JP2004343339A - 水晶振動子 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で水晶振動子の温度変化により発生する周波数変化を抑制すること。
【解決手段】気密容器内にヒータ7とサーミスタ10を設け、サーミスタ10により水晶ブランク5が収容されている容器の温度が、所定温度以下になったときに、ヒータ7により容器本体2内の水晶ブランク5を加熱するようにしている。これにより、水晶ブランク5を外周囲温度が所定温度以下の時でも、その周波数温度特性がほぼフラットとなる所定温度以上の温度範囲において使用するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】気密容器内にヒータ7とサーミスタ10を設け、サーミスタ10により水晶ブランク5が収容されている容器の温度が、所定温度以下になったときに、ヒータ7により容器本体2内の水晶ブランク5を加熱するようにしている。これにより、水晶ブランク5を外周囲温度が所定温度以下の時でも、その周波数温度特性がほぼフラットとなる所定温度以上の温度範囲において使用するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面実装型の水晶振動子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種電子機器の周波数制御素子として水晶振動子が広く使用されている。そして、近年、プリント基板の表面に実装することができる表面実装型のものが主流になっている。
【0003】
ところで、水晶振動子は、周囲の温度変化に応じて、発振周波数が変化するため、高度な周波数安定度が要求される分野では、水晶振動子に温度補償回路を組み合わせた、いわゆる温度補償形水晶発振器(TCXO;Temperature Compensated Crystal Oscillator)として用いられている。
【0004】
温度補償形水晶発振器としては、例えば水晶振動子を含む発振ループ内の容量値を、水晶振動子の周波数温度特性を相殺するように変化させることにより、水晶振動子の温度補償を行うようにしたものが知られている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−270942号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような温度補償型水晶発振器は、発振ループ内の容量値を水晶振動子の周波数変化を相殺するように変化させる温度補償回路が必要になるため、コストがかかるという欠点があった。
また、水晶振動子単体に比べて形状が大きくなるという欠点もあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の水晶振動子は、容器本体と、蓋体と、所定温度以上で、温度変化に対する周波数変化が、ほぼ平坦になるような周波数温度特性を有し、容器本体と蓋体により形成される密閉空間内に収容される収容される水晶ブランクと、容器本体内に設けられ、水晶ブランクを加熱する加熱素子と、容器本体内に設けられ、水晶ブランクの温度検出を行う温度検出素子とを備えて構成するようにした。
【0008】
本発明によれば、容器本体内に水晶ブランクを加熱するための加熱素子と、水晶ブランクの温度を検出するための温度検出素子を設け、この温度検出素子により、水晶ブランクが所定温度以下のときに、水晶ブランクを加熱素子により加熱するようにしている。これにより、水晶ブランクの温度変化に対する周波数変化をほぼ平坦にすることで、水晶ブランクの温度変化に伴う周波数変化を抑制することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態としての表面実装型水晶振動子の構造を示した図であり、同図(a)には上面図、同図(b)には同図(a)に示す矢示A−A方向から見た側面図、同図(c)には外側底面図がそれぞれ示されている。なお、図1(a)においては蓋体の一部を破断して示されている。
【0010】
図1に示す表面実装型水晶振動子(以下、単に「水晶振動子」という)1は、容器本体2と蓋体3とからなる気密容器が設けられており、容器本体2と蓋体3とにより形成される密閉空間内に水晶ブランク5を収容して構成される。
この場合、水晶ブランク5は、後述するように、所定の温度以上でほぼ平坦な周波数温度特性を有するものを用いるようにしている。
【0011】
容器本体2は、例えばセラミックなどによって形成され、その形状は浅い箱形とされ、その内部に水晶ブランク5を収容できるように形成されている。
