JP2004347916A - カラーフィルタ形成用感光性着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ形成用感光性着色組成物およびカラーフィルタ Download PDF

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健 糸井
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Abstract

【課題】カラーフィルタ、特にブラックマトリックスの形成に好適に用いられる、高感度な感光性着色組成物の提供。
【解決手段】光重合性化合物、光重合開始剤、3価の有機リン化合物、着色剤および必要に応じてアルカリ可溶性樹脂を含むカラーフィルタ形成用感光性着色組成物、該組成物を用いて形成されるブラックマトリックスを具備するカラーフィルタ、および該組成物を用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルタを構成するブラックマトリックスおよびフィルタセグメントの形成に用いられる感光性着色組成物、および該感光性着色組成物を用いて形成されるブラックマトリックスまたはフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
カラーフィルタは、ガラス等の透明基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、または微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数μm〜数百μmと微細であり、色相ごとに所定の配列で整然と配置されており、フィルタセグメントの隙間部分には、コントラスト向上を目的として、金属薄膜からなる遮光性のブラックマトリックスが形成されている。
【0004】
しかし、微細なパターンの金属薄膜からなるブラックマトリックスは、製造工程が複雑なことから製造コストが非常に高く、また、これを具備するカラーフィルタのコストも高くなるという問題があった。また、ブラックマトリックスの製造に一般的に使用されている金属の薄膜(例えば、クロム薄膜)の表面は反射率が高いので、透過型の液晶ディスプレイに、金属薄膜からなるブラックマトリックスを具備するカラーフィルタを搭載した場合には、強い外光がカラーフィルタに入射したときに、表示品位が著しく低下するという問題があった。
【0005】
上記問題を解決するため、感光性黒色組成物(黒色フォトレジスト)を用いてブラックマトリックスを形成する検討がなされている(例えば、特許文献1参照。)。感光性黒色組成物を用いたブラックマトリックスの形成は、透明基板上に感光性黒色組成物を塗布、乾燥し、フォトマスクを介して露光し、現像してパターンを形成することにより行われる。感光性黒色組成物を用いて形成されるブラックマトリックスは、光の反射が少なく、製造工程の短縮も可能で、クロム等の金属材料を用いて形成されるものより優れた点が多い。
【0006】
【特許文献1】特開平4−63870号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、感光性黒色組成物を用いてブラックマトリックスを形成する場合には、次のような問題がある。即ち、フォトリソグラフィー法でパターンを形成しようとする場合は、感光性黒色組成物が高い遮光性を有していることから、感度が非常に低く、酸素阻害の影響を受けやすい。そのため、高い露光量が必要となり、解像度や生産性の低下を招く。また、酸素阻害の影響をなくすため、感光性黒色組成物層の上に酸素遮断層を形成するなどの手段を講じることもできるが、工程が煩雑になり、生産性の低下を招く。
【0008】
また、遮光性を維持したまま感光性黒色組成物の感度を向上させるために、組成物中に含まれる光重合性モノマーまたは光重合開始剤を増量した場合には、光照射後の硬化が塗膜表面にとどまるため、現像性が低下し、パターンの剥がれが生じ、また得られるパターンの直線性が悪くなる。さらに、パターン形状が、現像時間の変動により影響を受けやすい、いわゆる現像マージンが狭いものとなってしまう。
そこで、本発明は、カラーフィルタを構成するブラックマトリックスおよびフィルタセグメント、特にブラックマトリックスの形成に好適に用いることができる、高感度な感光性着色組成物の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明におけるカラーフィルタ形成用感光性着色組成物は、3価の有機リン化合物を配合することにより、硬化時の酸素阻害を低減させて感度を向上させたもの、すなわち、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、3価の有機リン化合物、および着色剤を含む感光性着色組成物である。
カラーフィルタ形成用感光性着色組成物は、さらに、アルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。また、カラーフィルタ形成用感光性着色組成物において、光重合開始剤はアセトフェノン系化合物であることが好ましく、着色剤はカーボンブラックであることが好ましい。
【0010】
そして、本発明におけるカラーフィルタは、前記カラーフィルタ形成用感光性着色組成物を用いて形成されるブラックマトリックスを具備するカラーフィルタである。
また、本発明におけるカラーフィルタは、前記カラーフィルタ形成用感光性着色組成物を用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタである。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、カラーフィルタ形成用感光性着色組成物について詳細に説明する。
感光性着色組成物は、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、3価の有機リン化合物、および着色剤を含む。
感光性着色組成物に含有される3価の有機リン化合物は、皮膜表面の硬化阻害の原因となる酸素ラジカルと反応し、その濃度を低減させることにより感光性着色組成物の感度を向上させる働きをする。
【0012】
