JP2004346981A - 樹脂製ギヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】相手ギヤとの噛み合い音をより確実に抑制することができる樹脂製ギヤを提供する。
【解決手段】ウォームホイール17は、歯部17aにおける歯面(ウォームと接触する面)17bの表面において、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部21が合成樹脂よりなるホイール本体22に対して一体形成されて構成される。
【選択図】 図3
【解決手段】ウォームホイール17は、歯部17aにおける歯面(ウォームと接触する面)17bの表面において、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部21が合成樹脂よりなるホイール本体22に対して一体形成されて構成される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、噛み合い音の発生を抑制でき、高い静粛性を要求される減速機構に用いるのに好適な樹脂製ギヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用ワイパモータやパワーウインドモータ等は、モータ本体の回転を減速する減速機構が一体に備えられて構成されており、該減速機構に合成樹脂製のウォームホイールが用いられている。このウォームホイールにおいて、モータ作動時にウォームとの噛み合い音が発生し、モータの静粛性、ひいては車両の静粛性を害してしまう。そこで、例えば、特許文献1にて開示されているように、強化繊維を含む合成樹脂にエラストマ材料を添加してウォームホイールが成形されている。このようにウォームホイールに弾性を有するエラストマ材料を添加することで、該エラストマ材料がウォームから受ける衝撃を吸収するため、互いの衝突音(噛み合い音)が抑制され、静粛性が向上する。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−141477号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献のウォームホイールにおいて、ウォームと接触する面である歯面にはエラストマ材料だけでなく強化繊維も現れるので、ウォームから受ける衝撃を十分に吸収できず、互いの衝突音(噛み合い音)の抑制にまだまだ改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、相手ギヤとの噛み合い音をより確実に抑制することができる樹脂製ギヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、相手ギヤと噛み合う歯部を備えた樹脂製ギヤであって、少なくとも前記歯部における前記相手ギヤと接触する歯面の表面において、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部が合成樹脂よりなるギヤ本体に対して一体形成されていることをその要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂製ギヤにおいて、前記歯部の表面全体と、隣接する前記歯部間の谷部の表面と、前記歯部より径方向内側においてギヤの全周にわたって環状をなす周縁部の表面とにおいて、前記被覆部が前記ギヤ本体に一体形成されていることをその要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の樹脂製ギヤにおいて、前記歯面の表面に形成される前記被覆部の厚さは、前記歯部の歯厚の5〜15[%]となるように設定されていることをその要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤは、ウォームホイールであることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の樹脂製ギヤにおいて、前記ウォームホイールにおける前記歯部は、径方向内側に向かって円弧状に凹設されていることをその要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤにおいて、前記ギヤ本体は、強化繊維が添加されていることをその要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、樹脂製ギヤは、少なくとも歯部における歯面(相手ギヤと接触する面)の表面において、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部が合成樹脂よりなるギヤ本体に対して一体形成されて構成される。そのため、歯面全体がエラストマ材料よりなる被覆部にて被覆されるので、該被覆部が常に相手ギヤと接触することになり、該被覆部にて相手ギヤから受ける衝撃が十分に吸収される。そのため、衝突音(噛み合い音)がより確実に抑制される。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、歯部の表面全体と、隣接する歯部間の谷部の表面と、歯部より径方向内側においてギヤの全周にわたって環状をなす周縁部の表面とにおいて、被覆部がギヤ本体に一体形成される。