JP2004160292A - 酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からリン酸を高効率でかつ選択性良く分離回収する方法を提供する。
【解決手段】酢酸、硝酸及びリン酸を含む廃液と、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液とを混合することによって、該抽剤液中に前記酢酸及び硝酸を選択的に溶解させて抽出分離する一方、この抽出により残った抽出残液からリン酸を回収する。抽剤液としては、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=10/90〜90/10(体積比)の組成からなる抽剤液を用いるのが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】酢酸、硝酸及びリン酸を含む廃液と、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液とを混合することによって、該抽剤液中に前記酢酸及び硝酸を選択的に溶解させて抽出分離する一方、この抽出により残った抽出残液からリン酸を回収する。抽剤液としては、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=10/90〜90/10(体積比)の組成からなる抽剤液を用いるのが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば液晶製造工程や半導体製造工程等から排出される酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からリン酸を高効率でかつ選択性良く分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年飛躍的に成長した液晶製造産業や半導体製造産業においては、その製造過程において多様な廃水が出るが、各廃水の種類、性質等に応じてしかるべき処理が施されて排出されている。例えば、液晶製造工程や半導体製造工程から酢酸、硝酸、リン酸が混合された混酸廃液が出るが、これらのうち例えばリン酸を分離回収できれば肥料としての有効利用が期待できるところであるが、このような混酸廃液からリン酸を分離回収することは現状では技術的に困難であることから、この混酸廃液に対して中和処理を施して排水するのが一般的であった。
【0003】
なお、本発明者は、上記混酸廃液とは組成が異なるが、酢酸、硝酸およびフッ酸を含む混酸廃液に対して、炭素数8〜12のアルコール(酢酸抽出用)と、トリ−n−ブチルホスフェート等の正リン酸エステル(硝酸抽出用)をそれぞれ個別に抽剤として用いて順次抽出操作を行うことによって、これら混酸廃液から各酸を個別に分離回収できることを見出している(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−126722号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように酢酸、硝酸、リン酸が混合された混酸廃液に対して中和処理を施して排水する場合、この中和処理によって排水中に酢酸塩、硝酸塩等の塩が生じるので、少なからず環境汚染の原因となることは避けられず、環境保全の観点からするとこの中和処理は決して望ましい手段とは言えない。また、地球環境保全の要請から、近年リサイクル利用の重要性が叫ばれているが、従来の中和処理による排出方法は廃酸を全くリサイクル利用することなく捨ててしまう方法であるので、このような社会的要請にも全く応えることができないものであった。
【0006】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からリン酸を高効率でかつ選択性良く分離回収できると共に、資源の有効利用を図り得て環境保護の要請にも十分に応えることができる、酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意研究の結果、トリアルキルホスフェートを抽剤として用いることにより、酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液から酢酸と硝酸を同時に抽出分離できて、これにより抽出残液からリン酸を分離回収できることを見出すに至り、この発明を完成したものである。
【0008】
即ち、この発明に係る酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法は、酢酸、硝酸及びリン酸を含む廃液と、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液とを混合することによって、該抽剤液中に前記酢酸及び硝酸を選択的に溶解させて抽出する酢酸・硝酸抽出工程と、前記抽出工程で出た抽出残液から前記リン酸を回収する工程とを包含することを特徴とする。
【0009】
トリアルキルホスフェートを抽剤として用いているので、上記混酸廃液から酢酸と硝酸を同時に選択性良く抽出することができ、これにより抽出残液からリン酸を高効率で回収することが可能となる。また、酢酸と硝酸を同時に抽出できるので、抽出分離操作の工程数が少なくて済み、生産性が非常に良い。
