JP4157080B2 - モールドプレス成形装置及び光学素子の製造方法 - Google Patents

モールドプレス成形装置及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学素子等の製造工程において、成形素材(予め予備成形したプリフォームなど)を加熱軟化させ、成形型でプレス成形して光学素子などを成形するためのモールドプレス成形装置及び光学素子の製造方法に関する。
加熱軟化した状態の成形素材、例えばガラス素材を、所定形状に精密加工され、所定温度に加熱された成形型中でプレス成形し、その成形面をガラス素材に転写すると、研削、研磨などの後処理を行わなくても面精度、形状精度の高い光学素子を得ることができる。この場合、プレス成形に次いで、光学素子を型から離型する際には、成形型を適切な温度まで冷却した上で離型する必要がある。このため、プレス成形を連続して光学素子を量産するには、成形型は、少なくともプレス温度と離型温度の間における所定温度範囲で熱サイクルを行う必要がある。
このような場合、誘導加熱を用いると、加熱手段であるコイル自体は発熱せず、被加熱体(発熱体)が直接加熱されるため、急速加熱が可能で、かつ迅速な冷却も可能であることから、成形サイクルタイムの短縮の上でも有利である。
そこで、ガラス光学素子の精密プレスにおいては、成形型を加熱する手段として、迅速かつ充分な加熱容量が得られる高周波誘導加熱を用いることが知られている。
このように、高周波誘導加熱を用いたガラス光学素子の製造方法によれば、成形サイクルが短縮され、生産性が向上する。しかし、成形サイクルの短縮だけでは、生産性を十分向上させることができないため、一度に多数の光学素子を製造する方法が提案されている。
このような成形装置として、例えば、6個のガラスプリフォームを同時に予熱し、複数の成形型に同時に供給することにより、生産性高くガラス光学素子を製造するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−335329号
本発明者は、特許文献1に記載の成形装置の発明者であり、上記装置の研究を継続して行っている。その結果、次のような知見を得た。
すなわち、上下の母型上に6個の成形型を配置して成形を行うため、一度に6個の光学素子を成形することができ、実質上の成形サイクルタイムは、所要時間の1/6となり、生産効率が6倍になって生産性が非常に高くなる。
また、このような装置では、成形型温度より高温に予熱して軟化させたガラスプリフォームを、所定温度に加熱された成形型に供給し、プレス成形、冷却を行ういわゆる非等温プレス法によっており、この方法は、型内に供給したガラス素材を、型とともに加熱するいわゆる等温プレス方法に比べて、サイクルタイムが短縮できる利点を有している。
しかしながら、特許文献1に記載の成形装置での成形は、次の点で難点がある。
すなわち、高温に加熱された状態の上下母型を、精度よく位置決めし、複数の成形型を同時に嵌合させなければ、成形される光学素子の精度が劣化してしまうため、上下母型の位置合わせをするための、位置決め部材(例えば位置決めピン)を、上下母型の対向面に備えることがある。ところが、この高精度の位置決め部材の嵌合を、上下母型が熱膨張し、これにともなって同じように位置決め部材も熱膨張している状態で行わなければならない。位置決め部材の嵌合に際してのクリアランスを大きくすれば、位置決め部材は容易に嵌合するが、クリアランスが大きいため、その分だけ上母型と下母型との間に位置ずれが生じてしまい、同軸性の悪い(軸ずれの大きい)光学素子が成形される。
一方、位置決めや嵌合に際してのクリアランスを小さくすれば、成形される光学素子の軸ずれを防止して同軸性を確保し、高精度の光学素子を得られるが、熱膨張している位置決め部材の嵌合を行うことは容易ではない。さらには、嵌合部が破損して工程が停止したり、磨耗してクリアランスが大きくなり、位置決め精度が低下する。
本発明者は、生産効率を上げるために、母型上に配置する成形型の数を増やしたときに、成形される光学素子の偏心精度がどのように変化するかを調査した。
すなわち、後述する図3と同様の形状の上下母型上に4個、6個及び8個の成形型を一列に配置した成形手段によって光学素子を成形し、この場合の光学素子の偏心精度を比較したところ、表1に示すような結果が得られた。
なお、上下母型の短手方向の寸法はいずれも40mmとし、長手方向の寸法は、4個配置のものは135mm、6個配置のものは190mm、8個配置のものは243mmとした。そして、いずれも直径13mmの両凸レンズを成形した。成形素材は、バリウムホウケイ酸塩ガラス(Tg515℃,Ts545℃)の扁平球形のガラスプリフォームを用いた。
ガイドピン215aとガイド孔215bとのクリアランスは0.05mmとした。また、スリーブ214aとスリーブ孔214bのクリアランスは0.032mmとした。プレス成形工程については後述の方法にしたがった。
成形サイクルタイムは4,6,8個配置のいずれにおいても120秒とし、型加熱と冷却時間は等しくなるよう型加熱の高周波出力と型冷却用のガス流量を調整した。
Figure 0004157080
ここで、ティルトとは、上型と下型の中心軸の相互の傾き(倒れ)角をいう。
