JP2004345774A - リフティングマグネットクレーン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動化されたリフティングマグネットクレーンにおいて鋼板の吊り不全の発生を防止すると共に、吊り不全の際には、早期に再吊り上げを可能にしたリフティングマグネットクレーンを提供する。
【解決手段】電流供給手段による電磁石への励磁電流の供給および、上下動手段による電磁石の上駆動により、前記電磁石が1枚以上の鋼板を吊り上げている状態で、該電流供給手段が供給している励磁電流御及び磁束検出手段により検出した磁束より、該電磁石が磁気吸着している鋼板の合計の厚さを検出する処理手段を備えた自動化クレーンにおいて、前記電流供給手段を、鋼板の吊り上げ高さが半地切り高さから完全地切り高さに到るまでの間に、励磁電流を所定の初期設定電流中間設定電流値に漸増するように前記電流供給手段を制御する手段を備えたことを特徴とするリフティングマグネットクレーン装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リフティングマグネットクレーンと呼ばれる電磁石により鋼板を吸着して吊り上げるタイプのクレーン装置に関し、特に自動化されたリフティングマグネットクレーンにおける吊り上げ動作の効率化が図れる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リフティングマグネットクレーンは、磁力を利用して鋼板を保持するものであり、図1に示すように複数のリフティングマグネット(以下、リフマグとも記す)5−1から5−Jと呼ばれる鋼板吸着用の電磁石を備えている。1つのクレーンに鋼板の長手方向に複数個のリフティングマグネットを備えさせることにより、厚さに比べて長さの大きい鋼板P、例えば、厚鋼板などを吸着して吊り上げ、吸着した鋼板の移動や搬送を行なうのに適している。このクレーンの吊り上げ対象となる厚鋼板などにおいては、通常、厚さや長さの異なる鋼板が積み重ねられていわゆる“山“を形成している。この山にリフティングマグネットを載置して励磁した場合、吊り上げ対象以外の鋼板も磁化され、吊り上げ枚数の制御が極めて難しく、従来はオペレーターが鋼板の状況を観察しながら電流を調整する手動制御に頼らざるを得なかった。
【0003】
これらの点を改善し、吊り上げ枚数を容易に自動制御する自動化されたリフティングマグネットクレーン装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1のリフティングマグネットクレーン装置は、磁性体コアと励磁コイルとを有し、鋼板を磁気吸着するための少なくとも1つの電磁石と、前記磁性体コアの一部を通る磁束を検出する磁束検出手段と、前記磁気コイルの励磁電流を供給する電流供給手段、電磁石を上下させる上下動手段、予め求めた前記励磁コイルの励磁電流、前記磁性体コアの一部を通る磁束、および前記電磁石が磁気吸着している鋼板の合計厚さの相互関係を記憶しており、前記電流供給手段による励磁電流の供給および、前記上下動手段による電磁石の上駆動があり、前記電磁石が1枚ないし複数枚の鋼板を吊り上げている状態で、該電流供給手段が供給している励磁電流及び前記磁束検出手段が検出した磁束より、該電磁石が磁気吸着している鋼板の合計の厚さを検出する処理手段を供えており、検出された鋼板の合計の厚さと、吊り上げ予定の鋼板の合計厚さとを比較し、吊り上げ適否を判断するようにしている。
【0005】
また、特許文献2のリフティングマグネットクレーン装置では、予定よりも1枚多く吊り上げる励磁電流を供給し、吊り上げている状態で励磁電流を瞬断する制御手段を備え、適正な枚数での吊り上げを行なうようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−295889号公報
【特許文献2】
特開平2−295890号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、自動クレーンにおいては、吊り上げるべき鋼板を予め設定し、これらの鋼板を吊り上げるのに、各マグネットが分担すべき荷重(分担荷重)を吸着するのに必要な吸着力を発生させるために必要な励磁電流(以下、初期設定電流)が予め設定される。
【0008】
図3は、リフマグによる鋼板の吊り上げ動作におけるリフマグへの電流の供給と、吊り上げ高さの関係を示す制御パターンを示す模式図である。破線(b)は、従来の吊り上げ動作の場合の制御パターンである。
