JP2004348279A - 文字入力装置 - Google Patents

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JP2004348279A JP2003142534A JP2003142534A JP2004348279A JP 2004348279 A JP2004348279 A JP 2004348279A JP 2003142534 A JP2003142534 A JP 2003142534A JP 2003142534 A JP2003142534 A JP 2003142534A JP 2004348279 A JP2004348279 A JP 2004348279A
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立入靖朗
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Abstract

【課題】少ない入力キーで多数の文字を入力する文字入力装置において、ユーザにとって文字入力における負担を低減でき、かつ効率的に文字入力を行える装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る文字入力装置では、候補記号の表示では、各々に複数の候補記号のうち少なくとも一部を含む複数の候補画像を用い、各候補画像の表示形態を選択予測確率、巡回回数、反応時間により変更し、かつ1文字の入力後は入力予測確率に基づいて複数の予測候補記号を自動的に選定し、かつ予測候補記号の表示では、各々に複数の予測候補記号のうち少なくとも一部を含む予測候補画像を用い、各予測候補画像の表示形態を入力予測確率、巡回回数、反応時間により変更させる構成とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キー入力により文字を入力する文字入力装置に関する。携帯電話機、PDA、電子辞書等の小型情報端末に特に適した文字入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の文字入力装置は、入力キーを配置する場所に対する制約が大きいため、アルファベット文字や仮名の各文字に専用の入力キーを1つずつ割り当てることができない。そのため、少ない入力キーを利用して多数の文字を入力できる装置が必要となる。これを実現する文字入力方法及び文字入力装置としては、1つのキーに複数の文字を割り当て、割り当てられた複数の文字の中から所望の文字を選択することにより文字入力を行う方法及びその方法を適用した文字入力装置(例えば、特許文献1及び特許文献2)が知られている。
【0003】
特許文献1に記載されている方法及び装置では、テンキーの各入力キーに複数の文字が割り当てられており、ある入力キーが押されると、その入力キーに対応した複数の文字が一定の時間間隔で1文字ずつ表示される。その入力キーが再度押されるか、又は他の入力キーが押されると、そのとき表示されている文字が入力文字として確定される。更に、文字が表示される時間間隔は、ユーザにより変更が可能な構成としている。特許文献1に記載された方法及び装置においては、各文字の表示は同じ表示形態で行われている。
【0004】
特許文献2に記載されている装置では、各入力キーに複数の文字が割り当てられており、ある入力キーが押されると、その入力キーに対応した複数の文字のうち最も使用頻度の高い文字が表示される。同一の入力キーを押すごとに、割り当てられた複数の候補文字が使用頻度の順で1文字ずつ順次に表示される。他の入力キーを押すと、そのとき表示されている文字が入力文字として確定される。既に1以上の入力文字が確定しているときであって、その入力キーに対応した新たな複数の文字から1文字を更に選ぶ場合は、既に確定している文字履歴との整合を考慮して出る順番が変更される。ここに、使用頻度及び出る順番は、いわゆる学習により変更される。特許文献1に記載された装置においては、各文字の表示は同じ表示形態で行われている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−116870号公報
【特許文献2】
特開2000−75998号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に記載されている方法及び装置では、複数の文字が1文字ずつ表示され、その順番は固定されている。例えば、「あいうえお」というような一般的な配列であり、所望の文字がいつ表示されるかが分かりやすい。しかし、1つのキーに割り当てられた各文字を一定の時間間隔で順次表示するため、最後の文字が表示されるまでに時間がかかる。最後の文字が早く表示されるように表示間隔を短く設定することも可能であるが、その場合所望の文字が表示されている間にすばやくキー入力する必要があり、操作の難易度が高くなる。
【0007】
上記の特許文献2に記載されている装置では、1つのキーに割り当てられた複数の文字を使用頻度の大きい順に表示するため、所望の文字がいつ表示されるのか分からない。例えば、1つのキーに「あ行」の文字が割り当てられていた場合、「いうあおえ」というようなユーザに馴染みのない配列になるためである。また、複数の文字から所望の文字を選ぶためにその都度キーを押す必要があり、手間がかかる。
【0008】
通常の日本語入力では仮名漢字変換は必須であるため、上記の特許文献1及び2に記載されている方法及び装置では、変換キーを別途設けなければならず、文字入力効率の向上並びに装置の小型化を妨げる要因となっていた。
【0009】
また、表の作成や表計算等を行える高性能な装置においては、たとえ仮名漢字変換が不要な英数文字のみの入力であっても、項目内の部分的な入力確定と項目内全体の入力確定(次の項目に移るか否か)を区別するための改行コードやタブ等の制御コードの入力は必須である。しかし、上記の特許文献1及び2に記載されている方法及び装置においては制御コードの入力については考慮されておらず、この点において改良の余地があった。
【0010】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、その目的は、少ない入力キーで多数の文字を入力する文字入力装置において、ユーザにとって文字入力における負担を低減でき、かつ効率的に文字入力を行える装置を提供することにある。また、改行コードやタブ等の制御コードも含めた入力コード全体を効率的に入力できる文字入力装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る文字入力装置の第1の態様は、文字コードを含む複数のコードの入力に割り当てられた文字入力キーを含む入力キーによって文字入力を行う文字入力装置であって、各入力キーに対応した複数の候補記号を1つずつ選択候補記号として含みキー入力に応じて巡回表示される複数の候補画像に対する表示形態を選択予測確率に応じて変更する機能を有する構成である。
【0012】
具体的には、第1の態様は、文字コードを含む複数のコードの入力に割り当てられた文字入力キーを少なくとも1つ備えたキー入力手段と、文字入力キーに割り当てられた複数のコードのそれぞれに対応する複数の候補記号の各々に対する選択予測確率を算出する選択確率算出手段と、複数の候補記号を1つずつ選択候補記号として含み文字入力キーからのキー入力に応じて巡回表示される複数の候補画像に対し、複数の候補画像の表示を制御する候補表示制御手段と、複数の候補画像のいずれか1つが選択候補画像として選択されることにより、選択候補画像に含まれた選択候補記号に対応するコードを入力コードとして確定する候補確定手段と、入力コードを入力順序と共に入力コード列として保持する入力コード保持手段とを備えており、候補表示制御手段が複数の候補画像の表示形態を選択予測確率に基づいて変更する第1の可変表示機能を有する文字入力部を含む構成である。この構成であれば、ユーザにとって文字入力における負担を低減でき、かつ効率的に文字入力を行える文字入力装置となる。
【0013】
また、上記の課題を解決するために、本願発明に係る文字入力装置の第2の態様は、文字コードを含む複数のコードの入力に割り当てられた文字入力キーを含む入力キーによって文字入力を行う文字入力装置であって、各文字入力キーに割り当てられた複数のコードに制御コードを有する構成である。
【0014】
