JP2004345259A - 画像出力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タンデム方式のカラーレーザープリンタ等に適用される廉価で信頼性の高いコントローラの提供を目的とする。
【解決手段】印刷データを保持する記憶手段と、画像同期信号に従って印刷データをプリンタエンジンに供給するエンジンインターフェース手段と、保持する印刷データを色毎に並行してエンジンインターフェース手段に転送するための転送手段を有し、転送手段は、画像同期信号に基づいて、色毎に印刷データ6の転送優先順位又は転送比率が指定される事を特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】印刷データを保持する記憶手段と、画像同期信号に従って印刷データをプリンタエンジンに供給するエンジンインターフェース手段と、保持する印刷データを色毎に並行してエンジンインターフェース手段に転送するための転送手段を有し、転送手段は、画像同期信号に基づいて、色毎に印刷データ6の転送優先順位又は転送比率が指定される事を特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラープリンタエンジンに画像データを供給するプリンタコントローラ等の画像出力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタエンジンの高解像度化による出力画像データ量の増加に伴い、コントローラ部のデータ処理負荷とメモリ消費量は著しく増大する傾向を強めている。そのため、コントローラ部のCPU負荷の軽減を目的にハードウェア処理可能な圧縮データを中間バッファメモリに蓄え、DMAコントローラを制御してこの圧縮データを出力データ生成ハードウェア(ラスタライザ)に転送する方法などが用いられるようになった。(特開平9−11548号公報)
画像印刷装置としてのページプリンタは、図3に示すように、ネットワーク、USBインターフェース等を介して、プリンタドライバを有するホストコンピュータに接続され、ホストコンピュータ等の機器が印刷元データから生成した中間出力データを出力に適した出力画像データに変換するコントローラ部と、コントローラ部から出力された出力画像データを取得し、紙等のメディアに画像出力するエンジン部とにより構成される。このコントローラ部に適した中間出力データは、一般にはプリンタドライバと呼ばれるソフトウェアで生成される。さらに、コントローラ部で中間出力データをエンジン部に適した出力画像データに変換し、エンジン部からの画像転送許可信号に同期してエンジン部にビデオ信号として出力する。エンジン部では電子写真プロセスを制御・駆動し、入力されたビデオ信号を紙等のメディア上に画像として再現する。
【0003】
電子写真プロセス方式のカラープリンタにおいては、特開平9−192542号公報に示されるようなタンデム方式と呼ばれる並列処理による高速印刷方式が提案され実用に供されている。タンデム方式では4色分の感光ドラムを一列に並べ、各色の印刷処理をオーバーラップさせることで印刷時間を短縮している。
【0004】
図4はタンデム方式の印刷データ出力タイミングを示しており、aはページ同期信号、bはページ同期信号に基づく印刷データ転送要求信号、c〜fは印刷データの転送タイミングを示すものである。図示したようにタンデム方式の電子写真プリンタでは、印刷用紙がドラム間隔を移動する時間に相当する出力タイミングの時間差が各色毎に与えられ、並行して処理されるデータ量は最大4倍に達する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図2は一般的なタンデム方式プリンタのコントローラ構成を示す図である。CPUバス27に接続するCPU部21、ROM22、外部i/f(インターフェース)部23、ページメモリ24、4チャネルのDMAC25、画像出力部26等で構成され、さらに画像出力部26はプリンタエンジン28に接続される。ホストコンピュータで生成された中間出力データは、外部i/f部23で受信し、CPU部21でハードウェア処理可能な圧縮データに変換された後、ページメモリ24に格納される。出力に必要な圧縮データの格納が完了するとCPU部21の指示により4チャンネルのDMAC25を起動し、格納された4色分の圧縮データをページメモリ24から画像出力部26に同時に転送する。画像出力部26は、圧縮データをエンジン部に適した出力画像データ形式に変換するデコーダ部261a〜dと、一時保持用バッファメモリ262a〜d、プリンタエンジン28と接続してビデオ信号として出力するエンジンi/f部263により構成される。タンデムエンジンの場合、上述したように最大4色分のデータ転送が並行して実行されるため、CPUバス27での競合により各色のデータ転送要求に対する待機時間が増加し、その結果としてデータ転送がプリンタエンジンの要求する速度に間に合わず、正常な印刷が行なわれないという問題が生じる。