ここで、被覆部を少なくとも歯面に設ければ、該被覆部が衝突音の要因となる相手ギヤから受ける衝撃を十分に吸収できるが、歯面以外の各部位をも被覆することで成形する部分が連続するため、成形の際に、被覆部が少なくとも必要な歯面へのエラストマ材料の回り込みが良好となる。そのため、被覆部の成形が容易となるとともに、エラストマ材料の成形圧(射出圧)を小さく設定でき、該被覆部を成形するための成形機の小型化を図ることが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、歯面の表面に形成される被覆部の厚さは、歯部の歯厚の5〜15[%]となるように設定される。そのため、歯部の強度を十分に有しながら、被覆部が衝突音の要因となる相手ギヤから受ける衝撃を十分に吸収できる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、樹脂製ギヤはウォームホイールであり、該ウォームホイールとウォームとの噛み合い音をより確実に抑制できる。
請求項5に記載の発明によれば、ウォームホイールにおける歯部は、径方向内側に向かって円弧状に凹設される。そのため、ウォームとの接触面積が増加するので、大きな駆動力をウォームからウォームホイールに伝達することができる。この場合、ウォームホイールの歯部(歯面)においてはウォームとの接触面積が増加するため、該接触面積の増加に伴って噛み合い音も増加する。そのため、歯面をエラストマ材料にて被覆すると、より高い効果を得ることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、ギヤ本体は強化繊維が添加されるので、樹脂製ギヤの強度は高くなる。しかも、強化繊維が歯面の表面に現れると、相手ギヤを削ってしまい、相手ギヤの寿命を短くするという問題がある。しかしながら、歯面の表面は被覆部にて被覆されているので、該歯面の表面には強化繊維が現れることはなく、相手ギヤの寿命を短くするという問題の発生を防止できる。つまり、相手ギヤの寿命を短くすることなく、樹脂製ギヤの強度を高めることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のモータ1を示す。本実施形態のモータ1は、車両用ワイパ装置の駆動源として用いられるモータであって、モータ本体2と減速機構が収容される減速部3とが一体に組み付けられる減速機構付きモータである。
【0016】
モータ本体2は、直流モータよりなる。モータ本体2は、有底円筒状のヨークハウジング4を有しており、該ハウジング4の内側面には、一対のマグネット5が固着されている。マグネット5の内側にはアーマチャ(電機子)6が回転可能に収容されている。アーマチャ6は、アーマチャシャフト7と、該シャフト7に固着されるコア8と、該コア8に巻回される巻線9と、該シャフト7に固着され該巻線9の鍛部が接続される整流子10とを備えている。このようなアーマチャ6は、アーマチャシャフト7の基端部がヨークハウジング4の底部中央に固定される軸受11にて回転可能に支持される。そして、ヨークハウジング4(モータ本体2)は、相手ギヤとしてのウォーム7aが一体に形成されるアーマチャシャフト7の先端側を減速部3のギヤハウジング15内に収容させて、該ギヤハウジング15に対して固定される。
【0017】
前記減速部3は、ギヤハウジング15を有している。ギヤハウジング15は、前記モータ本体2から延びるアーマチャシャフト7の先端側を収容するシャフト収容部15aと樹脂製ギヤとしてのウォームホイール17を収容するホイール収容部15bとを備えた所定形状をなしている。
【0018】
シャフト収容部15aの基端部には軸受16が固着されており、該軸受16にてアーマチャシャフト7の中央部が回転可能に支持される。シャフト収容部15aの先端部には、アーマチャシャフト7の先端部7bが挿入され該先端部7bを回転可能に支持するための挿入孔15cが形成されている。つまり、アーマチャシャフト7は、ウォーム7aの軸方向における両端部分が軸受16及び挿入孔15cにて支持されている。
【0019】
ホイール収容部15bには、アーマチャシャフト7のウォーム7aと噛合される図2(a)(b)に示すようなウォームホイール17が回転可能に収容される。ウォームホイール17は、ウォーム7aと噛み合うための歯部17aを有しており、該歯部17aの歯幅方向が該ホイール17の軸線に対して傾斜したはすばギヤとなっている。又、歯部17aの先端部は、ウォームホイール17の軸方向と直交する方向から見て直線状をなしている。ウォームホイール17の中心部には、出力軸18が一体回転するように固着されている。
【0020】
又、ウォームホイール17は、図3(a)(b)に示すように、歯部17aの表面全体(歯面17b、歯部17aの先端面17c及び軸方向(歯幅方向)の歯部端面17d)と、隣接する歯部17a間の谷部17eの表面と、歯部17aより径方向内側において該ホイール17の全周にわたって環状をなす周縁部17fの表面とにおいて、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部21が合成樹脂よりなるギヤ本体としてのホイール本体22に対して一体に形成されている。因みに、このホイール本体22は、被覆部21以外のウォームホイール17の全体を指している。このような被覆部21は、歯部17aの表面全体、歯部17a間の谷部17eの表面、及び周縁部17fにおいて連続する形状をなしている。
