JP2004341341A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー仮保持部材によって捕獲された不要トナーの回収シーケンスを印字ジョブの内容に対して容易に最適化することができ、クリーニング不良が発生することがなく、しかも像担持体の寿命が極端に短命化するのを防止することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラム等の像担持体の表面に付着した不要トナーを除去すると共に一時的に保持するトナー仮保持部材を備え、このトナー仮保持部材に保持された不要トナーを像担持体上に吐き出させる回収シーケンスを定期的に実行して、かかる不要トナーを最終回収手段に集めるように構成した画像形成装置において、前記最終回収手段に突入する不要トナーの量を検出するトナー検知センサを設け、このトナー検知センサの検出信号を利用して前記不要トナーの回収シーケンスの最適化を図るよにう構成した。
【選択図】 図8
【解決手段】感光体ドラム等の像担持体の表面に付着した不要トナーを除去すると共に一時的に保持するトナー仮保持部材を備え、このトナー仮保持部材に保持された不要トナーを像担持体上に吐き出させる回収シーケンスを定期的に実行して、かかる不要トナーを最終回収手段に集めるように構成した画像形成装置において、前記最終回収手段に突入する不要トナーの量を検出するトナー検知センサを設け、このトナー検知センサの検出信号を利用して前記不要トナーの回収シーケンスの最適化を図るよにう構成した。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置に係り、詳細には、感光体ドラムや中間転写体といった像担持体に付着する残留トナーのクリーニング機構を簡易化しつつも、長期にわたって高品位の記録画像を形成するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平4−29283号公報
【特許文献2】特開2001−075448号公報
【特許文献3】特開2002−372902号公報
【0003】
一般に、電子写真複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置においては、画像データに応じて感光体ドラムの表面にトナー像を形成した後、かかるトナー像を記録シートに転写し、転写されたトナー像を記録シートに加熱定着することで記録画像を得ている。また、近年のフルカラー複写機、フルカラレーザビームプリンタにおいては、感光体ドラム上に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、かかる中間転写体上でイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの4色のトナー像を重ね合わせ、これら合成トナー像を記録シートに一括して二次転写することでフルカラー記録画像を形成するものも知られている。
【0004】
トナー像の転写効率は感光体ドラムや中間転写体の表面状態、温度・湿度の変化に伴う記録シートや中間転写体の抵抗値の変動に影響を受けるので、これを常に100%に保つことは困難であり、トナー像の転写元である感光体ドラムや中間転写体の表面にはトナー像の転写後にもトナーが残留付着している。このため、従来より、感光体ドラムや中間転写体といった像担持体に対しては、トナー像の転写部位の下流側にクリーニング装置が設けられ、次のトナー像の形成に先立って残留トナーの除去が行われている。
【0005】
この種のクリーニング装置としては、特開平4−29283号公報に開示されるように、無数の摺擦毛を植えたブラシロールを感光体ドラム等の像担持体に接触させると共に、このブラシロールと像担持体との間にトナーの帯電極性に応じた電位差を与え、残留トナーを像担持体からブラシロールへ静電吸着させるように構成したものが知られている。また、ブラシロールではなく、軟弾性体からなるソフトロールを像担持体に接触させ、やはり残留トナーを像担持体からソフトロールの表面へ静電吸着させるように構成したクリーニング装置も知られている。
【0006】
いずれの構成でも、ブラシロールやソフトロールが保持し得るトナーの量には限界があり、多量のトナーを保持したまま像担持体に接触していたのでは、クリーニング能力それ自体が低下してしまうことから、これらブラシロールやソフトロールからトナーを引き離して回収するための、所謂デトーニング機構が必要となる。例えば、ブラシロールに対してはフリッカーバと称される突起が摺擦毛の回転範囲内に設けられ、かかる摺擦毛をフリッカーバに叩きつけることによってトナーをブラシロールから強制的に叩き落とし、これをオーガ等の搬送手段を用いて回収ボックス内に回収している。
【0007】
しかし、このようなデトーニング機構を設けると、クリーニング装置が大がかりなものとなってしまう。特に、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の夫々に対して感光体ドラムを備えた所謂タンデム型のカラー画像形成装置においては、各感光体ドラム毎にクリーニング装置を設ける必要があり、更に、中間転写体を介してトナー像を記録シートに転写するタイプの画像形成装置においては、中間転写体に対してもクリーニング装置を設けることが必要となる。このため、カラー複写機やカラーレーザビームプリンタ等の小型化に当たっては、クリーニング装置を以下に小型化、簡易化するかが極めて重要である。
【0008】
このような観点から、特開2001−075448号公報や特開2002−372902号公報に開示されるカラー画像形成装置では、複数の中間転写体の夫々に対して残留トナーを除去するブラシロールを設けながらも、これらのブラシロールに対してはデトーニング機構を一切設けず、各ブラシロールに付着したトナーを印字ジョブの最後に一カ所に集めて回収するように構成されている。具体的には、トナー像の形成及び転写の邪魔にならないよう、印字ジョブ中は各中間転写体に設けられたブラシロールが残留トナーを清掃して保持するように働く一方、印字ジョブの終了時にはこれらのブラシロールが保持していたトナーを中間転写体上へ吐き出させ、トナー像の転写と同じ要領で下流側のロールへと順次転移させていき、最終段のロールに対して設けられた回収装置で一括して回収するように構成している。
【0009】
このように各ブラシロールで保持されたトナーを一カ所に集めて一括して回収するように構成した場合、各像担持体を清掃するクリーニング装置それ自体は極めて簡易なものとなり、清掃しなければならない像担持体の本数が多いカラー画像形成装置においては極めて有利に小型化を進めることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一方、デトーニング機構を具備しないブラシロールを用いる場合には、各ブラシロールが保持していたトナーを吐き出す所謂回収シーケンスを定期的に行わなければならず、印字ジョブ中にブラシロールが像担持体から除去するトナー量と、回収シーケンス中にブラシロールが吐き出すトナー量とを比較した場合、前者の量が多くなければ、いつしかブラシロールが保持しきれない程のトナーを含んでしまい、像担持体のクリーニング不良から記録画像の画質が悪化してしまう。
【0011】
ここで、ブラシロールが印字ジョブ中に保持するトナー量はその印字ジョブの内容、例えば、記録シート通紙枚数や画像面積率、トナー像の転写効率等によって変動するため、本来であれば回収シーケンスの継続実施時間等の条件は直前の印字ジョブの内容毎に異なったものとするのが好ましいが、回収シーケンスの制御が複雑化する他、コストが嵩む等の理由により、従来は標準的な印字ジョブを想定し、この印字ジョブに対して最適化した回収シーケンスを実施していた。
【0012】
しかし、例えば直前の印字ジョブにおける連続通紙枚数や画像面積率が想定していた標準的な連続通紙枚数や画像面積率よりも過大な場合は、ブラシロールに保持された不要トナーを充分には像担持体上に吐き出すことが出来ず、次の印字ジョブにおいて各ブラシロールのトナー捕獲力が低下し、像担持体を充分にクリーニングすることができなくなってしまうといったトラブルが発生する。
【0013】
これとは逆に、例えば直前の印字ジョブにおける連続通紙枚数や画像面積率が想定していた標準的な連続通紙枚数や画像面積率よりも過少な場合は、各ブラシロールに保持されている不要トナーが少ないにも拘らず、冗長な回収シーケンスが実施される結果となり、かかる回収シーケンスが実施されている間は次の印字ジョブを開始することができないので、記録画像の生産性を著しく低下させる原因となってしまう。また、回収シーケンスでは各像担持体を駆動すると共に、これら像担持体に対してトナーの転移をコントロールするための電圧を印加していることから、かかる回収シーケンスの実施時間が長くなると、その分だけ感光体ドラムや中間転写体といった像担持体の摩耗や劣化が進行することになり、これら像担持体の寿命が短命化してしまう。
【0014】
このことから、デトーニング機構を具備しないブラシロールを用いて像担持体の表面をクリーニングしている画像形成装置においては、簡易な方法で不要トナーの回収シーケンスを印字ジョブの内容に対して最適化することが望まれていた。
【0015】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、デトーニング機構を具備しないトナー仮保持部材で感光体ドラムや中間転写体等の像担持体を清掃することにより、かかる像担持体のクリーニング機構を簡易に構成して、カラー化においても装置の小型化を達成することが可能であると共に、前記トナー仮保持部材によって捕獲された不要トナーの回収シーケンスを印字ジョブの内容に対して容易に最適化することができ、クリーニング不良が発生することがなく、しかも像担持体の寿命が極端に短命化するのを防止することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、画情報に応じたトナー像を像担持体上に形成すると共に該トナー像を記録シートに転写する印字ジョブを実行する画像形成装置であって、像担持体の表面に付着した不要トナーを除去すると共に一時的に保持するトナー仮保持部材を備え、このトナー仮保持部材に保持された不要トナーを像担持体上に吐き出させる回収シーケンスを定期的に実行して、かかる不要トナーを最終回収手段に集めるように構成した画像形成装置を前提とし、前記最終回収手段に突入する不要トナーの量を検出するトナー検知センサを設け、このトナー検知センサの検出信号を利用して前記不要トナーの回収シーケンスの最適化を図るものである。
【0017】
ここで、前記最終回収手段とは、デトーニング機構を具備し、トナー仮保持部材から像担持体上に吐き出された不要トナーを最終的にトナー廃棄ボックスへ回収できる機構を意味し、例えば、感光体ドラムや中間転写体に対して配置されたデトーニング機構付きのブラシロールやクリーニングブレード等である。また、この最終回収手段は感光体ドラムや中間転写体等といった像担持体に対して設けられても、これら像担持体から記録シートにトナー像を転写する最終転写ロールに対して設けられても良い。
【0018】
更に、前記トナー検知センサとしては、回収シーケンスの実施中にトナー仮保持部材から吐き出された不要トナーを像担持体上、あるいは最終転写ロール上で検知するものであれば良く、例えば像担持体上の光の反射の強弱からトナーの存在を検知する反射型濃度センサを用いることができる。また、トナーとして磁性トナーを用いるのであれば、磁気センサを用いることも可能である。
【0019】
通常、カラー画像形成装置では、形成するカラー画像の色再現性や階調性を画像データと整合させるべく、印字ジョブの合間等にサンプルとしての単色トナー像を形成すると共に、このトナー像の濃度を濃度センサで検出し、検出した濃度データと画像データとを比較した後、画像形成条件を補正するフィードバック制御を行っている。従って、前記トナー検知センサとしてはこの濃度センサをそのまま利用することができ、極めて安価に本発明を実施することが可能である。
【0020】
前記トナー検知センサの検出信号の利用形態としては、回収シーケンスの実施中は前記検出信号をモニタし、かかる検出信号が所定値を下回るのを待って前記回収シーケンスを終了することが考えられる。回収シーケンスの実施中、トナー仮保持部材は不要トナーを常に一定量ずつ像担持体上に吐き出すのではなく、回収シーケンスの最初は多量の不要トナーを像担持体上に吐き出し、仮保持部材に保持されている不要トナーの量が減少するにつれ、像担持体上に吐き出す不要トナーの量は0に近づいていく。従って、回収シーケンスの実施中にトナー検知センサの検出信号をモニタし、最終回収手段に突入していく不要トナーの量が回収シーケンスの時経過と共に減少していく様子を把握すれば、トナー仮保持部材がどの程度まで不要トナーを吐き出したのかを予測することができ、回収シーケンスの終了時を決定することが可能となる。
【0021】
すなわち、このようにトナー検知センサの検出信号を利用することにより、トナー仮保持部材に保持されている不要トナーを回収シーケンスの実施中に像担持体へ充分に吐き出させることが可能となり、しかも、回収シーケンスを過剰に実施してしまうことがなく、像担持体の摩耗や劣化が進行するのを防止することが可能となる。
