JP2004345462A - 車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法およびアンバランス修正構造 - Google Patents

車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法およびアンバランス修正構造 Download PDF

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明 鈴木
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Abstract

【課題】ディファレンシャル装置の振動抑制効果が得られる車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法および構造を提供する。
【解決手段】プロペラシャフト1の後端部に、プロペラシャフト側のヨーク11およびスパイダ14を介して連結するフランジヨーク17を有するユニバーサルジョイント10を介在してディファレンシャル装置30のドライブピニオン33に取り付けられたコンパニオンフランジ40を連結するにあたり、ドライブピニオン33の回転中心軸L3上でドライブピニオン33とフランジヨーク17をインロー結合すると共に、フランジヨーク17とコンパニオンフランジ40を結合してコンパニオンフランジ40のフランジ面ブレによるプロペラシャフト1の回転アンバランスとプロペラシャフト1の残留アンバランスを相殺する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロペラシャフトのアンバランス修正方法およびアンバランス修正構造に関し、詳しくは、ディファレンシャル装置のコンパニオンフランジと結合される車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法およびアンバランス修正構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、四輪駆動車(4WD)やフロントエンジンリヤドライブ(FR)の車両の動力伝達系は、車体に対して前後方向に延在して配置されるプロペラシャフトの前端部がエンジン側の出力軸に連結すると共に、後端部がユニバーサルジョイントを介してディファレンシャル装置のコンパニオンフランジと連結している。そしてエンジン側の回転トルクがプロペラシャフトおよびユニバーサルジョイントを介してディファレンシャル装置のコンパニオンフランジに伝達され、ディファレンシャル装置によって左右の後輪に分配される。
【0003】
図7は、プロペラシャフトとディファレンシャル装置の結合部を示す断面説明図である。プロペラシャフト101の後端部にユニバーサルジョイント102が設けられている。ユニバーサルジョイント102は、プロペラシャフト101に結合されるプロペラシャフト側のヨーク103と、このヨーク103と十字形のスパイダ104を介して連結されるフランジヨーク105とを有している。フランジヨーク105のフランジ106には、そのフランジ面107の中心部から円柱状のインロー軸となるスピゴット108が突出形成されている。
【0004】
一方、ディファレンシャル装置110は、筒状に形成されたディファレンシャルキャリヤ111にベアリング112を介してドライブピニオン113が回転自在に支持されている。一方、コンパニオンフランジ116は、円筒状のボス部117を有し、ボス部117の端部から円筒部118が連続形成され、円筒部118の端部にフランジヨーク105のフランジ面107と対向するフランジ面120を有する環状のフランジ119が形成されている。フランジ面120の中心部にスピゴット108がインロー結合可能な円筒状のインロー穴であるソケット121が形成されている。
【0005】
このコンパニオンフランジ116は、ボス部117がドライブピニオン113の基端部114にスプライン嵌合し、かつ基端部114に突出形成されたねじ部115に螺合するナット122によって固定される。
【0006】
そして、スピゴット108とソケット121とをインロー結合してフランジ106と119を同軸上に位置決めし、かつ互いのフランジ面107と120を当接して互いのフランジ106と119をボルト(図示せず)により締結する。
【0007】
しかし、高速回転するプロペラシャフト101に回転アンバランスが発生すると、ユニバーサルジョイント102を介してトルク伝達されるディファレンシャル装置110が振動し、車室内にこもり音が発生して車両の乗り心地に影響を及ぼすと共に、耐久性の低下を招く要因となる。
【0008】
プロペラシャフト101の回転アンバランスの発生要因としては、プロペラシャフト101自体に起因する場合と、プロペラシャフト101とディファレンシャル装置110との結合に起因する場合がある。
【0009】
プロペラシャフト101自体に起因する回転アンバランスの要因は、スピゴット108とソケット121のインロー結合により設定される回転中心軸となる結合インロー基準軸に対するプロペラシャフト101自体の残留アンバランスである。この残留アンバランスは、主にプロペラシャフト101を形成するシャフトチューブ101aの厚さの不均一やプロペラシャフト101を製造する際の集成加工精度によるものである。
【0010】
プロペラシャフト101とディファレンシャル装置110との締結に起因する回転アンバランスの要因は、ドライブピニオン113とコンパニオンフランジ116の組み付け後におけるドライブピニオン113の回転中心軸に対する結合インロー基準線のズレである。これはドライブピニオン113の回転中心軸に対するコンパニオンフランジ116の中心軸線が偏心して、例えばコンパニオンフランジ116のフランジソケット121を誇張して仮想線121aで示すようにオフセットするフランジソケット芯ブレ(以下フランジ芯ブレ)と、ピニオンシャフト112の回転中心軸と直交する基準面に対するコンパニオンフランジ116のフランジ面120が、例えば誇張して仮想線120aで示すように傾斜するフランジ面ブレがある。これらのフランジ芯ブレおよびフランジ面ブレは、ドライブピニオン113とコンパニオンフランジ116の結合部におけるセレーションのガタやドライブピニオン113およびコンパニオンフランジ11の加工精度に起因する。また、スピゴット107とソケット121のインロー結合部のガタに起因することもある。
