JP2004345005A - 工作機械のレベリングボルト調整量算出装置、工作機械及び工作機械群のレベル監視方法 - Google Patents
工作機械のレベリングボルト調整量算出装置、工作機械及び工作機械群のレベル監視方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】工作機械のレベル出しを行うレベリングボルトの調整量を算出する。
【解決手段】作業者は、入力部10に、対象となる工作機械の機種、水準計で測定された水平度、設置面の現状情報を入力する。調整量算出部24は、工作機械の機種に基づいて、工作機械に対応する関数を選択し、選択された関数と水準計により測定された水平度からレベリングボルトの調整量を算出する。出力部14は、算出された各レベリングボルトの調整量を表示装置に表示する。これにより、作業者は、算出されたレベリングボルトの調整量に基づいて、工作機械の水平度を調整することができる。また、この工作機械のレベリングボルト調整量算出装置を用いた工作機械及び工作機械群のレベル監視方法を提供する。
【選択図】 図2
【解決手段】作業者は、入力部10に、対象となる工作機械の機種、水準計で測定された水平度、設置面の現状情報を入力する。調整量算出部24は、工作機械の機種に基づいて、工作機械に対応する関数を選択し、選択された関数と水準計により測定された水平度からレベリングボルトの調整量を算出する。出力部14は、算出された各レベリングボルトの調整量を表示装置に表示する。これにより、作業者は、算出されたレベリングボルトの調整量に基づいて、工作機械の水平度を調整することができる。また、この工作機械のレベリングボルト調整量算出装置を用いた工作機械及び工作機械群のレベル監視方法を提供する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械のレベリングボルト調整量算出装置、工作機械及び工作機械群のレベル監視方法、特に工作機械のレベル出し、工作機械のレベル維持の監視に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械は、高精度の性能を発揮させるために水平に据え付けられていることが必要である。この工作機械を据え付ける場合のレベル出しについて説明する。
【0003】
図13は、工作機械100の据え付けを説明する図である。図13(A)に示すように、工作機械100が載置されたベッド102の定められた位置に、工作機械100の水平調整が可能なレベリングボルト104が備えられている。このレベリングボルト104は、工作機械100の四隅の4箇所、又は自重の撓みをなくすために8箇所設けられる。図13(B)は、レベリングボルト104の拡大図であり、レベリングボルト104は、設置面に設けられた基礎穴106に挿入固定され、レベリングボルト104にベッド102が螺合固定される。このレベリングボルト104に螺合されている高さ調整ナット104aを回すことにより、ベッド102が微小に上下移動し、工作機械100の水平調整が可能になっている。
【0004】
このような工作機械100のレベル出しを行う場合には、図13(C)の平面図に示すように、工作機械100のX方向、Y方向の水平度を測定可能な水準計108をベッド102又は水平状態が要求される工作機械100の所定位置に置く。作業者は、この水準計108を見ながら高さ調整ナット104aを回して、工作機械100の水平度を調整し、レベル出しを行う。
【0005】
なお、下記特許文献1は、レベル調整作業を簡単且つ容易に行うことができる機器の据付工法及び据付用レベリングブロックを開示する。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−108291号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、工作機械100に配置された水準計108と調整すべきレベリングボルト104は互いに離れており、各レベリングボルト104との距離は一定ではない。従って、レベリングボルト104の調整量は、それぞれのレベリングボルト104と水準計108の距離に応じて推測しなければならない。
【0008】
また、工作機械100を支持するベッド102は、完全な剛体でないので、レベリングボルト104の調整量に対する水平度の変化には、ベッド102の微小な変形を考慮に入れなければならない。
【0009】
従って、レベル出しの作業において、作業者は、このような要因を考えながら、水準計108の水平度からレベリングボルト104の調整量を推定するためには、高度の熟練が要求される。従って、作業者が不慣れな場合には、何回も試行錯誤しながら、数カ所のレベリングボルト104を調整しなければならず、時間のかかる作業性の悪い作業になっている。
【0010】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、水準計で測定された水平度からレベリングボルトの調整量を算出する工作機械のレベリングボルト調整量算出装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、工作機械100のレベル出しは、現在、工作機械100の据え付け時に行われ、その後、工作機械100の水平度の変化はチェックされていない。しかしながら、工作機械100の稼働後、工作機械100の水平度は、工作機械100の振動や熱によるベッド102の変形や工作機械100の設置面の地盤変化によって経時変化する。従って、工作機械100の水平度の経時変化をチェックし、水平度を再調整すれば、工作機械100の精度を長期に亘り維持することができる。
【0012】
また、本発明は本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、工作機械及び工作機械群のレベル監視方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置は、工作機械毎に定められた位置に設けられた水準計により、少なくとも2軸方向の水平度を測定し、定められた位置に設けられたレベリングボルトを調整して、設備設置区域内でのレベル出しを行う設備据え付けのために用いられる工作機械のレベリングボルト調整量算出装置であって、工作機械毎に、所定位置の水準計で測定される少なくとも2軸方向の水平度とこの水平度から当該工作機械を水平にするためのレベリングボルトの調整量との相関関係を示す関数を記憶する手段と、工作機械に対応する関数に基づいて、工作機械に設けられた水準計により測定された水平度からレベリングボルトの調整量を算出する手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の工作機械のレベル監視方法は、工作機械に備えられた水準計により、工作機械の少なくとも2軸方向の水平度を測定するステップと、測定された水平度が所定以上になった場合に、工作機械のレベリングを警告するステップと、を備え、上記発明のレべリングボルト調整量算出装置を用いることを特徴とする。
【0015】
本発明の工作機械群のレベル監視方法は、監視領域内に複数の工作機械が備えられ、監視領域内の所定の工作機械の水平度に基づいて、他の工作機械にレベリングを警告する複数の工作機械群のレベル監視方法であって、監視領域内の工作機械群から予めサンプリングされた所定の工作機械に備えられた水準計により、工作機械の少なくとも2軸方向の水平度を測定するステップと、時間と工作機械単体の水平度の変化の関係を示す単体水平度変化情報に基づいて、測定された水平度から地盤変化を検出するステップと、地盤変化が検出された場合に、監視領域内の複数の工作機械の設置場所に基づいて、所定の工作機械の周辺の他の工作機械にレベリングを警告するステップと、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の工作機械群のレベル監視方法において、工作機械は、工作機械のベッドを螺合固定するレベリングボルトによりレベル出しがされており、警告するステップによる警告後、本発明の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置を用いて、レベリングボルトの調整量を算出するステップを備えることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明する。なお、従来と同一又は相当する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0018】