表から判るように、6個配置及び8個配置の場合における偏心精度は悪化した。これは、母型の長尺化によって、熱間での熱変形(反り)の影響によって上下の母型が密着した際に、各成形型の上下の中心軸が一致していないことに起因するものとみられる。
一般に、生産効率を2倍とするためには、装置を2台並列に設置するか、又は、母型上に配置された成形型を倍にすればよい。しかしながら、前者の場合には、加熱室、成形室、高周波電源などをすべて2倍設けなければならず装置が大型化する。一方、後者の場合は、上記の通り成形される光学素子の偏心精度が悪化する。
発明者は、型加熱工程終了後、取出し工程に至る時間に、型加熱手段が休止していることに着目した。すなわち、プレス成形手段をもう一組用意して、従来休止していた時間帯に、もう一組のプレス成形手段を加熱すれば、設備を単純に倍増させることなく、しかも光学素子の偏心精度を落とさずに、生産効率を倍化させることができ、その装置コストやスペースの増加も抑えることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、本発明者の上記考察にもとづいてなされたものであり、高い偏心精度を有するガラス製品(光学素子)を生産効率よく成形することができるとともに、種類の異なったガラス製品を同時に成形できるようにしたモールドプレス成形装置と光学素子の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のモールドプレス成形装置は、成形型と、前記成形型を加熱する型加熱手段とを備えたN個のプレス成形手段と、前記N個のプレス成形手段に成形素材を搬送する素材搬送手段と、前記N個の型加熱手段に高周波電流を供給する高周波電源装置と、この高周波電源装置から前記N個の型加熱手段に供給する高周波電流を時分割制御する制御手段と、加熱室と、N個の成形室とを有し、前記素材搬送手段は、前記N個のプレス成形手段と一対一に対応してN台設けられると共に、前記N台の素材搬送手段が同一の前記加熱室内に配置され、前記N個のプレス成形手段が前記N個の成形室内にそれぞれ配置されている構成としてある。
このような構成とすると、一台の高周波電源を用いてN個のプレス成形手段に高周波電流を供給することが可能となり、成形品の精度を落とすことなく、生産効率をN倍にすることができることに加え、N台の素材搬送手段を一つの加熱室にまとめて収容することができる。このため、N台の素材搬送手段を用いても、装置全体の大きさがN倍になることがなく、装置の大型化を抑制することができる。
さらに、N個の成形室においては、成形サイクルタイムが著しく異ならない異種の形状や大きさの光学素子を並行して成形することができる。また、N個の成形手段の設定温度を異ならせることができるので、成形温度の異なる異種の成形素材を並行して成形することができる。
また、本発明のモールドプレス成形装置は、成形型と、前記成形型を加熱する型加熱手段とを備えたN個のプレス成形手段と、前記N個のプレス成形手段に成形素材を搬送する素材搬送手段と、前記N個の型加熱手段に高周波電流を供給する高周波電源装置と、この高周波電源装置から前記N個の型加熱手段に供給する高周波電流を時分割制御する制御手段と、加熱室と、N個の成形室とを有し、前記素材搬送手段が、一台の素材搬送手段で構成されると共に、当該一台の素材搬送手段が加熱室内に配置され、前記N個のプレス成形手段がN個の成形室内にそれぞれ配置されている構成としてもよい
このように構成すると、一台の高周波電源を用いてN個のプレス成形手段に高周波電流を供給することが可能となり、成形品の精度を落とすことなく、生産効率をN倍にすることができることに加え、N個の成形手段に対して一台の素材搬送手段で素材を供給することができる。このため、生産効率がN倍になるにもかかわらず、装置としては成形室が増えるだけで済み、より一層、装置の大型化抑制効果がある。さらに、上記と同様に、異種の光学素子を並行して成形することができる。
また、本発明のモールドプレス成形装置における前記制御手段は、前記N個の型加熱手段におけるいずれかの型加熱手段から別の型加熱手段に高周波電流の供給を切り替える際、全ての型加熱手段に高周波電流を通電しない無通電時間を介して切り替える構成としてある。
このような構成とすると、無通電時間を介して高周波電流の供給を切り替えることで、全てのプレス成形手段が同時にONになることを回避でき、高周波電源に過負荷がかからない。
上記モールドプレス成形装置は、前記加熱室内に、成形素材を予熱する素材加熱手段を有し、前記素材搬送手段は、前記成形素材を前記素材加熱手段によって予熱し、かつ前記各プレス成形手段に搬送するときに、成形素材を気体により浮上させた状態とする浮上治具を備えた構成としてある。
このように構成すると、軟化した状態で搬送される素材が、搬送治具に接触することによって生じるガラス表面の欠陥を防ぐことができるので、成形後の光学素子の形状精度を損なうことがない。
本発明の光学素子の製造方法は、加熱軟化した前記成形素材を成形型を用いてプレス成形する成形工程と、成形品を冷却する冷却工程と、前記成形型から前記成形品を離型する離型工程とを含むガラス光学素子の製造方法において、モールドプレス成形装置を用い、N個のプレス成形手段のそれぞれに備えられた成形型に対して加熱を行うときに、時間をずらして行う方法としてある。