また容器本体2の上縁部には、蓋体3を接合するための接合面としてセラミックをメタライズ(金属化)したメタライズ面2aが形成されている。このようなメタライズ面2aの表面には、例えばニッケルメッキ(Ni)などが施されている。
【0012】
蓋体3は、コバールなどの金属部材、または、これらの金属部材にニッケル(Ni)メッキや、金(Au)メッキを施したクラッド材によって形成され、上記した容器本体2のメタライズ面2aにシーム溶接や、ろう付け等により接合可能とされる。
【0013】
容器本体2の内部底面には段部4が設けられており、その段部4の上面両側に水晶ブランク5の励振電極5aを接続するための引出電極4a,4bが、それぞれ形成されている。
これらの引出電極4a,4bには、導電性接着剤6などによって、水晶ブランク5の表面に取り付けられている励振電極5a,5aが接続される。これにより、水晶ブランク5が容器本体2に電気的に接続されると共に、水晶ブランク5が容器本体2に対して機械的に保持されることになる。
【0014】
そして、このような本実施の形態の水晶振動子1では、図1(b)に示すように、容器本体2の底面の内部に加熱素子としてヒータ7を設けると共に、その底面上に、温度検出用のサーミスタ10を設けるようにしている。
この場合、ヒータ7は、容器本体2の導電線路8,8を介して、図1(c)に示されているように、容器本体2の底面外側に設けられているヒータ電極端子9a,9bに接続される。
また、サーミスタ10は、容器本体2の底面側壁から導電線路11,11を介して、容器本体2の底面外側に設けられているサーミスタ電極端子9c,9dに接続される。
【0015】
水晶振動子1の底面外側には、上記したヒータ電極端子9a,9bとサーミスタ電極端子9c,9dと共に、水晶振動子用の電極端子9e,9f,9g,9hが設けられている。なお、これらの電極端子9a〜9hの配置位置や形状、端子本数などはあくまでも一例である。
【0016】
ヒータ7は、後述するヒータ駆動回路からのヒータ電圧が与えられヒータ電流が流れたときに発熱する素子とされる。
また、サーミスタ10は、図3に示すように、温度が高くなるにしたがって、その抵抗値が低くなるような抵抗温度特性を有するものとされる。
なお、これらヒータ7及びサーミスタ10は、容器本体2を例えば850℃という低温で焼成可能な低温焼成セラミック(LTCC;Low Temperature Co−fired Ceramic)を用いて形成すれば、既存の材料を利用してスクリーン印刷などにより容易に形成することができる。
【0017】
また、本実施の形態では、ヒータ7を容器本体2の底面の内部に形成し、温度検出用のサーミスタ10を容器本体2の底面上に形成するようにしているが、これはあくまでも一例であり、容器本体2の底面上にヒータ7とサーミスタ10とを併設ことも可能である。
また、サーミスタ10は、必ずしも容器本体2の底面上に設ける必要はなく、水晶ブランク5の近傍であれば、容器本体2内の何れの位置に形成しても良いものである。
【0018】
このように本実施の形態の水晶振動子1は、容器本体2内に温度検出用のサーミスタ10を設け、このサーミスタ10の検出出力を電極端子9c,9dを介して外部に出力できるように構成されている。
【0019】
従って、本実施の形態の水晶振動子1が実装される機器側のプリント配線基板上に、水晶振動子1から出力されるサーミスタ検出出力に基づいて、水晶振動子1のヒータ7をオン/オフするようなヒータ駆動回路を設けるようにすれば、外部から水晶振動子1の周波数温度特性を制御することが可能になる。
【0020】
例えば、水晶振動子1のサーミスタ7によって検出される容器本体2内の温度が所定温度以下のときは、外部から電極端子9a,9bを介して容器本体2内のヒータ7にヒータ電圧を供給するようにしている、これにより、容器本体2内の水晶ブランク5を加熱して、水晶ブランク5が所定温度以上になるようにしている。
【0021】
ここで、本実施の形態の水晶振動子1のヒータを駆動するヒータ駆動回路は、図2のように示される。この図2に示すヒータ駆動回路は、抵抗R1,R2,R3,R4、トランジスタQ1,Q2によって構成される。
この場合、トランジスタQ1のベースは、抵抗R1を介して駆動電圧Vccの電圧供給ラインに接続される。また、そのベース−グランド間には、電極端子9c,9dを介して、水晶振動子1内に設けられている温度検出用のサーミスタ10が接続されることになる。
また、トランジスタQ1のコレクタは、抵抗R2を介して駆動電圧Vccの電圧供給ラインに接続され、そのエミッタは抵抗R3を介してトランジスタQ2のベースに接続される。