実施形態1
図1は、本実施形態の対象となる工作機械の外観を示す図である。
【0019】
本実施形態のレベリングボルト調整量算出装置は、工作機械毎に定められた位置に設けられた水準計により、少なくとも2軸方向の水平度を測定し、定められた位置に設けられたレベリングボルトを調整して、設備設置区域内でのレベル出しを行う設備据え付けのために用いられる。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の対象となる工作機械100のベッド102の定められた位置に、レベリングボルト104が設けられている。レベリングボルト104は、図13(B)で示すように従来技術と同様の構成をしており、レベリングボルト104は、例えば、4箇所〜8箇所設けられる。また、工作機械100の定められた位置に、工作機械100の少なくとも2軸、例えばX方向、Y方向の水平度を測定する水準計108が配置されている。この水準計108は、ベッド102上や工作機械100の水平度が要求される定められた位置に1つ以上設けられる。
【0021】
本実施形態においては、後述するような工作機械毎に水平度とこの水平度から工作機械を水平にするためのレベリングボルトの調整量との相関関係を示す関数により、水準計108で測定された水平度からレベリングボルト104の調整量を算出する。従って、工作機械100毎にレベリングボルト104及び水準計108の設置位置は、統一されていることが好適である。
【0022】
次に、本実施形態のレベリングボルト調整量算出装置について説明する。図2は、本実施形態の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1の構成ブロック図である。図2に示すように、レベリングボルト調整量算出装置1は、大別して入力部10と、処理部12と、出力部14と、で構成されている。
【0023】
入力部10は、工作機械100の機種を入力する機種入力部16と、水準計108で測定された水平度を入力する水平度入力部18と、設備設置区域の情報を入力する補助入力部20と、から構成されている。
【0024】
入力部10は、キーボード、マウス等で構成することができ、作業者は、図示しない表示装置に表示されたメニュー表示により、入力部10を操作して所定の項目を入力する。機種入力部16は、対象となる工作機械100の機種を特定して入力するものであり、研削、切削等の工作機械の種類、工作機械のグレードが特定される。なお、この工作機械100の機種の特定により、所定位置にレベリングボルト104及び水準計108が配置された工作機械の関数を選択することができる。水平度入力部18は、水準計108で測定されたX方向、Y方向の水平度を入力する。補助入力部20は、設備設置区域の地面の傾きや硬度等の据付地面の情報を入力する。これら状態情報は、補助情報として、算出されたレベリングボルト調整量を補正するために用いることができる。
【0025】
処理部12は、工作機械100毎に水平度とこの水平度から工作機械を水平にするためのレベリングボルトの調整量との相関関係を示す関数を記憶する関数記憶部22と、前記関数に基づいてレベリングボルト調整量を算出する調整量算出部24と、から構成されている。処理部12は、コンピュータのCPU及びメモリで構成することができる。
【0026】
関数記憶部22は、工作機械100毎に、所定位置の水準計108で測定される2軸方向の水平度とこの水平度から当該工作機械100を水平にするためのレベリングボルト104の調整量との相関関係を示す関数を記憶している。
【0027】
図3は、関数の例を示す図である。関数記憶部22は、図3に示すように、工作機械100毎に関数Fを記憶している。なお、図3において、x1〜x6・・・は、水準計108で測定される(入力される)水平度、y1〜y4・・・は、各レベリングボルト104の調整量、a〜fは、係数である。この関数Fにより、入力された水平度x1〜x6・・・からレベリングボルト104の調整量y1〜y4・・・を求めることができる。例えば、レベリングボルト104の調整量y1は、y1=a・x1+c・x3−f・x6によって求めるられる。調整量y2・・・についても同様に、図示された関数Fを使用して求めることができる。
【0028】
この関数は、基礎データや当該工作機械100の過去の据付事例に基づいて求められる。基礎データは、ベッド102単体又はベッド102上に主要な機械要素を載置した状態でレベリングボルト104の移動量に対する定められた位置の水準計108の水平度の変化を示すデータである。この基礎データに基づいて、工作機械100毎に関数を求め、この工作機械100ついて過去の据付事例があれば、据付事例での実際のレベリングボルト104の調整量でこの関数を補正しておく。これにより、信頼性の高い関数を得ることができる。関数記憶部22は、このように工作機械100毎に予め求められた関数を記憶している。
【0029】
調整量算出部24は、工作機械100に対応する関数に基づいて、工作機械100に設けられた水準計108により測定された水平度からレベリングボルト104の調整量を算出する。まず、調整量算出部24は、機種入力部16の入力に基づいて、工作機械100に対応する関数を関数記憶部22から選択する。次に、調整量算出部24は、選択された関数と水準計108のX方向、Y方向の水平度(測定値)からレベリングボルト104の調整量を算出する。なお、このレベリングボルト104の調整量は、レベリングボルト104の設置面に対する垂直方向の移動量(移動長さ)やレベリングボルト104の回転量(回転角度)として算出することができる。また、調整量算出部24は、補助入力部20に入力された設備設置区域の据付地面の傾きや硬度に基づいて、算出されたレベリングボルト104の調整量を補正し、この補正値をレベリングボルト104の調整量としても好適である。
【0030】
出力部14は、処理部12からのレベリングボルト104の調整量を出力する。図2に示すように、例えば、レベリングボルト104の調整量は、ボルトa:○○mm、ボルトb:−△△mm、ボルトc:□□mmというようにレベリングボルト104の移動量で出力される。なお、レベリングボルト104の回転角度で出力しても良い。出力部14は、表示装置あるいはプリンタで構成することができ、前述した入力部10の入力を促すための表示装置と兼用することもできる。
【0031】
作業者は、出力されたレベリングボルト104の調整量に従ってレベリングボルト104を調整する。仮に、工作機械100のレベル出しが完全でない場合は、水準計108の水平度を工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1に入力し、レベリングボルト104の調整量を算出すると良い。
【0032】
次に、本実施形態のレベリングボルト調整量算出装置1を用いた据え付け作業について説明する。図4は、本実施形態の据え付け作業のフローチャートである。
【0033】
まず、作業者は、機種入力部16に、対象となる工作機械100の機種を入力する(S10)。次に、作業者は、水平度入力部18に、水準計108で測定された水平度を入力し、補助入力部20に、設置面の硬度や傾き等の据付地面の現状値を入力する(S12)。調整量算出部24は、S10で入力された工作機械100の機種に基づいて、工作機械100に対応する関数を選択する(S14)。調整量算出部24は、選択された関数と入力された水平度からレベリングボルト104の調整量を算出する(S16)。出力部14は、各レベリングボルトの調整量を表示装置に表示する(S18)。作業者は、算出されたレベリングボルト104の調整量に基づいて、各レベリングボルト104を調整し、工作機械100のレベル出しを行う(S20)。作業者は、水準計108を確認し、レベル出しができているか確認する(S24)。まだ、レベル出しが完全でなかった場合は(S24でNO)、水準計108で測定されている水平度を入力し、S16〜S24の工程を繰り返し、レベリングボルト104の調整量を算出する。レベル出しができた場合には(S24でYES)、工作機械100の据え付けを完了する(S26)。
【0034】