一時保持用バッファメモリ262a〜dは、このようなデータ転送量の変動の影響を緩和するよう機能するが、各色のデータ転送開始時、すなわち一時保持用バッファメモリ262a〜dがエンプティ状態からデータ転送が開始され、ある程度データが蓄積されるまではこのデータ転送量の変動に対する調整が十分に機能せず、上記の問題を発生させる可能性があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、並行処理に伴うCPUバス上の競合によるデータ転送の遅延に起因する異常印刷の発生を抑制する事を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記問題点を解決するために、イメージデータを印刷するプリンタエンジンに接続し、当該プリンタエンジンにカラーイメージデータを供給する画像出力装置おいて、印刷データを保持する記憶手段と、画像同期信号に従って印刷データをプリンタエンジンに供給するエンジンインターフェース手段と、保持する印刷データを色毎に並行してエンジンインターフェース手段に転送するための転送手段を有し、転送手段は、画像同期信号に基づいて、色毎に印刷データの転送優先順位又は転送比率が指定される事を特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明にかかる実施例を詳細に説明する。
【0009】
<装置構成の説明>
図1は、本発明の実施例におけるタンデム方式のカラーレーザービームプリンタのコントローラの構成を示すブロック図である。
【0010】
本実施例のシステムは、図1に示すようにシステムバスにCPU1、ROM2、外部i/f3、画像メモリ4、および画像出力部5を接続した構成となっている。
【0011】
CPU1は、装置全体の制御を行うとともに、外部i/f3より受信する印刷データからプリンタエンジン6に出力可能な印刷データの生成を行う。ROM2、は前記CPU1によって処理される処理手順(プログラム)、およびフォントデータなどを格納する。外部i/f3は、Ethernet(登録商標)等のLANインターフェースや、USBやIEEE1284、IEEE1394等のi/oインターフェースであり、上位装置(ホストコンピュータ)から印刷データを受信する。画像メモリ4は、前記CPU1が生成した1ページ分、或いは1バンド分の印刷データを一旦格納する。この際、メモリ容量を節約するために、前記CPU1によって印刷データの圧縮処理を行い、圧縮データ形式で格納する。画像出力部5は、色毎に前記画像メモリ4から印刷データの転送を行い、また当該印刷データの伸張処理を行うとともに、プリンタエンジン6の印刷タイミングに合わせて、印刷データをプリンタエンジン6に出力する。プリンタエンジン6は、タンデム方式のレーザービームプリンタであり、同時に複数色の印刷データの転送を必要とする。
【0012】
次に、画像出力部5の内部構成を説明する。100〜103は色毎のDMAコントローラであり、画像メモリ4から画像出力部5へ、それぞれ各色の印刷データの転送を行う。104から107は色毎のデコーダであり、それぞれ色毎のDMAコントローラ100〜103によって転送される印刷データの伸張処理を行う。108〜111は色毎のFIFO(ファーストイン・ファーストアウト)メモリであり、それぞれ色毎のデコーダ108〜111から出力される印刷データを一旦記憶し、後記エンジンi/f114に所定のタイミングで印刷データを出力する。FIFO108〜111は、DMAコントローラ100〜103によるデータ転送と、プリンタエンジンへのデータ転送との速度調整を行う。112はDMAアクセス制御部であり、色毎のDMAコントローラ100〜103のシステムバスへのアクセスを調停する。113はエンジンi/fであり、プリンタエンジン6との間で、コマンド/レスポンスの通信処理を行うとともに、印刷時にプリンタエンジン6からの水平同期信号/垂直同期信号に同期して、色毎にFIFO108〜111から印刷データを読み出し、プリンタエンジン6に出力する。
【0013】
本発明の特徴はDMAコントローラ100〜103、およびDMAアクセス制御部112によるシステムバスへのアクセス制御方法にあり、詳しくはプリンタエンジン6の発生する同期信号より検知される各色毎のデータ転送開始タイミングに基づき、DMAコントローラ100〜103の転送優先順位、又は転送比率を動的に設定することにある。
【0014】
<動作説明>