具体的には、第2の態様は、文字コードと制御コードとを含む複数のコードの入力に割り当てられた文字入力キーを少なくとも1つ備えたキー入力手段と、文字入力キーに割り当てられた複数のコードのそれぞれに対応する複数の候補記号を1つずつ選択候補記号として含み文字入力キーからのキー入力に応じて巡回表示される複数の候補画像に対し、複数の候補画像の表示を制御する候補表示制御手段と、複数の候補画像のいずれか1つが選択候補画像として選択されることにより、選択候補画像に含まれた選択候補記号に対応するコードを入力コードとして確定する候補確定手段と、入力コードを入力順序と共に入力コード列として保持する入力コード保持手段とを備えた文字入力部を含む構成である。この構成であれば、文字入力キーに制御コードも割り当てられているため、文字入力におけるユーザの負担を低減でき、かつ制御コードも含めた入力全体を効率的に行える文字入力装置となる。
【0015】
本明細書における「文字入力装置」は、少なくとも文字入力部を備えた(文字入力可能な)装置を意味し、文字入力部と共にその他の機能部を備えた装置をも含む。例えば、文字入力装置としては、文字入力部及び記憶部を備えており、表示装置(画像形成装置)と共に用いられる装置や、文字入力部と表示部と記憶部を備えた装置が挙げられ、また、文字入力部と表示部と記憶部と共に、辞書機能部を更に備えた電子辞書装置や、情報処理部及び情報送受信部を更に備えた携帯電話機又はPDA(パーソナル・データ・アシスタント)等の情報端末装置が挙げられる。更に、文字入力装置は、文字入力部を有する家電機器であってもよい。
【0016】
本明細書における「記号」は、文字コードに対応付けられた文字記号又は複数の文字記号からなる複合文字記号、数字コードに対応図けられた数字記号、図形記号、制御コードに対応付けられた文字記号若しくは複合文字記号又は図形記号の総称を意味する。ここに、「制御コード」としては、タブコード、改行コード、空白コード等の編集コードや、変換コード、非変換コード等の文字種選択コードが挙げられる。なお、以下においては、文字記号、複合文字記号及び数字記号は、それぞれ、文字、複合文字及び数字とも略記する。
【0017】
本明細書における「表示形態」は、1つのコードを入力する際における、複数の候補画像ごとの表示条件及び複数の候補画像に含まれる候補記号ごとの表記条件、並びに、同一入力キーに割り当てられた候補記号を含む複数の候補画像に対するキー入力ごとの表示条件等を意味する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の内容を説明すると共に、好ましい実施の形態を記述する。なお、具体的な構成や動作については、下記の(実施の形態1)において携帯電話機を例にして詳細に説明する。
【0019】
本発明に係る文字入力装置の第1の態様及び第2の態様は、文字コードを含む複数のコードの入力に割り当てられた文字入力キーを少なくとも1つ備えたキー入力手段と、文字入力キーに割り当てられた複数のコードのそれぞれに対応する複数の候補記号を1つずつ選択候補記号として含み文字入力キーからのキー入力に応じて巡回表示される複数の候補画像に対し、複数の候補画像の表示を制御する候補表示制御手段と、複数の候補画像のいずれか1つが選択候補画像として選択されることにより、選択候補画像に含まれた選択候補記号に対応するコードを入力コードとして確定する候補確定手段と、候補確定手段により確定される入力コードを入力順序と共に入力コード列として保持する入力コード保持手段とを文字入力部の共通構成要素として含む構成である。
【0020】
本発明に係る文字入力装置の第1の態様では、共通構成要素に加えて複数の候補記号の各々に対する選択予測確率を算出する選択確率算出手段を含み、候補表示制御手段が複数の候補画像の表示形態を選択予測確率に基づいて変更する第1の可変表示機能を有する構成である。他方、本発明に係る文字入力装置の第2の態様では、共通構成要素のキー入力手段における文字入力キーに割り当てられた複数のコードが入力制御コードを有する構成である。
【0021】
本発明に係る文字入力装置においては、上記第1の態様の文字入力キーに更に入力制御コードを割り当てた構成(以下、第3の態様とも称す)とすることができる。
【0022】
本発明に係る文字入力装置の候補表示制御手段について順次説明する。まず、候補表示制御手段における複数の候補画像の巡回表示について説明する。複数の候補画像の各々は、複数の候補記号のいずれか1つを選択候補記号として含んでいる。ここに、各候補画像には、選択候補記号以外の候補記号(選択外候補記号)が1つ以上含まれていてもよい。選択外候補記号を候補画像に含める場合には、選択外候補記号として、次に表示される候補画像における選択候補記号を含めることが好ましい。また、複数の選択外候補記号を含める場合にも、同様に、選択外候補記号の表示によって、順次表示される候補画像における選択候補記号の表示順序が認識できるようにすることが好ましい。
【0023】
各候補画像の表示順序は、文字コードを選択候補記号とする候補画像(文字候補画像)については所定の配列順序とする。所定の配列順序とは、特定の配列順又は特定の配列の循環配列順を意味する。
【0024】
具体例としては、「あ行」の文字のみの入力に割り当てられた入力キーにおいて、例えば、「あ」画像、「い」画像、「う」画像、「え」画像、「お」画像の順序(特定の配列順)や、「う」画像、「え」画像、「お」画像、「あ」画像、「い」画像の順序(特定配列の循環配列順)等である。また、文字がアルファベットである場合には、特定の配列順は、アルファベット順である。ここに、「あ」画像は、「あ」を選択候補記号とする候補画像の略称であり、その他に関しても同様とする。
【0025】
また、文字種選択コードに対応する記号(文字種選択記号)や編集コードに対応する記号(編集記号)が候補記号に含まれる場合には、各候補画像の表示順序は、文字種選択記号や編集記号を選択候補記号とする候補画像は、すべての文字候補画像の後に表示されもよいし、任意の文字候補画像間に表示されてもよい。所望の文字を簡便に入力するためには、すべての文字候補画像を配列したブロックと、すべての文字種選択候補画像を配列したブロックと、すべての編集候補画像を配列したブロックに分け、3つのブロックの表示順序を特定の配列順又は特定の配列の循環配列順とすることが好ましい。このとき、各ブロック内の候補画像の表示順序も、特定の配列順又は特定の配列の循環配列順とする。
【0026】
巡回表示はいずれか1つの入力キーの押下(キー入力)に応じて開始されるが、その継続機構としては、入力キーが継続的に押下されている状態で巡回表示が継続する場合(第1の巡回方式)と、一旦入力キーが押下されれば、入力キーが継続的に押下されているか否かに関わらず巡回表示が継続する場合(第2の巡回方式)とが挙げられる。
【0027】
次に、候補表示制御手段における第1の可変表示機能について説明する。可変表示機能は、選択予測確率に基づいて複数の候補画像の表示形態を変更する機能である。可変表示機能としては、第1に、1つのコードを入力する際において、複数の候補画像ごとの表示時間を変更する機能(以下、第1機能とも称す)、第2に、1つのコードを入力する際において、複数の候補画像に含まれる候補記号ごとの表記形態を変更する機能(以下、第2機能とも称す)、第3に、同一入力キーによってコードを入力する際のキー入力ごとに、複数の候補画像の表示順序を変更する機能(以下、第3機能とも称す)が例示できる。また、第1の可変表示機能は、第1機能、第2機能及び第3機能を任意に組み合わせた機能であってもよい。
【0028】
ここに、第2機能における「表記形態」とは、例えば、表示明度(濃淡、濃度)、表示色相、表示彩度、表示サイズ、表示フォント、又は、それらの任意の組み合わせである。
【0029】
前記第1の可変表示機能として第1機能を備えた候補表示制御手段では、選択予測確率が大きい候補記号を選択候補記号とする候補画像の表示時間と選択予測確率が小さい候補記号を選択候補記号とする候補画像の表示時間との間に時間差を設けることができる。したがって、一巡回するために必要な時間を低減させること、又は、1巡回するために必要な時間を同一に保ちつつ選択予測確率の高い候補文字を選択候補記号とする候補画像を長く表示することによりユーザの選択ミスを低減させることができる。
【0030】
