JP2004345244A - 熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】熱収縮性を有し、耐熱性、印刷性及び溶剤シール性に優れ、リサイクルが容易な熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムを提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層を中心層とし、該中心層の両面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が50〜80℃の樹脂組成物からなる中間層が積層され、該中間層の外面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が90〜120℃の樹脂組成物からなる最外層が積層されてなる3種5層構成の積層フィルムであって、上記環状ポリオレフィン系樹脂が、例えば一般式[A]の環状オレフィン化合物及びエチレンからなる環状オレフィン系重合体であり、80℃で10秒間処理したときの熱収縮率が、20%以上である熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム。
(式中、R1 〜R12は水素原子及び炭素水素基から選ばれる基を示し、nは0又は正の整数である。)
【選択図】なし
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層を中心層とし、該中心層の両面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が50〜80℃の樹脂組成物からなる中間層が積層され、該中間層の外面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が90〜120℃の樹脂組成物からなる最外層が積層されてなる3種5層構成の積層フィルムであって、上記環状ポリオレフィン系樹脂が、例えば一般式[A]の環状オレフィン化合物及びエチレンからなる環状オレフィン系重合体であり、80℃で10秒間処理したときの熱収縮率が、20%以上である熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム。
(式中、R1 〜R12は水素原子及び炭素水素基から選ばれる基を示し、nは0又は正の整数である。)
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、円筒状とした場合に円周方向に熱収縮性を有し、耐熱性、印刷性及び溶剤シール性に優れ、例えば収縮包装、収縮結束包装、収縮ラベルなどの用途に好適に用いられ、かつ容易に分別リサイクルすることができる熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装分野においては、包装材料や収縮結束包装、プラスチック容器の収縮ラベル、ガラス容器の飛散防止包装、キャップシール等に熱収縮性フィルムが広く使用されている。この熱収縮性フィルムは、被包装体を一旦ラフに包み、次に例えば熱風トンネル等の方法で加熱処理を行うことによりフィルム自体に生じる収縮力を利用して収縮させ、被包装体に対してタイトな包装を行う収縮包装用のフィルムであり、特に食品業界などではあらゆる食品に使用されている。
このような熱収縮性フィルムとしては、ポリ塩化ビニル(以下、「PVC」 と略する。)系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン(以下、「PS」 と略する。)系樹脂、ポリオレフィン(以下、「PO」 と略する。)系樹脂からなるフィルムなどが広く使用され、この中でPVC系樹脂からなるフィルムが最も良く知られている。
PVC系樹脂からなる熱収縮性フィルムは、機械強度、剛性、光学特性及び熱収縮特性等の実用性に優れ、コストも低いという利点がある。しかし、PVC系樹脂は、廃棄後の燃焼時に塩素系ガス等の副生成物が発生するという環境上の問題があり、この観点から、PVC系樹脂以外の材料が要望されている。このような材料の一つとして、PS系樹脂が挙げられる。このPS系樹脂からなる延伸フィルムは、高い透明性や光沢性、剛性を有し、かつ優れた低温収縮特性を有することから、熱収縮性フィルムとして使用することができる。
【0003】
ところで、廃プラスチックをリサイクルする際に、材質の異なるプラスチックを分離する方法として、水に対する浮力差を利用した液比重分離法が用いられる。この方法を用いて、例えばPS系樹脂からなる熱収縮ラベルで被覆したポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」 と略する。)系樹脂製ボトルの粉砕品を分離しようとした場合、PET系樹脂の比重は、1.42でありPS系樹脂の比重は1.03〜1.06と水より若干重い。このため、PET系樹脂とPS系樹脂が共に水に沈むため、PET系樹脂を高精度で分離することが難しくなる。このため、比重が1.0未満の熱収縮ラベルが求められている。
比重が1.0未満の熱収縮ラベル用の材料としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のPO系樹脂による延伸フィルムが挙げられる。しかし、このPO系樹脂からなる延伸フィルムは、フィルムの剛性の不足、低温収縮性の不足、収縮時の収縮不足、自然収縮(常温よりやや高い温度、例えば夏場においてフィルムが本来の使用前に少し収縮してしまうこと)などの問題が生じることが多い。
【0004】
このようなPO系樹脂を用いた熱収縮性フィルムが有する問題を解決する方法として、例えば、環状オレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE」 と略する。)からなる中間層と、その両外層にLLDPEを積層した積層フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この積層フィルムは高い弾性率を有し、良好な高速包装適性を示す。しかしながら、上記の積層フィルムは、両外層がLLDPEであるとともに、中間層に50〜90質量%のLLDPEが含まれている。このため、この積層フィルムは、十分な剛性を発揮し難い場合が生じ易いと考えられ、またこの積層フィルムでは自然収縮が大きくなり易いと考えられる。
また、収縮包装や収縮結束包装、プラスチック容器の収縮ラベル、ガラス容器の破壊飛散防止包装、キャップシール等に広く使用される熱収縮性フィルムには、一般的に熱収縮性フィルムの表面又は裏面にグラビア印刷等により、装飾などのための印刷が行われ、この印刷されたインキの分だけ熱収縮性フィルムの比重が大きくなっている。通常、印刷に使用されるインキの密度は1.0〜1.61g/cm3 程度であり、インキ塗膜の厚みは通常1〜10μmであり、印刷後23℃における熱収縮性フィルムの比重を1未満とするためには、インキ塗膜分の比重を考慮に入れる必要がある。
また、近年、お茶やコーヒーなどのホット飲料向けのPET製ボトル(ペットボトル)が開発され、冬場になるとコンビニエンスストア等にてホット飲料用のウォーマーの中で保温される。このコンビニエンスストア等に設置されているホット飲料用ウォーマーは、55〜85℃の範囲で温度管理がされている場合が多く、ホット飲料向けのペットボトル用熱収縮ラベルにはある程度の耐熱性が必要である。これに加えて、ホット飲料用向けのペットボトル用熱収縮ラベルは、上記温度管理下でボトル同士の貼り付きや、ラベルが結晶化して曇るといった問題を生じないことが要望されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−267679号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、円筒状とした場合に円周方向に熱収縮性を有し、耐熱性、印刷性及び溶剤シール性に優れ、例えば収縮包装、収縮結束包装、収縮ラベルなどの用途に好適に用いられ、かつ容易に分別リサイクルすることができる熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記特性を有する熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムについて鋭意検討を行った結果、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層を中心層とし、この中心層の両面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とし、特定のガラス転移温度を有する樹脂組成物を、中間層及び最外層として積層した3種5層構造を有する積層フィルムにより、上記目的が達成されることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
1. ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層を中心層(A層)とし、該中心層の両面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が50〜80℃の樹脂組成物からなる中間層(B層)が積層され、該中間層の外面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が90〜120℃の樹脂組成物からなる最外層(C層)が積層されてなる3種5層構成の積層フィルムであって、上記中間層(B層)及び最外層(C層)における環状ポリオレフィン系樹脂が下記(1)〜(3)のうちのいずれかであり、かつ積層フィルムの比重が0.940以下であるとともに、80℃で10秒間処理したときの熱収縮率が、少なくとも1方向において20%以上であることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム、
(1)下記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物及びエチレンからなる環状オレフィン系重合体
(2)下記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物を開環重合してなる重合体及び/又はその水素添加物
(3)(1)と(2)の混合物
【0008】
【化2】
【0009】
(式中、R1 〜R12は水素原子及び炭素水素基から選ばれる基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R9 とR10又はR11とR12とは一体化して2価の炭化水素基を形成してもよい。R9 とR11若しくはR12又はR10とR11若しくはR12とは互いに環を形成してもよい。nは0又は正の整数であり、nが2以上である場合、R5 〜R8 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
2. 積層フィルムの各層の厚みの比が、A層/B層=3/1〜6/1であり、C層/B層=1/100〜1/10である上記1の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム、
3. 熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムの、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの80℃における貯蔵弾性率が10〜50MPaである上記1又は2の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム、及び
4. 上記1〜3のいずれかの積層フィルムの片面又は両面に印刷処理が施されてなり、かつ比重が1未満の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム、