【0009】
リフマグクレーンが吊り上げるべき鋼板のある所定の位置に到った時、リフマグが鋼板上に降下着床し、次いで、上記の吊り上げ励磁電流(IAp:初期設定電流)がリフマグの励磁コイルに供給され、吊り上げ対象の鋼板が吸着される。その後、吊り上げが開始され、所定の搬送高さh3(約、500mm程度以上)まで吊り上げられる。この時点で、リフマグの励磁コイルに最大電流値IAmaxの電流を供給して、安全に移動、搬送可能な吸着力を付与した後、吊り上げた鋼板の枚数或いは重量を確認して吊り上げの適否を判断し、適正であれば鋼板の移動、搬送を開始する。そして不適正な場合は、リフマグを降下させ、再度吊り上げを試みる。
【0010】
なお、この最大電流値は、分担荷重に対応した吸着力を生じるための当初の吊り上げ励磁電流値、すなわち、初期設定電流値IApに対してリフマグの保有する最大の吸着力を出すための電流値である。すなわち、吊り上げた鋼板を移動ないし搬送する際においては、搬送中の振動や空気抵抗などにより、分担荷重以上の荷重が鋼板に作用し、初期設定電流値では吸着力が不十分になることがあるため、これを補償するためである。
【0011】
ところで、鋼板を積み重ねた山が、長さがほぼ同一の鋼板で構成されることは稀であり、多様な長さ鋼板が積み重ねられているのが通常である。このような状態の山から複数の枚数の鋼板を吊り上げようとする場合、長い鋼板は、リフティングマグネットクレーンの鋼板長手方向端部のリフマグからはみ出た部分が撓み、リフマグと鋼板との間にギャップ発生する。このギャップの発生により吸着力が低下し、吊り不全となることがある。
【0012】
図5(a)、(b)は、長さの異なる鋼板を複数吊り上げた際、配列の差によってはみ出した鋼板の撓みの発生、すなわちギャップの発生状況をシミュレーションしたものであるが、図5(a)に示すように、最下段の鋼板の長さが、上段の鋼板より長い場合、吸着された際、最下段の鋼板は、リフマグによって荷重分担分の吸着力のみによって支持されるだけであり、オーバーハング部の撓み量は図5(b)に示すように大きく、上段の鋼板と最下段の鋼板との間にギャップが広がる結果、吸着力が低下し、最終的には吸着力が不足し、吊り不全発生の要因となる。
【0013】
これに対して、鋼板のたわみを推定して励磁電流値を補正する方法などがある。しかしながら、鋼板のたわみを推定して電流値を補正する方法では、地切り前に、すなわち、吊り上げるべき対象の鋼板と、対象外の下部の鋼板とが吊り上げによって生じた空間によって分離される前に、過剰な補正電流を流して吸着力を付与するため、吊り上げ対象外の鋼板まで吸着してしまうことになり問題がある。
【0014】
したがって、本発明は、自動化されたクレーンで鋼板を吊り上げた際、例えば、所定の枚数以上の鋼板が吊り上げられたり、所定の枚数の鋼板が吊り上げることができないなどの吊り不全の発生を防止し、また、吊り不全の発生を早期に検出し、再吊り上げを実施することによって、所定の鋼板の吊り上げサイクルタイムが長くなるのを防止することができる自動リフティングマグネットクレーンを提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような吊り不全が発生する原因を調査した結果、吊り不全の多くは、板のたわみによって、リフマグと鋼板、或いは鋼板と鋼板との間に大きなギャップ(空間)が生じることによるものであることが判った。図6は、励磁電流と密接に関係する起磁力、磁束および吸着力との関係を説明する模式図であるが、ギャップの拡大により吸着力が大きく低下し、かつ一旦、ギャップが生じると、これをカバーして吸着力を回復させるには多大な電流が必要となることが判った。しかしなが、図3(b)に示すような従来の制御パターンでは、ギャップの発生を防ぐためにリフティングマグネットが分担すべき荷重以上の吸着力を発生させる補正電流を供給すると、ギャップの発生は抑えられるが、吊り上げ対象とする鋼板のさらに下の方の鋼板まで吊り上げてしまうこととなり適切な制御はできない。
【0016】