トランジスタQ2のコレクタと電圧供給ラインとの間には、電極端子9a,9bを介して、水晶振動子1内のヒータ7が接続されることになる。また、そのエミッタとグランド間には抵抗R4が接続されている。
【0022】
このように構成されるヒータ駆動回路の動作としては、例えば水晶振動子1の外周囲温度が低下し、水晶振動子1内の温度が低下すると、これに伴って温度検出用のサーミスタ10の抵抗値が大きくなる。サーミスタ10の抵抗値が高くなると、これに伴ってトランジスタQ1のベース電位が高くなる、そしてトランジスタQ1のベース電位が、所定の電位レベルを超えたときにトランジスタQ1がオンすることになる。
【0023】
トランジスタQ1がオンになると、トランジスタQ2もオンになり、トランジスタQ2のコレクタと電圧供給ラインとの間に設けられているヒータ7に電圧が加わり電流が流れることになる。これにより、ヒータ7の発熱により水晶振動子1内の水晶ブランク5の温度が高くなり、サーミスタ10の抵抗値が小さくなる。そして、サーミスタ10の抵抗値の低下に伴ってトランジスタQ1のベース電位が低くなり、トランジスタQ1がオフになると、トランジスタQ2がオフになる。この結果、ヒータ駆動回路からヒータ7へのヒータ電圧の供給が停止して、ヒータ7による水晶ブランク5の加熱が停止されることになる。
【0024】
つまり、図2に示したようなヒータ駆動回路において、水晶振動子1内のサーミスタ10からの検出出力が所定温度以下であると検出したときは、水晶ブランク5の温度も所定温度以下であるとして、水晶振動子1内のヒータ7をオンにして水晶ブランク5を加熱するようにしている。
そして、水晶振動子1内の温度が所定温度以上であると検出したときは、水晶ブランク5の温度も所定温度以上であるとして、水晶振動子1内のヒータ7をオフにして水晶ブランク5を加熱しないようにしている。
【0025】
そこで、本実施の形態の水晶振動子1では、容器本体2と蓋体3とからなる気密容器の密閉空間内に収容する水晶ブランク5を、或る所定温度以上で温度変化に対する周波数変化が小さいものを用いるようにしている。
例えば、水晶振動子1の使用可能温度範囲が−20℃〜+70℃であれば、図4に破線で示すような周波数温度特性を有する水晶ブランク5を用いるようにする。
この図4に示す水晶ブランク5は、低温側において温度変化に対する周波数変化方向が反転する温度、いわゆるローワーターニングポイントが約10℃付近に設定されている。そして、このローワーターニングポイント以上の温度範囲A(約10℃〜70℃)において、周波数特性がほぼ平坦(フラット)となるような特性を有するものとされる。
【0026】
このような水晶ブランク5は、周波数が平坦とされる温度範囲A、及びその温度範囲Aにおける周波数変動幅にもよるが、水晶をATカットやFCカットによりカットすることで実現することができる。もちろん、ATカットやFCカット以外の方式で水晶をカットして水晶ブランクを形成するようにしても良いことは言うまでもない。
【0027】
従って、本実施の形態のように水晶振動子1を構成すれば、水晶ブランク5の温度が、例えば図4に示すローワーターニングポイント以下になったときに、外部に設けたヒータ駆動回路により、水晶振動子1内のヒータ7をオンにして、水晶ブランク5の温度を、周波数温度特性がフラットになる温度まで加熱することができるようになる。つまり、水晶振動子1内の水晶ブランク5の温度を周波数変化がほぼフラットになる温度以上にすることができるようになる。
【0028】
このように水晶振動子1を構成すれば、水晶振動子1内にはヒータ7と温度検出用のサーミスタ10を設けるだけで、水晶振動子1の外周囲の温度変化による水晶振動子1の温度変化を抑制することができるため、水晶振動子単体として考えれば、例えば温度補償回路などを用いて水晶振動子の温度変化に伴う周波数を抑制する場合に比べてコストを大幅に低減することができるようになる。
また、水晶振動子1に温度補償回路を組み合わせる必要がないため、形状が大型化することがないという利点がある。
【0029】
また、本実施の形態では、ヒータ7を容器本体2の底面に、水晶ブランク5とほぼ同じ平面状で形成すれば水晶ブランク5を効率よく加熱することができるため、ヒータ7の動作時間の短縮を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、水晶ブランク5が所定温度以下のときだけヒータ7をオンすればよいため、ヒータを常時オンさせる場合に比べて電力消費が少なくて済むという利点もある。
【0030】
なお、本実施の形態では、水晶振動子1のヒータ7をオンさせる所定温度は、水晶ブランク5の周波数温度特性に基づいて任意に決定することが可能である。