このようにすると、従来の成形装置では電源装置を休止させていた時間を利用して、偏心精度の高い光学素子の生産効率を容易にN倍にすることができる。
さらに、本発明の光学素子の製造方法は、前記制御手段が、前記N個の型加熱手段におけるいずれかの型加熱手段から別の型加熱手段に高周波電流の供給を切り替える際、全ての型加熱手段に高周波電流を通電しない無通電時間を介して切り替える方法としてある。
このように無通電時間を介して高周波電流の供給を切り替えることで、全てのプレス成形手段が同時にONになることを回避でき、高周波電源に過負荷がかからない。
本発明において、成形素材としてガラス素材を用いる場合、このガラス素材を10〜108.5ポアズ相当の粘度になるまで予熱し、かつ、ガラス素材の粘度で10〜1010ポアズ相当の粘度となる温度に加熱された成形型に供給し、直ちに前記成形型で前記ガラス素材をプレス成形することが好ましい。
このようにすると、短い成形サイクルタイムで光学素子を成形することができ、生産性を向上させた状態で偏心精度の高い光学素子を得ることができる上、成形型の寿命を延長することができる。
本発明において、二個のプレス成形手段を有する場合、そのうちの一つのプレス成形手段における型加熱工程から光学素子の取出し工程までの成形サイクルタイムが、他のプレス成形手段おいて行われる同じ成形サイクルタイムの0.8〜1.2倍とする。
このようにすると、一台の電源から二個のプレス成形手段に対して電源電流を時分割して供給する場合においても、電流供給の時間帯が重ならず、かつ、各成形手段の待機時間による生産性の低下を防止することができる。
本発明によれば、装置を大型化することなく、高い偏心精度を有するガラス製品(光学素子)を生産効率よく成形することができるとともに、種類の異なったガラス製品をも同時に成形できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下では、本発明をガラス光学素子の製造装置に適用した実施形態にそって説明するが、本発明は、この実施形態に限られるものではなく、樹脂製光学素子の製造、あるいは、ガラス及び樹脂製の光学素子以外の部品製造にも適用できる。
[ガラス光学素子の製造装置]
図1は、本発明に係るモールドプレス成形装置をガラス光学素子の製造装置に適用した場合の概略平断面図である。
図1に示す製造装置は、球状のガラスプリフォーム(成形素材)をプレスし、小型のコリメーターレンズを製造するものである。概略的に、2台の素材搬送装置12と2個の成形室20とを有している。
図1に示すように、このガラス光学素子の製造装置は、一つの加熱室10と、この加熱室10の両側に二つの成形室20,20を備えている。加熱室10と二つの成形室20,20は、開閉バルブ31を備えた通路30で相互に連通されており、この加熱室10、成形室20,20及び通路30によって、外部から遮断された一つの密閉空間が形成されている。この密閉空間の外壁は、ステンレスその他の部材により形成されており、図示しないシーリング材によって、その気密性が保持されている。この加熱室10、成形室20,20及び通路30によって形成される密閉空間は、ガラス光学素子の成形時に、不活性ガス雰囲気にされる。すなわち、図示しないガス交換装置によって、空間内の空気が排気され、代わりに不活性ガスが充填される。不活性ガスとしては、窒素ガスまたは窒素と水素の混合ガス(例えば、N+0.02vol%H)を用いることが好ましい。
加熱室10は、供給される成形素材としてのガラスプリフォームをプレスするに先立って予備加熱するための領域であり、ここには、加熱室10の外部からガラスプリフォームを加熱室10内へ供給するための二つのプリフォーム供給手段11,11と、プリフォーム供給手段11,11から成形室20,20へガラスプリフォームを搬送する2台のプリフォーム搬送手段(素材搬送手段)12,12、及び、成形室20,20へ搬送するガラスプリフォームを予め加熱するプリ
フォーム加熱手段13,13がそれぞれ対応して設置されている。
2台のプリフォーム搬送手段12,12は、一つの加熱室10内に並設されており、それぞれプリフォーム供給手段11,11から供給されるガラスプリフォームを受け取り、プリフォーム加熱手段13,13による加熱領域に搬送し、さらに、加熱軟化したガラスプリフォームを成形室20,20へ搬送する。各プリフォーム搬送手段12,12は、そのアーム123の先端に4つの皿124を備え、その上でガラスプリフォームを保持する。
実施形態のものは、加熱室10内に固定されている摺動部121上を移動する駆動台122によって、皿124を備えるアーム123が水平に支承され、該アーム123はほぼ90度の回転角をもって水平方向に回動する構成としてある。
プリフォーム搬送手段12,12は、駆動台122の内部に、図示しないアーム開閉機構を備え、これによってアーム123の先端を開いて皿124上のガラスプリフォームを成形型上に落下させる。
ガラスプリフォームが予熱され、軟化した状態で搬送されるときに、搬送治具に接触することでガラス表面に欠陥が生じると、成形後の光学素子の形状精度を損なうため、本実施形態のアーム123は、ガラスプリフォームをガス浮上させた状態で搬送する浮上搬送用治具としてある。
