JP2004345943A - モールドプレス成形装置及び光学素子の製造方法 - Google Patents

モールドプレス成形装置及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 上下母型(上下成形型)をそれぞれ独立して温度制御しながら加熱し、熱のロスを少なくして、生産のサイクルタイムを短くする。
【解決手段】 対向して配置した上型413a及び下型413bと、前記上型及び下型をそれぞれ誘導加熱する上型用加熱手段及び下型用加熱手段を有するモールドプレス成形装置において、前記上型用加熱手段を、上型用誘導加熱コイル410aと、上型用電源416aと上型用温度制御部417aとで構成し、前記下型用加熱手段を、下型用誘導加熱コイル410bと、下型用電源416bと下型用温度制御部417bとで構成し、かつ、それぞれの電源416a,416bの発振周波数を異ならせて上型と下型を独立して温度制御しつつ加熱する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光学素子等の製造工程において、成形素材(予め予備成形したプリフォームなど)を加熱軟化させ、成形型でプレス成形して光学素子などを成形するためのモールドプレス成形装置及び光学素子の製造方法に関する。
加熱軟化した状態の成形素材、例えばガラス素材を、所定形状に精密加工され、所定温度に加熱された成形型中でプレス成形し、その成形面をガラス素材に転写すると、研削、研磨などの後処理を行わなくても面精度、形状精度の高い光学素子を得ることができる。この場合、プレス成形に次いで、ガラス素材を型から離型する際には、成形型を適切な温度まで冷却した上で離型する必要がある。このため、プレス成形を連続して光学素子を量産するには、成形型は、少なくともプレス温度と離型温度の間における所定温度範囲で熱サイクルを行う必要がある。
このような場合、誘導加熱を用いると、加熱手段であるコイル自体は発熱せず、被加熱体(発熱体)が直接加熱されるため、急速加熱が可能で、かつ迅速な冷却も可能であることから、成形サイクルタイムの短縮の上でも有利である。
そこで、ガラス光学素子の精密プレスにおいては、成形型を加熱する手段として、迅速かつ充分な加熱容量が得られる高周波誘導加熱を用いることが知られている。
一方、上型及び下型を同一温度あるいは上型及び下型に所定の温度差をもたせた状態で、所定の昇温,降温スケジュールによって正確に制御することは、成形される光学素子の面精度、形状精度を向上させる上で非常に重要である。さらに、複数の光学素子を同時に成形する場合に、それら複数の光学素子が均一であってかつ高精度であることも重要となる。
高周波誘導加熱を用いたものとして、上型及び下型を一つの誘導加熱コイルによって加熱する装置が開示されている。この装置は、上型及び下型を設定した同一温度に保つため、誘導加熱コイルを上下動させるか、可飽和リアクトルを用いてコイルの上下部分に流れる電流の比を変えることによって、上型及び下型を同一の温度に保つようにしている(例えば、特許文献1参照)。
また、上型及び下型をそれぞれ巻回しているコイルへ供給する電流の増減を、一つの高周波発信機の周波数を変化させることにより制御して、上型及び下型が所定の温度となるようにした装置も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−270847号 特開平6−64932号
しかしながら、特許文献1に記載の成形装置では、一つのコイルを用いて上下成形型を加熱するため、上下の成形型をそれぞれ独立して所望の温度に制御することができない。また、誘導加熱コイルを上下動させるための駆動手段を付加することも煩雑である。さらに、一つの誘導加熱コイル内に上下の成形型を配置して加熱するため、コイル端部に比べてコイル中央部分の加熱効率が高くなり、結果として上下成形型の対向面付近が他の部分に比べて高温になる。この傾向は過飽和リアクトルを用いても同様である。このため、特許文献1に記載の装置では、上下の成形型に熱変形(反り)を生じることになる。
したがって、特許文献1に記載の装置を用い、生産性を上げる目的で、上下の母型上に複数の成形型を配置し、同時に複数個の成形を行う場合には、図5に示すように、母型が熱変形して反りを生じる。このため、上型と下型が上下の同軸性を損ない、成形される光学素子(例えばレンズ)に、ティルトが生じて偏心精度を劣化させ、また肉厚が不均一になるといった問題が発生する。
また、特許文献2に記載の装置では、共振周波数よりずれた周波数で加熱するため加熱効率が悪く、生産性が低下するといった問題がある。
本発明者は、上記問題を解決するため、種々検討した。その結果、母型の形状を長尺状にし、複数の成形型を直線状に配置すると、コンパクトな設計で誘導加熱による高い熱効率を得ることができるものの、長尺形状の端部に配置された成形型には上記した反りの影響が大きいことから、複数同時プレスを行う装置においては、成形型を支持する母型の反りを防止することが重要である点に着目した。
