JP2004345958A - 蛋白質リフォールド装置および蛋白質リフォールド装置の使用方法 - Google Patents

蛋白質リフォールド装置および蛋白質リフォールド装置の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蛋白質リフォールド装置及び蛋白質リフォールド装置の使用方法に関し、蛋白質のリフォールド処理を人手によらずに、種々の蛋白質について、効率的かつ正確に行うことができる蛋白質リフォールド装置及び蛋白質リフォールド装置の使用方法を提供することである。
【解決手段】本発明は、リフォールド対象の蛋白質を含有する蛋白質溶液を収容可能な1または2以上の容器を載置して、所定の閉じた搬送経路に沿って該容器を搬送する搬送部と、前記搬送経路に設けられ、前記容器内の蛋白質溶液の光学的性質を測定する光学測定部と、該搬送経路に設けられ、該容器内の蛋白質溶液のpHを測定するpH測定部と、該搬送経路に設けられ、該容器内の蛋白質溶液のpHを調節するための試薬を含む複数種類の試薬を各々供給可能とする試薬供給部とを有するように構成する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動蛋白質リフォールド装置および自動蛋白質リフォールド装置の使用方法に関する。本発明は、組換え蛋白質の製造の分野、特に、E. coli(大腸菌)原核生物発現系の封入体に発現された組換え蛋白質のリフォールド(本来の働きを失っている不活性型凝集蛋白質の間違った構造を解きほぐし、正しい立体構造に巻き戻すこと)の分野で用いられる。
【0002】
「プロテオミクス」と呼ばれる、天然型の生物活性および構造をもった組換え蛋白質の発現は、いくつかの有機体及びヒトに対するゲノム解析の完成とともに重要性が増大している。プロテオミクスの1つの側面は、商業的な応用とともに、構造および機能研究のための大量の蛋白質を発現することである。組換え蛋白質を安価で効率的に発現する方法は、大腸菌内に蛋白質を発現することである。
蛋白質は菌体内に発現されるか、またはペリプラズム空間に隠れる。前者の場合には、前記蛋白質は、特にその蛋白質がジスルフィド結合を持つ場合にはしばしば封入体に沈積する。
【0003】
しかしながら、大腸菌内に、哺乳類の蛋白質を発現する場合の1の問題点は、発現された蛋白質の大部分が、不溶性の封入体を形成することである。この問題点は、種々の哺乳類または昆虫の発現系を使用することにより、回避されるが、大腸菌を培養することは、哺乳類および昆虫の培養に比較してより早くかつより安価である。さらに、ある蛋白質は、その天然型に発現される場合に、そのホストに対して毒であるため、このような不溶性の封入体としての発現は、大量の組換え蛋白質を得る唯一の方法である。重要なことは、高いレベルの発現が、大部分の蛋白質に対して達成できることである。細菌培養のリットル当り400から600mgの封入体は、日常的に達成され、この方法を使用して9700mg/Lまでが報告されている(非特許文献1)。封入体は、簡単な凍結/融解および界面活性剤洗浄法によって、容易に90%以上に精製される。
【0004】
封入体は、その細胞が光学顕微鏡下で観測すると、高密度のカイコ細胞質微粒のように見える。典型的には、その細胞は、前記細胞の機械的破裂により分解し、4700gで、30分間の間の遠心分離を行う。封入体は、低い遠心力で沈降し、多数の他の細胞内蛋白質から分離することができる。さらに、前記細胞破裂の間に用いたバッファ液によって、前記ペレット状のものを洗浄し、または、40から50%のグリセロール内に再懸濁したペレットを遠心分離することによってさらなる精製がされる。
【0005】
真核生物の菌体外の多数の蛋白質は、ジスルフィド結合を含有する。多重ジスルフィド結合を有する蛋白質は、変形された構造からの折りたたみ(フォールディングfolding)の間に、非天然型ジスルフィド結合を形成するかも知れない。
さらに、もし、正しくないジスルフィド結合が、外部のチオールの削減または蛋白質のチオールからの攻撃によって硬く結合しなのであれば、折りたたみは、それから妨げられる。封入体としての原核生物における組換え蛋白質の発現の明らかな不利益は、蛋白質はその天然型内では得られず、かつ典型的には機能的に活性化していないということである。
【0006】
【従来の技術】
従来、前記蛋白質を分解しかつ活性化蛋白質を改質するようにそれらをリフォールドする多数の方法があった。ペレット状の組換え蛋白質の溶解は、通常7M(モル濃度)の塩酸化グアニジンまたは8Mの尿素のような変性剤を必要とする。
蛋白質の凝集の量は、もし、蛋白質が、変性剤中に残ったままにしておくならば、増加する(非特許文献2)。透析または脱塩カラムによる前記可溶化した封入体からの変性剤の除去は、前記蛋白質を、天然型蛋白質がリフォールドされるのに必要な条件の下で沈澱させる。誤って折りたたまれた蛋白質溶液は、生物的検査においては、非常に低い特異的な活性をもつ。
【0007】
封入体として、大腸菌内の種々の蛋白質の発現および折りたたみについての多数の報告があるけれども、蛋白質の折りたたみにおける誤解の1つは、唯一のリフォールド法は各個々の蛋白質ごとに開発しなければならいということである(非特許文献2)。他の誤解は、哺乳類の蛋白質の大部分は、封入体からリフォールドすることができないということである(非特許文献3、非特許文献4)。公開された仕事は、大部分、大腸菌からの封入体をリフォールドする「サクセス」物語であるので、この工程を使用した場合に、精製された哺乳類蛋白質についての割合がどの程度であるかの一般的な思想を得ることは不可能である。
【0008】
文献(非特許文献3、非特許文献4) 内に報告されたリフォールド蛋白質より多数のリフォールドする方法がある。種々のシャペロン、活性化剤およびカオトロピック剤が、リフォールディングを補助するために使用されている。加えて、pH,イオン化強度、温度、バッファ組成、および還元/酸化試薬が、全てリフォールドに影響を与えることができる。プロテオミクスまたは構造ゲノミクスにおける研究で要求されるような、大量の蛋白質をリフォールドするためにこれらの条件を全て試験することは、負担が大きいであろう。
【0009】
組換え系、特に、大腸菌のような系において封入体を形成する系において、発現した大部分の蛋白質をリフォールドするための単一の簡単な手順が必要である。このような手順として、本出願の発明者によって、蛋白質、特に、組換え蛋白質、さらに言えば、細菌のホスト内において存在する組換え蛋白質をリフォールドするための方法が提供されている(特許文献1)。
【0010】