浮上搬送型のアームとしては、例えば、図7に示すようなものを利用することができる。このアーム123は、その先端側に割型式の皿124を備え、ここにアーム内に貫通された供給路を通して、窒素その他の不活性ガスが供給され、不活性ガスの噴出力によって皿124上でガラスプリフォームの浮上保持を可能としている。
例えば、該アームをその幅方向に分割可能な一対のアーム分割体で構成し、該アーム分割体の先端側を相互に開くことによって、該開かれた隙間から皿124上のガラスプリフォームをプレス成形型上に落下供給する。すなわち、皿124も各アーム分割体に支持される分割体で構成され、これらがアーム分割体を相互に突き合わせたときに突き合わされ、浮上皿を構成する。
プリフォーム加熱手段13,13は、供給されたガラスプリフォームを、所定の粘度に対応した温度まで加熱するためのものである。ガラスプリフォームを安定して一定の温度まで昇温するために、抵抗素子を用いた抵抗加熱による加熱手段13,13(例えば、Fe−Crヒータ)を用いることが好ましい。プリフォーム加熱手段13,13は、側面から見て概略コ字状を有しており、その内側の上下面にヒータ部材を備えている。プリフォーム加熱手段13,13は、アーム124,124上に保持したガラスプリフォームの移動軌跡上に設置される。
本実施形態のものは、二つのプリフォーム加熱手段13,13を加熱室10のほぼ中央に並設してある。このようにすると、加熱室10の外への放熱が少なくなり、熱のロスが少ない。ただし、それぞれ異なる温度に設定することを阻害しない程度に離間して配置することが好ましい。
なお、プリフォーム加熱手段13,13へは常時電流を供給し続けてもよいが、制御手段(図示せず)によって交互に時分割供給してもよい。
プリフォーム加熱手段13,13のヒータ表面温度は約1100℃、炉内雰囲気、すなわち上下ヒータ間の雰囲気は約700〜800℃とすることができる。なお、本実施形態においては、上下ヒータ間に温度差を設けることによって、アーム25の縦方向における反りを防止するようにしている。
また、プリフォーム加熱手段13,13は、制御手段(図示せず)によって互いに異なる温度設定とすることができる。このようにすると、それぞれ異なった種類のガラスプリフォームを用いる場合に、そのガラス組成に適した温度設定とすることができる。
一方、二つの成形室20,20のそれぞれには、前記加熱室10において予備加熱されたガラスプリフォームをプレスして、所望の形状のガラス光学素子を成形するためのプレス成形手段21,21と、吸着パッドを備え、成形後の光学素子をプレス成形手段21,21から自動的に取り出して素子取出し手段23,23まで搬送する搬出手段22,22が設置されている。
素子取出し手段23,23は、プレス成形されたガラス光学素子を成形室20の外部へ搬出する。
プレス成形手段21,21は、プリフォーム搬送手段12,12によって加熱室20から搬送されてくる4つのガラスプリフォームを同時に受け入れ、これをプレスして所望の形状のガラス光学素子を成形する。
プレス成形手段21,21は、図3に示すように、4セットの上下成形型(213a、213b)及び上母型211a、下母型211b、並びにスリーブ214aを備えており、さらに、上型の周囲に配置した高周波誘導加熱コイル210,210を具備している。なお、上型と下型が開いている位置において、両方の型の周囲に高周波誘導加熱コイル210,210を配置することもできる。
プレス成形手段21,21においては、上下型が開いているときに、プリフォーム搬送手段12,12のアーム123に浮上支持されている4つのガラスプリフォームが前記下型上に落下され、該アームが成形型間から後退した直後に、下型を上型に向けて上昇させ、これによってその間に挟まれた4つのガラスプリフォームを同時にプレスする。
素子搬出手段22,22は、プレス成形手段21,21によってプレスされたガラス光学素子を、素子取出し手段23,23に渡すものである。素子搬出手段22,22は、摺動部221,221上を移動するアーム222,222の先端に4つの吸着パッドを備えている。吸着パッドは、成形型の下型上にある4つのガラス光学素子を真空吸着し、素子搬出手段22,22のアーム222,222による素子取出し手段23,23への搬送を可能としている。
このような構成からなるガラス光学素子製造装置におけるプリフォーム搬送手段の動作説明を行う。
プリフォーム搬送手段12,12を構成する駆動台122、アーム123は、プリフォーム供給手段11,11からプリフォームを受け取るため摺動台121,121上を移動して、アーム123,123の皿124,124をプリフォーム供給手段11,11に位置決めする。
アーム123,123の皿部124,124でプリフォームを浮上支持すると、駆動台122は再び摺動台121,121上を移動し、プリフォームをプリフォーム加熱手段13,13まで搬送し、ここで予熱を行う。
予熱が終わると、プリフォーム搬送手段12,12は、アーム123,123を成形室20,20側に向けてほぼ90度回転させ、かつ、成形室20,20側に向けて摺動台121,121上を移動させる。このとき、加熱室10,10と成形室20,20との間の通路30におけるバルブ31は開いており、プリフォーム搬送手段12,12のアーム123,123の皿部124,124が成形室20,20内に入り、あとで詳細に説明するプレス成形手段21,21の上型と下型との間に位置決めされる。