【0022】
このような技術的手段において、前記トナー検知センサの検出信号は回収シーケンスの開始後、これを常時モニタしていても差し支えないが、より負担の少ない安価な構成という観点からすれば、一定時間毎に前記検出信号をチェックするのが好ましい。
【0023】
また、トナー仮保持部材は回収シーケンスの開始直後は印字ジョブ中に捕獲した不要トナーを多量に吐き出すが、ある程度の量を吐き出した後は不要トナーを僅かずつ吐き出し、回収シーケンスを長時間実施したからといって、トナー仮保持部材が吐き出す不要トナーの量が完全に皆無となることはない。従って、トナー検知センサの出力信号が所定値を下回らないからといって、回収シーケンスを長時間継続し続けると、却って像担持体の摩耗や劣化を速める結果となるので、かる観点からすれば、回収シーケンスの最大実施長さを予め決定しておき、譬えトナー検知センサの検出信号が所定値を下回らない場合であっても、最大実施時間が経過した時点で回収シーケンスを強制的に終了するように構成するのが好ましい。
【0024】
一方、このように回収シーケンスの実行中にトナー検知センサの検出信号を逐次チェックするのではなく、かかる回収シーケンスの終了直前にのみトナー検知センサの検出信号をチェックし、該検出信号が所定値を上回っていた場合に、通常の回収シーケンスに連続して臨時の回収シーケンスを実施するように構成しても良い。すなわち、回収シーケンスの終了直前におけるトナー検出センサの検出信号が所定値よりも大きい場合には、トナー仮保持部材が未だ不要トナーを多く保持している可能性が高く、回収シーケンスの実施時間を延長することで、トナー仮保持部材により多くの不要トナーを吐き出させることが可能となる。
【0025】
この場合、印字ジョブの終了直後に行われる通常の回収シーケンスについては、予め実施時間を定めておき、かかる実施時間の終了間際にトナー検知センサの検出信号をチェックすることになる。また、通常の回収シーケンスでトナー仮保持部材を充分に浄化できない場合には、トナー検知センサの検出信号に基づいて臨時の回収シーケンスが引き続き実施されるので、トナー仮保持部材の浄化が不足する懸念はなく、このため通常の回収シーケンスの実施時間については、これを短めに設定しておくことが可能となる。従って、トナー仮保持部材が保持している不要トナーの量に比べて冗長な回収シーケンスが実行される不都合を回避することができ、像担持体の摩耗や劣化を抑えることが可能となる。
【0026】
また、トナー検知センサの検出信号を利用して前記不要トナーの回収シーケンスの最適化を図る他の例としては、前記回収シーケンスの終了時にトナー検知センサの検出信号をチェックし、かかる検出信号の出力レベルに基づいて次回の回収シーケンスの実施継続時間を調整することが考えられる。すなわち、回収シーケンスの終了時におけるトナー検知センサの出力信号のレベルをチェックすれば、その時点でトナー仮保持部材が像担持体上に吐き出している不要トナーの量を把握することができ、回収シーケンスの実施継続時間が充分であるか、あるいは不十分であるかを判別することが可能となる。充分であると判断される場合には、次回の回収シーケンスの際にその実施継続時間を短縮することで、トナー仮保持部材が不要トナーをさほど吐き出さないにも拘らず回収シーケンスが継続されるのを防止することができ、像担持体の摩耗や劣化を抑えることが可能となる。一方、不十分であると判断される場合には、次回の回収シーケンスの際にその実施継続時間を延長することで、トナー仮保持部材を確実に清浄化することができ、回収シーケンスを繰り返す度に不要トナーが次第にトナー仮保持部材に蓄積されてしまうといったトラブルを避けることが可能となる。
【0027】
一回の印字ジョブにおいてトナー仮保持部材に捕獲される不要トナーの量は、かかる印字ジョブにおける記録シートの連続通紙枚数や印字密度等に影響を受けるが、実施される印字ジョブの内容に応じて異なったものとなる。その反面、印字ジョブの内容は個々のユーザ毎に一定の傾向があることから、前述のように回収シーケンスの終了時にトナー検知センサの検出信号をチェックすると共に、かかる検出信号に基づいて該回収シーケンスの効果の度合いを確認し、その結果を次の回収シーケンスの実施継続時間にフィードバックするように構成すれば、各ユーザの印字ジョブの内容の傾向に合わせて回収シーケンスの実施継続時間を最適化することが可能となる。
【0028】
あるいは、次回の回収シーケンスの実施継続時間を調整するのではなく、回収シーケンスの実施間隔を変更することが考えられる。すなわち、回収シーケンスの終了時にトナー検知センサの検出信号をチェックし、依然として多くの不要トナーがトナー仮保持部材から像担持体上に吐き出されていると判断されるのであれば、印字ジョブ中における回収シーケンスの実施間隔、具体的には回収シーケンスを実施する際のトリガーとなる記録シートの連続通紙枚数を減らし、印字ジョブ中に一層こまめに回収シーケンスを実施するのである。これによれば、前後する回収シーケンスの間でトナー仮保持部材に蓄積される不要トナー量を抑えることができ、一回の回収シーケンスの実施継続時間を延長することなく、トナー仮保持部材を確実に清浄化することが可能となる。
【0029】
また、トナー仮保持部材が印字ジョブ中に捕獲する不要トナーの量は、かかる印字ジョブにおける記録シートの連続通紙枚数や印字密度等によって異なったものとなり、例えば、一つの印字ジョブにおける記録シートの連続通紙枚数が多い場合や、連続通紙枚数は少なくても印字密度が極端に大きい記録画像が連続する場合等には、トナー仮保持部材が印字ジョブの終了前に保持しきれないほどの不要トナーを含んでしまうことがある。このようなケースでは、印字ジョブを一時的に中断して回収シーケンスを実施する必要があり、従来は記録シートの連続通紙枚数が所定枚数に達したことを条件に、印字ジョブを一時的に中断して回収シーケンスを実施していた。しかし、むやみに印字ジョブを中断して回収シーケンスを実施すると、記録画像の生産性が著しく低下する反面、印字ジョブを中断するまでの記録シートの連続通紙枚数を多めに設定すると、印字密度の大きい記録画像が形成された場合に、トナー仮保持部材から不要トナーが溢れ出してしまう懸念がある。
【0030】
そこで、前記トナー検知センサの検出信号を積算し、回収シーケンスの実施中に最終回収手段によって回収された不要トナーの総量を把握すると共に、該総量を所定値と比較し、その比較結果に応じて前記回収シーケンスの実施間隔を変更するように構成することが考えられる。すなわち、回収シーケンスの実施中に最終回収手段によって回収された不要トナーの総量を把握することができれば、印字ジョブを中断して回収シーケンスを実施する際の条件となる記録シートの連続通紙枚数が適切なものか否かを判断することが可能となる。検出信号から把握した不要トナーの総量が所定値よりも多い場合には、回収シーケンスを強制的に実施する迄の記録シートの連続通紙枚数が過剰であると判断することができるし、逆に少ない場合には、回収シーケンスを強制的に実施する迄の記録シートの連続通紙枚数がもっと多くても良いと判断することができる。これにより、印字ジョブを中断して強制的に実施される回収シーケンスを実施する際に、その判断条件となる記録シートの連続通紙枚数をユーザの使用環境に合わせて最適化することが可能となる。
【0031】
この場合も、次回の回収シーケンスの実施間隔を変更するのではなく、回収シーケンスの実施継続時間を変更しても良い。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の画像形成装置を詳細に説明する。
図1は本発明を適用したフルカラーレーザビームプリンタの概略構成を示すものである。尚、図1中の矢印は、各回転部材の回転方向を示している。
【0033】
このフルカラープリンタは、図1に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ (M)、シアン(C)、ブラック(K)用の各感光体ドラム11,12,13,14と、これら感光体ドラム11〜14 に接触する一次帯電用の帯電ロール21,22,23,24と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のレーザ光31,32,33,34を照射する図示しないレーザ光学ユニットと、現像器41,42,43,44と、上記4つの感光体ドラム11〜14のうちの2つの感光体ドラム11,12に接触する第1の一次中間転写ドラム51及び他の2つの感光体ドラム13,14に接触する第2の一次中間転写ドラム52と、上記第1、第2の一次中間転写ドラム51,52に接触する二次中間転写ドラム53と、この二次中間転写ドラム53に接触する最終転写ロール60とで、その主要部が構成されている。
【0034】
これらの構成のうち、各感光体ドラム11〜14、帯電ロール21〜24、現像器41〜44、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53は単一の画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)1として一体化されており、例えば感光体ドラムの劣化等によって画像品質が低下する場合等には、この画像形成ユニット1をそのまま交換するようになっている。
【0035】
感光体ドラム11,12,13,14は、共通の接平面mを有するように一定の間隔をおいて配置されている。また、第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52は、各回転軸が該感光体ドラム11〜14軸に対し平行かつ所定の対象面を境界とした面対象の関係にあるように配置されている。さらに、二次中間転写ドラム53は、該感光体ドラム11〜14と回転軸が平行であるように配置されている。
【0036】
フルカラー画像を形成する場合、各色毎の画像情報に応じた信号は、図示しない画像処理ユニットによりラスタライジングされて図示しないレーザ光学ユニットに入力される。このレーザ光学ユニットでは、イエロー(Y)、マゼンタ (M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のレーザ光31〜34が変調され、対応する色の感光体ドラム11〜14に照射される。
【0037】
上記各感光体ドラム11〜14の周囲では、周知の電子写真方式による各色毎の画像形成プロセスが行なわれる。まず、上記感光体ドラム11〜14としてはOPC感光体を用いた感光体ドラムが用いられ、これらの感光体ドラム11〜14の表面は約−800VのDC電圧を印加した帯電ロール12,22,32,42によって、例えば約−300V程度に一様に帯電される。尚、この実施例では上記帯電ロールに対してDC成分のみを印加しているが、AC成分をDC成分に重畳するように構成することもできる。
【0038】
このようにして一様な表面電位を具備した感光体ドラム11〜14の表面には、各色毎の入力画像情報に応じて変調されたレーザ光31〜34が上記レーザ光学ユニットから照射され、各所色の画像情報に対応した静電潜像が所定のタイミングで形成される。レーザ光学ユニットで静電潜像が書き込まれることにより、感光体ドラム11〜14上の画像露光部の表面電位は−60V以下程度にまで除電される。
【0039】
また、上記感光体ドラム11〜14の表面に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した静電潜像は、対応する色の現像器41〜44によって現像され、感光体ドラム11〜14上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として可視化される。各現像器41〜44には、それぞれ色の異なったイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)色のトナー及びキャリアからなる現像剤が充填されている。
【0040】
次に、上記各感光体ドラム11〜14上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52上に、静電的に一次転写される。感光体ドラム11,12上に形成されたイエロー(Y)及びマゼンタ(M)色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51上に、感光体ドラム13,14上に形成されたシアン(C)及びブラック(K)色のトナー像は、第2の一次中間転写ドラム52上に、それぞれ転写される。感光体ドラム11,12,13,14に対する静電潜像の書き込み開始タイミングを各色毎にずらすことにより、第1の一次中間転写ドラム51上では一次転写されたイエロー(Y)とマゼンタ(M)のトナー像が適切に重ね合わされた二重色像が形成され、また、第2の一次中間転写ドラム52上にもシアン(C)とブラック(K)のトナー像が適切に重ね合わされた二重色像が形成される。
【0041】
上記第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52上に感光体ドラム11〜14からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+250〜500V程度である。最適な表面電位はトナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって変動するが、トナーの帯電量が−20〜−35μC/g の範囲内にあり、常温常湿環境下にある場合には、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位は、+380V程度が望ましい。
