JP2004348638A - 車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法 - Google Patents
車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004348638A JP2004348638A JP2003147644A JP2003147644A JP2004348638A JP 2004348638 A JP2004348638 A JP 2004348638A JP 2003147644 A JP2003147644 A JP 2003147644A JP 2003147644 A JP2003147644 A JP 2003147644A JP 2004348638 A JP2004348638 A JP 2004348638A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- command
- network
- vehicle
- external device
- communication standard
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Computer And Data Communications (AREA)
- Small-Scale Networks (AREA)
Abstract
【課題】複数の車載機器を有する車載ネットワークに外部機器の後付けが可能な車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法を提供する。
【解決手段】情報系LAN101、制御系LAN102、ボディ系LAN103を接続するゲートウェイ装置1が、情報系LAN101が準拠する通信規格が有するコマンドの数よりも多い数のコマンドを有する通信規格に準拠する外部機器としてのDVC2を接続するように構成してある。ゲートウェイ装置1は、情報系LAN101(又はDVC2)から取得したコマンドを、DVC2(又は情報系LAN101)に対応するコマンドに変換し、DVC2(又は情報系LAN101)へ送出する。
【選択図】 図1
【解決手段】情報系LAN101、制御系LAN102、ボディ系LAN103を接続するゲートウェイ装置1が、情報系LAN101が準拠する通信規格が有するコマンドの数よりも多い数のコマンドを有する通信規格に準拠する外部機器としてのDVC2を接続するように構成してある。ゲートウェイ装置1は、情報系LAN101(又はDVC2)から取得したコマンドを、DVC2(又は情報系LAN101)に対応するコマンドに変換し、DVC2(又は情報系LAN101)へ送出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の車載機器を有するネットワークに、外部機器を接続するためのゲートウェイ装置を接続した車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に搭載される複数の機器を、相互に関連の強い機器毎にネットワーク化することで、車載ネットワークシステムを構築した車両が増加しており、このようなシステムにおいて、各ネットワークにおける機器間の通信処理の効率化を図ることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、近年では、車両に標準装備される機器間の通信方式を車両用に最適化することにより、各車載機器間における通信処理を簡略化して、各機器による処理負担を軽減した車載ネットワークシステムが考案されている。
特に、システムを構成する各車載機器の起動時、及び起動中のシステムへの新たな機器の接続時において各車載機器が行なう、夫々の車載機器の種類等の判別処理を含む初期処理を簡略化することにより、システム全体の起動時間の短縮を図っている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−152244号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したように、車両用に最適化することにより各機器間での通信方式を簡略化したシステムにおいては、車両用ではなく、民生用の機器を後付けで接続した場合に、前記システムを構成する車載機器が実行するコマンドと、民生用の機器が実行するコマンドとに差異が生じるおそれがあり、前記システムを構成する各機器と民生用の機器との接続及び通信動作を確実に保証することが困難であるという問題がある。
従って、上述した車載ネットワークシステムに、民生用の機器を後付けすることが困難なため、予め車両内に構築されたネットワークシステムの構成変更を行なうことができないという問題がある。
【0006】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、複数の車載機器を有するネットワークに、実行可能なコマンドの数が異なる通信規格に準拠した外部機器の接続が可能な車載ネットワークシステムを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、複数の車載機器を有するネットワークと、該ネットワークに後付けされた外部機器との間における安定した接続及び通信動作を可能とする車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法を提供することにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は、ネットワークを構成する各機器が、ネットワークに接続された場合に相互に行なう判別処理を、外部機器とゲートウェイ装置との間でのみ行なうことにより、外部機器を接続することによる車載ネットワークの再構成等を行なう必要がなく、各機器による処理負担を軽減した車載ネットワークシステムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車載ネットワークシステムは、コマンドの出力を行なう複数の車載機器を有するネットワークと、該ネットワークにコマンドの出力を行なう外部機器を接続するためのゲートウェイ装置とを備える車載ネットワークシステムにおいて、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数が、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドの数よりも少ないことを特徴とする。
【0010】
第2発明に係る車載ネットワークシステムは、前記ゲートウェイ装置は、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶する記憶手段と、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得する取得手段と、該取得手段が取得したコマンドを、前記記憶手段に記憶してある対応情報に基づいて対応するコマンドに変換する変換手段と、該変換手段が変換したコマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