上記構成において、CPU1の動作を図5に示すフローチャートに従って説明する。CPU1はホストコンピュータから送られたデータを外部i/f3を介して受信し(ステップS501)、プリンタエンジン6に出力可能な印刷データを生成する(ステップS502)。更に、生成した印刷データに対して圧縮処理を行い、一旦画像メモリ4に蓄積する(ステップS503)。所定の総量(ページ、または所定サイズのブロック)の印刷データが生成されると、CPU1は、エンジンi/f回路を介して、プリンタエンジン6に印刷開始の指示をコマンドとして発行する(ステップS504)。印刷開始の指示を受けたプリンタエンジン6は、印刷動作を開始すると、印刷データの転送タイミングを示す垂直/水平同期信号を出力する。エンジンi/f回路113は、プリンタエンジン6から同期信号を受信するとデータ転送開始要求をCPU1に通知し(ステップS505)、CPU1は印刷データ転送に関わる各種処理を行なう(ステップS506)。各色のデータ開始タイミングはプリンタエンジン6が発生する同期信号からの経過時間で規定されており、印刷用紙の搬送速度と各感光ドラムまでの到達距離から算出される。当該データ開始タイミングに係る所定時間の経過はエンジンi/f回路113に内蔵したカウンタ回路を用いて検知されるものであり、データ開始タイミングが検出された場合にはこれをCPU1に通知し、引き続きステップS508〜510を実行する(ステップS507)。各色毎のデータ開始タイミングが検出された場合は、データ開始タイミングが検出された色のデータ転送に対するシステムバスのアクセス優先レベルを“HIGH”に設定する(ステップS508)。ここで優先レベルの設定について説明を加えると、優先レベルには“HIGH”と“LOW”の2つのレベルが設定可能であり、同時に転送要求が発生した場合は“HIGH”に設定された要求が優先して転送を許可される。
【0015】
さらに所定時間を測定するためのタイマをセットした後(ステップS509)、DMA転送の開始を指示する(ステップS510)。ここでタイマにセットされる所定値とは、FIFO108〜111がエンプティ状態からある程度データが蓄積されるまでの時間を検出するものであり、前述したデータ転送開始時のバス競合に起因する印刷処理の異常が発生する可能性がある期間に相当する。各色毎にDMA転送の開始が指示されると画像メモリ4に蓄積された印刷データ(圧縮データ)を、それぞれ色毎のデコーダ104〜107に転送する。デコーダ104〜107は、圧縮された印刷データに対して伸張処理を行い、それぞれ色毎のFIFO108〜111に印刷データを蓄積する。FIFO108〜111に蓄積された印刷データは、プリンタエンジン6の動作タイミングに合わせて、エンジンi/f回路113によって順次読み出され、不図示のパラレルシリアル変換で、シリアル信号に変換されてプリンタエンジン6に転送される。
【0016】
さらに、ステップS511ではステップS509で設定された所定時間の経過を判定し、所定時間が経過した場合にはステップS508で設定されたシステムバスのアクセス優先レベルを”LOW”に設定変更し処理を続行する(ステップS512)。各色の全データの転送が完了するまでステップS507〜S512の処理が繰り返し実行される。
【0017】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、並行処理に伴うCPUバス上の競合制御において、各色毎にデータ開始時より所定の期間の転送を優先させることにより、データ転送の遅延に起因する異常印刷の発生を抑制するという効果を奏する。
【0018】
(その他実施例)
上記の説明では、システムバスへのアクセス調停制御方法におけるDMAコントローラの転送優先順位を動的に設定する方法について説明したが、これとは別に転送比率を動的に設定する方法によっても同様の効果を得ることが可能である。この方法ではDMAアクセス制御部112は、DMAコントローラ100〜103からのバス要求に対して、ラウンドロビン方式により均等にシステムバスへのアクセスを行わせる。しかして、上述の色毎のデータ転送開始時より所定の期間における各DMAコントローラからの1回のバス要求に対して、転送が許可されるデータ量(バースト長)を動的に設定する。例えば、上記色毎のデータ転送開始時より所定の期間においてのみ通常のn倍のデータを1回の要求に対して許可することにより、CPUバス上の実転送帯域を該色データの転送に優先的に割り当てることが可能である。
【0019】
なお、上記転送優先順位を動的に設定する方法、および転送比率を動的に設定する方法についてはどちらか一方、または両方の組み合わせにより実際のシステムに適合させて用いても良い。
【0020】
また、上記説明では、データ転送開始時のバス競合に起因する印刷処理の異常が発生する可能性がある期間を検出するためにタイマを利用した例を示したが、これを転送されたデータ量を計数して検出する方法に置き換えても同様の効果を得ることは説明するまでもない。
【0021】
また、上記説明では、図4で示した垂直同期信号に基づく転送開始タイミングについて説明したが、タンデム方式のカラープリンタの場合、各色に対するレーザービームのスキャン制御タイミングにより水平方向に対しても時間差を伴う場合がある。図6において、a1〜a4は第1〜4カラーの水平同期信号、b1〜b4は同期信号に基づく第1〜4カラーの印刷データの転送タイミングをそれぞれ示すものである。このような場合についても、より細かいレベルで同様の問題を発生させる可能性があるとともに、上記方法により問題の発生を抑制する効果が得られるものである。
【0022】
また、各色間のバスアクセス制御は各DMAのアクセス制御部で行なっても良いし、システムバスの調停制御部で一括して制御しても良い。