【0011】
ここで、一般にフランジ面ブレに起因するプロペラシャフト101の回転アンバランスに対してフランジ芯ブレがプロペラシャフト1の回転アンバランスに対する影響が大きいので、予めプロペラシャフト101の残留アンバランスおよびコンパニオンフランジ116のフランジ芯ブレを測定し、これら残留アンバランスとフランジ芯ブレによるアンバランスが相殺されるように周方向の相互位相を求め、その状態が得られる最も近いボルト孔同士を選択してフランジ106と119をボルトにより締結している。
【0012】
また、図8および図9に図8のI−I線断面図を示すように図7と対応する部分に同一符号を付して該部分の詳細な説明を省略するが、プロペラシャフト101とコンパニオンフランジ116を結合するユニバーサルジョイント102のフランジ106の外周に、フランジ106の中心に対して偏心した外周面を有する偏心環状体の第1修正部材131と、この第1修正部材131の外周面に嵌合する偏心環状体の第2修正部材132を有すアンバランス修正装置130を取り付ける。このフランジ106に対する第1修正部材131および第2修正部材132の周方向の相対固定位置を調整することによりプロペラシャフト101の残存アンバランスを解消して、ディファレンシャル装置110における振動を抑制して、車室内に生じるこもり音の低減を図ることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
【特許文献1】
実開平6−65649号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記、プロペラシャフト101の残留アンバランスとコンパニオンフランジ116のフランジ芯ブレによる回転アンバランスを相殺するように、ユニバーサルジョイント102とコンパニオンフランジ116を結合するプロペラシャフトのアンバランス修正方法にあっては、プロペラシャフト101の残留アンバランスとフランジ芯ブレによる回転アンバランスを相殺することができる。
【0015】
しかし、フランジ面ブレに起因するプロペラシャフト101の回転アンバランスは調整できず、ディファレンシャル装置110の振動抑制効果および車室内のこもり音の低減が十分に達成できず、車両の乗り心地や耐久性の低下を招くことが懸念される。
【0016】
また、上記特許文献1に記載のアンバランス修正装置130をユニバーサルジョイント102にフランジ106に取り付けてプロペラシャフト101の回転アンバランスを抑制する方法にあっては、ユニバーサルジョイント102に環状のアンバランス修正装置130を取り付けることから、構成が複雑になり重量が増加すると共に、動力伝達系の占有空間が増大して車体設計に影響を及ぼすことが懸念される。また、基本構成が既存の動力伝達系と大きく異なり、既存の動力伝達系と種々の特性が大きく変わり、その信頼性の低下を招く要因となるおそれがある。
【0017】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、従来の駆動伝達系の基本構成を大きく変えることなくディファレンシャル装置における振動抑制効果が得られる車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法およびアンバランス修正構造を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法の発明は、プロペラシャフトの端部に、プロペラシャフト側のヨークおよび該ヨークにスパイダを介して連結するフランジヨークを有するユニバーサルジョイントを介在してディファレンシャル装置のドライブピニオンに取り付けられたコンパニオンフランジを連結する車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法において、上記ドライブピニオンの回転中心軸上で上記ドライブピニオンとフランジヨークをインロー結合すると共に、上記フランジヨークとコンパニオンフランジを締結してコンパニオンフランジのフランジ面ブレによるプロペラシャフトの回転アンバランスとプロペラシャフトの残留アンバランスを相殺することを特徴とする。
【0019】
請求項1の発明によると、ドライブピニオンとフランジヨークを直接インロー結合することによって、コンパニオンフランジのフランジ芯ブレに起因する回転アンバランス要因が回避できる。このフランジ芯ブレによる回転アンバランスを回避した状態で、コンパニオンフランジのフランジ面ブレによるプロペラシャフトの回転アンバランスとプロペラシャフトの残留アンバランスを相殺することによってコンパニオンフランジのフランジ芯ブレ、フランジ面ブレ、およびプロペラシャフトの残留アンバランスに起因するプロペラシャフトの回転アンバランスが抑制できる。この結果、極めて円滑なプロペラシャフトの回転が確保でき、十分にディファレンシャル装置の振動抑制効果が得られ、かつ車室内のこもり音の低減が得られる。
【0020】
また、既存の駆動伝達系の基本構成が維持されて既存の動力伝達系と特性が大きく変わることがなく、その信頼性が維持できる。
【0021】