ここに、各候補画像の表示時間は、最も選択予測確率の大きい候補記号を選択候補記号とする候補画像のみが他の候補画像に比べて表示時間が長くなるように変更されてもよいし、選択予測確率における大小関係を満たすように変更されてもよいし、選択予測確率に比例するように変更されてもよいし、選択予測確率に基づき段階的に変化するように変更されてもよい。また、各候補画像の表示時間は、選択予測確率に応じて絶対的に決定されるものであってもよいし、選択予測確率に基づき各候補記号内で相対的に決定されるものであってもよい。
【0031】
前記第1の可変表示機能として第2機能を備えた候補表示制御手段は、選択予測確率が大きい候補記号と選択予測確率が小さい候補記号との間に、視覚的な差異を設けることができる。これにより、視認性が向上し、選択予測確率の高い候補文字を含む候補画像の選択におけるユーザの選択ミスを低減させることができる。
【0032】
予め複数種類の表記形態によって表示形態を変更できる構成としておき、いずれの種類(1種又は複数種の組み合わせ)の表記形態によって視覚的な差異を設けるかについては、ユーザが設定できる構成とすることが好ましい。この場合、ユーザごとの利便性や嗜好性に合わせて表示形態を変更することができる。
【0033】
各候補記号の表記形態の変更において、複数の候補記号の表示明度、表示色相、表示彩度又は表示サイズは、例えば、最も選択予測確率の大きい候補記号のみが他の候補記号に比べて相違するように変更されてもよいし、選択予測確率における大小関係を満たすように変更されてもよいし、選択予測確率に基づき段階的に変化するように変更されてもよい。また、選択予測確率に応じて絶対的に決定されるものであってもよいし、選択予測確率に基づき各候補記号内で相対的に決定されるものであってもよい。
【0034】
前記第1の可変表示機能として第3機能を備えた候補表示制御手段では、選択予測確率の最も大きい候補記号を選択候補記号とする候補画像(最高確率候補画像)を他の候補画像より先に表示(特定の配列や特定の配列の循環配列順)させてもよいし、種類別に分かれたブロック(文字ブロック、文字種選択ブロック、編集ブロック等)ごとに順次表示する場合には、最高確率候補画像を含むブロックを他のブロックより先に表示させてもよい。ここに、ブロックごとの配列を変化させる場合、ブロック内においては最高確率候補画像を他の候補画像より先に表示させてもよいし、ブロック内では特定の配列順序で表示させてもよい。好ましくは、最高確率候補画像を含むブロックを先頭ブロックとして選択すると伴に、ブロック内においても最高確率候補画像を先頭とする特定配列の循環配列順で表示させる場合である。
【0035】
本発明に係る文字入力装置の選択確率算出手段について説明する。選択確率算出手段は、可変表示機能における表示条件や表記条件を決定するための選択予測確率を算出する。選択予測確率は、固定された出現確率であってもよいし、入力履歴に応じた学習により決定された出現確率であってもよいし、入力コード保持手段に保持された入力コード列を変数として動的に算出されてもよいし、また、それらを組み合わせて算出してもよい。ここに、出現確率としては、例えば、1文字の出現確率や2文字組(digram)の出現確率や3文字組(trigram)の出現確率が挙げられる。
【0036】
入力コード列を変数として動的に算出される選択予測確率としては、文字コードに対しては、例えば、統計的言語モデルに基づく文字列の遷移確率に応じた確率が挙げられる。ここに、変数としては、入力コード列を構成するすべての入力コードであっても、入力コード列を構成する一部の入力コードであってもよい。好ましくは、入力順序の遅い側から順に選択された1又は複数の入力コードを変数として用いる場合である。日本語入力においては、特に、入力順序の遅い側から順に1文字又は2文字を変数として用いることが好ましい。
【0037】
また、制御コードに対しては、入力コード列を変数として動的に算出される選択予測確率として、例えば、入力コード保持手段に保持された入力コード列の入力コード数に基づいた確率が挙げられる。
【0038】
出現確率と遷移確率とを併用して選択予測確率を決定する場合の具体例を説明する。選択予測確率としては、入力コード保持手段に保持された文字がないときは、各候補記号に対する1文字の出現確率を用い、入力コード保持手段に保持された入力列があるときは、その文字列に候補記号を追加してなる候補文字列に対する遷移確率を用いることができる。
【0039】
ここに、文字列に対する遷移確率について説明する。なお、この遷移確率は、非特許文献「確率モデルによる音声認識」(中川聖一著、電子情報通信学会、コロナ社、初版昭和63年)に説明されているため、その概略のみを説明する。文字列の遷移確率Pとは、具体例を考えると、「本日は晴天なり」という文字列の確率である。例えば、「P(本日は晴天なり)=0.73」の如く、任意の文字列に対して遷移確率が算出される。以下に、遷移確率の算出について説明する。
【0040】
文字列をC=(c1,c2,・・・,cn)、F( )を括弧内の文字の組み合わせとするとき、下記の数式(1)で与えられる。
【数1】
Figure 2004348279
【0041】
上記の数式(1)より、任意長の文字列Cに関する遷移確率P(C)は、2文字組(digram)と3文字組(trigram)との出現確率(出現頻度とも称される)に基づいて算出される。digramとunigramとを使用した近似式である下記の数式(2)にて文字列の遷移確率Pを計算してもよい。
【数2】
Figure 2004348279
【0042】
本発明に係る文字入力装置のキー入力手段について説明する。キー入力手段には、文字入力キーばかりでなく、文字コードの入力に割り当てられていない他の入力キーを有する構成とすることができる。例えば、電源のオン・オフの制御や文字入力部以外の機能部の制御に用いる機能制御キーを有する構成である。
【0043】
キー入力手段における入力キーとしては、入力ボタン等のハードウェアキー(物理的な入力キー)やタッチパネル等を用いたソフトウェアキーが挙げられる。ハードウェアキーを用いた場合、入力ボタン等を押下することによってキー入力が行われ、ソフトウェアキーを用いた場合、タッチパネルに表示された入力キーの画像に触れることによりキー入力が行われる。ソフトウェアキーの画像は、入力文字等を表示する画面(表示部)と同一の画面内の一部に形成されてもよいし、別途設けられた画面(表示部)に形成されてもよい。なお、本明細書においては、説明の便宜のため、入力キーがハードウェアキーの場合についてのみ記載している。
【0044】
仮名文字を入力する文字入力キーに割り当てられる複数の文字コードについて説明する。キー入力手段には、「あ行」、「か行」、・・・、「わ行」の入力に割り当てられた10個の文字入力キーを備えることが好ましい。この場合、「ん」は「わ行」の候補文字として取り扱う。「あ行」の候補文字としては、「あ」〜「お」であっても、「あ」〜「お」及び「ぁ」〜「ぉ」であってもよい。また、「あ行」の候補文字として、「ア」〜「オ」や「ァ」〜「ォ」を更に含めてもよい。
【0045】
「が」、「ぜ」等の濁音の文字は、濁点を除いた文字が含まれる行の候補文字として含めてもよい。この場合、例えば、「が」は「か行」、「で」は「た行」の候補文字となる。また、半濁音の文字は、半濁点を除いた文字の含まれる行の候補文字文字に含めてもよい。この場合、例えば、「ぱ」は「は行」の候補記号となる。更に、「ゃ」等の拗音や「っ」等の促音に用いられる小さい文字は単独の文字ではなく、「しゃ」、「はっ」のように手前の文字とまとめて1つの複合文字として扱ってもよい。この場合、例えば「しゃ」は「さ行」、「はっ」は「は行」の候補文字となる。
【0046】
本発明に係る文字入力装置の候補確定手段について説明する。候補画像の確定の方法は、候補画像をいかなる条件で巡回表示させるかによって異なる。つまり、入力キーが押下されている状態で複数の候補画像が巡回表示(第1の巡回方式)されるか、一旦入力キーが押下されれば、入力キーが押下されているか否かに関わらず複数の候補画像が巡回表示(第2の巡回方式)されるかによって異なる。
【0047】
第1の巡回方式においては、候補確定手段は、文字入力キーが押下された状態であるか否かを監視し、押下されていない状態を検知すれば、そのとき表示されている候補画像の選択候補記号を入力文字として確定する。
【0048】
第2の巡回方式においては、候補確定手段は、一旦押下された文字入力キーと同じキーが再度押された場合に、そのとき表示されている候補画像の選択候補記号を入力文字として確定する。また、キー入力手段に、文字入力キー以外であり、確定コードの割り当てられた確定キーが備えられている場合には、確定キーの押下によりそのとき表示されている候補画像の選択候補記号を入力文字として確定してもよい。