該方法は、折りたたみの対象となる封入体に発現した蛋白質を解きほぐす工程と、生物学的活性型の正しい立体構造に巻き戻す工程という2つの主要な工程からなっている。第1の工程は、変性剤の存在下で、蛋白質溶液のpHを、9以上に、好ましくは10にまで上昇させることである。該蛋白質溶液は、約24時間までの期間の間、その高められたpHにされるか、または、直ちにゆっくりと下降するpH、24時間当り約0.2pHの減少分で、前記溶液が約8.0のpHに達するまで、または、両方の工程が用いられる。好ましくは、精製された封入体は、8Mの尿素、0.1Mのトリス(2−amino−2−hydroxymethyl−1, 3−propanediolはpH8前後で非常に強い緩衝作用があり、緩衝液として頻用される)、1mM グリシン、1mMのEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、10mM βメルカプトエタノール、10mM のジチオトレイトール(DTT)、1mM の 還元化グルタチオン(GSH)、0.1mHの、酸化グルタチオン(GSSG)でpH10の場合に、分解される。
前記蛋白質溶液の280nmの波長の光に対する吸収度(OD280)は、5.0である。
この溶液は、20mMトリスを主成分とする体積の20倍にまで、急速に希釈化される。その結果としての溶液は、1MのHClをもったpH9.0に調節される。24時間の間4℃に維持される。該pHはpH8.8に調節され、該溶液は、もう24時間の間4℃に維持される。この工程は、前記pHが、8.0に調節されるまで繰り返される。pH8.0で、24時間経過した後、リフォールドされた蛋白質は、限外濾過によって濃縮化され、精製のためにゲル濾過カラムが適用される。
【0011】
【非特許文献1】
Jeong KL; Lee SY 著 1999. Appl. Environ. Microbiol. 65:3027−32
【非特許文献2】
Kelly and Winker著 「大腸菌中で生産された真核的蛋白質の折りたたみ」Genetic Engineering 12, 1−19 at p.6 (1990)
【非特許文献3】
Rudolph R., Lilie H.著, 1996, FASEBJ 10:49−56
【非特許文献4】
Lilie H., Schwarz E, Rudolph R.著 1998. Curr. Opin. Biotechnol 9;497−501
【特許文献1】
国際公開WO01/55174 A2
【非特許文献5】
Lin等著1994 Methods in Enzumology 214, 195−224
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上説明したように、発現された蛋白質をリフォールドするには、一旦発現された蛋白質を解きほぐし、解きほぐした蛋白質を再度巻き上げる必要がある。そのためには、該蛋白質の溶液について、長時間にわたり、微妙なpHの調節を繰り返す必要があった。
【0013】
そのため、人手によって、この作業を行おうとすると、操作者が、長時間に渡って作業状況を監視して、緩衝液を含む各種試薬を、溶液のpHを測定しながら、その測定したpHに応じて定まる種類と量を適切な時間に添加してpHの調節を行う必要があり、操作者に大きな負担を強いていた。
【0014】
特に、大量または多種類の蛋白質についてリフォールド処理を行う場合には、同一処理の機械的繰り返しが必要となり、または、多種類の蛋白質についてリフォールド処理を行う場合の条件の相違、特に試薬等の種類、量、割合の相違のために操作者の負担は急激に増加するために、効率的かつ迅速な処理を行うことができないという問題点を有していた。
【0015】
これらの作業を、人手で行うために、その処理に高い信頼性を与えることができないおそれがあるとともに、操作者が長時間処理にかかわるために、人件費等によりその製造費用が高くなるおそれがあるという問題点を有していた。
【0016】
そこで、本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、蛋白質、特に、組換え蛋白質、さらに言えば、細菌のホスト内において封入体に存在する組換え蛋白質のリフォールド処理を、人手によらずに、自動的に行うことができるリフォールド装置およびリフォールド装置の使用方法を提供することである。
【0017】
その第2の目的は、大量または多種類の蛋白質を、簡単な制御により、効率的に、迅速かつ安価にリフォールド処理を行うことができる蛋白質リフォールド装置および蛋白質リフォールド装置の使用方法を提供することである。
【0018】
その第3の目的は、正確かつ精密に試薬等を供給するようにして蛋白質のリフォールド処理を進めることができる信頼性の高い蛋白質リフォールド装置および蛋白質リフォールド装置の使用方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
以上の技術的課題を解決するために、第1の発明は、リフォールド対象の蛋白質を含有する蛋白質溶液を収容可能な1または2以上の容器を載置して、所定の閉じた搬送経路に沿って該容器を搬送する搬送部と、前記搬送経路に設けられ、前記容器内の蛋白質溶液の光学的性質を測定する光学測定部と、該搬送経路に設けられ、該容器内の蛋白質溶液のpHを測定するpH測定部と、該搬送経路に設けられ、該容器内の蛋白質溶液のpHを調節するための試薬を含む複数種類の試薬を各々供給可能とする試薬供給部とを有するとともに、前記試薬供給部は、前記光学測定部の測定結果、前記pH測定部の測定結果および予め定めたpHパターンに基づいて蛋白質溶液のpHの調節を行うことによって蛋白質のリフォールドを行う蛋白質リフォールド装置である。
【0020】
ここで、「光学的性質」とは、光学的な種々の性質をいい、例えば、各種の光(赤外線、遠赤外線、可視光等)の入射光に対する透過光、反射光若しくは散乱光の性質、または分光的な性質等をいう。例えば、入射光に対する透過光の性質として、光学的密度(濁度)がある。該光学的密度は、溶液中の溶質の光を吸収する度合いを表す値であって、溶質の光の吸収率の逆数の対数である。すなわち、log(I/I)をいう。ここで、IおよびIは、溶媒だけを通過した光および同じ厚さの溶液層を通過した光の強さを表す。濁度が大きくなれば、凝集した蛋白質が解きほぐされて、溶液中に懸濁する量が増大していることを意味する。
【0021】
従って、本発明では、蛋白質の解きほぐされの程度の測定結果を取り入れて、pHの調節を行うことにより、リフォールド処理を進めていくことになる。
【0022】
「pHを調節するための複数種類の試薬」としては、pHを一定に保つための緩衝剤、酸性化試薬またはアルカリ性化試薬を少なくとも有し、これらに属する試薬を、単独にまたは組み合わせて適当な量混合することによって、pHを調節する。
【0023】
pHのパターンは、リフォールドの対象となる蛋白質に応じて定められる。そのパターンの一般的な傾向としては、リフォールドの第1段階としての凝集した蛋白質を解きほぐすために、蛋白質溶液を、1以上のカオトロピック試薬および還元試薬の存在の下でpHで、9.0以上に維持し、第2段階として、解きほぐした蛋白質を3次元構造に巻き上げるために、該溶液のpHを次第に、所定時間以上の時間で、pH8.0にまで減少させて、該蛋白質が、質的に、生物学的活性化および該蛋白質に特有の構造を表すように、該蛋白質の少なくとも一部の再生を誘導する。「所定時間」は、該処理が行われる温度に依存する。該温度は、該リフォールド装置に設けられ、前記搬送される容器内を所定温度に保つように加熱または冷却する恒温手段によって設定される。例えば、該所定温度を4℃に設定すると、所定時間は、24時間となり、該温度を16℃に設定すると、所定時間は2時間となる。本発明によれば、恒温手段の温度を変えることによって、処理に必要な時間を、従ってpHパターンを種々に定めることができる。すなわち、処理時間を増減させることができる。また、このpHの減少は、例えば、該所定時間毎に0.2pHずつ減少させる。また、前記pHの9.0以上の維持は、例えば、該所定時間以上行われる。
