JP2004346141A - 廃プラスチックの熱分解処理方法および脱塩素剤 - Google Patents
廃プラスチックの熱分解処理方法および脱塩素剤 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】塩素含有廃プラスチックを熱分解し、得られた気相または気液混相状態の塩素含有分解生成油をBET比表面積が10〜100m2 /gで、以下に規定する脱塩素剤(A)及び(B)の存在下、または、(C)の存在下で加熱脱塩素処理を行なうことから成る廃プラスチックの熱分解処理方法。
(A):酸化鉄および/または金属鉄と炭素とから成る鉄化合物−炭素複合体
(B):酸化カルシウムと炭素から成る酸化カルシウム−炭素複合体
(C):酸化鉄および/または金属鉄と炭酸カルシウムおよび/または酸化カルシウムと炭素から成る鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃プラスチックの熱分解処理方法および脱塩素剤に関し、詳しくは、熱分解油化方法によって得られる気相または気液混相状態の塩素含有分解生成油を原料とし、脱塩素剤の存在下に上記原料を加熱脱塩素処理して塩素濃度が低減された分解生成油として回収する廃プラスチックの熱分解処理方法および脱塩素剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃プラスチックのリサイクル方法として、サーマルリサイクル法とマテリアルリサイクル法とが挙げられ、特に、後者の1種である廃プラスチックの熱分解油化方法は注目されている。
【0003】
廃プラスチックの熱分解油化方法として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの共重合体(ABS)等の廃プラスチックに、粉砕、分離、分別等の前処理を施し、次いで、例えば、300〜350℃で1時間熱処理して廃プラスチック中に含まれる塩素を塩化水素として除去し、得られた塩化水素を排ガス処理工程で塩酸として回収し、他方、熱処理された廃プラスチックを、例えば、熱分解触媒の存在下400〜550℃で熱分解し、次いで、分留処理して分解ガス、塩素含有分解生成油および残渣に分けることから成る方法が提案されている。
【0004】
上述した廃プラスチックの熱分解油化方法において得られた塩素含有分解生成油の塩素含有量は、原料廃プラスチックの種類に応じて異るが、例えば、100〜1000ppm程度である。この様な塩素含有分解生成油は、装置などを腐食するのみでなく,燃料油として使用した際に,ダイオキシン等の環境や人体に有害な物質の発生原因となる。そこで、塩素含有分解生成油中の塩素を取り除く方法が種々提案されている。
【0005】
例えば、塩素含有分解生成油を、炭素−四三酸化鉄複合触媒材料と接触させて油中の塩素を前記炭素−四三酸化鉄複合触媒材料と反応または吸着させることから成る油中塩素の除去方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数9以上の有機塩素化合物に対する脱塩素効率が十分でなく、有機塩素化合物が残る問題がある。
【0006】
また、塩素含有廃プラスチック類を加熱分解して生成した塩素含有分解生成油を気相または気液混相状態で、塩化鉄を含浸させた多孔質固体より成る触媒に200〜450℃で接触させて、塩素含有分解生成油に含まれる有機塩素を無機塩素化し、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムおよび酸化カルシウムの1種または2種以上を活性炭と混合して粒状化した塩素固定剤により、生成した塩化水素を補足することから成る熱分解生成物中の塩素の除去方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数8以下の有機塩素化合物に対する脱塩素効率が十分でなく、有機塩素化合物が残る問題がある。
【0007】
半導体デバイス製造におけるドライエッチング工程およびクリーニング工程から排出されるハロゲン系ガスを含む排ガスを、酸化鉄、アルカリ土類金属化合物および活性炭から成るハロゲン系ガスの除害剤と接触させ、ハロゲン系ガスを除去する方法およびハロゲン系ガスの除害剤が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、ハロゲン系ガスの除害剤が、酸化鉄、アルカリ土類金属化合物および活性炭の混合物または粒状物であるため、有機塩素化合物に対する脱塩素効率が十分でなく、有機塩素化合物が残る問題がある。
【0008】
プラスチック類を加熱分解して生成した塩素含有分解生成油を、炭酸カルシウムと炭素から成る複合体および酸化鉄と炭素から成る複合体の存在下に350℃で加熱処理して、塩素含有分解生成油中の塩素を除去する方法が提案されている(非特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、PETフイルムを多く含む廃プラスチックの工業的スケールでの熱分解処理においては、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数8以下の有機塩素化合物に対する脱塩素効率が十分でない。
【0009】
【特許文献1】
特開2000ー80380号公報
【特許文献2】
特開2002ー69459号公報
【特許文献3】
特開2001ー338910号公報
【非特許文献1】