【0021】
このように各歯部17aでは、その歯面17b全体がエラストマ材料よりなる被覆部21にて被覆されるので、該被覆部21が常にウォーム7aと接触することになり、該被覆部21にてウォーム7aから受ける衝撃が十分に吸収される。そのため、衝突音(噛み合い音)がより確実に抑制される。しかも、各歯部17aにおける被覆部21の内部は合成樹脂よりなるホイール本体22となっているので、該歯部17aは強度を十分に備えている。
【0022】
因みに、各歯面17bを被覆する被覆部21の厚さD1は、歯部17aの歯厚D2の5〜15[%]の間のいずれかの割合となるように設定されている。つまり、被覆部21の厚さD1は、歯部17aの先端に向かうほど、薄くなっていく。そして、歯面17bにおける被覆部21の厚さD1をこのような割合に設定すると、歯部17aの強度を十分に有しながら、被覆部21が衝突音の要因となるウォーム7aから受ける衝撃を十分に吸収できる。
【0023】
又、このようなウォームホイール17は、先ず合成樹脂にて被覆部21以外のホイール本体22を成形型にて成形し、成形されたホイール本体22を被覆部21を成形するための成形型に入れてエラストマ材料を型内に流し込んで、ホイール本体22の上記各部位に被覆部21が一体成形されて製造されている。ここで、被覆部21を少なくとも歯面17bに設ければ、該被覆部21が衝突音の要因となるウォーム7aから受ける衝撃を十分に吸収できるが、歯面17b以外の上記した各部位をも被覆することで成形する部分が連続するため、成形の際に、被覆部21が少なくとも必要な歯面17bへのエラストマ材料の回り込みが良好となる。そのため、被覆部21の成形が容易となるとともに、エラストマ材料の成形圧(射出圧)を小さく設定でき、該被覆部21を成形するための成形機を小型化できる。
【0024】
又、ギヤハウジング15におけるモータ本体2と対向する部位には、ブラシ装置19が固定されている。ブラシ装置19には、前記整流子10に摺接する給電ブラシ20が保持されている。ブラシ装置19は、外部から図示しない給電線を介して電源供給を受け、その電源を給電ブラシ20及び整流子10を介してアーマチャ6(巻線9)に供給するようになっている。これにより、アーマチャ6が回転し、アーマチャシャフト7が回転することにより、ウォーム7a及びウォームホイール17を介して出力軸18が回転され、該出力軸18の回転に基づいてワイパ装置が作動するようになっている。
【0025】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)ウォームホイール17は、歯部17aにおける歯面(ウォーム7aと接触する面)17bの表面において、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部21が合成樹脂よりなるホイール本体22に対して一体形成されて構成される。そのため、歯面17b全体がエラストマ材料よりなる被覆部21にて被覆されるので、該被覆部21が常にウォーム7aと接触することになり、該被覆部21にてウォーム7aギヤから受ける衝撃が十分に吸収される。そのため、衝突音(噛み合い音)をより確実に抑制することができる。従って、このウォームホイール17を用いたモータ1の静粛性、ひいては該モータ1を搭載する車両の静粛性を向上することができる。
【0026】
(2)歯部17aの表面全体と、隣接する歯部17a間の谷部17eの表面と、歯部17aより径方向内側においてウォームホイール17の全周にわたって環状をなす周縁部17fの表面とにおいて、被覆部21がホイール本体22に一体形成される。ここで、被覆部21を少なくとも歯面17bに設ければ、該被覆部21が衝突音の要因となるウォーム7aから受ける衝撃を十分に吸収できるが、歯面17b以外の各部位をも被覆することで成形する部分が連続するため、成形の際に、被覆部21が少なくとも必要な歯面17bへのエラストマ材料の回り込みが良好となる。そのため、被覆部21の成形が容易となるとともに、エラストマ材料の成形圧(射出圧)を小さく設定でき、該被覆部21を成形するための成形機の小型化を図ることができる。
【0027】
(3)歯面17bの表面に形成される被覆部21の厚さD1は、歯部17aの歯厚D2の5〜15[%]となるように設定される。そのため、歯部17aの強度を十分に有しながら、被覆部21が衝突音の要因となるウォーム7aから受ける衝撃を十分に吸収することができる。
【0028】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、歯部17aの表面全体と、隣接する歯部17a間の谷部17eの表面と、歯部17aより径方向内側においてウォームホイール17の全周にわたって環状をなす周縁部17fの表面とにおいて被覆部21を設けたが、被覆部21を設ける部位はこれに限定されるものではない。少なくとも歯部17aにおける歯面17bに設ければ足りる。
【0029】
○上記実施形態では、歯面17bの表面に形成される被覆部21の厚さD1を歯部17aの歯厚D2の5〜15[%]の間のいずれかの割合となるように設定、即ち被覆部21の厚さD1が歯部17aの先端に向かうほど薄くなるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、被覆部21の厚さD1を一定の厚さとしてもよい。又、この数値に限定されるものではない。