請求項2に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法の発明は、プロペラシャフトの端部に、プロペラシャフト側のヨークおよび該ヨークにスパイダを介して連結するフランジヨークを有するユニバーサルジョイントを介在してディファレンシャル装置のドライブピニオンに取り付けられたコンパニオンフランジを連結する車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法において、上記ドライブピニオンの回転中心軸上で上記ドライブピニオンとフランジヨークをインロー結合すると共に、プロペラシャフトの残留アンバランス位置とコンパニオンフランジの最大面ブレ位置の周方向位置を対応させて上記フランジヨークとコンパニオンフランジを締結することを特徴とする。
【0022】
請求項2の発明によると、ドライブピニオンとフランジヨークを直接インロー結合することによって、コンパニオンフランジのフランジ芯ブレに起因する回転アンバランスを回避する。このフランジ芯ブレによる回転アンバランスを回避した状態で、プロペラシャフトの残留アンバランス位置とコンパニオンフランジの最大面ブレ位置の周方向位置を対応させてユニバーサルジョイントのフランジヨークとコンパニオンフランジを締結することによって、フランジ面ブレに倣ってフランジヨークが傾斜し、スパイダを介してプロペラシャフトを残留アンバランス位置と反対方向に偏倚させて、コンパニオンフランジのフランジ面ブレによるプロペラシャフトの回転アンバランスとプロペラシャフトの残留アンバランスを相殺する。この結果、コンパニオンフランジのフランジ芯ブレ、フランジ面ブレ、およびプロペラシャフトの残留アンバランスに起因するプロペラシャフトの回転アンバランスが抑制できる。
【0023】
請求項3に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造の発明は、プロペラシャフトに端部に、プロペラシャフト側のヨークおよび該ヨークにスパイダを介して連結するフランジヨークを有するユニバーサルジョイントを介在してディファレンシャル装置のドライブピニオンに取り付けられたコンパニオンフランジを連結する車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造において、上記ドライブピニオンの回転中心軸上で該ドライブピニオンから突出するインロー軸と、上記フランジヨークのフランジに穿設されてドライブピニオンの回転中心軸上で上記インロー軸とインロー結合するインロー穴とを備え、上記プロペラシャフトの残留アンバランス位置とコンパニオンフランジの最大面ブレ位置の周方向位置を対応させて上記フランジヨークとコンパニオンフランジを締結することを特徴とする。
【0024】
請求項3の発明によると、ドライブピニオンに形成されたインロー軸とフランジヨークに形成されたインロー穴を直接インロー結合することによって、コンパニオンフランジのフランジ芯ブレに起因する回転アンバランスを回避する。この状態で、プロペラシャフトの残留アンバランス位置とコンパニオンフランジの最大面ブレ位置の周方向位置を対応させてフランジヨークとコンパニオンフランジを結合することによって、フランジ面ブレに倣ってフランジヨークが傾斜し、スパイダを介してプロペラシャフトを残留アンバランス位置と反対方向に偏倚させて、コンパニオンフランジのフランジ面ブレによるプロペラシャフトの回転アンバランスとプロペラシャフトの残留アンバランスを相殺する。よって、コンパニオンフランジのフランジ芯ブレ、フランジ面ブレ、およびプロペラシャフトの残留アンバランスに起因するプロペラシャフトの回転アンバランスが抑制できる。また、既存の駆動伝達系の基本構成が維持されて既存の動力伝達系と特性が大きく変わることがなく、その信頼性が維持できる。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造おいて、上記インロー軸は、上記ドライブピニオンの回転中心軸上でドライブピニオンに突出形成されて上記インロー穴に嵌合する球状の嵌合部を有することを特徴とする。
【0026】
請求項4の発明によると、インロー軸を、ドライブピニオンの回転中心軸上でドライブシャフトに突出形成された球状の嵌合部に形成することによって、フランジヨークのフランジ中心軸とドライブピニオンの回転中心軸が多少ズレ角がある状態でもこじられることなく容易にかつ円滑にインロー結合することができ、締結作業性が向上する。
【0027】
請求項5に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造の発明は、プロペラシャフトに端部に、プロペラシャフト側のヨークおよび該ヨークにスパイダを介して連結するフランジヨークを有するユニバーサルジョイントを介在してディファレンシャル装置のドライブピニオンに取り付けられたコンパニオンフランジを連結する車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造において、上記ドライブピニオンの回転中心軸上で該ドライブピニオンに穿設されたインロー穴と、上記フランジヨークのフランジから突出してドライブピニオンの回転中心軸上で上記インロー穴とインロー結合するインロー軸とを備え、上記プロペラシャフトの残留アンバランス位置とコンパニオンフランジの最大面ブレ位置の周方向位置を対応させて上記フランジヨークとコンパニオンフランジを締結することを特徴とする。
【0028】
請求項5の発明によると、フランジヨーク形成されたインロー軸とドライブピニオンに形成されたインロー穴を直接インロー結合することによって、コンパニオンフランジのフランジ芯ブレに起因する回転アンバランスを回避する。さらに、プロペラシャフトの残留アンバランス位置とコンパニオンフランジの最大面ブレ位置の周方向位置を対応させてフランジヨークとコンパニオンフランジを締結することによって、フランジ面ブレに倣ってフランジヨークが傾斜し、スパイダを介してプロペラシャフトを残留アンバランス位置と反対方向に偏倚させて、コンパニオンフランジのフランジ面ブレによるプロペラシャフトの回転アンバランスとプロペラシャフトの残留アンバランスを相殺する。これにより、コンパニオンフランジのフランジ芯ブレ、フランジ面ブレ、およびプロペラシャフトの残留アンバランスに起因するプロペラシャフトの回転アンバランスが抑制できる。また、既存の駆動伝達系の基本構成が維持されて既存の動力伝達系と特性が大きく変わることがなく、その信頼性が維持できる。