【0010】
前記抽剤液としては、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=10/90〜90/10(体積比)の組成からなる抽剤液を用いるのが好ましい。このような組成からなる抽剤液を用いれば、酢酸に対する抽出選択性が向上すると共に硝酸に対する抽出選択性も向上する利点がある。
【0011】
前記芳香族系有機溶剤としてはケロシンを用いるのが好ましい。ケロシンはリン酸を抽出することが実質的にないのでリン酸をより一層高効率で分離回収できる利点がある。
【0012】
前記抽剤液としては、トリアルキルホスフェート/トリアルキルアミン=99/1〜70/30(体積比)の組成からなる抽剤液を用いるのが好ましい。このような組成からなる抽剤液を用いれば、酢酸に対する抽出選択性が向上すると共に硝酸に対する抽出選択性も向上する利点がある。
【0013】
前記抽出工程での抽出操作は向流多段抽出法で行うのが好ましく、この場合には、酢酸と硝酸の抽出を十分に行うことができるので、より純度の高いリン酸を回収できる。
【0014】
また、前記酢酸・硝酸抽出工程で得られた酢酸・硝酸含有抽剤液と、剥離用水とを接触させることによって、前記酢酸及び硝酸をこの剥離用水に溶解移動せしめて酢酸及び硝酸を回収する工程を備え、該酢酸・硝酸回収工程で出た油相の抽剤液を前記酢酸・硝酸抽出工程に供給することによって抽剤液を循環使用するのが望ましい。抽剤液を循環使用できるので、低コストでリン酸を分離回収できる利点がある。
【0015】
この発明に係るリン酸は、上記いずれかの分離回収方法によって回収されたものである。このリン酸は、極微量の硝酸を含有しているので、即ち極微量のN(窒素)を含有しているので、肥料として好適に用いられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明に係る酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法の一実施形態について図1のフロー図を参照しつつ説明する。本実施形態は、酢酸、硝酸及びリン酸を含む混酸廃水から、酢酸と硝酸を同時に抽出することによって抽出残液からリン酸を回収するものである。
【0017】
まず、酢酸・硝酸抽出工程においては、ミキサー槽内に抽剤液(トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤の混合液)を供給すると共に、酢酸、硝酸及びリン酸を含む混酸廃水も供給して、撹拌を行ってこれらを混合せしめた後、セトラー槽に移して静置することによって、油相である抽出液相と水相である抽出残液相との2層に分離させる。この際、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤の混合液からなる抽剤液は、酢酸及び硝酸に対する抽出選択性に優れるのに対し、リン酸を殆ど抽出しないので、酢酸及び硝酸は混酸廃水中から前記抽剤液へ選択的に溶解して油相である抽出液相に抽出される。
【0018】
一方、前記酢酸・硝酸抽出工程で出た水相の抽出残液にはリン酸が残存しているので、この抽出残液をそのままリン酸水溶液として回収して利用することもできるし、任意の濃度まで濃縮して濃縮リン酸水溶液の状態で回収しても良いし、或いはさらに濃縮してリン酸を固形状態で回収するようにしても良い。また、リン酸の純度をさらに高めるための高純度化操作を施した上で利用に供するようにしても良い。
【0019】
次の酢酸・硝酸剥離工程においては、ミキサー槽内に前記抽出工程で得られた抽出液(抽出酢酸・硝酸を含有した抽剤液)を供給すると共に、剥離用の水も供給し、撹拌を行ってこれらを混合せしめた後、セトラー槽に移して静置する。混合によって酢酸及び硝酸が水相に移行するので、油相と、酢酸・硝酸水溶液からなる水相の2層に分離する。水相の酢酸・硝酸水溶液は、このまま回収しても良いし、両者を相互に分離してそれぞれ回収するようにしても良い。この酢酸・硝酸剥離工程で残った油相(トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤の混合液からなる抽剤液)は前記酢酸・硝酸抽出工程に供給して抽剤液として再利用する。このようにして前記抽剤液を循環使用する。
【0020】
本実施形態では、酢酸・硝酸抽出工程、酢酸・硝酸剥離工程のいずれにおいても、向流多段抽出法を採用している。この向流多段抽出法は、酢酸・硝酸抽出工程を例に挙げて説明すると、図2に示すように、複数個の抽出槽(A)を用いて、混酸廃水と抽剤液(トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤の混合液)を向流させながら各抽出槽で抽出を行う方法であり、酢酸・硝酸剥離工程においても同様の手法を採用している。このような向流多段抽出法を採用することにより、酢酸と硝酸の抽出を十分に行うことができるので、より純度の高いリン酸を回収できる。
【0021】