そこで本発明は、上下母型(上下型)をそれぞれ自由に所望の温度に独立制御できるようにすることにより、短い生産サイクルタイムで、成形される光学素子の高い面精度を達成し、母型の反りを防止し、これによって、偏心精度及び肉厚精度の高い光学素子を安定生産できるモールドプレス成形装置及び光学素子の製造方法の提供を目的とする。
また、本発明は、プレス成形のみによって、プレス成形後に、研磨等の後加工を必要とせずに、必要な光学性能が得られる精度の高い光学素子の光学機能面を形成する、モールドプレス成形装置及び光学素子の製造方法を提供する。
また、成形ティルト、成形ディセンタが、それぞれ2分以下、10μm以下の、高い偏心精度をもつ光学素子、特に非球面を有する光学素子の安定生産を目的とする。
さらに、複数の光学素子を同時に成形する、生産効率の高いモールドプレス成形装置、および光学素子の製造方法を提供する。
上記目的を達成するため、本発明のモールドプレス成形装置は、対向して配置した上型及び下型と、前記上型及び下型をそれぞれ誘導加熱する上型用加熱手段及び下型用加熱手段を有するモールドプレス成形装置において、
前記上型用加熱手段及び下型用加熱手段は、それぞれ型の周囲を巻回する誘導加熱コイルと電源を有するとともに、それぞれの発振周波数を異ならせた構成としてある。
このような構成とすると、上型及び下型をそれぞれ独立して温度制御できるようになり、短い生産サイクルタイムで、面精度・形状精度の高い光学素子を成形する最適の昇温、降温スケジュールを適用することができる。
また、本発明のモールドプレス成形装置においては、前記上型と下型が、それぞれ複数の成形型を支持する上母型と下母型を有する構成とすることができる。
このような構成において、上記加熱手段を用いると、複数の成形型を有し複数の成形体を同時に成形する装置において、母型の反りを防止することができ、個々の成形型の同軸性を保ち、成形体の偏心精度を劣化させることなく、しかも複数の成形体の肉厚を均一にすることができる。
また、本発明の光学素子の製造方法においては、前記上型と下型の少なくとも一方の対向面に、前記上型と下型が接近したときに互いの位置決めを行う部材を設けることが好ましい。
このような構成とすると、上下母型の精密な位置決めが可能となり、偏心精度(ディセンタ、及びティルト)を所定範囲内に維持することができる。
また、本発明のモールドプレス成形装置においては、上型加熱コイルと下型加熱コイルの間隔、すなわち上型加熱コイルの下端部コイルと下型加熱コイルの上端部コイルとの距離を、前記加熱コイルのピッチの0.7〜2倍とすることが好ましい。上型加熱コイルと下型加熱コイルのピッチは等しく、ほぼ均一であることが好ましいが、均一でない場合は両加熱コイルの平均ピッチの0.7〜2倍とすることが好ましい。
上型及び下型の加熱コイルの間隔がコイルピッチに対して0.7倍より小さいと、上下加熱コイル間において上下型の対向面温度が上がりすぎて上下型に反りが生じやすい。また、2倍より大きいと、上下母型が上下加熱コイル内で加熱される際、上下母型の対向面、特に、位置決め部材を設けてあるときには、位置決め部材が加熱されにくく、また熱を奪われやすい。これは、加熱時間を延長させてサイクルタイムを長くしたり、成形素材の延び不良の原因となったりする。
また、本発明の光学素子の製造方法においては、対向して配置した上型及び下型によって成形素材をプレス成形する光学素子の製造方法において、前記上型及び下型を、それぞれ加熱コイルと電源を備えた上型用加熱手段及び下型用加熱手段によって、異なる発振周波数で誘導加熱することにより、前記上型及び下型を、それぞれ所定の温度に加熱する工程を含む製造方法としてある。
このような製造方法によれば、面精度、形状精度の高い光学素子を、さらに短いサイクルタイムで、複数同時に製造することができる。
また、本発明の光学素子の製造方法は、型加熱工程において前記上型及び下型が相互に近接または接触した状態で前記上型及び下型に対する加熱を行い、素材供給工程において前記上型及び下型を開いて、その間に成形素材を供給し、成形工程において前記上型及び下型を加圧して成形素材をプレス成形する前記各工程のうち、少なくとも、前記型加熱工程に、前記上型及び下型を、それぞれ加熱コイルと電源を備え独立した上型用加熱手段及び下型用加熱手段によって、異なる発振周波数で誘導加熱する工程を有する製造方法としてある。
光学素子の製造方法における各工程のうち、型加熱の上記温度制御を、少なくとも、素材供給前の型加熱工程において行うと好適である。
また、本発明の光学素子の製造方法においては、前記上型用加熱手段又は下型用加熱手段のいずれか一方の発振周波数が、他方の発振周波数の1.5倍〜7倍となるようにすることが好ましい。
このようにすると、上下誘導加熱コイルを独立の電源で作動しても、発振の干渉を抑制でき、上下母型を安定して加熱することができる。