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層を中心層(A層)とし、この中心層の両面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が50〜80℃の樹脂組成物からなる中間層(B層)が積層され、該中間層の外面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が90〜120℃の樹脂組成物からなる最外層(C層)が積層されてなる3種5層構成の積層フィルムである。本発明の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムは、上記3種5層構成の未延伸シートを延伸することにより得られる。
中心層(A層)を形成する樹脂組成物の主成分であるポリオレフィン系樹脂は、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの80℃における貯蔵弾性率が5〜50MPaであることが好ましく、10〜30MPaがより好ましい。80℃における貯蔵弾性率が50MPaを超えると、上記構成の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム(以下、単に「積層フィルム」と称することがある。)の未延伸シートを延伸する際の延伸応力が高くなるため、良好な低温収縮特性が得られない場合がある。また、80℃における貯蔵弾性率が5MPa未満であると、延伸過程において未延伸シートの弾性率が低下するため、この未延伸シートが自重で垂れ下がって延伸そのものが困難になったり、延伸ムラが生じる場合があり、結果として厚みが均一な延伸フィルム(積層フィルム)が得られない場合がある。
また、中心層(A層)を形成する、上記ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物(ポリオレフィン系樹脂組成物)の、示差走査熱量計(以下「DSC」 と略する。)により測定される融点は150℃以上が好ましい。この融点が150℃未満であると、例えば、上記構成の積層フィルムにより被覆されたペットボトルがホットウォーマーなどの加温機に保管される場合に、ホットウォーマー内の壁面や底面の金属面にフィルムが付着し、付着した部分のフィルムが溶けて穴が空くといった不具合が生じるおそれがある。
【0011】
さらに、JIS K7210に準拠して測定した上記ポリオレフィン系樹脂のメルトフローインデックス(以下、「MI」 と略する。)は0.1〜10.0g/10分が好ましく、0.5〜5.0g/10分がより好ましい。このMIが0.1g/10分未満の場合は、溶融押出時の押出負荷が大きくなる場合がある。また10.0g/10分を超えると、未延伸シートの延伸安定性が低下する場合がある。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン等の炭素数2〜20のα−オレフィンを1種又は2種以上含む共重合体、及びα−オレフィンと共重合可能なα−オレフィン以外の単量体(例えば酢酸ビニルやアクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体)を含む共重合体などが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。この中で、炭素数2〜8のα−オレフィンを1種又は2種以上含むα−オレフィン系共重合体が好適であり、プロピレンを主成分とするプロピレン−α−オレフィン共重合体がより好ましい。
中心層(A層)を形成するポリオレフィン系樹脂組成物には、積層フィルムの成形加工性や熱収縮フィルム(熱処理により収縮した積層フィルム)の物性を改良・調整する目的で、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の高分子化合物、あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、光安定剤などの添加剤及び改質剤などを添加することができる。
【0012】
本発明の積層フィルムにおいて、中間層(B層)及び最外層(C層)を形成する樹脂組成物は、下記(1)〜(3)うちのいずれかの環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物である。
(1)下記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物及びエチレンからなる環状オレフィン系重合体
(2)下記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物を開環重合してなる重合体及び/又はその水素添加物
(3)(1)と(2)の混合物
【0013】
【化3】
【0014】
(式中、R1 〜R12は水素原子及び炭素水素基から選ばれる基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R9 とR10又はR11とR12とは一体化して2価の炭化水素基を形成してもよい。R9 とR11若しくはR12又はR10とR11若しくはR12とは互いに環を形成してもよい。nは0又は正の整数であり、nが2以上である場合、R5 〜R8 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
上記環状オレフィン系重合体の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限は無く、上記一般式[A]で表される環状オレフィンとエチレンとのランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素添加物、及びこれらの(共)重合体のグラフト変性物などをが挙げられる。
上記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物の具体例としては、ビシクロヘプト−2−エン(2−ノルボルネン)及びその誘導体、例えばノルボルネン、6―メチルノルボルネン、6―エチルノルボルネン、6−n−ブチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、1―メチルノルボルネン、7―メチルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5―ベンジルノルボルネン、テトラシクロ−3−ドデセン及びその誘導体などが挙げられる。
テトラシクロ−3−ドデセンの誘導体としては、例えば8―メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8―エチルテトラシクロ−3−ドデセン、2,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセンなどが挙げられる。
【0015】
環状オレフィン系樹脂には、環状オレフィンの含有量により各種のガラス転移温度を有するものがあり、具体的には三井化学(株)製の商品名「アペル」 やTicona社製の商品名「Topas」 、日本ゼオン(株)製の商品名「ゼオノア」 などを例示することができる。なお、環状オレフィン系重合体は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61―271308号公報及び特開昭61−252407号公報などに記載されている公知の方法に準じて製造することができる。
さらに、本発明においては、環状オレフィン開環(共)重合体又は環状オレフィン開環(共)重合体の水素添加物を、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物などの変性剤で変性したグラフト共重合体も使用することができる。また、これらの混合物を使用することもできる。
【0016】
本発明において中間層(B層)を形成する、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物(環状ポリオレフィン系樹脂組成物)は、DSCにより測定されるガラス転移温度(Tg)が50〜80℃の範囲であることを要し、55〜75℃が好ましい。このTgが50℃未満では、延伸により得られる積層フィルムの自然収縮(常温よりやや高い温度、例えば夏場においてフィルムが使用前に少し収縮してしまうこと)が大きく、寸法安定性に欠けるフィルムとなり易い。また、Tgが80℃を超える場合、低温での未延伸シートの延伸が困難となり、その結果、良好な低温収縮特性を有する積層フィルムを得ることが難しくなる。
中間層(B層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物のTgを50〜80℃の範囲に調整するには、Tgが50〜80℃の範囲にある環状ポリオレフィン系樹脂を選定するのが一つの方法である。この場合、この環状ポリオレフィン系樹脂のみを中間層(B層)を形成する材料として用いてもよく、Tgが50〜80℃を外れない範囲で、この環状ポリオレフィン系樹脂に可塑剤及び石油樹脂等を添加してもよい。もう一つの方法は、Tgが80℃を超える環状オレフィン系樹脂に可塑剤及び石油樹脂等を添加することにより、環状オレフィン系樹脂組成物のTgを50〜80℃に調整する方法である。
ここで可塑剤とは、環状ポリオレフィン系樹脂に混合した際に外観上分離しない程度の相溶性、好ましくは透明ないし半透明で、ある程度の相溶性を有し、添加により環状ポリオレフィン系樹脂のTgを低下させる低分子化合物をいう。この低分子化合物としては、後述する本発明の他の条件も満たすものが適宜選ばれるが、下記(1)〜(8)に示される化合物から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0017】
(1) H5 C3(OH)3−n(OOCCH3)n (0<n≦3)
これは、グリセリンのモノアセテート、ジアセテ−ト又はトリアセテートであり、これらの混合物を用いることもできるが、nは3に近い方が好ましい。
(2)グリセリンアルキレート (アルキル基は炭素数2〜20、水酸基の残基があってもよい)。例えば、グリセリントリプロピオネート、グリセリントリブチレート。
(3)エチレングリコールアルキレート (アルキル基は炭素数1〜20、水酸基の残基があってもよい)。例えば、エチレングリコールジアセテート。
(4)エチレン繰り返し単位が5以下のポリエチレングリコールアルキレート (アルキル基は炭素数1〜20、水酸基の残基があってもよい)。例えば、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジアセテート。
(5)脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20)。例えば、ステアリン酸ブチル。
(6)脂肪族ジカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20、カルボキシル基の残基があってもよい)。例えば、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アゼレート。
(7)脂肪族トリカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20、カルボキシル基の残基があってもよい)。例えば、クエン酸トリメチルエステル。
(8)重量平均分子量2万以下の低分子量脂肪族ポリエステル。例えば、コハク酸とエチレングリコール/プロピレングリコール縮合体[大日本インキ(株)製の商品名「ポリサイザー」)。
(9)天然油脂及びそれらの誘導体。例えば、大豆油、エポキシ化大豆油、ひまし油、桐油、なたね油。
【0018】
また、可塑剤としては、高純度イソブチレンの重合体であって、分子鎖の末端に1個の不飽和二重結合を持つ炭化水素ポリマーである液状ポリイソブチレンや、少量のイソプレンを共重合させたものであって、イソプレン単位に起因する不飽和度は高分子量ブチルゴムより若干高い液状ブチルゴム、そしてイソブテンを主体とした、一部ノルマルブテンが反応した共重合体である液状ポリブテン、更に液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレンなども好適に使用することができる。なお、ここでいう低分子化合物とは、分子量が概略10,000以下、通常は5,000以下の範囲の分子量を持つ化合物をいう。また、液状である低分子量化合物は、2種以上の混合物として添加してもよい。