第3発明に係る車載ネットワークシステムは、前記ゲートウェイ装置は、外部機器が接続される接続手段と、該接続手段に接続された外部機器を判別する判別手段と、該判別手段が判別した外部機器を前記ネットワークに通知する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第4発明に係るゲートウェイ装置は、コマンドの出力を行なう複数の車載機器を有するネットワークに接続され、コマンドの出力を行なう外部機器を前記ネットワークに接続するゲートウェイ装置において、前記外部機器は、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数よりも多いコマンド数の通信規格に準拠して構成してあり、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶する記憶手段と、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得する取得手段と、該取得手段が取得したコマンドを、前記記憶手段に記憶してある対応情報に基づいて対応するコマンドに変換する変換手段と、該変換手段が変換したコマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出する手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第5発明に係るコマンド変換方法は、コマンドの出力を行なう複数の車載機器を有するネットワークに接続してあり、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数よりも多いコマンド数の通信規格に基づくコマンドの出力を行なう外部機器を前記ネットワークに接続するためのゲートウェイ装置が、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを相互に変換するコマンド変換方法であって、前記ゲートウェイ装置が、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶しておき、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得し、取得した前記コマンドを前記対応情報に基づいて対応するコマンドに変換し、変換した前記コマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出することを特徴とする。
【0014】
第1発明による場合は、複数の車載機器を有するネットワークに、該ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数よりも多い数のコマンドを有する通信規格に準拠する外部機器を接続するためのゲートウェイ装置を備えることにより、予め車両内に構築されたネットワークに、実行可能なコマンドの数が異なる通信規格に準拠した外部機器の後付けが可能となり、システム構成の変更が可能となる。
【0015】
第2、第4及び第5発明による場合は、ゲートウェイ装置が、複数の車載機器を有するネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶しておき、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得した場合に、前記対応情報に基づいて、対応するコマンドに変換し、得られたコマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出する。
これにより、ネットワークへの外部機器の後付けが可能となり、また、ネットワークを構築する各車載機器と、後付けされた外部機器との間における接続及び通信動作を精度よく行なうことができ、システム構成の変更が可能となる。
【0016】
第3発明による場合は、車載機器により構成されるネットワークに後付けすべき外部機器がゲートウェイ装置に接続された場合に、ゲートウェイ装置が、接続された外部機器を判別し、判別した外部機器を前記ネットワークに通知することにより、ネットワークを構成する各機器が、ネットワークに接続された場合に相互に行なう判別処理を、外部機器とゲートウェイ装置との間でのみ行ない、この判別処理により接続された外部機器を判別したゲートウェイ装置は、判別した外部機器をネットワークに通知する。
これにより、前記ネットワークに外部機器を接続することによるネットワークの再構成を行なう必要がなく、前記ネットワークにおける各機器の処理負担の軽減を図ることが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る車載ネットワークシステムを、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る車載ネットワークシステムの構成例を示すブロック図であり、図中100は本発明に係る車載ネットワークシステムを示している。
【0018】
本実施の形態における車載ネットワークシステム100は、車両の搭乗者に対するインタフェースに係る車載機器により構成される情報系LAN(Local Area Network)101と、エンジンECU(Electronic Control Unit)7等の車両の走行に係る制御系の車載機器により構成される制御系LAN102と、エア・コンディショナー(図1においてはエアコン)8等の車両内の設備を制御するボディ系LAN103とをゲートウェイ装置1で接続することにより構成してある。
尚、制御系LAN102は、例えば、TTP(Time−Triggered Protocol)、又はFlexRay等に準拠して構成し、ボディ系LAN103は、例えば、CAN(Controller Area Network)、又はLIN(Local Interconnect Network)等に準拠して構成することができる。
【0019】
上述した構成においては、ゲートウェイ装置1が、情報系LAN101、制御系LAN102及びボディ系LAN103が夫々用いる通信規格を相互に変換することにより、各LAN101,102,103間におけるデータ転送処理を行なうことができる。
具体的には、各LAN101,102,103を構成する各車載機器3,4,5,6,7,8は、夫々のLAN101,102,103に係る通信規格に基づくコマンドを出力するように構成してあり、ゲートウェイ装置1は、各車載機器3,4,5,6,7,8が出力したコマンドを、対応する通信規格に基づくコマンドに変換して対応する車載機器3,4,5,6,7,8へ送信する。
【0020】
また、本実施の形態における情報系LAN101は、コントローラ3と、ナビゲーション装置4と、カセットテーププレイヤ5と、ディスプレイ装置6等とを第1ケーブル101aを介して接続することにより構成してある。
ここで、ゲートウェイ装置1は、車載ネットワークシステム100に対して後付けされる外部機器であるデジタル・ビデオ・カメラ(以下、DVCという)2を、第2ケーブル104を介して接続するように構成されている。
【0021】
本実施の形態では、第2ケーブル104を介して接続されるDVC2は、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394規格に準拠して構成してあり、情報系LAN101は、IEEE1394規格を車両用に最適化した車両用規格に準拠して構成してある。
尚、情報系LAN101が準拠する車両用規格は、DVC2が準拠するIEEE1394規格において実行が可能なコマンドを削減及び簡略化等することにより、車両用に最適化した規格である。
【0022】
上述した構成により、ゲートウェイ装置1は、情報系LAN101、制御系LAN102及びボディ系LAN103間におけるデータ伝送処理だけでなく、情報系LAN101と、DVC2との間でのデータ転送処理も行なっており、例えば、DVC2が取得した画像フレームを、ゲートウェイ装置1を介してディスプレイ装置6へ転送し、ディスプレイ装置6に表示させることができる。
【0023】
図2は本発明に係る車載ネットワークシステム100におけるゲートウェイ装置1の構成例を示すブロック図である。
ゲートウェイ装置1は、第1ケーブル101aを介して接続される各車載機器3,4,5,6とデータ転送処理を行なうべく、第1ケーブル101aに接続される第1ドライバ回路16と、第1ドライバ回路16に接続され、車両用規格の物理層に関するデータ伝送処理を行う第1PHY−LSI15と、第1PHY−LSI15に接続され、車両用規格のリンク層に関するデータ伝送処理を行う第1LINK−LSI14とを備える。
【0024】
また、ゲートウェイ装置1は、第2ケーブル104を介して接続されるDVC2とデータ転送処理を行なうべく、第2ケーブル104に設けられたコネクタ104aが接続される接続手段としてのコネクタ1aと、コネクタ1aに接続される第2ドライバ回路19と、第2ドライバ回路19に接続され、IEEE1394規格の物理層に関するデータ伝送処理を行う第2PHY−LSI18と、第2PHY−LSI18に接続され、IEEE1394規格のリンク層に関するデータ伝送処理を行う第2LINK−LSI17とを備える。