これにより、据え付け作業において、工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1により、レベリングボルト調整量を算出することができるので、レベル出しの作業を短時間で容易に行うことができる。
【0035】
なお、上述したレベリングボルト調整量算出装置1に、学習処理手段を設け、学習処理により繰り返し行った結果の実際のレベリングボルト104の調整量で前記関数を補正しても好適である。例えば、レベリングボルト104の実際の調整量をフィードバックし、図3に示した関数Fの係数a〜fが補正することができる。これにより、信頼性の高い関数にすることができる。
【0036】
また、処理部12を、例えば公知のニューラルネットワーク等の学習機能を有する回路構成で構成しても好適である。
【0037】
ニューラルネットワークは、入力層、中間層、出力層から構成され、各層は複数のニューロンを含む。ニューロンは、多数入力/1出力の非線形な信号処理素子であり、人間の神経細胞に相当するものである。各層のニューロン間は重みと呼ばれる結合度で結合しており、所定の入力値を入力層に与えた場合に所望の結果が出力層から得られるように重みを適応的に調整することでネットワークを「学習」させることができる。
【0038】
この原理を応用し、水準計108の水平度、地面の硬度等の入力パラメータを入力層に与え、この入力パラメータに対する出力層としてレベリングボルト104の調整量が得られるようにニューロン間の重みを調整する。これにより、任意の入力パラメータに対して好適なレベリングボルト104の調整量を得ることができる。この場合、教師信号として、レベリングボルト104の調整量に対する水平度の変化、履歴データを用いてニューロン間の重みを調整、すなわち学習させることができる。
【0039】
また、処理部12に、ファジー推論、統計的手法、実験計画法等による水準計で測定される水平度からレベリングボルトの調整量を算出する予測式を用いてもよい。
【0040】
実施形態2
次に、実施形態1の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1を用いた工作機械のレベル監視方法について説明する。
【0041】
実施形態1で説明したように、工作機械100は、レベル出しが行われ据え付けられる。その後、工作機械100の水平度は、工作機械100の振動や熱によるベッド102の変形や工作機械100が設置された据付地面の隆起や沈下の地盤変化によって変化する可能性がある。本実施形態では、工作機械100の水平度の経時変化を監視し、レベリングを警告する監視方法について説明する。
【0042】
図5は、本実施形態の工作機械のレベル監視方法に用いられる工作機械のレベル監視装置2の構成ブロック図である。本実施形態の工作機械のレベル監視装置2は、実施形態1で説明したレベリングボルト調整量算出装置1の主要な構成を含んでいる。実施形態1の同一又は相当する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
本実施形態においては、工作機械100の据付後においても、工作機械100毎に定められた位置に水準計108を固定しておく。水準計108は、工作機械100のX方向、Y方向の水平度を測定する。
【0044】
工作機械のレベル監視装置2は、大別して入力部10と、処理部32と、出力部14と、から構成されている。処理部32は、工作機械100毎に警告すべき水平度の閾値を記憶する水平度閾値メモリ34と、水準計108で測定された水平度と閾値を比較する比較部36と、を備えている。処理部32は、コンピュータのCPU及びメモリで構成することができる。
【0045】
工作機械のレベル監視装置2は、複数の工作機械100からの水準計108で測定された水平度を取得する。水準計108で測定された水平度は、入力部10から入力することができる。また、この水準計108で測定される水平度を、A/D変換器30においてデジタル信号に変換し、入力しても良い。水平度の入力タイミングは、別途工作機械100の品質チェック信号等を入力し、これをきっかけとして水準計108から測定値を取得しても良い。
【0046】
水平度閾値メモリ34は、工作機械100毎に警告すべき水平度の閾値を記憶している。この水平度の閾値は、ユーザが任意に設定でき、例えば水平度の変化が加工ワークの品質に影響を与えるような限界値に設定することができる。また、工作機械100毎又は工作機械100の所定位置に設置された水準計108毎に要求される水平度は異なると考えられるので、工作機械100毎、水準計108毎に閾値を変えても好適である。
【0047】
比較部36は、水準計108で測定された水平度と水平度閾値メモリ34に記憶されている閾値とを比較する。比較部36は、水準計108で測定された水平度が閾値を超えている場合には、出力部14により、レベリングの警告を行う。これにより、水平度の経時変化を検出することができ、レベリングの警告を行うことができる。
【0048】
警告された工作機械100に対しては、入力部10に、工作機械の種別、水準計108で測定された水平度等を入力し、調整量算出部24により、レベリングボルト104の調整量を算出し、出力部14に調整量を出力する。これにより、水平度の経時変化に対してレベリングボルト104の調整量を容易に算出することができる。
【0049】
次に、本実施形態の工作機械のレベル監視方法の流れについて説明する。図6は、本実施形態の工作機械のレベル監視方法のフローチャートである。
【0050】
図6に示すように、工作機械100の水準計108は、工作機械100の水平度を継続的に測定する(S30)。水準計108で測定された水平度が工作機械のレベル監視装置2(比較部36)に入力される(S32)。比較部36は、水準計108の水平度と水平度閾値メモリ34に記憶された閾値を比較する(S34)。比較部36は、水平度が閾値を超えている場合に(S34でYES)、出力部14からレベリングを警告する(S36)。警告された工作機械100に対しては、入力部10に、工作機械の種別、水準計108で測定されている水平度を入力し、レベリングボルト104の調整量を算出し、レベル出しを行う(S38)。
【0051】
これにより、工作機械100の水平度の経時変化を継続的に監視することができ、水平度が変化した場合には、水平にするためのレベリングボルト104の調整量を容易に得ることができる。
【0052】
実施形態3
次に、工作機械群のレベル監視方法について説明する。本実施形態では、複数の工作機械が設置された、工場等の所定の監視領域内における工作機械群の効率的なレベル監視方法を提供する。これら総ての工作機械100について水準計108を設置し、例えば、実施形態2のレベル監視方法により水平度の経時変化を継続的に監視するのはコストがかかる。ここで、工作機械100の水平度の変化に影響を及ぼす要因として、工作機械100の振動や熱等による工作機械単体の単体水平度変化と、工作機械100が設置された地盤の隆起や沈下による地盤水平度変化と、が考えられる。これら要因の内、単体水平度変化は、工作機械の疲労試験などによって予測することができる。従って、本実施形態では、所定の工作機械について水平度を測定し、その水平度から単体水平度変化に基づいて地盤変化を検出し、地盤変化領域に設置された周辺の他の工作機械のレベリングを警告する。
【0053】
図7は、本実施形態の対象となる監視領域内の工作機械群を示す図である。図7に示すように、例えば、監視領域となる1つの工場内には、多数の工作機械100が備えられる。本実施形態においては、その中から予めサンプリングされた所定の工作機械110に水準計108が設けられる。サンプリングされなかった工作機械112には、水準計108は設けられない。このサンプリングされた所定の工作機械110の水準計108が、工作機械110の水平度を継続的に測定する。水準計108は、工作機械100のX方向、Y方向の水平度を測定する。図7において、サンプリングされた所定の工作機械110は、ハッチングが施され、符号A,B,C・・・は、工作機械100の機種を示している。
【0054】
図8は、本実施形態の工作機械群のレベル監視方法に用いられる工作機械群のレベル監視装置3の構成ブロック図である。図8に示すように、工作機械群のレベル監視装置3は、大別して入力部40と、処理部42と、出力部44と、で構成されている。処理部42は、コンピュータのCPU及びメモリで構成することができる。