【0023】
また、実施例ではタンデム方式の電子写真プリンタのコントローラに本発明を適用する場合について説明したが、本発明はこれに限るわけではなく、印刷に際し、複数色の印刷データを同時に転送する必要があるプリンタエンジンに対して広く適応する事が可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上本発明によれば、画像同期信号に基づいて、色毎に印刷データの転送優先順位又は転送比率を制御することにより、並行処理に伴うCPUバス上の競合によるデータ転送の遅延に起因する異常印刷の発生を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による画像出力装置の構成を示すブロック図である。
【図2】従来の画像出力装置の構成を示すブロック図である。
【図3】一般的なプリンタの構成を説明する図である。
【図4】タンデムカラーレーザープリンタに供給する画像タイミング(垂直同期)の例を示すものである。
【図5】本発明の実施例による処理フローを説明する図である。
【図6】タンデムカラーレーザープリンタに供給する画像タイミング(水平同期)の例を示すものである。
【符号の説明】
1 CPU
100〜103 DMAC
2 ROM
104〜107 デコーダ
3 外部i/f
108〜111 バッファメモリ
4 ページメモリ
112 DMAアクセス制御部
5 画像出力部
113 エンジンi/f出部
6 プリンタエンジン
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラープリンタエンジンに画像データを供給するプリンタコントローラ等の画像出力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタエンジンの高解像度化による出力画像データ量の増加に伴い、コントローラ部のデータ処理負荷とメモリ消費量は著しく増大する傾向を強めている。そのため、コントローラ部のCPU負荷の軽減を目的にハードウェア処理可能な圧縮データを中間バッファメモリに蓄え、DMAコントローラを制御してこの圧縮データを出力データ生成ハードウェア(ラスタライザ)に転送する方法などが用いられるようになった。(特開平9−11548号公報)
画像印刷装置としてのページプリンタは、図3に示すように、ネットワーク、USBインターフェース等を介して、プリンタドライバを有するホストコンピュータに接続され、ホストコンピュータ等の機器が印刷元データから生成した中間出力データを出力に適した出力画像データに変換するコントローラ部と、コントローラ部から出力された出力画像データを取得し、紙等のメディアに画像出力するエンジン部とにより構成される。このコントローラ部に適した中間出力データは、一般にはプリンタドライバと呼ばれるソフトウェアで生成される。さらに、コントローラ部で中間出力データをエンジン部に適した出力画像データに変換し、エンジン部からの画像転送許可信号に同期してエンジン部にビデオ信号として出力する。エンジン部では電子写真プロセスを制御・駆動し、入力されたビデオ信号を紙等のメディア上に画像として再現する。
【0003】
電子写真プロセス方式のカラープリンタにおいては、特開平9−192542号公報に示されるようなタンデム方式と呼ばれる並列処理による高速印刷方式が提案され実用に供されている。タンデム方式では4色分の感光ドラムを一列に並べ、各色の印刷処理をオーバーラップさせることで印刷時間を短縮している。
【0004】
図4はタンデム方式の印刷データ出力タイミングを示しており、aはページ同期信号、bはページ同期信号に基づく印刷データ転送要求信号、c〜fは印刷データの転送タイミングを示すものである。図示したようにタンデム方式の電子写真プリンタでは、印刷用紙がドラム間隔を移動する時間に相当する出力タイミングの時間差が各色毎に与えられ、並行して処理されるデータ量は最大4倍に達する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図2は一般的なタンデム方式プリンタのコントローラ構成を示す図である。CPUバス27に接続するCPU部21、ROM22、外部i/f(インターフェース)部23、ページメモリ24、4チャネルのDMAC25、画像出力部26等で構成され、さらに画像出力部26はプリンタエンジン28に接続される。ホストコンピュータで生成された中間出力データは、外部i/f部23で受信し、CPU部21でハードウェア処理可能な圧縮データに変換された後、ページメモリ24に格納される。出力に必要な圧縮データの格納が完了するとCPU部21の指示により4チャンネルのDMAC25を起動し、格納された4色分の圧縮データをページメモリ24から画像出力部26に同時に転送する。画像出力部26は、圧縮データをエンジン部に適した出力画像データ形式に変換するデコーダ部261a〜dと、一時保持用バッファメモリ262a〜d、プリンタエンジン28と接続してビデオ信号として出力するエンジンi/f部263により構成される。