JP2004349364A - 永久磁石材料粉末及びその製造方法、並びに永久磁石 - Google Patents
永久磁石材料粉末及びその製造方法、並びに永久磁石 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004349364A JP2004349364A JP2003142882A JP2003142882A JP2004349364A JP 2004349364 A JP2004349364 A JP 2004349364A JP 2003142882 A JP2003142882 A JP 2003142882A JP 2003142882 A JP2003142882 A JP 2003142882A JP 2004349364 A JP2004349364 A JP 2004349364A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- permanent magnet
- iron
- boron
- magnet material
- rare earth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Abstract
【課題】優れた磁気特性を有すると共に、流動性が向上した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末及びその製造方法、並びに磁気特性に優れ、小型化が達成可能であり、生産性が向上した希土類・鉄・ボロン系永久磁石を提供する。
【解決手段】希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を水アトマイズ法により粉化及び急冷してなることを特徴とする希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料である。希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を水アトマイズ法により粉化及び急冷させる工程を備えた製造方法である。前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料を主成分とする永久磁石である。
【選択図】 図1
【解決手段】希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を水アトマイズ法により粉化及び急冷してなることを特徴とする希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料である。希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を水アトマイズ法により粉化及び急冷させる工程を備えた製造方法である。前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料を主成分とする永久磁石である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末、及びその製造方法、並びに希土類・鉄・ボロン系永久磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、永久磁石は、一般家庭の各種電気製品から大型コンピュータの周辺端末機器に至る幅広い分野で使用されている重要な電気、電子材料の一つである。最近の電気製品の小型化、高効率化の要求に伴い、永久磁石にもますます高性能化が求められている。
【0003】
前記永久磁石を構成するための材料は、強力な磁気特性を得るため、例えば、希土類・鉄・ボロンを含む金属溶湯を急冷して金属組織内に微細なNd−Fe−Bの金属化合物を生成させる必要がある。この微細なNd−Fe−Bの金属化合物を生成させるためには、前記金属溶湯を急冷することが必須条件であり、例えば、水冷したドラム内にノズルから前記金属溶湯を一定量注湯して急速に凝固させた板状体を製造することで、微細なNd−Fe−Bの金属化合物を生成させている。そして、得られた板状体をボールミルやジョウクラッシャーで粉砕して希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を得ている。この粉砕により希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を得る方法としては、例えば、ストリップキャスティング法、ジェットキャスティング法、インゴットの粉砕法等がある。(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
また、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を得る方法としては、ガスアトマイズ粉末法等を用いるものもある。この製造方法としては、希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を不活性ガスアトマイズ法により急冷凝固して、平均結晶粒径1〜30μmの組織を有する平均粒径500μm以下の球状粉末を得るものがある。(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
前記永久磁石は、前述した方法等により得られた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末と結合樹脂(有機バインダ)との混合物(コンパウンド)を所望の磁石形状に加圧成形して製造されるものであるが、その成形方法には、圧縮成形法、射出成形法および押出成形法が利用されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−356717号公報
【特許文献2】
特開平11−251125号公報
【特許文献3】
特開平8−316016号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粉砕により希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を得るストリップキャスティング法、ジェットキャスティング法、及びインゴットの粉砕法は、得られた粉末がガラスの破片状を呈している。したがって、良好な流動性を得ることが困難である。特に、インゴット粉砕法では、得られる粉末の粒度の制御が困難であり、必要とする粒度を有する粉末を製造する際の歩留りが悪いという問題がある。また、近年、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、益々微細化が要求されているが、粉砕により粉末を製造する方法では、微細化に限界がある。
【0007】
また、永久磁石の成形方法には、前述したように、圧縮成形法、射出成形法および押出成形法が利用されているが、これらの方法で製造された永久磁石は、いずれも、粉末の充填性によってその性能や、生産性が左右される。したがって、この充填性に影響を与える粉末の流動性を向上することが要求されている。
【0008】
そしてまた、ガスアトマイズ法により得られた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、良好な流動性を得ることはできるが、金属溶湯の冷却速度が低い(遅い)ため、金属が非晶質化せず、所望の磁気特性を得ることが困難である。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、優れた磁気特性を有すると共に、流動性が向上した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、磁気特性に優れ、小型化を達成することが可能であり、生産性が向上した希土類・鉄・ボロン系永久磁石を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を水アトマイズ法により粉化及び急冷してなる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を提供するものである。
【0012】
また、前記金属溶湯は、コバルトをさらに含んでもよい。
【0013】
この構成を備えた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、微細な略球状を呈し、優れた流動性を提供することができる。したがって、この希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を用いて永久磁石を製造する際に、単位当たりの粉末充填量を増加させることができる。
【0014】