【0030】
○上記実施形態では、歯部17aの歯幅方向がウォームホイール17の軸線に対して傾斜したはすばギヤよりなるウォームホイール17に実施したが、歯部17aの歯幅方向がウォームホイール17の軸線に沿った通常のギヤよりなるウォームホイール17に実施してもよい。
【0031】
○上記実施形態では、歯部17aの先端部がウォームホイール17の軸方向と直交する方向から見て直線状をなしているが、図4に示すように、歯部17aの先端部を径方向内側に向かって円弧状に凹設してもよい。このようにすれば、ウォーム7aとの接触面積が増加するので、大きな駆動力をウォーム7aからウォームホイール17に伝達することができる。この場合、ウォームホイール17の歯部17a(歯面)においてはウォーム7aとの接触面積が増加するため、該接触面積の増加に伴って噛み合い音も増加する。そのため、歯部17a(歯面)の表面をエラストマ材料よりなる被覆部21にて被覆すると、より高い効果を得ることができる。
【0032】
○上記実施形態のウォームホイール17のホイール本体22にガラス繊維等の強化繊維を添加してもよい。このようにすれば、ホイール本体22は強化繊維が添加されるので、ウォームホイール17の強度は高くなる。しかも、強化繊維が歯面17bの表面に現れると、ウォーム7aを削ってしまい、ウォーム7aの寿命を短くするという問題がある(従来で述べた特許文献1)。しかしながら、上記実施形態では、歯面17bの表面は被覆部21にて被覆されているので、該歯面17bの表面には強化繊維が現れることはなく、ウォーム7aの寿命を短くするという問題の発生を防止することができる。つまり、ウォーム7aの寿命を短くすることなく、ウォームホイール17の強度を高めることができる。
【0033】
○上記実施形態では、先ず合成樹脂にてホイール本体22を成形し、その成形後、ホイール本体22を成形型に入れてエラストマ材料を型内に流し込んで被覆部21を一体成形してウォームホイール17を製造したが、製造方法はこれに限定されるものではない。例えば、ウォームホイール17(ホイール本体22)の表面全体に被覆部21を一体成形する場合、エラストマ材料を合成樹脂の周囲から該合成樹脂と同時に射出して成形するようにしてもよい。このようにすれば、ウォームホイール17(ホイール本体22)の表面全体に被覆部21を一体成形することができる。
【0034】
○上記実施形態では、ウォームホイール17に実施したが、これ以外の樹脂製ギヤに実施してもよい。この場合、相手ギヤであるウォーム7aも樹脂製ギヤに合わせて適宜変更する。
【0035】
○上記実施形態では、ウォームホイール17を車両用ワイパ装置のモータ1の減速部(減速機構)3に用いたが、車両用ワイパ装置以外のモータの減速部(減速機構)に用いてもよい。又、モータ以外の減速機構に用いてもよい。
【0036】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ) 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤを有し、モータ本体の回転を減速して出力するように構成される減速機構を備えたことを特徴とする減速機構付きモータ。
【0037】
(ロ) 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤの製造方法であって、
前記合成樹脂にて前記ギヤ本体を成形する工程と、
前記工程後、前記ギヤ本体の所定部位の表面に前記エラストマ材料よりなる被覆部を一体に成形する工程と、
を有することを特徴とする樹脂製ギヤの製造方法。
【0038】
(ハ) 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤの製造方法であって、
前記エラストマ材料よりなる前記被覆部を前記合成樹脂よりなる前記ギヤ本体に表面全体に一体成形すべく、前記エラストマ材料を前記合成樹脂の周囲から該合成樹脂と同時に射出して成形する工程を有することを特徴とする樹脂製ギヤの製造方法。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、相手ギヤとの噛み合い音をより確実に抑制することができる樹脂製ギヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のモータの断面図。
【図2】(a)はウォームホイールの平面図、(b)はウォームホイールの側断面図。
【図3】(a)はウォームホイールの要部拡大平面図、(b)は(a)のA−A断面図。
【図4】別例のウォームホイールの側断面図。
【符号の説明】
7a…相手ギヤとしてのウォーム、17…樹脂製ギヤとしてのウォームホイール、17a…歯部、17b…歯面、17e…谷部、17f…周縁部、21…被覆部、22…ギヤ本体としてのホイール本体、D1…厚さ、D2…歯厚。
【発明の属する技術分野】