草葉敏彰、他7名、「炭酸カルシウム系・酸化鉄系精製材によるPVC含有廃プラスチック分解油の脱塩素」、第13回廃棄物学会研究発表会講演論文集 2002、p420―422
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、塩素含有廃プラスチックを熱分解し、得られた気相または気液混相状態の塩素含有分解生成油を加熱脱塩素処理して塩素濃度が低減された分解生成油として回収する廃プラスチックの熱分解処理方法であって、塩素含有分解生成油中の塩素をより効率的に除去することの出来る廃プラスチックの熱分解処理方法および脱塩素剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、BET比表面積が10〜100m2 /gであって、鉄化合物−炭素複合体および酸化カルシウム−炭素複合体、または、鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体の脱塩素剤で、廃プラスチックを熱分解して得た塩素含有分解生成油を加熱処理すると、分解生成油中の塩素をより効率的に除去することの出来るとの知見を得た。
【0012】
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その第一の要旨は、塩素含有廃プラスチックを熱分解し、得られた気相または気液混相状態の塩素含有分解生成油を加熱脱塩素処理して塩素濃度が低減された分解生成油として回収する廃プラスチックの熱分解処理方法において、BET比表面積が10〜100m2 /gであって、以下に規定する脱塩素剤(A)及び(B)の存在下、または、(C)の存在下に、上記の加熱脱塩素処理を行なうことを特徴とする廃プラスチックの熱分解処理方法に存する。
【0013】
(A):酸化鉄および/または金属鉄と炭素とから成る鉄化合物−炭素複合体
(B):酸化カルシウムと炭素から成る酸化カルシウム−炭素複合体
(C):酸化鉄および/または金属鉄と炭酸カルシウムおよび/または酸化カルシウムと炭素から成る鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体
【0014】
また、本発明の第二の要旨は、 鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体(C)から成る脱塩素剤であって、鉄化合物の割合が5〜50重量%、炭酸カルシウムおよび/または酸化カルシウムの割合が40〜94重量%、炭素の割合が1〜10重量%であり、上記の鉄化合物が、四三酸化鉄、四三酸化鉄とγ−酸化第二鉄とのベルトライド化合物および金属鉄の少なくとも1種であることを特徴とする脱塩素剤に存する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の塩素含有廃プラスチックを熱分解し、得られた気相または気液混相状態の塩素含有分解生成油を加熱脱塩素処理して塩素濃度が低減された分解生成油として回収する廃プラスチックの熱分解法は、基本的には従来公知の方法と同じである。
【0016】
即ち、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの共重合体(ABS)等の廃プラスチックに、粉砕、分離、分別等の前処理を施し、300〜350℃で0.5〜3時間熱処理して廃プラスチック中に含まれる塩素を塩化水素として除去し、熱処理された廃プラスチックを熱分解触媒の存在下400〜550℃で2〜5時間熱分解し、蒸留塔等によって分解ガスおよび塩素含有分解生成油に分留し、次いで、得られた塩素含有分解生成油を脱塩素剤としての複合体の存在下で加熱脱塩素処理する方法である。
【0017】
本発明における塩素含有分解生成油の加熱脱塩素処理は、脱塩素剤としての複合体を所定量充填した脱塩素槽を使用する、そして、脱塩素剤として、鉄化合物−炭素複合体(A)、酸化カルシウム−炭素複合体(B)、鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体(C)を使用する。以下、複合体(A)を充填した脱塩素槽を「脱塩素槽(A)」と記載し、他の複合体を充填した脱塩素槽についても同様に表記する。また、複合体(A)及び(B)を充填した脱塩素槽を「脱塩素槽(A・B)」と記載する。
【0018】
本発明の加熱脱塩素処理は、(1)脱塩素槽(A)と脱塩素槽(B)とを順次に配置した脱塩装置、(2)脱塩素槽(B)と脱塩素槽(A)とを順次に配置した脱塩装置、(3)脱塩素槽(A・B)を備えた脱塩装置、(4)脱塩素槽(C)を備えた脱塩装置を使用して行なうことが出来る。また、これらの脱塩装置において、異る複合体を独立した状態で使用する場合、各複合体は1つの脱塩素槽の中に2層に充填されていてもよい。
【0019】
本発明の加熱脱塩素処理は、上記の脱塩装置に気相または気液混相状態の塩素含有分解生成油を流すことによって行う。脱塩素剤との接触温度は、通常200〜450℃、好ましくは300〜400℃である。脱塩素槽内の圧力は、通常1〜20気圧、好ましくは1〜10気圧である。接触温度が低すぎると、脱塩素効果が小さくなり、接触温度が高すぎると、エネルギーコストが多大となり好ましくない。尚、脱塩素剤の量は、廃プラスチック100kg当り通常5〜50kg、好ましくは10〜40kgである。
【0020】