この発明において用いる抽剤液について説明する。抽剤液としては、トリアルキルホスフェートを含有する抽剤液を用いる。例えば、抽剤液としてはトリアルキルホスフェートのみからなる構成を採用しても良いし、トリアルキルホスフェートと有機溶剤との混合系としても良い。トリアルキルホスフェートを用いることで、酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液から酢酸と硝酸を同時に選択性良く抽出することが可能となる。中でも、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=10/90〜90/10(体積比)の組成からなる抽剤液を用いるのが好ましく、この場合には酢酸に対する抽出選択性と硝酸に対する抽出選択性の両方を向上できる利点がある。より好適な比率範囲は、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=20/80〜80/20(体積比)であり、特に好適な範囲はトリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=30/70〜70/30(体積比)である。
【0022】
前記トリアルキルホスフェートとしては、例えばトリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。これらの中でも、トリオクチルホスフェートを用いるのが好ましく、この場合には酢酸・硝酸に対する抽出選択性を一層向上させることができる。前記トリオクチルホスフェートとしては、例えばトリ−n−オクチルホスフェート、トリ−sec−オクチルホスフェート、トリ−tert−オクチルホスフェート等が挙げられるが、中でもトリ−n−オクチルホスフェートを用いるのが特に好適であり、この場合には酢酸・硝酸に対する抽出選択性をより一層向上させることができる利点がある。
【0023】
前記有機溶剤としては、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤等が挙げられる。前記脂肪族系有機溶剤としては、例えばイソパラフィン、シクロパラフィン等が挙げられる。
【0024】
また、前記芳香族系有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えばケロシン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの中でも、ケロシンを用いるのが好ましい。ケロシンは安価であるから分離回収コストを抑制できるし、ケロシンはリン酸を抽出することが実質的にないのでリン酸をより一層高効率で分離回収できる利点がある。
【0025】
なお、この発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記抽剤液(トリアルキルホスフェートを含有する抽剤液)中に、他の公知の抽出剤(中性抽出剤、酸性抽出剤、塩基性抽出剤)を混合せしめても良い。このような他の公知の抽出剤との混合系の中では、トリアルキルホスフェート/トリアルキルアミン=99/1〜70/30(体積比)の組成からなる抽剤液を用いるのが好ましく、この場合には酢酸に対する抽出選択性と硝酸に対する抽出選択性の両方を向上できる。前記トリアルキルアミンとしては、トリオクチルアミンを用いるのが好ましい。
【0026】
上記のような分離回収方法によって回収されたリン酸は、極微量の硝酸を含有しており、N(窒素)の供給源にもなるので、肥料として好適に用いられる。
【0027】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0028】
<実施例1>
前項で例示した実施形態の分離回収方法(図1参照)に従い、酢酸、硝酸及びリン酸を含む混酸廃水からリン酸を分離回収した。この実施例で用いた混酸廃水は、液晶製造工場から出た混酸廃水であり、表1に示すような組成であった(勿論、液晶製造工場から出る混酸廃水が全てこのような組成比にあるわけではなく、各工場等において様々に異なる)。各箇所での流量、各工程での段数、相比などの詳細な条件は図1中に示した。なお、抽剤液としては、トリ−n−オクチルホスフェート(TOP)/ケロシン=50/50(体積比)の組成からなる抽剤液を用いた。前記ケロシンとしては、昭和シェル石油製「Solvesso150」(商品名)を用いた。なお、前記相比とは、油相流量に対する水相流量の比率(水相流量/油相流量)である。表1に示すリン酸の分離回収結果から明らかなように、リン酸を高い濃度でかつ高純度で分離回収することができた。
【0029】
<実施例2>
抽剤液として、トリ−n−オクチルホスフェート(TOP)/トリ−n−オクチルアミン(TOA)=95/5(体積比)を用いた以外は、実施例1と同様にして酢酸、硝酸及びリン酸を含む混酸廃水からリン酸を分離回収した。なお、各箇所での流量、各工程での段数、相比などの詳細な条件は実施例1と同様である(図1参照)。表1に示すリン酸の分離回収結果から明らかなように、リン酸を高い濃度でかつ高純度で分離回収することができた。
【0030】
【表1】
【0031】
<比較例1>