【0025】
更に、ゲートウェイ装置1は、第1LINK−LSI14、第2LINK−LSI17間を接続するストリームデータ通過回路13と、ストリームデータ通過回路13に接続され、第1LINK−LSI14、第2LINK−LSI17間のデータ転送処理を行うCPU(Central Processing Unit)10とを備える。
尚、CPU10は、第1LINK−LSI14、第2LINK−LSI17から入力される各データのヘッダ情報に基づき、入力されたデータが画像データ又は音声データ等のストリームデータであるか否かを判断している。また、CPU10は、ストリームデータであると判断した場合には、第1LINK−LSI14(又は第2LINK−LSI17)から入力されるストリームデータを、CPU10に入力せずに、そのまま第2LINK−LSI17(又は第1LINK−LSI14)に送出するように、ストリームデータ通過回路13を制御する。
【0026】
第1ドライバ回路16及び第2ドライバ回路19は、夫々、第1ケーブル101a及び第2ケーブル101bからコマンドを含む各種のデータを取得する取得手段と、コマンドを含む各種のデータを送出する手段として動作する。
CPU10には、CPU10の制御手順を示すコンピュータプログラム等を記憶したROM11と、CPU10による制御動作中に発生する種々のデータを一時的に記憶するRAM12とが接続してあり、CPU10は、ROM11に記憶されている各種のコンピュータプログラムをRAM12に読み出して順次実行する。
【0027】
ここで、上述したように、情報系LAN101が準拠する車両用規格は、DVC2が準拠するIEEE1394規格において実行が可能なコマンドを削減及び簡略化等したものであるため、DVC2が出力するコマンドは、情報系LAN101における各車載機器3,4,5,6においては実行できないコマンドを含んでいる。
そこで、ゲートウェイ装置1は、第1ケーブル101a及び第2ケーブル104を介したデータ転送処理を実行する場合に、夫々のケーブル101a,104に対応したコマンドに変換する必要があり、第1ケーブル101aにおけるコマンドと、第2ケーブル104におけるコマンドとを対応させる対応情報としての対応テーブルをROM(記憶手段)11に予め記憶してある。
【0028】
図3は対応テーブルの構成を説明するための図であり、図3(a)に対応テーブルの構成例を、図3(b)に情報系LAN101用のコマンドを説明するためのテーブルを、図3(c)にDVC2用のコマンドを説明するためのテーブルを夫々示している。
本実施の形態では、第2ケーブル104を介して接続されるDVC2は、図3(c)に示すように、再生、早送り再生、及び巻き戻し再生等の複数の再生処理が可能であるが、第1ケーブル101aに接続される各車載機器3,4,5,6は、単なる再生処理のみが可能に構成されており、従って、図3(a)に示すように、DVC2において実行可能なコマンド101,102,103が示す各再生処理は、情報系LAN101において実行可能なコマンド1で示す再生処理に夫々対応させてある。
【0029】
また、DVC2は、早送り処理及び巻き戻し処理の実行が可能であるが、車載機器3,4,5,6はそれらの処理は実行できないため、対応テーブルにおいては、対応する情報系LAN用コマンドが存在しないことになる。
このような対応テーブルを用いることにより、ゲートウェイ装置1のCPU10は、第1ケーブル101aを介して取得したコマンドをDVC2用のコマンドに変換し、また、第2ケーブル104を介して取得したコマンドを情報系LAN101用のコマンドに変換する変換手段として動作する。
【0030】
尚、具体的には、ゲートウェイ装置1は、第2ケーブル104を介して再生、早送り再生、及び巻き戻し再生を示す各コマンドを取得した場合、情報系LAN101用の再生処理を示すコマンドに変換して第1ケーブル101aを介して対応する車載機器3,4,5,6へ送出することになる。
また、第2ケーブル104を介して早送り及び巻き戻しを示す各コマンドを取得した場合には、情報系LAN101に対応するコマンドを送出せず、情報系LAN101において不要な処理を行なわせないことにより、車両用規格の情報系LAN101に、IEEE1394規格のDVC2の接続を可能としている。
【0031】
ここで、IEEE1394規格のDVC2が接続され、又は、DVC2が取り外された場合、第2ケーブル104を介して接続されるゲートウェイ装置1とDVC2との間において、バスリセットがかかり、接続されるゲートウェイ装置1とDVC2との接続状態等の確認処理が行なわれる。
IEEE1394規格におけるバスリセットは、接続される各機器間において、接続状態の問合せ及び返信等の各処理を複雑に行なっており、ゲートウェイ装置1に第2ケーブル104を介してDVC2が接続された場合、第2PHY−LSI18が、DVC2が接続されたことを判別する判別手段として動作する。
【0032】
また、ゲートウェイ装置1の第2PHY−LSI18は、バスリセットが終了してDVC2の接続が完了した場合に、DVC2が接続されたことをCPU10に通知し、CPU10は、DVC2が接続されたことを第1ケーブル101aに接続されるコントローラ3に通知する手段として動作する。
従って、DVC2がゲートウェイ装置1に接続されたことは、コントローラ3にのみ通知されることになり、情報系LAN101においてはバスリセットを行なわず、情報系LAN101における不要な処理による処理負担を軽減することができる。
【0033】
以下に、上述した構成の車載ネットワークシステム100におけるゲートウェイ装置1による第1ケーブル101a及び第2ケーブル101bを介したデータ転送処理について説明する。図4は本実施の形態に係るゲートウェイ装置1によるデータ転送処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
ゲートウェイ装置1において、CPU10は、第1ケーブル101aを介して、第1ケーブル101aに接続される各車載機器3,4,5,6からデータを取得したか否かを判断しており(S1)、第1ケーブル101aを介してデータを取得した場合(S1:YES)、取得したデータのヘッダ情報に基づき、該データが画像データ又は音声データ等のストリームデータであるか否かを判断する(S2)。
取得したデータがストリームデータである場合(S2:YES)、CPU10は、ストリームデータ通過回路13に、取得したストリームデータの送出を指示し(S3)、取得したデータがストリームデータでない場合(S2:NO)、即ち、取得したデータが各処理の実行を指示するコマンドである場合、ROM11に記憶してある対応テーブルに、取得したデータが示すコマンドがあるか否かを判断する(S4)。
【0035】
取得したデータが示すコマンドが対応テーブルにある場合(S4:YES)、対応するDVC2用のコマンドを対応テーブルから読み出して、第2ケーブル104を介してDVC2に送出する(S5)。尚、取得したデータが示すコマンドが対応テーブルにない場合(S4:NO)、CPU10は、何も行なわずに処理を終了する。
【0036】
一方、ステップS1で、第1ケーブル101aを介してデータを取得していない場合(S1:NO)、第2ケーブル104を介してDVC2からデータを取得したか否かを判断しており(S6)、DVC2からのデータを取得していない場合(S6:NO)、ステップS1の処理に戻る。
また、CPU10は、DVC2からデータを取得した場合(S6:YES)、取得したデータのヘッダ情報に基づき、該データが画像データ又は音声データ等のストリームデータであるか否かを判断する(S7)。
【0037】
取得したデータがストリームデータである場合(S7:YES)、CPU10は、ストリームデータ通過回路13に、取得したストリームデータの送出を指示し(S8)、取得したデータがストリームデータでない場合(S7:NO)、即ち、取得したデータが各処理の実行を指示するコマンドである場合、ROM11に記憶してある対応テーブルに、取得したデータが示すコマンドがあるか否かを判断する(S9)。
【0038】