【0029】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造において、上記インロー軸は、上記ドライブピニオンの回転中心軸上でユニバーサルジョイントのヨークフランジに突出形成された上記インロー穴に嵌合する球状の嵌合部を有することを特徴とする。
【0030】
請求項6の発明によると、インロー軸を、ドライブピニオンの回転中心軸上でフランジヨークに突出形成された球状の嵌合部に形成することによって、フランジヨークのフランジヨーク中心軸とドライブピニオンの回転中心軸が多少ズレ角がある状態でもこじられることなく容易にかつ円滑にインロー結合することができ、締結作業性が向上する。
【0031】
請求項7に記載の発明は、請求項4または6の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造において、上記嵌合部の中心が、ドライブピニオンの回転中心軸延在方向でヨークフランジとコンパニオンフランジの締結面位置であることを特徴とする。
【0032】
請求項7の発明によると、球状に形成された嵌合部の中心を、ドライブピニオンの回転中心軸延在方向でコンパニオンフランジとヨークフランジの締結面位置に設定することによって、フランジ面ブレ角度を測定し、予め設定されているフランジ面からスパイダの中心までの距離に基づいてフランジ面ブレに起因するプロペラシャフトの回転アンバランスを予測することが可能になり、効率的かつ適切にプロペラシャフトの残留アンバランス修正が容易になる。
【0033】
請求項8に記載の発明は、請求項4または6に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造において、上記嵌合部は、上記球状に代えてインロー穴に嵌合する円柱状でかつ外周端縁に面取りが施されたことを特徴とする。
【0034】
請求項8の発明は、嵌合部の形状を例示するものであって、円柱状でかつ外周端縁が面取りされた円柱状に形成することもできる。
【0035】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の車両用プロペラシャフトプロペラシャフトのアンバランス修正構造において、上記インロー穴は、上記コンパニオンフランジと上記ドライブピニオンとを締結するために、上記ドライブピニオンに設けたねじ部に設けたことを特徴とする。
【0036】
請求項9の発明によると、コンパニオンフランジを取り付けるナットの底面の加工精度の不良に起因して偏在する締結力によってドライブピニオンの基端部が湾曲変形した際に発生する嵌合部の芯ブレにより発生する回転アンバランスをより抑制することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法およびアンバランス修正構造の実施の形態を図を参照して説明する。
【0038】
(第1実施の形態)
本発明の第1実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1はプロペラシャフトとディファレンシャル装置の結合部を示す断面図、図2は図1のA部拡大図、図3は作用説明図である。
【0039】
図中符号1は、四輪駆動車(4WD)やフロントエンジンリヤドライブ(FR)の車両の動力伝達系に用いられるプロペラシャフトである。プロペラシャフト1は車体に対して前後方向に延在して配置され、前端部がエンジン側の出力軸に連結し、後端部がユニバーサルジョイント10を介してディファレンシャル装置30のコンパニオンフランジ40に連結している。
【0040】
プロペラシャフト1は、中空円筒状のシャフトチューブ1aによって形成され、後端部にユニバーサルジョイント10が溶接等によって取り付けられている。
【0041】
ユニバーサルジョイント10は、プロペラシャフト1に結合するプロペラシャフト側のヨーク11と、ヨーク11と十字形に形成されたスパイダ14を介して連結されるフランジヨーク17とを有している。
【0042】
ヨーク11は、プロペラシャフト1に結合される円板状のベース12から一対のホーク13が対向して突出する二股状に形成されている。スパイダ14は第1軸15と第2軸16が交差して十字形に一体形成され、第1軸15の各端部がヨーク11のそれぞれのホーク13の先端間にベアリングを介在して回転自在に掛け渡されている。フランジヨーク17は、平面状のフランジ面19を有する平板状のフランジ18から一対のホーク20が対向して突出し、各ホーク20の先端間にスパイダ14の第2軸16がベアリングを介して回転自在に掛け渡されている。
【0043】
フランジヨーク17のフランジ面19の中央部に円筒状のボス部21が突設され、かつプロペラシャフト1の回転中心軸L1に対してフランジ面19が直交する位置において、フランジ18にフランジ面19と直交し、かつプロペラシャフト1の回転中心軸L1と同軸となるフランジヨーク中心軸L2に沿って同軸上で連続する円筒状のインロー穴となるソケット22が穿設されている。このソケット22はボス部21の頂端に開口した有底状に形成されている。また、フランジ18の外周近傍には複数のボルト孔23が穿孔されている。
【0044】
一方、ディファレンシャル装置30は、筒状に形成されたディファレンシャルキャリヤ31に、ベアリング32を介してドライブピニオン33が回転自在に支持されている。このドライブピニオン33の基端部34の端部にドライブピニオン33の回転中心軸L3と同軸上で連続する円柱状のねじ部35およびソケット22に嵌入可能なインロー軸となるスピゴット36が設けられている。
【0045】