石油樹脂としては、脂環式石油樹脂及び芳香族石油樹脂が挙げられ、脂環式石油樹脂としては、シクロペンタジエン,メチルシクロペンタジエン,エチルシクロペンタジエン及びこれらの二量体並びに共二量体等が挙げられる。芳香族石油樹脂としては、スチレン,α−メチルスチレン,β一メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、インデン、メチルインデン及びエチルインデン等が挙げられる。
【0019】
本発明において、中間層(B層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物は、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの40℃における貯蔵弾性率が1〜5GPaの範囲にあることが好ましい。40℃における貯蔵弾性率が1GPa未満では、延伸により得られる積層フィルムの腰(剛性)が弱くなり、その結果、良好な包装適性を得ることが難しくなる場合がある。また、40℃における貯蔵弾性率が5GPaを超えると、得られる積層フィルムの腰は強くなるが、積層フィルムの耐衝撃性が小さくなり、この積層フィルムで被覆された容器が落下したときに積層フィルムが破断するといった問題が生じるおそれがある。
中間層(B層)の層厚みは、上述した作用効果を損なわないように設定すればよいが、作用効果をより発現させるためには、上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなる中心層(A層)と中間層(B層)の厚みの比(積層比)が、A層/B層=3/1〜6/1であることが好ましい。A層/B層が6/1を超えると、延伸により得られる積層フィルムの腰が弱くなる場合があり、良好な包装適性を得ることが難しくなるおそれがある。また、A層/B層が3/1未満であると、得られる積層フィルムの腰は強くなるが、積層フィルムの比重が0.940を超えるおそれがある。また、積層フィルムの耐衝撃性が小さくなり、この積層フィルムで被覆された容器が落下したときに積層フィルムが破断するといった問題が生じるおそれがある。
中間層(B層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物には、積層フィルムの成形加工性や熱収縮フィルムの物性を改良・調整する目的で、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の高分子化合物、あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、光安定剤などの添加剤及び改質剤などを添加することができる。
【0020】
本発明において、最外層(C層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物は、DSCにより測定されるガラス転移温度(Tg)が90〜120℃であることを要し、100〜110℃が好ましい。Tgが90℃未満の場合、ホット飲料用ウォーマーなどの加温機中に、上記積層フィルムで被覆したペットボトルを保管した場合に、ボトル同士が融着するおそれがある。また、Tgが120℃を超える場合、未延伸シートを低温で延伸すると、積層フィルムの破断等を起こす場合が多く、良好な低温収縮特性を有する積層フィルムを得ることが困難となるおそれがある。
最外層(C層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物のTgを90〜120℃の範囲に調整するには、Tgが90〜120℃の範囲にある環状ポリオレフィン系樹脂を選定するのが一つの方法である。この場合、この環状ポリオレフィン系樹脂のみを最外層(C層)を形成する材料として用いてもよく、Tgが90〜120℃を外れない範囲で、この環状ポリオレフィン系樹脂に可塑剤及び石油樹脂等を添加してもよい。もう一つの方法は、Tgが120℃を超える環状オレフィン系樹脂に可塑剤及び石油樹脂等を添加することにより、環状オレフィン系樹脂組成物のTgを90〜120℃に調整する方法である。可塑剤及び石油樹脂としては、中間層(B層)の説明において例示したものと同様のものを用いることができる。
【0021】
また、本発明において、最外層(C層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂は、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの40℃における貯蔵弾性率が1〜5GPaの範囲にあることが好ましい。40℃における貯蔵弾性率が1GPa未満では、得られる積層フィルムの腰が弱くなり、その結果、良好な包装適性を得ることが難しくなる場合がある。また、40℃における貯蔵弾性率が5GPaを超えると、得られる積層フィルムの腰は強くなるが、積層フィルムの耐衝撃性が小さくなり、この積層フィルムで被覆された容器が落下したときに積層フィルムが破断するといった問題が生じるおそれがある。
最外層(C層)の層厚みは、上述した作用効果を損なわないように設定すればよいが、作用効果をより発現させるためには、中間層(B層)と最外層(C層)の厚み比は、C層/B層=1/100〜1/10であることが好ましい。C層/B層が1/10を超えると、未延伸シートを低温で延伸するとフィルム破断等を起こす場合が多く、良好な低温収縮特性を有する積層フィルムを得ることが困難となるおそれがある。また、C層/B層が1/100未満であると、未延伸シートを延伸して積層フィルムを形成する際に、C層がB層の上に均一に展開しない場合がある。
最外層(C層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物には、積層フィルムの成形加工性や熱収縮フィルムの物性を改良・調整する目的で、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の高分子化合物、あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、光安定剤などの添加剤及び改質剤などを添加することができる。
【0022】
中間層(B層)及び最外層(C層)を形成する樹脂組成物の主成分として環状ポリオレフィン系樹脂を用いることが重要であるのは、次の理由による。すなわち、環状ポリオレフィン系樹脂は脂肪族環状エーテルなどの有機溶剤で溶けるため、溶剤で均一に、しかも生産的に迅速にシールを行うことが可能であること、A層とB層との間及びB層とC層との間の層間の密着性が向上するため、透明性に優れる積層フィルムが得られることなどが挙げられる。
本発明の積層フィルムは、各種物品の収縮被覆などに使用することができるが、被覆対象物の被覆を容易にするために、積層フィルムの表裏面の動摩擦係数が0.2〜0.6であることが好ましい。動摩擦係数が0.2未満の場合には、延伸により得られた積層フィルムを巻き取る際にフィルム同士が滑り巻きずれを生じるおそれがある。また、動摩擦係数が0.6を超える場合には、積層フィルムを熱収縮させた際に、シワやアバタが生じるおそれがある。動摩擦係数を0.6以下とする方法としては、最外層(C層)を形成する樹脂組成物に添加する上記低分子化合物(可塑剤)を適切に選定するとともに、最外層(C層)を形成する樹脂組成物に滑剤を添加したり、積層フィルムの表裏面に静電防止剤を塗布などを行うことが好ましい。
有機系の滑剤としては、パラフィン、マイクロワックス及び低分子量ポリエチレンなどの炭化水素系滑剤;高級脂肪酸;オキシ脂肪酸などの脂肪族系滑剤、脂肪族アミド、アルキレンビス脂肪族アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤;脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪族多価アルコールエステルなどのエステル系滑剤;脂肪酸アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセルロースなどのアルコール系滑剤;金属石鹸等などが挙げられる。
また、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、フッ化リチウムなどの不活性微粒子である無機粒子系滑剤を含有させてもよい。滑剤の添加量は、動摩擦係数の低下度合いにより決定される。
【0023】
本発明の積層フィルムは、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの80℃における貯蔵弾性率が10〜50MPaの範囲であることが好ましく、20〜40MPaがより好ましい。80℃における貯蔵弾性率が50MPa以上を超えると、未延伸シートを延伸する過程において、未延伸シートの弾性率が高くなりすぎて延伸性が低下し、得られる積層フィルムの破断を引き起こしたり、積層フィルムにおいて所望の収縮特性が発現しない場合が多い。また、80℃における貯蔵弾性率が10MPa未満であると、所望の収縮特性が発現しなかったり、延伸過程において未延伸シートの弾性率が低下するため、この未延伸シートが自重で垂れ下がって延伸そのものが困難になる場合がある。
【0024】
本発明の積層フィルムの製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば、二軸押出機によって、各層を形成する樹脂組成物を溶融し、これをダイ内で積層させて押し出す方法が挙げられる。押出方法としては、Tダイ法、チューブラー法等の任意の方法を採用できる。溶融押出され、積層された樹脂組成物からなる未延伸シートは、冷却ロール、空気、水等で冷却された後、熱風、温水、赤外線、マイクロウェーブ等の適当な方法で再加熱され、ロール法、テンター法、チューブラー法等により一軸方向又は二軸方向に延伸される。
延伸温度は、積層フィルムを構成する上記各樹脂組成物の軟化温度や上記積層フィルムに要求される用途によって適宜選定することができるが、60〜150℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。延伸温度が60℃未満では、延伸過程において未延伸シートの弾性率が高くなりすぎて延伸性が低下し、延伸により得られる積層フィルムの破断を引き起こしたり、厚みムラが生じるなど、延伸が不安定になり易い。延伸温度が150℃を超えると、所望の収縮特性が発現しなかったり、延伸過程において未延伸シートの弾性率が低下するため、この未延伸シートが自重で垂れ下がって延伸そのものが困難になる場合がある。
延伸倍率は1.1〜8倍が好ましく、1.5〜6倍がより好ましい。延伸倍率が1.1倍未満であると、適切な収縮特性が得られなかったり、厚みムラが生じる場合がある。延伸倍率が8倍を超えて延伸したフィルムは実用に適さない場合が多い。
一軸延伸とするか、二軸延伸とするかは目的の用途によって決定される。また、一軸延伸の場合、横方向(フィルムの流れ方向と垂直方向)に1.1〜8倍程度の延伸を付与し、縦方向(フィルムの流れ方向)に1.01〜1.8倍程度の弱延伸を付与しても良い。縦方向に弱延伸を付与すると、積層フィルムの機械的物性改良の点で効果的であることが多い。また、延伸した後の積層フィルムの分子配向が緩和しない時間に速やかに冷却するのも、収縮性を付与し、保持する上で重要である。
【0025】
延伸により得られた積層フィルムは、80℃で10秒間処理して熱収縮させたときの熱収縮率が、少なくとも1方向において20%以上であることを要する。熱収縮率が20%未満の場合は、熱収縮性フィルムとして実用的な機能が発揮されなくなる。
延伸により得られた積層フィルムの片面あるいは両面には、必要に応じてコロナ放電処理等の表面処理が施されても良く、また、この表面又は裏面にグラビア印刷法等の任意の方法で印刷することができる。積層フィルムの裏面(被覆対象物と接する面)に印刷が施される場合、熱収縮フィルムの透明性が重要となる。熱収縮フィルムの全ヘーズは10%以下が好ましく、7%以下がより好ましい。本発明により全ヘーズが7%以下の熱収縮フィルムの実現が可能となり、内面印刷が施された場合にも外観に優れるフィルムとなる。