【0024】
前記pHの減少は、酸を加えることによって行う。前記カオトロピック試薬および変性試薬は、0.5及び1.0M 尿素、0.1mMから100mMのβメルカプトエタノール、0.1mMから10mMの酸化グルタチオンのいずれかから選択されたものである。
【0025】
「蛋白質」には、組換え蛋白質、さらには、細菌の封入体から抽出された蛋白質をも含む。該細菌には、大腸菌を含む。該封入体は、pHが9と10との間で溶解される。
【0026】
「閉じた搬送経路に沿って搬送する」ので、1の容器について、光学的性質およびpHを測定しながら、pHの調節を繰り返して、リフォールド処理を行うことができる。pH測定部は、例えば、容器に挿抜可能に設けた電極と、該電極を洗浄する洗浄部と、前記容器と前記洗浄部との間を移動可能とする移動部とを有するように構成する。
【0027】
第2の発明は、前記試薬供給部は、前記光学測定部および前記pH測定部の下流側に設けられた蛋白質リフォールド装置である。
【0028】
好ましくは、これらの光学測定部、pH測定部および試薬供給部は、搬送経路に沿って、この順序またはpH測定部、光学測定部、試薬供給部の順序で、隣接するように設ける。
【0029】
第3の発明は、前記試薬供給部、または、それよりも下流側の搬送経路に、前記容器の収容物を攪拌させる攪拌部を設けた蛋白質リフォールド装置である。
【0030】
第4の発明は、前記搬送経路には、前記容器に収容されている蛋白質液体の一部の所定量を吸引して、該当する容器に移送するための吸引移送部を設けた蛋白質リフォールド装置である。
【0031】
第5の発明は、前記試薬供給部は、少なくとも3個の試薬吐出口を有し、各試薬吐出口からは少なくとも酸性試薬、アルカリ性試薬、およびバッファ用試薬のいずれかを独立に吐出可能に設けた蛋白質リフォールド装置である。
【0032】
第6の発明は、前記攪拌部は、前記搬送経路において、前記容器を軸まわりに回転することによって、該容器内に収容されている液体の攪拌を行う蛋白質リフォールド装置である。
【0033】
第7の発明は、前記容器は、ボトル状に形成され、該容器の内部に、容器の内壁から軸線方向に向かって突出する攪拌用突出部を設けた蛋白質リフォールド装置である。
【0034】
第8の発明は、前記攪拌用突出部は、前記容器の内底部より一定高さ以上に設けられた蛋白質リフォールド装置である。
【0035】
第9の発明は、リフォールド対象の蛋白質を含有する蛋白質溶液を収容可能な1または2以上の容器を載置する所定の閉じた搬送経路に沿って該容器を搬送する搬送工程と、前記搬送経路において、前記容器内の蛋白質溶液の光学的性質を測定する光学測定工程と、該搬送経路において、該容器内の蛋白質溶液のpHを測定するpH測定工程と、該搬送経路において、該容器内の蛋白質溶液のpHを調節する試薬を含む複数種類の試薬を供給する試薬供給工程とを有するとともに、前記試薬供給工程は、前記光学測定工程の測定結果、前記pH測定工程の測定結果および予め定めたpHパターンに基づいて、前記蛋白質溶液のpHの調節を行う蛋白質リフォールド装置の使用方法である。
【0036】
第10の発明は、前記pH測定工程は、前記光学測定工程の後に実行され、前記試薬供給工程は、前記pH測定工程の後に実行される蛋白質リフォールド装置の使用方法である。
【0037】
第11の発明は、前記試薬供給工程において、または、該工程の後で、搬送経路において、前記容器の収容物を攪拌させる攪拌工程を設けた蛋白質リフォールド装置の使用方法である。
【0038】
第12の発明は、前記搬送経路において前記容器に収容されている液体の一部の所定量を吸引して、該当する容器に移送する吸引移送工程を有する蛋白質リフォールド装置の使用方法である。
【0039】
第13の発明は、前記試薬供給工程は、少なくとも3本の試薬吐出口から、少なくとも酸性試薬、アルカリ性試薬、およびバッファ用試薬のいずれかを吐出可能とする蛋白質リフォールド装置である。
【0040】
第14の発明は、前記攪拌工程は、前記搬送経路において、前記容器を軸まわりに回転することによって、該容器内に収容されている液体の攪拌を行う蛋白質リフォールド装置の使用方法である。
【0041】
第15の発明は、前記攪拌工程は、ボトル状に形成された容器の内部に、容器の内壁から軸線方向に向かって突出する攪拌用突出部を設けた容器を回転させることによって行う蛋白質リフォールド装置の使用方法である。
【0042】
第16の発明は、前記攪拌工程は、前記攪拌用突出部が前記容器の内底部より一定高さ以上に設けられた容器を回転する蛋白質リフォールド装置の使用方法である。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る蛋白質リフォールド装置10を、図面に基づいて説明する。本実施の形態の説明は、特に指定のない限り、本発明を制限するものと解釈してはならない。
【0044】
図1は、実施の形態に係る蛋白質リフォールド装置10の斜視図を示すものである。
該蛋白質リフォールド装置10は、フレーム11を有し、該フレーム11の上側には、目的蛋白質のリフォールド作業を行う各種装置を有する作業基板12が設けられ、該作業基板12の下側の該フレーム11の内側には図示しない各種機構部、恒温手段に相当する空調部(ペルチェ素子およびファンからなる)および後述する搬送部であるコンベイヤーの駆動回路等を有している。
【0045】
前記作業基板12には、処理の対象となる蛋白質を含有する蛋白質溶液13が収容された1または複数(この例では、最大で96本)の前記容器に相当するボトル14を載置して、所定の搬送経路15に沿って搬送するコンベイヤー(搬送部)16が設けられている。該ボトル14は、収容されている蛋白質溶液の濁度等の光学的性質を測定するために透明の素材、例えば、ガラス、または、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル等の樹脂で形成するのが好ましい。該コンベイヤー16は、前記ボトル14を、前記搬送経路15に沿って一斉に図中矢印の方向に搬送する。
【0046】