【0055】
入力部40は、所定の工作機械110の水準計108で測定された水平度を入力する。なお、所定の工作機械110の水準計108で測定された水平度をA/D変換器30を介してデジタル信号に変換し、自動的に入力する様にしても良い。
【0056】
処理部42は、時間と工作機械単体の水平度の変化の関係を示す単体水平度変化情報を記憶する単体水平度変化情報メモリ46と、監視領域内の複数の工作機械の設置場所を示す設置マップを記憶する設置マップメモリ48と、単体水平度変化情報に基づいて、測定された水平度から地盤変化を検出する検出部50と、設置マップに基づいて、地盤変化マップを作成するマップ作成部52と、を備えている。
【0057】
単体水平度変化情報メモリ46は、時間と工作機械単体の水平度の変化の関係を示す単体水平度変化情報を記憶している。図9は、単体水平度変化情報の例を示す図である。図9に示すように、メモリ46は、工作機械100毎(若しくは工作機械の機種毎)、水準計108毎に、時間と水準計のX方向、Y方向の水平度の変化の関係を示す単体水平度変化情報を記憶している。この単体水平度変化情報は、疲労試験等によって求めることができ、工作機械100が設置された地盤変化の影響を受けない工作機械100単体の振動や熱による水平度の変化を表している。設置マップメモリ48は、監視領域内の工作機械100の設置場所を示す情報を記憶している。設置マップメモリ48は、例えば、図7に示すような設置マップを記憶している。
【0058】
検出部50は、水準計108で測定された水平度が入力されると、単体水平度変化情報メモリ46に記憶した単体水平度変化情報を呼び出し、単体水平度情報と入力された水平度から地盤変化による水平度の変化を検出する。図10は、地盤変化による水平度の検出の概念を示す図である。例えば、工作機械110の種類(機械)Aの水準計108の水平度が50μmであり、図9に示すように、測定時期の単体水平度変化情報が20μmである場合、地盤変化による水平度の変化は30μmとなる。このようにして、検出部50は、単体水平度変化情報と水準計108の水平度に基づいて、地盤変化による水平度の変化を検出する。このようにして、図10に示す地盤変化による水平度が検出される。検出部50は、この地盤変化による水平度の変化が所定以上になった場合に、地盤変化を検出したとして、レベリングを警告する。
【0059】
マップ作成部52は、検出部50の検出結果、すなわち地盤変化の水平度の変化から地盤変化を表す地盤変化マップを作成する。この地盤変化マップは、地盤変化領域、警告すべき他の工作機械112が識別可能にマーキングされ、レベリングの警告に利用することができる。
【0060】
地盤変化マップは、設置マップメモリ48に記憶されている設置マップに検出部50の結果を重畳させることにより作成することができ、検出部50の検出毎に更新される。図11は、地盤変化マップの概念図である。図11に示すように、この地盤変化マップは、地盤変化による水平度の変化に基づいて、地盤変化が起こっている領域がマーキングされる。この地盤変化領域は、地盤変化による水平度の変化量等によって推定することができる。図11では、領域114が地盤変化領域を示している。そして、検出部50により、所定以上の地盤変化による水平度の変化を検出した場合には、地盤変化領域内の他の工作機械112にレベリング警告対象として識別可能なマークを付ける。図11では、太線で示した他の工作機械112がレベリング警告の工作機械である。
【0061】
出力部44は、表示装置又はプリンタで構成することができる。出力部44は、検出部50が所定以上の地盤変化による水平度の変化を検出した場合に、他の工作機械112、すなわち地盤変化領域内の他の工作機械112にレベリングの警告を行う。この警告は、出力部44が例えば表示装置で構成されている場合には、マップ作成部52で作成された地盤変化マップを表示する。この地盤変化マップには、地盤変化領域、警告すべき工作機械112に対して識別可能なマークが付けられているので、他の工作機械112のレベリングの警告を行うことができる。これにより、1つの工場において、総ての工作機械100の水平度の経時変化を監視しなくても、効率的に工作機械100の水平度の監視を行うことができる。
【0062】
なお、警告された他の工作機械112については、警告後、実施形態1で説明した工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1を用いて、レベリングボルトの調整量を算出することが好適である。
【0063】
次に、本実施形態の工作機械群のレベル監視方法の流れについて説明する。図12は、本実施形態の工作機械群のレベル監視方法のフローチャートである。
【0064】
図12に示すように、所定の工作機械112について、水準計108により水平度が継続的に測定され(S40)、測定された水平度は工作機械群のレベル監視装置3に入力される(S42)。検出部50は、単体水平度情報と水準計108の水平度から地盤変化による水平度の変化を検出する(S44)。マップ作成部52は、検出部50の検出結果、すなわち地盤変化の水平度の変化から地盤変化を表す地盤変化マップを作成する(S46)。この地盤変化マップは、検出部50の検出毎に更新される。出力部44は、検出部50が所定以上の地盤変化による水平度の変化を検出した場合に(S48でYES)、地盤変化マップを表示し、他の工作機械112にレベリングの警告を行う(S50)。警告された工作機械112については、実施形態1の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1を用いて、レベル出しを行う(S52)。
【0065】
なお、実施形態1〜3においては、研削、切削等の工作機械、工作機械群を例に取り説明したが、本発明の範囲内で工作機械以外のレベル出しが必要な設備、設備群に適用しても好適である。例えば、設備には、塗装装置等が含まれる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、準計で測定された現状の水平度から対応するレベリングボルトの調整量を容易に算出することができる。
【0067】
また、本発明によれば、工作機械の稼働後、工作機械の水平度を監視してレベリングの警告をすることができ、長期に亘り工作機械の精度を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の対象となる工作機械の外観を示す図である。
【図2】実施形態の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置の構成ブロック図である。
【図3】関数の例を示す図である。
【図4】実施形態の据え付け作業のフローチャートである。
【図5】実施形態のレベル監視方法に用いられる工作機械のレベル監視装置2の構成ブロック図である。
【図6】実施形態の工作機械のレベル監視方法のフローチャートである。
【図7】実施形態の対象となる監視領域内の工作機械群を示す図である。
【図8】実施形態の工作機械群のレベル監視方法に用いられる工作機械群のレベル監視装置3の構成ブロック図である。
【図9】単体水平度変化情報の例を示す図である。
【図10】地盤変化検出の概念を示す図である。
【図11】地盤変化マップの概念図である。
【図12】実施形態の工作機械群のレベル監視方法のフローチャートである。
【図13】工作機械の据え付けを説明する図である。
【符号の説明】
1 レベリングボルト調整量算出装置、2 工作機械のレベル監視装置、3 工作機械群のレベル監視装置、10 入力部、12 処理部、14 出力部、16 機種入力部、18 水平度入力部、20 補助入力部、22 関数記憶部、24 調整量算出部、30 A/D変換器、32 処理部、34 水平度閾値メモリ、36 比較部、40 入力部、42 処理部、44 出力部、46 単体水平度変化情報メモリ、48 設置マップメモリ、50 検出部、52 マップ作成部、100 工作機械、102 ベッド、104 レベリングボルト、106 基礎穴、108 水準計。
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械のレベリングボルト調整量算出装置、工作機械及び工作機械群のレベル監視方法、特に工作機械のレベル出し、工作機械のレベル維持の監視に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械は、高精度の性能を発揮させるために水平に据え付けられていることが必要である。この工作機械を据え付ける場合のレベル出しについて説明する。