また、印刷が施された状態での積層フィルムの水に対する比、すなわち比重は1未満が好ましく、0.90〜0.99がより好ましい。印刷に使用されるインキの密度は1.0〜1.61g/cm3 程度であり、インキ塗膜の厚みは1〜10μmである場合が多い。よって印刷が施された状態での積層フィルムの比重を1未満とするためには、印刷インキの塗布による比重増加分を考慮し、積層フィルムの比重を0.940以下とする必要がある。積層フィルムの比重が0.940を超えると、印刷された積層フィルムの23℃における比重が1を超える場合がある。積層フィルムの比重が0.940以下であると、熱収縮フィルム(熱収縮した積層フィルム)で被覆されたペットボトルにおいて、ペットボトルと熱収縮フィルムとが液比重分離により分離可能となり、PETと積層フィルムを構成する樹脂とを高精度に分離することが可能となる。
【0026】
本発明の積層フィルムは、例えば、ビンやペットボトル等の円筒状の被包装物を包装する場合、フラット状の積層フィルムが円筒状等に加工されて包装に供される。まず、ロールに巻き取られた広幅のフラットフィルムの一面に必要な画像を印刷し、これを必要な幅にカットしつつ印刷面が内側になるように折り畳んでセンターシールして円筒状とする場合が多い。センターシール方法としては、ヒートシールによる方法、接着剤による方法、インパスルスシーラーによる方法などが挙げられる。
しかしながら、ヒートシールによる方法では熱によってシール部分が収縮する場合があり、外観を損なうおそれがある。また、接着剤を用いる方法では、接着剤を安定して塗布することが難しいので加工速度を50〜70m/分に落として、しかも正常に塗布ができているかどうかを監視しなければならない場合がある。また、得られたセンターシール部の接着力が正常かどうかの確認は、接着剤の硬化がほぼ完全になってから行う必要があるので、センターシール後ある程度時間が経過した後でないとできないという問題がある。さらに接着剤には熱収縮性がないので、得られた積層フィルムを熱収縮させて容器を被覆した後のシール強度が低下する場合がある。また、インパルスシーラーでセンターシールする方法では加工速度が30〜50m/分と更に遅く、しかもシール部が波打ち状になり見栄えを損なうおそれがある。これらのことから、本発明の積層フィルムは、有機溶剤によってセンターシールするのが好ましい。
【0027】
用いる有機溶剤は、環状ポリオレフィン系樹脂が常温で容易に膨潤する良溶媒と、環状ポリオレフィン系樹脂が溶解は勿論のこと膨潤もしない貧溶媒との混合溶媒系が好ましい。これは、良溶媒と貧溶媒との混合比を自由に変えることにより、溶解性を自由に変えることができ、センターシール工程における走行速度に合わせた溶着に対して容易に対応できるなどの理由からである。
環状ポリオレフィン系樹脂が常温で容易に膨潤する良溶媒としては、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピランなどの脂肪族環状エーテル;ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン及びシクロオクタンなどの、C5〜C10程度の直鎖状又は環状の脂肪族炭化水素が挙げられる。一方、環状ポリオレフィン系樹脂が溶解は勿論膨潤もしない貧溶媒としては、ジメチルケトン及びジエチルケトンなどの脂肪族ケトン;酢酸メチル及び酢酸エチルなどの脂肪族アルコール;1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサンなどの環状エチレンジオキサイドなどが挙げられる。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で作製した熱収縮性積層フィルムの諸特性は、以下に示す方法に従って評価した。ここで、積層フィルムの引き取り(流れ)方向を「縦」方向、その直角方向を「横」方向と記載する。
【0029】
(1)粘弾性測定(貯蔵弾性率)
フィルムを縦4mm、横60mmに切り出し、粘弾性スペクトロメーター(アイティー計測株式会社製,DVA−200)を用い、振動周波数10Hz、ひずみ0.1%、昇温速度1℃/分、チャック間2.5cm、測定温度60〜120℃の条件で横方向について測定し、80℃における貯蔵弾性率を求めた。
(2)比重
フィルムを縦2mm、横7mmに切り出し、JIS K712に準拠して、浮沈法により測定した。
(3)熱収縮率
フィルムを、縦100mm、横100mmの大きさに切り取り、80℃の温水バスに10秒間浸漬し、収縮量を測定した。熱収縮率は、横方向について収縮前の原寸に対する収縮量の比(%)で表した。
(4)耐熱性
上記条件にて積層フィルムを収縮させた熱収縮フィルムを装着したペットボトルを横向きの状態で、60〜120℃の範囲で温度管理されている鉄板上に放置し、熱収縮フィルムに不具合が無いかどうかを確認した。熱収縮フィルムが溶解して穴が空いたり、鉄板と熱収縮フィルムとの接触面で融着が生じる等の実用上の問題が生じなかったものを○、若干鉄板と熱収縮フィルムとの間で貼り付きが見られたものを△、熱収縮フィルムが溶解して穴があいたり、鉄板と熱収縮フィルムとの接触面で融着が生じてしまったものを×とした。
【0030】
実施例1
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア750R)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0031】
実施例2
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(210℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会製:ゼオノア750R)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/20/80/20/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0032】
実施例3
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア750R)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/30/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0033】
実施例4
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)を中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社:ゼオノア750R)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。これをTMロング社製の二軸延伸装置を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0034】
実施例5
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン−エチレン共重合体(三井化学株式会社製:APL8008T)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0035】
実施例6
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン−エチレン共重合体(Tidona社製:Topas8007F−04)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は59℃であった。さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みが最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0036】
比較例1
密度0.890g/cm3 、MI4g/10分(230℃、21.18N)のエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体(モンテル株式会社製:Adsyl5C30F)80質量%と軟化点140℃の脂肪族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製:アルコンP−140)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア750R)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。この熱収縮積層フィルムは、比重が0.95となり、印刷インキを塗布すると比重が1.0を超えるおそれがある。また、80℃×10秒における熱収縮率は19%と低いものであった。
【0037】
比較例2
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア750R)70質量%とガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)30質量%との混合物100質量部に、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機と最外層を形成するための押出機に入れ、どちらの押出機においても180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は70℃であった。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
この熱収縮フィルムは、比重及び熱収縮率は問題ないが、耐熱性に劣るフィルムであった。
【0038】
比較例3
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/ cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社:ゼオノア750R)40質量%とガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社:ゼオノア1020R)60質量%との混合物100質量部に、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機と最外層を形成するための押出機に入れ、どちらの押出機においても180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は80℃であった。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
この熱収縮フィルムは、耐熱性が若干劣るフィルムであった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、円筒状とした場合に円周方向に熱収縮性を有し、耐熱性、印刷性及び溶剤シール性に優れ、例えば収縮包装、収縮結束包装、収縮ラベルなどの用途に好適に用いられ、かつ容易に分別リサイクルすることができる熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムを得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、円筒状とした場合に円周方向に熱収縮性を有し、耐熱性、印刷性及び溶剤シール性に優れ、例えば収縮包装、収縮結束包装、収縮ラベルなどの用途に好適に用いられ、かつ容易に分別リサイクルすることができる熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装分野においては、包装材料や収縮結束包装、プラスチック容器の収縮ラベル、ガラス容器の飛散防止包装、キャップシール等に熱収縮性フィルムが広く使用されている。この熱収縮性フィルムは、被包装体を一旦ラフに包み、次に例えば熱風トンネル等の方法で加熱処理を行うことによりフィルム自体に生じる収縮力を利用して収縮させ、被包装体に対してタイトな包装を行う収縮包装用のフィルムであり、特に食品業界などではあらゆる食品に使用されている。