ここで、同一の磁気特性を備えた粉末であれば、粉末の充填性が高いほど小型化が可能となる。また、同一の流動性であれば、充填量の高い粉末ほど生産性の向上や高性能化が図れる。さらに流動性の高い粉末は、射出成形や押し出し成形のサイクルタイムを短縮することができるので生産性の向上が図れる。従って成形機の台数が少なくて済むので設備投資を低減できる。
【0015】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、水アトマイズ法により粉化及び急冷してなるため、金属組織が非晶質化し、優れた磁気特性を得ることができる。
【0016】
前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、最大磁気エネルギー積((BH)max)を、12MGOe以上とすることができる。
【0017】
また、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、タップ密度を、3.8g/cm3以上とすることができる。
【0018】
そしてまた、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、平均粒径を、5〜25μmとすることができる。
【0019】
また、本発明は、希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を水アトマイズ法により粉化及び急冷させる工程を備えた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法を提供するものである。
【0020】
この製造方法によれば、前記金属溶湯が水アトマイズ法によって、粉砕されると共に急冷されるため、金属組織が非晶質化し、かつ微細な略球状を呈し、優れた流動性を備えた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を得ることができる。したがって、この製造方法により得られた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、粉末自身が優れた磁気特性を備えていることに加え、永久磁石を製造する際に、単位当たりの粉末充填量を増加させることができるため、より一層永久磁石の磁気特性を向上できる。したがって、この希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末から製造される永久磁石を小型化、高性能化することができる。
【0021】
また、前記金属溶湯の粉砕と冷却を一度に行うことができるため、工程の簡略化を行うことができ、生産性を向上させることもできる。
【0022】
前記金属溶湯は、コバルトをさらに含むことができる。
【0023】
前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の水圧は、750〜1200kg/cm2の範囲、より好ましくは950〜1100kg/cm2の範囲で調整することができる。このように水圧を調整することにより、得られる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の平均粒径を制御することができるため、必要とする粒度を有する粉末を歩留り良く製造することができる。
【0024】
また、前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の水量は、前記金属溶湯1kg当たり、25リットル以上、より好ましくは、25〜45リットル、さらに好ましくは、30〜40リットルの範囲で調整することができる。アトマイズ水の水量の上限については、特に限定されるものではないが、大量のアトマイズ水を用いることは効率的でないという理由から、アトマイズ水の水量の上限は、金属溶湯1kg当たり、45リットル程度にすることがより好ましい。
【0025】
そしてまた、前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の温度は、20℃以下の範囲、より好ましくは、4〜20℃、さらに好ましくは、4〜10℃の範囲で調整することができる。つまり水温の上限を20℃以下とすることで、急冷効果が得られ、磁気特性が向上する。水温の下限については、特に限定されるものではないが、大量のアトマイズ水を熱交換器等で冷却して用いることは効率的でないという理由から、水温の下限は、4℃程度にすることがより好ましい。
【0026】
さらにまた、前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水には、酸化防止剤を添加することもできる。
【0027】
また、本発明は、前述した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法により製造されてなる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を提供するものである。
【0028】
これらの製造方法により得られた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、末自身が優れた磁気特性を備えていることに加え、永久磁石を製造する際に、単位当たりの粉末充填量を増加させることができるため、より一層永久磁石の磁気特性を向上できる。したがって、この希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末から製造される永久磁石を小型化、高性能化することができる。
【0029】
また、前記金属溶湯の粉砕と冷却を一度に行うことができるため、工程の簡略化を行うことができ、生産性を向上させることもできる。
【0030】
さらにまた、本発明は、前述した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を含んで構成される希土類・鉄・ボロン系永久磁石を提供するものである。
【0031】
この構成を備えた希土類・鉄・ボロン系永久磁石は、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の充填比率が高いため、優れた磁気特性を備えることができる。したがって、小型化、高性能化を達成することができる。
【0032】
本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石は、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を90重量%以上、より好ましくは、93重量%以上の範囲で含むことができる。
【0033】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石は、最大磁気エネルギー積((BH)max)が、12MGOe以上とすることができる。
【0034】
なお、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の構成要素である希土類元素としては、としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメタルが挙げられ、これらを1種または2種以上含むことができる。特に、前記希土類元素は、Nd及び/またはPrを主とする希土類元素であるのが好ましい。その理由は、これらの希土類元素は、複合組織(特にナノコンポジット組織)を構成するハード磁性相の飽和磁化を高め、また磁石として良好な保磁力を実現するために有効だからである。
【0035】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の構成要素であるB(ボロン)は、高い磁気特性を得るのに有効な元素であり、その好ましい含有量は、4.6〜8.0原子%とされる。Bが4.6原子%未満であると、B−H(J−H)ループにおける角型性が悪くなる。一方、Bが8.0原子%を超えると、非磁性相が多くなり、磁束密度が減少する。
【0036】
そしてまた、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の構成要素として使用することができるCo(コバルト)は、Fe(鉄)と同様の特性を有する遷移金属である。このCoを添加すること(Feの一部を置換すること)により、キュリー温度が高くなり、温度特性が向上するが、Feに対するCoの置換比率が0.30を超えると、保磁力、磁束密度は共に低下する傾向を示す。Feに対するCoの置換比率が0.05〜0.20の範囲では、温度特性の向上のみならず、磁束密度自体も向上するので、さらに好ましい。
【0037】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、所望により、Ni(ニッケル)を含んでもよい。
