JP2004345876A - リン酸水溶液を高純度化する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粗リン酸水溶液と、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液とを混合することによって、抽剤液中にリン酸を選択的に溶解させて抽出した後、このリン酸含有抽剤液と、剥離用水とを接触させて、リン酸をこの剥離用水に溶解移動せしめて高純度リン酸水溶液を得る。抽剤液として炭素数4〜11のアルコールを用いた場合にも同様の操作を行うことで粗リン酸水溶液を高純度化することができる。炭素数4〜11のアルコールとしてはアミルアルコールが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、他の酸を不純物として含む、或いは他の酸と金属イオン(Al、Mo等)を不純物として含む粗リン酸水溶液を高純度化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年飛躍的に成長した液晶製造産業や半導体製造産業においては、その製造過程において多様な廃水が出るが、各廃水の種類、性質等に応じてしかるべき処理が施されて排出されている。例えば、液晶製造工程や半導体製造工程から酢酸、硝酸、リン酸が混合された混酸廃液が出るが、これらのうち例えばリン酸を分離回収できれば肥料としての有効利用が期待できるところであるが、このような混酸廃液からリン酸を分離回収することは現状では技術的に困難であることから、この混酸廃液に対して中和処理を施して排水するのが一般的であった。しかし、このように中和処理を施して排水する場合、この中和処理によって排水中に酢酸塩、硝酸塩等の塩が生じるので、少なからず環境汚染の原因となることは避けられず、環境保全の観点からするとこの中和処理は決して望ましい手段とは言えない。また、地球環境保全の要請から、近年リサイクル利用の重要性が叫ばれているが、従来の中和処理による排出方法は廃酸を全くリサイクル利用することなく捨ててしまう方法であるので、このような社会的要請にも全く応えることができないものであった。
【0003】
そこで、本発明者らは、酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からリン酸を高効率でかつ選択性良く分離回収する方法を開発し、特許出願した(特願2002−326581号)。この方法により分離回収したリン酸は、肥料等様々な用途に使用することができる。
【0004】
ところで、こうして分離回収されたリン酸を、例えば液晶製造工程や半導体製造工程等で再使用する場合には、許容される不純物濃度は極めて低いレベルであることが要求される。従って、分離回収されたリン酸の使用用途によっては、不純物濃度をさらに低いレベルまで低減することが求められる。上記特願2002−326581号に記載の技術で分離回収されたリン酸水溶液は必ずしもこのような要求(不純物濃度が極めて低いレベルであること)に十分に応えられるものではなかった。
【0005】
このような粗リン酸水溶液を精製して高純度にする技術としては、温度が30〜80℃のリン酸液中へ該リン酸液に対して1〜10ppmの硫化水素ガスを予め分散せしめた後、石炭系活性炭を充填した活性炭塔を通過させて有機物不純物を除去して高純度化する方法が知られている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−48711号公報(請求項1、段落0013、段落0026の注1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では次のような問題があった。即ち、硫化水素ガスを分散せしめておくことで活性炭の寿命が長くなるという効果は得られるものの、活性炭である以上寿命があることから、一定期間毎に活性炭を新たなものに取り替える必要があり、この取り替え操作のために精製ラインを停止させなければならないという問題があった。
【0008】
また、硫化水素ガスを用いているが、このガスは猛毒の気体であり、製造現場においては安全面から厳密な漏洩防止措置を講じなければならず、工程管理が容易でないという問題もあった。更に、硫化水素ガスを用いているために一般的な金属製の装置では腐食を生じやすく、装置の材質として特殊で高価なものを用いなければならないことから、精製のための設備コストが高く付くという問題もあった。