このような熱収縮性フィルムとしては、ポリ塩化ビニル(以下、「PVC」 と略する。)系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン(以下、「PS」 と略する。)系樹脂、ポリオレフィン(以下、「PO」 と略する。)系樹脂からなるフィルムなどが広く使用され、この中でPVC系樹脂からなるフィルムが最も良く知られている。
PVC系樹脂からなる熱収縮性フィルムは、機械強度、剛性、光学特性及び熱収縮特性等の実用性に優れ、コストも低いという利点がある。しかし、PVC系樹脂は、廃棄後の燃焼時に塩素系ガス等の副生成物が発生するという環境上の問題があり、この観点から、PVC系樹脂以外の材料が要望されている。このような材料の一つとして、PS系樹脂が挙げられる。このPS系樹脂からなる延伸フィルムは、高い透明性や光沢性、剛性を有し、かつ優れた低温収縮特性を有することから、熱収縮性フィルムとして使用することができる。
【0003】
ところで、廃プラスチックをリサイクルする際に、材質の異なるプラスチックを分離する方法として、水に対する浮力差を利用した液比重分離法が用いられる。この方法を用いて、例えばPS系樹脂からなる熱収縮ラベルで被覆したポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」 と略する。)系樹脂製ボトルの粉砕品を分離しようとした場合、PET系樹脂の比重は、1.42でありPS系樹脂の比重は1.03〜1.06と水より若干重い。このため、PET系樹脂とPS系樹脂が共に水に沈むため、PET系樹脂を高精度で分離することが難しくなる。このため、比重が1.0未満の熱収縮ラベルが求められている。
比重が1.0未満の熱収縮ラベル用の材料としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のPO系樹脂による延伸フィルムが挙げられる。しかし、このPO系樹脂からなる延伸フィルムは、フィルムの剛性の不足、低温収縮性の不足、収縮時の収縮不足、自然収縮(常温よりやや高い温度、例えば夏場においてフィルムが本来の使用前に少し収縮してしまうこと)などの問題が生じることが多い。
【0004】
このようなPO系樹脂を用いた熱収縮性フィルムが有する問題を解決する方法として、例えば、環状オレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE」 と略する。)からなる中間層と、その両外層にLLDPEを積層した積層フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この積層フィルムは高い弾性率を有し、良好な高速包装適性を示す。しかしながら、上記の積層フィルムは、両外層がLLDPEであるとともに、中間層に50〜90質量%のLLDPEが含まれている。このため、この積層フィルムは、十分な剛性を発揮し難い場合が生じ易いと考えられ、またこの積層フィルムでは自然収縮が大きくなり易いと考えられる。
また、収縮包装や収縮結束包装、プラスチック容器の収縮ラベル、ガラス容器の破壊飛散防止包装、キャップシール等に広く使用される熱収縮性フィルムには、一般的に熱収縮性フィルムの表面又は裏面にグラビア印刷等により、装飾などのための印刷が行われ、この印刷されたインキの分だけ熱収縮性フィルムの比重が大きくなっている。通常、印刷に使用されるインキの密度は1.0〜1.61g/cm3 程度であり、インキ塗膜の厚みは通常1〜10μmであり、印刷後23℃における熱収縮性フィルムの比重を1未満とするためには、インキ塗膜分の比重を考慮に入れる必要がある。
また、近年、お茶やコーヒーなどのホット飲料向けのPET製ボトル(ペットボトル)が開発され、冬場になるとコンビニエンスストア等にてホット飲料用のウォーマーの中で保温される。このコンビニエンスストア等に設置されているホット飲料用ウォーマーは、55〜85℃の範囲で温度管理がされている場合が多く、ホット飲料向けのペットボトル用熱収縮ラベルにはある程度の耐熱性が必要である。これに加えて、ホット飲料用向けのペットボトル用熱収縮ラベルは、上記温度管理下でボトル同士の貼り付きや、ラベルが結晶化して曇るといった問題を生じないことが要望されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−267679号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、円筒状とした場合に円周方向に熱収縮性を有し、耐熱性、印刷性及び溶剤シール性に優れ、例えば収縮包装、収縮結束包装、収縮ラベルなどの用途に好適に用いられ、かつ容易に分別リサイクルすることができる熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記特性を有する熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムについて鋭意検討を行った結果、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層を中心層とし、この中心層の両面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とし、特定のガラス転移温度を有する樹脂組成物を、中間層及び最外層として積層した3種5層構造を有する積層フィルムにより、上記目的が達成されることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
1. ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層を中心層(A層)とし、該中心層の両面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が50〜80℃の樹脂組成物からなる中間層(B層)が積層され、該中間層の外面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が90〜120℃の樹脂組成物からなる最外層(C層)が積層されてなる3種5層構成の積層フィルムであって、上記中間層(B層)及び最外層(C層)における環状ポリオレフィン系樹脂が下記(1)〜(3)のうちのいずれかであり、かつ積層フィルムの比重が0.940以下であるとともに、80℃で10秒間処理したときの熱収縮率が、少なくとも1方向において20%以上であることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム、
(1)下記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物及びエチレンからなる環状オレフィン系重合体
(2)下記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物を開環重合してなる重合体及び/又はその水素添加物
(3)(1)と(2)の混合物
【0008】
【化2】
【0009】
(式中、R1 〜R12は水素原子及び炭素水素基から選ばれる基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R9 とR10又はR11とR12とは一体化して2価の炭化水素基を形成してもよい。R9 とR11若しくはR12又はR10とR11若しくはR12とは互いに環を形成してもよい。nは0又は正の整数であり、nが2以上である場合、R5 〜R8 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
2. 積層フィルムの各層の厚みの比が、A層/B層=3/1〜6/1であり、C層/B層=1/100〜1/10である上記1の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム、
3. 熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムの、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの80℃における貯蔵弾性率が10〜50MPaである上記1又は2の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム、及び
4. 上記1〜3のいずれかの積層フィルムの片面又は両面に印刷処理が施されてなり、かつ比重が1未満の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム、
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層を中心層(A層)とし、この中心層の両面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が50〜80℃の樹脂組成物からなる中間層(B層)が積層され、該中間層の外面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が90〜120℃の樹脂組成物からなる最外層(C層)が積層されてなる3種5層構成の積層フィルムである。本発明の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムは、上記3種5層構成の未延伸シートを延伸することにより得られる。
中心層(A層)を形成する樹脂組成物の主成分であるポリオレフィン系樹脂は、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの80℃における貯蔵弾性率が5〜50MPaであることが好ましく、10〜30MPaがより好ましい。80℃における貯蔵弾性率が50MPaを超えると、上記構成の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム(以下、単に「積層フィルム」と称することがある。)の未延伸シートを延伸する際の延伸応力が高くなるため、良好な低温収縮特性が得られない場合がある。また、80℃における貯蔵弾性率が5MPa未満であると、延伸過程において未延伸シートの弾性率が低下するため、この未延伸シートが自重で垂れ下がって延伸そのものが困難になったり、延伸ムラが生じる場合があり、結果として厚みが均一な延伸フィルム(積層フィルム)が得られない場合がある。
また、中心層(A層)を形成する、上記ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物(ポリオレフィン系樹脂組成物)の、示差走査熱量計(以下「DSC」 と略する。)により測定される融点は150℃以上が好ましい。この融点が150℃未満であると、例えば、上記構成の積層フィルムにより被覆されたペットボトルがホットウォーマーなどの加温機に保管される場合に、ホットウォーマー内の壁面や底面の金属面にフィルムが付着し、付着した部分のフィルムが溶けて穴が空くといった不具合が生じるおそれがある。
【0011】
さらに、JIS K7210に準拠して測定した上記ポリオレフィン系樹脂のメルトフローインデックス(以下、「MI」 と略する。)は0.1〜10.0g/10分が好ましく、0.5〜5.0g/10分がより好ましい。このMIが0.1g/10分未満の場合は、溶融押出時の押出負荷が大きくなる場合がある。また10.0g/10分を超えると、未延伸シートの延伸安定性が低下する場合がある。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン等の炭素数2〜20のα−オレフィンを1種又は2種以上含む共重合体、及びα−オレフィンと共重合可能なα−オレフィン以外の単量体(例えば酢酸ビニルやアクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体)を含む共重合体などが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。この中で、炭素数2〜8のα−オレフィンを1種又は2種以上含むα−オレフィン系共重合体が好適であり、プロピレンを主成分とするプロピレン−α−オレフィン共重合体がより好ましい。
中心層(A層)を形成するポリオレフィン系樹脂組成物には、積層フィルムの成形加工性や熱収縮フィルム(熱処理により収縮した積層フィルム)の物性を改良・調整する目的で、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の高分子化合物、あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、光安定剤などの添加剤及び改質剤などを添加することができる。