ガラス光学素子の製造装置としては、上記形態のもの以外に、図4及び図5に示すような形態のものを採用することができる。
図4に示すものは、加熱室10,10を小型にしたもので、それに合わせてガラスプリフォームを成形室20,20に搬送する際のプリフォーム搬送手段12,12の摺動台121,121上における移動量を小さくなるようにしてある。すなわち、ガラスプリフォームの予熱が終了すると、プリフォーム搬送手段12,12はプリフォーム供給手段11,11のところまで戻り、その後ほぼ90度回動して、アーム123,123の皿124,124を成形室20,20のプレス成形手段21,21に位置決めする。
なお、この場合、予熱終了後、直ちにプリフォーム搬送手段12,12を回動させるようにしてもよく、このようにすると、加熱室10,10と成形室20,20間の通路を図4に示す場合より狭くすることができる。
図5に示すものは、プリフォーム搬送手段12を一台とし、加熱室10をさらに小型化した形態となっている。この形態のものにおいては、一台のプリフォーム搬送手段12によって、左右両側の成形室20,20内のプレス成形手段21,21に交互にガラスプリフォームを搬送するようにしてある。
この場合、プリフォーム搬送手段12の回動は、プリフォーム搬送手段12を、摺動台121上のガラスプリフォームを搬送する成形室20と反対側まで移動させた状態で行い、その後、摺動台121上を、ガラスプリフォームを搬送する成形室20まで移動させて行う。
なお、図5に示す装置では、さらに偏心精度を高めるため、プレス成形手段21,21は、それぞれ2組の上母型と下母型を有し、一つの母型には二つの成形型が配置されている。2組の上母型と下母型は、一つの支持部材によって支承されている。
〔プレス成形手段〕
次に、プレス成形手段について詳しく説明する。
図2は、本実施形態にかかるガラス光学素子製造装置のプレス成形手段の概略平面図、図3は同じく要部構造を示す側断面図である。
このプレス成形手段21,21は、上型及び下型が、それぞれ、母型と成形型を有している。上母型211a及び下母型211bは長尺状であり、それぞれ上主軸212a及び下主軸212bに取り付けられている。そして、上母型211aには4個の上成形型213aが取り付けられ、下母型211bには4個の下成形型213bが取り付けられている。
上母型211aは、上主軸212aに取り付けられ、上主軸212aは装置本体に固定されている。下母型211bはサーボモータ(図示せず)により駆動される可動主軸212bに取り付けられている。これにより、成形プロセスの各工程(型加熱工程、素材供給工程、加圧工程、離型工程、取出し工程)において、下母型211bを、上下成形型213a,213bが近接する第一位置と上成形型213aと所定の距離離間する第二位置との間で移動させるとともに、第一位置と第二位置とにそれぞれ停止させることができる。
上下母型211a,211bは、所定の成形サイクルにあわせて成形制御部(図示せず)が、サーボモータに駆動信号を送ることにより接離させる。
なお、本実施形態のプレス装置においては、下母型のみを移動可能としてあるが、上母型のみ、あるいは上下母型の両方を移動させるようにしてもよい。
上母型211aが固定されている位置には、上母型211aを巻回する誘導加熱コイル(加熱コイル)210が配設されている。
なお、二つのプレス成形手段21,21の加熱コイル210,210は、あとで詳しく説明するように、共通の電源部に接続されているが、それぞれの出力は独立して制御が可能である。
これにより、二つのプレス成形手段21,21に所望の温度差を設けることができる。また、加熱コイル210の巻数及び配置範囲などは、プレス成形手段で成形する光学素子の種類などに応じて決定する。
本実施形態のものは、上母型211aと下母型211bにおける成形型をそれぞれ4つにしてある。成形型が4個以下であると、母型があまり長くならず、母型を加熱したときに生じる母型の反りが大きくならないので、反りによって偏心精度(上下型の光軸の傾き:ティルト)の悪化が問題になるような高精度レンズにおいては特に有利である。さらに、反りを小さくできることは、上下母型の位置決めが正確に行えることとなり、偏心精度(上下型の光軸の水平方向のずれ:ディセンタ)の向上にも有効である。
上下母型211a,211bの素材は、誘導加熱によって発熱し、耐熱性のある発熱体を用いている。この発熱体としては、例えば、タングステン合金、ニッケル合金などを用いることができる。また、上下の成形型213a,213bには、例えば、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのセラミック、あるいは超硬合金などを用いることができる。
ここで、上下母型211a,211bの発熱体としては、熱膨張率が成形型213a,213bの素材と近いものを使用することが好ましい。例えば、成形型の素材としてセラミックを用いる場合には、発熱体として、タングステン合金などを用いることが好ましい。
なお、上下の成形型213a,213bの成形面には離型膜を設けることができる。離型膜としては、貴金属(Pt,Ir,Auなど)や、炭素を主成分とする膜が適用できる。炭素膜は、特に、安価であって離型効果が優れており、好適である。