【0009】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、他の酸を不純物として含む、或いは他の酸と金属イオン(Alイオン、Moイオン等)を不純物として含む粗リン酸水溶液から不純物を排除して高純度化するに際し、特殊な材質の装置を用いることを要せず、また取り替え操作の必要がなくて連続運転が可能となる共に、非常に高いレベルまで高純度化できる、粗リン酸水溶液の高純度化方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の発明により達成される。
【0011】
即ち、この発明に係るリン酸水溶液を高純度化する方法は、少なくとも1種類の他の酸を不純物として含む粗リン酸水溶液と、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液とを混合することによって、該抽剤液中にリン酸を選択的に溶解させて抽出するリン酸抽出工程と、前記リン酸抽出工程で得られたリン酸含有抽剤液と、剥離用水とを接触させることによって、前記リン酸をこの剥離用水に溶解移動せしめて高純度リン酸水溶液を得る工程とを包含することを特徴とする。
【0012】
トリアルキルホスフェートを抽剤として用いているので、粗リン酸水溶液からリン酸を選択性良く(不純物の他の酸は抽出することなく)抽出することができ、従って後の剥離工程を経ることによって、高純度リン酸水溶液を高効率で回収することができる。また、腐食を生じさせる化合物(抽剤)を用いていないから、一般的な金属素材やプラスチック素材からなる装置を用いることが可能であり、即ち特殊な材質の装置を用いる必要がなく、従って低コストで高純度化できる。また、抽剤の取り替え操作も特に要しないから、連続運転が可能である。
【0013】
前記トリアルキルホスフェートとしてはトリブチルホスフェートを用いるのが、さらに高効率で高純度リン酸水溶液を得ることができる点で、好ましい。
【0014】
この発明の別のリン酸水溶液を高純度化する方法は、少なくとも1種類の他の酸を不純物として含むリン酸水溶液と、炭素数4〜11のアルコールを含有してなる抽剤液とを混合することによって、該抽剤液中にリン酸を選択的に溶解させて抽出するリン酸抽出工程と、前記リン酸抽出工程で得られたリン酸含有抽剤液と、剥離用水とを接触させることによって、前記リン酸をこの剥離用水に溶解移動せしめて高純度リン酸水溶液を得る工程とを包含することを特徴とする。
【0015】
炭素数4〜11のアルコールを抽剤として用いているので、粗リン酸水溶液からリン酸を選択性良く(不純物の他の酸は抽出することなく)抽出することができ、従って後の剥離工程を経ることによって、高純度リン酸水溶液を高効率で回収することができる。また、腐食を生じさせる化合物(抽剤)を用いていないから、一般的な金属素材やプラスチック素材からなる装置を用いることが可能であり、即ち特殊な材質の装置を用いる必要がなく、従って低コストで高純度化できる。また、抽剤の取り替え操作も特に要しないから、連続運転が可能である。
【0016】
前記炭素数4〜11のアルコールとしてはアミルアルコールを用いるのが、さらに高効率で高純度リン酸水溶液を得ることができる点で、好ましい。
【0017】
中でも、イソアミルアルコールを用いるのが特に好ましく、この場合にはより一層高純度化されたリン酸水溶液を得ることができる。
【0018】
前記高純度化対象の粗リン酸水溶液が、酢酸及び硝酸からなる群より選ばれる1種または2種の酸と、金属イオンとを少なくとも不純物として含むものである場合には、抽剤であるトリアルキルホスフェートや炭素数4〜11のアルコールは、これらを実質的に抽出しないので、より一層純度の高いリン酸水溶液を得ることができる。特に、金属イオンがAlイオン及び/又はMoイオンである場合には、これらの金属イオンは全く抽出されないので、金属イオンを含有しない高純度のリン酸水溶液を得ることができる。
【0019】
前記高純度化対象の粗リン酸水溶液中の各不純物濃度(モル/L)は、いずれも該粗リン酸水溶液中のリン酸濃度(モル/L)の5/100以下であるのが好ましく、この場合にはリン酸に対する抽出選択性が十分に得られるものとなる。即ち、不純物濃度がリン酸濃度に対して5/100以下である濃度関係にあれば、前記抽剤液中にリン酸を十分に抽出できるが、不純物である酢酸、硝酸等の他の酸は抽出しないので、高純度リン酸水溶液を確実に得ることができるものとなる。中でも、粗リン酸水溶液中の各不純物濃度(モル/L)は、いずれも該粗リン酸水溶液中のリン酸濃度(モル/L)の3/100以下であるのがより好ましく、特に好ましい範囲は1/100以下である。
【0020】
また、この発明に係る高純度リン酸水溶液は、上記いずれかに記載の方法によって高純度化されたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