本発明によれば、上下型の温度制御を独立して行えるため、例えば上下型の熱容量が相当程度異なっても、それぞれの温度を所望値に正確に制御することができる。また、上下の加熱手段が、相互に磁束の干渉を生じることなく、近接位置で加熱できるため、熱のロスを抑えて短いサイクルタイムでの生産が可能になった。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下では、本発明をガラス光学素子の製造装置に適用した実施形態にそって説明するが、本発明のモールドプレス成形装置は、この実施形態に限られるものではなく、樹脂製光学素子の製造、あるいは、ガラス及び樹脂製の光学素子以外の部品製造にも適用できる。
[ガラス光学素子の製造装置]
図1は、本発明に係るモールドプレス成形装置をガラス光学素子の製造装置に適用した場合の概略平断面図である。
図1に示す製造装置は、球状のガラスプリフォームをプレスし、小型のコリメーターレンズを製造するものである。概略的に、球状のガラスプリフォームは、本製造装置筐体内に複数(図の例では6つ)同時に供給され、その加熱により軟化され、成形型によってプレスされ、冷却され、そして筐体外へ搬出される。この繰り返しにより、連続的に多数のコリメーターレンズが製造される。
図1に示すように、このガラス光学素子の製造装置10は、加熱室20及び成形室40を備えている。加熱室20と成形室40は、開閉バルブ61を備えた通路60で相互に連通されており、この加熱室20、成形室40及び通路60によって、外部から遮断された一つの密閉空間が形成されている。この密閉空間の外壁は、ステンレスその他の部材により形成されており、シーリング材によって、その気密性が保持されている。この加熱室20、成形室40及び通路60によって形成される密閉空間は、ガラス光学素子の成形に際して、不活性ガス雰囲気にされる。すなわち、図示しないガス交換装置によって、空間内の空気が排気され、代わりに不活性ガスが充填される。不活性ガスとしては、窒素ガスまたは窒素と水素の混合ガス(例えば、N+0.02vol%H)を用いることが好ましい。
加熱室20は、供給されるガラスプリフォームをプレスするに先立って予備加熱するための領域であり、ここには、プリフォーム供給装置22、プリフォーム搬送装置23及びプリフォーム加熱装置24が設置される。また、外部からガラスプリフォームを加熱室20内へ供給するための供給準備室21が設置される。
供給準備室21には、図示しない受け皿が6つ配置され、ここに図示しないロボットアームを用いて6つのガラスプリフォームが置かれる。供給準備室21内に設置したプリフォーム供給装置22の吸着パッドによって、この受け皿上のガラスプリフォームが吸着され、加熱室20内へ搬入される。供給準備室21は、加熱室20内への空気の流入を禁止するため、ガラスプリフォームを受け皿に配置した後、密閉されて不活性ガス雰囲気に置換される。
プリフォーム搬送装置23は、供給準備室21から搬入されるガラスプリフォームを受け取り、プリフォーム加熱装置24による加熱領域に搬送し、さらに、加熱軟化したガラスプリフォームを成形室40へ搬送する。プリフォーム搬送装置23は、そのアーム25の先端に6つの皿26を備え、その上でガラスプリフォームを保持する。
実施形態のものでは、加熱室20内に固定される駆動部23aによって、皿26を備えるアーム25が水平に支承され、該アーム25はほぼ90度の回転角をもって水平方向に回動される。また、アーム25は、駆動部23aを中心とした半径方向に出退可能に構成されており、これによって、保持したガラスプリフォームを成形室40に搬送する。
プリフォーム搬送装置23は、駆動部23a内に、図示しないアーム開閉機構を備え、これによってアーム25の先端を開いて皿26上のガラスプリフォームを前記成形型上に落下させる。
ガラスプリフォームが予熱され、軟化した状態で搬送されるときに、搬送治具に接触することでガラス表面に欠陥が生じると、成形後の光学素子の形状精度を損なうため、プリフォーム搬送装置23には、ガラスプリフォームをガス浮上させた状態で搬送する浮上治具が備えられていることが好ましい。例えば、図4に示すような、割型式浮上皿を、分離可能なアームで支承するものを用いることができる。
また、成形後の光学素子を離間した母型間から自動的に取り出すために、吸着パッドを備えた、吸着搬送装置を備えることが好ましい。
プリフォーム加熱装置24は、供給されたガラスプリフォームを、所定の粘度に対応した温度まで加熱するためのものである。ガラスプリフォームを安定して一定の温度まで昇温するために、抵抗素子を用いた抵抗加熱による加熱装置(例えば、Fe−Crヒータ)を用いることが好ましい。プリフォーム加熱装置24は、側面から見て概略コ字状を有しており、その内側の上下面にヒータ部材を備えている。プリフォーム加熱装置24は、図1に示すように、アーム25上に保持したガラスプリフォームの移動軌跡上に設置される。
アーム25は、前記プリフォーム供給装置22からガラスプリフォームを受け取るとき及び成形室40へこれを搬送するときを除き、前記プリフォーム加熱装置24内に置かれる。前記プリフォーム加熱装置24のヒータ表面温度は約1100℃、炉内雰囲気、すなわち上下ヒータ間の雰囲気は約700〜800℃とすることができる。なお、本実施形態においては、上下ヒータ間に温度差を設けることによって、アーム25の縦方向における反りを防止するようにしている。