塩素含有分解生成油に含有される有機塩素化合物中の50重量%以上が、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数9以上の有機塩素化合物の場合は、前記(1)の脱塩装置を使用するのが好ましい。他方、有機塩素化合物中の50重量%以上が、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数8以下の有機塩素化合物の場合は、前記(2)の脱塩装置を使用するのが好ましい。
【0021】
上述のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数9以上の有機塩素化合物とn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数8以下の有機塩素化合物の含有量が略同程度の場合は、前記(3)又は(4)の脱塩装置を使用するのが好ましい。
【0022】
上述の廃プラスチックの熱分解処理方法は、分解生成油の塩素濃度を、通常50ppm以下、好ましくは40ppm以下、更に好ましくは20ppm以下にすることが出来る。また、上述の廃プラスチックの熱分解処理方法おいては、使用する脱塩素剤が塩化水素をも除去することが出来るため、前処理後の塩化水素を除去する熱処理工程を省略することも出来る。
【0023】
本発明の廃プラスチックの熱分解処理方法において、塩素含有分解生成油に含まれる有機塩素化合物は、複合体と接触して脱塩素分解され、無機塩素として複合体に固定される。塩素が複合体に固定されるメカニズムは、必ずしも明らかではないが、複合体を構成する鉄化合物と塩素化合物が反応して塩化鉄が生じ、且つ、カルシウム化合物と塩素化合物が反応して塩化カルシウムが生じて固定されるものと考えられる。また、微細な孔を有する炭素表面にも塩素が収着した状態で固定されるものと考えられる。
【0024】
次に、塩素含有分解生成油の加熱脱塩素処理において使用される前記の脱塩素剤の詳細について説明する。
【0025】
鉄化合物−炭素複合体(A)における酸化鉄および/または金属鉄の量は、通常90〜99重量%、好ましくは92〜98重量%、更に好ましくは95〜98重量%であり、且つ、炭素の量は、通常1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、更に好ましくは2〜5重量%である。鉄化合物−炭素複合体(A)のBET比表面積は、通常10〜100m2 /g、好ましくは20〜100m2 /g、更に好ましくは30〜100m2 /gである。
【0026】
鉄化合物−炭素複合体(A)において、炭素が1重量%未満の場合は、複合体を成形物とした際の強度が著しく低下し、BET比表面積が小さくなる傾向にある。また、鉄化合物粒子表面への炭素の被覆が不十分となり、塩素含有分解生成油が吸着し難くなって脱塩素能が低下する傾向にある。10重量%を超える場合は、鉄化合物粒子表面への炭素被覆が過剰となり、鉄化合物の脱塩素能を阻害する傾向にある。BET比表面積が10m2 /g未満または100m2 /gを超える場合は、脱塩素能が低下する傾向にある。
【0027】
酸化カルシウム−炭素複合体(B)における酸化カルシウムの量は、通常90〜99重量%、好ましくは92〜98重量%、更に好ましくは95〜98重量%であり、且つ、炭素の量は、通常1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、更に好ましくは2〜5重量%である。酸化カルシウム−炭素複合体(B)のBET比表面積は、通常10〜100m2 /g、好ましくは10〜90m2 /g、更に好ましくは20〜80m2 /gである。
【0028】
酸化カルシウム−炭素複合体(B)において、炭素が1重量%未満の場合は、複合体を成形物とした際の成形強度が著しく低下し、BET比表面積が小さくなる傾向にある。また、酸化カルシウム粒子表面への炭素の被覆が不十分となり、有機塩素化合物が吸着し難くなって脱塩素能が低下する傾向にある。10重量%を超える場合は、酸化カルシウム粒子表面への炭素被覆が過剰となり、酸化カルシウムの脱塩素能を阻害する傾向にある。BET比表面積が10m2 /g未満または100m2 /gを超える場合は、脱塩素能が低下する傾向にある。
【0029】
鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体(C)における酸化鉄および/または金属鉄の量は、通常5〜50重量%、好ましくは5〜45重量%、更に好ましくは10〜45重量%で、炭酸カルシウムおよび/または酸化カルシウムから成るカルシウム化合物の量は、通常40〜94重量%、好ましくは47〜93重量%、更に好ましくは50〜88重量%、且つ、炭素の量は、通常1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、更に好ましくは2〜5重量%である。鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体(C)のBET比表面積は、通常10〜100m2 /g、好ましくは15〜100m2 /g、更に好ましくは20〜90m2 /gである。
【0030】
鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体(C)において、鉄化合物が5重量%未満の場合は、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数8以下の有機塩素化合物に対する脱塩素能が低下し、鉄化合物が50重量%を超える場合は、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数9以上の有機塩素化合物に対する脱塩素能が低下する傾向にある。カルシウム化合物が40重量%未満の場合は、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数9以上の有機塩素化合物に対する脱塩素能が低下し、カルシウム化合物が94重量%を超える場合は、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数8以下の有機塩素化合物に対する脱塩素能が低下する傾向にある。炭素が1重量%未満の場合は、複合体を成形物とした際の強度が著しく低下し、BET比表面積が小さくなる傾向にある。また、鉄化合物粒子表面への炭素の被覆が不十分となり、塩素含有分解生成油が吸着し難くなって脱塩素能が低下する傾向にある。10重量%を超える場合は、鉄化合物とカルシウム化合物粒子表面への炭素被覆が過剰となり、鉄化合物とカルシウム化合物の脱塩素能を阻害する傾向にある。BET比表面積が10m2 /g未満または100m2 /gを超える場合は、脱塩素能が低下する傾向にある。
【0031】
複合体を構成する鉄化合物としては、γ−酸化第二鉄、四三酸化鉄、四三酸化鉄とγ−酸化第二鉄とのベルトライド化合物等の酸化鉄および金属鉄が挙げられる。
【0032】
複合体を構成するカルシウム化合物としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム等が挙げられる。また、複合体を構成する炭素としては、フェノール樹脂由来の炭素などが挙げられる。
【0033】
上述の鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体(C)中、塩素含有分解生成油に対する脱塩素能の点から、 四三酸化鉄、四三酸化鉄とγ−酸化第二鉄とのベルトライド化合物および金属鉄の少なくとも1種の鉄化合物5〜50重量%と、炭酸カルシウムおよび/または酸化カルシウム40〜94重量%および炭素1〜10重量%から成り且つBET比表面積が10〜100m2 /gである鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体が好ましい。
【0034】
本発明における鉄化合物−炭素複合体(A)は、例えば、フェノール樹脂と酸化鉄粉末とを混合してフェノール樹脂に含浸させ、窒素雰囲気中450〜900℃で熱分解する、あるいは、更に水素雰囲気中300〜600℃で還元処理することによって調製される。
【0035】
本発明における酸化カルシウム−炭素複合体(B)は、例えば、フェノール樹脂とカルシウム化合物粉末とを混合してフェノール樹脂に含浸させ、窒素雰囲気中500〜900℃で熱分解することによって調製される。
【0036】
使用される酸化鉄としては、α−FeO(OH)等の含水酸化鉄、α−Fe2 O3 等の酸化第二鉄、四三酸化鉄の内の1種または2種以上の混合物である。使用されるカルシウム化合物としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウムの内の1種または2種以上の混合物である。使用されるフェノール樹脂としては、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等が挙げられ、その平均分子量は、通常100以上、好ましくは300〜20000である。また、フェノール樹脂中のモノマー残存量は、好ましくは15重量%以下である。モノマー残存量が多いと、窒素雰囲気中の熱分解が急激に起こり、鉄化合物やカルシウム化合物粒子表面の炭素の被覆が不均一となる傾向にある。
【0037】
本発明の鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体(C)は、例えば、フェノール樹脂と酸化鉄粉末およびカルシウム化合物粉末とを混合してフェノール樹脂含浸させ、窒素雰囲気中450〜900℃で熱分解する、あるいは、更に水素雰囲気中300〜600℃で還元処理することによって調製される。原料としての鉄化合物、カルシウム化合物およびフェノール樹脂は、前述と同様のものを使用し得る。
【0038】
上記の複合体においては、鉄化合物粒子および/またはカルシウム化合物粒子表面に炭素が均一被覆されていることが必要がある。この被覆炭素に塩素含有分解生成油が効率的に吸着し、次いで、鉄化合物および/またはカルシウム化合物により脱塩素される。それ故、鉄化合物および/またはカルシウム化合物と、活性炭やコークス等の炭素質物質を単純に乾式混合した又は粒状化した場合は、鉄化合物粒子および/またはカルシウム化合物粒子表面が炭素で十分に被覆されないため、十分な脱塩素能を得ることが出来ない。
【0039】
フェノール樹脂は、アルコールまたはアルコール/水混合溶媒に溶解して使用するのが好ましい。この場合、更に、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール類、カルボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤の表面改質剤を添加するのがより好ましい。斯かる溶媒と表面改質剤の使用により、少量のフェノール樹脂で、均一かつ緻密な炭化物が得られ、複合体の多孔性と成形強度が得られる。
【0040】