本発明は、噛み合い音の発生を抑制でき、高い静粛性を要求される減速機構に用いるのに好適な樹脂製ギヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用ワイパモータやパワーウインドモータ等は、モータ本体の回転を減速する減速機構が一体に備えられて構成されており、該減速機構に合成樹脂製のウォームホイールが用いられている。このウォームホイールにおいて、モータ作動時にウォームとの噛み合い音が発生し、モータの静粛性、ひいては車両の静粛性を害してしまう。そこで、例えば、特許文献1にて開示されているように、強化繊維を含む合成樹脂にエラストマ材料を添加してウォームホイールが成形されている。このようにウォームホイールに弾性を有するエラストマ材料を添加することで、該エラストマ材料がウォームから受ける衝撃を吸収するため、互いの衝突音(噛み合い音)が抑制され、静粛性が向上する。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−141477号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献のウォームホイールにおいて、ウォームと接触する面である歯面にはエラストマ材料だけでなく強化繊維も現れるので、ウォームから受ける衝撃を十分に吸収できず、互いの衝突音(噛み合い音)の抑制にまだまだ改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、相手ギヤとの噛み合い音をより確実に抑制することができる樹脂製ギヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、相手ギヤと噛み合う歯部を備えた樹脂製ギヤであって、少なくとも前記歯部における前記相手ギヤと接触する歯面の表面において、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部が合成樹脂よりなるギヤ本体に対して一体形成されていることをその要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂製ギヤにおいて、前記歯部の表面全体と、隣接する前記歯部間の谷部の表面と、前記歯部より径方向内側においてギヤの全周にわたって環状をなす周縁部の表面とにおいて、前記被覆部が前記ギヤ本体に一体形成されていることをその要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の樹脂製ギヤにおいて、前記歯面の表面に形成される前記被覆部の厚さは、前記歯部の歯厚の5〜15[%]となるように設定されていることをその要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤは、ウォームホイールであることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の樹脂製ギヤにおいて、前記ウォームホイールにおける前記歯部は、径方向内側に向かって円弧状に凹設されていることをその要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤにおいて、前記ギヤ本体は、強化繊維が添加されていることをその要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、樹脂製ギヤは、少なくとも歯部における歯面(相手ギヤと接触する面)の表面において、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部が合成樹脂よりなるギヤ本体に対して一体形成されて構成される。そのため、歯面全体がエラストマ材料よりなる被覆部にて被覆されるので、該被覆部が常に相手ギヤと接触することになり、該被覆部にて相手ギヤから受ける衝撃が十分に吸収される。そのため、衝突音(噛み合い音)がより確実に抑制される。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、歯部の表面全体と、隣接する歯部間の谷部の表面と、歯部より径方向内側においてギヤの全周にわたって環状をなす周縁部の表面とにおいて、被覆部がギヤ本体に一体形成される。ここで、被覆部を少なくとも歯面に設ければ、該被覆部が衝突音の要因となる相手ギヤから受ける衝撃を十分に吸収できるが、歯面以外の各部位をも被覆することで成形する部分が連続するため、成形の際に、被覆部が少なくとも必要な歯面へのエラストマ材料の回り込みが良好となる。そのため、被覆部の成形が容易となるとともに、エラストマ材料の成形圧(射出圧)を小さく設定でき、該被覆部を成形するための成形機の小型化を図ることが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、歯面の表面に形成される被覆部の厚さは、歯部の歯厚の5〜15[%]となるように設定される。そのため、歯部の強度を十分に有しながら、被覆部が衝突音の要因となる相手ギヤから受ける衝撃を十分に吸収できる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、樹脂製ギヤはウォームホイールであり、該ウォームホイールとウォームとの噛み合い音をより確実に抑制できる。