【0049】
本発明に係る文字入力装置においては、上記第1の態様、上記第2の態様及び上記第3の態様に、候補確定手段での選択候補画像の選択における操作情報を保持する選択操作情報保持手段を更に備え、候補表示制御手段が、複数の候補画像の表示形態を操作情報に基づいて変更する第1の追加機能を更に有する構成とすることができる。この構成であれば、候補画面の表示が操作情報に基づいて制御されるので、文字入力効率の最適化をユーザごとに図ることができる。
【0050】
操作情報としては、例えば、選択候補画面の表示から選択確定までの反応時間に関する、候補記号ごとの個別反応時間の情報、すべての候補記号に対する平均反応時間の情報が挙げられる。
【0051】
第1の追加機能は、各候補画像の表示時間を変更する機能であってもよいし、各候補記号の表記形態を変更する機能であってもよい。具体的には、例えば、個別反応時間に応じて各候補画像の表示時間を変更したり、平均反応時間に応じて、すべての候補文字全体に対して均一に表示時間を変更したり、個別反応時間に応じて各候補記号の表記形態を変更する場合が挙げられる。
【0052】
個別反応時間に応じて各候補記号の表示時間を変更する場合、各候補画像の表示時間は、例えば、反応時間の最も遅い候補記号を選択候補記号とする候補画像のみが他の候補画像に比べて表示時間が長くなるように変更されてもよいし、反応時間の大小関係を満たすように変更されてもよいし、反応に比例するように変更されてもよいし、反応時間に基づき段階的に変化するように変更されてもよい。また、各候補画像の表示時間は、反応時間に応じて絶対的に決定されるものであってもよいし、反応時間に基づき各候補記号内で相対的に決定されるものであってもよい。
【0053】
個別反応時間に応じて各候補記号の表記形態を変更する場合、各候補記号の表示明度、表示色相、表示彩度又は表示サイズは、例えば、個別反応時間の最も遅い候補記号のみが他の候補記号に比べて相違するように変更されてもよいし、個別反応時間における大小関係を満たすように変更されてもよいし、個別反応に基づき段階的に変化するように変更されてもよい。また、個別反応時間に応じて絶対的に決定されるものであってもよいし、個別反応時間に基づき各候補記号内で相対的に決定されるものであってもよい。
【0054】
候補表示制御手段が可変表示機能と共に第1の追加機能を有し、候補表示制御手段における可変表示機能が表示時間を変更する機能である場合には、候補表示制御手段で最終的に決定される表示時間には、可変表示機能と第1の追加機能の双方における変更が考慮される。具体的には、例えば、反応時間で重みをつけた選択予測確率に基づき各候補画像の表示時間が変更される。
【0055】
また、候補表示制御手段が可変表示機能と共に第1の追加機能を有し、可変表示機能が表記形態を変更する機能である場合には、各表記形態における表記の相違ごとの反応時間に関する情報を操作情報としてもよい。この場合、第1の追加機能は、各候補画像の表示時間を変更する機能であってもよいし、各候補記号の表記形態を変更する機能であってもよい。第1の追加機能が各候補記号の表記形態を変更する機能である場合には、可変表示機能における表記形態と異なる表記形態が選択されることが好ましい。
【0056】
本発明に係る文字入力装置においては、上記第1の態様、上記第2の態様及び上記第3の態様に、候補確定手段での複数の候補画像の巡回回数を保持する巡回回数保持手段を更に備え、候補表示制御手段が、複数の候補画像の表示形態を巡回回数に基づいて変更する第2の追加機能を更に有する構成とすることができる。この構成であれば、候補画像の表示が巡回回数に基づき制御されるため、入力文字の選択ミスを低減させることができるので、文字入力効率が向上する。
【0057】
第2の追加機能は、巡回回数に基づいて各候補画像の表示時間を変更するものであってもよいし、巡回回数に基づいてすべての候補記号の表記形態を変更するものであってもよい。具体的には、巡回回数が小さい場合には、各候補画像の表示時間を小さくし、巡回回数が大きい場合には、各候補画像の表示時間を長くするように変更すれば、ユーザの選択ミスを確実に低減できる。また、巡回回数が大きい場合には、巡回回数が小さい場合に比べて、すべての候補記号の表記形態を視認性の高い表記に変更してもよい。表示時間を変更する場合の方が、表記形態を変更する場合に比べて、ユーザの選択ミスを低減できる効果は高い。
【0058】
同一の候補画像に対する巡回回数ごとの表示時間は、例えば、巡回回数が2以上の場合(2巡目以降)における各候補画像の表示時間を、巡回回数が1の場合(1巡目)に比べて長くする変更や、巡回回数の増加に伴い各候補画像の表示時間を長くするように変更してもよいし、表示時間の長短関係を巡回回数の大小関係に対応するように変更してもよいし、巡回回数に比例するように変更してもよいし、所定の巡回回数の範囲ごとに段階的に長くする変更であってもよい。また、各候補画像の巡回回数ごとの表示時間は、巡回回数に基づき候補画像ごとに絶対的に決定されるものであっても、巡回回数に基づき各候補画像に対して1巡目の表示時間を基準として相対的に決定されるものであってもよい。
【0059】
候補表示制御手段が可変表示機能と共に第2の追加機能を有し、候補表示制御手段における可変表示機能が表示時間を変更する機能である場合、候補表示制御手段で決定される最終的な表示時間には、可変表示機能と第2の追加機能の双方における変更が考慮される。具体的には、例えば、巡回回数で重みをつけた選択予測確率に基づき各候補画像の表示時間が変更される。
【0060】
本発明に係る文字入力装置においては、上記第1の態様、上記第2の態様及び上記第3の態様に、巡回回数保持手段と操作情報保持手段とを更に備え、候補表示制御手段が、可変表示機能と共に第1の追加機能及び第2の追加機能を更に有する構成とすることができる。
【0061】
候補表示制御手段が可変表示機能と共に第1の追加機能と第2の追加機能とを有し、候補表示制御手段における可変表示機能が表示時間を変更する機能である場合、候補表示制御手段で決定される最終的な表示時間には、可変表示機能と第2の追加機能の双方における変更が考慮される。具体的には、例えば、各候補画像の表示時間は、反応時間及び巡回回数で重みをつけた選択予測確率に基づき変更される。
【0062】
本発明に係る文字入力装置においては、上記第1の態様、上記第2の態様、上記第3の態様に、キー入力手段により入力されるすべてのコードの各々に対する入力予測確率を算出する入力確率算出手段と、入力予測確率の最も高いコードを含む複数の予測候補コードを選定する予測候補選定手段と、複数の予測候補コードのそれぞれに対応する複数の予測候補記号を1つずつ選択予測候補記号として含み巡回表示される複数の予測候補画像のいずれか1つが選択予測候補画像として選択されることにより、選択予測候補画像に含まれる選択候補記号に対応するコードを入力コードとして確定する予測候補確定手段と、を更に備え、候補表示制御手段が、入力コード保持手段への新規入力コードの追加に応じて、複数の予測候補画像の表示形態を前記入力予測確率に基づいて制御する機能(第3の追加機能)を更に有する構成(第4の態様)とすることができる。この構成であれば、次に入力される可能性の高い文字が自動的に選択されると共に表示されるため、入力効率を向上させることができる。
【0063】
本発明に係る文字入力装置の入力確率算出手段について説明する。入力確率算出手段は選択確率算出手段と概ね同等であるため、上述の選択確率算出手段に関する説明における「候補コード」、「候補記号」、「選択候補記号」、「候補画像」、「選択予測確率」、「可変表示機能」等は、それぞれ、「予測候補コード」、「予測候補記号」、「予測選択候補記号」、「予測候補画像」、「入力予測確率」及び「第3の追加機能」等と読み替えることとし、予測候補画像の制御と候補画像の制御との相違部分以外については説明を省略する。
【0064】
選択予測確率算出手段においては、押下されたキーに割り当てられた文字に対してのみ選択予測確率が計算されたが、入力確率算出手段においては、入力可能なすべての記号について入力予測確率が計算される。入力予測確率は、選択予測確率の場合と同等の方法により算出される。
【0065】
また、選択予測確率算出手段が機能する場合、文字コード保持手段には少なくとも1つの文字コードを含む文字コード列が保持されているため、選択確率算出手段における文字コード列に文字コードが含まれていない場合の記載は参照しないこととする。