脱塩素槽に充填する複合体の形状は、粒状またはペレット状が好ましい。粒状またはペレット状複合体は、例えば、酸化鉄粉末または/およびカルシウム化合物粉末をフェノール樹脂に混合した後、窒素雰囲気中で熱処理する前に、押出し成形機や圧縮成形機を使用して粒状化またはペレット状化し、次いで、窒素雰囲気中で熱処理することにより得られる。尚、成形時には、適度の水などの溶媒を添加してもよい。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
複合体の比表面積はBET法により測定した値で示した。複合体組成の同定はX線回析装置(理学電気工業(株)製RINT2500)を使用して行った。複合体中のCa量およびFe量は、複合体0.20gを18%塩酸溶液30mlに煮沸溶解した後、純水を加えて2リットルに希釈して、高周波プラズマ発光分光分析装置(日本ジャーレル・アッシュ(株)製ICAP−575)で測定した。
【0043】
実施例1<鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体の調製:複合体1>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積15m2/gのJIS特号消石灰3.70kgとBET比表面積85m2/gの含水酸化鉄(α−FeO(OH))0.444kgとに、ベタイン型両性界面活性剤(三洋化成(株)製レボン2000)を3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液を0.248kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に対して水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理し、酸化カルシウム85.9重量%、四三酸化鉄11.8重量%、炭素2.3重量%を含むBET比表面積40.2m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体1とした。
【0044】
実施例2<鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体の調製:複合体2>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積15m2/gの炭酸カルシウム3.70kgとBET比表面積10m2/gの酸化第二鉄(α−Fe2O3)0.958kgとに、プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液を0.932kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理し、炭酸カルシウム69.1重量%、四三酸化鉄22.9重量%、炭素8.0重量%を含むBET比表面積52.6m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体2とした。
【0045】
実施例3<鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体の調製:複合体3>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積15m2/gの水酸化カルシウム3.70kgとBET比表面積85m2/gの含水酸化鉄(α−FeO(OH))0.444kgとに、プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液を0.414kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下にて600℃で1時間熱処理し、酸化カルシウム84.1重量%、四三酸化鉄11.6重量%、炭素4.3重量%を含むBET比表面積43.2m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体3とした。
【0046】
実施例4<鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体の調製:複合体4>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積15m2/gの炭酸カルシウム2.80kgとBET比表面積85m2/gの含水酸化鉄(α−FeO(OH))0.444kgとに,プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液を0.414kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理し、炭酸カルシウム83.9重量%、四三酸化鉄11.7%、炭素4.4重量%を含むBET比表面積37.8m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体4とした。
【0047】