3価の有機リン化合物としては、化合物自体の安定性や取り扱い易さの面から3級リン化合物である第3ホスフィン類および亜リン酸エステル類が好適に用いられる。第3ホスフィン類としては、例えば、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリトリルホスフィン、p−スチリルジフェニルホスフィン等が挙げられる。亜リン酸エステル類としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリ−p−(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ−p−トリルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト等が挙げられる。
【0013】
感光性着色組成物にアルカリ可溶性樹脂を含有させて、アルカリ現像型着色レジスト材として調製する場合には、3価の有機リン化合物として第3ホスフィン類を用いることが好ましい。第3ホスフィン類を含有させることにより、パターンの直線性が向上し、また現像マージンを改善することができる。
3価の有機リン化合物は、上記化合物の中から1種類を単独で、または必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
3価の有機リン化合物の含有量は、感光性着色組成物の固形分を基準として0.1〜5重量%であることが好ましい。3価の有機リン化合物の含有量が0.1重量%未満では充分な感度向上の効果が発現せず、5重量%を越えると塗膜の現像液に対する溶解性が低下し、パターン形状や現像マージンが悪くなる可能性がある。
【0015】
感光性着色組成物に含有されるエチレン性不飽和化合物としては、α,β−エチレン性不飽和二重結合を有する各種モノマー、オリゴマー、および感光性樹脂を、単独で、または2種以上混合して併用して用いることができる。エチレン性不飽和化合物には、α,β−エチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能の化合物と、2個以上有する多官能の化合物があるが、高感度化の観点から多官能の化合物を用いることが好ましい。
【0016】
単官能のモノマーおよびオリゴマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ メチル(メタ)アクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0017】
また、多官能のモノマーおよびオリゴマーとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物の含有量は、感光性着色組成物の固形分を基準として1〜40重量%であることが好ましく、5〜30重量%であることがより好ましい。エチレン性不飽和化合物の含有量が1重量%未満では塗膜が硬化しにくく、40重量%を越えると塗膜の現像性が低くなる。
【0018】
感光性着色組成物に含有される光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等を用いることができる。
【0019】
光重合開始剤のなかでは、3価の有機リン化合物と組み合わせた場合に特に感度の向上効果が高いため、アセトフェノン系光重合開始剤が好ましく、特にα−アミノアセトフェノン系光重合開始剤が好ましい。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
【0020】
光重合開始剤の含有量は、感光性着色組成物の固形分を基準として1〜40重量%であることが好ましく、3〜30重量%であることがより好ましい。光重合開始剤の含有量が1重量%未満では塗膜が硬化しにくく、40重量%を越えると塗膜の現像性が低くなる。
【0021】
感光性着色組成物に含有される着色剤としては、特に制限はないが、感光性着色組成物をブラックマトリックスの形成に用いる場合には、遮光性や耐光性の観点から黒色顔料を用いることが好ましい。黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料等が挙げられ、具体的には C.I. ピグメントブラック1、6、7、12、20、31、32等が挙げられる。なかでも、価格、遮光性の大きさの点から、カーボンブラックを用いることが好ましい。カーボンブラックは、樹脂などで表面処理されていてもよい。
【0022】
着色剤として黒色顔料を用いる場合には、黒色顔料の含有量は、感光性着色組成物の固形分を基準として20〜70重量%であることが好ましい。黒色顔料の含有量が20重量%未満の場合は、ブラックマトリックスの単位膜厚あたりの遮光性が低下し、70重量%を越えると、ブラックマトリックスの形成が困難になる。
【0023】
また、感光性着色組成物をフィルタセグメントの形成に用いる場合には、耐光性、耐熱性や耐溶媒性の観点から顔料を用いることが好ましく、光吸収能の大きさから有機顔料を用いることが特に好ましい。顔料としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
【0024】
以下に、代表的な顔料の具体例をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示す。
黄色顔料としては、ピグメントイエロー12,13,14,20,24,83,86,93,94,109,110,117,125,137,138,139,147,148,153,154,166,173等が挙げられる。
橙色顔料としては、ピグメントオレンジ13,31,36,38,40,42,43,51,55,59,61,64,65等が挙げられる。
【0025】
赤色およびマゼンタ色顔料としては、ピグメントレッド9,97,122,123,144,149,166,168,177,190,192,215,216,224,254,255等が挙げられる。
紫色顔料としては、ピグメントバイオレット19,23,29,32,33,36,37,38等が挙げられる。
【0026】
青色およびシアン色顔料としては、ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,15:4、15:6、21、22,60,64等が挙げられる。
緑色顔料としては、ピグメントグリーン7,10,36,47等が挙げられる。