取得したデータが示すコマンドが対応テーブルにある場合(S9:YES)、CPU10は、対応する情報系LAN101用のコマンドを対応テーブルから読み出して、第1ケーブル101aを介して所定の車載機器3(又は4,5,6)に送出する(S10)。尚、取得したデータが示すコマンドが対応テーブルにない場合(S9:NO)、CPU10は、何も行なわずに処理を終了する。
一方、ゲートウェイ装置1のCPU10は、上述した処理とは別に、第2PHY−LSI18により、第2ケーブル104を介して新たな外部機器が接続されたことを通知された場合に、第1ケーブル101aを介してコントローラ3に、新たな外部機器の接続の通知処理を行なう。
【0039】
上述したように、ゲートウェイ装置1が、第1ケーブル101aを介して情報系LAN101用のコマンドを取得した場合に、DVC2用のコマンドに変換し、得られたコマンドを第2ケーブル104を介してDVC2へ送出し、また、DVC2からコマンドを取得した場合に、情報系LAN101用のコマンドに変換し、得られたコマンドを第1ケーブル101aを介して所定の車載機器3(又は4,5,6)に送出することにより、通信規格の異なる機器を相互に接続することができる。
【0040】
上述した実施の形態では、DVC2はIEEE1394規格を準拠しており、情報系LAN101はIEEE1394規格を車両用に最適化した車両用規格を準拠して構成されているが、これらの規格に限定されるものではい。
また、ゲートウェイ装置1には、第2ケーブル104を介してDVC2のみが接続してあるが、IEEE1394規格の外部機器を複数接続した構成とすることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
第1発明による場合は、複数の車載機器を有するネットワークにゲートウェイ装置を備え、該ゲートウェイ装置が、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数よりも多い数のコマンドを有する通信規格に準拠する外部機器を前記ネットワークに接続することにより、予め車両内に構築されたネットワークに、実行可能なコマンドの数が異なる通信規格に準拠した外部機器の後付けが可能となり、システム構成の変更が可能となる。
【0042】
第2、第4及び第5発明による場合は、複数の車載機器を有するネットワークに外部機器を接続するゲートウェイ装置が、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶しておき、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得した場合に、前記対応情報に基づいて、対応するコマンドに変換し、前記外部機器又は車載機器へ送出することにより、車載ネットワークへの外部機器の後付けが可能となり、また、車載ネットワークを構築する各車載機器と、後付けされた外部機器との間における接続及び通信動作を精度よく行なうことができ、システム構成の変更が可能となる。
【0043】
第3発明による場合は、車載機器により構成されるネットワークに後付けすべき外部機器がゲートウェイ装置に接続された場合に、ゲートウェイ装置が、接続された外部機器を判別し、判別した外部機器を前記ネットワークに通知することにより、ネットワークを構成する各機器が、ネットワークに接続された場合に相互に行なう判別処理を、外部機器とゲートウェイ装置との間でのみ行ない、この判別処理により接続された外部機器を判別したゲートウェイ装置は、判別した外部機器をネットワークに通知する。
これにより、前記ネットワークに外部機器を接続することによるネットワークの再構成を行なう必要がなく、前記ネットワークにおける各機器の処理負担の軽減を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車載ネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車載ネットワークシステムにおけるゲートウェイ装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】対応テーブルの構成を説明するための図である。
【図4】本実施の形態に係るゲートウェイ装置によるデータ転送処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 車載ネットワークシステム
101 情報系LAN(ネットワーク)
1 ゲートウェイ装置
1a コネクタ(接続手段)
10 CPU(変換手段)
11 ROM(記憶手段)
16 第1ドライバ回路(取得手段)
18 第2PHY−LSI(判別手段)
19 第2ドライバ回路(取得手段)
2 DVC(外部機器)
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の車載機器を有するネットワークに、外部機器を接続するためのゲートウェイ装置を接続した車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に搭載される複数の機器を、相互に関連の強い機器毎にネットワーク化することで、車載ネットワークシステムを構築した車両が増加しており、このようなシステムにおいて、各ネットワークにおける機器間の通信処理の効率化を図ることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、近年では、車両に標準装備される機器間の通信方式を車両用に最適化することにより、各車載機器間における通信処理を簡略化して、各機器による処理負担を軽減した車載ネットワークシステムが考案されている。
特に、システムを構成する各車載機器の起動時、及び起動中のシステムへの新たな機器の接続時において各車載機器が行なう、夫々の車載機器の種類等の判別処理を含む初期処理を簡略化することにより、システム全体の起動時間の短縮を図っている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−152244号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したように、車両用に最適化することにより各機器間での通信方式を簡略化したシステムにおいては、車両用ではなく、民生用の機器を後付けで接続した場合に、前記システムを構成する車載機器が実行するコマンドと、民生用の機器が実行するコマンドとに差異が生じるおそれがあり、前記システムを構成する各機器と民生用の機器との接続及び通信動作を確実に保証することが困難であるという問題がある。
従って、上述した車載ネットワークシステムに、民生用の機器を後付けすることが困難なため、予め車両内に構築されたネットワークシステムの構成変更を行なうことができないという問題がある。
【0006】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、複数の車載機器を有するネットワークに、実行可能なコマンドの数が異なる通信規格に準拠した外部機器の接続が可能な車載ネットワークシステムを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、複数の車載機器を有するネットワークと、該ネットワークに後付けされた外部機器との間における安定した接続及び通信動作を可能とする車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法を提供することにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は、ネットワークを構成する各機器が、ネットワークに接続された場合に相互に行なう判別処理を、外部機器とゲートウェイ装置との間でのみ行なうことにより、外部機器を接続することによる車載ネットワークの再構成等を行なう必要がなく、各機器による処理負担を軽減した車載ネットワークシステムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車載ネットワークシステムは、コマンドの出力を行なう複数の車載機器を有するネットワークと、該ネットワークにコマンドの出力を行なう外部機器を接続するためのゲートウェイ装置とを備える車載ネットワークシステムにおいて、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数が、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドの数よりも少ないことを特徴とする。