該搬送経路15は閉路を形成し、その閉路の一部は、該搬送経路15が蛇行するように配置された蛇行領域17を有し、該搬送経路15の全体は上側に断熱用蓋板18が載置されている。該搬送経路15のうちの大部分を占める該蛇行領域17を前記恒温手段によって所定温度に設定することによって、前記ボトル14が該蛇行領域17を搬送される間に前記ボトル14に対するインキュベーションが行われることになる。前記蛇行領域17を除く前記搬送経路15の非蛇行領域においては、上流側から、前記ボトル14内に収容された蛋白質溶液13の濁度を光学的性質として測定する濁度測定位置19、該ボトル14内に収容され蛋白質溶液のpHを測定するpH測定位置20、該ボトル14内の蛋白質溶液のpHを調節するために複数種類の所定試薬を分注可能とするとともに、該ボトル14内に収容されている蛋白質溶液を攪拌する試薬供給攪拌位置21と、該ボトル14に収容されている蛋白質溶液の所定量を吸引して移送し、対応する容器内に吐出する吸引移送位置22とが配置されている。これらの位置20、21、22においては、前記断熱用蓋板18には、上側から前記位置における前記ボトル14内の蛋白質溶液13に到達可能となるような孔が設けられている。
【0047】
前記濁度測定位置19には、前記搬送経路15の両側壁23に穿設された2つの貫通孔24が設けられ、該貫通孔24を通るように、該搬送経路15を挟むように設けた図示しない照射部と、受光部25が設けられている。前記照射部からの光のうち前記貫通孔24を通り、前記受光部25に達する光は、前記ボトル14の下側を通る。濁度は、該受光部25が受光した光の強度と前記照射部の光の強度の比に基づいて算出される。
【0048】
前記pH測定位置20においては、後述するように、pH測定用電極26が設けられている。該pH測定用電極26は、電極用Z軸駆動装置27および電極用X軸駆動装置28によって、図中示すZ軸およびX軸方向に移動可能である。
【0049】
前記試薬供給攪拌位置21には、前記ボトル14内に収容された蛋白質溶液13のpHを調節するために必要な種々の試薬(この例では12種類)を供給するために12本のノズル29が設けられたマルチノズルヘッド30を有し、各ノズル29はチューブを介して前記フレーム11の内部に設けられた図示しない前記各試薬を収容するタンクと連通している。
【0050】
さらに、該試薬供給攪拌位置21に位置した前記ボトル14内に収容された蛋白質溶液13を該ボトル14を回転させることによって、該ボトル14と、該ボトル14内に収容されている蛋白質溶液13との間に生ずる角速度の相違と前記凸部の存在により、該蛋白質溶液13を攪拌するための攪拌部31が設けられている。
【0051】
前記吸引移送位置22には、該位置22に存在する前記ボトル14内に収容されている液体を所定量吸引して移送し、所定のマイクロプレート32の所定ウェルに吐出するための自動分注機33が設けられている。該自動分注機33は、該自動分注機33のノズル34にピペットチップ(図示せず)を着脱自在に装着して使用するものである。該ピペットチップは、各ボトル14に対応した位置のチップラック35に収容され、各ボトル14に応じて、該当するピペットチップと交換して、吸引移送処理を行うようにしている。これによって、前記ボトル14相互間のクロスコンタミネーションを防止することができる。
【0052】
該自動分注機33は、分注用Z軸駆動装置36によってZ軸方向に駆動され、分注用X軸駆動装置37によってX軸方向に駆動される。なお、Y軸方向については、前記マイクロプレート32およびチップラック35をマイクロプレート等用Y軸駆動装置38によってY軸方向に移動させることによって、前記分注機33は、前記マイクロプレート32等に対して相対的に移動可能としている。
【0053】
図1において、符号39は、前記自動分注機33のノズル34または該ノズル34に装着されたピペットチップが、前記チップラック35に収容された各ピペットチップに到達し、またはマイクロプレート32の各ウェルに到達可能となるように設けた前記断熱用蓋板18に設けた開口部40の開閉を行う自動ドアである。
【0054】
図2は、前記ボトル14を詳細に示すものである。
同図に示すように、該ボトル14は、首部41と、胴部42とからなり、該首部41には、図示しない蓋部と螺合するように螺子山43が設けられている。胴部42の外側面の一部は陥没し、該ボトル14の半径方向に沿って内方に突出する縦長の凸部44が、底部45より所定高さ位置から所定長さ設けられている。
該凸部44が前記攪拌用突出部に相当する。なお、前記凸部44を前記底部45から所定高さだけ高い位置に設けているのは、前記濁度を測定する際に、該凸部44によって、光の進行を妨げないようにして、正確な濁度の測定を行うためである。
さらに、該ボトル14は、該ボトル14の容積を表示する目盛り46を設けている。
【0055】
図3は、前記コンベイヤー16の主要部を詳細に示すものである。該コンベイヤー16は、前記搬送経路15の下側中央に沿って配置されたチェーン47と、前記ボトル14がその間に載置して搬送可能となる間隔、例えば、該ボトル14の外径よりやや大きい程度の間隔で、前記ボトル14の高さより低い搬送用ロッド48が垂直方向に突出して設けられている。
【0056】
図4は、前記pH測定位置20に設けられた前記ボトル14に収容された蛋白質溶液13のpHの測定行うpH測定装置49である。該pH測定装置49は、前述したように、前記ボトル14内に挿入可能に設けられた前記pH測定用電極26と、該電極26をZ軸方向に移動させる前記電極用Z軸駆動装置27と、該電極26をX軸方向に移動させる前記電極用X軸駆動装置28と、該電極26を洗浄して再生させる電極洗浄部50とを有している。前記電極用Z軸駆動装置28は、モータ51と、該モータ51によって、回転駆動され、前記電極用X軸駆動装置28によって、X軸方向に沿って移動可能に保持されるZ軸方向に沿って設けられたボールねじ52と、該ボールねじ52と螺合し、前記ボールねじ52の回転によって、上下方向に移動可能であるとともに、前記電極26が取り付けられたナット部53とを有する。
【0057】
また、前記電極用X軸駆動装置28は、モータ54と、該モータ54によって回転駆動されるX軸方向に沿って設けられたボールねじ55とを有する。前記電極洗浄部50は、軸方向に沿って前記電極26が挿入可能な洗浄用容器56と、該洗浄用容器56内において、挿入された前記電極26に向かって洗浄液を噴射することができるスプレイ57と、該スプレイ57に前記洗浄液を供給するためのチューブ58と、前記容器56内にたまった液体を排出する排出部59とを有する。
【0058】
本実施の形態に係るpH測定部によれば、電極を洗浄しながら用いるので、人手を介することなくかつクロスコンタミネーションなしに、正確に、そのpHを測定することができる。
【0059】
図5(a)は、前記pH攪拌位置21に設けられた攪拌部31の側面図であり、同図(b)は、その平面図を示す。
該攪拌部31は、モータ60と、カップリング61を介して該モータ60によって回転駆動されるシャフト62と、該シャフト62の回転によって回転するローラ63と、該ローラ63によって、その側面と接触して回転駆動される前記ボトル14と、前記ローラ63により該ボトル14を回転させる際に、該ボトル14のがたつきやゆれを防止するために該ボトル14を押さえるためのアイドラーローラ64と、該アイドラーローラ64を前記ボトル14に押し付けるために該ボトル14の半径方向に移動させるアクチュエータ65と、該アクチュエータ65を駆動するソレノイド66とを有する。なお、符号67は、該ボトル14上の接触領域である。