その場合は、図2に示したヒータ駆動回路のトランジスタQ1が、所定温度でオンするようにサーミスタ10の抵抗温度特性に基づいて、抵抗R1の抵抗値を決定すれば良い。
【0031】
また、本実施の形態では加熱素子としてヒータを用いる場合を例に挙げているが、これはあくまでも一例であり、例えば発熱用ポジスタ(正特性サーミスタ)などを用いることも当然可能である。
【0032】
また、本実施の形態では、ヒータ駆動回路を水晶振動子1が実装されるプリント配線基板上に形成するものとして説明したが、これはあくまでも一例であり、例えば本実施の形態の水晶振動子を用いて水晶発振器を形成する場合には、水晶振動子に組み合わせる発振回路容器内に形成することも可能である。また、ヒータ駆動回路は水晶振動子1内に形成することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水晶振動子は、容器本体内に加熱素子と温度検出素子を設け、温度検出素子により水晶ブランクが収容されている密閉空間内の温度が所定温度以下のときに加熱素子により密閉空間内を加熱するようにしている。これにより、外周囲の温度変化に関わらず、水晶ブランクを温度に対する周波数がほぼフラットとなる温度範囲にすることが可能になり、水晶ブランクの温度変化に伴う周波数変化を抑制するようにしているものである。
【0034】
したがって、このような本発明の水晶振動子によれば、容器本体に加熱素子と温度検出素子を設けるだけで、外周囲の温度変化による水晶ブランクの周波数変化を抑制することができるので、大幅なコストアップなしで、外周囲の温度変化による水晶ブランクの周波数変化を抑制することができるようになる。
また、本発明は、容器本体に加熱素子とヒータを設けるだけで形成することができるので水晶振動子の形状を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態とされる水晶振動子の構成を示した図である。
【図2】ヒータ駆動回路の構成を示した図である。
【図3】サーミスタの抵抗温度特性を示した図である。
【図4】本実施の形態の水晶振動子と水晶ブランクの周波数温度特性を示した図である。
【符号の説明】
1 水晶振動子、2 容器本体、2a メタライズ面、3 蓋体、4 段部、4a 4b 引出電極、5 水晶ブランク、5a 励振電極、6 導電性接着剤、7 ヒータ、8 導電線路、9 電極端子
【発明の属する技術分野】
本発明は表面実装型の水晶振動子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種電子機器の周波数制御素子として水晶振動子が広く使用されている。そして、近年、プリント基板の表面に実装することができる表面実装型のものが主流になっている。
【0003】
ところで、水晶振動子は、周囲の温度変化に応じて、発振周波数が変化するため、高度な周波数安定度が要求される分野では、水晶振動子に温度補償回路を組み合わせた、いわゆる温度補償形水晶発振器(TCXO;Temperature Compensated Crystal Oscillator)として用いられている。
【0004】
温度補償形水晶発振器としては、例えば水晶振動子を含む発振ループ内の容量値を、水晶振動子の周波数温度特性を相殺するように変化させることにより、水晶振動子の温度補償を行うようにしたものが知られている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−270942号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような温度補償型水晶発振器は、発振ループ内の容量値を水晶振動子の周波数変化を相殺するように変化させる温度補償回路が必要になるため、コストがかかるという欠点があった。
また、水晶振動子単体に比べて形状が大きくなるという欠点もあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の水晶振動子は、容器本体と、蓋体と、所定温度以上で、温度変化に対する周波数変化が、ほぼ平坦になるような周波数温度特性を有し、容器本体と蓋体により形成される密閉空間内に収容される収容される水晶ブランクと、容器本体内に設けられ、水晶ブランクを加熱する加熱素子と、容器本体内に設けられ、水晶ブランクの温度検出を行う温度検出素子とを備えて構成するようにした。
【0008】