実施例5<鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体の調製:複合体5>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積15m2/gの水酸化カルシウム2.00kgとBET比表面積85m2/gの含水酸化鉄(α−FeO(OH))2.00kgとに、プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノール溶媒の55重量%フェノール樹脂溶液(大日本インキ化学工業(株)製「フェノライト5010」;平均分子量:430,残存モノマー:13重量%)を0.364kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理した後、さらに水素雰囲気下、500℃で1時間還元処理し、酸化カルシウム52.0重量%、金属鉄(α−Fe)43.2%、炭素4.8重量%を含むBET比表面積35.1m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体5とした。
【0048】
製造例1<複合体6>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積85m2/gの含水酸化鉄(α−FeO(OH))0.400kgに、プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液を0.400kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下、500℃で1時間熱処理した後、さらに水素雰囲気下、500℃で1時間還元処理し、金属鉄96.7重量%、炭素3.3重量%を含むBET比表面積50.1m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体6とした。
【0049】
製造例2<複合体7>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積15m2/gの水酸化カルシウム4.00kgに、プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液を0.400kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理し、酸化カルシウム95.6重量%、炭素4.4重量%を含むBET比表面積35.2m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体7とした。
【0050】
製造例3<複合体8>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積15m2/gの炭酸カルシウム4.00kgに、プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液を0.520kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理し、炭酸カルシウム95.7重量%、炭素4.3重量%を含むBET比表面積32.5m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体8とした。
【0051】
製造例4<複合体9>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を用いて、BET比表面積15m2/gの水酸化カルシウム4.00kgに、プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液を0.720kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理し、酸化カルシウム92.3重量%、炭素7.7重量%を含むBET比表面積57.3m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体9とした。
【0052】
製造例5<複合体10>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積85m2/gの含水酸化鉄(α−FeO(OH))4.00kgに,プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液を0.400kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下、500℃で1時間熱処理し、四三酸化鉄96.0重量%、炭素4.0重量%を含むBET比表面積53.2m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体10とした。
【0053】
製造例6<複合体11>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積85m2/gの含水酸化鉄(α−FeO(OH))4.00kgに、プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合した溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液を0.810kg添加して、50℃、1400rpmで5分間混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体をレトルト炉に充填し、窒素雰囲気下、500℃で1時間熱処理し、四三酸化鉄92.4重量%、炭素7.6重量%を含むBET比表面積70.8m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体11とした。
【0054】
製造例7<複合体12>
複合体7と複合体10を重量比2:1で乾式混合し、酸化カルシウム63.8重量%、四三酸化鉄32.0重量%、炭素4.2重量%を含むBET比表面積41.0m2/gの複合体成形混合物を得た。これを複合体12とした