【0010】
第2発明に係る車載ネットワークシステムは、前記ゲートウェイ装置は、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶する記憶手段と、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得する取得手段と、該取得手段が取得したコマンドを、前記記憶手段に記憶してある対応情報に基づいて対応するコマンドに変換する変換手段と、該変換手段が変換したコマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
第3発明に係る車載ネットワークシステムは、前記ゲートウェイ装置は、外部機器が接続される接続手段と、該接続手段に接続された外部機器を判別する判別手段と、該判別手段が判別した外部機器を前記ネットワークに通知する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第4発明に係るゲートウェイ装置は、コマンドの出力を行なう複数の車載機器を有するネットワークに接続され、コマンドの出力を行なう外部機器を前記ネットワークに接続するゲートウェイ装置において、前記外部機器は、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数よりも多いコマンド数の通信規格に準拠して構成してあり、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶する記憶手段と、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得する取得手段と、該取得手段が取得したコマンドを、前記記憶手段に記憶してある対応情報に基づいて対応するコマンドに変換する変換手段と、該変換手段が変換したコマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出する手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第5発明に係るコマンド変換方法は、コマンドの出力を行なう複数の車載機器を有するネットワークに接続してあり、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数よりも多いコマンド数の通信規格に基づくコマンドの出力を行なう外部機器を前記ネットワークに接続するためのゲートウェイ装置が、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを相互に変換するコマンド変換方法であって、前記ゲートウェイ装置が、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶しておき、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得し、取得した前記コマンドを前記対応情報に基づいて対応するコマンドに変換し、変換した前記コマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出することを特徴とする。
【0014】
第1発明による場合は、複数の車載機器を有するネットワークに、該ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数よりも多い数のコマンドを有する通信規格に準拠する外部機器を接続するためのゲートウェイ装置を備えることにより、予め車両内に構築されたネットワークに、実行可能なコマンドの数が異なる通信規格に準拠した外部機器の後付けが可能となり、システム構成の変更が可能となる。
【0015】
第2、第4及び第5発明による場合は、ゲートウェイ装置が、複数の車載機器を有するネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶しておき、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得した場合に、前記対応情報に基づいて、対応するコマンドに変換し、得られたコマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出する。
これにより、ネットワークへの外部機器の後付けが可能となり、また、ネットワークを構築する各車載機器と、後付けされた外部機器との間における接続及び通信動作を精度よく行なうことができ、システム構成の変更が可能となる。
【0016】
第3発明による場合は、車載機器により構成されるネットワークに後付けすべき外部機器がゲートウェイ装置に接続された場合に、ゲートウェイ装置が、接続された外部機器を判別し、判別した外部機器を前記ネットワークに通知することにより、ネットワークを構成する各機器が、ネットワークに接続された場合に相互に行なう判別処理を、外部機器とゲートウェイ装置との間でのみ行ない、この判別処理により接続された外部機器を判別したゲートウェイ装置は、判別した外部機器をネットワークに通知する。
これにより、前記ネットワークに外部機器を接続することによるネットワークの再構成を行なう必要がなく、前記ネットワークにおける各機器の処理負担の軽減を図ることが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る車載ネットワークシステムを、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る車載ネットワークシステムの構成例を示すブロック図であり、図中100は本発明に係る車載ネットワークシステムを示している。
【0018】
本実施の形態における車載ネットワークシステム100は、車両の搭乗者に対するインタフェースに係る車載機器により構成される情報系LAN(Local Area Network)101と、エンジンECU(Electronic Control Unit)7等の車両の走行に係る制御系の車載機器により構成される制御系LAN102と、エア・コンディショナー(図1においてはエアコン)8等の車両内の設備を制御するボディ系LAN103とをゲートウェイ装置1で接続することにより構成してある。
尚、制御系LAN102は、例えば、TTP(Time−Triggered Protocol)、又はFlexRay等に準拠して構成し、ボディ系LAN103は、例えば、CAN(Controller Area Network)、又はLIN(Local Interconnect Network)等に準拠して構成することができる。
【0019】
上述した構成においては、ゲートウェイ装置1が、情報系LAN101、制御系LAN102及びボディ系LAN103が夫々用いる通信規格を相互に変換することにより、各LAN101,102,103間におけるデータ転送処理を行なうことができる。
具体的には、各LAN101,102,103を構成する各車載機器3,4,5,6,7,8は、夫々のLAN101,102,103に係る通信規格に基づくコマンドを出力するように構成してあり、ゲートウェイ装置1は、各車載機器3,4,5,6,7,8が出力したコマンドを、対応する通信規格に基づくコマンドに変換して対応する車載機器3,4,5,6,7,8へ送信する。
【0020】
また、本実施の形態における情報系LAN101は、コントローラ3と、ナビゲーション装置4と、カセットテーププレイヤ5と、ディスプレイ装置6等とを第1ケーブル101aを介して接続することにより構成してある。
ここで、ゲートウェイ装置1は、車載ネットワークシステム100に対して後付けされる外部機器であるデジタル・ビデオ・カメラ(以下、DVCという)2を、第2ケーブル104を介して接続するように構成されている。
【0021】
本実施の形態では、第2ケーブル104を介して接続されるDVC2は、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394規格に準拠して構成してあり、情報系LAN101は、IEEE1394規格を車両用に最適化した車両用規格に準拠して構成してある。