一方、成形室40は、前記加熱室20において予備加熱されたガラスプリフォームをプレスして、所望の形状のガラス光学素子を成形するための領域であり、ここには、プレス装置41及びガラス光学素子の搬出装置42が設置されている。また、プレス成形されたガラス光学素子を外部へ搬出するための取り出し準備室43が設置される。
プレス装置41は、プリフォーム搬送装置23によって加熱室20から搬送される6つのガラスプリフォームを同時に受け入れ、これをプレスして所望の形状のガラス光学素子を得る。プレス装置41は、上型及び下型を備えており、その間に供給された6つのガラスプリフォームをそれらの成形面によって同時にプレスする。プリフォーム搬送装置23のアーム25上における6つのガラスプリフォームは、該アームの先端が開かれることによって、前記下型上に落下され、該アームが成形型間から後退した直後に、下型が上型に向けて上昇し、これによってその間に挟まれたガラスプリフォームがプレスされる。
前記成形型の周囲には、これを加熱するための高周波による誘導加熱コイル410が設置されている。ガラスプリフォームのプレスに先立って、成形型を誘導加熱コイル410によって加熱し、所定の温度に維持する。プレス時における成形型の温度は、予熱されたガラスプリフォームの温度とほぼ同じであっても、それよりも低い温度であってもよい。誘導加熱コイル410による加熱制御は、あとで詳しく説明するように、上型と下型とで、それぞれ独立して行う。
搬出装置42は、プレス装置41によってプレスされたガラス光学素子を、前記取り出し準備室43へ受け渡すものである。搬出装置42は、駆動部42aに対し回動自在に支承されたアーム42bの先端に6つの吸着パッド42cを備えている。吸着パッド42cは、成形型の下型上にある6つのガラス光学素子を真空吸着し、搬出装置42による搬送を可能にする。アーム42bの回動により吸着されたガラス光学素子は、取り出し準備室43下に搬送され、ここに設置された図示しない昇降手段上に置かれる。アーム42bの待避後に、該昇降手段が上昇され、ガラス光学素子は取り出し準備室43へ受け渡される。
本実施形態においては、昇降手段のレンズ載置面によって、取り出し準備室43の成形室40と通じる開口が閉鎖され、これによって取り出し準備室43と成形室との間の気体交換が不能な状態となる。取り出し準備室43の上部を開放することによって、ロボットアームその他の搬出手段を用い、その内部のガラス光学素子が順次外部へ搬出される。ガラス光学素子の搬出後、取り出し準備室43は密閉され、ここに不活性ガスが充填される。
〔プレス装置〕
次に、プレス装置について説明する。
図2は、本実施形態にかかるガラス光学素子製造装置のプレス装置の概略平面図を示し、図3は、同じく要部構造を示す側断面図である。なお、図3には、電源と温度制御手段の概略構成も示してある。
このプレス装置は、長尺状の上母型411a及び下母型411bが、それぞれ上主軸412a及び下主軸412bに取り付けられている。そして、上母型411a及び下母型411bにはそれぞれ6個の上成形型413a及び下成形型413bが取り付けられている。また、上母型411a及び下母型411bの周囲には、上型用及び下型用の誘導加熱コイル410a及び410bが設けられている。
上母型411aは、上主軸412aに取り付けられ、上主軸412aは装置本体に固定されている。下母型411bはサーボモータ(図示せず)により駆動される可動主軸412bに取り付けられている。これにより、成形プロセスの各工程(型加熱工程、素材供給工程、加圧工程、離型工程、取り出し工程)において、下母型412bを適切な位置に移動させ、停止させることができる。
上下母型411a,411bは、所定の成形サイクルにあわせて成形制御部(図示せず)が、サーボモータに駆動信号を送ることにより接離する。
上型用及び下型用の誘導加熱コイル410a,410bの上下方向(鉛直方向)の離間距離Sは、上下加熱コイルの平均コイルピッチPの0.7〜2倍であることが好ましく、さらには0.8〜1.5倍であることが好ましい。上型用及び下型用の誘導加熱コイル410a,410bの上下方向(鉛直方向)の離間距離を上記範囲より小さくすると、上下型対向面の温度上昇により上下型に反りが生じやすくなる。また、上記範囲より大きすぎると、上下型を上下加熱コイルに巻回された位置で加熱する際、上下型が近接しないため、上下型の対向面の加熱効率が悪くなる。
本実施形態では、上型用及び下型用の誘導加熱コイル410a,410bを近接配置するため、両コイル離間距離を平均コイルピッチとほぼ同じとしてある。
なお、上型用及び下型用の誘導加熱コイル410a,410bは、あとで詳しく説明するように、それぞれ独立の電源と温度制御部に接続されており、それぞれの出力は独立して制御が可能である。このため、上型413a及び下型413bの熱容量が相当程度異なっていても、同一温度に制御することができ、また逆に、上型413a及び下型413bに所望の温度差を設けることもできる。また、上型用及び下型用の誘導加熱コイル410a,410bの巻数及び配置範囲などは、上型413a及び下型413bの熱容量を考慮して決定する。