【0060】
図6は、本実施の形態に係る前記蛋白質リフォールド装置10の一部を取り出して示す斜視図である。
前記マイクロプレート等用Y軸駆動装置38は、モータ68と、案内用スクリュー69とを有する。図中、符号70は、自動ドア開閉用のスプリング付ソレノイドであり、符号71は、前記マイクロプレート等用Y軸駆動装置38により駆動される、前記マイクロプレート32およびチップラック35を搬送するキャリッジである。
【0061】
図7は、本実施の形態に係る前記蛋白質リフォールド装置10の概略平面図である。
なお、図示されていないが、前記光学測定部の測定結果、pH測定部の測定結果、およびpHパターンに基づく前記試薬供給部による、供給すべき試薬の種類および量を算出するため、または、恒温手段および搬送部の温度や速度の設定、進行および停止の指示については、CPUやメモリを有する演算処理装置,表示装置、キーボード、スイッチ、マウス、通信手段等の入力装置、プリンタ、メモリ等の出力装置からなる情報処理装置を有している。
【0062】
続いて、本実施の形態に係る蛋白質リフォールド装置10を使用する場合について説明する。
【0063】
一旦、蛋白質の最大量が発現されると、細菌のホストから分離され精製される。該蛋白質は、一般的に、細胞を溶解することによって、例えば、界面活性剤中に懸濁させ、リゾチームを加え、それから凍結することによって(例えば、TN/1% トリトン(登録商標)X−100の20ml中に細胞を懸濁させ、10mgのリゾチームを加え、それから−20℃で凍結することによって)、融解しかつDNAエースを加えて細菌のDNAの全てを解体するために加え、それから、緩衝剤で処理された溶液中で生成した沈殿物を洗浄することによって、一般的に抽出される。沈殿物は、それから、リフォールド処理のために、後述するような適当な溶液中で溶解され、前記ボトル14に収容され、前記蛋白質リフォールド装置10の搬送経路15上に載置される。
【0064】
ここで、該蛋白質リフォールド装置10の試薬供給部が従うべきpHパターンおよび、試薬供給部から供給されるべき試薬について説明する。
大部分の従来の方法では、通常pH7.4から8.0のような生理的なpHにおいて、還元したカオトロピック塩(8Mの尿素のような)を用いて、通常、蛋白質をリフォールドする。これは、通常、大量の沈殿または凝集を生み出し、リフォールドを不可能または低い生産性に留める。しかし、最初のリフォールドのpHが高い(少なくとも、pHが9.0、但し、pHが10のようなより高い物が望ましい)場合には、リフォールドが可能である。この方法は、ペプシノゲンが、pH8.0〜9.0において、可逆的に変性しまた復元するという事実によって最初に示唆された。
【0065】
高いpH(9.0のような)においては、蛋白質はいくつかの第2の構造を得て、リフォールド溶液の活性度が、生物学的pHに低下したときに、より効率的にリフォールドすることができることが仮定されている。後ほど、生理学的なpHで蛋白質がリフォールドされる蛋白質でさえ、高いpHでより効率的に生産される。加えて、高いpHのリフォールド処理は、最初の大量の沈殿を防止するすばらしい方法である。本装置10においても、前記パターンとして、この高いpHを維持するようにリフォールド処理を行う。
【0066】
前記試薬供給部から供給されるべき試薬としては、0.5から1.0Mの尿素、塩酸化グアニジン、およびL−アルギニンのようなカオトロピック塩の非変性濃度がある。これらは、リフォールド処理を助け、リフォールドされた蛋白質を活性化するために役に立つからである(非特許文献3)。そのカオトロピック試薬の濃度の範囲は、0〜4Mであるが、好ましくは、0.4Mである。リフォールド/精製工程における尿素の濃度は、蛋白質上で変性効果をもたない。
また、前記試薬供給部から供給されるべき試薬として、還元/酸化試薬がある。
【0067】
ジスルフィド結合を有する哺乳類の蛋白質封入体は還元試薬の存在中で溶解される必要がある。代表的な還元試薬は、β―メルッカプトエタノールを、0.1mMから100mMの範囲、好ましくは10mM、DDTを0.1mMから10mMの範囲、好ましくは10mM、還元グルタチオン(GSH)を、0.1mMから10mMの範囲、好ましくは1mM、および酸化グルタチオン(GSSG)を、0.1mMから10mMの範囲、好ましくは1mM含有する。βメルカプトエタノールは、好ましい還元試薬である。加えて、ジチオトレイトールおよび/または還元/酸化グルタチオン(GSH、GSSG)は、誤って折りたたまれた中間ジスルフィド結合の「オシド−シャッフリング」を容易化するために含ませることができる。
【0068】
さらに、前記パターンとして、蛋白質のリフォールド処理を行うのに十分に長い時間、蛋白質溶液のpHを高い状態にしておくことが重要である。これは、好ましくは、pHをゆっくりと、24時間で0.2pHの減少分で、下げることによって達成する。この方法では、前記蛋白質溶液は、高いpH、好ましくは、少なくとも9.0以上に、または10若しくは好ましくは11未満にまで調節される。前記蛋白質は、好ましくは、少なくとも24時間の間各pHで維持される。同等な効果は、温度を調節することにより、より短い時間、例えば、2, 3, 6, 9, 12, 18または20時間で達成されることができる。pHは、前記ボトル14に前記マルチノズルにより、酸等を加えることによって行われる。
【0069】
次に、より具体的に組換え蛋白質のリフォールド処理の2つの実施例について説明する。
【0070】
(1)第1の実施例
前段階として、組換え蛋白質の発現を行う。
発現プラスミドが、大腸菌のBL21(DE3)鎖のような適当なホストに導入され、ZB/アンピシリンプレート上に置く。このことは、好ましい組換え有機体を選択する。各構造物から単一のコロニーが、100mlのZB/アンピシリン媒体に植えつけられ、37℃で16時間成長する。
【0071】
LB/アンピシリンの1リットル中に1晩の培養物の20mlを植え付け、37℃で、波長600の光の濁度が0.4〜0.6に達するまで攪拌し、IPTGを0.5mM加え、3時間攪拌する。
【0072】
遠心分離し、細胞をTN/1%トリトン(登録商標)X−100の20mlに細胞を再懸濁する。10mgのリソチームを加え、−20℃で一晩凍結する。
【0073】
凍結された細胞を融解し、20μlの1MのMgSO,100μg DNAエースを加え、細菌のDNAが完全に溶解するまで攪拌する。
【0074】
250mlのTN/1%のトリトンを加え、2から4時間の間攪拌し、遠心分離およびトリトンの洗浄をさらにもう一度繰り返す。8Mの尿素溶液の10mlに前記ペレットを溶解し、βメルカプトエタノールを100mMまで加え、その溶液が遠心分離されてリフォールドの準備ができる。
【0075】
該溶液を前記ボトル14内に収容して、前記蛋白質リフォールド装置10の前記搬送経路15上に載置する。
【0076】
