JP2004344563A - 抑制介護服 - Google Patents

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Tei Fukutomi
悌 福富
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Fukutomi Health Science & Serv
Fukutomi Healthscience and Service Co
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Fukutomi Health Science & Serv
Fukutomi Healthscience and Service Co
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Abstract

【課題】痴呆症患者などの被介護者の上肢と下肢の動きを抑制して徘徊や不測の動きを回避させながら被介護者に与える不都合の少ない介護服を提供すること。
【解決手段】抑制介護服60は、着用する被介護者の上肢と下肢の動きを抑制する介護服であって、長袖11の上着部分10と長ズボン部分30とからなり、前記上着部分10は長袖11の内側を身頃12の胴側部近傍に取着させて上肢の動きを抑制する取着手段20が形成され、前記長ズボン部分30は両脚部31、32の内側同士を取着させて下肢の動きを抑制する取着手段40が形成されてなる。該発明の取着手段20、40は、ファスナーとしても良い。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、介護服に関し、詳細には、上肢と下肢の動きを抑制して、痴呆症患者などの徘徊や不測の動きを回避させることができる介護服に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、高齢化と相まってアルツハイマー病などによる痴呆症患者が増加傾向にある。痴呆症患者は、徘徊癖があったり、あるいは点滴に用いるカニューレなどを勝手に取り外してしまうなどの不測の動きをすることが多い。そのため、介護者は痴呆症患者から目を離せない状況にあり、介護者にとって痴呆症患者の介護は負担が大きく、十分な人数の介護者を確保できない現状においては痴呆症患者の介護は重大な問題である。
【0003】
このような事情下、従来より痴呆症患者の徘徊や不測の動きに対応するための様々な方策が講じられている。例えば、痴呆症患者の衣服に磁気マーカ素子を備えさせ、痴呆症患者を監視する徘徊患者用衣服がある(特許文献1参照)。また、痴呆症患者の手足をロープや紐などでベッドに縛り付け固定して動けないようにすることが行われることがある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−4118号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように痴呆症患者を監視する方策は、介護施設などで24時間の監視体制が必要となる。また、家庭内で家族が介護する場合、介護者が家を空けることもあり、この場合には痴呆症患者を監視する方策は意味がなく、痴呆症患者が徘徊しないようにその動きを抑制することが必要となる。他方、痴呆症患者をベッドにロープや紐などで縛り付けて固定する場合、固定が緩いと痴呆症患者の動きを抑制できず、強く固定すると痴呆症患者に与える拘束感が強いばかりか血行障害を招くこともあり、また、固定する作業は繁雑かつ面倒で時間がかかる作業であった。
【0006】
本発明は、上記事情に基づきなされたものであり、痴呆症患者などの被介護者の上肢と下肢の動きを抑制して徘徊や不測の動きを回避させながら被介護者に与える不都合の少ない介護服を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために検討を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、着用する被介護者の上肢と下肢の動きを抑制する介護服であって、長袖の上着部分と長ズボン部分とからなり、前記上着部分は長袖の内側を身頃の胴側部近傍に取着させて上肢の動きを抑制する取着手段が形成され、前記長ズボン部分は両脚部の内側同士を取着させて下肢の動きを抑制する取着手段が形成されてなることを特徴とする抑制介護服を要旨とする。
【0008】
上記構成の発明により、被介護者の上肢と下肢の動きを抑制しながら、所定範囲内で上肢と下肢の動きに自由度を与えることが可能となる。
【0009】
上記の発明において、取着手段は、ファスナーとしても良い。これにより、被介護者の上肢と下肢の動きの抑制と抑制の解除を簡単に容易に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照しながら、実施の形態により詳細に説明する。
本実施形態の抑制介護服60は、図1と図2に示すように、長袖11の上着部分10と長ズボン部分30とが繋がって構成されている。上着部分10の後身頃には、着衣と脱衣のためのボタン13が取り付けられている。上着部分10は、各々の長袖11の内側と身頃12の胴側部近傍に取着手段に相当するファスナー20が形成されている。すなわち、長袖11の内側には、ファスナー20の一方のエレメント21が取り付けられたテープ22が縫着されている。また、身頃12の胴側部近傍には、ファスナー20の他方のエレメント26が取り付けられたテープ27が縫着されている。長袖11の内側に取り付けられたエレメント21の上端と身頃12の胴側部近傍に取り付けられたエレメント26の上端には、スライダ29ーが嵌められており、スライダー29を下げればファスナー20を閉状態にできるようになっている。
