JP2004345909A - 単結晶成長装置の原料棒保持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属や酸化物など種々の無機材料単結晶をFZ法で育成する単結晶成長装置において、原料棒の取り付け及び調芯を容易に短時間で行えるようにし、作業能率を向上させる。
【解決手段】上部回転軸51の軸芯Oに対して調芯可能に取り付けたスライド軸1と、スライド軸1に揺動自在に吊り下げた吊下軸2と、スライド軸1の回転を吊下軸2に伝達する回転伝達スプリング3と、吊下軸2に原料棒53を鉛直方向に向けて取り付ける原料棒ホルダー4とを備え、原料棒ホルダー4で原料棒53の傾きを、スライド軸1で原料棒53の上部回転軸51の軸芯Oに対するずれをそれぞれ独立に調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】上部回転軸51の軸芯Oに対して調芯可能に取り付けたスライド軸1と、スライド軸1に揺動自在に吊り下げた吊下軸2と、スライド軸1の回転を吊下軸2に伝達する回転伝達スプリング3と、吊下軸2に原料棒53を鉛直方向に向けて取り付ける原料棒ホルダー4とを備え、原料棒ホルダー4で原料棒53の傾きを、スライド軸1で原料棒53の上部回転軸51の軸芯Oに対するずれをそれぞれ独立に調整する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属や酸化物など種々の無機材料単結晶をフローティングゾーン法(以下FZ法という)で育成する単結晶成長装置の原料棒保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
単結晶をFZ法で成長させる場合、図5に示すように、上部回転軸51の吊り下げ具52で原料棒53を石英管54内に吊り下げ、下部回転軸55に固定された種結晶支持棒56に種結晶57を白金線62で取り付ける。
石英管54の外側には、ハロゲンランプ58等の光源を備えた回転楕円体の反射鏡59が設けられており、石英管54の中央部に赤外線60を集中させて原料棒54を溶融し、種結晶57上に単結晶を成長させる(特許文献1参照)。
【0003】
単結晶をFZ法で成長させるとき、原料棒53を吊り下げている上部回転軸51と種結晶57を取り付けている下部回転軸55の下方への移動速度は任意の速度で制御するとともに、加熱温度を制御しながら種結晶上に成長した単結晶と原料棒53とが溶融帯を介して接続されるようにする。溶融帯内で単結晶の先端と原料棒53の先端とが接触すると、揺動によって溶融帯を形成する融液が脱落し単結晶の成長が阻害されるため、速やかに離す必要がある。
【0004】
そこで、原料棒53の揺れを目視観察またはカメラで感知し、揺れが設定値を超えた場合には移動速度、あるいは加熱温度の変更等を行うような制御を行っている。
原料棒53の保持にはこのように外力が加わった場合に揺動する機能が必要であるが、それとは逆に単結晶成長時、軸回転に伴う原料棒の芯振れは溶融帯の維持を困難にするため、原料棒53は揺動が起きても速やかに元に戻る保持機構で保持しなければならない。
これらを満足させる方法として、従来は原料棒53を吊り下げ具52に白金線61で吊り下げていた。
【0005】
【特許文献1】
特公平5−34318号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
FZ法で単結晶の育成を行うためには、原料からのアプローチとして原料棒53をできるかぎり左右対称に成形することが重要であるが、原料棒53取り付け時において白金線61で吊り下げた原料棒53が回転状態で鉛直方向を向いていること、回転軸に対して振れが生じないことが必要であり、このための調整は、原料棒53を吊り下げた白金線61を変形させることにより行っていた。
【0007】
しかし、この調整は白金線61の微妙な変形だけで行わねばならないので、熟練を要する難しい作業であり、作業者の経験に大きく依存し、また、その調整に時間を要する。