【0038】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石は、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末と、結合樹脂(バインダ)との混合物を所望の磁石形状に加圧成形して製造される。
【0039】
前記結合樹脂(バインダ)としては、主として熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。また、カルナバルワックスやパラフィンワックス等も混合することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末、及びその製造方法、並びに希土類・鉄・ボロン系永久磁石について、詳細に説明する。
【0041】
なお、なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
(希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造)
重量%で、Nd:26.5%、B:1%、Co:5.0%、残部がFeの組成となるように、Nd、B、Co、Feの単体物と、Nd−Fe−B合金を、合計で30kg、マグネシアるつぼに装入し、真空溶解法により溶解し、溶融金属を製造する。次に、水アトマイズ装置に設けられ、アトマイズ水をほぼ逆円錐状に噴射させるスリット状のノズルにより、当該水アトマイズ装置の噴霧チャンバ内に、アトマイズ水を約980kg/cm2の圧力で噴射させる。次いで、溶融金属(以下、「金属溶湯」という)をほぼ逆円錐状に噴射されているアトマイズ水の焦点に向けて、直径5mmのノズルから滴下する。このように、金属溶湯は、高圧水の噴射により粉化と急速冷却を同時に受けることになる。以上の製造方法により、微細で略球状の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末が得られた。このアトマイズ条件を表1に示す。また、この希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末(発明品)のSEM写真を図1に示す。
【0042】
【表1】
なお、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末が、製造時に使用する水によって酸化することを最大限抑制する目的で、アトマイズ水の温度は、10℃以下に保持し、粉末の破砕と冷却に要するアトマイズ水は、金属溶湯1kg当たりに消費するアトマイズ水(比水量)換算で、鋳造量と使用水量の比から、30リットル/kg以上に設定した。
【0043】
次に、前記方法により製造した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末(発明品)の組成を表2に示す。
【0044】
【表2】
(比較品の製造)
次に、比較として、水アトマイズ法の代わりに、従来のジェットキャスター方式と、ガスアトマイズ方式を用いて、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末(比較品)を製造した。これらの組成を表2に示す。なお、従来のジェットキャスター方式により製造した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末(比較品)のSEM写真を図2に示す。
【0045】
図1及び図2により、発明品は、比較品に比べて、微細な略球状を呈していることが判る。
(特性の比較)
次に、発明品と比較品について、粉末の充填性、粉末形状の均一性、磁気特性(最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性)を、以下の方法で測定した。
【0046】
粉末の充填性は、「金属粉のタップ密度試験方法 JPMA P 08−1992、1992年(平成4年)3月1日制定」に基づいてタップ密度を測定することにより測定した。
【0047】
最大磁気エネルギー積は、東栄工業製、パルス励磁型磁気特性測定装置:TPM2型機により測定した。
【0048】
MFR流動性は、過重押し出し型細管式レオメーター(島津フロテスター:CFT−500D/100D)により測定した。
【0049】
この結果を表3及び表4に示す。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
表3及び表4から、発明品は、粉末の充填性、粉末形状の均一性、最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性共に優れていることが判る。
【0052】
次に、発明品と比較品について、バインダや樹脂が介在した場合の充填性を以下の方法で測定した。
【0053】
先ず、発明品と比較品の各々に、結合樹脂(有機バインダ)としてカルナバルワックス、パラフィンワックス、及びポリプロピレンを加熱加圧混練したサンプルを作成する。このサンプルに対する結合樹脂(有機バインダ)の混合量は、前記各サンプルを、フローテスタ(CFT−500D/100D:島津製作所製)を使用して、170℃の加熱状態で30秒間に、1mmのノズルから10g流出させるために必要な量として求めた。すなわち、各サンプルの流出速度を一定にするために必要なバインダ量を求めた。この結果を表5に示す。
【0054】
【表5】
なお、結合樹脂(有機バインダ)の混合量が多くなると、流出速度が速まり、粉末形状が不規則になるほど、同一バインダ量では流出速度が低下する。
【0055】
表5から、発明品は流動性が高いために、ほぼ同一の最大磁気エネルギー積(BH)maxを有するジェットキャスター品と比較して、混合されるバインダ量を約半分に削減することができることが判る。すなわち、発明品は、ジェットキャスター品に対し、単位体積当たりの粉末重量を5.3%増やすことができるため、優れた磁気特性を備えた永久磁石を提供することができる。
【0056】
次に、前記各サンプルの最大磁気エネルギー積(BH)maxを測定した。この結果を表6に示す。
【0057】
【表6】
表6から、発明品は、比較品に対し、最大磁気エネルギー積(BH)maxが優れていることが判る。
【0058】
次に、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造において、水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の水温を、表7及び表8に示すように変化させた以外は、前記と同様の方法で希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を製造した。次に、各々の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末に対し、前記と同様の方法で、流動性、粉末形状の均一性、磁気特性(最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性)を測定した。この結果を、表7及び表8に示す。
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
表7及び表8から、アトマイズ水の水温が、4〜20℃の範囲となるよう製造した発明品は、流動性、粉末形状の均一性、最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性共に優れていることが判る。
【0061】
次に、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造において、水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の水圧を、表9及び表10に示すように変化させた以外は、前記と同様の方法で希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を製造した。次に、各々の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末に対し、前記と同様の方法で、流動性、粉末形状の均一性、磁気特性(最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性)を測定した。この結果を、表9及び表10に示す。
【0062】
【表9】
【0063】
【表10】
表9及び表10から、アトマイズ水の水圧が、750〜1200kg/cm2の範囲となるよう製造した発明品は、流動性、粉末形状の均一性、最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性共に優れていることが判る。