【0055】
製造例8<複合体13>
流動式のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製FM20C/I型)を使用して、BET比表面積15m2/gの炭酸カルシウム3.57kg、BET比表面積10m2/gの四三酸化鉄(1.10kgおよびにBET比表面積800m2/gの活性炭0.330kgを室温にて1400rpmで5分間乾式混合した。得られた混合物に水を30重量%添加し、高速転動式のオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−30SA型)で混合した。この混合物を連続ペレット製造装置プレスペレッター(千代田技研工業(株)製FMP−180型)を使用して、8mmφ×8mmに成形した。得られた成形体を80℃で8時間乾燥させ、炭酸カルシウム71.4重量%、四三酸化鉄22.0重量%、活性炭6.6重量%を含む混合成形物(8mmφ×8mm)を得た。この混合成形物をTEM観察したところ、炭酸カルシウム、四三酸化鉄および活性炭粒子は、単純混合された状態となっていた。これを複合体13とした。
【0056】
製造例9<複合体14>
プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液の添加量を1.24kgに変えた以外は、実施例4と同様の方法で調製して、酸化カルシウム77.3重量%、四三酸化鉄10.7重量%、炭素12.0重量%を含むBET比表面積102m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体14とした。
【0057】
製造例10<複合体15>
プロピレングリコールモノメチルエーテルを3重量%添加したエタノールと水との等量混合溶媒の50重量%フェノール樹脂(カネボウ(株)製「ベルパールS890」;平均分子量:10000,残存モノマー:50ppm以下)溶液の添加量を0.082kgに変えた以外は、実施例4と同様の方法で調製して、炭酸カルシウム87.1重量%、四三酸化鉄12.0重量%、炭素0.9重量%を含むBET比表面積20.1m2/gの複合体成形物(8mmφ×8mm)を得た。これを複合体15とした。
【0058】
各種複合体の組成、各成分の含有率および複合体比表面積を表1〜2に示す。
【0059】
実施例6<プラスチック熱分解油の脱塩素試験>
熱分解装置の上部に設けられた2基の脱塩素槽(A、B)(200mmφ×1000mm)のそれぞれに、実施例1で得られた複合体1を各10kg充填し、加熱コイルで350℃に保持した。
【0060】
上記の熱分解装置に、都市分別廃プラスチック(PE42重量%、PP18重量%、PS24重量%、PVCおよびPVDC7重量%、PET8重量%、その他1重量%)85kgを導入し、20リットル/minで窒素を流しながら室温から500℃まで15℃/minで昇温した後、500℃、4時間保持して廃プラスチックを熱分解した。得られたガス状の塩素含有分解生成油を上記の脱塩素槽に導入して350℃で加熱脱塩素処理し、次いで、冷却塔に導入して200℃以下に冷却して塩素濃度が低減された分解生成油36kgを得た。
【0061】
分解生成油中の有機塩素化合物の塩素含有量を次の方法で求めた。まず、有機塩素化合物の標準物質として1,2,4−トリクロロベンゼン1μlを分解生成油1mlに加えた混合溶液1μlを、オートインジェクターで原子発光検出器付きガスクロマトグラフGC−AED(HEWLETT PACKARD社製、GC:HP6890、AED:HPG2350A、石油分析カラム:カラム液相HP―1,昇温条件:40℃で15min維持した後、5℃/minの昇温速度で300℃まで昇温し、25分間維持)に注入し、塩素を検出元素として、保持時間に対応する有機塩素化合物の塩素ピークを得た。標準物質の塩素ピークを除いた残りの塩素ピーク群の合計面積から内部標準法により、以下の(1)および(2)の計算をして塩素含有量を求めた。
【0062】
(1)分解生成油中の有機塩素化合物の塩素濃度(g−Cl/mlサンプル)=AED検出量(ng−Cl/μlサンプル)×101×1.002×10−6(但し、101は検出器のスプリット補正を示し、1.002は希釈の補正を示し、10−6は単位変換数である。)
【0063】
(2)分解生成油中の有機塩素化合物の塩素含有量(ppm)分解生成油中の有機塩素化合物の塩素濃度(g−Cl/mlサンプル)/分解生成油の密度(g/mlサンプル)×106
【0064】
そして、分解生成油中のn−パラフィン相当炭素数分布における炭素数8以下と炭素数9以上の有機塩素化合物の塩素含有量の比率を次の方法で求めた。
【0065】
予め、原子発光検出器付きガスクロマトグラフGC−AED(HEWLETTPACKARD社製、GC:HP6890、AED:HPG2350A、石油分析カラム:カラム液相HP―1,昇温条件:40℃で15min維持した後、5℃/minの昇温速度で300℃まで昇温し、25分間維持)により、炭素を検出元素として、炭素数5〜25のn−パラフィンの保持時間を測定し、n−パラフィンの炭素数と保持時間の関係を求めた。その結果は、炭素数の多いn−パラフィンほど、保持時間が長くなる関係であった。
【0066】