本発明は、単結晶をFZ法で育成する単結晶成長装置における上記問題を解決するものであって、原料棒の取り付け及び調芯を容易に短時間で行うことができ、作業能率を向上させることのできる単結晶成長装置の原料棒保持装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の単結晶成長装置の原料棒保持装置は、上部回転軸の軸芯に対して調芯可能に取り付けたスライド軸と、スライド軸に揺動自在に吊り下げた吊下軸と、スライド軸の回転を吊下軸に伝達する回転伝達部材と、吊下軸に原料棒を鉛直方向に向けて取り付ける原料棒ホルダーとを備えている。
この単結晶成長装置の原料棒保持装置は、原料棒ホルダーで原料棒の傾きを、スライド軸で原料棒の上部回転軸の軸芯に対するずれをそれぞれ独立に調整できるので、原料棒の取り付け及び調芯を容易に短時間で行うことができる。
【0009】
スライド軸の回転を吊下軸に伝達する回転伝達部材をスプリングとすれば、スライド軸の回転を吊下軸に伝達することができるとともに、揺動も可能となる。
吊下軸が揺動したとき吊下軸を上部回転軸の軸芯に戻す軸芯復帰部材が有れば、原料棒に揺れが生じても吊下軸を上部回転軸の軸芯に戻すことができる。
軸芯復帰部材がスプリングであれば、原料棒に揺れが生じたとき、スプリングの力により吊下軸を上部回転軸の軸芯に戻すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態を示す単結晶成長装置の原料棒保持装置の構成図、図2はスライド軸の支持ケースと吊下軸の揺動部材の構成を示す部分拡大断面図、図3は原料棒ホルダーの構成を示す部分拡大断面図、図4は図1のC−C線断面図である。
この原料棒保持装置は、上部回転軸51の軸芯Oに対して調芯可能に取り付けたスライド軸1と、スライド軸1に揺動自在に吊り下げた吊下軸2と、スライド軸1の回転を吊下軸2に伝達するための回転伝達スプリング3と、吊下軸2に原料棒53を鉛直方向に向けて取り付ける原料棒ホルダー4とを備えており、図5に示す従来の単結晶成長装置の吊り下げ具52に代えて上部回転軸51に連結され、原料棒53を保持するために使用される。
【0011】
スライド軸1の上部にはスライドプレート5が形成されており、このスライドプレート5が上部回転軸51の下端に固定されたスライドケース6内にスライド可能に収容されていて、スライドプレート5を前後左右にスライドさせることによりスライド軸1を上部回転軸51の軸芯Oに対して調芯することができる。スライドプレート5は押さえスプリング7と押さえプレート8とでスライドケース6の底面に押し付けられ、摩擦力により調芯位置に保持され、上部回転軸51から回転が伝達される。
【0012】
スライド軸1の下部には吊下軸2を支持するための支持ケース9が設けられている。支持ケース9は円筒状で、中央部に吊下軸2上部の揺動部材10を揺動自在に支持する支持部材11を備えている。支持部材11が揺動部材10を支持する支持接触点Pと同一水平面上には回転伝達スプリング3が配置され、揺動部材10を支持ケース9の側方から中心側に押し付け、揺動部材10に回転を伝達する。回転伝達スプリング3はスクリュー12で適宜押し付け力を調整することができる。
【0013】
揺動部材10の上端と支持ケース9との間には、揺動部材10を支持接触点P側へ押し下げ、確実に接触させる接触保持スプリングリング13が設けられている。また、支持ケース9の下部には吊下軸2が揺動したとき吊下軸2を支持ケース9の側方から中心側に押し付け、上部回転軸51の軸芯Oに戻すための軸芯復帰スプリング14とガイド15が設けられている。軸芯復帰スプリング14は、スクリュー16で適宜押し付け力を調整することができる。
【0014】
吊下軸2の下部には、原料棒ホルダー4が取り付けられている。
原料棒ホルダー4は、その下端部に原料棒53の上端部を保持し、取付ボルト17と取付ナット18とで固定する原料棒保持部19が設けられている。
原料棒ホルダー4の上部は、原料棒53の鉛直方向の芯合わせの際の角度調整が可能なように、球面ナット20、球面ワッシャ21、及び調整ナット22で吊下軸2に連結されている。
【0015】
この原料棒保持装置に原料棒53を取り付け、調整する場合の作業は次のようにして行う。