スピゴット36は、ねじ部35の端部から突出する支持部37および支持部37の先端に形成されてソケット22内に進入して嵌合可能な球状の嵌合部38を有している。この球状に形成された嵌合部38は、その中心0がドライブピニオン33の回転中心軸L3上でかつ、回転中心軸線L3の延在方向において後述するフランジ面19と44との締結面位置となるように設定される。
【0046】
一方、コンパニオンフランジ40は、円筒状のボス部41を有し、ボス部41の端部から円筒部42が連続形成され、円筒部42の端部にフランジヨーク17のフランジ面19と対向して接面するフランジ面44を有するフランジ43がリング状に形成されている。このフランジ43にボルト孔23に対応してボルト孔45が穿設されている。
【0047】
このコンパニオンフランジ40は、ボス部41がドライブピニオン33の基端部34にスプライン嵌合し、かつボス部41が基端部34から突出して形成されたねじ部35に螺合するナット48によって締結される。
【0048】
ここで、ドライブピニオン33に取り付けられたコンパニオンフランジ40のフランジ面ブレを測定し、ドライブピニオン33の回転中心軸L3に対するフランジ面44の最大ブレ位置に対応するフランジ43の外周面に、該位置を表示する面ブレマーキングaを付する。この最大ブレ位置の測定は、例えば、フランジ面44にダイヤルゲージを当てて、ドライブピニオン33を回転し、ゲージ指針の振れを読みとることにより測定できる。
【0049】
一方、プロペラシャフト1においても、プロペラシャフト1の残留アンバランスが測定され、該位置を表示する残留アンバランスマーキングbを付して準備する。
【0050】
そして、プロペラシャフト1に予め取り付けられたユニバーサルジョイント10のフランジヨーク17に形成されたソケット22に、ドライブピニオン33の基端部34に突設形成されたスピゴット36の球状に形成された嵌合部38を嵌入してインロー結合する。この嵌合部38とソケット22の嵌合は、嵌合部38を球状に形成することによって、フランジヨーク17のフランジヨーク中心軸L2とドライブピニオン33の回転中心軸L3が多少ズレ角がある状態でもこじられることなく容易にかつ円滑にソケット22内に挿入できる。
【0051】
このソケット22と嵌合部38との嵌合によって、フランジ芯ブレに影響されることなくドライブピニオン33の回転中心軸L3とフランジヨーク17のフランジヨーク中心軸L2がほぼ連続する同軸上に位置が規制される。この状態でフランジヨーク17に形成されたフランジ18のフランジ面19とコンパニオンフランジ40に形成されたフランジ43のフランジ面44を合わせ、かつプロペラシャフト1に付された残留アンバランスマーキングbとコンパニオンフランジ40に付された面ブレマーキングaの周方向の位相が一致する状態が得られる最も近いフランジヨーク17のフランジ18に穿設されたボルト孔23とコンパニオンフランジ40のフランジ43に穿設されたボルト孔45同士を選択してボルト(図示せず)によって締結する。
【0052】
このコンパニオンフランジ40のフランジ面44にフランジヨーク17のフランジ面19を接面し、かつフランジ18と43を結合することによって、フランジ44のフランジ面ブレの状態に倣ってフランジヨーク17のフランジヨーク中心軸L2がプロペラシャフト1の回転中心軸L1およびドライブピニオン33の回転中心軸L3に対して傾斜する。このフランジヨーク17の傾斜は、ソケット22が嵌合するスピゴット36の球状に形成された嵌合部38の中心0をほぼ中心とし、かつソケット22とスピゴット36の嵌合を維持した状態でフランジヨーク17のホーク20の先端が残留アンバランスマーキングbの反対方向に移動し、ホーク20の先端に回転自在に支持されたスパイダ14およびヨーク11を介してプロペラシャフト1の後端部を残留アンバランスマーキングbと反対方向に偏倚させてプロペラシャフト1の残留アンバランスを抑制する。
【0053】
すなわち、図3にフランジ面ブレのない基準状態を実線で示し、かつフランジ面ブレを有する状態を誇張して仮想線で示すように、コンパニオンフランジ44のフランジ面ブレ角度がθであり、インロー結合された嵌合部38の中心0からホーク20の先端に連結されたスパイダ14の中心01までの距離、すなわちフランジ面45とスパイダ14の中心01までの距離がLの場合には、プロペラシャフト1における偏倚量δは、δ=L・sinθである。プロペラシャフト1が基準となるプロペラシャフト1の回転中心軸L1およびドライブピニオン33の回転中心軸L3から残留アンバランスマーキングbと反対方向に偏倚量δだけ偏倚して基準となる回転中心軸L1およびL3を中心に振れて回転することによって、コンパニオンフランジ44のフランジ面ブレによるプロペラシャフト1の回転軸揺れによる回転アンバランスとプロペラシャフト1の残留アンバランスが相殺される。
【0054】
したがって、ドライブピニオン33にその回転中心軸L3上に球状の嵌合部38を形成し、プロペラシャフト1の後端部に結合するユニバーサルジョイント10のフランジヨーク17のフランジヨーク中心軸L2上に嵌合部38に嵌合するソケット22を形成して互いに直接嵌合するインロー結合によって、プロペラシャフト1の回転アンバランスの比較的大きな発生要因となるコンパニオンフランジ44のフランジ芯ブレに起因するプロペラシャフト1の回転アンバランスが回避できる。
【0055】
このフランジ芯ブレに起因する回転アンバランス要因を回避した状態で、コンパニオンフランジ44のフランジ面ブレによるプロペラシャフト1の回転アンバランスとプロペラシャフト1の残留アンバランスを相殺する。これにより、コンパニオンフランジ44のフランジ芯ブレ、フランジ面ブレおよびプロペラシャフト1の残留アンバランスに起因するプロペラシャフト1の回転アンバランスが回避、あるいは回転アンバランスが大幅に減少できる。よって回転アンバランスのない極めて円滑なプロペラシャフト1の回転が確保でき、十分なディファレンシャル装置30の振動抑制効果が得られると共に車室内に生じるこもり音の低減が得られる。
