JP4355785B2 - 半導体装置製造用基板の製造方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置製造用基板の製造方法および半導体装置の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造用基板の製造方法および半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置は、通常、シリコン単結晶などからなる半導体基板を用いて製造される。半導体は微量の不純物で特性が大きく変化するため、半導体装置の製造に用いられる半導体基板の表面は清浄であることが要求される。そのため、半導体装置を製造する前に半導体基板の表面をエッチングしたり洗浄したりすることが行われている。その代表的な方法は、1970年にKernとPuotinenによって開発されたRCA洗浄法であり、現在でも広く用いられている。しかしながら、RCA法は、工程が複雑であったり、基板がエッチングされたりする場合がある。
【0003】
一方、近年、LSIなどの半導体装置では配線材料として銅が使用され始めている。銅配線は、銅メッキと、それに続く化学的機械的研磨(Chemical-Mechanical Polishing:CMP)によって形成される。しかしながら、銅は半導体(特にシリコン)のバンドギャップ中に深い準位を形成するため、配線部分以外の箇所に銅が残留すると、半導体装置の特性が大きく低下する原因となる。また、半導体装置の裏面に銅が残留すると、LSI製造装置の汚染の原因ともなる。このため、銅配線を形成したのちに銅配線以外の部分に残留する銅を十分に除去する必要がある。また、半導体装置の製造装置が銅などで汚染された場合、形成されるすべての半導体装置が汚染されることになるため、製造装置が汚染されることは重大な問題となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、半導体基板の表面や、半導体装置の表面や、半導体装置の製造装置に残留している汚染金属を十分且つ容易に除去する方法が開発されていなかった。
【0005】
このような状況に鑑み、本発明は、表面に残留している金属元素を容易に除去できる新規な半導体装置製造用基板の製造方法および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の半導体装置製造用基板の製造方法は、
(i)半導体を含む基板の表面を、シアン化物イオンを含む溶液に接触させることによって、前記半導体基板に存在する金属とシアンとの錯体を形成して前記半導体基板表面から前記金属を遊離するとともに、前記半導体基板の未結合手をシアノ基で終端する工程と、
(ii)前記半導体基板の表面から前記溶液を除去する工程と
を備え、
前記溶液が、シアン化水素、ジシアン、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウム、シアン化セシウム及びシアン化アンモニウムの群から選ばれる少なくとも一つの溶質と水及びアルコールの群から選ばれる少なくとも一つの溶媒とを含み、かつ酸を除く非酸性であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の半導体装置製造用基板の製造方法においては、前記錯体を形成するとともに前記半導体基板の未結合手をシアノ基で終端する工程の後に、前記基板をリンスする工程を含むことが好ましい。
【0008】
上記製造方法では、前記金属が銅であってもよい。また、前記半導体が、シリコン、炭化シリコンまたはIII−V族化合物半導体であってもよい。
【0009】
また、本発明の半導体装置製造用基板の製造方法は、
(A)半導体を含む基板を用いて半導体素子を形成する工程を含み、
前記(A)の工程の前、途中、又は後に、
(i)前記半導体を含む基板の表面を、シアン化物イオンを含む溶液に接触させることによって、前記半導体基板に存在する金属とシアンとの錯体を形成して前記半導体基板表面から前記金属を遊離するとともに、前記半導体基板の未結合手をシアノ基で終端する工程と、
(ii)前記半導体基板の表面から前記溶液を除去する工程と
を備え、
前記溶液が、シアン化水素、ジシアン、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウム、シアン化セシウム及びシアン化アンモニウムの群から選ばれる少なくとも一つの溶質と水及びアルコールの群から選ばれる少なくとも一つの溶媒とを含み、かつ酸を除く非酸性であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の別の半導体装置の製造方法は、