【0042】
この後、第1、第2の一次中間転写ドラム51,52上に形成された二重色のトナー像は、二次中間転写ドラム53上に静電的に二次転写される。従って、二次中間転写ドラム53上には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色が重なった最終的なトナー像が形成されることになる。
【0043】
この二次中間転写ドラム53上へ第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+600〜1200V程度である。最適な表面電位は一次転写の時と同様にトナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって変動する。また、転写に必要なのは、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52と二次中間転写ドラム53との間の電位差であるので、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位に応じた値に設定することが必要である。上述のように、トナーの帯電量が−20〜−35μC/gの範囲内にあり、常温常湿環境下であって、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位が+380V程度の場合には、二次中間転写ドラム53の表面電位は、+880V程度、つまり第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52と二次中間転写ドラム53との間の電位差は、+500V程度に設定することが望ましい。
【0044】
最後に、上記二次中間転写ドラム53上に形成された四重色のトナー像は、最終転写ロール60によって、記録シート搬送路Pを通る記録シートに三次転写される。この記録シートは、図示外の給紙トレイから一枚ずつに分離されて給送された後、レジストレーションロール90によって二次中間転写ドラム53上のトナー像に対する位置合わせがなされた後、二次中間転写ドラム53と最終転写ロール60のニップ部に送り込まれる。この最終転写工程の後、記録シート上に形成された最終的なトナー像は、定着器70によって定着された後、図示外の排出トレイに送出され、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0045】
このように構成されたカラープリンタでは、各色に対応した感光体ドラム11〜14に対して電子写真方式によってトナー像を形成し、それを一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53へと順次転写するが、かかる電子写真方式は温度や湿度といった環境要因の変動の影響を受け易く、また、感光体ドラム11〜14の表面に設けられた感光層の経時劣化、帯電ロール215〜218、一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53等の経時的な抵抗値の変動の影響を受け易く、同じ画情報に基づいてトナー像を形成し、それを記録シートに対して最終転写した場合であっても、記録シート上のトナー像の濃度は変動し易い。加えて、各感光体ドラム11〜14、帯電ロール215〜218毎に環境変動の影響や経時的な部品劣化等の影響は異なったものとなってしまう。このことから、各色毎に感光体ドラムを具備した所謂タンデム型のカラープリンタでは、カラー画像の色再現や濃度階調が不安定なものとなり易い。
【0046】
このため、この実施例のカラーレーザビームプリンタでは、定期的に、各感光体ドラム11〜14上に所定の濃度階調の基準トナー像を形成すると共に、かかる基準トナー像を一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53、最終転写ロール60と順次転写し、最終転写ロール60の表面に転写された基準トナー像を反射型濃度センサ61で光学的に検出するように構成している。この濃度センサは、最終転写ロールの表面を基準トナー像の通過領域に対応して照明するLED素子と、かかる照明によって最終転写ロール60の表面から得られた反射光を受光するフォトダイオード等の光電変換素子とから構成されており、反射光の強度に応じた検出信号を出力するようになっている。そして、この濃度センサの出力する検出信号を用いて各色トナー像の画情報に対する濃度誤差を抽出し、実際のカラー画像の形成時における各色トナー像の濃度補正を行っている。
【0047】
一方、本実施例のレーザビームプリンタでは、各感光体ドラム11〜14及び一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53に対してトナー仮保持部材が配置されており、各ドラムの表面から転写残留トナー等を除去し、かかるドラムの表面を清浄化するようになっている。また、印字ジョブの合間において前記基準トナー像を形成して各色トナー像の濃度補正を行った場合には、かかる基準トナー像の転写残留トナーもこれらトナー仮保持部材によって除去されることになる。
【0048】
先ず、感光体ドラム11に対して配置されたトナー仮保持部材は、金属製回転軸の周囲に導電性の摺擦毛が起立したリフレッシャブラシ215であり、帯電ロール21に対するトナーの付着を防止するため、感光体ドラム11の回転方向に関して帯電ロール21の上流側に位置している。また、このリフレッシャブラシ215にはクリーニングバイアスが印加されりており、各転写部位において極性反転したトナーを感光体ドラム11の表面から一時的に回収し、後述するクリーニングモードが開始される迄の間、かかるトナーを保持するようになっている。すなわち、トナーは現像器41内において(−)極性に帯電しており、各転写行程においては、トナー像がより電位の高い方向へ向けて転写されていくことになる。このような初期帯電極性のトナーを正極トナーという。しかし、かかるトナー像が各転写工程の転写部位を繰り返し通過する際、パッシェン放電や電荷注入により、(−)帯電しているトナーの一部が逆極性、すなわち(+)極性に反転して帯電してしまうことがあり、このように極性反転したトナーは次工程へ転写されず、上流側へ逆流していくことになる。このような極性反転したトナーを逆極トナーという。そして、最終的には感光体ドラム11へ転移し、ひいては帯電ロール21に付着することになる。上記リフレッシャブラシ215はこのような逆極トナーを帯電ロール21の手前で捕え、帯電ロール21に対する付着を防止するために設けられている。従って、トナー像の作像時においては、感光体ドラム11の表面電位−300Vよりも低い電位である−400Vが上記リフレッシャブラシ215に印加されている。また、このリフレッシャブラシ215には何ら駆動手段が設けられておらず、かかるリフレッシャブラシ215は摺擦毛と感光体ドラム11との間に作用する摩擦力によって感光体ドラム11の回転に連れ回っている。
【0049】
尚、以上の説明では感光体ドラム11に対して設けられたリフレッシャブラシ215について説明したが、他の感光体ドラム12〜14に対しても同じ構造のリフレッシャブラシ216,217,218が設けられている。
【0050】
一方、一次中間転写ドラム51,52に対しては、やはり金属製回転軸の周囲に導電性の摺擦毛が起立したトナー仮保持部材としての第1ブラシロール220,221が夫々配置されている。これらの第1ブラシロール220は二次転写の終了後に一次中間転写ドラム51の表面に残留したトナーを感光体ドラム12の手前側でブロックする位置に、第1ブラシロール221は二次転写の終了後に一次中間転写ドラム52の表面に残留したトナーを感光体ドラム14の手前側でブロックする位置に夫々配置されている。
【0051】
また、これら第1ブラシロール220,221にはクリーニングバイアスが印加されているが、その極性はリフレッシャブラシ215に印加されていたものと逆極性である。一次転写では各感光体ドラムが1色のトナー像のみを一次中間転写ドラム51,52に転写していることから、転写効率をある程度高めに設定することができ、残留トナーを敢えて回収するクリーニング装置を設けずとも、作像上は大きな支承は生じず、また、各現像器41〜44において混色が発生することもない。しかし、二次転写では互いに重なり合った2色分のトナー像を二次中間転写ドラム53へ転写するので、転写されずに一次中間転写ドラム51,52に残留するトナーも多く、かかる残留トナーをクリーニング装置で回収しない場合には、次に転写されるトナー像にゴーストが発生してまうからである。このため、(−)極性に帯電している残留トナーが一次中間転写ドラム51,52から第1ブラシロール220,221へ静電的に転移してくるよう、かかる第1ブラシロール220,221には一次中間転写ドラム51,52の表面電位よりも高いクリーニングバイアス(例えば、+600V)が印加されている。もちろん、温度及び湿度といった雰囲気環境が変動し、一次中間転写ドラム51,52の表面電位が変動すれば、第1ブラシロール20,221と一次中間転写ドラム51,52との間の電位差を確保するため、クリーニングバイアスも変動させる必要が生じる。また、これら第1ブラシロール220,221にも何ら駆動手段が設けられておらず、リフレッシャブラシ215と同様、摺擦毛と一次中間転写ドラム51,52との間に作用する摩擦力によって一次中間転写ドラム51,52の回転に連れ回っている。
【0052】
また、二次中間転写ドラム53に対しても三次転写で残留したトナーを除去するためのトナー仮保持部材としての第2ブラシロール230が配置されている。上記第1ブラシロール220,221やリフレッシャブラシ215〜218と異なり、この第2ブラシロール230は図示外のモータによって二次中間転写ドラム53の回転方向と対向する方向へ回転駆動されている。この第2ブラシロール230にもクリーニングバイアスが印加されているが、三次転写で発生した残留トナーを二次中間転写ドラム53の表面から除去するという目的上、その極性は第1ブラシロール220,221に印加されていたものと同じである。すなわち、(−)極性に帯電している残留トナー(正極トナー)が二次中間転写ドラム53から第2ブラシロール230へ静電的に転移してくるよう、かかる第2ブラシロール230には二次中間転写ドラム53の表面電位よりも高いクリーニングバイアス(例えば、+1080V)が印加されている。
【0053】
図2は、印字ジョブ中、すなわち感光体ドラムで形成されたトナー像が記録シートに転写されている最中におけるトナーの流れを簡略的に示したものである。印字ジョブ中、(−)極性に帯電しいる正極トナーは感光体ドラムから一次中間転写ドラム51、二次中間転写ドラム53を経て、最終的には記録シート100へ転写される。但し、一次中間転写ドラム51から二次中間転写ドラム53へ転写されなかった二次転写の残留トナーは、感光体ドラム11へ戻る途中で第1ブラシロール220に捕獲される。また、二次中間転写ドラム53から記録シート100へ転写されなかった三次転写の残留トナーは、一次中間転写ドラム53へ戻る途中で第2ブラシロール230に捕獲される。一方、転写部位において逆極性の電荷が注入され、帯電極性が(+)に反転してしまった逆極トナーは、正 極トナーと逆に二次中間転写ドラムから一次中間転写ドラムを経て感光体ドラムへ逆上って転写され、最終的には感光体ドラムに対して設けられたリフレッシャブラシ215に捕獲される。
【0054】
このように、上記リフレッシャブラシ215〜218、第1ブラシロール220,221、及び第2ブラシロール230は夫々対向する感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53からトナーを捕獲するものの、捕獲したトナーを排出するための機械的構成、すなわちデトーニング機構を何ら具備していない。従って、印字ジョブ中にトナー像が繰り返し形成されると、捕獲したトナーが各ブラシロールの摺擦毛の間から溢れ出てしまうことになる。そこで、本実施例のプリンタでは、各ブラシロールによって捕獲されたトナーを回収するため、印字ジョブの終了に引き続いて以下のような回収シーケンスを行ない、各ブラシロールによって一時的に捕獲されていたトナーを転写ロール60に対して設けた一括回収装置80で回収するようにしている。
【0055】
この回収シーケンスにおいては、先ず、トナー像の作像時と同じ電位が帯電ロール21〜24、感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53、最終転写ロール60に与えられる一方、第1ブラシロール及び第2ブラシロールには作像時と逆極性の電位が与えられ、第1ブラシーロール220,221及び第2ブラシロール230に付着している正極トナーを、図3に示すように最終転写ロール60まで順々に転移させ、最終転写ロール60に接触して設けた一括回収装置80によって回収するように構成されている。この一括回収装置80ではシリコンゴム等の弾性体からなるクリーニングブレード801が転写ロール60の周面に接しており、転写ロール60に転移したトナーを該クリーニングブレード801によって削ぎ落とし、装置内に回収するようになっている。従って、このようなクリーニング動作が開始されると、第1ブラシーロール220,221及び第2ブラシロール230に保持されていた正極トナーは一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53上に吐き出され、通常のトナー像の転写と同様に二次中間転写ドラム53を経由して最終転写ロール60へ到達し、一括回収装置80によって回収される。