上下母型411a,411bの素材は、誘導加熱によって発熱し、耐熱性のある発熱体を用いている。この発熱体としては、例えば、タングステン合金、ニッケル合金などを用いることができる。また、上下の成形型413a,413bには、例えば、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのセラミック、あるいは超硬合金などを用いることができる。
なお、上下の成形型には、所望の光学素子形状をもとに精密加工を施す。
上下の成形型のうち、少なくとも一方に非球面を有するとき、本発明の効果が顕著である。非球面においては、軸が一本であるため、成形ティルトが有効に防止できれば、光学性能に大きく寄与するためである。
ここで、上下母型411a,411bの発熱体としては、熱膨張率が成形型413a,413bの素材と近いものを使用することが好ましい。例えば、成形型の素材としてセラミックを用いる場合には、発熱体として、タングステン合金などを用いることが好ましい。
なお、上下の成形型413a,413bの成形面には離型膜を設けることができる。離型膜としては、貴金属(Pt、Ir,Auなど)や、炭素を主成分とする膜が適用できる。炭素膜は、特に、安価であって離型効果が優れており、好適である。
また、上下母型411a,411bは、素材供給時及び製品取り出し時に、完全に離間する構成としてあるため、プレス時に上下母型411a,411bを接近させる際には上下母型411a,411bの精密な位置決めが必要となる。そこで、上下母型411a,411bの位置決めを行うためのガイドピン415aとガイド孔415bが設けてある。本実施形態では、上母型411aにガイドピン415aを突設し、下母型411bにガイド孔415bを設けてある。
さらに、6個の上型413aの外周にはスリーブ414aが設けてあり、6個の下型413bの外周には、スリーブ414aと嵌合するスリーブ孔414bが設けてある。これにより、上下母型411a,411bが接近したときに、上型413aのスリーブ414aが下型413bのスリーブ孔414bと狭いクリアランスで滑動して嵌合し、上下型413a及び413bのさらに精密な位置決めが行われる。その結果、偏心精度(ディセンタ及びティルト)を所定範囲内に維持することができる。
上下母型411a,411bの位置決めを行うためのガイドピン415aとガイド孔415bのクリアランスは10〜40μmであることが好ましく、また、上型413aのスリーブ414aと下型413bのスリーブ孔414bとのクリアランスは、1〜10μmであることが好ましい。いずれの場合も、クリアランスが、上記範囲より小さいと、滑動がなめらかにいかなくなり、クリアランスが上記範囲より大きいとがたが生じて、位置決め精度が低下する。
なお、上型とした型の位置決め部材は、上記の例に限定されず、下母型(下型)側に突出部材を設けてもよく、また、ガイド部材とスリーブ部材のいずれか一方のみを設けてもよい。
本実施形態における誘導加熱コイル410a,410bは、図3に示すように、それぞれ独立した電源(上型用電源416aと下型用電源416b)と温度制御部(上型用温度制御部417aと下型用温度制御部417b)を有している。上型用電源416aは上型用の誘導加熱コイル410aに電流を独立して供給し、下型用電源416bは下型用の誘導加熱コイル410bに電流を独立して供給する。
本実施形態においては、上型用誘導加熱コイル410aと、上型用電源416aと上型用温度制御部417aとで上型用加熱手段を構成し、下型用誘導加熱コイル410bと、下型用電源416bと下型用温度制御部417bとで下型用加熱手段を構成している。
上型用電源416aと下型用電源416bは、誘導加熱コイル410a,410bに供給する電源の発振周波数を異ならせている。ここで、上型用電源416aと下型用電源416bの発振周波数の比は、1:1.5以上であることが好ましく、より好ましくは、1:1.5〜1:7である。
上型側と下型側の発振周波数が大きく異なると、誘導加熱の浸透深さや、コイルからのエネルギー伝達効率などの加熱環境が異なったものとなり、上下のプレス成形条件が異なってしまうが、上記の範囲とすれば、上下の加熱環境がほぼ同様となり、好ましい。また、上記範囲であれば、加熱による母型の酸化も同程度となるため、表面状態の影響を受ける熱輻射条件もほぼ同等となる。
さらに好ましくは、1:1.5〜1:3、特に好ましくは1:1.5〜1:2である。
上型用電源416aと下型用電源416bは、いずれの側の周波数を大きくしてもよいが、上型、下型のうち熱容量の小さい側のコイルに供給する電源の周波数を大きくした方が好ましい。
また、上型用電源416aと下型用電源416bは、いずれも、その発振周波数が15〜100kHzの範囲内であることが好ましい。これは、電源の周波数が100KHzを超えると、誘導加熱の浸透深さが小さく(浅く)なって、母型の表面部分のみが高温になり、周囲への輻射熱損失が大きく、母型に配置された成形型の加熱効率が低下するためである。周波数が高いことはコスト上でも好ましくない。