【0003】
図13は、工作機械100の据え付けを説明する図である。図13(A)に示すように、工作機械100が載置されたベッド102の定められた位置に、工作機械100の水平調整が可能なレベリングボルト104が備えられている。このレベリングボルト104は、工作機械100の四隅の4箇所、又は自重の撓みをなくすために8箇所設けられる。図13(B)は、レベリングボルト104の拡大図であり、レベリングボルト104は、設置面に設けられた基礎穴106に挿入固定され、レベリングボルト104にベッド102が螺合固定される。このレベリングボルト104に螺合されている高さ調整ナット104aを回すことにより、ベッド102が微小に上下移動し、工作機械100の水平調整が可能になっている。
【0004】
このような工作機械100のレベル出しを行う場合には、図13(C)の平面図に示すように、工作機械100のX方向、Y方向の水平度を測定可能な水準計108をベッド102又は水平状態が要求される工作機械100の所定位置に置く。作業者は、この水準計108を見ながら高さ調整ナット104aを回して、工作機械100の水平度を調整し、レベル出しを行う。
【0005】
なお、下記特許文献1は、レベル調整作業を簡単且つ容易に行うことができる機器の据付工法及び据付用レベリングブロックを開示する。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−108291号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、工作機械100に配置された水準計108と調整すべきレベリングボルト104は互いに離れており、各レベリングボルト104との距離は一定ではない。従って、レベリングボルト104の調整量は、それぞれのレベリングボルト104と水準計108の距離に応じて推測しなければならない。
【0008】
また、工作機械100を支持するベッド102は、完全な剛体でないので、レベリングボルト104の調整量に対する水平度の変化には、ベッド102の微小な変形を考慮に入れなければならない。
【0009】
従って、レベル出しの作業において、作業者は、このような要因を考えながら、水準計108の水平度からレベリングボルト104の調整量を推定するためには、高度の熟練が要求される。従って、作業者が不慣れな場合には、何回も試行錯誤しながら、数カ所のレベリングボルト104を調整しなければならず、時間のかかる作業性の悪い作業になっている。
【0010】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、水準計で測定された水平度からレベリングボルトの調整量を算出する工作機械のレベリングボルト調整量算出装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、工作機械100のレベル出しは、現在、工作機械100の据え付け時に行われ、その後、工作機械100の水平度の変化はチェックされていない。しかしながら、工作機械100の稼働後、工作機械100の水平度は、工作機械100の振動や熱によるベッド102の変形や工作機械100の設置面の地盤変化によって経時変化する。従って、工作機械100の水平度の経時変化をチェックし、水平度を再調整すれば、工作機械100の精度を長期に亘り維持することができる。
【0012】
また、本発明は本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、工作機械及び工作機械群のレベル監視方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置は、工作機械毎に定められた位置に設けられた水準計により、少なくとも2軸方向の水平度を測定し、定められた位置に設けられたレベリングボルトを調整して、設備設置区域内でのレベル出しを行う設備据え付けのために用いられる工作機械のレベリングボルト調整量算出装置であって、工作機械毎に、所定位置の水準計で測定される少なくとも2軸方向の水平度とこの水平度から当該工作機械を水平にするためのレベリングボルトの調整量との相関関係を示す関数を記憶する手段と、工作機械に対応する関数に基づいて、工作機械に設けられた水準計により測定された水平度からレベリングボルトの調整量を算出する手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の工作機械のレベル監視方法は、工作機械に備えられた水準計により、工作機械の少なくとも2軸方向の水平度を測定するステップと、測定された水平度が所定以上になった場合に、工作機械のレベリングを警告するステップと、を備え、上記発明のレべリングボルト調整量算出装置を用いることを特徴とする。
【0015】
本発明の工作機械群のレベル監視方法は、監視領域内に複数の工作機械が備えられ、監視領域内の所定の工作機械の水平度に基づいて、他の工作機械にレベリングを警告する複数の工作機械群のレベル監視方法であって、監視領域内の工作機械群から予めサンプリングされた所定の工作機械に備えられた水準計により、工作機械の少なくとも2軸方向の水平度を測定するステップと、時間と工作機械単体の水平度の変化の関係を示す単体水平度変化情報に基づいて、測定された水平度から地盤変化を検出するステップと、地盤変化が検出された場合に、監視領域内の複数の工作機械の設置場所に基づいて、所定の工作機械の周辺の他の工作機械にレベリングを警告するステップと、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の工作機械群のレベル監視方法において、工作機械は、工作機械のベッドを螺合固定するレベリングボルトによりレベル出しがされており、警告するステップによる警告後、本発明の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置を用いて、レベリングボルトの調整量を算出するステップを備えることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明する。なお、従来と同一又は相当する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0018】
実施形態1
図1は、本実施形態の対象となる工作機械の外観を示す図である。
【0019】
本実施形態のレベリングボルト調整量算出装置は、工作機械毎に定められた位置に設けられた水準計により、少なくとも2軸方向の水平度を測定し、定められた位置に設けられたレベリングボルトを調整して、設備設置区域内でのレベル出しを行う設備据え付けのために用いられる。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の対象となる工作機械100のベッド102の定められた位置に、レベリングボルト104が設けられている。レベリングボルト104は、図13(B)で示すように従来技術と同様の構成をしており、レベリングボルト104は、例えば、4箇所〜8箇所設けられる。また、工作機械100の定められた位置に、工作機械100の少なくとも2軸、例えばX方向、Y方向の水平度を測定する水準計108が配置されている。この水準計108は、ベッド102上や工作機械100の水平度が要求される定められた位置に1つ以上設けられる。
【0021】
本実施形態においては、後述するような工作機械毎に水平度とこの水平度から工作機械を水平にするためのレベリングボルトの調整量との相関関係を示す関数により、水準計108で測定された水平度からレベリングボルト104の調整量を算出する。従って、工作機械100毎にレベリングボルト104及び水準計108の設置位置は、統一されていることが好適である。
【0022】
次に、本実施形態のレベリングボルト調整量算出装置について説明する。図2は、本実施形態の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1の構成ブロック図である。図2に示すように、レベリングボルト調整量算出装置1は、大別して入力部10と、処理部12と、出力部14と、で構成されている。