タンデムエンジンの場合、上述したように最大4色分のデータ転送が並行して実行されるため、CPUバス27での競合により各色のデータ転送要求に対する待機時間が増加し、その結果としてデータ転送がプリンタエンジンの要求する速度に間に合わず、正常な印刷が行なわれないという問題が生じる。一時保持用バッファメモリ262a〜dは、このようなデータ転送量の変動の影響を緩和するよう機能するが、各色のデータ転送開始時、すなわち一時保持用バッファメモリ262a〜dがエンプティ状態からデータ転送が開始され、ある程度データが蓄積されるまではこのデータ転送量の変動に対する調整が十分に機能せず、上記の問題を発生させる可能性があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、並行処理に伴うCPUバス上の競合によるデータ転送の遅延に起因する異常印刷の発生を抑制する事を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記問題点を解決するために、イメージデータを印刷するプリンタエンジンに接続し、当該プリンタエンジンにカラーイメージデータを供給する画像出力装置おいて、印刷データを保持する記憶手段と、画像同期信号に従って印刷データをプリンタエンジンに供給するエンジンインターフェース手段と、保持する印刷データを色毎に並行してエンジンインターフェース手段に転送するための転送手段を有し、転送手段は、画像同期信号に基づいて、色毎に印刷データの転送優先順位又は転送比率が指定される事を特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明にかかる実施例を詳細に説明する。
【0009】
<装置構成の説明>
図1は、本発明の実施例におけるタンデム方式のカラーレーザービームプリンタのコントローラの構成を示すブロック図である。
【0010】
本実施例のシステムは、図1に示すようにシステムバスにCPU1、ROM2、外部i/f3、画像メモリ4、および画像出力部5を接続した構成となっている。
【0011】
CPU1は、装置全体の制御を行うとともに、外部i/f3より受信する印刷データからプリンタエンジン6に出力可能な印刷データの生成を行う。ROM2、は前記CPU1によって処理される処理手順(プログラム)、およびフォントデータなどを格納する。外部i/f3は、Ethernet(登録商標)等のLANインターフェースや、USBやIEEE1284、IEEE1394等のi/oインターフェースであり、上位装置(ホストコンピュータ)から印刷データを受信する。画像メモリ4は、前記CPU1が生成した1ページ分、或いは1バンド分の印刷データを一旦格納する。この際、メモリ容量を節約するために、前記CPU1によって印刷データの圧縮処理を行い、圧縮データ形式で格納する。画像出力部5は、色毎に前記画像メモリ4から印刷データの転送を行い、また当該印刷データの伸張処理を行うとともに、プリンタエンジン6の印刷タイミングに合わせて、印刷データをプリンタエンジン6に出力する。プリンタエンジン6は、タンデム方式のレーザービームプリンタであり、同時に複数色の印刷データの転送を必要とする。
【0012】
次に、画像出力部5の内部構成を説明する。100〜103は色毎のDMAコントローラであり、画像メモリ4から画像出力部5へ、それぞれ各色の印刷データの転送を行う。104から107は色毎のデコーダであり、それぞれ色毎のDMAコントローラ100〜103によって転送される印刷データの伸張処理を行う。108〜111は色毎のFIFO(ファーストイン・ファーストアウト)メモリであり、それぞれ色毎のデコーダ108〜111から出力される印刷データを一旦記憶し、後記エンジンi/f114に所定のタイミングで印刷データを出力する。FIFO108〜111は、DMAコントローラ100〜103によるデータ転送と、プリンタエンジンへのデータ転送との速度調整を行う。112はDMAアクセス制御部であり、色毎のDMAコントローラ100〜103のシステムバスへのアクセスを調停する。113はエンジンi/fであり、プリンタエンジン6との間で、コマンド/レスポンスの通信処理を行うとともに、印刷時にプリンタエンジン6からの水平同期信号/垂直同期信号に同期して、色毎にFIFO108〜111から印刷データを読み出し、プリンタエンジン6に出力する。
【0013】
本発明の特徴はDMAコントローラ100〜103、およびDMAアクセス制御部112によるシステムバスへのアクセス制御方法にあり、詳しくはプリンタエンジン6の発生する同期信号より検知される各色毎のデータ転送開始タイミングに基づき、DMAコントローラ100〜103の転送優先順位、又は転送比率を動的に設定することにある。
【0014】
<動作説明>