【0064】
次に、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造において、水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の金属溶湯1kg当たりの水量を、表11及び表12に示すように変化させた以外は、前記と同様の方法で希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を製造した。次に、各々の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末に対し、前記と同様の方法で、流動性、粉末形状の均一性、磁気特性(最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性)を測定した。この結果を、表11及び表12に示す。
【0065】
【表11】
【0066】
【表12】
表11及び表12から、アトマイズ水の水量が、金属溶湯1kg当たり、25リットル以上となるように製造した発明品は、流動性、粉末形状の均一性、最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性共に優れていることが判る。
【0067】
以上説明したように、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、微細な略球状を呈し、優れた流動性及び磁気特性を提供することができる。したがって、この希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を用いて永久磁石を製造する際に、単位当たりの粉末充填量を増加させることができる結果、永久磁石の磁気特性を向上させることができる。このため、小型化が達成され、生産性が向上した希土類・鉄・ボロン系永久磁石を提供することができる。
【0068】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法によれば、金属溶湯が水アトマイズ法によって、粉砕されると共に急冷されるため、金属組織が非晶質化し、かつ微細な略球状を呈し、優れた流動性を備えた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を、優れた生産性で歩留り良く得ることができる。
【0069】
そしてまた、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石は、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の充填比率が高いため、優れた磁気特性を備えることができる。したがって、小型化、高性能化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末のSEM写真である。
【図2】従来のジェットキャスター方式を用いて製造した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末のSEM写真である。
【発明が属する技術分野】
本発明は、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末、及びその製造方法、並びに希土類・鉄・ボロン系永久磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、永久磁石は、一般家庭の各種電気製品から大型コンピュータの周辺端末機器に至る幅広い分野で使用されている重要な電気、電子材料の一つである。最近の電気製品の小型化、高効率化の要求に伴い、永久磁石にもますます高性能化が求められている。
【0003】
前記永久磁石を構成するための材料は、強力な磁気特性を得るため、例えば、希土類・鉄・ボロンを含む金属溶湯を急冷して金属組織内に微細なNd−Fe−Bの金属化合物を生成させる必要がある。この微細なNd−Fe−Bの金属化合物を生成させるためには、前記金属溶湯を急冷することが必須条件であり、例えば、水冷したドラム内にノズルから前記金属溶湯を一定量注湯して急速に凝固させた板状体を製造することで、微細なNd−Fe−Bの金属化合物を生成させている。そして、得られた板状体をボールミルやジョウクラッシャーで粉砕して希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を得ている。この粉砕により希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を得る方法としては、例えば、ストリップキャスティング法、ジェットキャスティング法、インゴットの粉砕法等がある。(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
また、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を得る方法としては、ガスアトマイズ粉末法等を用いるものもある。この製造方法としては、希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を不活性ガスアトマイズ法により急冷凝固して、平均結晶粒径1〜30μmの組織を有する平均粒径500μm以下の球状粉末を得るものがある。(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
前記永久磁石は、前述した方法等により得られた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末と結合樹脂(有機バインダ)との混合物(コンパウンド)を所望の磁石形状に加圧成形して製造されるものであるが、その成形方法には、圧縮成形法、射出成形法および押出成形法が利用されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−356717号公報
【特許文献2】
特開平11−251125号公報
【特許文献3】
特開平8−316016号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粉砕により希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を得るストリップキャスティング法、ジェットキャスティング法、及びインゴットの粉砕法は、得られた粉末がガラスの破片状を呈している。したがって、良好な流動性を得ることが困難である。特に、インゴット粉砕法では、得られる粉末の粒度の制御が困難であり、必要とする粒度を有する粉末を製造する際の歩留りが悪いという問題がある。また、近年、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、益々微細化が要求されているが、粉砕により粉末を製造する方法では、微細化に限界がある。
【0007】
また、永久磁石の成形方法には、前述したように、圧縮成形法、射出成形法および押出成形法が利用されているが、これらの方法で製造された永久磁石は、いずれも、粉末の充填性によってその性能や、生産性が左右される。したがって、この充填性に影響を与える粉末の流動性を向上することが要求されている。
【0008】
そしてまた、ガスアトマイズ法により得られた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、良好な流動性を得ることはできるが、金属溶湯の冷却速度が低い(遅い)ため、金属が非晶質化せず、所望の磁気特性を得ることが困難である。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、優れた磁気特性を有すると共に、流動性が向上した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、磁気特性に優れ、小型化を達成することが可能であり、生産性が向上した希土類・鉄・ボロン系永久磁石を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を水アトマイズ法により粉化及び急冷してなる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を提供するものである。
【0012】
また、前記金属溶湯は、コバルトをさらに含んでもよい。
【0013】