(A)配線形成等の金属処理後の半導体を含む基板を用いて半導体素子を形成する工程を含み、
前記(A)の工程の前、途中、又は後に、
(i)前記半導体を含む基板の表面を、シアン化物イオンを含む溶液に接触させることによって、前記半導体基板に存在する金属とシアンとの錯体を形成して前記半導体基板表面から前記金属を遊離するとともに、前記半導体基板の未結合手をシアノ基で終端する工程と、
(ii)前記半導体基板の表面から前記溶液を除去する工程と
を備え、
前記溶液が、シアン化水素、ジシアン、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウム、シアン化セシウム及びシアン化アンモニウムの群から選ばれる少なくとも一つの溶質と水及びアルコールの群から選ばれる少なくとも一つの溶媒とを含み、かつ酸を除く非酸性であることを特徴とする。
【0011】
上記製造方法では、前記金属が銅であってもよい。また、前記(A)の工程が、銅を含む電極を形成する工程を含んでもよい。
【0012】
上記製造方法では、前記半導体素子が電荷結合素子であってもよい。また、前記半導体が、シリコン、炭化シリコンまたはIII−V族化合物半導体であってもよい。
【0013】
また、本発明の半導体装置の製造装置の洗浄方法は、(i)半導体装置の製造装置の表面をシアン化物イオンを含む溶液に接触させることによって、前記製造装置の表面に存在する金属とシアン化物イオンとの錯体を形成する工程と、(ii)前記製造装置の表面から前記溶液を除去する工程とを含む。
【0014】
上記洗浄方法では、前記溶液が、シアン化水素、ジシアン、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウム、シアン化セシウムおよびシアン化アンモニウムから選ばれる少なくとも1つを溶質として含んでもよい。
【0015】
上記洗浄方法では、前記溶液が、水及びアルコールから選ばれる少なくとも1つを溶媒として含んでもよい。
【0016】
また、本発明の半導体装置の製造装置の他の洗浄方法は、(I)半導体装置の製造装置の表面にシアン化水素およびジシアンから選ばれる少なくとも1つの化合物を接触させることによって、前記製造装置の表面に存在する金属とシアン化物イオンとの錯体を形成する工程と、(II)前記製造装置の表面をリンスする工程とを含む。
【0017】
上記洗浄方法では、前記金属が銅であってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0019】
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の半導体装置製造用基板の製造方法(または洗浄方法)および半導体装置の製造方法(または洗浄方法)について一例を説明する。
【0020】
実施形態1の洗浄方法では、まず、半導体を含む基板の表面をシアン化物イオン(CN-)を含む溶液(以下、シアン化物イオン溶液という場合がある)に接触させることによって、基板の表面に存在する金属とシアン化物イオンとの錯体を形成する(工程(i))。なお、シアン化物イオン溶液に接触させる前に、基板の表面を洗浄しておいてもよい。洗浄には、半導体基板の洗浄に一般的に用いられる方法を適用できる。
【0021】
半導体は特に限定はないが、たとえば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン、炭化シリコン(SiC)またはIII−V族化合物半導体などである。III−V族化合物半導体としては、たとえば、砒化ガリウム(GaAs)やリン化インジウム(InP)が挙げられる。
【0022】
半導体を含む基板は、半導体装置の製造に用いられる基板であればよく、半導体のみからなる基板でもよいし、半導体からなる基板上に酸化膜や窒化膜が形成された基板でもよい。具体的には、たとえば、二酸化シリコン(SiO2)、四窒化三シリコン(Si3N4)、シリコンオキシナイトライド、三酸化二アルミニウム(Al2O3)などが形成されていてもよい。また、基板の一部にドーパントが添加された不純物領域が形成されていてもよい。また、半導体以外の基板(たとえばサファイア基板)の上に半導体層が形成された基板でもよい。
【0023】