上記構成において、CPU1の動作を図5に示すフローチャートに従って説明する。CPU1はホストコンピュータから送られたデータを外部i/f3を介して受信し(ステップS501)、プリンタエンジン6に出力可能な印刷データを生成する(ステップS502)。更に、生成した印刷データに対して圧縮処理を行い、一旦画像メモリ4に蓄積する(ステップS503)。所定の総量(ページ、または所定サイズのブロック)の印刷データが生成されると、CPU1は、エンジンi/f回路を介して、プリンタエンジン6に印刷開始の指示をコマンドとして発行する(ステップS504)。印刷開始の指示を受けたプリンタエンジン6は、印刷動作を開始すると、印刷データの転送タイミングを示す垂直/水平同期信号を出力する。エンジンi/f回路113は、プリンタエンジン6から同期信号を受信するとデータ転送開始要求をCPU1に通知し(ステップS505)、CPU1は印刷データ転送に関わる各種処理を行なう(ステップS506)。各色のデータ開始タイミングはプリンタエンジン6が発生する同期信号からの経過時間で規定されており、印刷用紙の搬送速度と各感光ドラムまでの到達距離から算出される。当該データ開始タイミングに係る所定時間の経過はエンジンi/f回路113に内蔵したカウンタ回路を用いて検知されるものであり、データ開始タイミングが検出された場合にはこれをCPU1に通知し、引き続きステップS508〜510を実行する(ステップS507)。各色毎のデータ開始タイミングが検出された場合は、データ開始タイミングが検出された色のデータ転送に対するシステムバスのアクセス優先レベルを“HIGH”に設定する(ステップS508)。ここで優先レベルの設定について説明を加えると、優先レベルには“HIGH”と“LOW”の2つのレベルが設定可能であり、同時に転送要求が発生した場合は“HIGH”に設定された要求が優先して転送を許可される。
【0015】
さらに所定時間を測定するためのタイマをセットした後(ステップS509)、DMA転送の開始を指示する(ステップS510)。ここでタイマにセットされる所定値とは、FIFO108〜111がエンプティ状態からある程度データが蓄積されるまでの時間を検出するものであり、前述したデータ転送開始時のバス競合に起因する印刷処理の異常が発生する可能性がある期間に相当する。各色毎にDMA転送の開始が指示されると画像メモリ4に蓄積された印刷データ(圧縮データ)を、それぞれ色毎のデコーダ104〜107に転送する。デコーダ104〜107は、圧縮された印刷データに対して伸張処理を行い、それぞれ色毎のFIFO108〜111に印刷データを蓄積する。FIFO108〜111に蓄積された印刷データは、プリンタエンジン6の動作タイミングに合わせて、エンジンi/f回路113によって順次読み出され、不図示のパラレルシリアル変換で、シリアル信号に変換されてプリンタエンジン6に転送される。
【0016】
さらに、ステップS511ではステップS509で設定された所定時間の経過を判定し、所定時間が経過した場合にはステップS508で設定されたシステムバスのアクセス優先レベルを”LOW”に設定変更し処理を続行する(ステップS512)。各色の全データの転送が完了するまでステップS507〜S512の処理が繰り返し実行される。
【0017】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、並行処理に伴うCPUバス上の競合制御において、各色毎にデータ開始時より所定の期間の転送を優先させることにより、データ転送の遅延に起因する異常印刷の発生を抑制するという効果を奏する。
【0018】
(その他実施例)
上記の説明では、システムバスへのアクセス調停制御方法におけるDMAコントローラの転送優先順位を動的に設定する方法について説明したが、これとは別に転送比率を動的に設定する方法によっても同様の効果を得ることが可能である。この方法ではDMAアクセス制御部112は、DMAコントローラ100〜103からのバス要求に対して、ラウンドロビン方式により均等にシステムバスへのアクセスを行わせる。しかして、上述の色毎のデータ転送開始時より所定の期間における各DMAコントローラからの1回のバス要求に対して、転送が許可されるデータ量(バースト長)を動的に設定する。例えば、上記色毎のデータ転送開始時より所定の期間においてのみ通常のn倍のデータを1回の要求に対して許可することにより、CPUバス上の実転送帯域を該色データの転送に優先的に割り当てることが可能である。
【0019】
なお、上記転送優先順位を動的に設定する方法、および転送比率を動的に設定する方法についてはどちらか一方、または両方の組み合わせにより実際のシステムに適合させて用いても良い。
【0020】
また、上記説明では、データ転送開始時のバス競合に起因する印刷処理の異常が発生する可能性がある期間を検出するためにタイマを利用した例を示したが、これを転送されたデータ量を計数して検出する方法に置き換えても同様の効果を得ることは説明するまでもない。
【0021】
また、上記説明では、図4で示した垂直同期信号に基づく転送開始タイミングについて説明したが、タンデム方式のカラープリンタの場合、各色に対するレーザービームのスキャン制御タイミングにより水平方向に対しても時間差を伴う場合がある。図6において、a1〜a4は第1〜4カラーの水平同期信号、b1〜b4は同期信号に基づく第1〜4カラーの印刷データの転送タイミングをそれぞれ示すものである。このような場合についても、より細かいレベルで同様の問題を発生させる可能性があるとともに、上記方法により問題の発生を抑制する効果が得られるものである。