【0056】
また、このようにして正極トナーの回収が終了すると、帯電ロール21〜24、リフレッシャブラシ215〜218、感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53、最終転写ロール60に対し、最終転写ロール60が最もマイナス電位が高くなるように、順々に電位勾配をつけた電圧を印加する。これによって印字動作中にリフレッシャブラシ215〜218に回収保持された逆極トナーは、図4に示すように感光体ドラム11〜14上に吐き出された後、最終転写ロール60まで順々に転移し、最終転写ロール60に接触して設けた一括回収装置80によって回収される。その結果、リフレッシャブラシ215〜218は清浄な状態に復帰することになる。
【0057】
このように、回収シーケンスは正極トナーの回収シーケンスと逆極トナーの回収シーケンスとの組み合わせから構成されており、図5に示すように、印字ジョブにおける記録シートの連続通紙枚数が所定枚数Nを超える場合は印字ジョブを一時的に中断して回収シーケンス(図中の網点部分)が実施され、各ブラシロールを逐次清浄な状態に復帰させている。また、印字ジョブの終了時には必ず実施され、各ブラシロールは印字ジョブ後、直ちに清浄な状態に復帰し、次の印字ジョブに備えることになる。尚、一回の印字ジョブにおける記録シートの連続通紙枚数がN枚以下のn枚であれば、印字ジョブを中断して回収シーケンスが実施されることはなく、印字ジョブの最後においてのみ回収シーケンスが実施される。
【0058】
ここで、印字ジョブにおいて各ブラシロールに捕獲される不要トナーの量は、かかる印字ジョブの内容、例えば 記録シートの通紙枚数や形成したトナー像の画像密度、トナー像を最終転写する記録シートの種類によって異なったものとなる。従って、印字ジョブ開始後、記録シートの連続通紙枚数が所定枚数Nに達する毎に回収シーケンスを実施したとしても、かかる印字ジョブの内容によっては、わざわざ印字ジョブを中断して回収シーケンスを実施せずとも、まだまだ各ブラシロールが不要トナーを充分に捕獲できる場合もあれば、逆に、回収シーケンスを開始する前に各ブラシロールが不要トナーで溢れてしまう場合もある。このことから、従来は回収シーケンスを開始する条件としての記録シートの連続通紙枚数Nを、標準的と考えられる使用条件を想定し、この使用条件に合致するように設定している。しかし、ユーザによっては想定した使用条件以上に各ブラシロールが不要トナーを捕獲している場合もあり、そのような場合は回収シーケンスが開始される以前に各ブラシロールが多量の不要トナーを保持してしまい、感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53の表面に除去しきれなかった正極トナーや逆極トナーが残留することになる。その結果、感光体ドラムの帯電不良やゴースト像の発生等、記録画像の画質に対して直接悪影響が及ぶことになる。
【0059】
一方、印字ジョブの終了時に実施される回収シーケンスについては、かかる印紙ジョブの最後における記録シートの連続通紙枚数nや、これら記録シートに形成されたトナー像の画像密度、記録シートの種類によって、該印字ジョブの終了時の各ブラシロールに保持されている不要トナーの量は異なったものとなる。従って、印字ジョブの終了時における回収シーケンスの実施時間が不足する場合は、かかる回収シーケンスが終了しても、各ブラシロールに不要トナーが残存してしまうことになり、印字ジョブを繰り返していくうちに不要トナーがブラシロールに蓄積されてしまい、最終的には不要トナーがブラシロールから溢れ出てしまう。また、印字ジョブの終了時における回収シーケンスの実施時間が必要以上に長い場合には、各ブラシロールは印字ジョブの終了時に充分に清浄化されるものの、感光体ドラム11〜14や、中間転写ドラム51,52,53が印字ジョブとは無関係に長時間駆動されることとなり、これら部材の摩耗や劣化が促進されてしまう。
【0060】
そこで、この実施例のカラープリンタでは、前述の濃度センサ61の検出信号を利用して回収シーケンスの実施時間の最適化を行っている。すなわち、前記濃度センサ61の検出信号は最終転写ロール60に付着しているトナーの量に応じて変化することから、回収シーケンスの実施時における濃度センサ61の検出信号は各ブラシロールが感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53に対して吐き出している不要トナーの量を示していることになる。図6は回収シーケンスの実施最中における前記濃度センサの検出信号の変化の例を示すものである。回収シーケンスが開始され、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230に捕獲されていた正極トナーが一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53上に吐き出されると、これら正極トナーは最終転写ロール60に転写されて濃度センサ61の直前を横切る。正極トナーの吐き出しが開始された直後は、各ブラシロール220,221,230に捕獲されていた不要トナーが一度に一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53の表面に吐き出されることから、濃度センサ61の検出信号は大きく変化する。その後、正極トナーの吐き出し量は減少していき、これに伴って濃度センサ61の検出信号も徐々に回収シーケンスの開始前の状態に近づいていく。逆極トナーの回収シーケンスにおいても濃度センサの検出信号は全く同様に推移する。従って、濃度センサ61の検出信号をチェックすることにより、回収シーケンスにおいて各ブラシロール215〜218,220,221,230が充分に清浄化されたか否かをチェックすることが可能である。
【0061】
以下では、濃度センサの検出信号を用いた回収シーケンスの最適化について具体例を示すが、印字ジョブを中断して実施する回収シーケンスの最適化と、印字ジョブの終了時に実施する回収シーケンスの最適化とについて、別々に説明する。
【0062】
図7は、印字ジョブを強制的に中断して実施する回収シーケンスの最適化の手順を示すフローチャートである。印字ジョブの開始と共にこの最適化手順は開始し、先ずは、印字ジョブの開始から連続して通紙された記録シートの枚数をカウントし、かる通紙枚数がN枚に達したか否かをチェックする(ST1)。この連続通紙枚数N枚は、印字ジョブを強制的に中断して回収シーケンスを実施する場合の初期値であり、プリンタに搭載されたコンピュータシテスムの不揮発性メモリに対して出荷時に書き込まれている。連続通紙枚数がN枚に達すると、印字ジョブが強制的に中断され、先ずは正極トナーの回収シーケンスがスタートする。この正極トナーの回収シーケンスの実施時間の初期値はT1に設定されており、これも不揮発性メモリに対して予め書き込まれている。実施開始後、時間T1が経過したか否かをチェックし(ST3)、経過したならば、濃度センサの検出信号を読み込み(ST4)、かかる検出信号のレベルが予め定められている閾値レベル以下か否かをチェックする(ST5)。閾値レベルを上回っている場合は、実施時間T1を経過してもなお、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230が多くの正極トナーを一次中間転写ドラム及び二次中間転写ドラムに吐き出していると考えられるので、不揮発性メモリにに書き込まれている実施時間T1をそれよりも長いT2に書き換えた後(ST6)、正極トナーの回収シーケンスを終了し、今度は逆極トナーの回収シーケンスをスタートする(ST7)。一方、閾値レベル以下である場合は、実施時間T1の正極トナー回収シーケンスの間に、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230の保持している正極トナーが充分に減少したと考えられることから、実施時間T1を書き換えることなく、正極トナーの回収シーケンスを終了して逆極トナーの回収シーケンスをスタートする(ST7)。
【0063】
逆極トナーの回収シーケンスについても、正極トナーの回収シーケンスと同じことを行う。すなわち、逆極トナーの回収シーケンスの開始後、予め不揮発性メモリに書き込まれていた実施時間t1が経過したならば(ST8)、濃度センサの検出信号を読み込み(ST9)、かかる検出信号のレベルが予め定められている閾値レベル以下か否かをチェックする(ST10)。閾値レベルを上回っている場合は、実施時間t1を経過してもなお、リフレッシャブラシ215〜218が多くの逆極トナーを感光体ドラム11〜14に吐き出していると考えられるので、不揮発性メモリにに書き込まれている実施時間t1をそれよりも長いt2に書き換えた後(ST11)、この回収シーケンスを終了する。一方、閾値レベル以下である場合は、実施時間t1の逆極トナー回収シーケンスの間に、リフレッシャブラシ215〜218の保持している逆極トナーが充分に減少したと考えられることから、実施時間t1を書き換えることなく、回収シーケンスを終了する。
【0064】
これにより、仮に記録シートの連続通紙枚数Nに対して回収シーケンスの実施時間が不足している場合には、図8に示すように、次の印字ジョブから正極トナー及び/又は逆極トナーの回収シーケンスの実施時間が長くなり、かかる回収シーケンスにおいて各ブラシロールを確実に清浄化することができる。プリンタの出荷時においては標準的と考えられる使用条件を想定して回収シーケンスの実施時間を決定しているが、このような手順を用いて回収シーケンスの実施時間を改めるように構成すれば、各ユーザの使用条件を反映して回収シーケンスの実施時間を最適化することができ、感光体ドラム11〜14や中間転写ドラム51,52,53のクリーニング不良に起因する画質劣化のトラブルを回避することが可能となる。尚、図7を用いて説明した例では、濃度センサ61の検出信号に応じて回収シーケンスの実施時間を延長する場合について説明したが、検出信号のレベルが閾値レベルに対して充分に小さい場合には、実施時間T1、t1を短縮することも可能である。その場合には、回収シーケンスの実施時間をユーザの使用条件に応じて短縮化することができるので、感光体ドラム11〜14や中間転写ドラム51,52,53の摩耗及び劣化を抑え、これら部品の短命化を防止することが可能となる。
【0065】
また、図7の例では、正極トナー及び逆極トナーの回収シーケンスの終了時における検出信号の出力レベルに着目したが、回収シーケンスの実行中に定期的にサンプリングした検出信号レベルを積算し、この積算値を所定の値と比較するようにしても良い。そのように構成すれば、回収シーケンスの際に最終回収手段によって回収された不要トナーの総量を把握し、かかる総量に基づいて回収シーケンスの実施時間を決定することが可能となる。
【0066】
また、図7の例では回収シーケンスの実施時間そのものを書き換えるように構成したが、印字ジョブを中断して強制的に回収シーケンスを実施する際の、記録シートの連続通紙枚数Nを変更するように構成することも可能である。すなわち、回収シーケンスの終了時に濃度センサ61の検出信号をチェックし、検出信号が閾値レベルを上回るようであれば、回収シーケンスを実施するまでに各ブラシロールに捕獲された不要トナーの量が、該回収シーケンスにおいて各ブラシロールから吐き出し可能な不要トナーの量よりも多いと判断し、図9に示すように、回収シーケンスを強制的に実施するまでの記録シートの連続通紙枚数Nをこれよりも少ない枚数(例えば、N−1)に書き換えるのである。この方法によれば、回収シーケンスを実施するまでの間に各ブラシロールに捕獲される不要トナーの量を減らすことができるので、結果的には回収シーケンスの実施時間を初期値のままとしても、かかる回収シーケンスにおいて各ブラシロールを充分に清浄化することができる。
【0067】
この場合、正極トナーの回収シーケンス後の濃度センサの検出信号、逆極トナーの回収シーケンス後の濃度センサの検出信号のいずれに基づいて連続通紙枚数の初期値Nを書き換えても良い。但し、リフレッシャブラシ215〜218に付着する逆極トナを回収シーケンスにおいて充分に回収することができないと、帯電ロール21〜24による感光体ドラム11〜14の帯電性能が低下し、中間調の記録画像を正確に再現することができなくなってしまうことから、どちらかといえば、逆極トナーの回収シーケンス後の濃度センサ61の検出信号に基づいて連続通紙枚数の初期値Nを書き換えるのが好ましい。
【0068】