まず、調整ナット22を弛めた状態で原料棒53を原料棒保持部19に取り付け、上部回転軸51をゆっくり回転させる。鉛直指示器41を原料棒53の近くに設置し、原料棒53の鉛直度を確認し、鉛直でない場合には上部回転軸51の回転を止めて球面ナット20及び球面ワッシャ21の接触面を動かすことにより、原料棒53が鉛直になるように調整する。同様に原料棒53を回転させながら原料棒53の全周での鉛直度を出す。
【0016】
原料棒53の鉛直度が出ていることが確認された後、調整ナット22を固定し、再び原料棒53をゆっくり回転させながら鉛直指示器41と原料棒53間の隙間の距離の最大値と最小値を測定する。鉛直指示器41と原料棒53間の隙間が最小となる位置で回転を止め、鉛直指示器41から原料棒53の中心方向へ、最大値と最小値の差の1/2の距離だけスライド軸1を移動させることにより調芯を行う。
【0017】
従来は原料棒53を白金線61で吊り下げ、白金線61を変形することにより調芯を行っていたので自由度が大きく、回転時の芯振れをなくすように調整するには熟練を要し、調整に時間を要していた。また、単結晶育成時、溶融帯内で単結晶先端と原料棒53の先端とが接触した際に原料棒53が揺れても強制的に元の位置に戻す機構がないため白金線61が変形し芯振れを起こし易かった。
【0018】
しかし、この単結晶成長装置の原料棒保持装置は、原料棒ホルダー4で原料棒53の傾きを、スライド軸1で原料棒53の上部回転軸51の軸芯Oに対するずれをそれぞれ独立に調整できるので、原料棒53の取り付け及び調芯を容易に短時間で行うことができる。
そして、FZ法で単結晶の育成を行うとき、原料棒53は回転状態で鉛直方向に保持され、回転軸に対して振れを生じない。種結晶57上に成長した単結晶と原料棒53とが接触して原料棒53に揺れが生じても、軸芯復帰スプリング14で吊下軸2を上部回転軸51の軸芯Oに戻すことができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の単結晶成長装置の原料棒保持装置は、FZ法で単結晶を育成するとき、原料棒の取り付け及び調芯を容易に短時間で行うことができ、作業能率と単結晶の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す単結晶成長装置の原料棒保持装置の構成図である。
【図2】スライド軸の支持ケースと吊下軸の揺動部材の構成を示す部分拡大断面図である。
【図3】原料棒ホルダーの構成を示す部分拡大断面図である。
【図4】図1のC−C線断面図である。
【図5】従来の単結晶成長装置の概要構成図である。
【符号の説明】
1 スライド軸
2 吊下軸
3 回転伝達スプリング
4 原料棒ホルダー
5 スライドプレート
6 スライドケース
7 押さえスプリング
8 押さえプレート
9 支持ケース
10 揺動部材
11 支持部材
12 スクリュー
13 接触保持スプリング
14 軸芯復帰スプリング
15 ガイド
16 スクリュー
19 原料棒保持部
20 球面ナット
21 球面ワッシャ
22 調整ナット
41 鉛直指示器
51 上部回転軸
53 原料棒
O 軸芯
P 支持接触点
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属や酸化物など種々の無機材料単結晶をフローティングゾーン法(以下FZ法という)で育成する単結晶成長装置の原料棒保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
単結晶をFZ法で成長させる場合、図5に示すように、上部回転軸51の吊り下げ具52で原料棒53を石英管54内に吊り下げ、下部回転軸55に固定された種結晶支持棒56に種結晶57を白金線62で取り付ける。
石英管54の外側には、ハロゲンランプ58等の光源を備えた回転楕円体の反射鏡59が設けられており、石英管54の中央部に赤外線60を集中させて原料棒54を溶融し、種結晶57上に単結晶を成長させる(特許文献1参照)。
【0003】
単結晶をFZ法で成長させるとき、原料棒53を吊り下げている上部回転軸51と種結晶57を取り付けている下部回転軸55の下方への移動速度は任意の速度で制御するとともに、加熱温度を制御しながら種結晶上に成長した単結晶と原料棒53とが溶融帯を介して接続されるようにする。溶融帯内で単結晶の先端と原料棒53の先端とが接触すると、揺動によって溶融帯を形成する融液が脱落し単結晶の成長が阻害されるため、速やかに離す必要がある。