この構成を備えた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、微細な略球状を呈し、優れた流動性を提供することができる。したがって、この希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を用いて永久磁石を製造する際に、単位当たりの粉末充填量を増加させることができる。
【0014】
ここで、同一の磁気特性を備えた粉末であれば、粉末の充填性が高いほど小型化が可能となる。また、同一の流動性であれば、充填量の高い粉末ほど生産性の向上や高性能化が図れる。さらに流動性の高い粉末は、射出成形や押し出し成形のサイクルタイムを短縮することができるので生産性の向上が図れる。従って成形機の台数が少なくて済むので設備投資を低減できる。
【0015】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、水アトマイズ法により粉化及び急冷してなるため、金属組織が非晶質化し、優れた磁気特性を得ることができる。
【0016】
前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、最大磁気エネルギー積((BH)max)を、12MGOe以上とすることができる。
【0017】
また、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、タップ密度を、3.8g/cm3以上とすることができる。
【0018】
そしてまた、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、平均粒径を、5〜25μmとすることができる。
【0019】
また、本発明は、希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を水アトマイズ法により粉化及び急冷させる工程を備えた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法を提供するものである。
【0020】
この製造方法によれば、前記金属溶湯が水アトマイズ法によって、粉砕されると共に急冷されるため、金属組織が非晶質化し、かつ微細な略球状を呈し、優れた流動性を備えた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を得ることができる。したがって、この製造方法により得られた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、粉末自身が優れた磁気特性を備えていることに加え、永久磁石を製造する際に、単位当たりの粉末充填量を増加させることができるため、より一層永久磁石の磁気特性を向上できる。したがって、この希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末から製造される永久磁石を小型化、高性能化することができる。
【0021】
また、前記金属溶湯の粉砕と冷却を一度に行うことができるため、工程の簡略化を行うことができ、生産性を向上させることもできる。
【0022】
前記金属溶湯は、コバルトをさらに含むことができる。
【0023】
前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の水圧は、750〜1200kg/cm2の範囲、より好ましくは950〜1100kg/cm2の範囲で調整することができる。このように水圧を調整することにより、得られる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の平均粒径を制御することができるため、必要とする粒度を有する粉末を歩留り良く製造することができる。
【0024】
また、前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の水量は、前記金属溶湯1kg当たり、25リットル以上、より好ましくは、25〜45リットル、さらに好ましくは、30〜40リットルの範囲で調整することができる。アトマイズ水の水量の上限については、特に限定されるものではないが、大量のアトマイズ水を用いることは効率的でないという理由から、アトマイズ水の水量の上限は、金属溶湯1kg当たり、45リットル程度にすることがより好ましい。
【0025】
そしてまた、前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の温度は、20℃以下の範囲、より好ましくは、4〜20℃、さらに好ましくは、4〜10℃の範囲で調整することができる。つまり水温の上限を20℃以下とすることで、急冷効果が得られ、磁気特性が向上する。水温の下限については、特に限定されるものではないが、大量のアトマイズ水を熱交換器等で冷却して用いることは効率的でないという理由から、水温の下限は、4℃程度にすることがより好ましい。
【0026】
さらにまた、前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水には、酸化防止剤を添加することもできる。
【0027】
また、本発明は、前述した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法により製造されてなる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を提供するものである。
【0028】
これらの製造方法により得られた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、末自身が優れた磁気特性を備えていることに加え、永久磁石を製造する際に、単位当たりの粉末充填量を増加させることができるため、より一層永久磁石の磁気特性を向上できる。したがって、この希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末から製造される永久磁石を小型化、高性能化することができる。
【0029】
また、前記金属溶湯の粉砕と冷却を一度に行うことができるため、工程の簡略化を行うことができ、生産性を向上させることもできる。
【0030】
さらにまた、本発明は、前述した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を含んで構成される希土類・鉄・ボロン系永久磁石を提供するものである。
【0031】
この構成を備えた希土類・鉄・ボロン系永久磁石は、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の充填比率が高いため、優れた磁気特性を備えることができる。したがって、小型化、高性能化を達成することができる。
【0032】
本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石は、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を90重量%以上、より好ましくは、93重量%以上の範囲で含むことができる。
【0033】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石は、最大磁気エネルギー積((BH)max)が、12MGOe以上とすることができる。
【0034】
なお、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の構成要素である希土類元素としては、としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメタルが挙げられ、これらを1種または2種以上含むことができる。特に、前記希土類元素は、Nd及び/またはPrを主とする希土類元素であるのが好ましい。その理由は、これらの希土類元素は、複合組織(特にナノコンポジット組織)を構成するハード磁性相の飽和磁化を高め、また磁石として良好な保磁力を実現するために有効だからである。
【0035】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の構成要素であるB(ボロン)は、高い磁気特性を得るのに有効な元素であり、その好ましい含有量は、4.6〜8.0原子%とされる。Bが4.6原子%未満であると、B−H(J−H)ループにおける角型性が悪くなる。一方、Bが8.0原子%を超えると、非磁性相が多くなり、磁束密度が減少する。
【0036】
そしてまた、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の構成要素として使用することができるCo(コバルト)は、Fe(鉄)と同様の特性を有する遷移金属である。このCoを添加すること(Feの一部を置換すること)により、キュリー温度が高くなり、温度特性が向上するが、Feに対するCoの置換比率が0.30を超えると、保磁力、磁束密度は共に低下する傾向を示す。Feに対するCoの置換比率が0.05〜0.20の範囲では、温度特性の向上のみならず、磁束密度自体も向上するので、さらに好ましい。