また、上下母型211a,211bは、素材供給時及び製品取り出し時に、完全に離間する構成としてあるため、プレス時に上下母型211a,211bを接近させる際には上下母型211a,211bの精密な位置決めが必要となる。そこで、上下母型211a,211bの位置決めを行うためのガイドピン215aとガイド孔215bが設けてある。
本実施形態では、上母型211aにガイドピン215aを突設し、下母型211bにガイド孔215bを設けてある。
さらに、4個の上成形型213aの外周にはスリーブ214aが設けてあり、4個の下成形型213bの外周には、狭いクリアランスでスリーブ214aと嵌合するスリーブ孔214bが設けてある。これにより、上下母型211a,211bが接近したときに、上成形型213aのスリーブ214aが下成形型213bのスリーブ孔214bと狭いクリアランスで滑動して嵌合し、上下成形型213a及び213bのさらに精密な位置決めが行われる。その結果、偏心精度(ディセンタ及びティルト)を所定範囲内に維持することができる。
上下母型211a,211bの位置決めを行うためのガイドピン215aとガイド孔215bのクリアランスは10〜40μmであることが好ましく、また、上成形型213aのスリーブ214aと下成形型213bのスリーブ孔214bとのクリアランスは、1〜10μmであることが好ましい。いずれの場合も、クリアランスが、上記範囲より小さいと、滑動がなめらかにいかなくなり、クリアランスが上記範囲より大きいとがたが生じて、位置決め精度が低下する。
なお、上型と下型の位置決め部材は、上記の例に限定されず、下母型(下型)側に突出部材を設けてもよく、また、ガイド部材とスリーブ部材のいずれか一方のみを設けてもよい。
本実施形態における高周波電源60は、図3に示すように、2個の型加熱手段(誘導過熱コイル)210,210にそれぞれ別個に電流を供給する。すなわち、高周波電源60は、制御手段50からの信号にもとづいて高周波電源をON/OFFし、OFFのときにシーケンサ52により切替スイッチ51を動作させる。このようにして、一つの電源60から2個のプレス成形手段21,21の加熱コイル210にそれぞれ時分割して電流を供給する構成となっている。制御手段50は、所定時間ごとにON/OFF信号を高周波電源60に出力する。このように、電流供給がOFFのときに切替スイッチ51を動作させることで、二つのプレス成形手段21,21における加熱スケジュールの多少の不整合を吸収することができる。
なお、本実施形態では、プレス成形手段21が2個となっているが、これに限定されるものではない。プレス成形手段21がN個あるときには、シーケンサ52からの指令によって切替スイッチ51をN個のプレス成形手段21に順次切り替える。
また、一つのプレス成形手段21における母型211の数も1個に限定されるものではなく複数個であってもよい。この場合、2又は3個が好ましい。母型211を多くすれば生産効率が上がるが、3個を超えると、それらを支承する支持部材及び駆動部材が増えてしまう。一方、支持部材を共通化すると、支持部材の熱変形によって、やはり偏心精度が悪化しやすい。
なお、成形型を同数とするならば、複数の母型に分けて配置することが偏心精度上は有利である。
[ガラス光学素子の製造方法]
以上のような構成のガラス光学素子製造装置を用いて、本発明に係るガラス光学素子を製造する方法の実施形態を説明する。
(a)型加熱工程
プレス成形手段の各々において、母型を高周波誘導加熱コイルによって所定温度に加熱する。連続成形の場合には、先立って行われたサイクルの(e)取出し工程が行われた母型は、ガラス移転点Tg付近の温度に冷却されているため、次のサイクルのために所定温度への加熱が行われる。母型の温度は、ガラスプリフォームの粘度で10〜1012、好ましくは10〜1010ポアズ相当とすることができる。
本実施形態の成形装置では、一つの電源から二つのプレス成形手段21a,21bに交互に高周波電流を供給している。二つのプレス成形手段21a,21bを交互に加熱するタイミングは、図6に示すように、一方のプレス成形手段21aに対する加熱及び均熱が終了すると、一方のプレス成形手段21aへの電流供給を停止させ、その後、他のプレス成形手段21bに電流を供給し加熱が開始するようになっている。そして、他の成形手段21bの加熱及び均熱が終了すると、他方のプレス成形手段への電力供給を停止させ、その後、一方のプレス成形手段21aに再度電流を供給し、加熱が再び開始するようになっている。
一方のプレス成形手段21aから他方のプレス成形手段21bへの切り替えは、電流供給がOFFのときに行う。すなわち、いずれのプレス成形手段21a,21bへも電流が供給されない時間帯(無通電時間)を設けてある。この無通電時間を介して高周波電流の供給を切り替えることで、両方のプレス成形手段21a、21bが同時にONになることが避けられ、高周波電源60に過負荷がかからない。
二つのプレス成形手段21a,21bの温度設定値は、同一でもよく、温度差を設けたものであってもよい。例えば、二つのプレス成形手段21a,21bで成形する光学素子の材質、形状や径などを異ならせる場合は、温度差をつけることが好ましい。
このようにすることで、高価な高周波電源を二つのプレス成形手段に併用し、稼働率を最大にすることができる。