このため本発明では、吊り上げ時のリフマグ電流制御パターンを変えることによってこの課題を解決するものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)電磁石への励磁電流の供給および、昇降手段による電磁石の上昇駆動があり、前記電磁石が1枚ないし複数枚の鋼板を吊り上げている状態で、該電流供給手段が供給している励磁電流及び磁束検出手段により検出した磁束より、該電磁石が磁気吸着している鋼板の合計の厚さを検出する処理手段を供えたリフティングマグネットクレーン装置において、吊り上げた鋼板の半地切り高さから完全地切り高さまで距離を設定し、前記鋼板の吊り上げ高さが地切り高さから完全地切り高さに上昇する間に、励磁電流が所定の初期設定電流値から所定の中間設定電流値になるようにように前記電流供給手段を制御する手段を備えたことを特徴とするリフティングマグネットクレーン装置。
(2)前記電流供給手段を制御する手段が、吊り上げる鋼板の撓みを計算し、この撓み量に基づいて、半地切り高さから完全地切り高さに到る距離を設定することを特徴とする(1)に記載のリフティングマグネットクレーン装置。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のリフティングマグネットクレーンでは、吊り上げ開始時は、従来と同じように、各リフマグに分担された吊り上げ荷重を負担できる吸着力を発生させるに必要な励磁電流値(IAp:初期設定電流値)を流して所定の鋼板を吸着し、吊り上げ対象鋼板の下方にある鋼板より一定距離離れた高さ(以下、半地切り高さh1とする)、例えば、50mm程度まで上昇させる。この時、鋼板に撓みが発生し、図4に示すようの対象鋼板の撓んだ部分は下方にある鋼板の上面に接触している状態になる。励磁電流が初期設定電流値IApの状態で吊り上げ高さを増やすと、撓みが大きくなり、図5(b)のように鋼板との間のギャップが拡大し、吸着力が減少して吊り不全となる。
【0018】
したがって、この半地切り高さから、搬送高さh3まで吊り上げる途中の、対象鋼板が撓みの先端を含めて、対象鋼板の下方にある鋼板の上面を完全に離れる高さ(以下、完全地切り高さh2とする)になるまでの間に、リフマグに供給する励磁電流を漸増させ、中間設定電流値IAqにする。
【0019】
すなわち、半地切高さh1から完全地切り高さh2に到る間、鋼板が撓んでも、対象鋼板は、下方の鋼板とは完全に非接触状態となっておらず、図4に示すように、撓んだ鋼板の先端部分は下方の鋼板の上面に接触して支持されているため、撓みによるギャップの発生が抑制される。また、ギャップが発生しても、電流値が当初よりも増えているため吸着力が大きくなっており、ギャップの拡大が抑制される。
【0020】
一方、吊り上げ対象鋼板とその下方にある鋼板とは、地切り高さで、一旦一定のギャップが確保されているので、その後に、電流値を上げても対象外の鋼板を吊り上げてしまうことがない。
【0021】
完全地切りとなった時点で、電流を最大電流値IAmaxに増やし、対象鋼板が適正に吊り上げられているかどうか、吊り上げた鋼板の合計板厚、及び/または、鋼板の合計重量により判定する。吊り上げ状況が不適正な場合は、この完全地切り高さから、再度リフマグを降下させ、再度吸着、吊り上げを試みる。 吊り上げ状況が適正な場合は、搬送高さでまでさらに吊り上げ、移送、搬送する。
【0022】
半地切高さh1から完全地切り高さh2までに到るまでのあいだに、リフマグへの供給電流を初期設定電流値IApから中間設定電流値IAqまで到達させるには、半地切高さh1と完全地切り高さh2との距離とこの間の吊り上げ速度との関係から、半地切りから完全地切りまでの時間を推定し、この時間内に初期設定電流値から中間設定電流値になるように、電流供給を制御すればよい。
【0023】
完全地切り高さは、鋼板がリフティングマグネットクレーンの長手方向端部のリフマグ、または対象鋼板のうちの短い鋼板の長手方向端部からはみ出す長さ、鋼板厚さなどを考慮して、撓みの程度を計算して求めることができる。また、いくつかの吊り上げケースについてこの高さを計算し、テーブルとして或いは平均的な値として一定の高さに固定しておく方法もある。但し、この場合は、完全地切り高さh2が、実際よりも大きく設定されると、完全地切り高さh2に達する前に、鋼板が完全地切りされ、電流値が中間設定電流値に到達しない場合もあるので、多くのケースを想定して設定することが好ましい。
【0024】
半地切り高さh1、完全地切り高さh2の検出は、吊り上げ高さを検出する方法により行なうことができる。例えば、後述するようにリフマグに着床センサーを設けると共に、昇降装置に距離センサーを設けておき、着床センサーの着床信号に基づいて昇降装置の上昇距離を距離センサーにより測定することによって吊り上げ高さを検出できる。