前述の分解生成油中に含有される有機塩素化合物の塩素含有量の測定結果から上記関係に基づいて塩素含有量のn−パラフィン相当炭素数分布を求めた。得られた分布から、炭素数8のn−パラフィンの保持時間以下に検出される有機塩素化合物の塩素ピーク群の合計面積からn−パラフィン相当炭素数8以下の有機塩素化合物の塩素含有量を求め、炭素数8のn−パラフィンの保持時間を超えて検出される有機塩素化合物の塩素ピーク群の合計面積からn−パラフィン相当炭素数9以上の有機塩素化合物の塩素含有量を求めた。それぞれの比率を重量%として示した。
【0067】
なお、分解生成油中に存在する炭素数5のn−パラフィンに相当する有機塩素化合物としては、クロロエチレンおよび2−クロロ−2−メチルプロパン、炭素数8のn−パラフィンに相当する有機塩素化合物としては、2−クロロ−2−メチルペンタン、炭素数10のn−パラフィンに相当する有機塩素化合物としては、1−クロロ−1−フェニルエチレン、炭素数11のn−パラフィンに相当する有機塩素化合物としては、2−クロロ−2−フェニルプロパン、炭素数14のn−パラフィンに相当する有機塩素化合物としては、エタノン−2−クロロ−1−フェニルが挙げられる。
【0068】
この分解生成油中の塩素含有量は15ppm(分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数8以下の有機塩素化合物の塩素含有量:67重量%、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数9以上の有機塩素化合物の塩素含有量:33重量%)であった。なお、ブランク試験として、反応塔に本発明の複合体を充填しない以外は、上記と同様な操作で熱分解油を得た。この熱分解油中の有機塩素含有量は1030ppm(分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数8以下の有機塩素化合物の塩素含有量:60重量%、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数9以上の有機塩素化合物の塩素含有量:40重量%)であった。
【0069】
実施例7〜15、比較例1〜4、参考例1〜2<分解生成油の脱塩素試験>
反応塔2基(A、B)へ充填する複合体の種類および充填量を変えた以外は実施例6と同様にしてプラスチック熱分解油の脱塩素実験を行った。プラスチック熱分解油の脱塩素試験の諸条件と結果を表3〜4に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、塩素含有廃プラスチックを熱分解し、得られた気相または気液混相の塩素含有分解生成油を加熱脱塩素処理して塩素濃度が低減された分解生成油として回収する廃プラスチックの熱分解処理方法において、塩素含有分解生成油中の塩素を効率的に除去することが出来る方法が提供され、本発明の工業的な価値は顕著である。
Claims (7)
- 塩素含有廃プラスチックを熱分解し、得られた気相または気液混相状態の塩素含有分解生成油を加熱脱塩素処理して塩素濃度が低減された分解生成油として回収する廃プラスチックの熱分解処理方法において、BET比表面積が10〜100m2 /gであって、以下に規定する脱塩素剤(A)及び(B)の存在下、または、(C)の存在下に、上記の加熱脱塩素処理を行なうことを特徴とする廃プラスチックの熱分解処理方法。
(A):酸化鉄および/または金属鉄と炭素とから成る鉄化合物−炭素複合体
(B):酸化カルシウムと炭素から成る酸化カルシウム−炭素複合体
(C):酸化鉄および/または金属鉄と炭酸カルシウムおよび/または酸化カルシウムと炭素から成る鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体 - 鉄化合物−炭素複合体(A)において、酸化鉄および/または金属鉄の割合が90〜99重量%で炭素の割合が1〜10重量%である請求項1に記載の方法。
- 酸化カルシウム−炭素複合体(B)において、酸化カルシウムの割合が90〜99重量%で炭素の割合が1〜10重量%である請求項1に記載の方法。
- 鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体(C)において、酸化鉄および/または金属鉄の割合が5〜50重量%、炭酸カルシウムおよび/または酸化カルシウムの割合が40〜94重量%、炭素の割合が1〜10重量%である請求項1に記載の方法。
- 塩素含有分解生成油に含有される有機塩素化合物中の50重量%以上が、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数9以上の有機塩素化合物であり、鉄化合物−炭素複合体(A)を酸化カルシウム−炭素複合体(B)に先行して使用する請求項1〜3の何れかに記載の方法。
- 塩素含有分解生成油に含有される有機塩素化合物中の50重量%以上が、分解油のn―パラフィン相当炭素数分布における炭素数8以下の有機塩素化合物であり、酸化カルシウム−炭素複合体(B)を鉄化合物−炭素複合体(A)に先行して使用する請求項1〜3の何れかに記載の方法。
- 鉄化合物−カルシウム化合物−炭素複合体(C)から成る脱塩素剤であって、鉄化合物の割合が5〜50重量%、炭酸カルシウムおよび/または酸化カルシウムの割合が40〜94重量%、炭素の割合が1〜10重量%であり、上記の鉄化合物が、四三酸化鉄、四三酸化鉄とγ−酸化第二鉄とのベルトライド化合物および金属鉄の少なくとも1種であることを特徴とする脱塩素剤。
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