シアン化物イオンを含む溶液としては、たとえばシアン化水素(HCN)、ジシアン((CN)2)、シアン化カリウム(KCN)、シアン化ナトリウム(NaCN)、シアン化ルビジウム(RbCN)、シアン化セシウム(CsCN)、シアン化アンモニウム(NH4CN)といったシアン化合物を溶質として含む溶液を用いることができる。溶媒は、これらの溶質を溶解させることができるものであればよく、たとえば、水、オゾンを溶解させた水、メタノール、エタノールまたはプロノールといったアルコール類、またはこれらの混合液を用いることができる。具体的には、たとえば、シアン化カリウムのメタノール溶液または水溶液や、シアン化ナトリウムのメタノール溶液または水溶液を用いることができる。なお、基板がシリコン基板の場合、溶媒としてメタノールを用いて工程(i)を行うことによって、基板のエッチングを防止できる。一方、溶媒として水を用いて工程(i)を行うことによって、基板のエッチングが生じる場合がある。このように溶媒によって基板のエッチングの程度を制御することが可能である。基板のエッチングを行うことによって、汚染金属の除去に加えて、基板に付着しているパーティクルの除去も可能になる。
【0024】
シアン化物イオン溶液中のシアン化物イオンの好ましい濃度は、汚染金属の量や用いる溶液の量によっても異なるが、基板の表面に存在する汚染金属(たとえば銅)のほとんどを錯体とすることができる濃度であればよい。そのためには、汚染金属の量に対して過剰のシアン化物イオンが溶液中に存在している必要がある。汚染金属が銅である場合、[Cu(CN)4]3-や[Cu(CN)3]2-、[Cu(CN)2]-といった錯体を形成する可能性がある。
【0025】
上記工程(i)は、図1に示すように、シアン化物イオンを含む溶液11に、半導体を含む基板12を浸漬することによって行うことができる。また、シアン化物イオンを含む溶液を、半導体を含む基板の表面に噴霧してもよい。なお、シアン化物イオンを含む溶液の温度は、60℃以下の温度であることが好ましい。
【0026】
上記工程(i)ののち、上記基板の表面からシアン化物イオン溶液を除去する(工程(ii))。シアン化物イオン溶液の除去は、上記溶媒などの液体を用いて基板の周囲に存在するシアン化物イオン溶液を洗い流すことで行うことができる。たとえば、シアン化物イオン溶液の溶媒が水、アルコール、または水とアルコールとの混合液である場合には、洗浄液として、水、アルコール、または水とアルコールとの混合液を用いることができる。シアン化物イオン溶液の除去は、複数の溶液を用いて何段階かに分けておこなってもよい。また、工程(ii)ののちにさらに基板の洗浄を行ってもよい。
【0027】
その後、必要に応じて基板を乾燥させる。乾燥は、半導体基板の製造で一般的に用いられている方法で行うことができる。このようにして、表面に付着した汚染金属が少ない基板(半導体装置製造用の基板)を製造できる。この方法によれば、特に基板の表面に付着した銅の量を大きく低減することが可能である。さらに、基板に含まれる半導体がシリコンである場合、シアン化物イオン溶液で処理した際にシリコン表面に存在する未結合手(ダングリングボンド)にシアノ基(−CN)が結合し、未結合手が終端されるという効果が得られる。
【0028】
なお、実施形態1の方法は、半導体装置製造用の基板の製造方法に限らず、半導体装置自体の製造方法にも有効であることはいうまでもない。その場合には、上述した「半導体を含む基板」として、半導体装置の製造過程にある基板(すなわち、半導体素子を構成する絶縁膜やドーピング領域や配線が形成された基板)や、形成された半導体装置に対して同様の処理(工程(i)および(ii)を含む処理)を行えばよい。すなわち、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体を含む基板を用いて半導体素子を形成する工程(A)を含み、工程(A)の前、途中、または後に、工程(i)および(ii)を含む。
【0029】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(A)が、銅を含む電極(ゲート電極や配線など)を形成する工程を含む場合に特に有効であり、具体的には、銅などの金属配線が形成された半導体装置(たとえばLSI)に有効である。また、銅などの汚染金属の影響が大きい電荷結合素子(CCD)などの洗浄にも有効である。また、上述したように、シリコンを含む基板を用いた半導体装置では、基板表面に存在する未結合手を終端することによって半導体装置の特性が向上するという効果が得られる。この製造方法は、LSIやCCDの製造以外にさまざまな半導体装置の製造に適用でき、たとえば、ゲート酸化膜が薄い半導体装置やC−MOSセンサなどにも好適である。
