JP2004344981A - 枚葉プレス式艶出し加工機 - Google Patents

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安宏 広瀬
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Abstract

【課題】 シートの厚さにかかわらず艶出し加工後にシートがロールに巻き付くことがなく、さらに、前後の装置とのシートの受け渡しが安定し、他の印刷装置やニスコーティング装置と共に複機能機の一部として使用可能な枚葉プレス式艶出し加工機を提供する。
【解決手段】 周面が鏡面加工された熱鏡面ロール1と、シートを熱鏡面ロール1に押さえ付ける圧胴2とを備えている。熱鏡面ロール1には切欠きが設けられておらず、圧胴2に切欠き6が設けられて、この切欠き6に、シートを保持して所定方向に所定距離だけ移動させるシート保持手段としてのグリッパ8が設けられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、シートの表面すなわちコーティング面の艶出し加工を行う枚葉プレス式艶出し加工機に関する。なお、シートは紙、プラスチック等材質は問わず枚葉状の被コーティング物すべてを含むものとする。
プレス式艶出し加工機は、例えば、コーティングが終了した被コーティング物の表面を鏡面加工して被コーティング物の表面に光沢を出すために使用される。従来、この種のプレス式艶出し加工機としては、熱鏡面ロールと圧ゴムロールとを備え、熱鏡面ロールと圧ゴムロールとの間にコーティングが終了した被コーティング物を通過させ、熱鏡面ロールにより被コーティング物を押さえ付け、被コーティング物の表面を艶出しするものが知られている。
なお、特許文献1には、枚葉紙がエンドレスベルトと加圧ロールとの間を通過することで加熱されると同時に加圧され、エンドレスベルトの鏡面により艶出し処理されるものが開示されており、特許文献2には、熱ロールおよび圧胴のそれぞれに切欠きが設けられており、各切欠きにシートを保持するグリッパが設けられて、両者間にシートを通すようになされたものが開示されている。
特開平5−44191号公報 特開昭49−112939号公報
上記従来の熱鏡面ロールと圧ゴムロールとを備えているプレス式艶出し加工機では、被コーティング物がシートの場合、艶出し加工後にロールに巻き付くため、ロールから剥離する厚いシートしか加工することができず、一般にコーティングに用いられる薄いシートの艶出し加工に使用することができないという問題がある。
また、上記の艶出し加工機では、前後の装置とのシートの受け渡しが安定していないため、給紙装置および排紙装置を備えた単機能機として使用されていることがほとんどである。
この発明の目的は、シートの厚さにかかわらず艶出し加工後にシートがロールに巻き付くことがなく、さらに、前後の装置とのシートの受け渡しが安定し、他の印刷装置やニスコーティング装置と共に複機能機の一部として使用可能な枚葉プレス式艶出し加工機を提供することにある。
この発明による枚葉プレス式艶出し加工機は、シートをプレスして艶出し加工を行う枚葉プレス式艶出し加工機であって、周面が鏡面加工された熱鏡面ロールと、シートを熱鏡面ロールに押さえ付ける圧胴とを備え、熱鏡面ロールには切欠きが設けられておらず、圧胴に切欠きが設けられて、この切欠きに、シートを保持して所定方向に所定距離だけ移動させるシート保持手段が設けられていることを特徴とするものである。
圧胴の切欠きの一端部にブランケット巻棒が設けられて、一端が巻棒に巻き付けられたブランケットが圧胴周面に張られており、シート保持手段は、グリッパとされて、圧胴の切欠きの他端部に設けられていることが好ましい。そうすれば、装置を安価にすることができる。