請求項5に記載の発明によれば、ウォームホイールにおける歯部は、径方向内側に向かって円弧状に凹設される。そのため、ウォームとの接触面積が増加するので、大きな駆動力をウォームからウォームホイールに伝達することができる。この場合、ウォームホイールの歯部(歯面)においてはウォームとの接触面積が増加するため、該接触面積の増加に伴って噛み合い音も増加する。そのため、歯面をエラストマ材料にて被覆すると、より高い効果を得ることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、ギヤ本体は強化繊維が添加されるので、樹脂製ギヤの強度は高くなる。しかも、強化繊維が歯面の表面に現れると、相手ギヤを削ってしまい、相手ギヤの寿命を短くするという問題がある。しかしながら、歯面の表面は被覆部にて被覆されているので、該歯面の表面には強化繊維が現れることはなく、相手ギヤの寿命を短くするという問題の発生を防止できる。つまり、相手ギヤの寿命を短くすることなく、樹脂製ギヤの強度を高めることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のモータ1を示す。本実施形態のモータ1は、車両用ワイパ装置の駆動源として用いられるモータであって、モータ本体2と減速機構が収容される減速部3とが一体に組み付けられる減速機構付きモータである。
【0016】
モータ本体2は、直流モータよりなる。モータ本体2は、有底円筒状のヨークハウジング4を有しており、該ハウジング4の内側面には、一対のマグネット5が固着されている。マグネット5の内側にはアーマチャ(電機子)6が回転可能に収容されている。アーマチャ6は、アーマチャシャフト7と、該シャフト7に固着されるコア8と、該コア8に巻回される巻線9と、該シャフト7に固着され該巻線9の鍛部が接続される整流子10とを備えている。このようなアーマチャ6は、アーマチャシャフト7の基端部がヨークハウジング4の底部中央に固定される軸受11にて回転可能に支持される。そして、ヨークハウジング4(モータ本体2)は、相手ギヤとしてのウォーム7aが一体に形成されるアーマチャシャフト7の先端側を減速部3のギヤハウジング15内に収容させて、該ギヤハウジング15に対して固定される。
【0017】
前記減速部3は、ギヤハウジング15を有している。ギヤハウジング15は、前記モータ本体2から延びるアーマチャシャフト7の先端側を収容するシャフト収容部15aと樹脂製ギヤとしてのウォームホイール17を収容するホイール収容部15bとを備えた所定形状をなしている。
【0018】
シャフト収容部15aの基端部には軸受16が固着されており、該軸受16にてアーマチャシャフト7の中央部が回転可能に支持される。シャフト収容部15aの先端部には、アーマチャシャフト7の先端部7bが挿入され該先端部7bを回転可能に支持するための挿入孔15cが形成されている。つまり、アーマチャシャフト7は、ウォーム7aの軸方向における両端部分が軸受16及び挿入孔15cにて支持されている。
【0019】
ホイール収容部15bには、アーマチャシャフト7のウォーム7aと噛合される図2(a)(b)に示すようなウォームホイール17が回転可能に収容される。ウォームホイール17は、ウォーム7aと噛み合うための歯部17aを有しており、該歯部17aの歯幅方向が該ホイール17の軸線に対して傾斜したはすばギヤとなっている。又、歯部17aの先端部は、ウォームホイール17の軸方向と直交する方向から見て直線状をなしている。ウォームホイール17の中心部には、出力軸18が一体回転するように固着されている。
【0020】
又、ウォームホイール17は、図3(a)(b)に示すように、歯部17aの表面全体(歯面17b、歯部17aの先端面17c及び軸方向(歯幅方向)の歯部端面17d)と、隣接する歯部17a間の谷部17eの表面と、歯部17aより径方向内側において該ホイール17の全周にわたって環状をなす周縁部17fの表面とにおいて、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部21が合成樹脂よりなるギヤ本体としてのホイール本体22に対して一体に形成されている。因みに、このホイール本体22は、被覆部21以外のウォームホイール17の全体を指している。このような被覆部21は、歯部17aの表面全体、歯部17a間の谷部17eの表面、及び周縁部17fにおいて連続する形状をなしている。
【0021】
このように各歯部17aでは、その歯面17b全体がエラストマ材料よりなる被覆部21にて被覆されるので、該被覆部21が常にウォーム7aと接触することになり、該被覆部21にてウォーム7aから受ける衝撃が十分に吸収される。そのため、衝突音(噛み合い音)がより確実に抑制される。しかも、各歯部17aにおける被覆部21の内部は合成樹脂よりなるホイール本体22となっているので、該歯部17aは強度を十分に備えている。
【0022】
因みに、各歯面17bを被覆する被覆部21の厚さD1は、歯部17aの歯厚D2の5〜15[%]の間のいずれかの割合となるように設定されている。つまり、被覆部21の厚さD1は、歯部17aの先端に向かうほど、薄くなっていく。そして、歯面17bにおける被覆部21の厚さD1をこのような割合に設定すると、歯部17aの強度を十分に有しながら、被覆部21が衝突音の要因となるウォーム7aから受ける衝撃を十分に吸収できる。
【0023】