抽剤液として、トリオクチルアミン(TOA)を用いた以外は、実施例1と同様にして抽出分離操作を試みたが、この抽剤液を用いた抽出操作の際に硝酸と共にリン酸も同様に抽出されてしまうことから、酢酸、硝酸及びリン酸を含む混酸廃水からリン酸だけを分離回収することはできなかった。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液によって酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液から酢酸と硝酸を同時に選択性良く抽出することができ、これにより抽出残液からリン酸を高効率で分離回収できる。また、酢酸と硝酸を同時に抽出できるので、抽出分離操作の工程数が少なくて済み、生産性が非常に良い。
【0033】
請求項2に係る発明によれば、酢酸に対する抽出選択性が向上すると共に硝酸に対する抽出選択性も向上するので、抽出残液からリン酸を高効率でかつ高純度で分離回収できる。
【0034】
請求項3に係る発明によれば、分離回収コストを低減できるし、リン酸を一層高効率で分離回収できる。
【0035】
請求項4に係る発明によれば、酢酸に対する抽出選択性が向上すると共に硝酸に対する抽出選択性も向上するので、抽出残液からリン酸を高効率でかつ高純度で分離回収できる。
【0036】
請求項5に係る発明によれば、より純度の高いリン酸を回収できる。
【0037】
請求項6に係る発明によれば、抽剤液を循環使用できるので、回収コストを低減できる。
【0038】
請求項7に係る発明によれば、従来廃棄されていた資源の有効利用を図ることができ、環境保護に貢献できるし、また低コストのものを提供できる。
【0039】
請求項8に係る発明の肥料は、極微量の硝酸を含有しており、N(窒素)の供給源にもなるので、付加価値の高い肥料となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】混酸廃水からのリン酸の分離回収工程を示すフロー図である。
【図2】向流多段抽出法の説明図である。
【符号の説明】
A…抽出槽
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば液晶製造工程や半導体製造工程等から排出される酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からリン酸を高効率でかつ選択性良く分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年飛躍的に成長した液晶製造産業や半導体製造産業においては、その製造過程において多様な廃水が出るが、各廃水の種類、性質等に応じてしかるべき処理が施されて排出されている。例えば、液晶製造工程や半導体製造工程から酢酸、硝酸、リン酸が混合された混酸廃液が出るが、これらのうち例えばリン酸を分離回収できれば肥料としての有効利用が期待できるところであるが、このような混酸廃液からリン酸を分離回収することは現状では技術的に困難であることから、この混酸廃液に対して中和処理を施して排水するのが一般的であった。
【0003】
なお、本発明者は、上記混酸廃液とは組成が異なるが、酢酸、硝酸およびフッ酸を含む混酸廃液に対して、炭素数8〜12のアルコール(酢酸抽出用)と、トリ−n−ブチルホスフェート等の正リン酸エステル(硝酸抽出用)をそれぞれ個別に抽剤として用いて順次抽出操作を行うことによって、これら混酸廃液から各酸を個別に分離回収できることを見出している(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−126722号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように酢酸、硝酸、リン酸が混合された混酸廃液に対して中和処理を施して排水する場合、この中和処理によって排水中に酢酸塩、硝酸塩等の塩が生じるので、少なからず環境汚染の原因となることは避けられず、環境保全の観点からするとこの中和処理は決して望ましい手段とは言えない。また、地球環境保全の要請から、近年リサイクル利用の重要性が叫ばれているが、従来の中和処理による排出方法は廃酸を全くリサイクル利用することなく捨ててしまう方法であるので、このような社会的要請にも全く応えることができないものであった。
【0006】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からリン酸を高効率でかつ選択性良く分離回収できると共に、資源の有効利用を図り得て環境保護の要請にも十分に応えることができる、酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意研究の結果、トリアルキルホスフェートを抽剤として用いることにより、酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液から酢酸と硝酸を同時に抽出分離できて、これにより抽出残液からリン酸を分離回収できることを見出すに至り、この発明を完成したものである。
【0008】