第1発明に係るリン酸水溶液を高純度化する方法の一実施形態について図1のフロー図を参照しつつ説明する。本実施形態は、酢酸、硝酸、Alイオン及びMoイオンを不純物として含む粗リン酸水溶液から高純度リン酸水溶液を得るものであり、各不純物の濃度(モル/L)は、いずれも粗リン酸水溶液中のリン酸濃度(モル/L)の5/100以下である。
【0022】
まず、リン酸抽出工程においては、ミキサー槽内にトリアルキルホスフェートを含有した抽剤液を供給すると共に、上記粗リン酸水溶液も供給して、撹拌を行ってこれらを混合せしめた後、セトラー槽に移して静置することによって、油相である抽出液相と水相である抽出残液相との2層に分離させる。この際、リン酸は油相である抽出液相(トリアルキルホスフェートを含有した抽剤液)に抽出されるのに対し、不純物である酢酸、硝酸、Alイオン及びMoイオンは、油相に抽出されずに水相である抽出残液相に残存する。こうして不純物である酢酸、硝酸、Alイオン及びMoイオンが排除されて高純度化されたリン酸が油相に抽出される。
【0023】
次のリン酸剥離工程においては、ミキサー槽内に前記抽出工程で得られた抽出液(リン酸を含有した抽剤液)を供給すると共に、剥離用の水も供給し、撹拌を行ってこれらを混合せしめた後、セトラー槽に移して静置する。混合によってリン酸が水相に移行するので、油相と、高純度リン酸水溶液からなる水相の2層に分離する。水相のリン酸水溶液は、このまま高純度リン酸水溶液として回収して利用することもできるし、任意の濃度まで濃縮して濃縮高純度リン酸水溶液の状態で回収しても良いし、或いはさらに濃縮して高純度リン酸を固形状態で回収するようにしても良い。
【0024】
前記リン酸剥離工程で残った油相(トリアルキルホスフェートを含有した抽剤液)は、前記リン酸抽出工程に供給して抽剤液として再利用する。このようにして前記抽剤液を循環使用する。なお、本実施形態では、リン酸抽出工程、リン酸剥離工程のいずれにおいても向流多段抽出法を採用している。
【0025】
抽剤液として用いるトリアルキルホスフェートとしては、例えばトリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。これらの中でも、トリブチルホスフェートを用いるのが好ましく、この場合にはさらに高い効率で高純度リン酸水溶液を得ることができる。前記トリブチルホスフェートとしては、例えばトリ−n−ブチルホスフェート、トリ−sec−ブチルホスフェート、トリ−tert−ブチルホスフェート等が挙げられるが、中でもトリ−n−ブチルホスフェートを用いるのが特に好適であり、この場合にはさらに一層高い効率で高純度リン酸水溶液を得ることができる。
【0026】
次に、第2発明に係るリン酸水溶液を高純度化する方法の一実施形態について図2のフロー図を参照しつつ説明する。本実施形態は、酢酸、硝酸、Alイオン及びMoイオンを不純物として含む粗リン酸水溶液から高純度リン酸水溶液を得るものであり、各不純物の濃度(モル/L)は、いずれも粗リン酸水溶液中のリン酸濃度(モル/L)の5/100以下である。
【0027】
まず、リン酸抽出工程においては、ミキサー槽内に炭素数4〜11のアルコールを含有した抽剤液を供給すると共に、上記粗リン酸水溶液も供給して、撹拌を行ってこれらを混合せしめた後、セトラー槽に移して静置することによって、油相である抽出液相と水相である抽出残液相との2層に分離させる。この際、リン酸は油相である抽出液相(炭素数4〜11のアルコールを含有した抽剤液)に抽出されるのに対し、不純物である酢酸、硝酸、Alイオン及びMoイオンは、油相に抽出されずに水相である抽出残液相に残存する。こうして不純物である酢酸、硝酸、Alイオン及びMoイオンが排除されて高純度化されたリン酸が油相に抽出される。
【0028】
次のリン酸剥離工程においては、ミキサー槽内に前記抽出工程で得られた抽出液(リン酸を含有した抽剤液)を供給すると共に、剥離用の水も供給し、撹拌を行ってこれらを混合せしめた後、セトラー槽に移して静置する。混合によってリン酸が水相に移行するので、油相と、高純度リン酸水溶液からなる水相の2層に分離する。水相のリン酸水溶液は、このまま高純度リン酸水溶液として回収して利用することもできるし、任意の濃度まで濃縮して濃縮高純度リン酸水溶液の状態で回収しても良いし、或いはさらに濃縮して高純度リン酸を固形状態で回収するようにしても良い。
【0029】
前記リン酸剥離工程で残った油相(炭素数4〜11のアルコールを含有した抽剤液)は、前記リン酸抽出工程に供給して抽剤液として再利用する。このようにして前記抽剤液を循環使用する。なお、本実施形態では、リン酸抽出工程、リン酸剥離工程のいずれにおいても向流多段抽出法を採用している。