【0066】
本発明に係る文字入力装置の予測候補選定手段について説明する。予測候補選定手段によって選択された複数の予測候補コードは、入力予測確率の最も高い文字コードを含む。複数の予測候補コードは、入力予測確率の最も高い文字コードを含んでいる限りにおいて、文字コードのみを含む構成であっても、文字コードと制御コードを含む構成であってもよい。また、複数の予測候補コードは、入力予測確率の高いものから順に選択された所定の数のコードで構成されていてもよい。
【0067】
具体的には、入力予測確率が最も高い文字が「て」であり、順に、「ま」、「す」が入力予測確率が高い場合、予測候補コードに対応する予測候補記号として、例えば、「て」、「ま」、「す」を含む構成や、「て」、「ま」、「変換」、「無変換」を含む構成や、「た」、「ち」、「つ」、「て」、「と」、「変換」、「無変換」を含む構成が挙げられる。
【0068】
候補表示制御手段における予測候補画像の制御について説明する。予測候補画像の制御は候補画像の制御と概ね同等であるため、上述の候補画像の制御に関する説明における「候補コード」、「候補記号」、「選択候補記号」、「候補画像」、「選択予測確率」、「可変表示機能」は、それぞれ、「予測候補コード」、「予測候補記号」、「予測選択候補記号」、「予測候補画像」、「入力予測確率」及び「第3の追加機能」と読み替えることとし、予測候補画像の制御と候補画像の制御との相違部分以外については説明を省略する。
【0069】
候補画像の巡回表示(上記の第1の巡回方式及び上記の第2の巡回方式)はキー入力に応じて開始されるが、予測候補画像の巡回表示(第3の巡回方式)は前の入力文字の確定により開始される。また、巡回表示は、いずれの入力キーも押下されていない場合に継続する。
【0070】
予測候補確定手段は、直前に押下された文字入力キーと同じキーが再度押された場合に、そのとき表示されている予測候補画像の選択予測候補記号を入力文字として確定してもよい。また、予測候補確定手段は文字入力キー以外に、決定コードの割り当てられた決定キーを更に備え、決定キーの押下によりそのとき表示されている予測候補画像の選択予測候補記号を入力文字として確定してもよい。
【0071】
予測候補画像及び候補画像を決定キーによって確定する場合には、予測候補画像を決定するための決定キーと候補画像を決定するための決定キーは、1つの入力キーで兼用させることができる。
【0072】
本発明に係る文字入力装置においては、上記第4の態様に、候補確定手段での選択予測候補画像の選択における操作情報を保持する第2の選択操作情報保持手段を更に備え、候補表示制御手段が、複数の候補画像の表示形態を操作情報に基づいて変更する第3の追加機能を更に有する構成とすることができる。この構成であれば、候補画面の表示が操作情報に基づいて制御されるので、文字入力効率の最適化をユーザごとに図ることができる。
【0073】
第2の選択操作情報保持手段は候補画像に対する操作情報を保持する第1の選択操作情報保持手段と同等の手段であり、候補表示制御手段における第3の追加機能は、候補画像に対する第1の追加機能と同等の機能であるため、上述の第1の選択操作情報保持手段及び第1の追加機能に関する説明における「候補コード」、「候補記号」、「選択候補記号」、「候補画像」、「選択予測確率」、「可変表示機能」等は、それぞれ、「予測候補コード」、「予測候補記号」、「予測選択候補記号」、「予測候補画像」、「入力予測確率」及び「第2の可変表示機能」等と読み替えることとし、重複部分の説明は省略する。
【0074】
候補画像及び予測候補画像に対する操作情報に基づきそれらの画像の表示形態を変更する機能を付与する場合には、文字入力装置は、個別に第1の選択操作情報保持手段及び第2の選択操作情報保持手段を備え、第1の追加機能及び第3の追加機能を発現する構成であってもよいし、第1の選択操作情報保持手段と第2の選択操作情報保持手段とを統合した統合選択操作情報保持手段を備え、第1の追加機能及び第3の追加機能を発現する構成であってもよい。ここに、統合選択操作情報保持手段に保持される操作情報は、候補画像に対する操作情報及び予測候補画像に対する操作情報に基づいて決定される情報である。
【0075】
本発明に係る文字入力装置においては、上記第4の態様に、候補確定手段での複数の予測候補画像の巡回回数を保持する予測巡回回数保持手段を更に備え、予測候補表示制御手段が、複数の予測候補画像の表示形態を巡回回数に基づいて変更する第2の追加機能を更に有する構成とすることができる。この構成であれば、候補画像の表示が巡回回数に基づき制御されるため、入力文字の選択ミスを低減させることができることにより、文字入力効率が向上する。
【0076】
第2の巡回回数保持手段は候補画像の巡回回数を保持する第1の巡回回数保持手段と同等の手段であり、候補表示制御手段における第4の追加機能は、候補画像に対する第2の追加機能と同等の機能であるため、上述の第1の巡回回数保持手段及び第1の追加機能に関する説明における「候補コード」、「候補記号」、「選択候補記号」、「候補画像」、「選択予測確率」、「可変表示機能」は、それぞれ、「予測候補コード」、「予測候補記号」、「予測選択候補記号」、「予測候補画像」、「入力予測確率」及び「第2の可変表示機能」等と読み替えることとし、第2の巡回回数保持手段及び第4の追加機能の説明は省略する。
【0077】
(実施の形態1)
実施の形態1においては、携帯電話機を例にして、本発明に係る文字入力装置の構成及び動作方法を詳細に説明する。図2は、本発明に係る携帯電話機の外観例を模式的に表わした平面図である。
【0078】
図2に示された携帯電話機は、筐体1と、キー2a〜2oと、表示部3と、送受信部4を備えている。入力キー2d〜2i及び2nは、文字の入力に用いられる文字入力キーである(キー入力手段)。例えば、入力キー2eの場合、少なくとも、「か行」の5つの仮名文字と、数字の「2」と、「A」、「B」及び「C」の3つのアルファベット文字に対応するコードの入力を行える。ただし、入力モードの選択により、仮名文字、数字、アルファベット文字のいずれを入力するかを選択できる構成である。本発明は特に日本語の入力において特徴を有するため、以下においては日本語の入力に関して説明する。
【0079】
入力キー2aは文字の決定を行う際に用いられ、キー2bは文字の削除を行う際に用いられ、入力キー2cは文字入力装置の電源のオン・オフ操作に用いられ、入力キー2m及び入力キー2oは特定の図形記号等の入力に用いられる。
【0080】
図2に示された表示部3における表示は、「こんにち」の確定文字列の入力後、入力キー2iを押下している際の表示である。表示部3には、「こんにち」の確定文字列と、変換コードに対応する「変換」を選択候補記号として含み、かつ、「は」、「ひ」及び「ふ」を選択外候補記号とする候補画像とが表示されている。なお、図中の矢印は、入力キー2iが押下されている間、異なる選択候補記号を含む複数の候補画像が自動的に順次表示されることを表わしている。なお、次に表示される候補画像は、現在表示されている候補画像において選択候補記号のすぐ下に表示された候補記号を選択候補記号として含む画像である。具体的には、次の候補画像は、「は」、「ひ」、「ふ」及び「へ」をこの順序で含む。
【0081】
図3は、本実施の形態に係る携帯電話の構成を表わすブロック図である、ユーザが文字や命令を入力する入力キー(キー入力手段)2と、入力された情報を表示する表示部3と、他の外部機器との間で情報を送受信するための送受信部4と、それぞれの文字が入力される確率を格納する文字表示情報テーブル(出現確率保持手段)5と、ユーザが確定した文字を格納する確定文字バッファ6と、ユーザが入力中の文字を格納する入力文字バッファ(入力コード保持手段)7と、キー2d〜2oのいずれかを押下してから同じ文字が表示された回数を格納する表示カウントバッファ(第1の巡回回数保持手段及び第2の巡回回数保持手段)8と、ユーザが入力するまでに要した時間を格納するユーザ情報保存バッファ(第1の選択操作情報保持手段及び第2の選択操作情報保持手段)9と、これらを制御する制御部10とからなる。送受信部4は、他の外部機器と情報を送受信する際に用いられる。
【0082】
ここに、制御部10には、選択確率算出手段、候補表示制御手段、候補確定手段、入力確率算出手段、予測候補選定手段、及び予測候補確定手段とを備える。また、候補表示制御手段は、第1の可変表示機能、第2の可変表示機能、第1の追加機能〜第4の追加機能を有している。