シート保持手段がグリッパである枚葉プレス式艶出し加工機は、単機能機として、印刷装置やコーティング装置と分離して設置されてもよいが、給紙のためのスインググリッパおよび排紙のための排紙グリッパをさらに有している構成とし、ニスコーティング装置に連続して設けられていることが好ましい。すなわち、従来の枚葉プレス式艶出し加工機は、シート保持手段としてのグリッパを有していないため、単機能機として使用されていたが、この発明のように、枚葉プレス式艶出し加工機のシート保持手段をグリッパとするとともに、同加工機を従来からシート保持手段としてのグリッパを有しているニスコーティング装置に連続して設けることで、艶出しを含むコーティングを一貫して行うことができ、ライン長を短縮することができるとともに、効率のよい艶出し加工を行うことができる。
熱鏡面ロールは、通常、金属製とされるが、これに代えて、透明な硝子製であり、紫外線照射ランプを内蔵しているようにしてもよい。このようにすると、シートの乾燥処理と艶出し加工を同時に行うことができ、ライン長を短縮することができる。
この発明の枚葉プレス式艶出し加工機によると、艶出し加工時、シート保持手段によりシートが保持され所定方向に所定距離だけ移動させられるため、シートの厚さにかかわらず、シートがロールに巻き付くことがなく、一般にコーティングに用いられる薄いシートについても艶出し加工を行うことができ、さらに、前後の装置とのシートの受け渡しが安定し、他の印刷装置やニスコーティング装置と共に複機能機の一部として使用できる。また、熱鏡面ロールには切欠きが設けられておらず、圧胴に切欠きが設けられているので、熱鏡面ロールの加熱による変形が防止される。
以下図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1の実施形態の枚葉プレス式艶出し加工機の左側面図を示している。なお、以下の説明において、図1の右側を前、左側を後とし、同図を前すなわち図1の右側から見た時の左右を左右とする。
枚葉プレス式艶出し加工機は、周面が鏡面加工された金属製の熱鏡面ロール(1) と、熱鏡面ロール(1) に接触し、コーティングが終了したシートを熱鏡面ロール(1) に押さえ付ける圧胴(2) とを備えた艶出し加工機本体(3) 、艶出し加工機本体(3) にシートを供給する給紙装置、および艶出し加工が終了したシートを送り出す排紙装置とから構成されている。図1には、艶出し加工機本体(3) 、給紙装置のスインググリッパ(4) および排紙装置の送り胴(5) が図示されている。
圧胴(2) には切欠き(6) が形成されていると共に、切欠き(6) を除く圧胴(2) の周面長が艶出し加工されるシート長と同じもしくは長くなるようになっている。圧胴(2) の切欠き(6) の一端部にはブランケット巻棒(7) が設けられ、一端が巻棒(7) に巻き付けられたゴム製のブランケットが圧胴(2) 周面に張られている。切欠き(6) の他端部には圧胴(2) に供給されたシートを保持する圧胴グリッパ(8) が設けられている。
送り胴(5) には、二個の切欠き(9)(10) が設けられ、各切欠き(9)(10) にそれぞれブランケット巻棒(11)および排紙グリッパ(12)が設けられ、一端が巻棒(11)に巻き付けられたゴム製のブランケットが送り胴(5) 周面に張られている。
そして、艶出し加工時、圧胴(2) は図1の反時計方向に、熱鏡面ロール(1) および送り胴(5) は図1の時計方向にそれぞれ同一周速で回転し、給紙装置のスインググリッパ(4) から表面すなわちコーティング面を上側にして供給されたシートが圧胴グリッパ(8) に渡されて保持される。圧胴グリッパ(8) に保持されたシートは圧胴(2) の回転にともない熱鏡面ロール(1) 方向に移動し、熱鏡面ロール(1) と圧胴(2) との接触部を通過し、圧胴(2) により、シートのコーティング面が熱鏡面ロール(1) に押さえ付けられてコーティング面に艶出し加工が行われる。
艶出し加工の終了したシートは、圧胴グリッパ(8) に保持されたまま回転し、熱鏡面ロール(1) 周面から剥離された後、圧胴グリッパ(8) から送り胴(5) の排紙グリッパ(12)に渡され、加工機本体(3) から排紙されて紙置き台に載置される。