尚、この例においても、回収シーケンスの終了時における検出信号の瞬間的な出力レベルに着目するのではなく、回収シーケンスの実行中に定期的にサンプリングした検出信号レベルを積算し、この積算値を所定の値と比較するようにしても良い。そのように構成すれば、回収シーケンスの際に最終回収手段によって回収された不要トナーの総量を把握し、かかる総量に基づいて回収シーケンスを強制的に実施するまでの記録シートの連続通紙枚数を決定することが可能となる。
【0069】
次に、図10は印字ジョブの終了時における回収シーケンスの最適化の手順の一例を示すフローチャートである。印字ジョブの開始と共にこの最適化手順は開始し、先ずは、印字ジョブが終了したか否か、すなわち実行中の印字ジョブに係る総ての記録シートの通紙が完了したか否かをチェックし(ST20)、終了したと判断されるのであれば、正極トナーの回収シーケンスをスタートさせると共に(ST21)、濃度センサの検出信号の読み込みを開始する(ST22)。以降は、濃度センサの検出信号が所定の閾値レベル以下となったか否かをチェックし(ST23)、閾値レベル以下となるまでは正極トナーの回収シーケンスを継続する。また、閾値レベル以下になったと判断された場合には、正極トナーの回収シーケンスを終了すると共に、逆極トナーの回収シーケンスを直ちに開始する(ST24)。そして、濃度センサの検出信号が所定の閾値レベル以下となったか否かをチェックし(ST25)、閾値レベル以下となるまでは逆極トナーの回収シーケンスを継続する一方、閾値レベル以下となれば、直ちに逆極トナーの回収シーケンスを終了し(ST26)、印字ジョブの終了時における回収シーケンスを終了する。
【0070】
回収シーケンス中は、各ブラシロールがある程度の量の不要トナーを感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53の表面に吐き出し続けている限り、前記濃度センサ61の検出信号閾値レベル以下とならないので、図10に示す手順によれば、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230に保持されていた正極トナーの殆どが一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53に吐き出され、これらブラシロールが清浄化されない限り、正極トナーの回収シーケンスは終了せず、また、リフレッシャブラシ215〜218に保持されていた逆極トナーの殆どが感光体ドラム11〜14上に吐き出され、かかるリフレッシャブラシ215〜218が清浄化されない限り、逆極トナーの回収シーケンスは終了しない。従って、各ブラシロールが清浄化された度合いをチェックしながら、回収シーケンスを進めることができ、回収シーケンスが終了した際には各ブラシロールは確実に清浄化されていることになる。また、各ブラシロールが清浄化された後も無駄に回収シーケンスを継続することがないので、感光体ドラム11〜14や中間転写ドラム51〜53の摩耗や劣化を抑えることができ、これら部材の短命化を防止することも可能となる。
【0071】
尚、この図10に示したフローチャートは、印字ジョブの終了時の回収シーケンスに限らず、印字ジョブを中断して強制的に実施する回収シーケンスに対しても適用することが可能である。その場合、長時間回収シーケンスを実施しても濃度センサの検出信号が所定の閾値レベルを下回らないと、印字ジョブの中断時間が長くなり、記録画像の生産性が著しく低下してしまうので、正極トナー及び逆極トナーの双方について回収シーケンスの最大実施時間を設けておき、検出信号が閾値レベルを下回らない場合であっても、最大実施時間が経過した後は、回収シーケンスを終了して印字ジョブの残りを実行するのが好ましい。特に、各ブラシロールが経時的な使用によって劣化してくると、回収シーケンスを実施しても、これらブラシロール内から不要トナーが急激には吐き出されず、時経過に伴って僅かずつ吐き出されるようになる。従って、このような最大実施時間の設定が存在しないと、回収シーケンスが終了しない懸念もある。
【0072】
一方、図11は印字ジョブの終了時における回収シーケンスの最適化の手順の他の例を示すフローチャートである。図10に示した例では回収シーケンスの実施中、常に又は逐次濃度センサの検出信号をチェックすることが必要であり、搭載しているコピュータシステムに対して大きな負荷を及ぼすことになる。そのため、この図11に示す最適化手順では、正極トナー及び逆極トナーの回収シーケンスを所定時間だけ実施した後、その終了時に濃度センサの検出信号をチェックし、かかるチェック結果に応じて臨時回収シーケンスを追加実施するように構成した。先ずは、印字ジョブが終了したか否かをチェックし(ST30)、終了したと判断されるのであれば、正極トナーの回収シーケンスをスタートさせる(ST31)。この後、予め定められた正極トナーの回収シーケンスの実施時間T1が経過したか否かをチェックし(ST32)、経過したと判断される場合には濃度センサの検出信号を読み込む(ST33)。次いで、かかる検出信号のレベルが予め定められている閾値レベル以下か否かをチェックし(ST34)、閾値レベルを上回っている場合は、実施時間T1を経過してもなお、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230が多くの正極トナーを一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53に吐き出していると考えられるので、正極トナーの臨時回収シーケンスをスタートさせる(ST35)。一方、閾値レベル以下である場合は、実施時間T1の正極トナー回収シーケンスの間に、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230の保持している正極トナーが充分に減少したと考えられることから、正極トナーの回収シーケンスを終了して逆極トナーの回収シーケンスをスタートする(ST36)。
【0073】
図12に示すように、臨時の回収シーケンスでは更に実施時間T0だけ正極トナーの回収を続行し(ST41)、実施時間T0が経過したならば、再度濃度センサ61の検出信号を読み込むと共に、その検出信号レベルが所定の閾値レベル以下か否かをチェックする。そして、閾値レベル以下であると判断される場合には、正極トナーの回収シーケンスを終了させて逆極トナーの回収シーケンスをスタートさせる。また、実施時間T0が経過した後も依然として濃度センサ61の検出信号が閾値レベルを上回っている場合には、ST41に戻って再度臨時の回収シーケンスを実施する。
【0074】
逆極トナーの回収シーケンスも正極トナーの回収シーケンスと同様にして進行する。すなわち、予め定められた逆極トナーの回収シーケンスの実施時間t1が経過したか否かをチェックし(ST37)、経過したと判断される場合には濃度センサの検出信号を読み込む(ST38)。次いで、かかる検出信号のレベルが予め定められている閾値レベル以下か否かをチェックし(ST39)、閾値レベルを上回っている場合は、実施時間t1を経過してもなお、リフレッシャブラシ215〜218が多くの逆極トナーを感光体ドラム11〜14に吐き出していると考えられるので、逆極トナーの臨時回収シーケンスをスタートさせる(ST40)。一方、閾値レベル以下である場合は、実施時間t1の逆極トナー回収シーケンスの間に、リフレッシャブラシ215〜218の保持している逆極トナーが充分に減少したと考えられることから、逆極トナーの回収シーケンスを終了する。
【0075】
逆極トナーの臨時回収シーケンスは、図12に示す正極トナーの臨時回収シーケンスと全く同じであり、実施時間T0だけ実施した後に濃度センサの検出信号をチェックし、検出信号が閾値レベル以下となっていれば、回収シーケンスを終了する。また、検出信号が閾値レベルを上回っているのであれば、更に実施時間T0だけ回収シーケンスを継続する。
【0076】
この最適化手順においても、印字ジョブ終了時の回収シーケンスの実施によって、どの程度まで各ブラシロールが清浄な状態に復帰したのかを確認しながら、かかる回収シーケンスの実施時間を決定することができるので、次の印字ジョブの最中に転写残留トナーのクリーニング不良が発生し、あるいは感光体ドラム11〜14の帯電不良等の不具合が発生するのを可及的に防止することが可能となる。また、印字ジョブの終了時における回収シーケンスの実施時間を短めに設定しておいても、かかる回収シーケンスによって各ブラシロールが充分に清浄化されない場合には、臨時の回収シーケンスが実施されることになるので、確実に各ブシラロールを清浄化することができ、しかも不要トナーの発生が少ない印字ジョブであれば、感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53の駆動時間を短縮化することができ、その分だけ感光体ドラム等の寿命の短命化を防止することが可能である。
【0077】
尚、この図11に示したフローチャートも、印字ジョブの終了時の回収シーケンスに限らず、印字ジョブを中断して強制的に実施する回収シーケンスに対しても適用することが可能である。
【0078】
このようにして本実施例のカラープリンタでは印字ジョブの終了時には必ず回収シーケンスが実施され、また印字ジョブの実行中であっても必要な場合には該印字ジョブを中断して回収シーケンスが実行される。これにより、リフレッシャブラシ215〜218、第1ブラシロール220,221、第2ブラシロール230は印字ジョブが終了すると直ちに不要トナーを吐き出して、清浄な状態に復帰し、次の印字ジョブに備えることができる。
【0079】
前述の如く、このカラープリンタでは記録画像の色再現性や階調性を保証するために、定期的に基準トナー像を感光体ドラム11〜14上に形成させ、かかる基準トナー像を最終転写ロール60に転写した後に濃度センサ61で読み取らせているが、リフレッシャブラシ215〜218、第1ブラシロール220,221、第2ブラシロール230が充分に清浄化されていない状態で前記基準トナー像を形成すると、これらブラシロールから感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53に付着した不要トナーがノイズとなってしまい、基準トナー像の濃度を正確に検出することができない懸念がある。従って、かかる基準トナー像を形成するのであれば、前述した回収シーケンスが実行され、各ブラシロールが確実に清浄な状態に復帰した後に形成するのが好ましい。
【0080】
また、前記濃度センサ61を構成するLED素子や光電変換素子は経時的にトナーによって汚れてしまうため、同じ濃度の基準トナー像を読み込んだ場合であっても、その検出信号は時経過に伴って異なったものとなってしまい、基準トナー像の濃度を正確に検出するためには、検出信号値を補正するためのキャリブレーション動作を定期的に行う必要がある。従って、このキャリブレーション動作に関しても、感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53に付着した不要トナーがノイズとなるのを防止するという観点からすれば、前述した回収シーケンスが実行され、各ブラシロールが確実に清浄な状態に復帰した後に実行するのが好ましい。
【0081】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の画像形成装置によれば、デトーニング機構を具備しないトナー仮保持部材で感光体ドラムや中間転写体等の像担持体を清掃することにより、かかる像担持体のクリーニング機構を簡易に構成して、カラー化においても装置の小型化を達成することが可能であると共に、前記トナー仮保持部材によって捕獲された不要トナーの回収シーケンスを印字ジョブの内容に対して容易に最適化することができ、クリーニング不良が発生することがなく、しかも像担持体の寿命が極端に短命化するのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したフルカラーレーザビームプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】印字ジョブ中におけるトナーの流れを示した模式図である。
【図3】回収シーケンス中における正極トナーの回収の流れを示した模式図である。
【図4】回収シーケンス中における逆極トナーの回収の流れを示した模式図である。
【図5】一つの印字ジョブに対する回収シーケンスの実施タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】回収シーケンスの実施中における濃度センサの検出信号の変化を示すグラフである。
【図7】印字ジョブを中断して強制的に実施する回収シーケンスの最適化の手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートによって最適化された回収シーケンスの実施状況を示すタイミングチャートである。
【図9】印字ジョブを中断して強制的に実施する回収シーケンスの最適化の手順の他の例を示すタイミングチャートである。
【図10】印字ジョブの終了時に実施される回収シーケンスの最適化の手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】印字ジョブの終了時に実施される回収シーケンスの最適化の手順の他の例を示すフローチャートである。
