JP2004342723A - 光電変換半導体装置、その製造方法及び製造方法で用いる処理装置 - Google Patents

光電変換半導体装置、その製造方法及び製造方法で用いる処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多結晶シリコン、微結晶シリコン、単結晶シリコン、非晶質シリコンなどによる光起電力層を有する太陽電池等の光電変換半導体装置における、光電変換効率を向上させるために有効な方策を提供する。
【解決手段】n型多結晶シリコン12及びp型多結晶シリコン13のpn構造を有する半導体層を、非金属系シアン化合物を含む溶液15又は金属系シアン化合物を含むアルコール溶液により処理することにより、光電変換半導体装置における欠陥準位の消滅及び汚染金属を除去して、その光電変換効率の向上が実現できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池などの光電変換半導体装置とその製造方法及びその製造方法で使用する処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体を用いた太陽電池は、光起電力層に母体シリコンの光電変換機能を利用するものが実用化され、母体シリコンの光起電力層も、単結晶、多結晶もしくは非晶質の薄層又は薄膜で実現されている。とくに、pn構造を有する半導体層に出力電極を形成した構造の、単結晶あるいは多結晶母体シリコンの光起電力層をそなえた太陽電池は、非晶質母体シリコンの光起電力層をそなえた太陽電池に比べて、光電変換効率が高いこと及び初期の光劣化現象が少ないことで、将来性が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
太陽電池では、半導体のバンドギャップ内の欠陥準位の存在によって光電変換効率が低下するため、欠陥準位を消滅させる対策が重要である。
上述のような欠陥準位は、多結晶シリコン(ポリシリコン)、微結晶シリコン、単結晶シリコン、非晶質シリコンなどによる光起電力層においても認められている。とりわけ、多結晶シリコンや微結晶シリコンにおいては、粒界等の境界領域にシリコン未結合手(ダングリングボンド)が多数存在していることが知られている。未結合手が太陽電池や光センサーなどの光電変換素子での光起電力層に存在するときに、光電変換効率などの光特性の劣化を招くおそれがあった。
本発明は、かかる欠陥準位による光電変換効率の低下の抑制ないしは解消に有効な解決策を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の光電変換半導体装置は、pn構造又はpin構造を有する半導体層及び前記半導体層に設けられた出力電極をそなえた光電変換半導体装置であって、前記半導体層の表面領域又は粒界等の境界領域は金属もしくは金属を含む汚染物質が除去され、かつ、未結合手がシアノ基で終端されていることを特徴とするものである。
【0005】
本発明の光電変換半導体装置では、pn構造又はpin構造を有する半導体層から汚染金属等の付着物質を除去し、かつ、未結合手をシアノ基で終端したことにより、表面領域又は粒界等の境界領域の欠陥を抑制又は消滅させ、光電変換半導体装置の高効率化を達成したものである。
【0006】
本発明の光電変換半導体装置の製造方法は、上のように半導体層から汚染金属等の付着物質を除去し、かつ、未結合手をシアノ基で終端する課程を備えたものである。すなわち、半導体基板にpn構造又はpin構造を形成する前の状態から出力電極形成後の状態までの間の少なくとも1つの段階において、その半導体基板をシアン化合物を含む溶液又は気体に曝すシアン処理過程を備えたことを特徴とするものである。
【0007】
シアン化合物には非金属系シアン化合物と金属系シアン化合物とがあり、いずれのシアン化合物も使用することができる。非金属シアン化合物としては、シアン化水素、ジシアン又はシアン化アンモニウムなどを挙げることができる。金属系シアン化合物としては、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウム又はシアン化セシウムなどを挙げることができる。
【0008】
シアン処理過程の例として、半導体基板を非金属系シアン化合物を含む水溶液に浸漬する工程又は金属系シアン化合物を含むアルコール溶液に浸漬する工程である。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を用いることができる。
なお、基板等がシリコンの場合、溶媒にアルコールを用いることによって、基板のエッチングを防止できる。溶媒に水を付加して用いると、溶液中でシアン化合物イオンに対して、水分子が溶媒和として作用し、シアン化合物イオンの活性を制御できる。