【0030】
抽剤液として用いる炭素数4〜11のアルコールとしては、例えばアミルアルコール、ブタノール、ヘキサノール等が挙げられる。これらの中でも、アミルアルコールを用いるのが好ましく、この場合にはさらに高い効率で高純度リン酸水溶液を得ることができる。前記アミルアルコールとしては、例えばn−アミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−イソアミルアルコール等が挙げられるが、中でもイソアミルアルコールを用いるのが特に好適であり、この場合にはより一層高純度化されたリン酸水溶液を得ることができる。
【0031】
なお、第1発明、第2発明のいずれにおいても、発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記抽剤液中に、他の公知の抽出剤(中性抽出剤、酸性抽出剤、塩基性抽出剤)を混合せしめても良い。また、この発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記抽剤液は有機溶剤との混合系としても良い。
【0032】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0033】
<実施例1>
前項で例示した第1発明の高純度化方法(図1参照)に従い、酢酸、硝酸、Alイオン及びMoイオンを不純物として含む粗リン酸水溶液から高純度リン酸水溶液を得た。この実施例で用いた粗リン酸水溶液は、表1に示すような組成であった。また、抽剤液としてはトリ−n−ブチルホスフェートを用いた。各箇所での流量、各工程での段数、相比などの詳細な条件は図1中に示した。なお、前記相比とは、油相流量に対する水相流量の比率(水相流量/油相流量)または水相流量に対する油相流量の比率(油相流量/水相流量)である。表1から明らかなように、得られたリン酸水溶液において、不純物である酢酸、硝酸、Alイオン、Moイオンの濃度はいずれも格段に低減されていた。即ち、この発明の方法により、粗リン酸水溶液から高純度リン酸水溶液を高効率で回収することができた。
【0034】
<実施例2>
前項で例示した第2発明の高純度化方法(図2参照)に従い、酢酸、硝酸、Alイオン及びMoイオンを不純物として含む粗リン酸水溶液から高純度リン酸水溶液を得た。この実施例で用いた粗リン酸水溶液は、表1に示すような組成であった。また、抽剤液としてはイソアミルアルコールを用いた。各箇所での流量、各工程での段数、相比等の詳細な条件は図2中に示した。表1から明らかなように、得られたリン酸水溶液において、不純物である酢酸、硝酸、Alイオン、Moイオンの濃度はいずれも格段に低減されていた。即ち、この発明の方法により、粗リン酸水溶液から高純度リン酸水溶液を高効率で回収することができた。
【0035】
<実施例3>
抽剤液としてイソアミルアルコールに代えてn−デカノールを用いた以外は、実施例2と同様にして酢酸、硝酸、Alイオン及びMoイオンを不純物として含む粗リン酸水溶液から高純度リン酸水溶液を得た。なお、各箇所での流量、各工程での段数、相比などの詳細な条件は実施例2と同様である(図2参照)。表1から明らかなように、得られたリン酸水溶液において、不純物である酢酸、硝酸、Alイオン、Moイオンの濃度はいずれも格段に低減されていた。即ち、粗リン酸水溶液から高純度リン酸水溶液を高効率で回収することができた。
【0036】
【表1】
【0037】
<比較例1>
抽剤液としてトリオクチルアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして操作を行ったが、粗リン酸水溶液を高純度化することはできなかった。
【0038】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液によって粗リン酸水溶液からリン酸を選択性良く(他の酸は抽出することなく)抽出することができ、従って後の剥離工程を経ることによって、高純度リン酸水溶液を高効率で回収することができる。
【0039】
請求項2の発明によれば、さらに高い効率で高純度リン酸水溶液を得ることができる。
【0040】
請求項3の発明によれば、炭素数4〜11のアルコールを含有してなる抽剤液によって粗リン酸水溶液からリン酸を選択性良く(他の酸は抽出することなく)抽出することができ、従って後の剥離工程を経ることによって、高純度リン酸水溶液を高効率で回収することができる。
【0041】
請求項4の発明によれば、さらに高い効率で高純度リン酸水溶液を得ることができる。
【0042】