【0030】
(実施形態2)
実施形態2では、本発明の半導体装置製造用基板の製造方法(または洗浄方法)および半導体装置の製造方法(または洗浄方法)について他の一例を説明する。
【0031】
実施形態2の製造方法では、金属の除去に、シアン化水素およびジシアンから選ばれる少なくとも1つを用いる。この方法では、まず、半導体を含む基板の表面にシアン化水素およびジシアンから選ばれる少なくとも1つの化合物を接触させることによって、基板の表面に存在する金属とシアン化物イオンとの錯体を形成する(工程(I))。半導体を含む基板は、実施形態1で説明したものと同様である。工程(I)は、液体のシアン化水素または液体のジシアンに半導体を含む基板を浸漬することによって行うことができる。また、工程(I)は、気体のシアン化水素または気体のジシアンに半導体を含む基板を暴露することによっても行うことができる。
【0032】
次に、上記基板をリンスする(工程(II))。すなわち、基板の表面を、実施形態1で説明した溶媒などを用いて洗い流す。このリンスによって、基板表面に存在する錯体、または工程(I)によって基板表面から遊離した汚染金属が除去される。
【0033】
その後、必要に応じて基板を乾燥させる。乾燥は、半導体基板の製造で一般的に用いられている方法で行うことができる。このようにして、表面に付着した汚染金属が少ない基板(半導体装置用の基板)を製造できる。この方法によれば、実施形態1の方法と同様の効果が得られる。
【0034】
なお、実施形態2の方法についても、実施形態1と同様に半導体装置の製造方法に適用できる。この点は、実施形態1と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0035】
(実施形態3)
実施形態3では、本発明による、半導体装置の製造装置の洗浄方法(特に汚染金属の除去方法)について説明する。この製造方法では、実施形態1または2で説明した洗浄方法を半導体装置の製造装置の洗浄に適用する。
【0036】
実施形態1の方法を適用する場合、実施形態3の洗浄方法は、半導体装置の製造装置の表面(特に装置内部の表面)をシアン化物イオンを含む溶液に接触させることによって、上記製造装置の表面に存在する金属とシアン化物イオンとの錯体を形成する工程(i)と、上記製造装置の表面からシアン化物イオン溶液を除去する工程(ii)とを含む。工程(i)および(ii)は実施形態1で説明した工程(i)および(ii)と同様の溶液および溶媒を用いて行うことができるため、重複する説明は省略する。実施形態3の方法では、たとえば、シアン化物イオン溶液を製造装置の内部に吹きつけたのち、それを実施形態1で説明した溶媒などの液体を用いて洗い流し、シアン化物イオン溶液を製造装置の表面から除去すればよい。
【0037】
また、実施形態2の方法を適用する場合、実施形態3の洗浄方法は、半導体装置の製造装置の表面にシアン化水素およびジシアンから選ばれる少なくとも1つの化合物を接触させることによって、上記製造装置の表面(特に装置内部の表面)に存在する金属とシアン化物イオンとの錯体を形成する工程(I)と、上記製造装置の表面をリンスする工程(II)とを含む。工程(II)は、換言すれば、製造装置の表面近傍に存在する錯体、または工程(I)によって装置表面から遊離した汚染金属を除去する工程である。工程(I)および(II)は、それぞれ、実施形態2で説明した工程(I)および(II)と同様に行うことができるため、重複する説明は省略する。実施形態3の方法では、たとえば、シアン化水素やジシアンの蒸気を製造装置内に充填したのち、実施形態1で説明した溶媒などの液体で装置内部を洗い流せばよい。
【0038】
実施形態3の洗浄方法によれば、半導体装置の製造装置内に付着した金属(たとえば銅)や、製造装置の材料であるステンレスなどから排出される汚染金属を除去できる。これによって、製造装置から半導体装置内に金属の汚染が広がることを防止できる。
【0039】
以上、本発明の製造装置の洗浄方法について説明したが、別の観点からみれば、本発明は、本発明の洗浄方法を行うことができる手段を備えた製造装置に関する。この製造装置は、たとえば、製造装置の内部をシアン化物イオン溶液で洗浄する手段と、そのシアン化物イオン溶液を洗い流す手段とを備えることによって実現可能である。あるいは、この製造装置は、製造装置の内部にシアン化水素またはジシアンを導入する手段と、製造装置の内部をリンスする手段とを備えることによって実現可能である。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。この実施例では、本発明の方法を用いて銅の除去を行った結果について説明する。