又、このようなウォームホイール17は、先ず合成樹脂にて被覆部21以外のホイール本体22を成形型にて成形し、成形されたホイール本体22を被覆部21を成形するための成形型に入れてエラストマ材料を型内に流し込んで、ホイール本体22の上記各部位に被覆部21が一体成形されて製造されている。ここで、被覆部21を少なくとも歯面17bに設ければ、該被覆部21が衝突音の要因となるウォーム7aから受ける衝撃を十分に吸収できるが、歯面17b以外の上記した各部位をも被覆することで成形する部分が連続するため、成形の際に、被覆部21が少なくとも必要な歯面17bへのエラストマ材料の回り込みが良好となる。そのため、被覆部21の成形が容易となるとともに、エラストマ材料の成形圧(射出圧)を小さく設定でき、該被覆部21を成形するための成形機を小型化できる。
【0024】
又、ギヤハウジング15におけるモータ本体2と対向する部位には、ブラシ装置19が固定されている。ブラシ装置19には、前記整流子10に摺接する給電ブラシ20が保持されている。ブラシ装置19は、外部から図示しない給電線を介して電源供給を受け、その電源を給電ブラシ20及び整流子10を介してアーマチャ6(巻線9)に供給するようになっている。これにより、アーマチャ6が回転し、アーマチャシャフト7が回転することにより、ウォーム7a及びウォームホイール17を介して出力軸18が回転され、該出力軸18の回転に基づいてワイパ装置が作動するようになっている。
【0025】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)ウォームホイール17は、歯部17aにおける歯面(ウォーム7aと接触する面)17bの表面において、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部21が合成樹脂よりなるホイール本体22に対して一体形成されて構成される。そのため、歯面17b全体がエラストマ材料よりなる被覆部21にて被覆されるので、該被覆部21が常にウォーム7aと接触することになり、該被覆部21にてウォーム7aギヤから受ける衝撃が十分に吸収される。そのため、衝突音(噛み合い音)をより確実に抑制することができる。従って、このウォームホイール17を用いたモータ1の静粛性、ひいては該モータ1を搭載する車両の静粛性を向上することができる。
【0026】
(2)歯部17aの表面全体と、隣接する歯部17a間の谷部17eの表面と、歯部17aより径方向内側においてウォームホイール17の全周にわたって環状をなす周縁部17fの表面とにおいて、被覆部21がホイール本体22に一体形成される。ここで、被覆部21を少なくとも歯面17bに設ければ、該被覆部21が衝突音の要因となるウォーム7aから受ける衝撃を十分に吸収できるが、歯面17b以外の各部位をも被覆することで成形する部分が連続するため、成形の際に、被覆部21が少なくとも必要な歯面17bへのエラストマ材料の回り込みが良好となる。そのため、被覆部21の成形が容易となるとともに、エラストマ材料の成形圧(射出圧)を小さく設定でき、該被覆部21を成形するための成形機の小型化を図ることができる。
【0027】
(3)歯面17bの表面に形成される被覆部21の厚さD1は、歯部17aの歯厚D2の5〜15[%]となるように設定される。そのため、歯部17aの強度を十分に有しながら、被覆部21が衝突音の要因となるウォーム7aから受ける衝撃を十分に吸収することができる。
【0028】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、歯部17aの表面全体と、隣接する歯部17a間の谷部17eの表面と、歯部17aより径方向内側においてウォームホイール17の全周にわたって環状をなす周縁部17fの表面とにおいて被覆部21を設けたが、被覆部21を設ける部位はこれに限定されるものではない。少なくとも歯部17aにおける歯面17bに設ければ足りる。
【0029】
○上記実施形態では、歯面17bの表面に形成される被覆部21の厚さD1を歯部17aの歯厚D2の5〜15[%]の間のいずれかの割合となるように設定、即ち被覆部21の厚さD1が歯部17aの先端に向かうほど薄くなるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、被覆部21の厚さD1を一定の厚さとしてもよい。又、この数値に限定されるものではない。
【0030】
○上記実施形態では、歯部17aの歯幅方向がウォームホイール17の軸線に対して傾斜したはすばギヤよりなるウォームホイール17に実施したが、歯部17aの歯幅方向がウォームホイール17の軸線に沿った通常のギヤよりなるウォームホイール17に実施してもよい。
【0031】
○上記実施形態では、歯部17aの先端部がウォームホイール17の軸方向と直交する方向から見て直線状をなしているが、図4に示すように、歯部17aの先端部を径方向内側に向かって円弧状に凹設してもよい。このようにすれば、ウォーム7aとの接触面積が増加するので、大きな駆動力をウォーム7aからウォームホイール17に伝達することができる。この場合、ウォームホイール17の歯部17a(歯面)においてはウォーム7aとの接触面積が増加するため、該接触面積の増加に伴って噛み合い音も増加する。そのため、歯部17a(歯面)の表面をエラストマ材料よりなる被覆部21にて被覆すると、より高い効果を得ることができる。
【0032】