尚、情報系LAN101が準拠する車両用規格は、DVC2が準拠するIEEE1394規格において実行が可能なコマンドを削減及び簡略化等することにより、車両用に最適化した規格である。
【0022】
上述した構成により、ゲートウェイ装置1は、情報系LAN101、制御系LAN102及びボディ系LAN103間におけるデータ伝送処理だけでなく、情報系LAN101と、DVC2との間でのデータ転送処理も行なっており、例えば、DVC2が取得した画像フレームを、ゲートウェイ装置1を介してディスプレイ装置6へ転送し、ディスプレイ装置6に表示させることができる。
【0023】
図2は本発明に係る車載ネットワークシステム100におけるゲートウェイ装置1の構成例を示すブロック図である。
ゲートウェイ装置1は、第1ケーブル101aを介して接続される各車載機器3,4,5,6とデータ転送処理を行なうべく、第1ケーブル101aに接続される第1ドライバ回路16と、第1ドライバ回路16に接続され、車両用規格の物理層に関するデータ伝送処理を行う第1PHY−LSI15と、第1PHY−LSI15に接続され、車両用規格のリンク層に関するデータ伝送処理を行う第1LINK−LSI14とを備える。
【0024】
また、ゲートウェイ装置1は、第2ケーブル104を介して接続されるDVC2とデータ転送処理を行なうべく、第2ケーブル104に設けられたコネクタ104aが接続される接続手段としてのコネクタ1aと、コネクタ1aに接続される第2ドライバ回路19と、第2ドライバ回路19に接続され、IEEE1394規格の物理層に関するデータ伝送処理を行う第2PHY−LSI18と、第2PHY−LSI18に接続され、IEEE1394規格のリンク層に関するデータ伝送処理を行う第2LINK−LSI17とを備える。
【0025】
更に、ゲートウェイ装置1は、第1LINK−LSI14、第2LINK−LSI17間を接続するストリームデータ通過回路13と、ストリームデータ通過回路13に接続され、第1LINK−LSI14、第2LINK−LSI17間のデータ転送処理を行うCPU(Central Processing Unit)10とを備える。
尚、CPU10は、第1LINK−LSI14、第2LINK−LSI17から入力される各データのヘッダ情報に基づき、入力されたデータが画像データ又は音声データ等のストリームデータであるか否かを判断している。また、CPU10は、ストリームデータであると判断した場合には、第1LINK−LSI14(又は第2LINK−LSI17)から入力されるストリームデータを、CPU10に入力せずに、そのまま第2LINK−LSI17(又は第1LINK−LSI14)に送出するように、ストリームデータ通過回路13を制御する。
【0026】
第1ドライバ回路16及び第2ドライバ回路19は、夫々、第1ケーブル101a及び第2ケーブル101bからコマンドを含む各種のデータを取得する取得手段と、コマンドを含む各種のデータを送出する手段として動作する。
CPU10には、CPU10の制御手順を示すコンピュータプログラム等を記憶したROM11と、CPU10による制御動作中に発生する種々のデータを一時的に記憶するRAM12とが接続してあり、CPU10は、ROM11に記憶されている各種のコンピュータプログラムをRAM12に読み出して順次実行する。
【0027】
ここで、上述したように、情報系LAN101が準拠する車両用規格は、DVC2が準拠するIEEE1394規格において実行が可能なコマンドを削減及び簡略化等したものであるため、DVC2が出力するコマンドは、情報系LAN101における各車載機器3,4,5,6においては実行できないコマンドを含んでいる。
そこで、ゲートウェイ装置1は、第1ケーブル101a及び第2ケーブル104を介したデータ転送処理を実行する場合に、夫々のケーブル101a,104に対応したコマンドに変換する必要があり、第1ケーブル101aにおけるコマンドと、第2ケーブル104におけるコマンドとを対応させる対応情報としての対応テーブルをROM(記憶手段)11に予め記憶してある。
【0028】
図3は対応テーブルの構成を説明するための図であり、図3(a)に対応テーブルの構成例を、図3(b)に情報系LAN101用のコマンドを説明するためのテーブルを、図3(c)にDVC2用のコマンドを説明するためのテーブルを夫々示している。
本実施の形態では、第2ケーブル104を介して接続されるDVC2は、図3(c)に示すように、再生、早送り再生、及び巻き戻し再生等の複数の再生処理が可能であるが、第1ケーブル101aに接続される各車載機器3,4,5,6は、単なる再生処理のみが可能に構成されており、従って、図3(a)に示すように、DVC2において実行可能なコマンド101,102,103が示す各再生処理は、情報系LAN101において実行可能なコマンド1で示す再生処理に夫々対応させてある。
【0029】
また、DVC2は、早送り処理及び巻き戻し処理の実行が可能であるが、車載機器3,4,5,6はそれらの処理は実行できないため、対応テーブルにおいては、対応する情報系LAN用コマンドが存在しないことになる。
このような対応テーブルを用いることにより、ゲートウェイ装置1のCPU10は、第1ケーブル101aを介して取得したコマンドをDVC2用のコマンドに変換し、また、第2ケーブル104を介して取得したコマンドを情報系LAN101用のコマンドに変換する変換手段として動作する。
【0030】
尚、具体的には、ゲートウェイ装置1は、第2ケーブル104を介して再生、早送り再生、及び巻き戻し再生を示す各コマンドを取得した場合、情報系LAN101用の再生処理を示すコマンドに変換して第1ケーブル101aを介して対応する車載機器3,4,5,6へ送出することになる。
また、第2ケーブル104を介して早送り及び巻き戻しを示す各コマンドを取得した場合には、情報系LAN101に対応するコマンドを送出せず、情報系LAN101において不要な処理を行なわせないことにより、車両用規格の情報系LAN101に、IEEE1394規格のDVC2の接続を可能としている。
【0031】
ここで、IEEE1394規格のDVC2が接続され、又は、DVC2が取り外された場合、第2ケーブル104を介して接続されるゲートウェイ装置1とDVC2との間において、バスリセットがかかり、接続されるゲートウェイ装置1とDVC2との接続状態等の確認処理が行なわれる。
IEEE1394規格におけるバスリセットは、接続される各機器間において、接続状態の問合せ及び返信等の各処理を複雑に行なっており、ゲートウェイ装置1に第2ケーブル104を介してDVC2が接続された場合、第2PHY−LSI18が、DVC2が接続されたことを判別する判別手段として動作する。
【0032】
また、ゲートウェイ装置1の第2PHY−LSI18は、バスリセットが終了してDVC2の接続が完了した場合に、DVC2が接続されたことをCPU10に通知し、CPU10は、DVC2が接続されたことを第1ケーブル101aに接続されるコントローラ3に通知する手段として動作する。
従って、DVC2がゲートウェイ装置1に接続されたことは、コントローラ3にのみ通知されることになり、情報系LAN101においてはバスリセットを行なわず、情報系LAN101における不要な処理による処理負担を軽減することができる。
【0033】
以下に、上述した構成の車載ネットワークシステム100におけるゲートウェイ装置1による第1ケーブル101a及び第2ケーブル101bを介したデータ転送処理について説明する。図4は本実施の形態に係るゲートウェイ装置1によるデータ転送処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
ゲートウェイ装置1において、CPU10は、第1ケーブル101aを介して、第1ケーブル101aに接続される各車載機器3,4,5,6からデータを取得したか否かを判断しており(S1)、第1ケーブル101aを介してデータを取得した場合(S1:YES)、取得したデータのヘッダ情報に基づき、該データが画像データ又は音声データ等のストリームデータであるか否かを判断する(S2)。