【0037】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、所望により、Ni(ニッケル)を含んでもよい。
【0038】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石は、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末と、結合樹脂(バインダ)との混合物を所望の磁石形状に加圧成形して製造される。
【0039】
前記結合樹脂(バインダ)としては、主として熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。また、カルナバルワックスやパラフィンワックス等も混合することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末、及びその製造方法、並びに希土類・鉄・ボロン系永久磁石について、詳細に説明する。
【0041】
なお、なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
(希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造)
重量%で、Nd:26.5%、B:1%、Co:5.0%、残部がFeの組成となるように、Nd、B、Co、Feの単体物と、Nd−Fe−B合金を、合計で30kg、マグネシアるつぼに装入し、真空溶解法により溶解し、溶融金属を製造する。次に、水アトマイズ装置に設けられ、アトマイズ水をほぼ逆円錐状に噴射させるスリット状のノズルにより、当該水アトマイズ装置の噴霧チャンバ内に、アトマイズ水を約980kg/cm2の圧力で噴射させる。次いで、溶融金属(以下、「金属溶湯」という)をほぼ逆円錐状に噴射されているアトマイズ水の焦点に向けて、直径5mmのノズルから滴下する。このように、金属溶湯は、高圧水の噴射により粉化と急速冷却を同時に受けることになる。以上の製造方法により、微細で略球状の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末が得られた。このアトマイズ条件を表1に示す。また、この希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末(発明品)のSEM写真を図1に示す。
【0042】
【表1】
なお、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末が、製造時に使用する水によって酸化することを最大限抑制する目的で、アトマイズ水の温度は、10℃以下に保持し、粉末の破砕と冷却に要するアトマイズ水は、金属溶湯1kg当たりに消費するアトマイズ水(比水量)換算で、鋳造量と使用水量の比から、30リットル/kg以上に設定した。
【0043】
次に、前記方法により製造した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末(発明品)の組成を表2に示す。
【0044】
【表2】
(比較品の製造)
次に、比較として、水アトマイズ法の代わりに、従来のジェットキャスター方式と、ガスアトマイズ方式を用いて、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末(比較品)を製造した。これらの組成を表2に示す。なお、従来のジェットキャスター方式により製造した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末(比較品)のSEM写真を図2に示す。
【0045】
図1及び図2により、発明品は、比較品に比べて、微細な略球状を呈していることが判る。
(特性の比較)
次に、発明品と比較品について、粉末の充填性、粉末形状の均一性、磁気特性(最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性)を、以下の方法で測定した。
【0046】
粉末の充填性は、「金属粉のタップ密度試験方法 JPMA P 08−1992、1992年(平成4年)3月1日制定」に基づいてタップ密度を測定することにより測定した。
【0047】
最大磁気エネルギー積は、東栄工業製、パルス励磁型磁気特性測定装置:TPM2型機により測定した。
【0048】
MFR流動性は、過重押し出し型細管式レオメーター(島津フロテスター:CFT−500D/100D)により測定した。
【0049】
この結果を表3及び表4に示す。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
表3及び表4から、発明品は、粉末の充填性、粉末形状の均一性、最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性共に優れていることが判る。
【0052】
次に、発明品と比較品について、バインダや樹脂が介在した場合の充填性を以下の方法で測定した。
【0053】
先ず、発明品と比較品の各々に、結合樹脂(有機バインダ)としてカルナバルワックス、パラフィンワックス、及びポリプロピレンを加熱加圧混練したサンプルを作成する。このサンプルに対する結合樹脂(有機バインダ)の混合量は、前記各サンプルを、フローテスタ(CFT−500D/100D:島津製作所製)を使用して、170℃の加熱状態で30秒間に、1mmのノズルから10g流出させるために必要な量として求めた。すなわち、各サンプルの流出速度を一定にするために必要なバインダ量を求めた。この結果を表5に示す。
【0054】
【表5】
なお、結合樹脂(有機バインダ)の混合量が多くなると、流出速度が速まり、粉末形状が不規則になるほど、同一バインダ量では流出速度が低下する。
【0055】
表5から、発明品は流動性が高いために、ほぼ同一の最大磁気エネルギー積(BH)maxを有するジェットキャスター品と比較して、混合されるバインダ量を約半分に削減することができることが判る。すなわち、発明品は、ジェットキャスター品に対し、単位体積当たりの粉末重量を5.3%増やすことができるため、優れた磁気特性を備えた永久磁石を提供することができる。
【0056】
次に、前記各サンプルの最大磁気エネルギー積(BH)maxを測定した。この結果を表6に示す。
【0057】
【表6】
表6から、発明品は、比較品に対し、最大磁気エネルギー積(BH)maxが優れていることが判る。
【0058】
次に、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造において、水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の水温を、表7及び表8に示すように変化させた以外は、前記と同様の方法で希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を製造した。次に、各々の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末に対し、前記と同様の方法で、流動性、粉末形状の均一性、磁気特性(最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性)を測定した。この結果を、表7及び表8に示す。
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
表7及び表8から、アトマイズ水の水温が、4〜20℃の範囲となるよう製造した発明品は、流動性、粉末形状の均一性、最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性共に優れていることが判る。
【0061】
次に、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造において、水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の水圧を、表9及び表10に示すように変化させた以外は、前記と同様の方法で希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を製造した。次に、各々の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末に対し、前記と同様の方法で、流動性、粉末形状の均一性、磁気特性(最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性)を測定した。この結果を、表9及び表10に示す。