【0041】
まず、ボロンをドープしたp形Si(100)ウェーハ(比抵抗:約10Ωcm)を、RCA法を用いて洗浄した。次に、このSi(100)表面上に、熱酸化によって厚さ6.1nmの二酸化シリコン層(SiO2層)を形成した。このSiO2/Si構造を有するサンプルを、濃度0.1Mの塩化第二銅(CuCl2)水溶液に30分間浸漬した。その後、室温の超純水でリンスしたのち、メタノールを用いて3分間洗浄した。このようにして、サンプルの表面を意図的に銅で汚染した。
【0042】
メタノール洗浄の直後にサンプルの全反射蛍光X線測定を行った。測定は、テクノス社製TREX610を用いて行った(以下のサンプルも同様である)。得られた全反射蛍光X線スペクトルを図2に示す。CuのKα線によるピークの積分強度から求めたSiO2表面上の銅の存在量は、2.4×1014cm-2であった。
【0043】
次に、メタノール洗浄前の上記サンプルを別に作製した。すなわち、SiO2/Si構造を有するサンプルを0.1MのCuCl2水溶液に30分間浸漬したのち、室温の超純水でリンスしたサンプルを作製した。このサンプルを、濃度0.1MのKCNのメタノール溶液に室温で10分間浸漬した。その後、室温の超純水とメタノールで洗浄(リンス)した。図3は、超純水とメタノールで洗浄した直後に観測した全反射蛍光X線スペクトルである。CuのKα線によるピークは観測されず、銅の存在量は全反射蛍光X線装置の検出限界である3×109cm-2以下であることがわかった。この結果は、銅によるSiO2表面の汚染を、本発明の方法によって有効に除去できたことを示している。従来の洗浄方法では、Cuの低減は1011cm-2程度が限界であったため、本発明の方法は銅の低減に非常に有効である。
【0044】
次に、本発明の方法によってSiO2層がエッチングされるかどうかについて検証した。まず、p形のSi(100)表面上に、熱酸化によって二酸化シリコン層(SiO2層)を形成した(サンプル1)。そして、RCA洗浄を行い、その直後にXPSスペクトルを測定した。測定したスペクトルのうち、Siの2p領域のスペクトルを図4のスペクトル(a)に示す。ピーク1は、SiO2層中のSi原子の2p軌道から放出される電子によるものである。また、ピーク2は、結晶シリコン中のSi原子の2p軌道から放出される電子によるものである。ピーク1とピーク2の面積強度比から、SiO2層の厚さは、約6.1nmと見積もることができた。
【0045】
一方、別のサンプル1について、RCA洗浄し、その後、濃度0.1MのKCNメタノール溶液に室温で30分間浸漬した。その後、サンプルを室温の超純水とメタノールで洗浄し、洗浄の直後にXPSスペクトルを測定した。測定したスペクトルのうち、Siの2p領域のスペクトルを図4のスペクトル(b)に示す。ピーク1とピーク2の面積強度比はスペクトル(a)とほとんど変わらず、SiO2層の厚さは、6.2nmと見積もられた。この結果は、KCNのメタノール溶液によってSiO2がエッチングされなかったことを示している。
【0046】
SiO2/Si構造を有するサンプルに対して行った実験と同様の実験を、p形シリコン単結晶基板に対して行った結果、シリコン単結晶基板上に存在する銅の汚染も3×109cm-2以下まで除去できることが分かった。以下の表1に、これらの結果をまとめる。
【0047】
【表1】
【0048】
表1に示すように、本発明の方法を用いることによって、基板の表面に存在する銅を有効かつ容易に除去できた。なお、実施例では銅のみについて検証したが、本発明の方法は、銅に限らず、他の金属元素の除去に有効であると考えられ、たとえば、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、銀、タングステン、チタンなどの除去にも有効であると考えられる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態について例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、半導体装置の製造に用いられる基板の表面、半導体装置の表面、または半導体装置の製造装置の表面に存在する金属(特に銅)による汚染を簡単に除去することができる。この方法は、従来の方法に比べて簡易であり、室温で行うことも可能である。また基板または半導体装置の表面をエッチングせずに汚染金属を除去することが可能であるため、幅広い分野に適用が可能であり、特に浅い接合や薄いゲート酸化膜を備える半導体装置の製造に有効である。さらに、本発明の方法を用いることによって、半導体の内部に存在する汚染金属を低減できる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法の一工程を示す図である。