本発明によれば、容器本体内に水晶ブランクを加熱するための加熱素子と、水晶ブランクの温度を検出するための温度検出素子を設け、この温度検出素子により、水晶ブランクが所定温度以下のときに、水晶ブランクを加熱素子により加熱するようにしている。これにより、水晶ブランクの温度変化に対する周波数変化をほぼ平坦にすることで、水晶ブランクの温度変化に伴う周波数変化を抑制することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態としての表面実装型水晶振動子の構造を示した図であり、同図(a)には上面図、同図(b)には同図(a)に示す矢示A−A方向から見た側面図、同図(c)には外側底面図がそれぞれ示されている。なお、図1(a)においては蓋体の一部を破断して示されている。
【0010】
図1に示す表面実装型水晶振動子(以下、単に「水晶振動子」という)1は、容器本体2と蓋体3とからなる気密容器が設けられており、容器本体2と蓋体3とにより形成される密閉空間内に水晶ブランク5を収容して構成される。
この場合、水晶ブランク5は、後述するように、所定の温度以上でほぼ平坦な周波数温度特性を有するものを用いるようにしている。
【0011】
容器本体2は、例えばセラミックなどによって形成され、その形状は浅い箱形とされ、その内部に水晶ブランク5を収容できるように形成されている。
また容器本体2の上縁部には、蓋体3を接合するための接合面としてセラミックをメタライズ(金属化)したメタライズ面2aが形成されている。このようなメタライズ面2aの表面には、例えばニッケルメッキ(Ni)などが施されている。
【0012】
蓋体3は、コバールなどの金属部材、または、これらの金属部材にニッケル(Ni)メッキや、金(Au)メッキを施したクラッド材によって形成され、上記した容器本体2のメタライズ面2aにシーム溶接や、ろう付け等により接合可能とされる。
【0013】
容器本体2の内部底面には段部4が設けられており、その段部4の上面両側に水晶ブランク5の励振電極5aを接続するための引出電極4a,4bが、それぞれ形成されている。
これらの引出電極4a,4bには、導電性接着剤6などによって、水晶ブランク5の表面に取り付けられている励振電極5a,5aが接続される。これにより、水晶ブランク5が容器本体2に電気的に接続されると共に、水晶ブランク5が容器本体2に対して機械的に保持されることになる。
【0014】
そして、このような本実施の形態の水晶振動子1では、図1(b)に示すように、容器本体2の底面の内部に加熱素子としてヒータ7を設けると共に、その底面上に、温度検出用のサーミスタ10を設けるようにしている。
この場合、ヒータ7は、容器本体2の導電線路8,8を介して、図1(c)に示されているように、容器本体2の底面外側に設けられているヒータ電極端子9a,9bに接続される。
また、サーミスタ10は、容器本体2の底面側壁から導電線路11,11を介して、容器本体2の底面外側に設けられているサーミスタ電極端子9c,9dに接続される。
【0015】
水晶振動子1の底面外側には、上記したヒータ電極端子9a,9bとサーミスタ電極端子9c,9dと共に、水晶振動子用の電極端子9e,9f,9g,9hが設けられている。なお、これらの電極端子9a〜9hの配置位置や形状、端子本数などはあくまでも一例である。
【0016】
ヒータ7は、後述するヒータ駆動回路からのヒータ電圧が与えられヒータ電流が流れたときに発熱する素子とされる。
また、サーミスタ10は、図3に示すように、温度が高くなるにしたがって、その抵抗値が低くなるような抵抗温度特性を有するものとされる。
なお、これらヒータ7及びサーミスタ10は、容器本体2を例えば850℃という低温で焼成可能な低温焼成セラミック(LTCC;Low Temperature Co−fired Ceramic)を用いて形成すれば、既存の材料を利用してスクリーン印刷などにより容易に形成することができる。
【0017】
また、本実施の形態では、ヒータ7を容器本体2の底面の内部に形成し、温度検出用のサーミスタ10を容器本体2の底面上に形成するようにしているが、これはあくまでも一例であり、容器本体2の底面上にヒータ7とサーミスタ10とを併設ことも可能である。
また、サーミスタ10は、必ずしも容器本体2の底面上に設ける必要はなく、水晶ブランク5の近傍であれば、容器本体2内の何れの位置に形成しても良いものである。
【0018】
このように本実施の形態の水晶振動子1は、容器本体2内に温度検出用のサーミスタ10を設け、このサーミスタ10の検出出力を電極端子9c,9dを介して外部に出力できるように構成されている。
【0019】
従って、本実施の形態の水晶振動子1が実装される機器側のプリント配線基板上に、水晶振動子1から出力されるサーミスタ検出出力に基づいて、水晶振動子1のヒータ7をオン/オフするようなヒータ駆動回路を設けるようにすれば、外部から水晶振動子1の周波数温度特性を制御することが可能になる。
【0020】