即ち、この発明に係る酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法は、酢酸、硝酸及びリン酸を含む廃液と、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液とを混合することによって、該抽剤液中に前記酢酸及び硝酸を選択的に溶解させて抽出する酢酸・硝酸抽出工程と、前記抽出工程で出た抽出残液から前記リン酸を回収する工程とを包含することを特徴とする。
【0009】
トリアルキルホスフェートを抽剤として用いているので、上記混酸廃液から酢酸と硝酸を同時に選択性良く抽出することができ、これにより抽出残液からリン酸を高効率で回収することが可能となる。また、酢酸と硝酸を同時に抽出できるので、抽出分離操作の工程数が少なくて済み、生産性が非常に良い。
【0010】
前記抽剤液としては、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=10/90〜90/10(体積比)の組成からなる抽剤液を用いるのが好ましい。このような組成からなる抽剤液を用いれば、酢酸に対する抽出選択性が向上すると共に硝酸に対する抽出選択性も向上する利点がある。
【0011】
前記芳香族系有機溶剤としてはケロシンを用いるのが好ましい。ケロシンはリン酸を抽出することが実質的にないのでリン酸をより一層高効率で分離回収できる利点がある。
【0012】
前記抽剤液としては、トリアルキルホスフェート/トリアルキルアミン=99/1〜70/30(体積比)の組成からなる抽剤液を用いるのが好ましい。このような組成からなる抽剤液を用いれば、酢酸に対する抽出選択性が向上すると共に硝酸に対する抽出選択性も向上する利点がある。
【0013】
前記抽出工程での抽出操作は向流多段抽出法で行うのが好ましく、この場合には、酢酸と硝酸の抽出を十分に行うことができるので、より純度の高いリン酸を回収できる。
【0014】
また、前記酢酸・硝酸抽出工程で得られた酢酸・硝酸含有抽剤液と、剥離用水とを接触させることによって、前記酢酸及び硝酸をこの剥離用水に溶解移動せしめて酢酸及び硝酸を回収する工程を備え、該酢酸・硝酸回収工程で出た油相の抽剤液を前記酢酸・硝酸抽出工程に供給することによって抽剤液を循環使用するのが望ましい。抽剤液を循環使用できるので、低コストでリン酸を分離回収できる利点がある。
【0015】
この発明に係るリン酸は、上記いずれかの分離回収方法によって回収されたものである。このリン酸は、極微量の硝酸を含有しているので、即ち極微量のN(窒素)を含有しているので、肥料として好適に用いられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明に係る酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法の一実施形態について図1のフロー図を参照しつつ説明する。本実施形態は、酢酸、硝酸及びリン酸を含む混酸廃水から、酢酸と硝酸を同時に抽出することによって抽出残液からリン酸を回収するものである。
【0017】
まず、酢酸・硝酸抽出工程においては、ミキサー槽内に抽剤液(トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤の混合液)を供給すると共に、酢酸、硝酸及びリン酸を含む混酸廃水も供給して、撹拌を行ってこれらを混合せしめた後、セトラー槽に移して静置することによって、油相である抽出液相と水相である抽出残液相との2層に分離させる。この際、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤の混合液からなる抽剤液は、酢酸及び硝酸に対する抽出選択性に優れるのに対し、リン酸を殆ど抽出しないので、酢酸及び硝酸は混酸廃水中から前記抽剤液へ選択的に溶解して油相である抽出液相に抽出される。
【0018】
一方、前記酢酸・硝酸抽出工程で出た水相の抽出残液にはリン酸が残存しているので、この抽出残液をそのままリン酸水溶液として回収して利用することもできるし、任意の濃度まで濃縮して濃縮リン酸水溶液の状態で回収しても良いし、或いはさらに濃縮してリン酸を固形状態で回収するようにしても良い。また、リン酸の純度をさらに高めるための高純度化操作を施した上で利用に供するようにしても良い。
【0019】
次の酢酸・硝酸剥離工程においては、ミキサー槽内に前記抽出工程で得られた抽出液(抽出酢酸・硝酸を含有した抽剤液)を供給すると共に、剥離用の水も供給し、撹拌を行ってこれらを混合せしめた後、セトラー槽に移して静置する。混合によって酢酸及び硝酸が水相に移行するので、油相と、酢酸・硝酸水溶液からなる水相の2層に分離する。水相の酢酸・硝酸水溶液は、このまま回収しても良いし、両者を相互に分離してそれぞれ回収するようにしても良い。この酢酸・硝酸剥離工程で残った油相(トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤の混合液からなる抽剤液)は前記酢酸・硝酸抽出工程に供給して抽剤液として再利用する。このようにして前記抽剤液を循環使用する。
【0020】