【図12】図11のフローチャートで示された臨時回収シーケンスの内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11〜14…感光体ドラム、51,52…一次中間転写ドラム、53…二次中間転写ドラム、215〜218…リフレッシャーブラシ、220,221…第1ブラシロール、230…第2ブラシロール
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置に係り、詳細には、感光体ドラムや中間転写体といった像担持体に付着する残留トナーのクリーニング機構を簡易化しつつも、長期にわたって高品位の記録画像を形成するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平4−29283号公報
【特許文献2】特開2001−075448号公報
【特許文献3】特開2002−372902号公報
【0003】
一般に、電子写真複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置においては、画像データに応じて感光体ドラムの表面にトナー像を形成した後、かかるトナー像を記録シートに転写し、転写されたトナー像を記録シートに加熱定着することで記録画像を得ている。また、近年のフルカラー複写機、フルカラレーザビームプリンタにおいては、感光体ドラム上に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、かかる中間転写体上でイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの4色のトナー像を重ね合わせ、これら合成トナー像を記録シートに一括して二次転写することでフルカラー記録画像を形成するものも知られている。
【0004】
トナー像の転写効率は感光体ドラムや中間転写体の表面状態、温度・湿度の変化に伴う記録シートや中間転写体の抵抗値の変動に影響を受けるので、これを常に100%に保つことは困難であり、トナー像の転写元である感光体ドラムや中間転写体の表面にはトナー像の転写後にもトナーが残留付着している。このため、従来より、感光体ドラムや中間転写体といった像担持体に対しては、トナー像の転写部位の下流側にクリーニング装置が設けられ、次のトナー像の形成に先立って残留トナーの除去が行われている。
【0005】
この種のクリーニング装置としては、特開平4−29283号公報に開示されるように、無数の摺擦毛を植えたブラシロールを感光体ドラム等の像担持体に接触させると共に、このブラシロールと像担持体との間にトナーの帯電極性に応じた電位差を与え、残留トナーを像担持体からブラシロールへ静電吸着させるように構成したものが知られている。また、ブラシロールではなく、軟弾性体からなるソフトロールを像担持体に接触させ、やはり残留トナーを像担持体からソフトロールの表面へ静電吸着させるように構成したクリーニング装置も知られている。
【0006】
いずれの構成でも、ブラシロールやソフトロールが保持し得るトナーの量には限界があり、多量のトナーを保持したまま像担持体に接触していたのでは、クリーニング能力それ自体が低下してしまうことから、これらブラシロールやソフトロールからトナーを引き離して回収するための、所謂デトーニング機構が必要となる。例えば、ブラシロールに対してはフリッカーバと称される突起が摺擦毛の回転範囲内に設けられ、かかる摺擦毛をフリッカーバに叩きつけることによってトナーをブラシロールから強制的に叩き落とし、これをオーガ等の搬送手段を用いて回収ボックス内に回収している。
【0007】
しかし、このようなデトーニング機構を設けると、クリーニング装置が大がかりなものとなってしまう。特に、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の夫々に対して感光体ドラムを備えた所謂タンデム型のカラー画像形成装置においては、各感光体ドラム毎にクリーニング装置を設ける必要があり、更に、中間転写体を介してトナー像を記録シートに転写するタイプの画像形成装置においては、中間転写体に対してもクリーニング装置を設けることが必要となる。このため、カラー複写機やカラーレーザビームプリンタ等の小型化に当たっては、クリーニング装置を以下に小型化、簡易化するかが極めて重要である。
【0008】
このような観点から、特開2001−075448号公報や特開2002−372902号公報に開示されるカラー画像形成装置では、複数の中間転写体の夫々に対して残留トナーを除去するブラシロールを設けながらも、これらのブラシロールに対してはデトーニング機構を一切設けず、各ブラシロールに付着したトナーを印字ジョブの最後に一カ所に集めて回収するように構成されている。具体的には、トナー像の形成及び転写の邪魔にならないよう、印字ジョブ中は各中間転写体に設けられたブラシロールが残留トナーを清掃して保持するように働く一方、印字ジョブの終了時にはこれらのブラシロールが保持していたトナーを中間転写体上へ吐き出させ、トナー像の転写と同じ要領で下流側のロールへと順次転移させていき、最終段のロールに対して設けられた回収装置で一括して回収するように構成している。
【0009】
このように各ブラシロールで保持されたトナーを一カ所に集めて一括して回収するように構成した場合、各像担持体を清掃するクリーニング装置それ自体は極めて簡易なものとなり、清掃しなければならない像担持体の本数が多いカラー画像形成装置においては極めて有利に小型化を進めることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一方、デトーニング機構を具備しないブラシロールを用いる場合には、各ブラシロールが保持していたトナーを吐き出す所謂回収シーケンスを定期的に行わなければならず、印字ジョブ中にブラシロールが像担持体から除去するトナー量と、回収シーケンス中にブラシロールが吐き出すトナー量とを比較した場合、前者の量が多くなければ、いつしかブラシロールが保持しきれない程のトナーを含んでしまい、像担持体のクリーニング不良から記録画像の画質が悪化してしまう。
【0011】
ここで、ブラシロールが印字ジョブ中に保持するトナー量はその印字ジョブの内容、例えば、記録シート通紙枚数や画像面積率、トナー像の転写効率等によって変動するため、本来であれば回収シーケンスの継続実施時間等の条件は直前の印字ジョブの内容毎に異なったものとするのが好ましいが、回収シーケンスの制御が複雑化する他、コストが嵩む等の理由により、従来は標準的な印字ジョブを想定し、この印字ジョブに対して最適化した回収シーケンスを実施していた。
【0012】
しかし、例えば直前の印字ジョブにおける連続通紙枚数や画像面積率が想定していた標準的な連続通紙枚数や画像面積率よりも過大な場合は、ブラシロールに保持された不要トナーを充分には像担持体上に吐き出すことが出来ず、次の印字ジョブにおいて各ブラシロールのトナー捕獲力が低下し、像担持体を充分にクリーニングすることができなくなってしまうといったトラブルが発生する。
【0013】
これとは逆に、例えば直前の印字ジョブにおける連続通紙枚数や画像面積率が想定していた標準的な連続通紙枚数や画像面積率よりも過少な場合は、各ブラシロールに保持されている不要トナーが少ないにも拘らず、冗長な回収シーケンスが実施される結果となり、かかる回収シーケンスが実施されている間は次の印字ジョブを開始することができないので、記録画像の生産性を著しく低下させる原因となってしまう。また、回収シーケンスでは各像担持体を駆動すると共に、これら像担持体に対してトナーの転移をコントロールするための電圧を印加していることから、かかる回収シーケンスの実施時間が長くなると、その分だけ感光体ドラムや中間転写体といった像担持体の摩耗や劣化が進行することになり、これら像担持体の寿命が短命化してしまう。
【0014】
このことから、デトーニング機構を具備しないブラシロールを用いて像担持体の表面をクリーニングしている画像形成装置においては、簡易な方法で不要トナーの回収シーケンスを印字ジョブの内容に対して最適化することが望まれていた。
【0015】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、デトーニング機構を具備しないトナー仮保持部材で感光体ドラムや中間転写体等の像担持体を清掃することにより、かかる像担持体のクリーニング機構を簡易に構成して、カラー化においても装置の小型化を達成することが可能であると共に、前記トナー仮保持部材によって捕獲された不要トナーの回収シーケンスを印字ジョブの内容に対して容易に最適化することができ、クリーニング不良が発生することがなく、しかも像担持体の寿命が極端に短命化するのを防止することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、画情報に応じたトナー像を像担持体上に形成すると共に該トナー像を記録シートに転写する印字ジョブを実行する画像形成装置であって、像担持体の表面に付着した不要トナーを除去すると共に一時的に保持するトナー仮保持部材を備え、このトナー仮保持部材に保持された不要トナーを像担持体上に吐き出させる回収シーケンスを定期的に実行して、かかる不要トナーを最終回収手段に集めるように構成した画像形成装置を前提とし、前記最終回収手段に突入する不要トナーの量を検出するトナー検知センサを設け、このトナー検知センサの検出信号を利用して前記不要トナーの回収シーケンスの最適化を図るものである。
【0017】
ここで、前記最終回収手段とは、デトーニング機構を具備し、トナー仮保持部材から像担持体上に吐き出された不要トナーを最終的にトナー廃棄ボックスへ回収できる機構を意味し、例えば、感光体ドラムや中間転写体に対して配置されたデトーニング機構付きのブラシロールやクリーニングブレード等である。また、この最終回収手段は感光体ドラムや中間転写体等といった像担持体に対して設けられても、これら像担持体から記録シートにトナー像を転写する最終転写ロールに対して設けられても良い。
【0018】
更に、前記トナー検知センサとしては、回収シーケンスの実施中にトナー仮保持部材から吐き出された不要トナーを像担持体上、あるいは最終転写ロール上で検知するものであれば良く、例えば像担持体上の光の反射の強弱からトナーの存在を検知する反射型濃度センサを用いることができる。また、トナーとして磁性トナーを用いるのであれば、磁気センサを用いることも可能である。
【0019】
通常、カラー画像形成装置では、形成するカラー画像の色再現性や階調性を画像データと整合させるべく、印字ジョブの合間等にサンプルとしての単色トナー像を形成すると共に、このトナー像の濃度を濃度センサで検出し、検出した濃度データと画像データとを比較した後、画像形成条件を補正するフィードバック制御を行っている。従って、前記トナー検知センサとしてはこの濃度センサをそのまま利用することができ、極めて安価に本発明を実施することが可能である。
【0020】
前記トナー検知センサの検出信号の利用形態としては、回収シーケンスの実施中は前記検出信号をモニタし、かかる検出信号が所定値を下回るのを待って前記回収シーケンスを終了することが考えられる。回収シーケンスの実施中、トナー仮保持部材は不要トナーを常に一定量ずつ像担持体上に吐き出すのではなく、回収シーケンスの最初は多量の不要トナーを像担持体上に吐き出し、仮保持部材に保持されている不要トナーの量が減少するにつれ、像担持体上に吐き出す不要トナーの量は0に近づいていく。従って、回収シーケンスの実施中にトナー検知センサの検出信号をモニタし、最終回収手段に突入していく不要トナーの量が回収シーケンスの時経過と共に減少していく様子を把握すれば、トナー仮保持部材がどの程度まで不要トナーを吐き出したのかを予測することができ、回収シーケンスの終了時を決定することが可能となる。
【0021】
すなわち、このようにトナー検知センサの検出信号を利用することにより、トナー仮保持部材に保持されている不要トナーを回収シーケンスの実施中に像担持体へ充分に吐き出させることが可能となり、しかも、回収シーケンスを過剰に実施してしまうことがなく、像担持体の摩耗や劣化が進行するのを防止することが可能となる。
【0022】
このような技術的手段において、前記トナー検知センサの検出信号は回収シーケンスの開始後、これを常時モニタしていても差し支えないが、より負担の少ない安価な構成という観点からすれば、一定時間毎に前記検出信号をチェックするのが好ましい。
【0023】
また、トナー仮保持部材は回収シーケンスの開始直後は印字ジョブ中に捕獲した不要トナーを多量に吐き出すが、ある程度の量を吐き出した後は不要トナーを僅かずつ吐き出し、回収シーケンスを長時間実施したからといって、トナー仮保持部材が吐き出す不要トナーの量が完全に皆無となることはない。従って、トナー検知センサの出力信号が所定値を下回らないからといって、回収シーケンスを長時間継続し続けると、却って像担持体の摩耗や劣化を速める結果となるので、かる観点からすれば、回収シーケンスの最大実施長さを予め決定しておき、譬えトナー検知センサの検出信号が所定値を下回らない場合であっても、最大実施時間が経過した時点で回収シーケンスを強制的に終了するように構成するのが好ましい。
【0024】