また、発振周波数が、15KHz未満だと、可聴周波数帯になり、不快音又は騒音となる。例えば、上型用電源416aと下型用電源416bの発振周波数は、一方を15〜50KHz、他方を30〜100KHzとすることができる。ここで好ましくは、一方を15〜30KHz、他方を30〜45KHzとし、また、一方と他方の差は10KHz以上あることが好ましい。
なお、上下加熱手段には、ノイズ対策(シールド、ノイズフィルターなど)を施すことが好ましい。
上型413a及び下型413bの温度制御は、各々の母型411a及び411bに設けてある上型用温度センサ(熱電対)418a及び下型用センサ(熱電対)418bの出力をそれぞれ上型用温度制御部417a及び下型用温度制御部417bで入力し、設定温度になるよう、例えばPID制御することで行う。上下母型411a,411bの容量が大幅に異なる場合でも、上型413a及び下型413bをそれぞれ独立して、母型の熱容量と電源能力にあわせ温度制御することにより、目標温度に到達させることができる。また、上型用及び下型用電源416a,416bの出力を、上下母型411a,411bの熱容量比に応じて調整することで、上型413a及び下型413bをほぼ同じ昇温時間で目標温度に到達させることができる。
[ガラス光学素子の製造方法]
以上のような構成のガラス光学素子製造装置を用いて、本発明に係るガラス光学素子を製造する方法の実施形態について説明する。
(a)型加熱工程
前回の成形サイクルが終了した状態の上下成形型は、Tg付近またはそれ以下の温度に冷却されているため、プレス成形に適した温度まで加熱する必要がある。すなわち、上母型と下母型の周囲を巻回する誘導加熱コイルに電流を流し、上下母型を発熱させ、この熱伝導によって上下の各成形型を所定温度まで加熱する。このとき、複数の成形型の温度のばらつきをできるだけ小さくすることが重要である。
上下成形型の温度設定値は、通常、上下とも同一とするが、成形されるレンズ形状や径などによっては、上下の成形型に温度差を設けてもよい。
また、上下母型の熱容量が相違し、加熱効率に差のあることが多いため、この点も考慮して、高周波コイル巻き数、及び出力範囲を決定する。
本実施形態の成形装置では、上下母型を近接位置で加熱するため、上下加熱コイルを410a、410bを近接して配置してある。上記のとおり、上下加熱コイル410a、410b間の距離は、好ましくはコイルピッチの0.7〜2倍である。上下加熱コイル410a、410bがコイルピッチに対して大きな距離をもって離間していると、上下母型411a,411bが上下加熱コイル410a、410b内で加熱される際、上下母型411a,411bの対向面に突出しているスリーブ414aなどの部材が加熱されにくく、また熱を奪われやすい。これは、加熱時間を延長させてサイクルタイムを長くする原因になり、また、スリーブ414aがスリーブ孔414bと嵌合して位置規制をする際の嵌合不良や、成形素材の延び不良の原因となったりする。
本実施形態の場合、上母型411aに設けられているスリーブ414a及びガイドピン415aなどの突出部材は、型加熱工程において下母型411bのスリーブ孔414b及びガイド孔415bに接触あるいは嵌合させた状態としておくことができる。このようにスリーブ414a及びガイドピン415aなどの突出部材とスリーブ孔414b及びガイド孔415bを接触あるいは嵌合させて型加熱を行うと、突出部材の露出部分が少なくなって雰囲気による冷却を抑えるとともに、突出部分に対する加熱も十分行われることになる。
しかし、接触していなくても、上下の対向面と突出部材で、雰囲気ガスの対流を妨げることのできる空間を形成できればよい。
上下母型411a,411bの温度設定値は、上下同一でもよく、温度差を設けたものであってもよい。例えば、成形する光学素子の形状や径によって、上母型411aより下母型411bを高温にしたり、上母型411aより下母型411bを低温にしたりする。上下母型411a,411bの温度は、ガラスプリフォームの粘度で10〜1012ポアズ相当とすることができる。上下母型411a,411bに温度差をつける場合には、2〜15℃の範囲が好ましい。
上下母型411a,411bの温度制御は、各々の母型411a及び411bに設けてある上型用温度センサ(熱電対)418a及び下型用センサ(熱電対)418bの出力をそれぞれ上型用温度制御部417a及び下型用温度制御部417bで入力し、設定温度になるよう、例えばPID制御することで行う。
このようにして、上下型413a,413bの温度制御をそれぞれ独立、かつ迅速に行う。
(b)素材供給工程
加熱された上型及び下型間に、搬送されたプリフォーム(ガラス素材)が供給され、下型上に配置される。ガラス素材の供給は、予め適切な重量の所定形状に予備成形されたガラス素材を用い、成形に適した粘度まで軟化したものを供給するか、あるいは、成形に適した温度よりも低温のガラス素材を上型及び下型間に供給し、成形型においてさらに加熱してもよい。