【0004】
そこで、原料棒53の揺れを目視観察またはカメラで感知し、揺れが設定値を超えた場合には移動速度、あるいは加熱温度の変更等を行うような制御を行っている。
原料棒53の保持にはこのように外力が加わった場合に揺動する機能が必要であるが、それとは逆に単結晶成長時、軸回転に伴う原料棒の芯振れは溶融帯の維持を困難にするため、原料棒53は揺動が起きても速やかに元に戻る保持機構で保持しなければならない。
これらを満足させる方法として、従来は原料棒53を吊り下げ具52に白金線61で吊り下げていた。
【0005】
【特許文献1】
特公平5−34318号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
FZ法で単結晶の育成を行うためには、原料からのアプローチとして原料棒53をできるかぎり左右対称に成形することが重要であるが、原料棒53取り付け時において白金線61で吊り下げた原料棒53が回転状態で鉛直方向を向いていること、回転軸に対して振れが生じないことが必要であり、このための調整は、原料棒53を吊り下げた白金線61を変形させることにより行っていた。
【0007】
しかし、この調整は白金線61の微妙な変形だけで行わねばならないので、熟練を要する難しい作業であり、作業者の経験に大きく依存し、また、その調整に時間を要する。
本発明は、単結晶をFZ法で育成する単結晶成長装置における上記問題を解決するものであって、原料棒の取り付け及び調芯を容易に短時間で行うことができ、作業能率を向上させることのできる単結晶成長装置の原料棒保持装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の単結晶成長装置の原料棒保持装置は、上部回転軸の軸芯に対して調芯可能に取り付けたスライド軸と、スライド軸に揺動自在に吊り下げた吊下軸と、スライド軸の回転を吊下軸に伝達する回転伝達部材と、吊下軸に原料棒を鉛直方向に向けて取り付ける原料棒ホルダーとを備えている。
この単結晶成長装置の原料棒保持装置は、原料棒ホルダーで原料棒の傾きを、スライド軸で原料棒の上部回転軸の軸芯に対するずれをそれぞれ独立に調整できるので、原料棒の取り付け及び調芯を容易に短時間で行うことができる。
【0009】
スライド軸の回転を吊下軸に伝達する回転伝達部材をスプリングとすれば、スライド軸の回転を吊下軸に伝達することができるとともに、揺動も可能となる。
吊下軸が揺動したとき吊下軸を上部回転軸の軸芯に戻す軸芯復帰部材が有れば、原料棒に揺れが生じても吊下軸を上部回転軸の軸芯に戻すことができる。
軸芯復帰部材がスプリングであれば、原料棒に揺れが生じたとき、スプリングの力により吊下軸を上部回転軸の軸芯に戻すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態を示す単結晶成長装置の原料棒保持装置の構成図、図2はスライド軸の支持ケースと吊下軸の揺動部材の構成を示す部分拡大断面図、図3は原料棒ホルダーの構成を示す部分拡大断面図、図4は図1のC−C線断面図である。
この原料棒保持装置は、上部回転軸51の軸芯Oに対して調芯可能に取り付けたスライド軸1と、スライド軸1に揺動自在に吊り下げた吊下軸2と、スライド軸1の回転を吊下軸2に伝達するための回転伝達スプリング3と、吊下軸2に原料棒53を鉛直方向に向けて取り付ける原料棒ホルダー4とを備えており、図5に示す従来の単結晶成長装置の吊り下げ具52に代えて上部回転軸51に連結され、原料棒53を保持するために使用される。
【0011】
スライド軸1の上部にはスライドプレート5が形成されており、このスライドプレート5が上部回転軸51の下端に固定されたスライドケース6内にスライド可能に収容されていて、スライドプレート5を前後左右にスライドさせることによりスライド軸1を上部回転軸51の軸芯Oに対して調芯することができる。スライドプレート5は押さえスプリング7と押さえプレート8とでスライドケース6の底面に押し付けられ、摩擦力により調芯位置に保持され、上部回転軸51から回転が伝達される。
【0012】