取得したデータがストリームデータである場合(S2:YES)、CPU10は、ストリームデータ通過回路13に、取得したストリームデータの送出を指示し(S3)、取得したデータがストリームデータでない場合(S2:NO)、即ち、取得したデータが各処理の実行を指示するコマンドである場合、ROM11に記憶してある対応テーブルに、取得したデータが示すコマンドがあるか否かを判断する(S4)。
【0035】
取得したデータが示すコマンドが対応テーブルにある場合(S4:YES)、対応するDVC2用のコマンドを対応テーブルから読み出して、第2ケーブル104を介してDVC2に送出する(S5)。尚、取得したデータが示すコマンドが対応テーブルにない場合(S4:NO)、CPU10は、何も行なわずに処理を終了する。
【0036】
一方、ステップS1で、第1ケーブル101aを介してデータを取得していない場合(S1:NO)、第2ケーブル104を介してDVC2からデータを取得したか否かを判断しており(S6)、DVC2からのデータを取得していない場合(S6:NO)、ステップS1の処理に戻る。
また、CPU10は、DVC2からデータを取得した場合(S6:YES)、取得したデータのヘッダ情報に基づき、該データが画像データ又は音声データ等のストリームデータであるか否かを判断する(S7)。
【0037】
取得したデータがストリームデータである場合(S7:YES)、CPU10は、ストリームデータ通過回路13に、取得したストリームデータの送出を指示し(S8)、取得したデータがストリームデータでない場合(S7:NO)、即ち、取得したデータが各処理の実行を指示するコマンドである場合、ROM11に記憶してある対応テーブルに、取得したデータが示すコマンドがあるか否かを判断する(S9)。
【0038】
取得したデータが示すコマンドが対応テーブルにある場合(S9:YES)、CPU10は、対応する情報系LAN101用のコマンドを対応テーブルから読み出して、第1ケーブル101aを介して所定の車載機器3(又は4,5,6)に送出する(S10)。尚、取得したデータが示すコマンドが対応テーブルにない場合(S9:NO)、CPU10は、何も行なわずに処理を終了する。
一方、ゲートウェイ装置1のCPU10は、上述した処理とは別に、第2PHY−LSI18により、第2ケーブル104を介して新たな外部機器が接続されたことを通知された場合に、第1ケーブル101aを介してコントローラ3に、新たな外部機器の接続の通知処理を行なう。
【0039】
上述したように、ゲートウェイ装置1が、第1ケーブル101aを介して情報系LAN101用のコマンドを取得した場合に、DVC2用のコマンドに変換し、得られたコマンドを第2ケーブル104を介してDVC2へ送出し、また、DVC2からコマンドを取得した場合に、情報系LAN101用のコマンドに変換し、得られたコマンドを第1ケーブル101aを介して所定の車載機器3(又は4,5,6)に送出することにより、通信規格の異なる機器を相互に接続することができる。
【0040】
上述した実施の形態では、DVC2はIEEE1394規格を準拠しており、情報系LAN101はIEEE1394規格を車両用に最適化した車両用規格を準拠して構成されているが、これらの規格に限定されるものではい。
また、ゲートウェイ装置1には、第2ケーブル104を介してDVC2のみが接続してあるが、IEEE1394規格の外部機器を複数接続した構成とすることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
第1発明による場合は、複数の車載機器を有するネットワークにゲートウェイ装置を備え、該ゲートウェイ装置が、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数よりも多い数のコマンドを有する通信規格に準拠する外部機器を前記ネットワークに接続することにより、予め車両内に構築されたネットワークに、実行可能なコマンドの数が異なる通信規格に準拠した外部機器の後付けが可能となり、システム構成の変更が可能となる。
【0042】
第2、第4及び第5発明による場合は、複数の車載機器を有するネットワークに外部機器を接続するゲートウェイ装置が、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶しておき、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得した場合に、前記対応情報に基づいて、対応するコマンドに変換し、前記外部機器又は車載機器へ送出することにより、車載ネットワークへの外部機器の後付けが可能となり、また、車載ネットワークを構築する各車載機器と、後付けされた外部機器との間における接続及び通信動作を精度よく行なうことができ、システム構成の変更が可能となる。
【0043】
第3発明による場合は、車載機器により構成されるネットワークに後付けすべき外部機器がゲートウェイ装置に接続された場合に、ゲートウェイ装置が、接続された外部機器を判別し、判別した外部機器を前記ネットワークに通知することにより、ネットワークを構成する各機器が、ネットワークに接続された場合に相互に行なう判別処理を、外部機器とゲートウェイ装置との間でのみ行ない、この判別処理により接続された外部機器を判別したゲートウェイ装置は、判別した外部機器をネットワークに通知する。
これにより、前記ネットワークに外部機器を接続することによるネットワークの再構成を行なう必要がなく、前記ネットワークにおける各機器の処理負担の軽減を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車載ネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車載ネットワークシステムにおけるゲートウェイ装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】対応テーブルの構成を説明するための図である。
【図4】本実施の形態に係るゲートウェイ装置によるデータ転送処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 車載ネットワークシステム
101 情報系LAN(ネットワーク)
1 ゲートウェイ装置
1a コネクタ(接続手段)
10 CPU(変換手段)
11 ROM(記憶手段)
16 第1ドライバ回路(取得手段)
18 第2PHY−LSI(判別手段)
19 第2ドライバ回路(取得手段)
2 DVC(外部機器)
Claims (5)
- コマンドの出力を行なう複数の車載機器を有するネットワークと、該ネットワークにコマンドの出力を行なう外部機器を接続するためのゲートウェイ装置とを備える車載ネットワークシステムにおいて、
前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数が、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドの数よりも少ないことを特徴とする車載ネットワークシステム。 - 前記ゲートウェイ装置は、
前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶する記憶手段と、
前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得する取得手段と、
該取得手段が取得したコマンドを、前記記憶手段に記憶してある対応情報に基づいて対応するコマンドに変換する変換手段と、
該変換手段が変換したコマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出する手段とを備える請求項1に記載の車載ネットワークシステム。 - 前記ゲートウェイ装置は、
外部機器が接続される接続手段と、
該接続手段に接続された外部機器を判別する判別手段と、
該判別手段が判別した外部機器を前記ネットワークに通知する手段とを備える請求項1又は2に記載の車載ネットワークシステム。 - コマンドの出力を行なう複数の車載機器を有するネットワークに接続され、コマンドの出力を行なう外部機器を前記ネットワークに接続するゲートウェイ装置において、