請求項5の発明によれば、さらに高純度化されたリン酸水溶液を得ることができる。
【0043】
請求項6の発明によれば、より一層純度の高いリン酸水溶液を得ることができる。
【0044】
請求項7の発明によれば、高純度リン酸水溶液を確実に得ることができる。
【0045】
請求項8の発明によれば、従来廃棄されていた資源の有効利用を図ることができ、環境保護に貢献できるし、また低コストのものを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トリアルキルホスフェートを用いて粗リン酸水溶液を高純度化する工程を示すフロー図である。
【図2】炭素数4〜11のアルコールを用いて粗リン酸水溶液を高純度化する工程を示すフロー図である。
Claims (8)
- 少なくとも1種類の他の酸を不純物として含む粗リン酸水溶液と、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液とを混合することによって、該抽剤液中にリン酸を選択的に溶解させて抽出するリン酸抽出工程と、
前記リン酸抽出工程で得られたリン酸含有抽剤液と、剥離用水とを接触させることによって、前記リン酸をこの剥離用水に溶解移動せしめて高純度リン酸水溶液を得る工程とを包含することを特徴とするリン酸水溶液を高純度化する方法。 - 前記トリアルキルホスフェートとしてトリブチルホスフェートを用いる請求項1に記載のリン酸水溶液を高純度化する方法。
- 少なくとも1種類の他の酸を不純物として含むリン酸水溶液と、炭素数4〜11のアルコールを含有してなる抽剤液とを混合することによって、該抽剤液中にリン酸を選択的に溶解させて抽出するリン酸抽出工程と、
前記リン酸抽出工程で得られたリン酸含有抽剤液と、剥離用水とを接触させることによって、前記リン酸をこの剥離用水に溶解移動せしめて高純度リン酸水溶液を得る工程とを包含することを特徴とするリン酸水溶液を高純度化する方法。 - 前記炭素数4〜11のアルコールとしてアミルアルコールを用いる請求項3に記載のリン酸水溶液を高純度化する方法。
- 前記アミルアルコールがイソアミルアルコールである請求項4に記載のリン酸水溶液を高純度化する方法。
- 前記高純度化対象の粗リン酸水溶液は、酢酸及び硝酸からなる群より選ばれる1種または2種の酸と、金属イオンとを少なくとも不純物として含むものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のリン酸水溶液を高純度化する方法。
- 前記高純度化対象の粗リン酸水溶液中の各不純物濃度(モル/L)は、いずれも該粗リン酸水溶液中のリン酸濃度(モル/L)の5/100以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のリン酸水溶液を高純度化する方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって高純度化された高純度リン酸水溶液。
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JP2003141951A JP2004345876A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | リン酸水溶液を高純度化する方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009262041A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Rengo Co Ltd | 酸水溶液の回収方法 |
JP2010058986A (ja) * | 2008-09-01 | 2010-03-18 | Sanwa Yuka Kogyo Kk | 酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法 |
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CN108096876A (zh) * | 2017-11-17 | 2018-06-01 | 贵州开磷集团矿肥有限责任公司 | 一种磷酸萃取槽内顶防腐蚀的方法 |
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2003
- 2003-05-20 JP JP2003141951A patent/JP2004345876A/ja active Pending
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