【0025】
以下、本発明を図面を参照しながら説明する。
【0026】
なお、上述のとおり、本発明のリフティングマグネットクレーン装置は、特許文献1に記載の構成を有する装置を一例としている。
【0027】
図1は、本発明を実施するリフティングマグネットクレーンの一例を示す模式図である。このクレーンは、固定レール1−1,1−2の上を移動するトラベラ2、トラベラ2に昇降自在に係合されたポスト3、ポストの先端に固定されたビーム4、ビームに吊り下げられたリフテイングマグネット(リフマグ)5−1〜5−J及び着床センサー、吊り荷重を検出するためのロードセル6およびトラベラ2を移動させる移動装置、ポストを昇降させる昇降装置、各リフマグの間隔を調整する間隔調整装置および制御装置からなる。(但し、第1図では、着床センサー、移動装置、昇降装置、距離センサー、間隔調整装置および制御装置は図示を省略している)。
【0028】
制御装置は、図2に示すように、上位コンピューターおよびPLC(シーケンサー)とから構成され、上位コンピューターは、リフテイングマグネット自動クレーンの搬送、吊り上げ情報の設定、PLCは、クレーンの駆動制御、鋼板に関する制御を行なう。また、PLCには、ロードセル、着床センサーなどの各センサー、アーム昇降装置、リフマグ間隔調整装置を含む駆動装置、および電流供給ユニットが接続されている。
【0029】
電流供給ユニットREGは、PLCが指示したリフマグの励磁コイルの電流を供給する電源装置である。なお、本例では、シーケンサーとしたが、クレーンにおいて、駆動制御、鋼板に関する制御を行なうものであれば、他の制御装置でもよい。
【0030】
上位コンピューターは、吊り上げ、移動の対象となる鋼板のある移動元の“山”の位置、“山”を構成する鋼板の寸法(厚さ、長さ、幅)、その“山”から吊り上げ、移動するべき鋼板の枚数n及び、移動先の“山”の位置などに関する情報をクレーンのPLCに与えて吊り上げを行なう制御の実行を指示する。
【0031】
PLCは上位コンピューターからの情報により、リフマグを選定し、その間隔を調整すると共に、供給すべき初期設定電流を設定する。
【0032】
本発明のリフティングマグネットクレーン装置では、図3(a)に示すように、この吊り上げ初期設定電流IApが電流供給手段REGからリフマグに供給されることによって、吊り上げ対象鋼板が吸着し、ついで昇降装置が上昇することによって、先ず、半地切り高さh1まで上昇させられる。この半地切り高さh1は、吊り上げ対象鋼板(例えば、1〜n番目間での鋼板)とその下方にある鋼板(例えば、n+1番目の鋼板)との間に空間を設けて分離する高さであり、その後、吊り上げ高さを増加させると同時に、徐々に電流を増加させる。図6に示したように、鋼板との間にギャップが生じると吸着力は、急激に低下するので通常、20mm〜100mm程度に設定する。
【0033】
この高さでは、図4のように、長い鋼板があると、リフマグクレーンの長手方向の端部にあるリフマグの端部からはみ出し、はみ出した部分が撓んで、その先端が“山”の鋼板、すなわちn+1枚目の鋼板の上面に接触している。吊り上げ高さが増加し、撓んだ先端が、“山”のn+1枚目の鋼板の上面にから離れる高さ、これを完全地切り高さh2とし、この高さh2を設定する。完全地切り高さh2は、吊り上げ対象となったn枚目の鋼板の撓み量で、吊り上げ対象となった鋼板の寸法(厚さ、幅、長さなど)、鋼材の機械的物性などのデータに基づき撓み量を計算する。
【0034】
次に、クレーンのポストの昇降速度vに基づいて、上記の地切り高さh1から完全地切り高さh2までを吊り上げる時間tを計算し、予め設定された初期設定電流値IApから予め設定された中間設定電流値IAqまで漸増させるための電流の増加速度を計算する。
【0035】
なお、この中間設定電流値IAqは、鋼板の撓みを防止するために、できるだけ大きな吸着力を付与できる電流値が望ましいが、n+1枚目の鋼板まで吊り上げてしまうことを防止する必要がある。従って、完全地切り高さh2においてn+1枚目の鋼板に伝達される起磁力が一定値以下、すなわち、n+1枚目の鋼板に生じる吸着力が、n+1枚目の荷重よりも小さくなるように、設定する。
【0036】
シーケンサーは、この時間tの間に、励磁電流を吊り上げ初期設定電流値IApから中間設定電流値IAqにするための電流の増加速度を計算し、電流供給装置の電流供給を制御する。