【0012】
本発明の積層フィルムにおいて、中間層(B層)及び最外層(C層)を形成する樹脂組成物は、下記(1)〜(3)うちのいずれかの環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物である。
(1)下記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物及びエチレンからなる環状オレフィン系重合体
(2)下記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物を開環重合してなる重合体及び/又はその水素添加物
(3)(1)と(2)の混合物
【0013】
【化3】
【0014】
(式中、R1 〜R12は水素原子及び炭素水素基から選ばれる基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R9 とR10又はR11とR12とは一体化して2価の炭化水素基を形成してもよい。R9 とR11若しくはR12又はR10とR11若しくはR12とは互いに環を形成してもよい。nは0又は正の整数であり、nが2以上である場合、R5 〜R8 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
上記環状オレフィン系重合体の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限は無く、上記一般式[A]で表される環状オレフィンとエチレンとのランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素添加物、及びこれらの(共)重合体のグラフト変性物などをが挙げられる。
上記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物の具体例としては、ビシクロヘプト−2−エン(2−ノルボルネン)及びその誘導体、例えばノルボルネン、6―メチルノルボルネン、6―エチルノルボルネン、6−n−ブチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、1―メチルノルボルネン、7―メチルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5―ベンジルノルボルネン、テトラシクロ−3−ドデセン及びその誘導体などが挙げられる。
テトラシクロ−3−ドデセンの誘導体としては、例えば8―メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8―エチルテトラシクロ−3−ドデセン、2,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセンなどが挙げられる。
【0015】
環状オレフィン系樹脂には、環状オレフィンの含有量により各種のガラス転移温度を有するものがあり、具体的には三井化学(株)製の商品名「アペル」 やTicona社製の商品名「Topas」 、日本ゼオン(株)製の商品名「ゼオノア」 などを例示することができる。なお、環状オレフィン系重合体は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61―271308号公報及び特開昭61−252407号公報などに記載されている公知の方法に準じて製造することができる。
さらに、本発明においては、環状オレフィン開環(共)重合体又は環状オレフィン開環(共)重合体の水素添加物を、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物などの変性剤で変性したグラフト共重合体も使用することができる。また、これらの混合物を使用することもできる。
【0016】
本発明において中間層(B層)を形成する、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物(環状ポリオレフィン系樹脂組成物)は、DSCにより測定されるガラス転移温度(Tg)が50〜80℃の範囲であることを要し、55〜75℃が好ましい。このTgが50℃未満では、延伸により得られる積層フィルムの自然収縮(常温よりやや高い温度、例えば夏場においてフィルムが使用前に少し収縮してしまうこと)が大きく、寸法安定性に欠けるフィルムとなり易い。また、Tgが80℃を超える場合、低温での未延伸シートの延伸が困難となり、その結果、良好な低温収縮特性を有する積層フィルムを得ることが難しくなる。
中間層(B層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物のTgを50〜80℃の範囲に調整するには、Tgが50〜80℃の範囲にある環状ポリオレフィン系樹脂を選定するのが一つの方法である。この場合、この環状ポリオレフィン系樹脂のみを中間層(B層)を形成する材料として用いてもよく、Tgが50〜80℃を外れない範囲で、この環状ポリオレフィン系樹脂に可塑剤及び石油樹脂等を添加してもよい。もう一つの方法は、Tgが80℃を超える環状オレフィン系樹脂に可塑剤及び石油樹脂等を添加することにより、環状オレフィン系樹脂組成物のTgを50〜80℃に調整する方法である。
ここで可塑剤とは、環状ポリオレフィン系樹脂に混合した際に外観上分離しない程度の相溶性、好ましくは透明ないし半透明で、ある程度の相溶性を有し、添加により環状ポリオレフィン系樹脂のTgを低下させる低分子化合物をいう。この低分子化合物としては、後述する本発明の他の条件も満たすものが適宜選ばれるが、下記(1)〜(8)に示される化合物から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0017】
(1) H5 C3(OH)3−n(OOCCH3)n (0<n≦3)
これは、グリセリンのモノアセテート、ジアセテ−ト又はトリアセテートであり、これらの混合物を用いることもできるが、nは3に近い方が好ましい。
(2)グリセリンアルキレート (アルキル基は炭素数2〜20、水酸基の残基があってもよい)。例えば、グリセリントリプロピオネート、グリセリントリブチレート。
(3)エチレングリコールアルキレート (アルキル基は炭素数1〜20、水酸基の残基があってもよい)。例えば、エチレングリコールジアセテート。
(4)エチレン繰り返し単位が5以下のポリエチレングリコールアルキレート (アルキル基は炭素数1〜20、水酸基の残基があってもよい)。例えば、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジアセテート。
(5)脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20)。例えば、ステアリン酸ブチル。
(6)脂肪族ジカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20、カルボキシル基の残基があってもよい)。例えば、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アゼレート。
(7)脂肪族トリカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20、カルボキシル基の残基があってもよい)。例えば、クエン酸トリメチルエステル。
(8)重量平均分子量2万以下の低分子量脂肪族ポリエステル。例えば、コハク酸とエチレングリコール/プロピレングリコール縮合体[大日本インキ(株)製の商品名「ポリサイザー」)。
(9)天然油脂及びそれらの誘導体。例えば、大豆油、エポキシ化大豆油、ひまし油、桐油、なたね油。
【0018】
また、可塑剤としては、高純度イソブチレンの重合体であって、分子鎖の末端に1個の不飽和二重結合を持つ炭化水素ポリマーである液状ポリイソブチレンや、少量のイソプレンを共重合させたものであって、イソプレン単位に起因する不飽和度は高分子量ブチルゴムより若干高い液状ブチルゴム、そしてイソブテンを主体とした、一部ノルマルブテンが反応した共重合体である液状ポリブテン、更に液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレンなども好適に使用することができる。なお、ここでいう低分子化合物とは、分子量が概略10,000以下、通常は5,000以下の範囲の分子量を持つ化合物をいう。また、液状である低分子量化合物は、2種以上の混合物として添加してもよい。
石油樹脂としては、脂環式石油樹脂及び芳香族石油樹脂が挙げられ、脂環式石油樹脂としては、シクロペンタジエン,メチルシクロペンタジエン,エチルシクロペンタジエン及びこれらの二量体並びに共二量体等が挙げられる。芳香族石油樹脂としては、スチレン,α−メチルスチレン,β一メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、インデン、メチルインデン及びエチルインデン等が挙げられる。
【0019】
本発明において、中間層(B層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物は、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの40℃における貯蔵弾性率が1〜5GPaの範囲にあることが好ましい。40℃における貯蔵弾性率が1GPa未満では、延伸により得られる積層フィルムの腰(剛性)が弱くなり、その結果、良好な包装適性を得ることが難しくなる場合がある。また、40℃における貯蔵弾性率が5GPaを超えると、得られる積層フィルムの腰は強くなるが、積層フィルムの耐衝撃性が小さくなり、この積層フィルムで被覆された容器が落下したときに積層フィルムが破断するといった問題が生じるおそれがある。
中間層(B層)の層厚みは、上述した作用効果を損なわないように設定すればよいが、作用効果をより発現させるためには、上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなる中心層(A層)と中間層(B層)の厚みの比(積層比)が、A層/B層=3/1〜6/1であることが好ましい。A層/B層が6/1を超えると、延伸により得られる積層フィルムの腰が弱くなる場合があり、良好な包装適性を得ることが難しくなるおそれがある。また、A層/B層が3/1未満であると、得られる積層フィルムの腰は強くなるが、積層フィルムの比重が0.940を超えるおそれがある。また、積層フィルムの耐衝撃性が小さくなり、この積層フィルムで被覆された容器が落下したときに積層フィルムが破断するといった問題が生じるおそれがある。
中間層(B層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物には、積層フィルムの成形加工性や熱収縮フィルムの物性を改良・調整する目的で、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の高分子化合物、あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、光安定剤などの添加剤及び改質剤などを添加することができる。
【0020】
本発明において、最外層(C層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物は、DSCにより測定されるガラス転移温度(Tg)が90〜120℃であることを要し、100〜110℃が好ましい。Tgが90℃未満の場合、ホット飲料用ウォーマーなどの加温機中に、上記積層フィルムで被覆したペットボトルを保管した場合に、ボトル同士が融着するおそれがある。また、Tgが120℃を超える場合、未延伸シートを低温で延伸すると、積層フィルムの破断等を起こす場合が多く、良好な低温収縮特性を有する積層フィルムを得ることが困難となるおそれがある。
