI層の欠陥を選択的にエッチングする選択エッチング液にてSOIウェーハをエッチングすることによりSOI層にエッチピットを形成し、前記SOIウェーハをフッ酸溶液に浸漬して前記SOI層のエッチピットを通して前記埋め込み酸化膜をエッチングすることにより埋め込み酸化膜にエッチピットを形成し、前記SOIウェーハをシリコンのエッチング速度の方が埋め込み酸化膜のエッチング速度より速いエッチング液にて前記SOI層をエッチング除去した後、表面に露出した前記埋め込み酸化膜のエッチピットの測定を行うことを特徴とするSOIウェーハの検査方法を提供する(請求項1)。
【0018】
このように、選択エッチング液にてSOIウェーハのSOI層に欠陥に起因するエッチピットを形成し、SOIウェーハをフッ酸に浸漬して前記SOI層のエッチピットを通して前記埋め込み酸化膜にエッチピットを転写した後、前記SOIウェーハをシリコンのエッチング速度の方が埋め込み酸化膜のエッチング速度より速いエッチング液にて前記SOI層をエッチング除去して表面に面荒れの少ない埋め込み酸化膜を露出させ、これを検査することにより、SOI層の様々な欠陥を面荒れの影響なく精度良く検査することが可能となる。
【0019】
この場合前記エッチピットの測定は、前記埋め込み酸化膜のエッチピットを光散乱式のパーティクルカウンター又は光学顕微鏡を用いることにより行うことができる(請求項2)。
このように、エッチピットの測定を光散乱式のパーティクルカウンターで行うことにより、欠陥の密度や面内分布なども短時間で再現性のよい検出が可能となる。また、光学顕微鏡を用いることによりエッチピットの形状等を直接観察することや密度の計数も可能である。
【0020】
また、選択エッチング液としてジルトル液、ダッシュ液、セコ液、ライト液、サトー液、シメル液、又はフッ酸、硝酸、酢酸を含む混酸液の少なくとも1種を用いることができる(請求項3)。
このように結晶方位や欠陥の種類などの目的に応じて最適な選択エッチング液を用いることにより、より精度の高い欠陥検出が可能となる。
【0021】
また、前記選択エッチング液がさらにヨウ素又はヨウ化物を含むことが好ましい(請求項4)。
このように選択エッチング液に例えばヨウ化カリウム等を含むことによりウェーハ表面に付着するしみ(ステイン)の発生を防止することができると同時に、エッチングレートをコントロールすることができる。
【0022】
また、SOI層をエッチング除去するエッチング液として、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ヒドラジン、エチレンジアミンのうちの少なくとも1種を用いることができる(請求項5)。
このようにアルカリ系のエッチング液を用いることにより埋め込み酸化膜の表面の面荒れを発生させずにSOI層を除去することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前述したように、薄膜SOI層の欠陥をエッチピットとして埋め込み酸化膜やベースウェーハに転写して欠陥を顕在化させ検出することによるウェーハ検査方法において、レーザー光を用いた光散乱式の表面検査装置を用いることにより欠陥の密度や面内分布を高い測定精度や再現性で、しかも短時間での検査が可能となる。
【0024】
しかし、従来の希釈セコエッチング法では埋め込み酸化膜にエッチピットを転写させた後のSOI層のエッチング除去に希釈セコ液を用いており、露出する埋め込み酸化膜表面の面荒れが発生していたので、表面にレーザー光を照射すると面荒れによる光散乱ノイズが発生し表面検査装置が適用できなかった。また四段希釈セコエッチング法では工程数の増加、複数回のエッチピットの転写など別の課題が発生した。
【0025】
本発明者らは上記のような面荒れによる測定上の困難を解消するために鋭意検討した結果、フッ酸による埋め込み酸化膜へのエッチピット転写の後に、シリコンのエッチング速度が酸化シリコンのエッチング速度より速いアルカリ系のエッチング液を使って面荒れしたSOI層をエッチング除去し、埋め込み酸化膜を露出させた後に測定を行なうことにより、上記課題を解消できることを見出し、本発明を完成した。
【0026】
以下、本発明による表面検査方法の工程の一例を図1に従って説明する。
まず、検査用試料として図1(a)に示すような、少なくともSOI層1、埋め込み酸化膜2、ベースウェーハ3からなるSOIウェーハを作製する。SOIウェーハは2枚のシリコン単結晶ウェーハの少なくとも一方にシリコン酸化膜を形成し、該シリコン酸化膜を介して貼り合わせる貼り合わせ法で作製してもよいし、シリコン単結晶ウェーハに表面から酸素イオンを注入しイオン注入層を形成した後高温熱処理することによりシリコン酸化膜を形成するSIMOX(Separation by IMplanted OXide)法等の他の方法により作製してもよい。
【0027】