スライド軸1の下部には吊下軸2を支持するための支持ケース9が設けられている。支持ケース9は円筒状で、中央部に吊下軸2上部の揺動部材10を揺動自在に支持する支持部材11を備えている。支持部材11が揺動部材10を支持する支持接触点Pと同一水平面上には回転伝達スプリング3が配置され、揺動部材10を支持ケース9の側方から中心側に押し付け、揺動部材10に回転を伝達する。回転伝達スプリング3はスクリュー12で適宜押し付け力を調整することができる。
【0013】
揺動部材10の上端と支持ケース9との間には、揺動部材10を支持接触点P側へ押し下げ、確実に接触させる接触保持スプリングリング13が設けられている。また、支持ケース9の下部には吊下軸2が揺動したとき吊下軸2を支持ケース9の側方から中心側に押し付け、上部回転軸51の軸芯Oに戻すための軸芯復帰スプリング14とガイド15が設けられている。軸芯復帰スプリング14は、スクリュー16で適宜押し付け力を調整することができる。
【0014】
吊下軸2の下部には、原料棒ホルダー4が取り付けられている。
原料棒ホルダー4は、その下端部に原料棒53の上端部を保持し、取付ボルト17と取付ナット18とで固定する原料棒保持部19が設けられている。
原料棒ホルダー4の上部は、原料棒53の鉛直方向の芯合わせの際の角度調整が可能なように、球面ナット20、球面ワッシャ21、及び調整ナット22で吊下軸2に連結されている。
【0015】
この原料棒保持装置に原料棒53を取り付け、調整する場合の作業は次のようにして行う。
まず、調整ナット22を弛めた状態で原料棒53を原料棒保持部19に取り付け、上部回転軸51をゆっくり回転させる。鉛直指示器41を原料棒53の近くに設置し、原料棒53の鉛直度を確認し、鉛直でない場合には上部回転軸51の回転を止めて球面ナット20及び球面ワッシャ21の接触面を動かすことにより、原料棒53が鉛直になるように調整する。同様に原料棒53を回転させながら原料棒53の全周での鉛直度を出す。
【0016】
原料棒53の鉛直度が出ていることが確認された後、調整ナット22を固定し、再び原料棒53をゆっくり回転させながら鉛直指示器41と原料棒53間の隙間の距離の最大値と最小値を測定する。鉛直指示器41と原料棒53間の隙間が最小となる位置で回転を止め、鉛直指示器41から原料棒53の中心方向へ、最大値と最小値の差の1/2の距離だけスライド軸1を移動させることにより調芯を行う。
【0017】
従来は原料棒53を白金線61で吊り下げ、白金線61を変形することにより調芯を行っていたので自由度が大きく、回転時の芯振れをなくすように調整するには熟練を要し、調整に時間を要していた。また、単結晶育成時、溶融帯内で単結晶先端と原料棒53の先端とが接触した際に原料棒53が揺れても強制的に元の位置に戻す機構がないため白金線61が変形し芯振れを起こし易かった。
【0018】
しかし、この単結晶成長装置の原料棒保持装置は、原料棒ホルダー4で原料棒53の傾きを、スライド軸1で原料棒53の上部回転軸51の軸芯Oに対するずれをそれぞれ独立に調整できるので、原料棒53の取り付け及び調芯を容易に短時間で行うことができる。
そして、FZ法で単結晶の育成を行うとき、原料棒53は回転状態で鉛直方向に保持され、回転軸に対して振れを生じない。種結晶57上に成長した単結晶と原料棒53とが接触して原料棒53に揺れが生じても、軸芯復帰スプリング14で吊下軸2を上部回転軸51の軸芯Oに戻すことができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の単結晶成長装置の原料棒保持装置は、FZ法で単結晶を育成するとき、原料棒の取り付け及び調芯を容易に短時間で行うことができ、作業能率と単結晶の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す単結晶成長装置の原料棒保持装置の構成図である。
【図2】スライド軸の支持ケースと吊下軸の揺動部材の構成を示す部分拡大断面図である。
【図3】原料棒ホルダーの構成を示す部分拡大断面図である。
【図4】図1のC−C線断面図である。
【図5】従来の単結晶成長装置の概要構成図である。
【符号の説明】
1 スライド軸
2 吊下軸
3 回転伝達スプリング
4 原料棒ホルダー
5 スライドプレート
6 スライドケース
7 押さえスプリング
8 押さえプレート
9 支持ケース
10 揺動部材