【0011】
長ズボン部分30の両脚部31、32の各内側には、取着手段に相当するファスナー40が形成されている。すなわち、一方の脚部31の内側には、ファスナー40の一方のエレメント41が取り付けられたテープ42が縫着されている。
また、他方の脚部32の内側には、フスナー40の他方のエレメント46が取り付けられたテープ47が縫着されている。両脚部31、32の内側に取り付けられたエレメント41、46の上端には、スライダー49が嵌められており、スライダー49を下げればファスナー40を閉状態にできるようになっている。
【0012】
また、長袖11には、図3に示すように、点滴でカニューレを導入したり静脈注射ができるように静脈確保用口部50が形成されている。静脈確保用口部50は、長袖11の所定位置に形成される矩形状の切り抜き部51と、基端側のみが縫着され開閉自在な蓋52とから形成され、使用しない場合は面ファスナ53ーにより切り抜き部51を閉蓋できるようになっている。また、筋肉注射ができるように注射用口部55が形成されている。注射用口部55は、止ファスナー56で開閉自在となっている。
【0013】
次いで、上記のように構成される本実施形態の抑制介護服60の使用方法について説明する。介護者を介護できる場合には、図1に示すようにファスナー20、40を開状態にしておくことで、介護者の監視下、被介護者は自由に動くことができる。他方、点滴などが行われる場合は、少なくとも上着部分のファスナー20を閉状態とすることで、被介護者の上肢の動きを抑制できるので、被介護者は手でカニューレなどを取り外すことができない。ファスナー20を閉じる場合は、ファスナー20のスライダー29を引き下げることで行うことができるので、簡単で容易かつ短時間に被介護者の動きを抑制できる。また、被介護者の動きの抑制を解除する場合は、ファスナー20を開くことで容易に行うことができる。
【0014】
また、夜間とか介護者が不在となり被介護者を監視できない場合は、上着部分10と長ズボン部分30のファスナー20、40を閉じることにより、被介護者の徘徊を回避させることができる。長ズボン部分30のファスナー40を閉じる場合は、スライダー49を引き下げることで行うことができる。この抑制介護服60は、図2に示すようにファスナー20、40を閉じることで、上肢と下肢の動きを抑制できるが、長袖11内で上肢を動かすことができるという所定範囲内での自由度があり、また、長ズボン部分30内で下肢を動かすことができるという所定範囲内での自由度があるので、被介護者をロープや紐などでベッドに縛り付ける場合に与えるような拘束感が少なく、また血行障害などが生じることもない。また、抑制介護服60の素材によっては、ある程度の伸縮性があるので、その点でも上肢と下肢の動きの自由度がある。さらに、ファスナー20、40の閉じ具合を自在に調整することで上肢と下肢の動きの自由度を確保することも可能となる。
【0015】
本発明は、その技術的範囲に包含される限り、種々形態を変更して具体化できるので、以下に例示する。
(1)ファスナーは、開閉の容易性から本実施形態のように各エレメントの上端にスラーダーを嵌める構成が好ましいが、エレメントの下端に箱を設け、該箱に蝶棒を挿入してファスナーを開閉させる構成としても良い。
(2)取着手段は、ファスナーに限定されず、例えば雌雄の面ファスナーを用いることもできる。
(2)抑制介護服は、上着部分と長ズボン部分が一体となったいわゆるつなぎに限定されず、上着部分と長ズボン部分が別体でも良い。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されるため、以下の効果を奏する。
本発明によれば、被介護者の上肢と下肢の動きを抑制できるので、徘徊や点滴の際にカニューレなどを手で取り外してしまうなどの不測の動きを回避させることができる。また、被介護者の上肢と下肢の動きを抑制しながら、所定範囲内で上肢と下肢の動きの自由度が与えられるので、被介護者をロープや紐でベッドに縛り付けて固定する場合に比べ、被介護者に与える拘束感が少なく血行障害などを招くこともない。
さらに、被介護者の上肢と下肢の動きの抑制と抑制の解除を簡単かつ容易に行うことができるので、介護者が足りず十分に介護できない場合やその反対に十分に介護できる場合など介護状況に応じて被介護者の動きの抑制と抑制の解除を頻回に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の抑制介護服における長袖の内側と身頃の胴側部近傍間及び両脚部間を各々取着しない状態の平面図である。
【図2】本実施形態の抑制介護服における長袖の内側と身頃の胴側部近傍間及び両脚部間を各々取着した状態の平面図である。
【図3】本実施形態の抑制介護服の静脈確保用口部及び注射用口部が示す平面図である。
【符号の説明】
10 上着部分
11 長袖
20、40 ファスナー
21、26、41、46 エレメント
30 長ズボン部分
31、32 脚部
50 静脈確保用口部
55 注射用口部
60 抑制介護服

Claims (2)

  1. 着用する被介護者の上肢と下肢の動きを抑制する介護服であって、長袖の上着部分と長ズボン部分とからなり、前記上着部分は長袖の内側を身頃の胴側部近傍に取着させて上肢の動きを抑制する取着手段が形成され、前記長ズボン部分は両脚部の内側同士を取着させて下肢の動きを抑制する取着手段が形成されてなることを特徴とする抑制介護服。
  2. 取着手段は、ファスナーであることを特徴とする請求項1に記載の抑制介護服。
JP2003147494A 2003-05-26 2003-05-26 抑制介護服 Pending JP2004344563A (ja)

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