【0009】
シアン処理過程の後に半導体基板を洗浄液でリンスするリンス工程をさらに備えていることが好ましい。このリンスによって、半導体層の表面領域又は粒界等を含む境界領域に付着残存する、銅などの金属のシアン化合物、又は銅などの金属とシアノ基もしくはシアン化物イオンとの錯体などが、その半導体層から除去される。このリンスは純水やアルコール系溶液などの溶媒を用いて行なうことができる。その後、必要に応じて、半導体層の表面領域等から溶媒などを除去するための乾燥処理を行なえばよい。
【0010】
本発明の半導体基板処理装置は、半導体基板のシアン処理からリンスを行なった排液の処理までを含むものであり、シアン成分を環境中に排出しない構成をもったものである。すなわち、本発明の半導体基板処理装置は、半導体基板をシアン化合物を含む溶液又は気体に曝すシアン処理部と、シアン処理後の前記半導体基板を洗浄液でリンスするリンス部と、リンス後の洗浄液をオゾン処理もしくは紫外光照射併用オゾン処理、又は次亜塩素酸溶液で処理してリンス後の洗浄液中のシアン成分を分解除去する洗浄液処理部とを備えている。
【0011】
この半導体基板処理装置を使用すれば、半導体基板をシアン化合物を含む溶液又は気体で表面から処理し、そのシアン処理後にリンスし、さらにリンス後の洗浄液(廃液)中のシアン成分を分解除去することができるので、シアン成分を含んだ廃液を外部に放出することがない。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明を、実施の形態により、図面を参照して詳細に述べる。
本実施の形態では、多結晶シリコンにてなる光起電力層を、シアン成分を有する化合物にさらすことによって、その変換効率に顕著な性能向上が見られたことについて説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態として、多結晶シリコンの光起電力層を持つ光電変換装置を処理する工程での処理装置内の断面図である。光起電力層としてp型多結晶シリコン層11及びn型不純物、例えばリン(P)を含むn型多結晶シリコン層12で形成されたpn構造を有する多結晶シリコン層本体と、一方の多結晶シリコン層であるp型多結晶シリコン層11上に形成されたITO(インジウム錫酸化物)にてなる透明電極13と、他方の多結晶シリコン層であるn型多結晶シリコン層12上に形成されたアルミニウム電極14とからなる光電変換装置を、処理溶液15を満たす処理槽16内に浸漬する。
【0014】
なお、ここで、透明電極13をn型多結晶シリコン層12上に、アルミニウム電極14をp型多結晶シリコン層11上に形成してもよい。また、透明電極13としてはITOに限らず、SnO等を用いることができる。
【0015】
図2(a)〜図2(d)は、本発明の実施の形態として、多結晶シリコンの光起電力層を持つ光電変換装置において、上記多結晶シリコン層の形成工程を示すフロー断面図である。
【0016】
まず、図2(a)に示す工程で、厚さ100〜600μmのp型多結晶シリコン基板11を準備する。
次に、図2(b)に示すようにn型不純物を拡散して約0.5μmのn型拡散層12を形成する。n型拡散層12の形成は熱拡散法やイオン注入法等を用いればよい。n型不純物としては燐又は砒素を用いることができるが、ここでは燐を用いる。
【0017】
つづいて、図2(c)に示す工程で、厚さが約200nmのアルミニウム電極13をスパッタリング法又は蒸着法等により形成する。
さらに、図2(d)に示す工程で、厚さが約100nmの透明電極(ITO)14をスパッタリング法又は蒸着法等により形成して、光電変換装置を製作した。
【0018】
そして次に、上記光電変換装置を、図1に示すように、濃度1モル、温度25℃に調節されたシアン化水素(HCN)水溶液15を入れた処理槽16内で、約2分間、シアン化水素水溶液15に浸漬する。
その後、シアン処理された光電変換装置を100℃の超純水によって洗浄する。
【0019】
本実施の形態では、上記光電変換装置を、図2(d)に示す構成体の状態でシアン処理する方法として述べたが、これに限らず、例えば図2(a)〜(c)に示すいずれの段階の基板構成でも、シアン化水素水溶液15に浸漬する処理工程及びその後の処理用基板を超純水によって洗浄する工程は実施することができ、そのいずれの段階の基板に対しても有効に機能する。
【0020】