11 支持部材
12 スクリュー
13 接触保持スプリング
14 軸芯復帰スプリング
15 ガイド
16 スクリュー
19 原料棒保持部
20 球面ナット
21 球面ワッシャ
22 調整ナット
41 鉛直指示器
51 上部回転軸
53 原料棒
O 軸芯
P 支持接触点
Claims (4)
- 上部回転軸の軸芯に対して調芯可能に取り付けたスライド軸と、スライド軸に揺動自在に吊り下げた吊下軸と、スライド軸の回転を吊下軸に伝達する回転伝達部材と、吊下軸に原料棒を鉛直方向に向けて取り付ける原料棒ホルダーとを備えた単結晶成長装置の原料棒保持装置。
- 回転伝達部材がスプリングである請求項1記載の単結晶成長装置の原料棒保持装置。
- 吊下軸が揺動したとき吊下軸を上部回転軸の軸芯に戻す軸芯復帰部材を有する請求項1又は2記載の単結晶成長装置の原料棒保持装置。
- 軸芯復帰部材がスプリングである請求項3記載の単結晶成長装置の原料棒保持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003145186A JP2004345909A (ja) | 2003-05-22 | 2003-05-22 | 単結晶成長装置の原料棒保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003145186A JP2004345909A (ja) | 2003-05-22 | 2003-05-22 | 単結晶成長装置の原料棒保持装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004345909A true JP2004345909A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33532432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003145186A Withdrawn JP2004345909A (ja) | 2003-05-22 | 2003-05-22 | 単結晶成長装置の原料棒保持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004345909A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016147800A (ja) * | 2015-01-29 | 2016-08-18 | 国立大学法人山梨大学 | 浮遊帯域溶融法およびこれを用いた装置 |
JP2019014641A (ja) * | 2017-07-11 | 2019-01-31 | 株式会社Sumco | シリコン単結晶の製造装置及び製造方法 |
JP2019167254A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 株式会社Sumco | Fz炉の多結晶原料把持具 |
-
2003
- 2003-05-22 JP JP2003145186A patent/JP2004345909A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016147800A (ja) * | 2015-01-29 | 2016-08-18 | 国立大学法人山梨大学 | 浮遊帯域溶融法およびこれを用いた装置 |
JP2019014641A (ja) * | 2017-07-11 | 2019-01-31 | 株式会社Sumco | シリコン単結晶の製造装置及び製造方法 |
JP2019167254A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 株式会社Sumco | Fz炉の多結晶原料把持具 |
JP7013984B2 (ja) | 2018-03-22 | 2022-02-01 | 株式会社Sumco | Fz炉の多結晶原料把持具 |
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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