一方、このように回収シーケンスの実行中にトナー検知センサの検出信号を逐次チェックするのではなく、かかる回収シーケンスの終了直前にのみトナー検知センサの検出信号をチェックし、該検出信号が所定値を上回っていた場合に、通常の回収シーケンスに連続して臨時の回収シーケンスを実施するように構成しても良い。すなわち、回収シーケンスの終了直前におけるトナー検出センサの検出信号が所定値よりも大きい場合には、トナー仮保持部材が未だ不要トナーを多く保持している可能性が高く、回収シーケンスの実施時間を延長することで、トナー仮保持部材により多くの不要トナーを吐き出させることが可能となる。
【0025】
この場合、印字ジョブの終了直後に行われる通常の回収シーケンスについては、予め実施時間を定めておき、かかる実施時間の終了間際にトナー検知センサの検出信号をチェックすることになる。また、通常の回収シーケンスでトナー仮保持部材を充分に浄化できない場合には、トナー検知センサの検出信号に基づいて臨時の回収シーケンスが引き続き実施されるので、トナー仮保持部材の浄化が不足する懸念はなく、このため通常の回収シーケンスの実施時間については、これを短めに設定しておくことが可能となる。従って、トナー仮保持部材が保持している不要トナーの量に比べて冗長な回収シーケンスが実行される不都合を回避することができ、像担持体の摩耗や劣化を抑えることが可能となる。
【0026】
また、トナー検知センサの検出信号を利用して前記不要トナーの回収シーケンスの最適化を図る他の例としては、前記回収シーケンスの終了時にトナー検知センサの検出信号をチェックし、かかる検出信号の出力レベルに基づいて次回の回収シーケンスの実施継続時間を調整することが考えられる。すなわち、回収シーケンスの終了時におけるトナー検知センサの出力信号のレベルをチェックすれば、その時点でトナー仮保持部材が像担持体上に吐き出している不要トナーの量を把握することができ、回収シーケンスの実施継続時間が充分であるか、あるいは不十分であるかを判別することが可能となる。充分であると判断される場合には、次回の回収シーケンスの際にその実施継続時間を短縮することで、トナー仮保持部材が不要トナーをさほど吐き出さないにも拘らず回収シーケンスが継続されるのを防止することができ、像担持体の摩耗や劣化を抑えることが可能となる。一方、不十分であると判断される場合には、次回の回収シーケンスの際にその実施継続時間を延長することで、トナー仮保持部材を確実に清浄化することができ、回収シーケンスを繰り返す度に不要トナーが次第にトナー仮保持部材に蓄積されてしまうといったトラブルを避けることが可能となる。
【0027】
一回の印字ジョブにおいてトナー仮保持部材に捕獲される不要トナーの量は、かかる印字ジョブにおける記録シートの連続通紙枚数や印字密度等に影響を受けるが、実施される印字ジョブの内容に応じて異なったものとなる。その反面、印字ジョブの内容は個々のユーザ毎に一定の傾向があることから、前述のように回収シーケンスの終了時にトナー検知センサの検出信号をチェックすると共に、かかる検出信号に基づいて該回収シーケンスの効果の度合いを確認し、その結果を次の回収シーケンスの実施継続時間にフィードバックするように構成すれば、各ユーザの印字ジョブの内容の傾向に合わせて回収シーケンスの実施継続時間を最適化することが可能となる。
【0028】
あるいは、次回の回収シーケンスの実施継続時間を調整するのではなく、回収シーケンスの実施間隔を変更することが考えられる。すなわち、回収シーケンスの終了時にトナー検知センサの検出信号をチェックし、依然として多くの不要トナーがトナー仮保持部材から像担持体上に吐き出されていると判断されるのであれば、印字ジョブ中における回収シーケンスの実施間隔、具体的には回収シーケンスを実施する際のトリガーとなる記録シートの連続通紙枚数を減らし、印字ジョブ中に一層こまめに回収シーケンスを実施するのである。これによれば、前後する回収シーケンスの間でトナー仮保持部材に蓄積される不要トナー量を抑えることができ、一回の回収シーケンスの実施継続時間を延長することなく、トナー仮保持部材を確実に清浄化することが可能となる。
【0029】
また、トナー仮保持部材が印字ジョブ中に捕獲する不要トナーの量は、かかる印字ジョブにおける記録シートの連続通紙枚数や印字密度等によって異なったものとなり、例えば、一つの印字ジョブにおける記録シートの連続通紙枚数が多い場合や、連続通紙枚数は少なくても印字密度が極端に大きい記録画像が連続する場合等には、トナー仮保持部材が印字ジョブの終了前に保持しきれないほどの不要トナーを含んでしまうことがある。このようなケースでは、印字ジョブを一時的に中断して回収シーケンスを実施する必要があり、従来は記録シートの連続通紙枚数が所定枚数に達したことを条件に、印字ジョブを一時的に中断して回収シーケンスを実施していた。しかし、むやみに印字ジョブを中断して回収シーケンスを実施すると、記録画像の生産性が著しく低下する反面、印字ジョブを中断するまでの記録シートの連続通紙枚数を多めに設定すると、印字密度の大きい記録画像が形成された場合に、トナー仮保持部材から不要トナーが溢れ出してしまう懸念がある。
【0030】
そこで、前記トナー検知センサの検出信号を積算し、回収シーケンスの実施中に最終回収手段によって回収された不要トナーの総量を把握すると共に、該総量を所定値と比較し、その比較結果に応じて前記回収シーケンスの実施間隔を変更するように構成することが考えられる。すなわち、回収シーケンスの実施中に最終回収手段によって回収された不要トナーの総量を把握することができれば、印字ジョブを中断して回収シーケンスを実施する際の条件となる記録シートの連続通紙枚数が適切なものか否かを判断することが可能となる。検出信号から把握した不要トナーの総量が所定値よりも多い場合には、回収シーケンスを強制的に実施する迄の記録シートの連続通紙枚数が過剰であると判断することができるし、逆に少ない場合には、回収シーケンスを強制的に実施する迄の記録シートの連続通紙枚数がもっと多くても良いと判断することができる。これにより、印字ジョブを中断して強制的に実施される回収シーケンスを実施する際に、その判断条件となる記録シートの連続通紙枚数をユーザの使用環境に合わせて最適化することが可能となる。
【0031】
この場合も、次回の回収シーケンスの実施間隔を変更するのではなく、回収シーケンスの実施継続時間を変更しても良い。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の画像形成装置を詳細に説明する。
図1は本発明を適用したフルカラーレーザビームプリンタの概略構成を示すものである。尚、図1中の矢印は、各回転部材の回転方向を示している。
【0033】
このフルカラープリンタは、図1に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ (M)、シアン(C)、ブラック(K)用の各感光体ドラム11,12,13,14と、これら感光体ドラム11〜14 に接触する一次帯電用の帯電ロール21,22,23,24と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のレーザ光31,32,33,34を照射する図示しないレーザ光学ユニットと、現像器41,42,43,44と、上記4つの感光体ドラム11〜14のうちの2つの感光体ドラム11,12に接触する第1の一次中間転写ドラム51及び他の2つの感光体ドラム13,14に接触する第2の一次中間転写ドラム52と、上記第1、第2の一次中間転写ドラム51,52に接触する二次中間転写ドラム53と、この二次中間転写ドラム53に接触する最終転写ロール60とで、その主要部が構成されている。
【0034】
これらの構成のうち、各感光体ドラム11〜14、帯電ロール21〜24、現像器41〜44、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53は単一の画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)1として一体化されており、例えば感光体ドラムの劣化等によって画像品質が低下する場合等には、この画像形成ユニット1をそのまま交換するようになっている。
【0035】
感光体ドラム11,12,13,14は、共通の接平面mを有するように一定の間隔をおいて配置されている。また、第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52は、各回転軸が該感光体ドラム11〜14軸に対し平行かつ所定の対象面を境界とした面対象の関係にあるように配置されている。さらに、二次中間転写ドラム53は、該感光体ドラム11〜14と回転軸が平行であるように配置されている。
【0036】
フルカラー画像を形成する場合、各色毎の画像情報に応じた信号は、図示しない画像処理ユニットによりラスタライジングされて図示しないレーザ光学ユニットに入力される。このレーザ光学ユニットでは、イエロー(Y)、マゼンタ (M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のレーザ光31〜34が変調され、対応する色の感光体ドラム11〜14に照射される。
【0037】
上記各感光体ドラム11〜14の周囲では、周知の電子写真方式による各色毎の画像形成プロセスが行なわれる。まず、上記感光体ドラム11〜14としてはOPC感光体を用いた感光体ドラムが用いられ、これらの感光体ドラム11〜14の表面は約−800VのDC電圧を印加した帯電ロール12,22,32,42によって、例えば約−300V程度に一様に帯電される。尚、この実施例では上記帯電ロールに対してDC成分のみを印加しているが、AC成分をDC成分に重畳するように構成することもできる。
【0038】
このようにして一様な表面電位を具備した感光体ドラム11〜14の表面には、各色毎の入力画像情報に応じて変調されたレーザ光31〜34が上記レーザ光学ユニットから照射され、各所色の画像情報に対応した静電潜像が所定のタイミングで形成される。レーザ光学ユニットで静電潜像が書き込まれることにより、感光体ドラム11〜14上の画像露光部の表面電位は−60V以下程度にまで除電される。
【0039】
また、上記感光体ドラム11〜14の表面に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した静電潜像は、対応する色の現像器41〜44によって現像され、感光体ドラム11〜14上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として可視化される。各現像器41〜44には、それぞれ色の異なったイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)色のトナー及びキャリアからなる現像剤が充填されている。
【0040】
次に、上記各感光体ドラム11〜14上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52上に、静電的に一次転写される。感光体ドラム11,12上に形成されたイエロー(Y)及びマゼンタ(M)色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51上に、感光体ドラム13,14上に形成されたシアン(C)及びブラック(K)色のトナー像は、第2の一次中間転写ドラム52上に、それぞれ転写される。感光体ドラム11,12,13,14に対する静電潜像の書き込み開始タイミングを各色毎にずらすことにより、第1の一次中間転写ドラム51上では一次転写されたイエロー(Y)とマゼンタ(M)のトナー像が適切に重ね合わされた二重色像が形成され、また、第2の一次中間転写ドラム52上にもシアン(C)とブラック(K)のトナー像が適切に重ね合わされた二重色像が形成される。
【0041】
上記第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52上に感光体ドラム11〜14からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+250〜500V程度である。最適な表面電位はトナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって変動するが、トナーの帯電量が−20〜−35μC/g の範囲内にあり、常温常湿環境下にある場合には、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位は、+380V程度が望ましい。
【0042】
この後、第1、第2の一次中間転写ドラム51,52上に形成された二重色のトナー像は、二次中間転写ドラム53上に静電的に二次転写される。従って、二次中間転写ドラム53上には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色が重なった最終的なトナー像が形成されることになる。
【0043】