これらの顔料は、所望の色を得るために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
感光性着色組成物には、環境負荷の観点から、アルカリ現像性を付与できるアルカリ可溶性樹脂を含有させることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基等の酸性官能基を有する樹脂を用いることができる。また、感光性着色組成物の感度を向上させるため、エチレン性不飽和化合物として用いられる感光性樹脂に酸性官能基を導入してアルカリ可溶性を付与しても良い。樹脂の酸性官能基量(カルボキシル基の場合には酸価)は、現像性の観点から適宜調整することができる。
【0028】
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、塗膜の耐熱性や耐溶剤性、耐薬品性の付与など種々の目的に応じて2種以上の樹脂を組み合わせて用いることもできる。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、感光性着色組成物の固形分を基準として3〜80重量%であることが好ましく、5〜70重量%であることがより好ましい。アルカリ可溶性樹脂の含有量が3重量%未満ではアルカリ現像性が低くなり、80重量%を越えると感光性着色組成物の硬化性や、ブラックマトリックスの形成に用いる場合には遮光性が低くなる。
【0029】
感光性着色組成物には、塗工性向上、感度の向上、密着性の向上などを目的として、各種有機溶剤、レベリング剤、連鎖移動剤、シランカップリング剤など当該分野で公知の添加剤を必要に応じて添加しても良い。また、顔料の分散性向上を目的として、顔料誘導体、界面活性剤、樹脂型分散剤等を添加しても良い。
【0030】
感光性着色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。感光性着色組成物は、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、3価の有機リン化合物、および着色剤と、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂、有機溶剤、その他の添加剤とを混合し、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散装置を用いて分散することにより製造することができる。
感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
【0031】
次に、カラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、透明あるいは反射基板上に、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のフィルタセグメントおよびブラックマトリックスが形成されたものや、Y(エロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色のフィルタセグメントおよびブラックマトリックスが形成されたもの等である。各色のフィルタセグメントおよび/またはブラックマトリックスは、フォトリソグラフィー法により、本発明の感光性着色組成物を用いて形成することができる。
【0032】
透明基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
反射基板としては、シリコンや、前記の透明基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。
【0033】
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントおよび/またはブラックマトリックスを形成する場合は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。
【0034】
さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
【0035】
カラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で、スチレン60.0部、メタクリル酸60.0部、メタクリル酸メチル65.0部、メタクリル酸ブチル65.0部、およびアゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下した。さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。なお、アクリル樹脂の重量平均分子量は40000であった。
【0037】
[実施例1]
カーボンブラック(デグサ社製「Pritex75」)8部、分散剤(ZENECA社製「solspers20000」)0.5部、上記アクリル樹脂溶液22部、およびシクロヘキサノン40部を均一に混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタでろ過して黒色分散体を調整した。
得られた黒色分散体70.5部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」) 4.4部、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)1.9部増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.2部、トリフェニルホスフィン0.2部、およびシクロヘキサノン21.4部の混合物を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型感光性黒色組成物(以下、レジストという。)を作製した。
【0038】
[実施例2]
トリフェニルホスフィンの添加量を0.2部から0.6部に変更した以外は、実施例1と同様にしてレジストを調製した。
[実施例3]
トリフェニルホスフィンの添加量を0.2部から1.2部に変更した以外は、実施例1と同様にしてレジストを調製した。
【0039】
[実施例4]
トリフェニルホスフィンをトリフェニルホスファイトに変更した以外は、実施例1と同様にしてレジストを調製した。
[実施例5]