【0056】
また、ドライブピニオン33にスピゴット36を形成し、かつユニバーサルジョイント10のフランジヨーク17にスピゴット36がインロー結合するソケット22を形成する簡単な構成であり、重量の増加や動力伝達系の占有空間が増大することない。
【0057】
また、既存の駆動伝達系の基本構成が維持されて既存の動力伝達系と特性が大きく変わることがなく、その信頼性が維持できる。
【0058】
スピゴット36の球状に形成された嵌合部38の中心0をフランジ面19と45の締結面位置となるように設定することによって、フランジ面ブレ角度θを測定し、予め設定されているフランジ面19からスパイダ14の中心01までの距離Lに基づいて偏倚量δを容易に算出することができ、フランジ面ブレに起因するプロペラシャフト1の回転アンバランスを予測することが可能になり、効率的かつ適切にプロペラシャフト1の残留アンバランス修正が容易になる。
【0059】
よって、プロペラシャフト1の残留アンバランスとコンパニオンフランジ40のフランジ面ブレを適切に調整管理することで、適切なプロペラシャフト1の回転アンバランスを修正することができ、従来のプロペラシャフトの残留アンバランスとコンパニオンフランジのフランジ芯ズレを管理する管理項目数を増加することなく、管理の複雑化を招くことがない。
【0060】
また、インロー結合するドライブピニオン33に形成するスピゴット36の嵌合部38およびフランジヨーク17に形成されるソケット22が、従来のフランジヨークにスピゴットを形成しコンパニオンフランジにソケットを形成する場合に比べ小径に形成できて、該部の精度向上が容易になる。さらに、嵌合部38を球状に形成することによって、フランジヨーク17のフランジヨーク中心軸L2とドライブピニオン33の回転中心軸L3が多少ズレ角がある状態でもこじられることなく容易にかつ円滑にソケット22内に挿入できて締結作業性が向上する。
【0061】
さらに、ドライブピニオン33に形成されるスピゴット36は、上記形状に限定されることなく種々変更可能である。例えば図4(a)に示すように、支持部37に設けられる嵌合部38をドライブピニオン33の回転中心軸L3と同軸上でソケット22に嵌合可能な円柱体38aの両端縁部38bを面取りした形状にすることもできる。また、同図(b)に示すように、ねじ部35から突出して先端がソケット22に嵌合可能な円柱体38cに形成して先端周縁部38dを面取りすることも、同図(c)に示すようにねじ部35から突出して先端がソケット22に嵌合可能な円柱体38eの先端38fを球面状に面取りして形成することもできる。
【0062】
(第2実施の形態)
本発明の第2実施の形態を上記第2図に対応する図5を参照して説明する。なお、図5において図1乃至図4と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略する。
【0063】
プロペラシャフト1の後端に設けられるユニバーサルジョイント20のフランジヨーク17のフランジ18のフランジ面19の中央部に凹部51を形成し、かつ凹部51の中央部からインロー軸となるスピゴット52が突出形成されている。スピゴット52は、フランジヨーク中心軸L2と同軸上で凹部51の中央部から突出する支持部53および支持部53の先端に形成された球状の嵌合部54を有している。この嵌合部54は、その中心0がフランジヨーク中心軸L2上でかつ、フランジヨーク中心軸L2の延在方向においてフランジ面19と44との締結面位置となるように設定される。
【0064】
また、ドライブピニオン33に形成されるねじ部35にドライブピニオン33の回転中心軸L3と同軸上で、かつ嵌合部54が嵌合可能なインロー穴となる円筒状で有底形状のソケット55が穿設されている。他の構成は第1実施の形態と同様である。
【0065】
ここで、第1実施の形態と同様にドライブピニオン33に取り付けられたコンパニオンフランジ40のフランジ面ブレを測定し、フランジ面44の最大ブレ位置に対応するフランジ43の外周面に、該位置を表示する面ブレマーキングaを付する。一方、プロペラシャフト1においても、プロペラシャフト1の残留アンバランスが測定され、該位置を表示する残留アンバランスマーキングbを付して準備する。
【0066】
そして、プロペラシャフト1に予め取り付けられたユニバーサルジョイント10のフランジヨーク17に突設形成されたスピゴット52の嵌合部54をドライブピニオン33のねじ部35に穿設されたソケット55に嵌入してインロー結合する。この嵌合部54を球状に形成することによって、フランジヨーク17のフランジヨーク中心軸L2とドライブピニオン33の回転中心軸L3が多少ズレ角がある状態でもこじられることなく容易にかつ円滑にソケット55内に挿入できる。
【0067】
この嵌合部54とソケット55の嵌合によって、フランジ軸ブレに影響されることなくドライブピニオン33の回転中心軸L3とフランジヨーク17のフランジヨーク中心軸L2がほぼ連続する同軸上に位置が規制される。この状態でフランジ18のフランジ面19とフランジ43のフランジ面44を合わせ、かつプロペラシャフト1に付された残留アンバランスマークbとコンパニオンフランジ40に付された面ブレマーキングaの周方向の位相が一致する状態が得られる最も近いフランジヨーク17のフランジ18に穿設されたボルト孔23とコンパニオンフランジ40のフランジ43に穿設されたボルト孔45同士を選択してボルト(図示せず)により締結する。
【0068】