シリコン基板等の半導体層では、上記シアン化合物含有溶液で処理した際に、シリコンの表面領域及び粒界等の境界領域に存在する未結合手がシアンイオン(CN)で終端されて消滅する、という作用がある。特に、シリコンやシリコンを含む化合物の多結晶半導体層では、銅などの金属あるいはこれらの金属を含む汚染物質が付着した表面領域及び粒界等の境界領域に多くの未結合手やそれらの複合体などの欠陥準位が生じるが、上記シアン化合物含有溶液で処理することで、上記表面領域に付着した汚染物質が取り除かれるとともに、上記欠陥も、上述のシアンイオンによる未結合手の終端作用などで消滅するという、欠陥消滅作用がある。
【0021】
そして、この半導体層での欠陥消滅作用によって、光伝導度の向上が認められ、したがって、本実施の形態で得た光電変換装置では高い光電変換効率の性能が実現されたのである。
【0022】
本実施の形態では、上記光電変換装置を製造する際に、例えば図2(a)〜(c)に示すいずれの段階の処理用基板構成で、図1で示されるような処理装置によるシアン化水素水溶液15に浸漬する処理工程及びその後の処理用基板を超純水によって洗浄する工程を実施したものでも、それにより得られた光電変換装置は、いずれも、本実施の形態におけるシアン化水素水溶液15への浸漬処理工程及びその後の処理用基板を超純水によって洗浄する工程を実施しないで製作した光電変換装置に比べて格段に高い光電変換効率の性能が実現された。
【0023】
さらに、本実施の形態では、上記光電変換装置を製造する際に、例えば図2(a)〜(d)に示すいずれかの段階の基板構成で、図1で示されるような処理装置によるシアン化水素水溶液15に浸漬する処理工程を実施するとき、その基板に正の電圧を0.1Vから50Vの範囲で印加し、加えて処理温度を室温から100℃の範囲で加熱すると、シアン処理の作用が促進されて、それにより得られた光電変換装置は、いずれも、さらに格段に高い光電変換効率の性能が実現された。実験結果では、本実施の形態での光電変換装置の光電変換効率は、処理用基板に印加電圧10V、処理温度を50℃として2分間のシアン処理を施すと、最大で12.3%が達成され、シアン処理を実施しないで製作した光電変換装置の光電変換効率が8.8%であったのに比べて、大幅に性能向上が見られた。また、電圧を印加しないで温度50℃でシアン処理を行なった場合は10.5%が得られ、室温で電圧を印加してシアン処理を行なった場合は10.1%を得た。
【0024】
また、単結晶シリコン基板を用いた場合においても、同様の性能向上が得られる。更に、所定の基板上、例えば、ガラス基板上にプラズマCVD等を用いて、pn構造またはpin構造の光電変換装置を形成する場合にも、同様の性能向上が得られる。
【0025】
本実施の形態では、pn構造を有する半導体層を形成する前、途中もしくは後、又は半導体層に出力電極を形成した後のいずれかの段階で、シアン化合物を含む溶液又は気体で処理する過程をそなえる。
【0026】
つぎに汚染物質の除去について具体例を述べる。
この半導体層の主として表面領域及び粒界等の境界領域から汚染物質である、銅などの金属を除去するために、シアン処理過程においてこの半導体層をシアン化合物を含む溶液又は気体(例えば霧状)に接触させる(以下、工程Iという)。シアン化合物を含む溶液としては、シアン化水素、ジシアンもしくはシアン化アンモニウム等の非金属系シアン化合物を溶媒、例えば純水もしくはアルコール系溶液に溶かした溶液、又はシアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウムもしくはシアン化セシウム等の金属系シアン化合物をアルコール系溶液に溶かした溶液で、濃度1モル程度の溶液が適当である。この工程Iで、半導体層の表面又は粒界等の境界領域に存在する銅などの汚染物質はシアンとの化合物を形成し、又はシアノ基もしくはシアン化物イオンとの錯体を形成する。シアン化合物を含む溶液を使用した場合は、それらの化合物又は錯体は溶液中に溶出する。
【0027】
ついで、上記半導体層をリンスする(以下、工程IIという)。すなわち、この工程IIでは、上記半導体層を、純水又はアルコール系溶液などの溶媒を用いて洗う。このリンスによって、半導体層の表面領域又は粒界等の境界領域に付着残存する、銅などの金属のシアン化合物あるいは銅などの金属とシアノ基ないしはシアン化物イオンとの錯体などが、その半導体層から除去される。その後、必要に応じて、半導体層から溶媒などを除去するための乾燥処理を行う。
【0028】
このようにして、半導体層は銅などの金属の除去された状態になる。測定結果によれば、半導体層に残存する銅などの金属は、検査測定器による金属原子の測定下限値(3×10原子/cm)以下が得られており、確実に除去されていることがわかった。
【0029】