【0083】
本実施の形態に係る携帯電話の文字入力方法について、図4を参照しながらステップごとに説明する。図4は、図3に示された制御部10の制御動作を示すフローチャートである。
【0084】
ステップS1では、いずれかの入力キーが押下されるのを待ち、押下されたらステップS2へ進む。
【0085】
ステップS2では、押下されたキーが図2における入力キー2a〜2oのいずれの入力キーであるか判別し、文字入力キーであればステップS3へ進む。
【0086】
ステップS3では、押下された入力キーに対応付けられた複数の候補コードの中から1つの候補コード(文字コード又は制御コード)を選定し、選定された候補コードに対応する候補記号を選択候補記号とする候補画像を表示する時間を算出し、ステップS4へ進む。
【0087】
ステップS4では、ステップS3で選定された候補コードに対応する候補記号を選択候補記号とする候補画像を表示部3に表示し、ステップS5へ進む。
【0088】
ステップS5では、入力キーが押下されたままであるか否かをチェックし、押下されていなければS7へ進み、押下されたままであればステップS6へ進む。
【0089】
ステップS6では、現在表示されている候補画像の表示時間がステップS3で算出された表示時間を経過したかチェックする。チェックの結果、表示時間を経過していれば、次に選択候補記号として表示される候補コード(文字コード又は制御コード)を選定し、かつ、選定された候補コードに対応する候補記号を選択候補記号とする候補画像の表示時間を算出するためにステップS3へ戻る。経過していなければ、ステップS5へ戻る。
【0090】
ステップS7では、入力キーが離された際に表示されていた候補画像における選択候補記号に対応するコードが文字コードであるか制御コードであるかを判別し、文字コードであればステップS8へ進み、制御コードであればステップS14へ進む。
【0091】
ステップS8では、選択された文字コードを入力文字バッファ7に入力する。そして、選択された文字記号を含む候補画像が表示されてからユーザが選択するまでの反応時間に関する情報をユーザ情報保存バッファ9に保存し、ステップS9へ進む。
【0092】
ステップS9では、入力文字バッファ7に保持されている文字列に応じて、1つの予測候補コード(文字コード又は制御コード)を選定し、選定された予測候補コードに対応する予測候補記号を選択予測候補記号とする予測候補画像を表示する時間を算出し、ステップS10へ進む。
【0093】
ステップS10では、ステップS9で選定された予測候補コードに対応する予測候補記号を選択予測候補記号とする予測候補画像を表示部3に表示し、ステップS11へ進む。
【0094】
ステップS11ではキーが押下されたかチェックし、押下されていなければステップS12へ進み、押下されていればステップS13へ進む。
【0095】
ステップS12では、現在表示されている予測候補画像の表示時間がステップS3で算出された表示時間を経過したかをチェックする。チェックの結果、表示時間を経過していれば、次に選択予測候補記号として表示される予測候補コード(文字コード又は制御コード)を選定し、かつ、選定された予測候補コードに対応する予測候補記号を選択予測候補記号とする予測候補画像の表示時間を算出するためにステップS9へ戻る。経過していなければ、ステップS11へ戻る。
【0096】
ステップS13では押下された入力キーが決定キーであるかを判別し、決定キーであれば選択された入力コードが文字コードであるか制御コードであるかを判別するためにステップS7へ進み、決定キー以外の入力キーであれば、押下された入力キーを判別するためにステップS2へ進む。
【0097】
ステップS14では選択された制御コードを判別し、制御コードに応じて変換後確定、無変換確定等の操作を行う。確定された文字コード又は文字コード列は確定文字バッファ6に格納される。そして、選択された制御コードを選択予測候補記号とする選択予測候補画像が表示されてからユーザが選択するまでの反応時間に関する情報をユーザ情報保存バッファ9に保存する。
【0098】
図1は、「小麦」という文字列を入力する際の入力手順と表示部3に表示される表示内容との具体例を説明するための説明図である。
【0099】
まず、所望の「こ」を入力するために入力キー(図2における入力キー2e)を押下する(操作11)。入力キーは仮名の「か行」に対応しているため、表示部3には、「か」を選択候補記号として先頭に含む候補画像が表示される(画面12参照)。候補画像内には、選択候補記号の「か」の下に「き」及び「く」が選択外候補記号として表示されている。
【0100】
入力キーを押下したまま時間がたつと、表示部3には「き」を選択候補記号として先頭に含む候補画像が表示される(画面13参照)。この候補画像内には、選択候補記号の「き」の下に「く」及び「け」が選択外候補記号として表示されている。このとき、各候補記号が上方向に1文字分だけ移動し、「か」が候補画像の外に消え、「け」が候補画像の最下部に出現したように見える。
【0101】
入力キーを押下したままさらに時間がたつと、選択候補記号は「く」、「け」、「こ」と変化し、所望の「こ」を選択候補記号とする候補画像が表示される(画面14参照)。
【0102】
選択候補記号として「か」〜「こ」を含む5つの候補画像が表示される時間は一定ではなく、5つの候補画像の各々に対する表示時間としては、図4のステップS3で個別に算出された表示時間が用いられる。
【0103】
「こ」を選択候補記号とする候補画像が表示されている間に、入力キー(図2における入力キー2e)を離す(操作15)と、「こ」に対応する文字コードが入力コードとして入力文字バッファ7に保持され、かつ、表示部に「こ」が表示される(画面16参照)。
【0104】
表示部3に、「こ」が入力文字(なお、入力文字は下線付きの文字で表示され、確定文字は下線の付されていない文字で表示される)として表示されると伴に、その右に「と」を選択予測候補記号として先頭に含む予測候補画像が表示される(画面16参照)。なお、この予測候補画像には、選択予測候補記号の「と」の下に、「無変」及び「変換」が選択外予測候補記号として表示されている。
【0105】
これは、図4のステップS9において、「こ」の後に続く文字のうち入力予測確率の最も高い文字が「と」であると算出されたためであり、予測候補コードとしては、「た行」の各文字コードと「無変」、「変換」に対応する制御コードが選択されている。この文字列はステップS9で算出された時間がたつと表示が変化し、先頭が「無変」「変換」と順に変化する。「た行」の文字又は制御コードを入力するのであれば、所望の文字又は制御記号が先頭に表示されているときに決定キー(図2における入力キー2a)を押すことにより選択できるが、次に入力したい文字は「ま行」の「む」であるため、決定キーは押さない。
【0106】
ここに、「無変」は、これまでに入力された入力文字列(図1において下線が付された文字列)を漢字変換又はカタカナ変換せずに入力文字列のまま(ひらがな)で確定する制御コードを表し、「変換」はこれまでに入力された入力文字列を漢字変換又はカタカナ変換する制御コードを表す。
【0107】
続いて、「む」を入力するために入力キー(図2における入力キー2j)を押下する(操作17)。入力キーは仮名の「ま行」に対応しており、表示部3には、「無変」、「変換」といった制御記号の次に、「ま」を含む候補画像が表示される(画面18参照)。この候補画像における選択候補記号は「無変」である。
【0108】
入力キーを押下し続けると、選択候補記号は「変換」、「ま」、「み」、「む」と変化していき、所望の「む」を選択候補記号として先頭に含む候補画像が表示される(画面19参照)。
【0109】
所望の「む」を選択候補記号として先頭に含む候補画像が表示されている間に、入力キー(図2における入力キー2j)を離す(操作20)と、「む」に対応する文字コードが入力コードとして入力文字バッファに7保持され、かつ、表示部3に「む」が表示される(画面21参照)。
【0110】
また、表示部に「む」が入力文字として表示されると伴に、その右に「ぎ」を選択予測候補記号として先頭に含む予測候補画像が表示される(画面21参照)。なお、この予測候補画像には、選択予測候補記号の「ぎ」の下に、「ぐ」及び「げ」が選択外予測候補記号として表示されている。
【0111】
これも、図4のステップS9において、「こむ」の後に続く文字のうち入力予測確率が最も高い文字が「ぎ」であると算出されたためであり、予測候補コードとしては、「が行」の各文字コードと、「無変」、「変換」に対応する制御コードが選択されている。