【0037】
昇降装置は所定の速度で吊り上げを開始し、h1からh2に吊り上げる。その後、さらに吊り上げ高さを増大し、h2を超え、完全に地切ったところで励磁電流を最大電流値IAmaxに一気に増加させる。電流供給装置ユニットREGからは、所定の電流増加速度で励磁電流が所定のリフマグに供給され、電流値が最終的にIAmaxまで到達する。
【0038】
この時点において、リフマグに所定通りの吊り上げ対象の鋼板が適切に吊り上げられているかどうか判定を行なう。この判定を行なう方法については、先行技術である上記特許文献1(特開平2−295889号公報)に詳述されており、その方法を用いることが出来る。これによって吊り上げが不完全と判定された場合は、h2の高さからアームを降下させ、再度吊り上げを試みる。
【0039】
吊り上げが、適正であった場合は、吊り上げ高さを増やし、移送、搬送高さh3まで、さらに吊り上げた後、移動、搬送を行なう。
【0040】
本発明の装置では、下方の鋼板に吸着力の影響を及ぼすことなく、完全地切り高さh2の時点で最大電流値IAmaxとなっており、鋼板の撓みによる吊り不全の発生が抑制されている。もし、吊り上げ状態が適正でない場合でも、搬送高さh3より低い高さh2で早期に吊り上げ適否の判定が可能となるので、従来に比べて迅速に再吊り上げを試みることができる。
【0041】
なお、半地切りの高さh1、完全地切りの高さh2、搬送高さh3は、リフマグクレーンの着床センサーの着床検知に基づいて、予め設定されていたそれざれの高さh1、h2、h3になるように昇降装置を駆動させる。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、吊り不全が効果的に防止することができ、また、リフマグの電流値が早期に搬送可能な最大電流値とすることができるので、吊り不全の判定が早期に可能となり、吊り上げの再動作を早期に行なうことが出来る。これによって、吊り動作のサイクルタイムを短縮することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリフティングマグネットクレーン装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明のリフティングマグネットクレーン装置に備わる制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明のリフティングマグネットクレーン装置における吊り上げ電流制御のパターンを説明する図である。
【図4】本発明のリフティングマグネットクレーンに吊り上げ制御と鋼板の撓みの状況との関係を示す図である。
【図5】長さの異なる鋼板を複数吊り上げた際のはみ出した鋼板の撓みの発生状況を示すもので、(a)は、長い鋼板を下方に配列した状況を示し、(b)はその場合のたわみの発生状況を示す。
【図6】起磁力、磁束および吸着力との関係を説明する模式図である。
【符号の説明】
1…レール
2…トラベラ
3…ポスト
4…ビーム
5…リフテイングマグネット(電磁石)
51…コア(磁性体コア)
52…励磁コイル
53…サーチコイル(磁束検出手段)
6…ロードセル
PLC…制御手段(シーケンサー)
REG…電流供給ユニット(電流供給手段)

Claims (2)

  1. 電流供給手段による電磁石への励磁電流の供給および、昇降手段による電磁石の上昇駆動があり、前記電磁石が1枚ないし複数枚の鋼板を吊り上げている状態で、該電流供給手段が供給している励磁電流及び磁束検出手段により検出した磁束より、該電磁石が磁気吸着している鋼板の合計の厚さを検出する処理手段を供えたリフティングマグネットクレーン装置において、吊り上げた鋼板の半地切り高さから完全地切り高さまで距離を設定し、前記鋼板の吊り上げ高さが半地切り高さから完全地切り高さに達する間に、励磁電流が所定の初期設定電流値から所定の中間設定電流値になるようにように前記電流供給手段を制御する手段を備えたことを特徴とするリフティングマグネットクレーン装置。
  2. 前記電流供給手段を制御する手段が、吊り上げる鋼板の撓みを計算し、この撓み量に基づいて、半地切り高さから完全地切り高さに到る距離を設定することを特徴とする請求項1に記載のリフティングマグネットクレーン装置。
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