該ボトル14が前記搬送経路15上で図中左回りに間歇的に搬送され、前記濁度測定位置19において、該ボトル14の下側に波長280の光を前記照射部72より照射し、前記受光部25で受光することによって、濁度を算出し、8Mの尿素溶液に対して目標の5.0となるか否かを測定する。
【0077】
該濁度が5.0になるまでは、再び該ボトル14に対してpH調節が繰り返される。該ボトル14が、前記pH測定位置20に到達すると、前記電極26が、前記電極用X軸駆動装置28によって移動し、前記pH測定位置20の真上にまで到達する。次に、前記電極用Z軸駆動装置27によって、該電極26を前記ボトル14内の蛋白質容液13内に挿入して、該溶液内の水素イオン濃度を測定する。測定後は、該電極26を上昇させ、前記X軸方向に移動させて、該電極26を洗浄用容器56内に挿入し、前記スプレイ57を用いて洗浄液を噴射し、電極26を洗浄し、その廃液を排出部59を介して排出する。該pHは最終的に、10.0になるまで、該ボトル14に対してpH調節のための試薬の供給が繰り返されることになる。
【0078】
該ボトル14が、試薬供給攪拌位置21にまで達すると、該位置21に設けたマルチノズルヘッド30の各ノズル29を介して、pH調節用試薬が該ボトル14内に供給されることになる。該マルチノズルヘッド30からは、例えば、次の還元試薬、10mM βメルカプトエタノール、10mM DTT(ジチオトレイトール)、1mMの還元化グルタチオン(GSH)、0.1mMの酸化グルタチオン(GSSG)のうち、前記濁度測定結果及び前記pH測定結果に基づいて、選択された試薬の所定量が各々供給されることになる。なお、該試薬供給攪拌位置21において、前記試薬の供給が行われる際に、該ボトル14は、前記攪拌部31によって、該位置21で、前記ボトル14の軸まわりに回転が加えられることになる。すなわち、前記ローラ63を前記モータ60からの回転力をカップリング61およびシャフト62を介して伝達して回転させ、該ボトル14の外側面を回転させるその際、前記アクチュエータ65によって、アイドラーローラ64を該ボトル14に押さえつけて、該ボトル14のがたつきを防止する。
【0079】
該ボトル14が回転すると、該ボトル14内に設けた凸部44が前記ボトル14内の溶液を効果的に攪拌する。
【0080】
最終的な溶液のpHは10.0となるように、前記マルチノズルからの試薬によって調節される。
【0081】
次に、前記ボトル14が前記吸引移送位置22に達すると、前記自動分注機33のノズル34が、前記X軸駆動装置37によって、前記自動ドア39が開いた前記開口部40の該当するX座標の位置にまで移動する。同時に、前記キャリッジ71のY軸方向の移動によって、チップラック35の該ボトル14に対応する未使用のピペットチップが保持されている位置の真上に前記開口部40を介して前記ノズル34が位置するようにする。次に分注用Z軸駆動装置36によって、該ノズル34を下降して、該ノズル34に前記ピペットチップを装着させる。次に該ピペットチップを装着したノズル34を上昇させた後、前記吸引移送位置22にまで前記X軸駆動装置37によって移動させ、該ピペットチップを下降させて前記ボトル14内に挿入し、所定量、例えば25μlずつの微小量の蛋白質溶液を吸引し、再び、前記開口部40の該当するX座標位置にまで移動する。同時に、前記キャリッジ71のY軸方向の移動によって、前記マイクロプレート32の該ボトル14に対応するウェルの位置の真上に、前記開口部40を介して前記ノズル34が位置するようにし、次に該ピペットチップを下降して、収容している前記溶液を対応するウェル内に吐出する。
【0082】
該溶液を吐出した後、該ピペットチップを装着したノズル34は、該ピペットチップを前記チップラック35の使用済みのピペットチップを収容する領域の対応する位置に該ピペットチップを収容するために、前記開口部40の該当するX座標に位置し、前記キャリッジ71のY軸方向の移動により、該当するチップラック35の収容位置の真上にまで、前記開口部40を介して位置させ、該ピペットチップを、前記ノズル34からこそぎ落とすようにして自動的に脱着する。
【0083】
このようにして、前記ボトル14が、該吸引移送位置22を通過するたびに、所定量ずつ溶液を前記マイクロプレート32の各ウェルに収容し、該蛋白質リフォールド装置10による処理の流れを監視するために利用される。
【0084】
該ボトル14が前記吸引移送位置22を通過した後は、該搬送経路15の搬送経路15の大部分の長さをもつ蛇行領域17を、長い時間滞在しながら搬送されることになる。この蛇行領域17を通過する間にインキュベーションが行われることになる。前記ボトル14がこの搬送経路15を一周する時間は、例えば、2時間であったり、24時間であったり、リフォールドの対象となる蛋白質に応じて定められる。
【0085】
このようにして、前記目標の濁度および目標のpH値に前記蛋白質溶液が達成すると、再び、該ボトル14を前記搬送経路15に従って搬送させ、前記試薬供給攪拌位置21において、前記ノズル29の1つから20mMのトリス(登録商標)を供給し、該トリスを主成分とする体積の20倍にまで急速に希釈化される。さらに、pHが9.0となるように1MのHClを前記ノズル29の1つから供給することによって、1周の間に前記pHが最終的に8.8となるように調設され、さらに、次の周で、pHが8.6になるようにpHが調節され、最終的には、pHが8.0になるまで調節される。
【0086】
なお、該装置によってリフォールドされた蛋白質は、それから、限外透析によって濃縮化され、ゲル透析によって分離される。ゲル透析は、例えば、SEPHACRYL(登録商標)、S−300カラムであって、20mM トリス(登録商標)、HCl,0.4M尿素、pH8.0によって平衡化されている。前記S−300留分は、非還元SDS−PAGEを駆動することによって検査される。うまくリフォールドされなかった蛋白質は、大変高い分子量になり、折りたたまれた蛋白質は、通常の分子量になる。
【0087】
S−300カラムからリフォールドされたピークは、さらに。FPLC Resouce−Q(登録商標)またはResouce−S(登録商標)カラムによって精製することができる。これらは、20mMトリス(登録商標)−HCl(Resouce−S(登録商標)のためのHEPESバッファ)、0.4 M 尿素、pH8.0によって、平衡化されている。
【0088】
(2) 第2の実施例
メマプシン2(memapsin 2)の発現およびリフォールド処理
プロ−メマプシン2は、PCRで増幅され、pET11aベクターの BamHIサイトにクローン化される。その生成されたベクターは、Ala−8p からAla−326の塩基配列をもつプロ−メマプシン2を発現する。2つの発現ベクター、pET11−メマプシン2−T一(以後「T1」という)およびpET11−メマプシン2−T2(以後「T2」という)が構成される。両方のベクターにおいて、発現された組換え蛋白質の前記N末端15残基は、前記発現ベクターから導かれる。プロ−メマプシン2残基は、残基Ala−16から始まる。2つの組換えプロ−メマプシン2 は種々のC末端長をもっている。Thr−454でT1末端をクローン化し、Ala−419で、T2末端をクローン化する。前記T1構造は、前記T2構造からのC末端の伸びを有するが、予測された膜間領域のいずれをも表現していない。