例えば、水晶振動子1のサーミスタ7によって検出される容器本体2内の温度が所定温度以下のときは、外部から電極端子9a,9bを介して容器本体2内のヒータ7にヒータ電圧を供給するようにしている、これにより、容器本体2内の水晶ブランク5を加熱して、水晶ブランク5が所定温度以上になるようにしている。
【0021】
ここで、本実施の形態の水晶振動子1のヒータを駆動するヒータ駆動回路は、図2のように示される。この図2に示すヒータ駆動回路は、抵抗R1,R2,R3,R4、トランジスタQ1,Q2によって構成される。
この場合、トランジスタQ1のベースは、抵抗R1を介して駆動電圧Vccの電圧供給ラインに接続される。また、そのベース−グランド間には、電極端子9c,9dを介して、水晶振動子1内に設けられている温度検出用のサーミスタ10が接続されることになる。
また、トランジスタQ1のコレクタは、抵抗R2を介して駆動電圧Vccの電圧供給ラインに接続され、そのエミッタは抵抗R3を介してトランジスタQ2のベースに接続される。
トランジスタQ2のコレクタと電圧供給ラインとの間には、電極端子9a,9bを介して、水晶振動子1内のヒータ7が接続されることになる。また、そのエミッタとグランド間には抵抗R4が接続されている。
【0022】
このように構成されるヒータ駆動回路の動作としては、例えば水晶振動子1の外周囲温度が低下し、水晶振動子1内の温度が低下すると、これに伴って温度検出用のサーミスタ10の抵抗値が大きくなる。サーミスタ10の抵抗値が高くなると、これに伴ってトランジスタQ1のベース電位が高くなる、そしてトランジスタQ1のベース電位が、所定の電位レベルを超えたときにトランジスタQ1がオンすることになる。
【0023】
トランジスタQ1がオンになると、トランジスタQ2もオンになり、トランジスタQ2のコレクタと電圧供給ラインとの間に設けられているヒータ7に電圧が加わり電流が流れることになる。これにより、ヒータ7の発熱により水晶振動子1内の水晶ブランク5の温度が高くなり、サーミスタ10の抵抗値が小さくなる。そして、サーミスタ10の抵抗値の低下に伴ってトランジスタQ1のベース電位が低くなり、トランジスタQ1がオフになると、トランジスタQ2がオフになる。この結果、ヒータ駆動回路からヒータ7へのヒータ電圧の供給が停止して、ヒータ7による水晶ブランク5の加熱が停止されることになる。
【0024】
つまり、図2に示したようなヒータ駆動回路において、水晶振動子1内のサーミスタ10からの検出出力が所定温度以下であると検出したときは、水晶ブランク5の温度も所定温度以下であるとして、水晶振動子1内のヒータ7をオンにして水晶ブランク5を加熱するようにしている。
そして、水晶振動子1内の温度が所定温度以上であると検出したときは、水晶ブランク5の温度も所定温度以上であるとして、水晶振動子1内のヒータ7をオフにして水晶ブランク5を加熱しないようにしている。
【0025】
そこで、本実施の形態の水晶振動子1では、容器本体2と蓋体3とからなる気密容器の密閉空間内に収容する水晶ブランク5を、或る所定温度以上で温度変化に対する周波数変化が小さいものを用いるようにしている。
例えば、水晶振動子1の使用可能温度範囲が−20℃〜+70℃であれば、図4に破線で示すような周波数温度特性を有する水晶ブランク5を用いるようにする。
この図4に示す水晶ブランク5は、低温側において温度変化に対する周波数変化方向が反転する温度、いわゆるローワーターニングポイントが約10℃付近に設定されている。そして、このローワーターニングポイント以上の温度範囲A(約10℃〜70℃)において、周波数特性がほぼ平坦(フラット)となるような特性を有するものとされる。
【0026】
このような水晶ブランク5は、周波数が平坦とされる温度範囲A、及びその温度範囲Aにおける周波数変動幅にもよるが、水晶をATカットやFCカットによりカットすることで実現することができる。もちろん、ATカットやFCカット以外の方式で水晶をカットして水晶ブランクを形成するようにしても良いことは言うまでもない。
【0027】
従って、本実施の形態のように水晶振動子1を構成すれば、水晶ブランク5の温度が、例えば図4に示すローワーターニングポイント以下になったときに、外部に設けたヒータ駆動回路により、水晶振動子1内のヒータ7をオンにして、水晶ブランク5の温度を、周波数温度特性がフラットになる温度まで加熱することができるようになる。つまり、水晶振動子1内の水晶ブランク5の温度を周波数変化がほぼフラットになる温度以上にすることができるようになる。
【0028】