【0022】
また、各色間のバスアクセス制御は各DMAのアクセス制御部で行なっても良いし、システムバスの調停制御部で一括して制御しても良い。
【0023】
また、実施例ではタンデム方式の電子写真プリンタのコントローラに本発明を適用する場合について説明したが、本発明はこれに限るわけではなく、印刷に際し、複数色の印刷データを同時に転送する必要があるプリンタエンジンに対して広く適応する事が可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上本発明によれば、画像同期信号に基づいて、色毎に印刷データの転送優先順位又は転送比率を制御することにより、並行処理に伴うCPUバス上の競合によるデータ転送の遅延に起因する異常印刷の発生を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による画像出力装置の構成を示すブロック図である。
【図2】従来の画像出力装置の構成を示すブロック図である。
【図3】一般的なプリンタの構成を説明する図である。
【図4】タンデムカラーレーザープリンタに供給する画像タイミング(垂直同期)の例を示すものである。
【図5】本発明の実施例による処理フローを説明する図である。
【図6】タンデムカラーレーザープリンタに供給する画像タイミング(水平同期)の例を示すものである。
【符号の説明】
1 CPU
100〜103 DMAC
2 ROM
104〜107 デコーダ
3 外部i/f
108〜111 バッファメモリ
4 ページメモリ
112 DMAアクセス制御部
5 画像出力部
113 エンジンi/f出部
6 プリンタエンジン
Claims (2)
- イメージデータを印刷するプリンタエンジンに接続し、当該プリンタエンジンにカラーイメージデータを供給する画像出力装置おいて、
印刷データを保持する記憶手段と、
画像同期信号に従って印刷データをプリンタエンジンに供給するエンジンインターフェース手段と、
保持する印刷データを色毎に並行してエンジンインターフェース手段に転送するための転送手段を有し、
転送手段は、画像同期信号に基づいて、色毎に印刷データの転送優先順位又は転送比率が指定される事を特徴とする画像出力装置。 - 各色の転送開始タイミングの時間差に従って転送優先順位又は転送比率が指定される事を特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003145729A JP2004345259A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 画像出力装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003145729A JP2004345259A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 画像出力装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004345259A true JP2004345259A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33532788
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003145729A Withdrawn JP2004345259A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 画像出力装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004345259A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009269311A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-11-19 | Canon Inc | 画像形成装置、及び、画像データ転送方法 |
JP2013146938A (ja) * | 2012-01-20 | 2013-08-01 | Seiko Epson Corp | プリンター、プリンターの制御方法、プログラム、記録媒体 |
JP2014004694A (ja) * | 2012-06-21 | 2014-01-16 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置 |
-
2003
- 2003-05-23 JP JP2003145729A patent/JP2004345259A/ja not_active Withdrawn
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