次に第2の実施形態の枚葉プレス式艶出し加工機について図2を参照して説明する。なお、図1に示されているものと同一物および同一部分には同一符号を付して説明を省略する。枚葉プレス式艶出し加工機は艶出し加工機本体(13)、給紙装置、および排紙装置から構成されている。図2には、艶出し加工機本体(13)、給紙装置のスインググリッパ(4) および排紙装置の送り胴(5) が図示されている。艶出し加工機本体(13)は熱鏡面ロール(1) および熱鏡面ロール(1) の前後に熱鏡面ロール(1) に接触して設けられた第一圧胴(14)および第二圧胴(15)から構成されている。圧胴(14)(15)にはそれぞれ切欠(16)(17)が形成され、切欠(16)(17)を除く圧胴(14)(15)の周面長が艶出し加工されるシート長と同じもしくは長くなるようになっている。両圧胴(14)(15)の切欠(16)(17)の一端部にはそれぞれブランケット巻棒(18)(19)が設けられ、一端が巻棒(18)(19)に巻き付けられたゴム製のブランケットが両圧胴(14)(15)周面に張られている。
第二圧胴(15)の後方に第二圧胴(15)に接触して送り胴(5) が設けられている。両圧胴(14)(15)の左右端面の近傍にそれぞれ両圧胴(14)(15)と同軸上に両圧胴(14)(15)の外径と同一のピッチ径を有するスプロケット(図示略)が設けられている。両圧胴(14)(15)および熱鏡面ロール(1) の左右に設けられたガイド(21)により圧胴(14)(15)および熱鏡面ロール(1) の周面近傍を通過するように支持された左右の無端チェーン(22)が各スプロケットに噛み合され、両チェーン(22)は圧胴(14)(15)の回転にともない圧胴(14)(15)の周速と同一速度で回転する。両チェーン(22)間に圧胴(14)(15)の周面長さと同一間隔で複数個の部材(図示略)が設けられ、各部材に複数個のチェーングリッパ(24)が設けられている。
そして、上記の第2の実施形態の枚葉プレス式艶出し加工機において艶出し加工を行う場合、圧胴(14)(15)は図2の反時計方向に、熱鏡面ロール(1) および送り胴(5) は図2の時計方向にそれぞれ同一周速で回転し、第1の実施形態の艶出し加工機と同様、給紙装置のスインググリッパ(4) から表面すなわちコーティング面を上側にして供給されたシートが、切欠(16)に位置したチェーングリッパ(24)に渡されて保持される。チェーングリッパ(24)に保持されたシートは圧胴(14)の回転にともない熱鏡面ロール(1) 方向に移動し、熱鏡面ロール(1) と圧胴(14)との接触部を通過し、圧胴(14)により、シートのコーティング面が熱鏡面ロール(1) に押さえ付けられてコーティング面に艶出し加工が行われる。
艶出し加工の行われたシートは、チェーングリッパ(24)に保持されたまま熱鏡面ロール(1) の外周面に巻き付いた状態で第二圧胴(15)方向へ移動する。そして、グリッパ(24)は切欠(17)に位置し、シートが熱鏡面ロール(1) と第二圧胴(15)との間を通過し、再度、コーティング面に艶出し加工が行われる。艶出し加工が終了したシートはチェーングリッパ(24)に保持されたまま熱鏡面ロール(1) から剥離された後、チェーングリッパ(24)から送り胴(5) の排紙グリッパ(12)に渡され、艶出し加工機本体(13)から排紙されて紙置き台に載置される。
上記の第2の実施形態においても第1の実施形態と同様、シートが熱鏡面ロール(1) に巻き付くことがなく、さらに、二度の艶出し加工が行われるためよりよい光沢が得られるとともに、シートの熱鏡面ロール(1) からの剥離が確実になる。
上記の図1および図2に示した例は、いずれも圧胴(2)(14)(15) に切欠(6)(16)(17) が一つ形成されたものであるが、複数個の切欠が形成され、各切欠間の距離がシート長と同じもしくはシート長より長い圧胴を用いてもよい。
なお、上記の実施形態はいずれも本発明の枚葉プレス式艶出し加工機を単機能機として用いたものを示しているが、本発明の枚葉プレス式艶出し加工機は他の印刷装置等と共に用いることができる。以下、本発明の枚葉プレス式艶出し加工機を他の印刷装置等と共に用いた例について図3および図4を参照して説明する。