【0089】
T1およびT2の発現ベクターは、別々に大腸菌株、BL21(DE3)に導入される。導入された細菌の培養のための処理、組換え蛋白質の合成のための導入および、組換え蛋白質を含有する封入体の回収および洗浄については、例えば非特許文献5を参照のこと。基本的には、封入体は、0.1M トリス(登録商標)HCl,pH7.4中での1%(v/v)トリトンX−100および0.15M NaClで洗浄され、不溶性の蛋白質は、8M 尿素、0.05M シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸、10mMβ−メルカプトエタノール、10mM DTT(ジチオトレイトール)、1mM 還元化グルタチオン(GSH)、0.1 mM の酸化グルタチオン(GSSG)および1mMグリシン、および1mM のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のPh10.5を含む溶液中に溶解されて、約5mg/mlの蛋白質濃度になる。この溶液は、主として20mMのトリスの体積の20倍に急速に攪拌して滴下するように加えられる。希釈化された溶液のpHは、1MのHClによって、9.0に再調節され、4℃で、24時間の間再び保たれる。このプロセスは、pHが8.0になるまで繰り返される。
【0090】
封入体が、8Mの尿素、0.1Mトリス(登録商標)、1mMのグリシン、1mMのEDTA、100mMのβメルカプトエタノール、pH10.0に溶解される。
【0091】
該溶液を前記ボトル14内に収容し、前記蛋白質リフォールド装置10の前記搬送経路15上に載置し、前述したように、該搬送経路15上を、図1中に示すように左回りに搬送する。該ボトル14内の封入体の波長280の光に対する濁度は、前記試薬供給攪拌位置21において、前記マルチノズルヘッド30のノズル29から、β―メルカプトエタノールなしの8M尿素により、5.0に調節されるように、前記蛋白質リフォールド装置10を用いて前述したようにして、該試薬の供給が濁度を測定しながら繰り返される。最終的な溶液は、前記試薬供給攪拌位置21のマルチノズルヘッド30の各ノズル29から次の還元試薬を供給する。
すなわち、10mMのDTT(ジチオトレイトール)、1mMpHの還元化グルタチオン、および0.1mMの酸化グルタチオンであり、最終的な溶液のpHは、10.0である。
【0092】
このようにして得られた前記ボトル14内の蛋白質溶液は、急速に、20Mm トリス(登録商標)の主要成分の20倍の体積にまで希釈化し、そのpHは、9.0になるように前記蛋白質リフォールド装置10によって、調節され、その生成された溶液は16時間の間、4℃に維持される。該溶液は、6時間で室温で平衡状態にし、該pHは、8.5に調節され、該溶液は、再び18時間の間に4℃に戻す。該溶液は、再び、6時間で平衡状態にし、そのpHは8.0に調節され、その溶液は、再び4から7日で、4℃に戻す。このリフォールド処理については、実施例1で説明したように該装置10を用いて行われる。
【0093】
該装置10によってリフォールドされた蛋白質は、それから、限外透析によって濃縮化され、ゲル透析によって分離される。ゲル透析は、例えば、SEPHACRYL(登録商標)、S−300カラムであって、20mM トリス(登録商標)、HCl,0.4M尿素、pH8.0によって平衡化されている。前記S−300カラムからのリフォールドされるピーク(第2のピーク)は、さらに、FPLCRESOURCE−Q(登録商標)カラムによって精製され、それは、20mMのトリス(登録商標)−HCl、0.4Mm尿素、pH8.0と平衡状態にある。前記酵素は、NaClの線型の勾配を持ったカラムから溶出される。前記S−300からのリフォールドされたピークは、さらなる精製の前に活性化される。活性化のためには、その画分が等量の体積の0.2Mナトリウムアセテート、70%のグリセロール、pH4.0と混合される。その混合物は、18時間の間、22℃でインキュベートされ、それから、20mM ビス−トリス(登録商標)、0.4 M 尿素、pH6.0の20倍の体積に対して2度 透析され。透析された物質は、それからさらに、20ビス−トリス(登録商標)、0.4M尿素pH6.0と平衡状態にあるFPLC RESOURCE−Q(登録商標)カラム上で精製される。酵素は、NaClの線型の勾配により溶出される。
【0094】
以上説明した各実施の形態は、本発明をより良く理解させるために具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。例えば、以上の説明では、特定の蛋白質を用いた場合のみを具体的に説明したが、該蛋白質の場合に限られるものではなく種々の蛋白質についても適用できる。また、光学的性質として濁度をのみ説明したが、その他、散乱光の強度、透過率、反射率、スペクトル等を測定することもできる。また、恒温手段として、4℃に設定した場合について説明したが、他の温度に設定することはもちろん可能である。例えば、16℃に設定することにより、リフォールド処理を早めることができる.例えば、上記24時間とあるのを2時間にすることができる。なお、各構成要素、部品、装置等、例えば、光学測定部、搬送部、容器、マルチノズルヘッドのノズル、分注機のノズル等についても、形状等は、図面に描かれたものに限定されるものではない。
【0095】
【発明の効果】
第1の発明または第9の発明によれば、蛋白質のリフォールド処理を、人手によらずに、かといって、最初に設定した固定的処理手順に完全にまかせるのではなく、周期的に蛋白質溶液の光学的性質およびそのpH値を測定し、その測定結果に基づいてリフォールド処理を進めるようにしている。したがって、各種蛋白質に応じた最適なリフォールド処理を行うことができる。
【0096】
本発明によると、大量または多種類の蛋白質について、簡単な制御により、操作者の負担を増やすことなく、効率的に、迅速かつ安価にリフォールド処理を行うことができる。
【0097】
また、本発明によると、測定した光学的性質およびpH値に基づいて、算出した正確かつ精密な量の試薬の供給を行うことによって、信頼性の高いリフォールド処理を進めていくことができる。
【0098】
第2の発明または第10の発明によると、試薬供給部は、前記搬送経路において、光学測定部およびpH測定部の下流側に設けている。したがって、試薬供給部は、前記光学測定部およびpH測定部の測定結果に基づいて、正確かつ精密に該当する試薬の供給を行うことができる。
【0099】
第3の発明または第11の発明によると、これによって、前記容器に供給された試薬が蛋白質溶液中に混合して、均一で効率的に反応を引き起こすことができる。
【0100】
第4の発明または第12の発明によると、リフォールド処理の周期的な経過を知ることができるので、リフォールド処理の解析や改善に役に立たせることができる。
【0101】