二つのプレス成形手段21a,21bの温度制御は、それぞれの母型211に設けてある、図示しない温度センサ(熱電対)の出力をそれぞれ制御手段50で入力し、設定温度となるよう、例えばPID制御することで行う。
目標温度に近づいたら、供給する電流を少なくして加熱コイルの出力を低減させるようにしてもよい。
なお、型加熱工程は、母型の大きさ(熱容量)や電源容量によって任意の時間とすることができるが、例えば、約20〜40秒間とする。
このようにして、プレス成形手段の温度制御を独立かつ迅速に行うことができる。
(b)素材供給工程
プリフォームの供給は、予め適切な重量の所定形状に予備成形されたガラスプリフォームを用い、成形に適した粘度まで軟化したものを供給するか、あるいは、成形に適した温度よりも低温のガラスプリフォームを上型及び下型間に供給し、成形型においてさらに加熱してもよい。予め、型の設定温度よりも高温に加熱し、軟化した状態のガラスプリフォームを供給する(いわゆる非等温プレス)場合には、特に、型温度の制御を精密に行う必要があるので、本発明を実施すると好適である。また、これにより成形サイクルタイムを短縮して生産効率を向上できる。
このときのプリフォームの温度は、粘度で10ポアズ相当未満の温度とし、好ましくは10〜108.5ポアズ相当とすることができる。
また、このときのプリフォームの供給は、浮上支持した状態で搬送し、下型上に落下させている。これは、加熱されて軟化したプリフォームを搬送して下型に載置させるときに、プリフォームが搬送部材に接触して表面に欠陥が起きると、成形される光学素子の面形状に悪影響を与えるので、これを防止するためである。
(c)プレス工程
ガラスプリフォームが供給された後、ただちに、下母型側の駆動手段であるサーボモータ(図示せず)を作動させて下型を上昇させ、所定の荷重をもって加圧し、上下成形型の成形面をガラスプリフォームに転写することによって、所定面形状をもった光学素子を成形する。
加圧のための下型の上昇ストロークは、予め、成形する光学素子の肉厚から設定された値であり、この後の冷却工程においてガラスが熱収縮する分を見込んで定めた量とする。
なお、加圧のスケジュールは、成形する光学素子の形状や大きさに応じて任意に設定することができ、初期加圧の後、荷重を開放又は軽減したのち、二次加圧を行うなどの、複数回の加圧方法を採用することもできる。
(d)冷却・離型工程
加圧を維持したまま、あるいは加圧を減じた状態で、成形されたガラス光学素子と成形型の密着を保ち、ガラスの粘度で1012ポアズ相当の温度になるまで冷却したのち、離型する。離型温度は、1012.5〜1013.5ポアズ相当、あるいはそれ以下で行うことが好ましい。
(e)取出し工程
吸着部材を備えた取出しアーム等により、離間した上下成形型の間から成形されたガラス光学素子を自動的に取り出す。
本発明では、二つの成形室20,20で同一の製品を成形することはもちろんのこと、異なる種類の製品を成形することもできる。異なる製品を成形する場合には、その成形工程の成形サイクルタイムを近似したものとすることが好ましい。例えば、一方の成形室における、型加熱から取出しまでの成形サイクルタイムが、他方の成形室において行われる成形サイクルタイムの0.8〜1.2倍であることが好ましい。成形サイクルタイムの短い方の成形室においては、取出し後に、休止時間を設けるなどして、他方の成形サイクルタイムとの整合をもたせるようにする。なお、サイクルタイムが上記のように概ね整合していれば、一方の成形室と他方の成形室における型加熱時間が、異なっていてもよい。すなわち、型加熱時間が重複しないように設定し、かつ、一方に対し、他方の待機時間が長すぎなければ問題は生じない。
例えば、凹メニスカスレンズにおいては、型加熱は急速に行ってもよいが、プレス後の急冷によって成形された光学素子は面精度を損ないやすい。そこで、このようなレンズは冷却速度を遅くする必要があり、1サイクル中における高周波電源を必要としない時間帯が相対的に長い。このようなものを一方の成形室で成形する場合には、他方の成形室においては加熱に時間を要し、かつ急冷が行えるもの、例えば、径の大きい両凸レンズを充てることができる。
なお、冷却速度(所要時間)を調整するためには、成形室内に冷却ガス(窒素などの不活性ガス)をブロー供給する手段を併用し、その流量を制御することが好ましい。
このように、本実施形態の装置によれば、互いに成形サイクルタイムがほぼ等しい成形品種の中で、一方の型加熱時間と冷却時間が、他方の冷却時間と型加熱時間に対応するもの、または対応させることが可能なものを複数の中から選択し、各成形手段によってそれぞれ成形することが可能である。
これらは、各成形品目の組成によるプレス温度範囲、組成と形状に依存する離型温度の設定、光学素子形状と径に依存する成形型の大きさ、上記冷却ガスの流量などによって決定される。
また、本実施態様では、各成形室にそれぞれ一台ずつのプレス成形手段を設けたが、一つの成形室に二つプレス成形手段を設けてもよく、また、加熱室と成形室を同室としても構わない。但し、成形室と加熱室を別室とすると、成形型の交換や、修理などメンテナンスの際に予熱室の温度や雰囲気を維持できることから、復旧時間が早いため好ましい。