予め、型の設定温度よりも高温に加熱し、軟化した状態のガラス素材を供給する(いわゆる非等温プレス)場合には、特に、型温度の制御を精密に行う必要があるので、本発明を実施すると好適である。また、これにより成形サイクルタイムを短縮して生産効率を向上できる。
このときのガラス素材の温度は、粘度で10ポアズ相当未満の温度とし、好ましくは10〜10ポアズ相当とする。
なお、軟化したガラス素材を搬送して下型上に配置するときには、ガラス素材が搬送部材に接触して、表面に欠陥が起きると、成形される光学素子の面形状に影響するため、軟化したガラス素材を気体により浮上させた状態で搬送し、下型上にガラス素材を落下させる治具を用いることが好ましい。
(c)加圧工程
上型及び下型とガラス素材がそれぞれ所定の温度範囲にあり、ガラス素材が加熱軟化した状態で、下母型を上昇させて加圧し、上下成形型の成形面を転写することによって、所定面形状をもったガラス光学素子を成形する。下型の上昇は、駆動手段(例えばサーボモータ)を作動させて行う。ガラス素材が加熱軟化した状態で供給される場合には、供給後直ちに加圧が行われる。
加圧のための下型の上昇ストロークは、予め、成形する光学素子の肉厚から設定された値であり、この後の冷却工程においてガラスが熱収縮する分を見込んで定めた量とする。加圧のスケジュールは、成形する光学素子の形状や大きさに応じて任意に設定することができ、初期加圧の後、荷重を開放したのち、二次加圧を行うなどの、複数回の加圧方法を採用することもできる。
(d)冷却・離型工程
加圧を維持したまま、あるいは加圧を減じた状態で、成形されたガラス光学素子と成形型の密着を保ち、ガラスの粘度で1012ポアズ相当の温度になるまで冷却したのち、離型する。離型温度は、1012.5ポアズ相当の温度以下が好ましく、さらには、1012.5〜1013.5ポアズ相当の温度範囲が、生産サイクルタイム短縮の観点から好ましい。
(e)取り出し工程
吸着部材を備えた取り出しアーム等により、離間した上下型の間から成形されたガラス光学素子を自動的に取り出す。
上記各工程を繰り返すことにより、連続プレス成形を行う。
なお、本実施形態では、上型を固定とし下型を可動としたが、上型を可動とし下型を固定としてもよく、あるいは、上型と下型の両方を可動としてもよい。
本発明の方法によって製造する光学素子は、例えばレンズとすることができ、形状には特に制約はなく、両凸、凹メニスカス、凸メニスカスなどとすることができる。特に、レンズ外径が15〜25mm程度の中口径のレンズであっても、肉厚、偏心精度などが良好に維持できる。例えば、肉厚精度については、±0.03mm以内のものである。また、偏心精度については、ティルトが2分以内、ディセンタが10μm以内のものの製造に、本発明は好適に適用できる。
次に、本発明の成形装置と製造方法を用いてガラス光学素子の製造を行った実施例と、比較例の結果を示す。
[実施例1]
実施例1
図1〜図3のプレス成形装置において、母型上に成形型が4つ配置してある成形装置を用いて、バリウムホウケイ酸ガラス(転移点515℃、屈伏点545℃)の扁平球プリフォームをプレスし外径18mmの両凸レンズ(一面が球面、他の一面が非球面、球面の曲率半径は50mm、非球面の近軸曲率半径は、28.65mm、中心厚は2mm)をプレス成形した。
このレンズは、周辺につば状の平坦部を有し、この部分の最大厚と最小厚を比較することで、上型と下型の軸の傾き、すなわち成形ティルトが測定できる。
両凸レンズ用に精密加工した成形型とスリーブを4組上下母型に取り付けた。この上下母型の体積比(=熱容量比)は10:7であった。本装置の上型用電源は最大出力25kW周波数18kHz、下型用電源は最大出力25kW周波数33kHzであった。
この上下母型を、上母型から突出したスリーブが下母型のスリーブ孔にほぼ接触する位置で近接配置し、上下の加熱コイルに上下高周波電源により各々高周波電流を供給し、上下母型を同時加熱し、上下同一の580℃(ガラス粘度で108.5ポアズ相当)になるよう制御して昇温した。
ついで、プリフォーム用加熱炉24にて、扁平球形状のプリフォームを、図4に示す開閉可能な支持アーム上の割型式浮上皿(グラッシーカーボン製)上で、下方から噴出する気流により浮上させながら加熱軟化させ、625℃(ガラス粘度で10 ポアズ相当)とした。その後、下母型を下降させて供給位置に停止させ、支持アームを下母型上に移動し、4つの下成形型の直上で支持アームを素早く開き浮上皿を左右に分割しプリフォームを各下成形型上に落下供給した。プリフォームが位置ずれしないように、支持アームと下型の間にガイド手段(ファンネル状部材)を挟んで落下させた。
この直後、支持アームを後退させ下母型を上昇させて上下母型を密着させ、加圧(圧力は150kg/cm)を開始した。
加圧開始後は、加熱をせずに、上下母型が当接するまでプレスした。次いで、窒素ガスを母体側面に噴射すると同時に、母型内に窒素ガスを流通させ、冷却開始した。
その後、転移点以下の温度まで冷却し、下母型を下降し、吸着パッドを備えた取り出し装置によりプレス成形品を取り出した。