前記外部機器は、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数よりも多いコマンド数の通信規格に準拠して構成してあり、
前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶する記憶手段と、
前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得する取得手段と、
該取得手段が取得したコマンドを、前記記憶手段に記憶してある対応情報に基づいて対応するコマンドに変換する変換手段と、
該変換手段が変換したコマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出する手段とを備えることを特徴とするゲートウェイ装置。 - コマンドの出力を行なう複数の車載機器を有するネットワークに接続してあり、前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドの数よりも多いコマンド数の通信規格に基づくコマンドの出力を行なう外部機器を前記ネットワークに接続するためのゲートウェイ装置が、前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを相互に変換するコマンド変換方法であって、
前記ゲートウェイ装置が、
前記ネットワークに係る通信規格に基づくコマンドと、前記外部機器に係る通信規格に基づくコマンドとの対応を示す対応情報を記憶しておき、
前記車載機器又は外部機器が出力したコマンドを取得し、
取得した前記コマンドを前記対応情報に基づいて対応するコマンドに変換し、
変換した前記コマンドを、前記外部機器又は車載機器へ送出することを特徴とするコマンド変換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003147644A JP2004348638A (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | 車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003147644A JP2004348638A (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | 車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004348638A true JP2004348638A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33534120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003147644A Pending JP2004348638A (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | 車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004348638A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009508429A (ja) * | 2005-09-13 | 2009-02-26 | エヌエックスピー ビー ヴィ | メッセージの伝送方法 |
JP2016197414A (ja) * | 2016-05-23 | 2016-11-24 | ソニー株式会社 | 車載装置、コンテンツ再生方法、コンテンツ再生プログラムおよびコンテンツ再生システム。 |
-
2003
- 2003-05-26 JP JP2003147644A patent/JP2004348638A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009508429A (ja) * | 2005-09-13 | 2009-02-26 | エヌエックスピー ビー ヴィ | メッセージの伝送方法 |
JP4909350B2 (ja) * | 2005-09-13 | 2012-04-04 | エヌエックスピー ビー ヴィ | メッセージの伝送方法 |
US8693488B2 (en) | 2005-09-13 | 2014-04-08 | Nxp B.V. | Method of transmitting messages |
JP2016197414A (ja) * | 2016-05-23 | 2016-11-24 | ソニー株式会社 | 車載装置、コンテンツ再生方法、コンテンツ再生プログラムおよびコンテンツ再生システム。 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10951436B2 (en) | Network hub, transfer method, and onboard network system | |
US10511668B2 (en) | Method of transmitting and receiving data in vehicle network and apparatus for the same | |
KR101095583B1 (ko) | 차량내 네트워크에서의 통합 게이트웨이 모니터링 시스템 및 방법 | |
US11018897B2 (en) | Electronic control unit, communication method, and onboard network system | |
US20210184886A1 (en) | In-vehicle information processing for unauthorized data | |
EP4280013A1 (en) | Controller system and control method | |
JP2001249802A (ja) | 伝送方法、伝送システム、伝送制御装置及び入力装置 | |
WO2019201288A1 (zh) | 基于车载以太网的信息交互系统以及车辆 | |
JP2006347258A (ja) | 車載通信用アダプタおよび自動車用ワイヤハーネス | |
JP2003309584A (ja) | 車載用ゲートウェイ装置及び車両 | |
KR20160067507A (ko) | 차량 | |
JP2009027245A (ja) | 変換ユニット、変換方法及びプログラム | |
US11337184B2 (en) | Method and apparatus for transmitting and receiving data stream performed in vehicle network | |
JP2002540723A (ja) | ルーティング方法及びルーティングシステム | |
JP2004348638A (ja) | 車載ネットワークシステム、ゲートウェイ装置及びコマンド変換方法 | |
KR101082338B1 (ko) | 차량용 모스트 네트워크 통합 장치 및 그 방법 | |
JP5360308B2 (ja) | 通信ノード、及び通信システム並びに方法 | |
WO2021009996A1 (ja) | 車載通信システム、スイッチ装置および制御方法 | |
Stolz et al. | Ethernet and ip-the solution to master complexity, safety and security in vehicle communication networks? | |
JP2004193863A (ja) | 画像送信装置、画像形成装置、及び画像形成制御装置 | |
JP7162577B2 (ja) | 車両制御システム、車両制御方法、及びプログラム | |
CN115826549A (zh) | 电子控制单元ecu的控制方法及设备 | |
JP2005335622A (ja) | 車載装置及び通信装置 | |
JP4186681B2 (ja) | 電子機器システム及び制御コマンド伝送方法 | |
JP2010154283A (ja) | 通信ネットワークシステム及びデータ転送方法 |