このコンパニオンフランジ40のフランジ面44にフランジヨーク17のフランジ面19を接面し、かつフランジ18と43を結合することによって、フランジ44のフランジ面ブレの状態に倣ってフランジヨーク17のフランジヨーク中心軸L2がプロペラシャフト1の回転中心軸L1およびドライブピニオン33の回転中心軸L3に対して傾斜する。このフランジヨーク17の傾斜は、ソケット55に嵌合するスピゴット52の球状に形成された嵌合部54の中心0をほぼ中心とし、かつソケット22とスピゴット36の嵌合を維持した状態でフランジヨーク17のホーク20の先端が残留アンバランスマークbの反対側に移動し、ホーク20の先端に回転自在に支持されたスパイダ14およびヨーク11を介してプロペラシャフト1の後端部を残留アンバランスマーキングbと反対方向に偏倚させてプロペラシャフト1の残留アンバランスを抑制する。
【0069】
すなわち、第1実施の形態と同様に仮想線で示すようにコンパニオンフランジ44のフランジ面ブレ角度がθであり、嵌合部30の中心0からホーク20の先端に連結されたスパイダ14の中心01までの距離、すなわちフランジ面45とスパイダ14の中心01までの距離がLの場合には、プロペラシャフト1における偏倚量δは、δ=L・tanθである。すなわち、プロペラシャフト1が基準となるプロペラシャフト1の回転中心軸L1およびドライブピニオン33の回転中心軸L3から残留アンバランスマーキングbと反対方向へ偏倚量δだけ偏倚して基準となる回転中心軸L1およびL3を中心に振れて回転することになる。よって、コンパニオンフランジ44のフランジ面ブレによるプロペラシャフト1の回転軸揺れによるアンバランスとプロペラシャフト1の残留アンバランスが相殺される。
【0070】
したがって、第1実施の形態と同様に、コンパニオンフランジ44のフランジ芯ブレに起因するプロペラシャフト1の回転アンバランスが回避できる。このフランジ芯ブレに起因する回転アンバランス要因を回避した状態で、コンパニオンフランジ44のフランジ面ブレによるプロペラシャフト1の回転アンバランスとプロペラシャフト1の残留アンバランスが相殺することによって、コンパニオンフランジ44のフランジ芯ブレ、フランジ面ブレおよびプロペラシャフト1の残留アンバランスに起因するプロペラシャフト1の回転アンバランスが回避、あるいは回転アンバランスが大幅に減少できる。この回転アンバランスのない極めて円滑なプロペラシャフト1の回転が確保でき、十分なディファレンシャル装置30の振動抑制効果が得られると共に車室内に生じるこもり音の低減が得られる。
【0071】
また、ユニバーサルジョイント10のフランジヨーク17にスピゴット52を形成し、ドライブピニオン33にスピゴット52がインロー結合するソケット55を形成する簡単な構成であり、重量の増加や動力駆動系の占有空間が増大することない。
【0072】
さらに、上記第1実施の形態に加え、ユニバーサルジョイント10のフランジ17にスピゴット52を形成し、ドライブピニオン33のねじ部35にソケット55を形成することから、嵌合部54の中心0がねじ部35内に設定され、ナット48の底面の加工精度不良に起因して偏在する締結力でドライブピニオン33の基端側が若干湾曲変形することによるドライブピニオン33の回転中心軸L3に対する嵌合部54の中心0の芯ブレにより発生する回転アンバランスをより抑制することができ、より円滑なプロペラシャフト1の回転を確保することができる。
【0073】
また、既存の駆動伝達系の基本構成が維持されて既存の動力伝達系と特性が大きく変わることがなく、その信頼性が維持できる。
【0074】
さらに、ユニバーサルジョイント10のフランジ17に形成するスピゴット52は、上記形状に限定されることなく種々変更可能である。例えば図6(a)に示すように、支持部53に設けられる嵌合部54は、フランジヨーク中心軸L2と同軸上でソケット55に嵌合可能な円柱体54aの両端縁部54bを面取りした形状にすることもできる。また、同図(b)に示すように、先端がソケット55に嵌合可能な円柱体54cに形成して先端周縁部54dを面取りすることも、同図(c)に示すように先端がソケット55に嵌合可能な円柱体54eの先端54fを球面状に面取りして形成することもできる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明した本発明によると、ドライブピニオンとフランジヨークを直接インロー結合することによって、コンパニオンフランジのフランジ芯ブレに起因する回転アンバランス要因が回避でき、このフランジ芯ブレによる回転アンバランスを回避した状態で、コンパニオンフランジのフランジ面ブレによるプロペラシャフトの回転アンバランスとプロペラシャフトの残留アンバランスを相殺することによってコンパニオンフランジのフランジ芯ブレ、フランジ面ブレ、およびプロペラシャフトの残留アンバランスに起因するプロペラシャフトの回転アンバランスが抑制できる。よって、極めて円滑なプロペラシャフトの回転が確保でき、十分なディファレンシャル装置の振動抑制効果が得られ、かつ車室内のこもり音の低減が得られる。また、既存の駆動伝達系の基本構成が維持されて既存の動力伝達系と特性が大きく変わることがなく、その信頼性が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態の概要を示すプロペラシャフトとディファレンシャル装置との結合部の断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】作用説明図である。
【図4】スピゴットの種々形態を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施の形態の概要を示すプロペラシャフトとディファレンシャル装置との結合部の断面図である。
【図6】スピゴットの種々形態を示す説明図である。
【図7】従来のプロペラシャフトとディファレンシャル装置との結合部の概要を示す断面説明図である。
【図8】従来のプロペラシャフトのアンバランス修正装置の概要を示す説明図である。
【図9】図8のI−I線断面図である。
【符号の説明】
1 プロペラシャフト
10 ユニバーサルジョイント
11 プロペラシャフト側のヨーク
14 スパイダ
17 フランジヨーク