まず、図3は本発明の枚葉プレス式艶出し加工機を用いた第1の応用例を示したものであり、給紙装置(25)、紫外線硬化性インキを用いたオフセット印刷機(26)、紫外線乾燥機(27)、紫外線硬化性ニスまたは水性ニスコーティング装置(28)、乾燥機(29)、上記の艶出し加工機本体(13)、送り胴(5) 、紫外線硬化性ニスまたは水性ニスコーティング装置(30)、乾燥機(31)および排紙装置(32)から構成されている。
上記の応用例においては、給紙装置(25)から供給されたシートの印刷、乾燥がオフセット印刷機(26)および乾燥機(27)により行われ、乾燥の終了したシートのニスコーティング、乾燥が、ニスコーティング装置(28)および乾燥機(29)により行われ、一連の工程の終了したシートが艶出し加工機本体(13)に確実に供給され、さらに、艶出し加工が終了したシートを送り胴(5) により加工機本体(13)から確実に排紙し、ニスコーティング装置(30)に確実に渡すことができ、印刷、ニスコーティング、乾燥および艶出し加工等を連続して行うことができ、シートの加工を経済的かつ高速に行える。
また、特公平6−24830号には、紫外線等を照射する照射手段を内部に装着した透明なロールにより、シートに塗布された紫外線硬化性樹脂等を硬化して加工する方法が記載されているが、図4は熱鏡面ロールに上記のものを応用した例を示し、図4の場合は給紙装置(25)、紫外線硬化性ニスコーティング装置(33)、艶出し加工機本体(34)および排紙装置(35)から構成されている。艶出し加工機本体(34)は通常の金属製の熱鏡面ロールに代えて透明な硝子製の熱鏡面ロール(36)を備え、熱鏡面ロール(36)は紫外線照射ランプ(37)を内蔵している。そして、ニスコーティング装置(33)により紫外線硬化性ニスが塗布されたシートの乾燥処理と艶出し加工を、加工機本体(34)により同時に行うことができ、ライン長を短縮することができる。
なお、本発明の枚葉プレス式艶出し加工機を用いた応用例は図3および図4に示したものに限られるものではなく、グラビア印刷機等と任意の組み合わせで用いることができる。また、グリッパによりシートが保持されるため見当合せ機能を持たせることができ、部分加工を行う際にも使用できる。
この発明の第1の実施形態を示す枚葉プレス式艶出し加工機の左側面図である。 この発明の第2の実施形態を示す枚葉プレス式艶出し加工機の左側面図である。 この発明の枚葉プレス式艶出し加工機を用いた応用例を示す左側面図である。 この発明の枚葉プレス式艶出し加工機を用いた他の応用例を示す左側面図である。
符号の説明
1 熱鏡面ロール
2 圧胴
4 スインググリッパ
6 切欠き
7 ブランケット巻棒
8 グリッパ
12 排紙グリッパ
14 第一圧胴
15 第二圧胴
16 切欠
17 切欠
28,30,33 ニスコーティング装置
36 硝子製熱鏡面ロール
37 紫外線照射ランプ

Claims (4)

  1. シートをプレスして艶出し加工を行う枚葉プレス式艶出し加工機であって、周面が鏡面加工された熱鏡面ロールと、シートを熱鏡面ロールに押さえ付ける圧胴とを備え、熱鏡面ロールには切欠きが設けられておらず、圧胴に切欠きが設けられて、この切欠きに、シートを保持して所定方向に所定距離だけ移動させるシート保持手段が設けられていることを特徴とする枚葉プレス式艶出し加工機。
  2. 圧胴の切欠きの一端部にブランケット巻棒が設けられて、一端が巻棒に巻き付けられたブランケットが圧胴周面に張られており、シート保持手段は、グリッパとされて、圧胴の切欠きの他端部に設けられている請求項1の枚葉プレス式艶出し加工機。
  3. 給紙のためのスインググリッパおよび排紙のための排紙グリッパをさらに有しており、ニスコーティング装置に連続して設けられている請求項1または2の枚葉プレス式艶出し加工機。
  4. 熱鏡面ロールは、透明な硝子製であり、紫外線照射ランプを内蔵している請求項1から3までのいずれかの枚葉プレス式艶出し加工機。
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