【0062】
【表9】
【0063】
【表10】
表9及び表10から、アトマイズ水の水圧が、750〜1200kg/cm2の範囲となるよう製造した発明品は、流動性、粉末形状の均一性、最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性共に優れていることが判る。
【0064】
次に、前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造において、水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の金属溶湯1kg当たりの水量を、表11及び表12に示すように変化させた以外は、前記と同様の方法で希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を製造した。次に、各々の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末に対し、前記と同様の方法で、流動性、粉末形状の均一性、磁気特性(最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性)を測定した。この結果を、表11及び表12に示す。
【0065】
【表11】
【0066】
【表12】
表11及び表12から、アトマイズ水の水量が、金属溶湯1kg当たり、25リットル以上となるように製造した発明品は、流動性、粉末形状の均一性、最大磁気エネルギー積(BH)max、MFR流動性共に優れていることが判る。
【0067】
以上説明したように、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末は、微細な略球状を呈し、優れた流動性及び磁気特性を提供することができる。したがって、この希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を用いて永久磁石を製造する際に、単位当たりの粉末充填量を増加させることができる結果、永久磁石の磁気特性を向上させることができる。このため、小型化が達成され、生産性が向上した希土類・鉄・ボロン系永久磁石を提供することができる。
【0068】
また、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法によれば、金属溶湯が水アトマイズ法によって、粉砕されると共に急冷されるため、金属組織が非晶質化し、かつ微細な略球状を呈し、優れた流動性を備えた希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を、優れた生産性で歩留り良く得ることができる。
【0069】
そしてまた、本発明にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石は、希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の充填比率が高いため、優れた磁気特性を備えることができる。したがって、小型化、高性能化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末のSEM写真である。
【図2】従来のジェットキャスター方式を用いて製造した希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末のSEM写真である。
Claims (15)
- 希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を水アトマイズ法により粉化及び急冷してなることを特徴とする希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末。
- 前記金属溶湯が、コバルトをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末。
- 最大磁気エネルギー積((BH)max)が、12MGOe以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末。
- タップ密度が、3.8g/cm3以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末。
- 平均粒径が、5〜25μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末。
- 希土類元素、鉄、ボロンを含む金属溶湯を水アトマイズ法により粉化及び急冷させることを特徴とする希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法。
- 前記金属溶湯が、コバルトをさらに含むことを特徴とする請求項6記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法。
- 前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の水圧を、750〜1200kg/cm2の範囲で調整することを特徴とする請求項6または請求項7記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法。
- 前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の水量が、前記金属溶湯1kg当たり、25リットル以上であることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法。
- 前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水の温度を、20℃以下の範囲で調整することを特徴とする請求項5ないし請求項9のいずれか一項に記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法。
- 前記水アトマイズ法で使用するアトマイズ水に、酸化防止剤を添加することを特徴とする請求項5ないし請求項10のいずれか一項に記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末の製造方法。
- 請求項6ないし請求項11のいずれか一項に記載の製造方法により製造されてなることを特徴とする希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末。
- 請求項1ないし請求項5、請求項11及び請求項12のいずれか一項に記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を含んで構成されることを特徴とする希土類・鉄・ボロン系永久磁石。
- 前記希土類・鉄・ボロン系永久磁石材料粉末を90重量%以上含むことを特徴とする請求項12または請求項13記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石。
- 最大磁気エネルギー積((BH)max)が、12MGOe以上であることを特徴とする請求項12または請求項14のいずれか一項に記載の希土類・鉄・ボロン系永久磁石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003142882A JP2004349364A (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 永久磁石材料粉末及びその製造方法、並びに永久磁石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003142882A JP2004349364A (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 永久磁石材料粉末及びその製造方法、並びに永久磁石 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004349364A true JP2004349364A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33530816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003142882A Withdrawn JP2004349364A (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 永久磁石材料粉末及びその製造方法、並びに永久磁石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004349364A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015151420A1 (ja) * | 2014-03-31 | 2015-10-08 | Jfeスチール株式会社 | アトマイズ金属粉末の製造方法 |