本実施形態では、酢酸・硝酸抽出工程、酢酸・硝酸剥離工程のいずれにおいても、向流多段抽出法を採用している。この向流多段抽出法は、酢酸・硝酸抽出工程を例に挙げて説明すると、図2に示すように、複数個の抽出槽(A)を用いて、混酸廃水と抽剤液(トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤の混合液)を向流させながら各抽出槽で抽出を行う方法であり、酢酸・硝酸剥離工程においても同様の手法を採用している。このような向流多段抽出法を採用することにより、酢酸と硝酸の抽出を十分に行うことができるので、より純度の高いリン酸を回収できる。
【0021】
この発明において用いる抽剤液について説明する。抽剤液としては、トリアルキルホスフェートを含有する抽剤液を用いる。例えば、抽剤液としてはトリアルキルホスフェートのみからなる構成を採用しても良いし、トリアルキルホスフェートと有機溶剤との混合系としても良い。トリアルキルホスフェートを用いることで、酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液から酢酸と硝酸を同時に選択性良く抽出することが可能となる。中でも、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=10/90〜90/10(体積比)の組成からなる抽剤液を用いるのが好ましく、この場合には酢酸に対する抽出選択性と硝酸に対する抽出選択性の両方を向上できる利点がある。より好適な比率範囲は、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=20/80〜80/20(体積比)であり、特に好適な範囲はトリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=30/70〜70/30(体積比)である。
【0022】
前記トリアルキルホスフェートとしては、例えばトリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。これらの中でも、トリオクチルホスフェートを用いるのが好ましく、この場合には酢酸・硝酸に対する抽出選択性を一層向上させることができる。前記トリオクチルホスフェートとしては、例えばトリ−n−オクチルホスフェート、トリ−sec−オクチルホスフェート、トリ−tert−オクチルホスフェート等が挙げられるが、中でもトリ−n−オクチルホスフェートを用いるのが特に好適であり、この場合には酢酸・硝酸に対する抽出選択性をより一層向上させることができる利点がある。
【0023】
前記有機溶剤としては、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤等が挙げられる。前記脂肪族系有機溶剤としては、例えばイソパラフィン、シクロパラフィン等が挙げられる。
【0024】
また、前記芳香族系有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えばケロシン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの中でも、ケロシンを用いるのが好ましい。ケロシンは安価であるから分離回収コストを抑制できるし、ケロシンはリン酸を抽出することが実質的にないのでリン酸をより一層高効率で分離回収できる利点がある。
【0025】
なお、この発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記抽剤液(トリアルキルホスフェートを含有する抽剤液)中に、他の公知の抽出剤(中性抽出剤、酸性抽出剤、塩基性抽出剤)を混合せしめても良い。このような他の公知の抽出剤との混合系の中では、トリアルキルホスフェート/トリアルキルアミン=99/1〜70/30(体積比)の組成からなる抽剤液を用いるのが好ましく、この場合には酢酸に対する抽出選択性と硝酸に対する抽出選択性の両方を向上できる。前記トリアルキルアミンとしては、トリオクチルアミンを用いるのが好ましい。
【0026】
上記のような分離回収方法によって回収されたリン酸は、極微量の硝酸を含有しており、N(窒素)の供給源にもなるので、肥料として好適に用いられる。
【0027】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0028】
<実施例1>
前項で例示した実施形態の分離回収方法(図1参照)に従い、酢酸、硝酸及びリン酸を含む混酸廃水からリン酸を分離回収した。この実施例で用いた混酸廃水は、液晶製造工場から出た混酸廃水であり、表1に示すような組成であった(勿論、液晶製造工場から出る混酸廃水が全てこのような組成比にあるわけではなく、各工場等において様々に異なる)。各箇所での流量、各工程での段数、相比などの詳細な条件は図1中に示した。なお、抽剤液としては、トリ−n−オクチルホスフェート(TOP)/ケロシン=50/50(体積比)の組成からなる抽剤液を用いた。前記ケロシンとしては、昭和シェル石油製「Solvesso150」(商品名)を用いた。なお、前記相比とは、油相流量に対する水相流量の比率(水相流量/油相流量)である。表1に示すリン酸の分離回収結果から明らかなように、リン酸を高い濃度でかつ高純度で分離回収することができた。