【0023】
入力部10は、工作機械100の機種を入力する機種入力部16と、水準計108で測定された水平度を入力する水平度入力部18と、設備設置区域の情報を入力する補助入力部20と、から構成されている。
【0024】
入力部10は、キーボード、マウス等で構成することができ、作業者は、図示しない表示装置に表示されたメニュー表示により、入力部10を操作して所定の項目を入力する。機種入力部16は、対象となる工作機械100の機種を特定して入力するものであり、研削、切削等の工作機械の種類、工作機械のグレードが特定される。なお、この工作機械100の機種の特定により、所定位置にレベリングボルト104及び水準計108が配置された工作機械の関数を選択することができる。水平度入力部18は、水準計108で測定されたX方向、Y方向の水平度を入力する。補助入力部20は、設備設置区域の地面の傾きや硬度等の据付地面の情報を入力する。これら状態情報は、補助情報として、算出されたレベリングボルト調整量を補正するために用いることができる。
【0025】
処理部12は、工作機械100毎に水平度とこの水平度から工作機械を水平にするためのレベリングボルトの調整量との相関関係を示す関数を記憶する関数記憶部22と、前記関数に基づいてレベリングボルト調整量を算出する調整量算出部24と、から構成されている。処理部12は、コンピュータのCPU及びメモリで構成することができる。
【0026】
関数記憶部22は、工作機械100毎に、所定位置の水準計108で測定される2軸方向の水平度とこの水平度から当該工作機械100を水平にするためのレベリングボルト104の調整量との相関関係を示す関数を記憶している。
【0027】
図3は、関数の例を示す図である。関数記憶部22は、図3に示すように、工作機械100毎に関数Fを記憶している。なお、図3において、x1〜x6・・・は、水準計108で測定される(入力される)水平度、y1〜y4・・・は、各レベリングボルト104の調整量、a〜fは、係数である。この関数Fにより、入力された水平度x1〜x6・・・からレベリングボルト104の調整量y1〜y4・・・を求めることができる。例えば、レベリングボルト104の調整量y1は、y1=a・x1+c・x3−f・x6によって求めるられる。調整量y2・・・についても同様に、図示された関数Fを使用して求めることができる。
【0028】
この関数は、基礎データや当該工作機械100の過去の据付事例に基づいて求められる。基礎データは、ベッド102単体又はベッド102上に主要な機械要素を載置した状態でレベリングボルト104の移動量に対する定められた位置の水準計108の水平度の変化を示すデータである。この基礎データに基づいて、工作機械100毎に関数を求め、この工作機械100ついて過去の据付事例があれば、据付事例での実際のレベリングボルト104の調整量でこの関数を補正しておく。これにより、信頼性の高い関数を得ることができる。関数記憶部22は、このように工作機械100毎に予め求められた関数を記憶している。
【0029】
調整量算出部24は、工作機械100に対応する関数に基づいて、工作機械100に設けられた水準計108により測定された水平度からレベリングボルト104の調整量を算出する。まず、調整量算出部24は、機種入力部16の入力に基づいて、工作機械100に対応する関数を関数記憶部22から選択する。次に、調整量算出部24は、選択された関数と水準計108のX方向、Y方向の水平度(測定値)からレベリングボルト104の調整量を算出する。なお、このレベリングボルト104の調整量は、レベリングボルト104の設置面に対する垂直方向の移動量(移動長さ)やレベリングボルト104の回転量(回転角度)として算出することができる。また、調整量算出部24は、補助入力部20に入力された設備設置区域の据付地面の傾きや硬度に基づいて、算出されたレベリングボルト104の調整量を補正し、この補正値をレベリングボルト104の調整量としても好適である。
【0030】
出力部14は、処理部12からのレベリングボルト104の調整量を出力する。図2に示すように、例えば、レベリングボルト104の調整量は、ボルトa:○○mm、ボルトb:−△△mm、ボルトc:□□mmというようにレベリングボルト104の移動量で出力される。なお、レベリングボルト104の回転角度で出力しても良い。出力部14は、表示装置あるいはプリンタで構成することができ、前述した入力部10の入力を促すための表示装置と兼用することもできる。
【0031】
作業者は、出力されたレベリングボルト104の調整量に従ってレベリングボルト104を調整する。仮に、工作機械100のレベル出しが完全でない場合は、水準計108の水平度を工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1に入力し、レベリングボルト104の調整量を算出すると良い。
【0032】
次に、本実施形態のレベリングボルト調整量算出装置1を用いた据え付け作業について説明する。図4は、本実施形態の据え付け作業のフローチャートである。
【0033】
まず、作業者は、機種入力部16に、対象となる工作機械100の機種を入力する(S10)。次に、作業者は、水平度入力部18に、水準計108で測定された水平度を入力し、補助入力部20に、設置面の硬度や傾き等の据付地面の現状値を入力する(S12)。調整量算出部24は、S10で入力された工作機械100の機種に基づいて、工作機械100に対応する関数を選択する(S14)。調整量算出部24は、選択された関数と入力された水平度からレベリングボルト104の調整量を算出する(S16)。出力部14は、各レベリングボルトの調整量を表示装置に表示する(S18)。作業者は、算出されたレベリングボルト104の調整量に基づいて、各レベリングボルト104を調整し、工作機械100のレベル出しを行う(S20)。作業者は、水準計108を確認し、レベル出しができているか確認する(S24)。まだ、レベル出しが完全でなかった場合は(S24でNO)、水準計108で測定されている水平度を入力し、S16〜S24の工程を繰り返し、レベリングボルト104の調整量を算出する。レベル出しができた場合には(S24でYES)、工作機械100の据え付けを完了する(S26)。
【0034】
これにより、据え付け作業において、工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1により、レベリングボルト調整量を算出することができるので、レベル出しの作業を短時間で容易に行うことができる。
【0035】
なお、上述したレベリングボルト調整量算出装置1に、学習処理手段を設け、学習処理により繰り返し行った結果の実際のレベリングボルト104の調整量で前記関数を補正しても好適である。例えば、レベリングボルト104の実際の調整量をフィードバックし、図3に示した関数Fの係数a〜fが補正することができる。これにより、信頼性の高い関数にすることができる。
【0036】
また、処理部12を、例えば公知のニューラルネットワーク等の学習機能を有する回路構成で構成しても好適である。
【0037】
ニューラルネットワークは、入力層、中間層、出力層から構成され、各層は複数のニューロンを含む。ニューロンは、多数入力/1出力の非線形な信号処理素子であり、人間の神経細胞に相当するものである。各層のニューロン間は重みと呼ばれる結合度で結合しており、所定の入力値を入力層に与えた場合に所望の結果が出力層から得られるように重みを適応的に調整することでネットワークを「学習」させることができる。
【0038】
この原理を応用し、水準計108の水平度、地面の硬度等の入力パラメータを入力層に与え、この入力パラメータに対する出力層としてレベリングボルト104の調整量が得られるようにニューロン間の重みを調整する。これにより、任意の入力パラメータに対して好適なレベリングボルト104の調整量を得ることができる。この場合、教師信号として、レベリングボルト104の調整量に対する水平度の変化、履歴データを用いてニューロン間の重みを調整、すなわち学習させることができる。
【0039】
また、処理部12に、ファジー推論、統計的手法、実験計画法等による水準計で測定される水平度からレベリングボルトの調整量を算出する予測式を用いてもよい。
【0040】
実施形態2
次に、実施形態1の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1を用いた工作機械のレベル監視方法について説明する。