SOIウェーハのSOI層1を形成するための薄膜化は、研削及び研磨により行うことができるし、あるいはイオン注入剥離法により行ってもよい。イオン注入剥離法は、例えば二枚のシリコンウェーハのうち少なくとも一方にシリコン酸化膜を形成すると共に、ボンドウェーハの表面から水素イオンまたは希ガスイオンの少なくとも一方を注入し、ボンドウェーハ内部、例えば表面近傍に微小気泡層(封入層)を形成させた後、ボンドウェーハをイオン注入面側でシリコン酸化膜を介してベースウェーハと密着させ、その後熱処理(剥離熱処理)を加えて微小気泡層を劈開面(剥離面)としてボンドウェーハを薄膜状に剥離し、さらに熱処理(結合熱処理)を加えて二枚のシリコンウェーハを強固に結合してSOIウェーハとする技術であり、SOI層の膜厚均一性が極めて高い薄膜SOIウェーハが比較的容易に得られる。
【0028】
このSOIウェーハのSOI層1の欠陥を選択的にエッチングする選択エッチング液で処理する(図1(b))。選択エッチング液としては、前述したセコ液の他、ジルトル液(Sirtl液:CrO3、水、フッ酸からなるエッチング液)、ダッシュ液(Dash液:硝酸、水、酢酸、フッ酸からなるエッチング液)、ライト液(Wright液:CrO3、硝酸、水、酢酸、フッ酸、Cu(NO3)2からなるエッチング液)、サトー液(Sato液:硝酸、水、酢酸、フッ酸からなるエッチング液)、シメル液(Schimmel液:CrO3、水、フッ酸からなるエッチング液)、或いは、他の比率の混酸液(フッ酸、硝酸、酢酸の混合液)が使用できる。選択エッチング液は、例えばエッチングするSOI層1の結晶面方位や検出したい欠陥の種類に応じて最適なものを選択できる。また、エッチング速度などを制御するために混酸液の成分比率を変えてもよい。
【0029】
さらに選択エッチング液にヨウ素又はヨウ化物、例えばヨウ化カリウムを適量加えてもよい。このように選択性エッチング液にヨウ素又はヨウ化物を添加することにより、SOI層表面に付着するステインの発生を防止することができると同時にエッチングレートをコントロールすることができる。
【0030】
このエッチング処理により欠陥部が他の欠陥のない部分より速くエッチングされるので、図1(b)に示されるように欠陥部にエッチピット4が発生する。選択される欠陥としては、例えばOSF、Dislocation(転位)、BMD(Bulk MicroDefect)、Shallow Pitsなど、前記の選択エッチング液で選択的にエッチングされるものである。
【0031】
この選択エッチングをSOI層の残膜厚さを10〜50nmになるまで行うのが好ましい。このような厚さまでエッチングを行うことにより、SOI層内の欠陥によるエッチピット4を十分に大きくすることができ、また、エッチピット4が埋め込み酸化膜2にフッ酸が浸透するのに十分な深さとなり、埋め込み酸化膜2に到達する。
【0032】
次にSOIウェーハをフッ酸に浸漬する。すると図1(c)に示されるようにSOI層のエッチピット4を通してフッ酸が埋め込み酸化膜2に浸透し、埋め込み酸化膜2がSOI層のエッチピット4の発生部分を中心にしてエッチングされる。すなわちSOI層1に存在した欠陥は埋め込み酸化膜2のエッチピット5に転写されることとなる。SOIウェーハが浸漬されている間は浸透したフッ酸がSOI層の下で埋め込み酸化膜2のエッチングを続け、このエッチングは埋め込み酸化膜2のエッチピット5が検出するのに十分な程度の大きさに拡大するまで行われる。例えばフッ酸への浸漬時間としてはHF濃度50wt%の場合には5〜20分間程度、25wt%の場合には2〜5時間程度である。
【0033】
こうして埋め込み酸化膜2にエッチピット5が発生したSOIウェーハのSOI層1は、選択エッチング液により面荒れを起こしているのでこのままでは光散乱を利用した測定が行えない。そこでSOI層1の除去を行うが、このときシリコンのエッチング速度の方が埋め込み酸化膜のエッチング速度より速いエッチング液を用いて、面荒れしたSOI層1を十分かつ迅速にエッチング除去し表面に埋め込み酸化膜2を露出させるとともに、埋め込み酸化膜2の表面を適度にエッチングし、後の光学測定の際に十分な表面状態とする。このようなエッチング液としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ヒドラジン、エチレンジアミンなどのアルカリ系の溶液や、これにアルコールを混合したものを加熱して使用できる。
こうして図1(d)に示されるようなSOI層1がエッチング除去された試料が得られる。
【0034】
次に得られた試料を表面検査装置で検査するために表面に付いた細かい異物や有機物などのゴミ、汚れを洗浄で取り除く。洗浄はアンモニア水と過酸化水素水の混合溶液(Standard Clean 1:SC1と呼ばれる)等で行われる。
【0035】
こうして、図1(e)のような洗浄された試料の表面は面荒れや表面異物がないので、レーザー光を用いた表面検査装置、例えば光散乱式パーティクルカウンターにより高精度な測定を短時間で再現性よく行うことができる。また、光学顕微鏡によりエッチピットの形状を観察したり、欠陥密度の計測をすることも可能である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