【0029】
<実施例2>
抽剤液として、トリ−n−オクチルホスフェート(TOP)/トリ−n−オクチルアミン(TOA)=95/5(体積比)を用いた以外は、実施例1と同様にして酢酸、硝酸及びリン酸を含む混酸廃水からリン酸を分離回収した。なお、各箇所での流量、各工程での段数、相比などの詳細な条件は実施例1と同様である(図1参照)。表1に示すリン酸の分離回収結果から明らかなように、リン酸を高い濃度でかつ高純度で分離回収することができた。
【0030】
【表1】
【0031】
<比較例1>
抽剤液として、トリオクチルアミン(TOA)を用いた以外は、実施例1と同様にして抽出分離操作を試みたが、この抽剤液を用いた抽出操作の際に硝酸と共にリン酸も同様に抽出されてしまうことから、酢酸、硝酸及びリン酸を含む混酸廃水からリン酸だけを分離回収することはできなかった。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液によって酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液から酢酸と硝酸を同時に選択性良く抽出することができ、これにより抽出残液からリン酸を高効率で分離回収できる。また、酢酸と硝酸を同時に抽出できるので、抽出分離操作の工程数が少なくて済み、生産性が非常に良い。
【0033】
請求項2に係る発明によれば、酢酸に対する抽出選択性が向上すると共に硝酸に対する抽出選択性も向上するので、抽出残液からリン酸を高効率でかつ高純度で分離回収できる。
【0034】
請求項3に係る発明によれば、分離回収コストを低減できるし、リン酸を一層高効率で分離回収できる。
【0035】
請求項4に係る発明によれば、酢酸に対する抽出選択性が向上すると共に硝酸に対する抽出選択性も向上するので、抽出残液からリン酸を高効率でかつ高純度で分離回収できる。
【0036】
請求項5に係る発明によれば、より純度の高いリン酸を回収できる。
【0037】
請求項6に係る発明によれば、抽剤液を循環使用できるので、回収コストを低減できる。
【0038】
請求項7に係る発明によれば、従来廃棄されていた資源の有効利用を図ることができ、環境保護に貢献できるし、また低コストのものを提供できる。
【0039】
請求項8に係る発明の肥料は、極微量の硝酸を含有しており、N(窒素)の供給源にもなるので、付加価値の高い肥料となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】混酸廃水からのリン酸の分離回収工程を示すフロー図である。
【図2】向流多段抽出法の説明図である。
【符号の説明】
A…抽出槽
Claims (8)
- 酢酸、硝酸及びリン酸を含む廃液と、トリアルキルホスフェートを含有してなる抽剤液とを混合することによって、該抽剤液中に前記酢酸及び硝酸を選択的に溶解させて抽出する酢酸・硝酸抽出工程と、
前記抽出工程で出た抽出残液から前記リン酸を回収する工程とを包含することを特徴とする酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法。 - 前記抽剤液として、トリアルキルホスフェート/芳香族系有機溶剤=10/90〜90/10(体積比)の組成からなる抽剤液を用いる請求項1に記載の酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法。
- 前記芳香族系有機溶剤としてケロシンを用いる請求項2に記載の酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法。
- 前記抽剤液として、トリアルキルホスフェート/トリアルキルアミン=99/1〜70/30(体積比)の組成からなる抽剤液を用いる請求項1に記載の酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法。
- 前記抽出工程での抽出操作を向流多段抽出法で行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法。
- 前記酢酸・硝酸抽出工程で得られた酢酸・硝酸含有抽剤液と、剥離用水とを接触させることによって、前記酢酸及び硝酸をこの剥離用水に溶解移動せしめて酢酸及び硝酸を回収する工程を備え、該酢酸・硝酸回収工程で出た油相の抽剤液を前記酢酸・硝酸抽出工程に供給することによって抽剤液を循環使用する請求項1〜5のいずれか1項に記載の酢酸−硝酸−リン酸系混酸廃液からのリン酸の分離回収方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の分離回収方法によって回収されたリン酸。
- 肥料用として用いられる請求項7に記載のリン酸。
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- 2002-11-11 JP JP2002326581A patent/JP2004160292A/ja active Pending
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