このように水晶振動子1を構成すれば、水晶振動子1内にはヒータ7と温度検出用のサーミスタ10を設けるだけで、水晶振動子1の外周囲の温度変化による水晶振動子1の温度変化を抑制することができるため、水晶振動子単体として考えれば、例えば温度補償回路などを用いて水晶振動子の温度変化に伴う周波数を抑制する場合に比べてコストを大幅に低減することができるようになる。
また、水晶振動子1に温度補償回路を組み合わせる必要がないため、形状が大型化することがないという利点がある。
【0029】
また、本実施の形態では、ヒータ7を容器本体2の底面に、水晶ブランク5とほぼ同じ平面状で形成すれば水晶ブランク5を効率よく加熱することができるため、ヒータ7の動作時間の短縮を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、水晶ブランク5が所定温度以下のときだけヒータ7をオンすればよいため、ヒータを常時オンさせる場合に比べて電力消費が少なくて済むという利点もある。
【0030】
なお、本実施の形態では、水晶振動子1のヒータ7をオンさせる所定温度は、水晶ブランク5の周波数温度特性に基づいて任意に決定することが可能である。
その場合は、図2に示したヒータ駆動回路のトランジスタQ1が、所定温度でオンするようにサーミスタ10の抵抗温度特性に基づいて、抵抗R1の抵抗値を決定すれば良い。
【0031】
また、本実施の形態では加熱素子としてヒータを用いる場合を例に挙げているが、これはあくまでも一例であり、例えば発熱用ポジスタ(正特性サーミスタ)などを用いることも当然可能である。
【0032】
また、本実施の形態では、ヒータ駆動回路を水晶振動子1が実装されるプリント配線基板上に形成するものとして説明したが、これはあくまでも一例であり、例えば本実施の形態の水晶振動子を用いて水晶発振器を形成する場合には、水晶振動子に組み合わせる発振回路容器内に形成することも可能である。また、ヒータ駆動回路は水晶振動子1内に形成することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水晶振動子は、容器本体内に加熱素子と温度検出素子を設け、温度検出素子により水晶ブランクが収容されている密閉空間内の温度が所定温度以下のときに加熱素子により密閉空間内を加熱するようにしている。これにより、外周囲の温度変化に関わらず、水晶ブランクを温度に対する周波数がほぼフラットとなる温度範囲にすることが可能になり、水晶ブランクの温度変化に伴う周波数変化を抑制するようにしているものである。
【0034】
したがって、このような本発明の水晶振動子によれば、容器本体に加熱素子と温度検出素子を設けるだけで、外周囲の温度変化による水晶ブランクの周波数変化を抑制することができるので、大幅なコストアップなしで、外周囲の温度変化による水晶ブランクの周波数変化を抑制することができるようになる。
また、本発明は、容器本体に加熱素子とヒータを設けるだけで形成することができるので水晶振動子の形状を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態とされる水晶振動子の構成を示した図である。
【図2】ヒータ駆動回路の構成を示した図である。
【図3】サーミスタの抵抗温度特性を示した図である。
【図4】本実施の形態の水晶振動子と水晶ブランクの周波数温度特性を示した図である。
【符号の説明】
1 水晶振動子、2 容器本体、2a メタライズ面、3 蓋体、4 段部、4a 4b 引出電極、5 水晶ブランク、5a 励振電極、6 導電性接着剤、7 ヒータ、8 導電線路、9 電極端子
Claims (3)
- 容器本体と、
蓋体と、
所定温度以上で、温度変化に対する周波数変化が、ほぼ平坦になるような周波数温度特性を有し、前記容器本体と前記蓋体により形成される密閉空間内に収容される水晶ブランクと、
前記容器本体内に設けられ、前記水晶ブランクを加熱する加熱素子と、
前記容器本体内に設けられ、前記水晶ブランクの温度検出を行う温度検出素子と、
を備えていることを特徴とする水晶振動子。 - 前記加熱素子は、前記容器本体の底面内部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子。
- 前記温度検出素子は、前記容器本体の底面上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子。
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2003
- 2003-05-14 JP JP2003136184A patent/JP2004343339A/ja active Pending
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