SOI層の膜厚が110nmのSOIウェーハをHF (50wt%) : HNO3 (61wt%) : CH3COOH (99wt%) : H2O: KI (0.1mol 溶液) を 1 : 15 : 6 : 6 : 0.0067の割合で混合した選択エッチング液(23℃)でエッチングしてSOI層の残膜厚を50nmとする。
【0037】
次に50wt%HF溶液中に1分間浸漬して埋め込み酸化膜にエッチピットを形成し、その後水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)液でSOI層をエッチング除去する。さらにSC1を含む洗浄液で洗浄し、試料を作製した。こうして作製した試料を、光散乱式のパーティクルカウンター(KLA−Tencor社製SP−1)を用いて測定した。その結果を図2に示す(ただしウェーハ周辺3mmは測定対象として除外した)。図2の黒点に示されるようにパーティクルカウンターにより欠陥に起因するピットが検出され、ウェーハ面内の欠陥分布(欠陥マップ)が得られた。図2の欠陥マップによれば、図面下側の周辺部に欠陥がやや密集した領域があることが観察される。
【0038】
(比較例)
実施例と同一の条件で50wt%HF溶液への浸漬までを行い、その後、SOI層をエッチング除去することなくパーティクルカウンター(KLA−Tencor社製SP−1)により測定を行った。しかしながら、SOI層表面の面荒れのため散乱ノイズが強く、測定器の測定レンジをオーバーしてしまい、エッチピットの検出はできなかった。
【0039】
すなわち、実施例と比較例の結果が示すように、本発明に従い、SOI層を非選択性のエッチング液で除去することにより光散乱式のパーティクルカウンタによるエッチピットの検出が可能となり、より迅速かつ精度や再現性の高い欠陥検査が可能となった。従って、この検査方法を用いれば、SOIウェーハの品質の向上、生産性の向上に寄与することとなる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、選択エッチング液にてSOIウェーハのSOI層の欠陥に起因するエッチピットを形成し、SOIウェーハをフッ酸に浸漬して前記SOI層のエッチピットを通して前記埋め込み酸化膜にエッチピットを転写した後、前記SOIウェーハをシリコンのエッチング速度の方が埋め込み酸化膜のエッチング速度より速いエッチング液にて前記SOI層をエッチング除去し面荒れを解消した後に、表面に露出した埋め込み酸化膜のエッチピットの測定を行うことで、エッチピットの測定を光散乱式のパーティクルカウンター等の表面検査装置で行うことが可能になり、欠陥の面内分布や密度などを高精度で、短時間で再現性よく検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従ったSOIウェーハのSOI層の欠陥に起因するエッチピットの測定フローの一例を示す図である。
【図2】本発明の実施例に従い作製したSOIウェーハ試料をパーティクルカウンタにより測定して得られた欠陥マップを示す図である。
【符号の説明】
1...SOI層、
2...埋め込み酸化膜、
3...ベースウェーハ、
4...SOI層に発生したエッチピット、
5...埋め込み酸化膜に発生したエッチピット。
Claims (5)
- 少なくともベースウェーハ、埋め込み酸化膜、SOI層を具備するSOIウェーハのSOI層に存在する欠陥の検査方法であって、SOI層の欠陥を選択的にエッチングする選択エッチング液にてSOIウェーハをエッチングすることによりSOI層にエッチピットを形成し、前記SOIウェーハをフッ酸溶液に浸漬して前記SOI層のエッチピットを通して前記埋め込み酸化膜をエッチングすることにより埋め込み酸化膜にエッチピットを形成し、前記SOIウェーハをシリコンのエッチング速度の方が埋め込み酸化膜のエッチング速度より速いエッチング液にて前記SOI層をエッチング除去した後、表面に露出した前記埋め込み酸化膜のエッチピットの測定を行うことを特徴とするSOIウェーハの検査方法。
- 前記エッチピットの測定は、前記埋め込み酸化膜のエッチピットを光散乱式のパーティクルカウンター又は光学顕微鏡で測定することにより行われることを特徴とする請求項1に記載のSOIウェーハの検査方法。
- 前記選択エッチング液としてジルトル液、ダッシュ液、セコ液、ライト液、サトー液、シメル液又はフッ酸、硝酸、酢酸を含む混酸液の少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のSOIウェーハの検査方法。
- 前記選択エッチング液がさらにヨウ素又はヨウ化物を含むものを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のSOIウェーハの検査方法。
- 前記SOI層をエッチング除去するエッチング液として水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ヒドラジン、エチレンジアミンのうちの少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のSOIウェーハの検査方法。
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