18 フランジ
19 フランジ面
20 ホーク
22 ソケット(インロー穴)
23 ボルト孔
30 ディファレンシャル装置
33 ドライブピニオン
34 基端部
35 ねじ部
36 スピゴット(インロー軸)
37 支持部
38 嵌合部
40 コンパニオンフランジ
43 フランジ
44 フランジ面
45 ボルト孔
48 ナット
52 スピゴット(インロー軸)
53 支持部
54 嵌合部
55 ソケット(インロー穴)
L1 プロペラシャフトの回転中心軸
L2 フランジヨーク中心軸
L3 ドライブピニオンの回転中心軸

Claims (9)

  1. プロペラシャフトの端部に、プロペラシャフト側のヨークおよび該ヨークにスパイダを介して連結するフランジヨークを有するユニバーサルジョイントを介在してディファレンシャル装置のドライブピニオンに取り付けられたコンパニオンフランジを連結する車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法において、
    上記ドライブピニオンの回転中心軸上で上記ドライブピニオンとフランジヨークをインロー結合すると共に、
    上記フランジヨークとコンパニオンフランジを締結してコンパニオンフランジのフランジ面ブレによるプロペラシャフトの回転アンバランスとプロペラシャフトの残留アンバランスを相殺することを特徴とする車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法。
  2. プロペラシャフトの端部に、プロペラシャフト側のヨークおよび該ヨークにスパイダを介して連結するフランジヨークを有するユニバーサルジョイントを介在してディファレンシャル装置のドライブピニオンに取り付けられたコンパニオンフランジを連結する車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法において、
    上記ドライブピニオンの回転中心軸上で上記ドライブピニオンとフランジヨークをインロー結合すると共に、
    プロペラシャフトの残留アンバランス位置とコンパニオンフランジの最大面ブレ位置の周方向位置を対応させて上記フランジヨークとコンパニオンフランジを締結することを特徴とする車両用プロペラシャフトのアンバランス修正方法。
  3. プロペラシャフトに端部に、プロペラシャフト側のヨークおよび該ヨークにスパイダを介して連結するフランジヨークを有するユニバーサルジョイントを介在してディファレンシャル装置のドライブピニオンに取り付けられたコンパニオンフランジを連結する車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造において、
    上記ドライブピニオンの回転中心軸上で該ドライブピニオンから突出するインロー軸と、
    上記フランジヨークのフランジに穿設されてドライブピニオンの回転中心軸上で上記インロー軸とインロー結合するインロー穴とを備え、
    上記プロペラシャフトの残留アンバランス位置とコンパニオンフランジの最大面ブレ位置の周方向位置を対応させて上記フランジヨークとコンパニオンフランジを締結することを特徴とする車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造。
  4. 上記インロー軸は、上記ドライブピニオンの回転中心軸上でドライブピニオンに突出形成されて上記インロー穴に嵌合する球状の嵌合部を有することを特徴とする請求項3に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造。
  5. プロペラシャフトに端部に、プロペラシャフト側のヨークおよび該ヨークにスパイダを介して連結するフランジヨークを有するユニバーサルジョイントを介在してディファレンシャル装置のドライブピニオンに取り付けられたコンパニオンフランジを連結する車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造において、
    上記ドライブピニオンの回転中心軸上で該ドライブピニオンに穿設されたインロー穴と、
    上記フランジヨークのフランジから突出してドライブピニオンの回転中心軸上で上記インロー穴とインロー結合するインロー軸とを備え、
    上記プロペラシャフトの残留アンバランス位置とコンパニオンフランジの最大面ブレ位置の周方向位置を対応させて上記フランジヨークとコンパニオンフランジを締結することを特徴とする車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造。
  6. 上記インロー軸は、ユニバーサルジョイントのヨークフランジに突出形成され、上記ドライブピニオンの回転中心軸上において上記インロー穴に嵌合する球状の嵌合部を有することを特徴とする請求項5に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造。
  7. 上記嵌合部の中心が、ドライブピニオンの回転中心軸延在方向でヨークフランジとコンパニオンフランジの締結面位置であることを特徴とする請求項4または6に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造。
  8. 上記嵌合部は、上記球状に代えてインロー穴に嵌合する円柱状でかつ外周端縁に面取りが施されたことを特徴とする請求項4または6に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造。
  9. 上記インロー穴は、上記コンパニオンフランジと上記ドライブピニオンとを締結するために、上記ドライブピニオンに設けたねじ部に設けたことを特徴とする請求項6に記載の車両用プロペラシャフトのアンバランス修正構造。
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