最外層(C層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物のTgを90〜120℃の範囲に調整するには、Tgが90〜120℃の範囲にある環状ポリオレフィン系樹脂を選定するのが一つの方法である。この場合、この環状ポリオレフィン系樹脂のみを最外層(C層)を形成する材料として用いてもよく、Tgが90〜120℃を外れない範囲で、この環状ポリオレフィン系樹脂に可塑剤及び石油樹脂等を添加してもよい。もう一つの方法は、Tgが120℃を超える環状オレフィン系樹脂に可塑剤及び石油樹脂等を添加することにより、環状オレフィン系樹脂組成物のTgを90〜120℃に調整する方法である。可塑剤及び石油樹脂としては、中間層(B層)の説明において例示したものと同様のものを用いることができる。
【0021】
また、本発明において、最外層(C層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂は、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの40℃における貯蔵弾性率が1〜5GPaの範囲にあることが好ましい。40℃における貯蔵弾性率が1GPa未満では、得られる積層フィルムの腰が弱くなり、その結果、良好な包装適性を得ることが難しくなる場合がある。また、40℃における貯蔵弾性率が5GPaを超えると、得られる積層フィルムの腰は強くなるが、積層フィルムの耐衝撃性が小さくなり、この積層フィルムで被覆された容器が落下したときに積層フィルムが破断するといった問題が生じるおそれがある。
最外層(C層)の層厚みは、上述した作用効果を損なわないように設定すればよいが、作用効果をより発現させるためには、中間層(B層)と最外層(C層)の厚み比は、C層/B層=1/100〜1/10であることが好ましい。C層/B層が1/10を超えると、未延伸シートを低温で延伸するとフィルム破断等を起こす場合が多く、良好な低温収縮特性を有する積層フィルムを得ることが困難となるおそれがある。また、C層/B層が1/100未満であると、未延伸シートを延伸して積層フィルムを形成する際に、C層がB層の上に均一に展開しない場合がある。
最外層(C層)を形成する環状ポリオレフィン系樹脂組成物には、積層フィルムの成形加工性や熱収縮フィルムの物性を改良・調整する目的で、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の高分子化合物、あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、光安定剤などの添加剤及び改質剤などを添加することができる。
【0022】
中間層(B層)及び最外層(C層)を形成する樹脂組成物の主成分として環状ポリオレフィン系樹脂を用いることが重要であるのは、次の理由による。すなわち、環状ポリオレフィン系樹脂は脂肪族環状エーテルなどの有機溶剤で溶けるため、溶剤で均一に、しかも生産的に迅速にシールを行うことが可能であること、A層とB層との間及びB層とC層との間の層間の密着性が向上するため、透明性に優れる積層フィルムが得られることなどが挙げられる。
本発明の積層フィルムは、各種物品の収縮被覆などに使用することができるが、被覆対象物の被覆を容易にするために、積層フィルムの表裏面の動摩擦係数が0.2〜0.6であることが好ましい。動摩擦係数が0.2未満の場合には、延伸により得られた積層フィルムを巻き取る際にフィルム同士が滑り巻きずれを生じるおそれがある。また、動摩擦係数が0.6を超える場合には、積層フィルムを熱収縮させた際に、シワやアバタが生じるおそれがある。動摩擦係数を0.6以下とする方法としては、最外層(C層)を形成する樹脂組成物に添加する上記低分子化合物(可塑剤)を適切に選定するとともに、最外層(C層)を形成する樹脂組成物に滑剤を添加したり、積層フィルムの表裏面に静電防止剤を塗布などを行うことが好ましい。
有機系の滑剤としては、パラフィン、マイクロワックス及び低分子量ポリエチレンなどの炭化水素系滑剤;高級脂肪酸;オキシ脂肪酸などの脂肪族系滑剤、脂肪族アミド、アルキレンビス脂肪族アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤;脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪族多価アルコールエステルなどのエステル系滑剤;脂肪酸アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセルロースなどのアルコール系滑剤;金属石鹸等などが挙げられる。
また、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、フッ化リチウムなどの不活性微粒子である無機粒子系滑剤を含有させてもよい。滑剤の添加量は、動摩擦係数の低下度合いにより決定される。
【0023】
本発明の積層フィルムは、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの80℃における貯蔵弾性率が10〜50MPaの範囲であることが好ましく、20〜40MPaがより好ましい。80℃における貯蔵弾性率が50MPa以上を超えると、未延伸シートを延伸する過程において、未延伸シートの弾性率が高くなりすぎて延伸性が低下し、得られる積層フィルムの破断を引き起こしたり、積層フィルムにおいて所望の収縮特性が発現しない場合が多い。また、80℃における貯蔵弾性率が10MPa未満であると、所望の収縮特性が発現しなかったり、延伸過程において未延伸シートの弾性率が低下するため、この未延伸シートが自重で垂れ下がって延伸そのものが困難になる場合がある。
【0024】
本発明の積層フィルムの製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば、二軸押出機によって、各層を形成する樹脂組成物を溶融し、これをダイ内で積層させて押し出す方法が挙げられる。押出方法としては、Tダイ法、チューブラー法等の任意の方法を採用できる。溶融押出され、積層された樹脂組成物からなる未延伸シートは、冷却ロール、空気、水等で冷却された後、熱風、温水、赤外線、マイクロウェーブ等の適当な方法で再加熱され、ロール法、テンター法、チューブラー法等により一軸方向又は二軸方向に延伸される。
延伸温度は、積層フィルムを構成する上記各樹脂組成物の軟化温度や上記積層フィルムに要求される用途によって適宜選定することができるが、60〜150℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。延伸温度が60℃未満では、延伸過程において未延伸シートの弾性率が高くなりすぎて延伸性が低下し、延伸により得られる積層フィルムの破断を引き起こしたり、厚みムラが生じるなど、延伸が不安定になり易い。延伸温度が150℃を超えると、所望の収縮特性が発現しなかったり、延伸過程において未延伸シートの弾性率が低下するため、この未延伸シートが自重で垂れ下がって延伸そのものが困難になる場合がある。
延伸倍率は1.1〜8倍が好ましく、1.5〜6倍がより好ましい。延伸倍率が1.1倍未満であると、適切な収縮特性が得られなかったり、厚みムラが生じる場合がある。延伸倍率が8倍を超えて延伸したフィルムは実用に適さない場合が多い。
一軸延伸とするか、二軸延伸とするかは目的の用途によって決定される。また、一軸延伸の場合、横方向(フィルムの流れ方向と垂直方向)に1.1〜8倍程度の延伸を付与し、縦方向(フィルムの流れ方向)に1.01〜1.8倍程度の弱延伸を付与しても良い。縦方向に弱延伸を付与すると、積層フィルムの機械的物性改良の点で効果的であることが多い。また、延伸した後の積層フィルムの分子配向が緩和しない時間に速やかに冷却するのも、収縮性を付与し、保持する上で重要である。
【0025】
延伸により得られた積層フィルムは、80℃で10秒間処理して熱収縮させたときの熱収縮率が、少なくとも1方向において20%以上であることを要する。熱収縮率が20%未満の場合は、熱収縮性フィルムとして実用的な機能が発揮されなくなる。
延伸により得られた積層フィルムの片面あるいは両面には、必要に応じてコロナ放電処理等の表面処理が施されても良く、また、この表面又は裏面にグラビア印刷法等の任意の方法で印刷することができる。積層フィルムの裏面(被覆対象物と接する面)に印刷が施される場合、熱収縮フィルムの透明性が重要となる。熱収縮フィルムの全ヘーズは10%以下が好ましく、7%以下がより好ましい。本発明により全ヘーズが7%以下の熱収縮フィルムの実現が可能となり、内面印刷が施された場合にも外観に優れるフィルムとなる。
また、印刷が施された状態での積層フィルムの水に対する比、すなわち比重は1未満が好ましく、0.90〜0.99がより好ましい。印刷に使用されるインキの密度は1.0〜1.61g/cm3 程度であり、インキ塗膜の厚みは1〜10μmである場合が多い。よって印刷が施された状態での積層フィルムの比重を1未満とするためには、印刷インキの塗布による比重増加分を考慮し、積層フィルムの比重を0.940以下とする必要がある。積層フィルムの比重が0.940を超えると、印刷された積層フィルムの23℃における比重が1を超える場合がある。積層フィルムの比重が0.940以下であると、熱収縮フィルム(熱収縮した積層フィルム)で被覆されたペットボトルにおいて、ペットボトルと熱収縮フィルムとが液比重分離により分離可能となり、PETと積層フィルムを構成する樹脂とを高精度に分離することが可能となる。
【0026】
本発明の積層フィルムは、例えば、ビンやペットボトル等の円筒状の被包装物を包装する場合、フラット状の積層フィルムが円筒状等に加工されて包装に供される。まず、ロールに巻き取られた広幅のフラットフィルムの一面に必要な画像を印刷し、これを必要な幅にカットしつつ印刷面が内側になるように折り畳んでセンターシールして円筒状とする場合が多い。センターシール方法としては、ヒートシールによる方法、接着剤による方法、インパスルスシーラーによる方法などが挙げられる。
しかしながら、ヒートシールによる方法では熱によってシール部分が収縮する場合があり、外観を損なうおそれがある。また、接着剤を用いる方法では、接着剤を安定して塗布することが難しいので加工速度を50〜70m/分に落として、しかも正常に塗布ができているかどうかを監視しなければならない場合がある。また、得られたセンターシール部の接着力が正常かどうかの確認は、接着剤の硬化がほぼ完全になってから行う必要があるので、センターシール後ある程度時間が経過した後でないとできないという問題がある。さらに接着剤には熱収縮性がないので、得られた積層フィルムを熱収縮させて容器を被覆した後のシール強度が低下する場合がある。また、インパルスシーラーでセンターシールする方法では加工速度が30〜50m/分と更に遅く、しかもシール部が波打ち状になり見栄えを損なうおそれがある。これらのことから、本発明の積層フィルムは、有機溶剤によってセンターシールするのが好ましい。
【0027】
用いる有機溶剤は、環状ポリオレフィン系樹脂が常温で容易に膨潤する良溶媒と、環状ポリオレフィン系樹脂が溶解は勿論のこと膨潤もしない貧溶媒との混合溶媒系が好ましい。これは、良溶媒と貧溶媒との混合比を自由に変えることにより、溶解性を自由に変えることができ、センターシール工程における走行速度に合わせた溶着に対して容易に対応できるなどの理由からである。
環状ポリオレフィン系樹脂が常温で容易に膨潤する良溶媒としては、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピランなどの脂肪族環状エーテル;ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン及びシクロオクタンなどの、C5〜C10程度の直鎖状又は環状の脂肪族炭化水素が挙げられる。一方、環状ポリオレフィン系樹脂が溶解は勿論膨潤もしない貧溶媒としては、ジメチルケトン及びジエチルケトンなどの脂肪族ケトン;酢酸メチル及び酢酸エチルなどの脂肪族アルコール;1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサンなどの環状エチレンジオキサイドなどが挙げられる。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で作製した熱収縮性積層フィルムの諸特性は、以下に示す方法に従って評価した。ここで、積層フィルムの引き取り(流れ)方向を「縦」方向、その直角方向を「横」方向と記載する。