○上記実施形態のウォームホイール17のホイール本体22にガラス繊維等の強化繊維を添加してもよい。このようにすれば、ホイール本体22は強化繊維が添加されるので、ウォームホイール17の強度は高くなる。しかも、強化繊維が歯面17bの表面に現れると、ウォーム7aを削ってしまい、ウォーム7aの寿命を短くするという問題がある(従来で述べた特許文献1)。しかしながら、上記実施形態では、歯面17bの表面は被覆部21にて被覆されているので、該歯面17bの表面には強化繊維が現れることはなく、ウォーム7aの寿命を短くするという問題の発生を防止することができる。つまり、ウォーム7aの寿命を短くすることなく、ウォームホイール17の強度を高めることができる。
【0033】
○上記実施形態では、先ず合成樹脂にてホイール本体22を成形し、その成形後、ホイール本体22を成形型に入れてエラストマ材料を型内に流し込んで被覆部21を一体成形してウォームホイール17を製造したが、製造方法はこれに限定されるものではない。例えば、ウォームホイール17(ホイール本体22)の表面全体に被覆部21を一体成形する場合、エラストマ材料を合成樹脂の周囲から該合成樹脂と同時に射出して成形するようにしてもよい。このようにすれば、ウォームホイール17(ホイール本体22)の表面全体に被覆部21を一体成形することができる。
【0034】
○上記実施形態では、ウォームホイール17に実施したが、これ以外の樹脂製ギヤに実施してもよい。この場合、相手ギヤであるウォーム7aも樹脂製ギヤに合わせて適宜変更する。
【0035】
○上記実施形態では、ウォームホイール17を車両用ワイパ装置のモータ1の減速部(減速機構)3に用いたが、車両用ワイパ装置以外のモータの減速部(減速機構)に用いてもよい。又、モータ以外の減速機構に用いてもよい。
【0036】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ) 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤを有し、モータ本体の回転を減速して出力するように構成される減速機構を備えたことを特徴とする減速機構付きモータ。
【0037】
(ロ) 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤの製造方法であって、
前記合成樹脂にて前記ギヤ本体を成形する工程と、
前記工程後、前記ギヤ本体の所定部位の表面に前記エラストマ材料よりなる被覆部を一体に成形する工程と、
を有することを特徴とする樹脂製ギヤの製造方法。
【0038】
(ハ) 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤの製造方法であって、
前記エラストマ材料よりなる前記被覆部を前記合成樹脂よりなる前記ギヤ本体に表面全体に一体成形すべく、前記エラストマ材料を前記合成樹脂の周囲から該合成樹脂と同時に射出して成形する工程を有することを特徴とする樹脂製ギヤの製造方法。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、相手ギヤとの噛み合い音をより確実に抑制することができる樹脂製ギヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のモータの断面図。
【図2】(a)はウォームホイールの平面図、(b)はウォームホイールの側断面図。
【図3】(a)はウォームホイールの要部拡大平面図、(b)は(a)のA−A断面図。
【図4】別例のウォームホイールの側断面図。
【符号の説明】
7a…相手ギヤとしてのウォーム、17…樹脂製ギヤとしてのウォームホイール、17a…歯部、17b…歯面、17e…谷部、17f…周縁部、21…被覆部、22…ギヤ本体としてのホイール本体、D1…厚さ、D2…歯厚。
Claims (6)
- 相手ギヤと噛み合う歯部を備えた樹脂製ギヤであって、
少なくとも前記歯部における前記相手ギヤと接触する歯面の表面において、弾性を有するエラストマ材料よりなる被覆部が合成樹脂よりなるギヤ本体に対して一体形成されていることを特徴とする樹脂製ギヤ。 - 請求項1に記載の樹脂製ギヤにおいて、
前記歯部の表面全体と、隣接する前記歯部間の谷部の表面と、前記歯部より径方向内側においてギヤの全周にわたって環状をなす周縁部の表面とにおいて、前記被覆部が前記ギヤ本体に一体形成されていることを特徴とする樹脂製ギヤ。 - 請求項1又は2に記載の樹脂製ギヤにおいて、
前記歯面の表面に形成される前記被覆部の厚さは、前記歯部の歯厚の5〜15[%]となるように設定されていることを特徴とする樹脂製ギヤ。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤは、ウォームホイールであることを特徴とする樹脂製ギヤ。
- 請求項4に記載の樹脂製ギヤにおいて、
前記ウォームホイールにおける前記歯部は、径方向内側に向かって円弧状に凹設されていることを特徴とする樹脂製ギヤ。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂製ギヤにおいて、
前記ギヤ本体は、強化繊維が添加されていることを特徴とする樹脂製ギヤ。
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- 2003-05-20 JP JP2003142368A patent/JP2004346981A/ja active Pending
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