本発明は、ガラスやプラスチックの成形素子を製造する場合に利用することができ、特にガラスの光学素子を製造する場合に利用すると好適である。光学素子として、例えばレンズを製造することができ、この場合、レンズの形状には特に制約はなく、両凸、凹メニスカス、凸メニスカスなどとすることができる。また、レンズ外径が15〜25mm程度の中口径のレンズであっても、肉厚、偏心精度などが良好なレンズを得ることができる。例えば、肉厚精度については、±0.03mm以内のものである。また、偏心精度については、ティルトが2分以内、ディセンタが10μm以内のものを製造することができる。
図1は、本発明を適用するモールドプレス成形装置の一実施形態を示す概略平面図である。 図2は、図1におけるプレス装置の概略平面図である。 図3は、図2に示すプレス装置の概略側断面と、電源回路を示す図である。 図4は、本発明を適用するモールドプレス成形装置の他の一実施形態を示す概略平面図である。 図5は、本発明を適用するモールドプレス成形装置のさらに他の一実施形態を示す概略平面図である。 図6は、二つのプレス成形手段に対する電流の供給状態を示すタイムチャートである。 図7は、プリフォーム搬送手段におけるアームの一例を示す平面図である。
符号の説明
10 加熱室
12 素材搬送手段(プリフォーム搬送手段)
123 浮上治具(アーム)
21 プレス成形手段
210 型加熱手段(高周波誘導過熱コイル)
213a 上成形型
213b 下成形型
50 制御手段
60 高周波電源装置

Claims (8)

  1. 成形型と、
    前記成形型を加熱する型加熱手段とを備えたN個のプレス成形手段と、
    前記N個のプレス成形手段に成形素材を搬送する素材搬送手段と、
    前記N個の型加熱手段に高周波電流を供給する高周波電源装置と、
    この高周波電源装置から前記N個の型加熱手段に供給する高周波電流を時分割制御する制御手段と
    加熱室と、
    N個の成形室とを有し、
    前記素材搬送手段は、前記N個のプレス成形手段と一対一に対応してN台設けられると共に、前記N台の素材搬送手段が同一の前記加熱室内に配置され、
    前記N個のプレス成形手段が前記N個の成形室内にそれぞれ配置されてい
    ことを特徴としたモールドプレス成形装置。
  2. 成形型と、
    前記成形型を加熱する型加熱手段とを備えたN個のプレス成形手段と、
    前記N個のプレス成形手段に成形素材を搬送する素材搬送手段と、
    前記N個の型加熱手段に高周波電流を供給する高周波電源装置と、
    この高周波電源装置から前記N個の型加熱手段に供給する高周波電流を時分割制御する制御手段と、
    加熱室と、
    N個の成形室とを有し、
    前記素材搬送手段が、一台の素材搬送手段で構成されると共に、前記一台の素材搬送手段が前記加熱室内に配置され、
    前記N個のプレス成形手段がN個の成形室内にそれぞれ配置されている
    ことを特徴としたモールドプレス成形装置。
  3. 前記制御手段は、前記N個の型加熱手段におけるいずれかの型加熱手段から別の型加熱手段に高周波電流の供給を切り替える際、全ての型加熱手段に高周波電流を通電しない無通電時間を介して切り替えることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のモールドプレス成形装置。
  4. 前記成形素材を予熱する素材加熱手段が加熱室内に配設され、
    前記素材搬送手段は、前記成形素材を前記素材加熱手段によって予熱し、かつ前記各プレス成形手段に搬送するときに、前記成形素材を気体により浮上させた状態とする浮上治具を備えている
    ことを特徴とした請求項1〜3のいずれか1項に記載のモールドプレス成形装置。
  5. 加熱軟化した前記成形素材を成形型によってプレス成形する成形工程と、成形品を冷却する冷却工程と、前記成形型から前記成形品を離型する離型工程とを含むガラス光学素子の製造方法において、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のモールドプレス成形装置を用い、N個のプレス成形手段のそれぞれに備えられた成形型に対して加熱を行うときに、時間をずらして行うことを特徴とする光学素子の製造方法。
  6. 前記制御手段が、前記N個の型加熱手段におけるいずれかの型加熱手段から別の型加熱手段に高周波電流の供給を切り替える際、全ての型加熱手段に高周波電流を通電しない無通電時間を介して切り替えることを特徴とする請求項5に記載の光学素子の製造方法。
  7. 成形素材としてガラス素材を用い、このガラス素材を10〜108.5ポアズ相当の粘度になるまで予熱し、かつ、ガラス素材の粘度で10〜1010ポアズ相当の粘度となる温度に加熱された成形型に供給し、直ちに前記成形型で前記ガラス素材をプレス成形することを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  8. 二個のプレス成形手段を有し、そのうちの一つのプレス成形手段における型加熱工程から光学素子の取出し工程までの成形サイクルタイムが、他のプレス成形手段おいて行われる同じ成形サイクルタイムの0.8〜1.2倍であることを特徴とした請求項5又は6のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
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