また、半導体層では、上記シアン化合物含有溶液で処理した際に、付着した銅などの金属あるいはこれらの金属を含む汚染物質が除去されるとともに、そのあとの表面領域及び粒界等の境界領域に存在する未結合手がシアノ基で終端されることなどで、その領域の欠陥が消滅する、という効果が得られる。特に、シリコンやシリコン化合物の半導体層では、銅などの金属あるいはこれらの金属を含む汚染物質が付着した表面及び粒界等の境界領域に多くの未結合手やそれらの複合体などの欠陥が生じるが、上記シアン化合物含有溶液で処理することで、上記汚染物質が取り除かれるとともに、上記欠陥も、上述のシアノ基による未結合手の終端作用などで消滅するという、欠陥消滅作用がある。そして、この半導体層での欠陥消滅作用によって、光伝導度の向上、及び高い光電変換効率の性能が実現される。
【0030】
なお、本実施の形態では、汚染金属の例として、銅について検証したが、本発明は、銅に限らず、他の金属元素、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、銀、タングステン、チタンなどの金属元素を基板等の表面から除去するのにも、この実施の形態で使用の処理溶液及び洗浄過程は有効である。
【0031】
加えて、上記基板等をリンスする工程IIでは、処理後のリンス液中にシアン化合物、又はシアノ基もしくはシアン化物イオンなどのいわゆるシアン成分が残存する可能性があるので、さらに、前記洗浄処理後の洗浄液(リンス廃液)をオゾン又は紫外光照射併用オゾン中で処理して、リンス廃液中に残る上記シアン成分を分解除去する。これによって、工程IIで生じたリンス廃液中に上記シアン成分が残存することがなくなる。
【0032】
また、前記洗浄処理後の洗浄液(リンス廃液)を次亜塩素酸塩(例えば、次亜塩素酸ソーダ)を含む、いわゆる次亜塩素酸溶液で薬液処理することにより、前記リンス廃液中に残る上記シアン成分を分解除去することもできる。この場合の次亜塩素酸溶液の濃度及び処理温度は、前記リンス廃液中の上記シアン成分の残量を見積もって、適宜設定すればよい。
【0033】
上記工程I及び工程II、さらに、上記リンス廃液中の残存シアン成分の分解処理という各機能を備えたことにより、前記基板等に付着した銅などの金属あるいはこれらの金属を含む汚染物質の除去とともに、前記洗浄処理後の前記リンス廃液中に残るシアン成分をも完全に分解除去することができる。
【0034】
本実施の形態では、前記光電変換装置は、図2(d)に示す構成体である。シアン処理は図2(d)に示す構成体に限らず、例えば図2(a)〜(c)に示すいずれの段階でも、上記工程I及び工程IIは、製作された光電変換装置における光電変換効率の性能向上に有効であった。
【0035】
図3は、本実施形態の処理装置の概要図であり、処理装置本体20は、半導体基板等21を処理溶液22に浸漬する処理部23、ついで、この基板等21を取り出して、室温で、超純水とメタノールとの混合液を洗浄液に用いて洗浄(リンス)する洗浄部24、および洗浄(リンス)した後の、いわゆるリンス廃液を導入してオゾン処理する廃液処理部25を備えたものである。そして、上記処理部23には処理溶液22の供給および排出機能を持った処理溶液供給部26を有し、また、洗浄部24には洗浄液の供給部27を有する。
【0036】
上記廃液処理部25は、紫外線発生源およびオゾン発生源を含み、上記リンス廃液に紫外線照射およびオゾンを作用させることにより、上記リンス廃液中に残るシアン成分(CN)を分解してそのリンス廃液とともに、洗浄廃液回収部28に排出することで、シアン成分を含まないリンス廃液にすることができる。
【0037】
非金属シアン化合物、例えばシアン化水素、ジシアンおよびシアン化アンモニウム等のシアン化合物から形成されるシアン化合物含有水溶液を処理溶液として用いる場合には、この処理溶液に基板等を浸漬し、ついで、この基板等を取り出して、室温で、超純水を用いて洗浄(リンス)した後の、いわゆるリンス廃液は、上記シアン化合物含有量の希薄な水溶液である。そこで、このリンス廃液も上記廃液処理部25に導入して、ここで上記リンス廃液に紫外線照射およびオゾンを作用させることにより、上記リンス廃液中に残るシアン成分(CN)を分解してそのリンス廃液とともに、洗浄廃液回収部28に排出することで、シアン成分を含まないリンス廃液にすることができる。
【0038】
図3に示す本実施形態の処理装置では、基板等21を処理装置内へ入れ,さらに処理装置の外へ取り出すための搬送機構及び乾燥手段は、処理装置内外の気相遮断に配慮すれば従来技術で十分対応できるので、省略した。
【0039】
実施の形態ではpn構造をもった光電変換装置を例示しているが、pin構造をもった光電変換装置についても同様の効果を達成することができる。
本実施の形態で半導体層は、シリコン(Si)のほかに、III−V族化合物や有機半導体でも同様の作用効果が期待される。
【0040】
【発明の効果】