【0041】
実施形態1で説明したように、工作機械100は、レベル出しが行われ据え付けられる。その後、工作機械100の水平度は、工作機械100の振動や熱によるベッド102の変形や工作機械100が設置された据付地面の隆起や沈下の地盤変化によって変化する可能性がある。本実施形態では、工作機械100の水平度の経時変化を監視し、レベリングを警告する監視方法について説明する。
【0042】
図5は、本実施形態の工作機械のレベル監視方法に用いられる工作機械のレベル監視装置2の構成ブロック図である。本実施形態の工作機械のレベル監視装置2は、実施形態1で説明したレベリングボルト調整量算出装置1の主要な構成を含んでいる。実施形態1の同一又は相当する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
本実施形態においては、工作機械100の据付後においても、工作機械100毎に定められた位置に水準計108を固定しておく。水準計108は、工作機械100のX方向、Y方向の水平度を測定する。
【0044】
工作機械のレベル監視装置2は、大別して入力部10と、処理部32と、出力部14と、から構成されている。処理部32は、工作機械100毎に警告すべき水平度の閾値を記憶する水平度閾値メモリ34と、水準計108で測定された水平度と閾値を比較する比較部36と、を備えている。処理部32は、コンピュータのCPU及びメモリで構成することができる。
【0045】
工作機械のレベル監視装置2は、複数の工作機械100からの水準計108で測定された水平度を取得する。水準計108で測定された水平度は、入力部10から入力することができる。また、この水準計108で測定される水平度を、A/D変換器30においてデジタル信号に変換し、入力しても良い。水平度の入力タイミングは、別途工作機械100の品質チェック信号等を入力し、これをきっかけとして水準計108から測定値を取得しても良い。
【0046】
水平度閾値メモリ34は、工作機械100毎に警告すべき水平度の閾値を記憶している。この水平度の閾値は、ユーザが任意に設定でき、例えば水平度の変化が加工ワークの品質に影響を与えるような限界値に設定することができる。また、工作機械100毎又は工作機械100の所定位置に設置された水準計108毎に要求される水平度は異なると考えられるので、工作機械100毎、水準計108毎に閾値を変えても好適である。
【0047】
比較部36は、水準計108で測定された水平度と水平度閾値メモリ34に記憶されている閾値とを比較する。比較部36は、水準計108で測定された水平度が閾値を超えている場合には、出力部14により、レベリングの警告を行う。これにより、水平度の経時変化を検出することができ、レベリングの警告を行うことができる。
【0048】
警告された工作機械100に対しては、入力部10に、工作機械の種別、水準計108で測定された水平度等を入力し、調整量算出部24により、レベリングボルト104の調整量を算出し、出力部14に調整量を出力する。これにより、水平度の経時変化に対してレベリングボルト104の調整量を容易に算出することができる。
【0049】
次に、本実施形態の工作機械のレベル監視方法の流れについて説明する。図6は、本実施形態の工作機械のレベル監視方法のフローチャートである。
【0050】
図6に示すように、工作機械100の水準計108は、工作機械100の水平度を継続的に測定する(S30)。水準計108で測定された水平度が工作機械のレベル監視装置2(比較部36)に入力される(S32)。比較部36は、水準計108の水平度と水平度閾値メモリ34に記憶された閾値を比較する(S34)。比較部36は、水平度が閾値を超えている場合に(S34でYES)、出力部14からレベリングを警告する(S36)。警告された工作機械100に対しては、入力部10に、工作機械の種別、水準計108で測定されている水平度を入力し、レベリングボルト104の調整量を算出し、レベル出しを行う(S38)。
【0051】
これにより、工作機械100の水平度の経時変化を継続的に監視することができ、水平度が変化した場合には、水平にするためのレベリングボルト104の調整量を容易に得ることができる。
【0052】
実施形態3
次に、工作機械群のレベル監視方法について説明する。本実施形態では、複数の工作機械が設置された、工場等の所定の監視領域内における工作機械群の効率的なレベル監視方法を提供する。これら総ての工作機械100について水準計108を設置し、例えば、実施形態2のレベル監視方法により水平度の経時変化を継続的に監視するのはコストがかかる。ここで、工作機械100の水平度の変化に影響を及ぼす要因として、工作機械100の振動や熱等による工作機械単体の単体水平度変化と、工作機械100が設置された地盤の隆起や沈下による地盤水平度変化と、が考えられる。これら要因の内、単体水平度変化は、工作機械の疲労試験などによって予測することができる。従って、本実施形態では、所定の工作機械について水平度を測定し、その水平度から単体水平度変化に基づいて地盤変化を検出し、地盤変化領域に設置された周辺の他の工作機械のレベリングを警告する。
【0053】
図7は、本実施形態の対象となる監視領域内の工作機械群を示す図である。図7に示すように、例えば、監視領域となる1つの工場内には、多数の工作機械100が備えられる。本実施形態においては、その中から予めサンプリングされた所定の工作機械110に水準計108が設けられる。サンプリングされなかった工作機械112には、水準計108は設けられない。このサンプリングされた所定の工作機械110の水準計108が、工作機械110の水平度を継続的に測定する。水準計108は、工作機械100のX方向、Y方向の水平度を測定する。図7において、サンプリングされた所定の工作機械110は、ハッチングが施され、符号A,B,C・・・は、工作機械100の機種を示している。
【0054】
図8は、本実施形態の工作機械群のレベル監視方法に用いられる工作機械群のレベル監視装置3の構成ブロック図である。図8に示すように、工作機械群のレベル監視装置3は、大別して入力部40と、処理部42と、出力部44と、で構成されている。処理部42は、コンピュータのCPU及びメモリで構成することができる。
【0055】
入力部40は、所定の工作機械110の水準計108で測定された水平度を入力する。なお、所定の工作機械110の水準計108で測定された水平度をA/D変換器30を介してデジタル信号に変換し、自動的に入力する様にしても良い。
【0056】
処理部42は、時間と工作機械単体の水平度の変化の関係を示す単体水平度変化情報を記憶する単体水平度変化情報メモリ46と、監視領域内の複数の工作機械の設置場所を示す設置マップを記憶する設置マップメモリ48と、単体水平度変化情報に基づいて、測定された水平度から地盤変化を検出する検出部50と、設置マップに基づいて、地盤変化マップを作成するマップ作成部52と、を備えている。
【0057】
単体水平度変化情報メモリ46は、時間と工作機械単体の水平度の変化の関係を示す単体水平度変化情報を記憶している。図9は、単体水平度変化情報の例を示す図である。図9に示すように、メモリ46は、工作機械100毎(若しくは工作機械の機種毎)、水準計108毎に、時間と水準計のX方向、Y方向の水平度の変化の関係を示す単体水平度変化情報を記憶している。この単体水平度変化情報は、疲労試験等によって求めることができ、工作機械100が設置された地盤変化の影響を受けない工作機械100単体の振動や熱による水平度の変化を表している。設置マップメモリ48は、監視領域内の工作機械100の設置場所を示す情報を記憶している。設置マップメモリ48は、例えば、図7に示すような設置マップを記憶している。
【0058】
検出部50は、水準計108で測定された水平度が入力されると、単体水平度変化情報メモリ46に記憶した単体水平度変化情報を呼び出し、単体水平度情報と入力された水平度から地盤変化による水平度の変化を検出する。図10は、地盤変化による水平度の検出の概念を示す図である。例えば、工作機械110の種類(機械)Aの水準計108の水平度が50μmであり、図9に示すように、測定時期の単体水平度変化情報が20μmである場合、地盤変化による水平度の変化は30μmとなる。このようにして、検出部50は、単体水平度変化情報と水準計108の水平度に基づいて、地盤変化による水平度の変化を検出する。このようにして、図10に示す地盤変化による水平度が検出される。検出部50は、この地盤変化による水平度の変化が所定以上になった場合に、地盤変化を検出したとして、レベリングを警告する。