JPWO2016157762A1 (ja) * | 2015-03-30 | 2017-04-27 | Jfeスチール株式会社 | 水アトマイズ金属粉末の製造方法 |
JP2017128790A (ja) * | 2016-01-18 | 2017-07-27 | ミネベアミツミ株式会社 | 焼結磁石の製造方法 |
WO2019111951A1 (ja) | 2017-12-07 | 2019-06-13 | Jfeスチール株式会社 | アトマイズ金属粉末の製造方法 |
JP2022507703A (ja) * | 2018-11-20 | 2022-01-18 | 湖南特力新材料有限公司 | 水噴霧法による金属粉末の製造方法 |
-
2003
- 2003-05-21 JP JP2003142882A patent/JP2004349364A/ja not_active Withdrawn
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106132599A (zh) * | 2014-03-31 | 2016-11-16 | 杰富意钢铁株式会社 | 雾化金属粉末的制造方法 |
JPWO2015151420A1 (ja) * | 2014-03-31 | 2017-04-13 | Jfeスチール株式会社 | アトマイズ金属粉末の製造方法 |
WO2015151420A1 (ja) * | 2014-03-31 | 2015-10-08 | Jfeスチール株式会社 | アトマイズ金属粉末の製造方法 |
CN106132599B (zh) * | 2014-03-31 | 2018-03-20 | 杰富意钢铁株式会社 | 雾化金属粉末的制造方法 |
KR20180043853A (ko) * | 2014-03-31 | 2018-04-30 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 아토마이즈 금속 분말의 제조 방법 |
US10293407B2 (en) | 2014-03-31 | 2019-05-21 | Jfe Steel Corporation | Method of producing atomized metal powder |
KR102303461B1 (ko) * | 2014-03-31 | 2021-09-16 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 아토마이즈 금속 분말의 제조 방법 |
US10589356B2 (en) | 2015-03-30 | 2020-03-17 | Jfe Steel Corporation | Method for producing water-atomized metal powder |
JPWO2016157762A1 (ja) * | 2015-03-30 | 2017-04-27 | Jfeスチール株式会社 | 水アトマイズ金属粉末の製造方法 |
CN107427926A (zh) * | 2015-03-30 | 2017-12-01 | 杰富意钢铁株式会社 | 水雾化金属粉末的制造方法 |
CN107427926B (zh) * | 2015-03-30 | 2019-10-29 | 杰富意钢铁株式会社 | 水雾化金属粉末的制造方法 |
JP2017128790A (ja) * | 2016-01-18 | 2017-07-27 | ミネベアミツミ株式会社 | 焼結磁石の製造方法 |
KR20200078630A (ko) | 2017-12-07 | 2020-07-01 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 아토마이즈 금속 분말의 제조 방법 |
WO2019111951A1 (ja) | 2017-12-07 | 2019-06-13 | Jfeスチール株式会社 | アトマイズ金属粉末の製造方法 |
JP2022507703A (ja) * | 2018-11-20 | 2022-01-18 | 湖南特力新材料有限公司 | 水噴霧法による金属粉末の製造方法 |
JP7242855B2 (ja) | 2018-11-20 | 2023-03-20 | 湖南特力新材料有限公司 | 水噴霧法による金属粉末の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6022424A (en) | Atomization methods for forming magnet powders | |
CN101620906B (zh) | 一种块体纳米晶软磁合金材料及其制备方法 | |
JPS636808A (ja) | 希土類永久磁石 | |
JP3593939B2 (ja) | 磁石粉末および等方性ボンド磁石 | |
JP3593940B2 (ja) | 磁石粉末および等方性ボンド磁石 | |
Madugundo et al. | Recent developments in nanostructured permanent magnet materials and their processing methods | |
Tomše et al. | Properties of SPS-processed permanent magnets prepared from gas-atomized Nd-Fe-B powders | |
CN1316516C (zh) | 磁铁粉末、磁铁粉末的制造方法和粘合磁铁 | |
JP4243413B2 (ja) | 磁石粉末の製造方法およびボンド磁石の製造方法 | |
JP2004111481A (ja) | 希土類焼結磁石およびその製造方法 | |
JP2004349364A (ja) | 永久磁石材料粉末及びその製造方法、並びに永久磁石 | |
TW521284B (en) | Magnetic powder and isotropic bonded magnet | |
TW533435B (en) | Magnetic powder and isotropic bonded magnet | |
JP3277933B2 (ja) | 磁石粉末、ボンド磁石の製造方法およびボンド磁石 | |
JP2001155911A (ja) | 薄帯状磁石材料、磁石粉末および希土類ボンド磁石 | |
JP2002015906A (ja) | 磁石粉末、ボンド磁石の製造方法およびボンド磁石 | |
JP2001196210A (ja) | 磁石粉末および等方性ボンド磁石 | |
JP4345588B2 (ja) | 希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末とその製造方法、および得られるボンド磁石 | |
JP2002332507A (ja) | 希土類磁石およびその製造方法 | |
JP3294645B2 (ja) | 窒化物磁性粉とその製造法 | |
JP5235264B2 (ja) | 希土類焼結磁石及びその製造方法 | |
JPH08144024A (ja) | 安定した保磁力を有する磁性材料およびその製法 | |
WO2022034248A1 (es) | PROCEDIMIENTO DE OBTENCION DE UN MATERIAL PRECURSOR DE NdFeB Y MATERIAL PRECURSOR ASI OBTENIDO, PROCEDIMIENTO DE OBTENCION DE UN IMAN QUE COMPRENDE TAL MATERIAL PRECURSOR E IMAN ASI OBTENIDO | |
JP4645336B2 (ja) | 希土類焼結磁石及びその製造方法 | |
JP2001267110A (ja) | 磁石粉末および等方性ボンド磁石 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050728 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060516 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060525 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060720 |