次いで、下母型を上昇させ次のプレスサイクルを続けた。本装置では、上下母型の昇温速度はほぼ同じであり、サイクルタイムは60秒であった。成形された6個のレンズ性能を表1に示す。
ここで、成形ティルトは上型と下型の軸に傾きに起因するレンズの偏心、成形ディセンタは、上型と下型の水平方向へのシフトに起因するレンズの偏心である。非球面偏心は、公知の非球面測定機を用いて測定し、また、成形ティルトは、成形されたレンズの周囲の平坦部の最小厚と最大厚の差と、レンズのブレス径から算出した。非球面偏心と成形ティルト、成形ディセンタの関係は、図6に示すとおりであり、この関係から成形ディセンタを求めた。
4個ともに面精度を含め仕様を満たすものであった。
Figure 2004345943
上記のように、長尺形状の母型に複数個(上記実施例では4個)の成形型を設け、同時4個プレスを行なっても、上下の加熱手段が独立しているため、母型の反りが抑止され、両端の成形型によるレンズの光学性能が劣化せず、安定生産が可能となった。また、母型の熱変形が抑止されたため、上下型が接近するときのスリーブやガイドピンなどの突出部材のクリアランスを小さくしても、嵌合不良やこすれは起きなかった。その結果、上下成形型の同軸性が改善され、成形されるレンズの偏心精度をさらに上げることができた。
なお、図3のように各成形型の位置決め部材(スリーブ)を長く設計することは、偏心精度(ディセンタ)の向上につながるが、こうした突出部材があるときに本発明の効果はさらに顕著である。
[比較例]
特開平5−270847号に開示されているものと同様に、中間タップ付きの一つの加熱コイルと可飽和リアクトルを利用した一つの電源(最大出力60Kw、周波数33KHz)を用いた他は、実施例のプレス装置と同様の装置で同じ両凸レンズをプレス成形した。温度調節は、上型熱電対で供給電力を制御し、上下型温度が同じになるようにリアクトルを制御した。この方法では、体積の大きい上母型の制御に時間を要しサイクルタイムは75秒であった。その4個のレンズ性能を表2に示す。母型の両端の位置でプレスされたレンズが、肉厚が厚くティルトも大きくなり、仕様の公差範囲からはずれたレンズがプレスされた。プレス後の調査でD位置のスリーブの破損が確認された。これは、加熱により母型が熱変形(反り)したためと考えられる。
Figure 2004345943
図1は、本発明を適用するモールドプレス成形装置の一実施形態を示す概略平面図である。 図2は、図1におけるプレス装置の概略平面図である。 図3は、図2に示すプレス装置の概略側断面と、電源回路を示す図である。 図4は、浮上皿・支持アームの概略平面図である。 図5は、母型の熱変形(反り)を示す図である。 図6は、成形時の偏心と非球面偏心の関係式である。
符号の説明
10 光学ガラス製造装置
20 加熱室
40 成形室
41 プレス装置
410a,410b 高周波誘導コイル
411a,411b 母型
413a,413b 成形型
416a,416b 高周波電源
417a,417b 温度制御部
410a,418b 温度センサ

Claims (7)

  1. 対向して配置した上型及び下型と、前記上型及び下型をそれぞれ誘導加熱する上型用加熱手段及び下型用加熱手段を有するモールドプレス成形装置において、
    前記上型用加熱手段及び下型用加熱手段は、それぞれ型の周囲を巻回する誘導加熱コイルと電源を有するとともに、それぞれの発振周波数を異ならせたことを特徴とするモールドプレス成形装置。
  2. 前記上型と下型が、それぞれ複数の成形型を支持する上母型と下母型を有している請求項1に記載のモールドプレス成形装置。
  3. 前記上型と下型の少なくとも一方の対向面に、前記上型と下型が接近したときに互いの位置決めを行う部材を設けた請求項1又は2記載のモールドプレス成形装置。
  4. 前記上型加熱手段が有する上型加熱コイルと前記下型加熱手段が有する下型加熱コイルの間隔が、前記加熱コイルのピッチの0.7〜2倍である請求項1,2又は3記載のモールドプレス成形装置。
  5. 対向して配置した上型及び下型によって成形素材をプレス成形する光学素子の製造方法において、
    前記上型及び下型を、それぞれ独立した上型用加熱手段及び下型用加熱手段によって、異なる発振周波数で誘導加熱することにより、前記上型及び下型を、それぞれ所定の温度に加熱する工程を含むことを特徴とした光学素子の製造方法。
  6. 型加熱工程において前記上型及び下型が相互に近接または接触した状態で前記上型及び下型の加熱を行い、素材供給工程において前記上型及び下型を開いて、その間に成形素材を供給し、成形工程において前記上型及び下型を加圧して成形素材をプレス成形する光学素子の製造方法であって、
    前記各工程のうち、少なくとも、前記型加熱工程に請求項5記載の工程を有する光学素子の製造方法。
  7. 前記上型用加熱手段又は下型用加熱手段のいずれか一方の発振周波数が、他方の発振周波数の1.5倍〜7倍である請求項5又は6記載の光学素子の製造方法。
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