【0059】
マップ作成部52は、検出部50の検出結果、すなわち地盤変化の水平度の変化から地盤変化を表す地盤変化マップを作成する。この地盤変化マップは、地盤変化領域、警告すべき他の工作機械112が識別可能にマーキングされ、レベリングの警告に利用することができる。
【0060】
地盤変化マップは、設置マップメモリ48に記憶されている設置マップに検出部50の結果を重畳させることにより作成することができ、検出部50の検出毎に更新される。図11は、地盤変化マップの概念図である。図11に示すように、この地盤変化マップは、地盤変化による水平度の変化に基づいて、地盤変化が起こっている領域がマーキングされる。この地盤変化領域は、地盤変化による水平度の変化量等によって推定することができる。図11では、領域114が地盤変化領域を示している。そして、検出部50により、所定以上の地盤変化による水平度の変化を検出した場合には、地盤変化領域内の他の工作機械112にレベリング警告対象として識別可能なマークを付ける。図11では、太線で示した他の工作機械112がレベリング警告の工作機械である。
【0061】
出力部44は、表示装置又はプリンタで構成することができる。出力部44は、検出部50が所定以上の地盤変化による水平度の変化を検出した場合に、他の工作機械112、すなわち地盤変化領域内の他の工作機械112にレベリングの警告を行う。この警告は、出力部44が例えば表示装置で構成されている場合には、マップ作成部52で作成された地盤変化マップを表示する。この地盤変化マップには、地盤変化領域、警告すべき工作機械112に対して識別可能なマークが付けられているので、他の工作機械112のレベリングの警告を行うことができる。これにより、1つの工場において、総ての工作機械100の水平度の経時変化を監視しなくても、効率的に工作機械100の水平度の監視を行うことができる。
【0062】
なお、警告された他の工作機械112については、警告後、実施形態1で説明した工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1を用いて、レベリングボルトの調整量を算出することが好適である。
【0063】
次に、本実施形態の工作機械群のレベル監視方法の流れについて説明する。図12は、本実施形態の工作機械群のレベル監視方法のフローチャートである。
【0064】
図12に示すように、所定の工作機械112について、水準計108により水平度が継続的に測定され(S40)、測定された水平度は工作機械群のレベル監視装置3に入力される(S42)。検出部50は、単体水平度情報と水準計108の水平度から地盤変化による水平度の変化を検出する(S44)。マップ作成部52は、検出部50の検出結果、すなわち地盤変化の水平度の変化から地盤変化を表す地盤変化マップを作成する(S46)。この地盤変化マップは、検出部50の検出毎に更新される。出力部44は、検出部50が所定以上の地盤変化による水平度の変化を検出した場合に(S48でYES)、地盤変化マップを表示し、他の工作機械112にレベリングの警告を行う(S50)。警告された工作機械112については、実施形態1の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置1を用いて、レベル出しを行う(S52)。
【0065】
なお、実施形態1〜3においては、研削、切削等の工作機械、工作機械群を例に取り説明したが、本発明の範囲内で工作機械以外のレベル出しが必要な設備、設備群に適用しても好適である。例えば、設備には、塗装装置等が含まれる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、準計で測定された現状の水平度から対応するレベリングボルトの調整量を容易に算出することができる。
【0067】
また、本発明によれば、工作機械の稼働後、工作機械の水平度を監視してレベリングの警告をすることができ、長期に亘り工作機械の精度を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の対象となる工作機械の外観を示す図である。
【図2】実施形態の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置の構成ブロック図である。
【図3】関数の例を示す図である。
【図4】実施形態の据え付け作業のフローチャートである。
【図5】実施形態のレベル監視方法に用いられる工作機械のレベル監視装置2の構成ブロック図である。
【図6】実施形態の工作機械のレベル監視方法のフローチャートである。
【図7】実施形態の対象となる監視領域内の工作機械群を示す図である。
【図8】実施形態の工作機械群のレベル監視方法に用いられる工作機械群のレベル監視装置3の構成ブロック図である。
【図9】単体水平度変化情報の例を示す図である。
【図10】地盤変化検出の概念を示す図である。
【図11】地盤変化マップの概念図である。
【図12】実施形態の工作機械群のレベル監視方法のフローチャートである。
【図13】工作機械の据え付けを説明する図である。
【符号の説明】
1 レベリングボルト調整量算出装置、2 工作機械のレベル監視装置、3 工作機械群のレベル監視装置、10 入力部、12 処理部、14 出力部、16 機種入力部、18 水平度入力部、20 補助入力部、22 関数記憶部、24 調整量算出部、30 A/D変換器、32 処理部、34 水平度閾値メモリ、36 比較部、40 入力部、42 処理部、44 出力部、46 単体水平度変化情報メモリ、48 設置マップメモリ、50 検出部、52 マップ作成部、100 工作機械、102 ベッド、104 レベリングボルト、106 基礎穴、108 水準計。
Claims (4)
- 工作機械毎に定められた位置に設けられた水準計により、少なくとも2軸方向の水平度を測定し、定められた位置に設けられたレベリングボルトを調整して、設備設置区域内でのレベル出しを行う設備据え付けのために用いられる工作機械のレベリングボルト調整量算出装置であって、
工作機械毎に、所定位置の水準計で測定される少なくとも2軸方向の水平度とこの水平度から当該工作機械を水平にするためのレベリングボルトの調整量との相関関係を示す関数を記憶する手段と、
工作機械に対応する関数に基づいて、工作機械に設けられた水準計により測定された水平度からレベリングボルトの調整量を算出する手段と、
を備えることを特徴とする工作機械のレベリングボルト調整量算出装置。 - 工作機械に備えられた水準計により、工作機械の少なくとも2軸方向の水平度を測定するステップと、
測定された水平度が所定以上になった場合に、工作機械のレベリングを警告するステップと、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のレべリングボルト調整量算出装置を用いた工作機械のレベル監視方法。 - 監視領域内に複数の工作機械が備えられ、監視領域内の所定の工作機械の水平度に基づいて、他の工作機械にレベリングを警告する複数の工作機械群のレベル監視方法であって、
監視領域内の工作機械群から予めサンプリングされた所定の工作機械に備えられた水準計により、工作機械の少なくとも2軸方向の水平度を測定するステップと、
時間と工作機械単体の水平度の変化の関係を示す単体水平度変化情報に基づいて、測定された水平度から地盤変化を検出するステップと、
地盤変化が検出された場合に、監視領域内の複数の工作機械の設置場所に基づいて、所定の工作機械の周辺の他の工作機械にレベリングを警告するステップと、
を備えることを特徴とする工作機械群のレベル監視方法。 - 請求項3に記載の工作機械群のレベル監視方法であって、
前記工作機械は、工作機械のベッドを螺合固定するレベリングボルトによりレベル出しがされており、
警告するステップによる警告後、請求項1に記載の工作機械のレベリングボルト調整量算出装置を用いて、レベリングボルトの調整量を算出するステップを備えることを特徴とする工作機械群のレベル監視方法。
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