【0029】
(1)粘弾性測定(貯蔵弾性率)
フィルムを縦4mm、横60mmに切り出し、粘弾性スペクトロメーター(アイティー計測株式会社製,DVA−200)を用い、振動周波数10Hz、ひずみ0.1%、昇温速度1℃/分、チャック間2.5cm、測定温度60〜120℃の条件で横方向について測定し、80℃における貯蔵弾性率を求めた。
(2)比重
フィルムを縦2mm、横7mmに切り出し、JIS K712に準拠して、浮沈法により測定した。
(3)熱収縮率
フィルムを、縦100mm、横100mmの大きさに切り取り、80℃の温水バスに10秒間浸漬し、収縮量を測定した。熱収縮率は、横方向について収縮前の原寸に対する収縮量の比(%)で表した。
(4)耐熱性
上記条件にて積層フィルムを収縮させた熱収縮フィルムを装着したペットボトルを横向きの状態で、60〜120℃の範囲で温度管理されている鉄板上に放置し、熱収縮フィルムに不具合が無いかどうかを確認した。熱収縮フィルムが溶解して穴が空いたり、鉄板と熱収縮フィルムとの接触面で融着が生じる等の実用上の問題が生じなかったものを○、若干鉄板と熱収縮フィルムとの間で貼り付きが見られたものを△、熱収縮フィルムが溶解して穴があいたり、鉄板と熱収縮フィルムとの接触面で融着が生じてしまったものを×とした。
【0030】
実施例1
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア750R)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0031】
実施例2
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(210℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会製:ゼオノア750R)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/20/80/20/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0032】
実施例3
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア750R)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/30/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0033】
実施例4
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)を中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社:ゼオノア750R)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。これをTMロング社製の二軸延伸装置を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0034】
実施例5
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン−エチレン共重合体(三井化学株式会社製:APL8008T)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0035】
実施例6
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン−エチレン共重合体(Tidona社製:Topas8007F−04)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は59℃であった。さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みが最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0036】
比較例1
密度0.890g/cm3 、MI4g/10分(230℃、21.18N)のエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体(モンテル株式会社製:Adsyl5C30F)80質量%と軟化点140℃の脂肪族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製:アルコンP−140)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア750R)100質量部に対し、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は60℃であった。
さらに、ガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社:ゼオノア1020R)を、最外層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。この熱収縮積層フィルムは、比重が0.95となり、印刷インキを塗布すると比重が1.0を超えるおそれがある。また、80℃×10秒における熱収縮率は19%と低いものであった。
【0037】
比較例2
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出機に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア750R)70質量%とガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社製:ゼオノア1020R)30質量%との混合物100質量部に、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機と最外層を形成するための押出機に入れ、どちらの押出機においても180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は70℃であった。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
この熱収縮フィルムは、比重及び熱収縮率は問題ないが、耐熱性に劣るフィルムであった。
【0038】
比較例3
密度0.88g/cm3 、MI1.5g/10分(230℃、21.18N)のポリプロピレン系エラストマー(出光石油株式会社製:出光TPOT310E)80質量%と、密度0.904g/ cm3 、MI4.0g/10分(230℃、21.18N)の直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製:ユメリット0540F)20質量%を、中心層を形成するための押出に入れて180〜230℃にて溶融混練した。
また、ガラス転移温度が70℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社:ゼオノア750R)40質量%とガラス転移温度が102℃である環状オレフィン共重合樹脂(日本ゼオン株式会社:ゼオノア1020R)60質量%との混合物100質量部に、分子量が500である液状ポリブテン(新日本石油株式会社製:日石ポリブテンLV−100)を3質量部添加した組成物を、中間層を形成するための押出機と最外層を形成するための押出機に入れ、どちらの押出機においても180〜230℃にて溶融混練した。組成物のガラス転移温度は80℃であった。
そして、各層の厚みの比が最外層/中間層/中心層/中間層/最外層=1/10/40/10/1となるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3種5層ダイスより下向きに共押し出しした。押し出された溶融積層体を50℃に保持されたキャストロールで冷却し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを二軸延伸装置(TMロング社製)を用いて、温度100℃で一軸方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。延伸の際の予熱時間は30秒、延伸速度は3000%/分であった。得られた熱収縮性積層フィルムの諸特性を表1に示す。
この熱収縮フィルムは、耐熱性が若干劣るフィルムであった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、円筒状とした場合に円周方向に熱収縮性を有し、耐熱性、印刷性及び溶剤シール性に優れ、例えば収縮包装、収縮結束包装、収縮ラベルなどの用途に好適に用いられ、かつ容易に分別リサイクルすることができる熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムを得ることができる。
Claims (4)
- ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層を中心層(A層)とし、該中心層の両面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が50〜80℃の樹脂組成物からなる中間層(B層)が積層され、該中間層の外面に、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする、ガラス転移温度が90〜120℃の樹脂組成物からなる最外層(C層)が積層されてなる3種5層構成の積層フィルムであって、上記中間層(B層)及び最外層(C層)における環状ポリオレフィン系樹脂が下記(1)〜(3)のうちのいずれかであり、かつ積層フィルムの比重が0.940以下であるとともに、80℃で10秒間処理したときの熱収縮率が、少なくとも1方向において20%以上であることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム。
(1)下記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物及びエチレンからなる環状オレフィン系重合体
(2)下記一般式[A]で表される環状オレフィン化合物を開環重合してなる重合体及び/又はその水素添加物
(3)(1)と(2)の混合物
- 積層フィルムの各層の厚みの比が、A層/B層=3/1〜6/1であり、C層/B層=1/100〜1/10である請求項1記載の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム。
- 熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルムの、周波数10Hz、ひずみ0.1%で測定したときの80℃における貯蔵弾性率が10〜50MPaである請求項1又は2記載の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の積層フィルムの片面又は両面に印刷処理が施されてなり、かつ比重が1未満の熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム。
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JP5035546B2 (ja) * | 2005-12-05 | 2012-09-26 | 株式会社クラレ | 積層体 |
JP2015509861A (ja) * | 2011-12-30 | 2015-04-02 | グアンドォン デクロ フィルム ニュー マテリアルズ カンパニー リミテッド | 熱収縮性ポリオレフィンフィルム及びそれらの製造方法 |
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2003
- 2003-05-22 JP JP2003145363A patent/JP2004345244A/ja active Pending
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