【0112】
次に入力する所望の文字は「ぎ」であるので、「ぎ」を選択予測候補記号として先頭に含む予測候補画像が表示されている間に、決定キー(図2における入力キー2a)を押下して決定する(操作22)。「ぎ」に対応する文字コードが入力コードとして入力文字バッファに7保持され、かつ、表示部3に「ぎ」が表示される(画面23参照)。
【0113】
また、表示部に「ぎ」が入力文字として表示されると伴に、その右に「変換」を選択予測候補記号として先頭に含む予測候補画像が表示される(図23参照)。なお、この予測候補画像には、選択予測候補記号の「変換」の下に、「は」及び「ひ」が選択外予測候補記号として表示されている。
【0114】
これも図4のステップS9において、「こむぎ」の後に続く入力予測確率が最も高い仮名が「は」であると算出されたためであり、予測候補コードとしては、「は行」の各文字コードと、「無変」、「変換」に対応する制御コードが選択されている。
【0115】
所望の「変換」を選択予測候補記号として先頭に含む予測候補画像が表示されている間に、決定キー(図2における入力キー2a)を押下して決定する(操作24)と、これまで入力された入力文字列の変換候補記号が表示される(画面25参照)。ここでは、漢字のほか、ひらがな、カタカナの候補も表示されている。
【0116】
この変換候補記号もある時間がたつと先頭が「コムギ」「こむぎ」と順に変化する。所望の「小麦」を選択変換候補記号として先頭に含む変換候補画像が表示されているときに決定キーを押す(操作26)ことにより、「小麦」に対応する文字コード列が確定コードとして確定文字バッファ6に保持され、かつ、表示部3に「小麦」が確定文字(下線の付されていない文字)として表示される(画面27参照)。
【0117】
ここで、ステップS3における、各候補画像の表示時間を算出ための手法の具体例を説明する。
【0118】
まず、押下された入力キーに応じて、表示部3に表示する複数の候補記号を決定する。例えば、図2における入力キー2dが押下された場合、複数の候補コードに対応する複数の候補記号としては、「あ」〜「お」、「ぁ」〜「ぉ」、並びに、「無変換」及び「変換」である。
【0119】
次に、入力文字バッファ7に格納された文字列と、文字表示情報テーブル5に格納された1文字の出現頻度、2文字組の出現頻度から、各候補コード(文字コード及び制御コード)に対応する候補記号を選択候補記号として含む候補画像が表示される時間を決定する。
【0120】
各候補画像が表示される時間は、次のようにして決定される。入力文字バッファ7に格納された文字がないとき(文字コード列の文字コード数が0の場合)は、1文字(unigram)の出現確率に基づき選択予測確率を決定する。出現確率が高ければ表示時間を長く、低ければ短く設定する。入力文字バッファ7に格納された文字があるときは、それらの文字コード列の次に各選択文字コードを追加した文字コード列に対する遷移確率をそれぞれ求め、それらの値によって決定する。遷移確率が高ければ表示時間を長く、低ければ短く設定する。
【0121】
候補コードの対象となる文字コードが複数バイトコードの場合(日本語などの場合)、文字のカテゴリ数が数千オーダーとなり、特にtrigramを確保するためのメモリ量の確保が難しく、上記の数式(1)を直接採用することは適当ではない。したがって、本実施の形態においては、digramとunigramを使用した近似式である上記の数式(2)を用いて文字列の遷移確率を計算する。
【0122】
制御コードに対応する制御記号を選択候補記号として含む候補画像の表示時間は、入力文字バッファ7に格納されている文字が多いときは長く、少ないときは短くする。格納されている文字コード列がないときは、「変換」や「無変換」といった制御コードが入力されることはないため、それらの表示時間は0秒(又は、候補コードに含めない)でよい。
【0123】
最後に、表示カウントバッファ8、ユーザ情報保存バッファ9に格納されている情報を用いて、複数の候補コードに対応する複数の候補記号を選択候補記号として1つずつ含む複数の候補画像の各々が表示される時間を補正する。
【0124】
表示カウントバッファ8には入力キーが押下されてから同じ文字が表示された回数(巡回回数)が格納されている。キー2dが押下されたときに表示カウントバッファ8の値は1に設定され、「無変換」「変換」「あ」「い」・・・と順に表示されていき、最後の「ぉ」が表示されてもユーザが選択しない場合は「無変換」に戻る。このとき、表示カウントバッファの値が1つ増加して2に設定される。表示カウントバッファ8の値が大きくなるほど入力文字候補、制御コードの各々が表示される時間を長く設定する。表示カウントバッファ8の値と各々の表示時間との積を、補正後の表示時間とする。
【0125】
ユーザ情報保存バッファ9には、所望の文字を選択候補記号として含む候補画像に設定されていた表示時間と、その候補画像が表示されてからユーザが選択するまでに要した反応時間との比率が格納されている。例えば、出現頻度、遷移確率によって決定された「あ」という文字を選択候補記号として含む候補画像に対する表示時間が2秒であり、その候補画像が表示されてからユーザが選択するまでの選択時間が1秒であった場合、比率は0.5となる。ユーザ情報保存バッファ9に格納されている比率の平均値が大きくなるほど、複数の候補記号を選択候補記号として1つずつ含む複数の候補画像の各々が表示される時間を長く設定する。具体的には、比率の平均値と各々の補正後の表示時間との積を、実際の表示時間とする。以上の処理を経て、各候補記号を含む複数の候補画像の各々に対する最終的な表示時間が決定される。
【0126】
ここで、ステップS9において、文字コード又は制御コードを選定し、選定されたコードに対応する記号を選択予測候補記号とする予測候補画像の表示時間を算出する手法の具体的な一例を示す。
【0127】
まず、複数の予測候補コードを決定する。予測候補コードは、入力文字バッファ7に格納された文字列の次に仮名の各々が続く文字列の遷移確率をそれぞれ求め、その値の最も高いものが属する行とする。例えば、入力文字バッファ7に格納されている文字コード列に対応する文字列が「こむ」であるとき、「こむあ」、「こむい」、・・・、「こむん」とすべての仮名について順次に遷移確率を計算する。遷移確率の最も高いコードに対応する文字が「ぎ」であった場合、「ぎ」の属する「か行」が予測候補文字となる。予測候補コードには、「変換」、「無変」に対応する制御コードも含める。
【0128】
次に、複数の予測候補コードに対応した複数の予測候補記号を1つずつ含む複数の予測候補画像の各々が表示される時間を決定する。各予測候補画像の表示時間は、上記において既に説明した遷移確率の値によって決定する。遷移確率が高ければ表示時間を長く、低ければ短く設定する。
【0129】
制御コードに対応する制御記号を選択予測候補記号とする予測候補画像を表示する時間は、入力文字バッファ7に格納されている入力コード列の入力コード数が多いときは長く、少ないときは短くする。
【0130】
最後に、表示カウントバッファ8、ユーザ情報保存バッファ9に格納されている情報を用いて、複数の予測候補画像の各々が表示される時間を補正する。補正する手法については、ステップS3と同様の手法を用いる。
【0131】
以上の処理を経て、各予測候補画像の表示時間が決定される。表示部3に表示する順番は、遷移確率値が最も高い文字を選択候補記号とする予測候補画像を、その後は、特定の配列の循環配列順で表示するものとする。例えば「ぎ」の遷移確率値が最も高かった場合、選択候補記号が「ぎ」、「ぐ」、「げ」、・・・、「ぎ」・・・となるの順で予測候補画像を表示する。
【0132】
以上のように、本実施の形態によれば、複数の候補記号のうち少なくとも1つの候補記号を各々に含む候補画像を用いて表示すること、各候補画像の表示時間を選択予測確率、巡回回数、反応時間により変化させること、1文字の入力後は入力予測確率に基づいて複数の予測候補記号を自動的に選定させること、複数の予測候補記号のうち少なくとも1つの予測候補記号を各々に含む予測候補画像を用いて表示させること、及び、各予測候補画像の表示時間を入力予測確率、巡回回数、反応時間により変化させることによって、入力操作におけるユーザの負担が少なく、かつ文字コード及び制御コードを含むコード全体を効率的に入力することができる。
【0133】
【発明の効果】