【図2】 比較例の方法で洗浄を行ったサンプルの全反射蛍光X線スペクトルの一例である。
【図3】 本発明の方法で洗浄を行ったサンプルの全反射蛍光X線スペクトルの一例である。
【図4】 本発明の方法および比較例の方法で洗浄を行ったサンプルについて、Siの2p軌道に起因するピークを示すXPSスペクトルの一例である。
【符号の説明】
11 溶液
12 基板
Claims (7)
- (i)半導体を含む基板の表面を、シアン化物イオンを含む溶液に接触させることによって、前記半導体基板に存在する金属とシアンとの錯体を形成して前記半導体基板表面から前記金属を遊離するとともに、前記半導体基板の未結合手をシアノ基で終端する工程と、
(ii)前記半導体基板の表面から前記溶液を除去する工程と
を備え、
前記溶液が、シアン化水素、ジシアン、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウム、シアン化セシウム及びシアン化アンモニウムの群から選ばれる少なくとも一つの溶質と水及びアルコールの群から選ばれる少なくとも一つの溶媒とを含み、かつ酸を除く非酸性であることを特徴とする半導体装置製造用基板の製造方法。 - 前記半導体基板に存在する金属とシアンとの錯体を形成して前記半導体基板表面から前記金属を遊離するとともに、前記半導体基板の未結合手をシアノ基で終端する工程の後に、前記半導体基板をリンスする工程を含む請求項1に記載の半導体装置製造用基板の製造方法。
- 前記金属が銅である請求項1又は請求項2に記載の半導体装置製造用基板の製造方法。
- 前記半導体が、シリコン、炭化シリコン又はIII-V族化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置製造用基板の製造方法。
- (A)半導体を含む基板を用いて半導体素子を形成する工程を含み、
前記(A)の工程の前、途中、又は後に、
(i)前記半導体を含む基板の表面を、シアン化物イオンを含む溶液に接触させることによって、前記半導体基板に存在する金属とシアンとの錯体を形成して前記半導体基板表面から前記金属を遊離するとともに、前記半導体基板の未結合手をシアノ基で終端する工程と、
(ii)前記半導体基板の表面から前記溶液を除去する工程と
を備え、
前記溶液が、シアン化水素、ジシアン、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウム、シアン化セシウム及びシアン化アンモニウムの群から選ばれる少なくとも一つの溶質と水及びアルコールの群から選ばれる少なくとも一つの溶媒とを含み、かつ酸を除く非酸性であることを特徴とする半導体装置製造用基板の製造方法。 - (A)配線形成等の金属処理後の半導体を含む基板を用いて半導体素子を形成する工程を含み、
前記(A)の工程の前、途中、又は後に、
(i)前記半導体を含む基板の表面を、シアン化物イオンを含む溶液に接触させることによって、前記半導体基板に存在する金属とシアンとの錯体を形成して前記半導体基板表面から前記金属を遊離するとともに、前記半導体基板の未結合手をシアノ基で終端する工程と、
(ii)前記半導体基板の表面から前記溶液を除去する工程と
を備え、
前記溶液が、シアン化水素、ジシアン、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウム、シアン化セシウム及びシアン化アンモニウムの群から選ばれる少なくとも一つの溶質と水及びアルコールの群から選ばれる少なくとも一つの溶媒とを含み、かつ酸を除く非酸性であることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記半導体が、シリコン、炭化シリコン又はIII-V族化合物である請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
Priority Applications (3)
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