第5の発明または第13の発明によると、少なくとも3個の試薬吐出口を設けることによって簡単な構造で、pHの確実な調節を可能とする。
【0102】
第6の発明または第14の発明によると、容器の回転による液体の攪拌を行うことによって、簡単な構成および制御で、攪拌を行うことができる。
【0103】
第7の発明または第15の発明によると、容器をボトル状に形成することによって、収容した液体の開口部からの流出を防止するとともに、内部に攪拌用突出部を設けることによって、収容された液体の攪拌をより効率的確実に行うことができる。
【0104】
第8の発明または第16の発明によると、前記攪拌用突出部は、前記容器の内底部より一定高さ以上の位置に設けられている。したがって、該突出部の存在しない容器の位置において、光学測定を行うことによって、高い精度の測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る蛋白質リフォールド装置を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態に係るボトルを示す図
【図3】本発明の実施の形態に係る搬送装置の一部斜視図
【図4】本発明の実施の形態に係るpH測定部を示す概念図
【図5】本発明の実施の形態に係る攪拌部を示す図
【図6】本発明の実施の形態に係る蛋白質リフォールド装置の一部拡大斜視図
【図7】本発明の実施の形態に係る蛋白質リフォールド装置の平面図
【符号の説明】
10…蛋白質リフォールド装置
11…フレーム
12…基板
13…蛋白質溶液
14…ボトル
15…搬送経路
16…コンベイヤー(搬送部)
17…蛇行領域
18…断熱用蓋板
19…濁度測定位置
20…pH測定位置
21…試薬供給攪拌位置
22…吸引移送位置
23…側壁
24…貫通孔
25…受光部(光学測定部、濁度測定部)
26…pH測定用電極(pH測定部)
27…電極用Z軸駆動装置
28…電極用X軸駆動装置
29…ノズル(試薬供給部)
30…マルチノズルヘッド(試薬供給部)
31…攪拌部
32…マイクロプレート
33…自動分注機(吸引移送部)
34…ノズル
35…チップラック
36…分注用Z軸駆動装置
37…分注用X軸駆動装置
38…マイクロプレート等用Y軸駆動装置
39…自動ドア
40…開口部
41…首部(容器)
42…胴部(容器)
43…螺子山(容器)
44…凸部(攪拌用突出部)
45…底部
46…目盛り
47…チェーン(搬送部)
48…搬送用ロッド(搬送部)
49…pH測定部
50…電極洗浄部
51、54、60、68…モータ
52、55…ボールねじ
53…ナット部
56…洗浄用容器
57…スプレイ
58…チューブ
59…排出部
61…カップリング
62…シャフト
63…ローラ
64…アイドラ−ローラ
65…アクチュエータ
66…ソレノイド
67…接触領域
69…案内用スクリュー
70…スプリング付ソレノイド
71…キャリッジ

Claims (16)

  1. リフォールド対象の蛋白質を含有する蛋白質溶液を収容可能な1または2以上の容器を載置して、所定の閉じた搬送経路に沿って該容器を搬送する搬送部と、前記搬送経路に設けられ、前記容器内の蛋白質溶液の光学的性質を測定する光学測定部と、該搬送経路に設けられ、該容器内の蛋白質溶液のpHを測定するpH測定部と、該搬送経路に設けられ、該容器内の蛋白質溶液のpHを調節するための試薬を含む複数種類の試薬を各々供給可能とする試薬供給部とを有するとともに、
    前記試薬供給部は、前記光学的測定部の測定結果、前記pH測定部の測定結果および予め定めたpHパターンに基づいて前記蛋白質溶液のpHの調節を行うことによって蛋白質のリフォールドを行う蛋白質リフォールド装置。
  2. 前記試薬供給部は、前記光学測定部および前記pH測定部の下流側に設けられた請求項1に記載の蛋白質リフォールド装置。
  3. 前記試薬供給部、または、それよりも下流側の搬送経路に、前記容器の収容物を攪拌させる攪拌部を設けた請求項1に記載の蛋白質リフォールド装置。
  4. 前記搬送経路には、前記容器に収容されている蛋白質液体の一部の所定量を吸引して、該当する容器に移送するための吸引移送部を設けた蛋白質リフォールド装置。
  5. 前記試薬供給部は、少なくとも3個の試薬吐出口を有し、各試薬吐出口からは少なくとも酸性試薬、アルカリ性試薬、およびバッファ用試薬のいずれかを吐出可能に設けた請求項1に記載の蛋白質リフォールド装置。
  6. 前記攪拌部は、前記搬送経路において、前記容器を軸まわりに回転することによって、該容器内に収容されている液体の攪拌を行う請求項1に記載の蛋白質リフォールド装置。
  7. 前記容器は、ボトル状に形成され、該容器の内部に、容器の内壁から軸線方向に向かって突出する攪拌用突出部を設けた請求項6に記載の蛋白質リフォールド装置。
  8. 前記攪拌用突出部は、前記容器の内底部より一定高さ以上に設けられた請求項7に記載の蛋白質リフォールド装置。
  9. リフォールド対象の蛋白質を含有する蛋白質溶液を収容可能な1または2以上の容器を載置する所定の閉じた搬送経路に沿って該容器を搬送する搬送工程と、前記搬送経路において、前記容器内の蛋白質溶液の光学的性質を測定する光学測定工程と、該搬送経路において、該容器内の蛋白質溶液のpHを測定するpH測定工程と、該搬送経路において、該容器内の蛋白質溶液のpHを調節する試薬を含む複数種類の試薬を供給する試薬供給工程とを有するとともに、
    前記試薬供給工程は、前記光学測定工程の測定結果、前記pH測定工程の測定結果および予め定めたpHパターンに基づいて、前記蛋白質溶液のpHの調節を行う蛋白質リフォールド装置の使用方法。
  10. 前記試薬供給工程は、前記光学測定工程及び前記pH測定工程の後に実行される請求項9に記載の蛋白質リフォールド装置の使用方法。
  11. 前記試薬供給工程において、または、該工程の後で、搬送経路において、前記容器の収容物を攪拌させる攪拌工程を設けた請求項9に記載の蛋白質リフォールド装置の使用方法。
  12. 前記搬送経路において前記容器に収容されている液体の一部の所定量を吸引して、該当する容器に移送する吸引移送工程を有する請求項9に記載の蛋白質リフォールド装置の使用方法。
  13. 前記試薬供給工程は、少なくとも3本の試薬吐出口から、少なくとも酸性試薬、アルカリ性試薬、およびバッファ用試薬のいずれかを吐出可能とする請求項9に記載の蛋白質リフォールド装置。
  14. 前記攪拌工程は、前記搬送経路において、前記容器を軸まわりに回転することによって、該容器内に収容されている液体の攪拌を行う請求項9に記載の蛋白質リフォールド装置の使用方法。
  15. 前記攪拌工程は、ボトル状に形成された容器の内部に、容器の内壁から軸線方向に向かって突出する攪拌用突出部を設けた容器を回転させることによって行う請求項9に記載の蛋白質リフォールド装置の使用方法。
  16. 前記攪拌工程は、前記攪拌用突出部が前記容器の内底部より一定高さ以上に設けられた容器を回転する請求項9に記載の蛋白質リフォールド装置の使用方法。
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