本発明に係る文字入力装置(第1の態様)は、選択予測確率に基づいて、表示順序、表示時間、視覚的な表記等の相違により各候補画像の表示形態を変更するため、1つのキーに割り当てられた複数の文字から所望の文字を選択する効率を向上させることができる。
【0134】
また、本発明に係る文字入力装置(第2の態様)は、文字コードの入力に割り当てられた入力キーに制御コードを更に割り当てたため、制御コード入力用の入力キーを別途押下する操作の必要もなくなり、文字入力の入力効率を向上させることができる。
【0135】
また、本発明に係る文字入力装置(第3の態様)では、選択予測確率に基づいて候補画像の表示形態を変更し、かつ、文字コードの入力に割り当てられた入力キーに制御コードを更に割り当てたため、第1の態様及び第2の態様より、更に、効率的に文字を入力できる。
【0136】
また、本発明に係る文字入力装置(第4の態様)では、更に、各入力文字の確定ごとに、次の候補を予測する機能を備えるため、予測された予測候補記号に所望の文字が存在すれば、入力キーを一度押下するだけで、文字入力を行うことができる。
【0137】
また、本発明に係る文字入力装置では、更に、ユーザの入力速度(反応時間)に基づいて、候補画像の表示形態及び/又は予測候補画像の表示形態を変更することにより、入力効率をユーザごと最適化することができる。
【0138】
また、本発明に係る文字入力装置では、更に、巡回表示における同一画像の表示回数(巡回回数)に基づいて、候補画像の表示形態及び/又は予測候補画像の表示形態を変更できるため、ユーザの入力ミスを低減することにより入力効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る文字入力装置の一例である携帯電話機における入力手順と表示内容の一例を説明するための説明図である。
【図2】図2は、本発明に係る文字入力装置の一例である携帯電話機の外観を説明するための平面図である。
【図3】図3は、本発明に係る文字入力装置の一例である携帯電話機の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図4は、本発明に係る文字入力装置の一例である携帯電話機の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1: 筐体
2、2a〜2o: 入力キー
3: 表示部
4: 送受信部
5: 文字表示情報テーブル
6: 確定文字バッファ
7: 入力文字バッファ
8: 表示カウントバッファ
9: ユーザ情報保存バッファ
10: 制御部

Claims (13)

  1. 文字コードを含む複数のコードの入力に割り当てられた文字入力キーを少なくとも1つ備えたキー入力手段と、
    前記文字入力キーに割り当てられた前記複数のコードのそれぞれに対応する複数の候補記号の各々に対する選択予測確率を算出する選択確率算出手段と、
    前記複数の候補記号を1つずつ選択候補記号として含み前記文字入力キーからのキー入力に応じて巡回表示される複数の候補画像に対し、前記複数の候補画像の表示を制御する候補表示制御手段と、
    前記複数の候補画像のいずれか1つが選択候補画像として選択されることにより、前記選択候補画像に含まれた選択候補記号に対応するコードを入力コードとして確定する候補確定手段と、
    前記入力コードを入力順序と共に入力コード列として保持する入力コード保持手段と、を含み、
    前記候補表示制御手段が、前記複数の候補画像の表示形態を前記選択予測確率に基づいて変更する第1の可変表示機能を有する
    ことを特徴とする文字入力装置。
  2. 文字コードを含む複数のコードの入力に割り当てられた文字入力キーを少なくとも1つ備えたキー入力手段と、
    前記文字入力キーに割り当てられた前記複数のコードのそれぞれに対応する複数の候補記号を1つずつ選択候補記号として含み前記文字入力キーからのキー入力に応じて巡回表示される複数の候補画像に対し、前記複数の候補画像の表示を制御する候補表示制御手段と、
    前記複数の候補画像のいずれか1つが選択候補画像として選択されることにより、前記選択候補画像に含まれた選択候補記号に対応するコードを入力コードとして確定する候補確定手段と、
    前記入力コードを入力順序と共に入力コード列として保持する入力コード保持手段と、を含み、
    前記複数のコードが、制御コードを有する
    ことを特徴とする文字入力装置。
  3. 請求項2に記載の文字入力装置において、
    前記複数の選択候補記号の各々に対する選択予測確率を算出する選択確率算出手段を更に含み、前記候補表示制御手段が、前記複数の候補画像の表示形態を前記選択確率算出手段に基づいて変更する第1の可変表示機能を有することを特徴とする文字入力装置。
  4. 請求項1又は3に記載の文字入力装置において、
    前記候補表示制御手段の前記第1の可変表示機能が、前記複数の候補画像の表示順序を前記キー入力ごとに変更する機能又は前記複数の候補画像の表示時間を前記複数の候補画像ごとに変更する機能であることを特徴とする文字入力装置。
  5. 請求項1又は3に記載の文字入力装置において、
    前記候補表示制御手段の前記第1の可変表示機能が、前記複数の候補画像における前記複数の候補記号の表記形態を前記複数の候補記号ごとに変更する機能であることを特徴とする文字入力装置。
  6. 請求項1又は3に記載の文字入力装置において、
    前記候補確定手段での前記選択候補画像の選択における操作情報を保持する第1の選択操作情報保持手段を更に含み、前記候補表示制御手段が、前記複数の候補画像の表示形態を前記操作情報に基づいて変更する第1の追加機能を更に有することを特徴とする文字入力装置。
  7. 請求項6に記載の文字入力装置において、
    前記操作情報が、前記選択候補画像の表示から選択までに要した反応時間の情報であり、前記第1の追加機能が、前記複数の候補画像の表示時間を前記反応時間に基づいて前記複数の候補画像ごとに変更する機能であることを特徴とする文字入力装置。
  8. 請求項1又は3に記載の文字入力装置において、
    前記複数の候補画像の巡回回数を保持する第1の巡回回数保持手段を更に含み、前記候補表示制御手段は、前記複数の候補画像の表示形態を前記巡回回数に基づいて変更する第2の追加機能を更に有することを特徴とする文字入力装置。
  9. 請求項8に記載の文字入力装置において、
    前記第2の追加機能が、前記複数の候補画像の各々に対して、1巡目の表示時間より2巡目の表示時間を長くする機能であることを特徴とする文字入力装置。
  10. 請求項1、2又は3に記載の文字入力装置において、
    前記入力コード保持手段における前記入力コード列への入力コードの追加に応じて、前記キー入力手段により入力されるすべてのコードの各々に対する入力予測確率を算出する入力確率算出手段と、
    前記入力予測確率の最も高い文字コードを含む複数の予測候補コードを選定する予測候補選定手段と、
    前記複数の予測候補コードのそれぞれに対応する複数の予測候補記号を1つずつ選択予測候補記号として含み巡回表示される複数の予測候補画像のいずれか1つが選択予測候補画像として選択されることにより、前記選択予測候補画像に含まれる選択予測候補記号に対応するコードを入力コードとして確定する予測候補確定手段と、を更に含み、
    前記候補表示制御手段が、前記複数の予測候補画像の表示形態を前記入力予測確率に基づいて制御する第2の可変表示機能を更に有する
    ことを特徴とする文字入力装置。
  11. 請求項10に記載の文字入力装置において、
    前記複数の予測候補コードが制御コードを有することを特徴とする文字入力装置。
  12. 請求項10に記載の文字入力装置において、
    前記予測候補確定手段での前記選択予測候補画像の選択における操作情報を保持する第2の操作情報保持手段を更に含み、前記候補表示制御手段が、前記複数の予測候補画像の表示形態を前記操作情報に基づいて変更する機能を更に有することを特徴とする文字入力装置。
  13. 請求項10に記載の文字入力装置において、
    前記複数の予測候補画像の巡回回数を保持する第2の巡回回数保持手段を更に含み、前記候補表示制御手段は、前記複数の予測候補画像の表示形態を前記巡回回数に基づいて変更する機能を更に有することを特徴とする文字入力装置。
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