本発明の光電変換半導体装置によると、半導体層の表面領域又は境界領域は金属もしくは金属を含む汚染物質が除去され、かつ、未結合手がシアノ基で終端されているので、光電変換半導体装置の高効率化が実現できる。
本発明の光電変換半導体装置の製造方法によると、pn構造又はpin構造を有する半導体層を形成する前、途中もしくは後、又は前記半導体層に出力電極を形成した後、半導体基板をシアン化合物を含む溶液又は気体に曝すシアン処理過程をそなえたことにより、上記半導体層の欠陥も、上述のシアンによる未結合手の終端作用などで消滅して、光電変換半導体装置の高効率化を達成し、高性能が実現できる。
また、本発明の処理装置によると、pn構造を有する半導体層を形成する前、途中もしくは後、又は前記半導体層に出力電極を形成した後、シアン化合物を含む溶液又は気体で表面から処理し、前記半導体層又は前記出力電極を洗浄液でリンスし、さらに前記リンス後の洗浄液(廃液)をオゾン処理もしくは紫外光照射併用オゾンで処理し、又は前記洗浄処理後の洗浄液を次亜塩素酸溶液で処理する、それぞれの機能をそなえたことにより、実用可能な製造手段で、半導体光電変換装置の高効率化を達成し、高性能が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造方法の一実施におけるシアン処理工程を示す断面図である。
【図2】光電変換半導体装置を製造する一実施例を示すフロー断面図である。
【図3】光電変換半導体装置を製造する処理装置の概要図である。
【符号の説明】
11 p型多結晶基板
12 n型不純物層
13 アルミニウム電極
14 透明電極(ITO)
15 シアン化水素水溶液
16 処理槽
20 処理装置本体
21 半導体基板
22 処理溶液
23 処理部
24 洗浄部
25 廃液処理部
26 処理溶液供給部
27 洗浄液供給部
28 洗浄廃液回収部

Claims (8)

  1. pn構造又はpin構造を有する半導体層及び前記半導体層に設けられた出力電極をそなえた光電変換半導体装置において、
    前記半導体層の表面領域又は境界領域は金属もしくは金属を含む汚染物質が除去され、かつ、未結合手がシアノ基で終端されていることを特徴とする光電変換半導体装置。
  2. 前記半導体層が多結晶シリコン、単結晶シリコン及び非晶質シリコンから選ばれた少なくとも一つの物質により構成された請求項1に記載の光電変換半導体装置。
  3. 半導体基板にpn構造又はpin構造をもつ半導体層を形成し、前記半導体層のp型半導体層とn型半導体層にそれぞれ出力電極を形成する工程を備えた光電変換半導体装置の製造方法において、
    pn構造又はpin構造を形成する前の状態から前記出力電極形成後の状態までの間の少なくとも1つの段階において、前記半導体基板をシアン化合物を含む溶液又は気体に曝すシアン処理過程を備えたことを特徴とする光電変換半導体装置の製造方法。
  4. 前記シアン化合物は、シアン化水素、ジシアン及びシアン化アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも1つの非金属シアン化合物である請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記シアン処理過程は、前記半導体基板を非金属系シアン化合物を含む水溶液に浸漬する工程である請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 前記シアン化合物は、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウム及びシアン化セシウムからなる群から選ばれた少なくとも1つの金属系シアン化合物である請求項3に記載の製造方法。
  7. 前記シアン処理過程の後に前記半導体基板を洗浄液でリンスするリンス工程をさらに備えている請求項3から6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 半導体基板をシアン化合物を含む溶液又は気体に曝すシアン処理部と、
    シアン処理後の前記半導体基板を洗浄液でリンスするリンス部と、
    前記リンス後の洗浄液をオゾン処理もしくは紫外光照射併用オゾン処理、又は次亜塩素酸溶液で処理してリンス後の洗浄液中のシアン成分を分解除去する洗浄液処理部とを備えたことを特徴とする半導体基板処理装置。
JP2003135474A 2003-05-14 2003-05-14 光電変換半導体装置、その製造方法及び製造方法で用いる処理装置 Pending JP2004342723A (ja)

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