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)をトリアジン系光重合開始剤(旭電化工業社製「アデカアークルズPZ408」)に変更した以外は、実施例2と同様にしてレジストを調整した。
【0040】
[実施例6]
赤色顔料C.I.Pigment Red254(チバガイギー社製「イルガフォーレッドB−CF」)20部、上記アクリル樹脂溶液108部、およびシクロヘキサノン100部を均一に混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタでろ過して赤色分散体を調整した。
得られた赤色分散体228部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)13部、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)3部、増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)1部、トリフェニルホスフィン1.8部およびシクロヘキサノン153部の混合物を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して赤色レジストを作製した。
【0041】
[比較例1]
トリフェニルホスフィンを除いた以外は、実施例1と同様にしてレジストを調製した。
[比較例2]
トリフェニルホスフィンを除いた以外は、実施例5と同様にしてレジストを調整した。
[比較例3]
トリフェニルホスフィンを除いた以外は、実施例6と同様にしてレジストを調整した。
【0042】
実施例1〜6および比較例1〜3で得られたレジストのジャスト現像時間、感度を求め、ジャスト、5秒延長、10秒延長現像時に形成されたパターンの直線性を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0043】
(1)ジャスト現像時間
100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて上記レジストを塗布して、70℃で20分乾燥した。レジストの乾燥膜厚は1.0μmであった。この塗布基板のレジスト塗膜を、自動現像装置を用いて2%炭酸ナトリウム水溶液にて除去し、塗膜が完全に除去される時間をレジストのジャスト現像時間とした。
【0044】
(2)感度
ジャスト現像時間の評価と同様の手順で作成した塗布基板に、線幅20μmのパターンを有するマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて、照射線量を20mJずつ変化させて紫外線を照射した。次いで、ジャスト現像時間で現像を行い、それぞれのパターン部の膜厚を測定して、膜厚が0.95μm以上となる最小の照射線量をレジストの感度とした。
【0045】
(3)パターンの直線性
現像後の膜厚が0.95μm以上となる最小の照射光量の紫外線を照射したのち、ジャスト現像時間で現像を行い、形成されたパターンを顕微鏡にて観察した。さらに、同じ紫外線照射条件で、現像時間をジャスト現像時間より、5秒および10秒延長して形成されたパターンについても顕微鏡にて観察を行った。
○:直線性が良好
△:直線性が若干劣る
×:直線性がかなり劣る
ハガレ:パターンが欠落
【0046】
【表1】
Figure 2004347916
【0047】
実施例1〜4で得られたα−アミノアセトフェノン系光重合開始剤を用いた黒色レジストは、比較例1で得られたものに比べいずれも感度の向上が認められた。また、3価の有機リン化合物を適当量含有する実施例1、2、4で得られたレジストは、比較例1で得られたものに比べパターン直線性が優れていた。さらに、第3ホスフィン類を適当量含有する実施例1および2で得られたレジストは、現像時間をジャスト現像時間より5秒延長してもパターンの直線性が良好であり、現像マージンの拡大が認められた。
また、実施例5で得られたトリアジン系光重合開始剤を用いた黒色レジストにおいても、比較例2で得られたものに比べ感度の向上が認められた。第3ホスフィン類を用いたときの感度の向上は、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤を用いた場合(実施例2と比較例1の比較)の方が、トリアジン系光重合開始剤を用いた場合(実施例5と比較例2の比較)より大きく、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤と第3ホスフィン類の組み合わせが、より感度向上の効果が高いことが認められた。
実施例6で得られた赤色レジストにおいても、比較例3で得られたものに比べ感度の向上が認められた。
【0048】
【発明の効果】
本発明により、高い感度の感光性着色組成物が得られ、カラーフィルタの生産性を向上することができた。さらに、本発明の感光性着色組成物を用いることにより、直線性の良い高品質なブラックマトリックスを形成することができるようになり、実用上極めて有用である。

Claims (6)

  1. エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、3価の有機リン化合物、および着色剤を含むことを特徴とするカラーフィルタ形成用感光性着色組成物。
  2. さらに、アルカリ可溶性樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ形成用感光性着色組成物。
  3. 光重合開始剤がアセトフェノン系化合物であることを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ形成用感光性着色組成物。
  4. 着色剤がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカラーフィルタ形成用感光性着色組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のカラーフィルタ形成用感光性着色組成物を用いて形成されるブラックマトリックスを具備するカラーフィルタ。
  6. 請求項1ないし3のいずれかに記載のカラーフィルタ形成用感光性着色、組成物を用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
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