この二次中間転写ドラム53上へ第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+600〜1200V程度である。最適な表面電位は一次転写の時と同様にトナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって変動する。また、転写に必要なのは、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52と二次中間転写ドラム53との間の電位差であるので、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位に応じた値に設定することが必要である。上述のように、トナーの帯電量が−20〜−35μC/gの範囲内にあり、常温常湿環境下であって、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位が+380V程度の場合には、二次中間転写ドラム53の表面電位は、+880V程度、つまり第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52と二次中間転写ドラム53との間の電位差は、+500V程度に設定することが望ましい。
【0044】
最後に、上記二次中間転写ドラム53上に形成された四重色のトナー像は、最終転写ロール60によって、記録シート搬送路Pを通る記録シートに三次転写される。この記録シートは、図示外の給紙トレイから一枚ずつに分離されて給送された後、レジストレーションロール90によって二次中間転写ドラム53上のトナー像に対する位置合わせがなされた後、二次中間転写ドラム53と最終転写ロール60のニップ部に送り込まれる。この最終転写工程の後、記録シート上に形成された最終的なトナー像は、定着器70によって定着された後、図示外の排出トレイに送出され、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0045】
このように構成されたカラープリンタでは、各色に対応した感光体ドラム11〜14に対して電子写真方式によってトナー像を形成し、それを一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53へと順次転写するが、かかる電子写真方式は温度や湿度といった環境要因の変動の影響を受け易く、また、感光体ドラム11〜14の表面に設けられた感光層の経時劣化、帯電ロール215〜218、一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53等の経時的な抵抗値の変動の影響を受け易く、同じ画情報に基づいてトナー像を形成し、それを記録シートに対して最終転写した場合であっても、記録シート上のトナー像の濃度は変動し易い。加えて、各感光体ドラム11〜14、帯電ロール215〜218毎に環境変動の影響や経時的な部品劣化等の影響は異なったものとなってしまう。このことから、各色毎に感光体ドラムを具備した所謂タンデム型のカラープリンタでは、カラー画像の色再現や濃度階調が不安定なものとなり易い。
【0046】
このため、この実施例のカラーレーザビームプリンタでは、定期的に、各感光体ドラム11〜14上に所定の濃度階調の基準トナー像を形成すると共に、かかる基準トナー像を一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53、最終転写ロール60と順次転写し、最終転写ロール60の表面に転写された基準トナー像を反射型濃度センサ61で光学的に検出するように構成している。この濃度センサは、最終転写ロールの表面を基準トナー像の通過領域に対応して照明するLED素子と、かかる照明によって最終転写ロール60の表面から得られた反射光を受光するフォトダイオード等の光電変換素子とから構成されており、反射光の強度に応じた検出信号を出力するようになっている。そして、この濃度センサの出力する検出信号を用いて各色トナー像の画情報に対する濃度誤差を抽出し、実際のカラー画像の形成時における各色トナー像の濃度補正を行っている。
【0047】
一方、本実施例のレーザビームプリンタでは、各感光体ドラム11〜14及び一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53に対してトナー仮保持部材が配置されており、各ドラムの表面から転写残留トナー等を除去し、かかるドラムの表面を清浄化するようになっている。また、印字ジョブの合間において前記基準トナー像を形成して各色トナー像の濃度補正を行った場合には、かかる基準トナー像の転写残留トナーもこれらトナー仮保持部材によって除去されることになる。
【0048】
先ず、感光体ドラム11に対して配置されたトナー仮保持部材は、金属製回転軸の周囲に導電性の摺擦毛が起立したリフレッシャブラシ215であり、帯電ロール21に対するトナーの付着を防止するため、感光体ドラム11の回転方向に関して帯電ロール21の上流側に位置している。また、このリフレッシャブラシ215にはクリーニングバイアスが印加されりており、各転写部位において極性反転したトナーを感光体ドラム11の表面から一時的に回収し、後述するクリーニングモードが開始される迄の間、かかるトナーを保持するようになっている。すなわち、トナーは現像器41内において(−)極性に帯電しており、各転写行程においては、トナー像がより電位の高い方向へ向けて転写されていくことになる。このような初期帯電極性のトナーを正極トナーという。しかし、かかるトナー像が各転写工程の転写部位を繰り返し通過する際、パッシェン放電や電荷注入により、(−)帯電しているトナーの一部が逆極性、すなわち(+)極性に反転して帯電してしまうことがあり、このように極性反転したトナーは次工程へ転写されず、上流側へ逆流していくことになる。このような極性反転したトナーを逆極トナーという。そして、最終的には感光体ドラム11へ転移し、ひいては帯電ロール21に付着することになる。上記リフレッシャブラシ215はこのような逆極トナーを帯電ロール21の手前で捕え、帯電ロール21に対する付着を防止するために設けられている。従って、トナー像の作像時においては、感光体ドラム11の表面電位−300Vよりも低い電位である−400Vが上記リフレッシャブラシ215に印加されている。また、このリフレッシャブラシ215には何ら駆動手段が設けられておらず、かかるリフレッシャブラシ215は摺擦毛と感光体ドラム11との間に作用する摩擦力によって感光体ドラム11の回転に連れ回っている。
【0049】
尚、以上の説明では感光体ドラム11に対して設けられたリフレッシャブラシ215について説明したが、他の感光体ドラム12〜14に対しても同じ構造のリフレッシャブラシ216,217,218が設けられている。
【0050】
一方、一次中間転写ドラム51,52に対しては、やはり金属製回転軸の周囲に導電性の摺擦毛が起立したトナー仮保持部材としての第1ブラシロール220,221が夫々配置されている。これらの第1ブラシロール220は二次転写の終了後に一次中間転写ドラム51の表面に残留したトナーを感光体ドラム12の手前側でブロックする位置に、第1ブラシロール221は二次転写の終了後に一次中間転写ドラム52の表面に残留したトナーを感光体ドラム14の手前側でブロックする位置に夫々配置されている。
【0051】
また、これら第1ブラシロール220,221にはクリーニングバイアスが印加されているが、その極性はリフレッシャブラシ215に印加されていたものと逆極性である。一次転写では各感光体ドラムが1色のトナー像のみを一次中間転写ドラム51,52に転写していることから、転写効率をある程度高めに設定することができ、残留トナーを敢えて回収するクリーニング装置を設けずとも、作像上は大きな支承は生じず、また、各現像器41〜44において混色が発生することもない。しかし、二次転写では互いに重なり合った2色分のトナー像を二次中間転写ドラム53へ転写するので、転写されずに一次中間転写ドラム51,52に残留するトナーも多く、かかる残留トナーをクリーニング装置で回収しない場合には、次に転写されるトナー像にゴーストが発生してまうからである。このため、(−)極性に帯電している残留トナーが一次中間転写ドラム51,52から第1ブラシロール220,221へ静電的に転移してくるよう、かかる第1ブラシロール220,221には一次中間転写ドラム51,52の表面電位よりも高いクリーニングバイアス(例えば、+600V)が印加されている。もちろん、温度及び湿度といった雰囲気環境が変動し、一次中間転写ドラム51,52の表面電位が変動すれば、第1ブラシロール20,221と一次中間転写ドラム51,52との間の電位差を確保するため、クリーニングバイアスも変動させる必要が生じる。また、これら第1ブラシロール220,221にも何ら駆動手段が設けられておらず、リフレッシャブラシ215と同様、摺擦毛と一次中間転写ドラム51,52との間に作用する摩擦力によって一次中間転写ドラム51,52の回転に連れ回っている。
【0052】
また、二次中間転写ドラム53に対しても三次転写で残留したトナーを除去するためのトナー仮保持部材としての第2ブラシロール230が配置されている。上記第1ブラシロール220,221やリフレッシャブラシ215〜218と異なり、この第2ブラシロール230は図示外のモータによって二次中間転写ドラム53の回転方向と対向する方向へ回転駆動されている。この第2ブラシロール230にもクリーニングバイアスが印加されているが、三次転写で発生した残留トナーを二次中間転写ドラム53の表面から除去するという目的上、その極性は第1ブラシロール220,221に印加されていたものと同じである。すなわち、(−)極性に帯電している残留トナー(正極トナー)が二次中間転写ドラム53から第2ブラシロール230へ静電的に転移してくるよう、かかる第2ブラシロール230には二次中間転写ドラム53の表面電位よりも高いクリーニングバイアス(例えば、+1080V)が印加されている。
【0053】
図2は、印字ジョブ中、すなわち感光体ドラムで形成されたトナー像が記録シートに転写されている最中におけるトナーの流れを簡略的に示したものである。印字ジョブ中、(−)極性に帯電しいる正極トナーは感光体ドラムから一次中間転写ドラム51、二次中間転写ドラム53を経て、最終的には記録シート100へ転写される。但し、一次中間転写ドラム51から二次中間転写ドラム53へ転写されなかった二次転写の残留トナーは、感光体ドラム11へ戻る途中で第1ブラシロール220に捕獲される。また、二次中間転写ドラム53から記録シート100へ転写されなかった三次転写の残留トナーは、一次中間転写ドラム53へ戻る途中で第2ブラシロール230に捕獲される。一方、転写部位において逆極性の電荷が注入され、帯電極性が(+)に反転してしまった逆極トナーは、正 極トナーと逆に二次中間転写ドラムから一次中間転写ドラムを経て感光体ドラムへ逆上って転写され、最終的には感光体ドラムに対して設けられたリフレッシャブラシ215に捕獲される。
【0054】
このように、上記リフレッシャブラシ215〜218、第1ブラシロール220,221、及び第2ブラシロール230は夫々対向する感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53からトナーを捕獲するものの、捕獲したトナーを排出するための機械的構成、すなわちデトーニング機構を何ら具備していない。従って、印字ジョブ中にトナー像が繰り返し形成されると、捕獲したトナーが各ブラシロールの摺擦毛の間から溢れ出てしまうことになる。そこで、本実施例のプリンタでは、各ブラシロールによって捕獲されたトナーを回収するため、印字ジョブの終了に引き続いて以下のような回収シーケンスを行ない、各ブラシロールによって一時的に捕獲されていたトナーを転写ロール60に対して設けた一括回収装置80で回収するようにしている。
【0055】
この回収シーケンスにおいては、先ず、トナー像の作像時と同じ電位が帯電ロール21〜24、感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53、最終転写ロール60に与えられる一方、第1ブラシロール及び第2ブラシロールには作像時と逆極性の電位が与えられ、第1ブラシーロール220,221及び第2ブラシロール230に付着している正極トナーを、図3に示すように最終転写ロール60まで順々に転移させ、最終転写ロール60に接触して設けた一括回収装置80によって回収するように構成されている。この一括回収装置80ではシリコンゴム等の弾性体からなるクリーニングブレード801が転写ロール60の周面に接しており、転写ロール60に転移したトナーを該クリーニングブレード801によって削ぎ落とし、装置内に回収するようになっている。従って、このようなクリーニング動作が開始されると、第1ブラシーロール220,221及び第2ブラシロール230に保持されていた正極トナーは一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53上に吐き出され、通常のトナー像の転写と同様に二次中間転写ドラム53を経由して最終転写ロール60へ到達し、一括回収装置80によって回収される。
【0056】
また、このようにして正極トナーの回収が終了すると、帯電ロール21〜24、リフレッシャブラシ215〜218、感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53、最終転写ロール60に対し、最終転写ロール60が最もマイナス電位が高くなるように、順々に電位勾配をつけた電圧を印加する。これによって印字動作中にリフレッシャブラシ215〜218に回収保持された逆極トナーは、図4に示すように感光体ドラム11〜14上に吐き出された後、最終転写ロール60まで順々に転移し、最終転写ロール60に接触して設けた一括回収装置80によって回収される。その結果、リフレッシャブラシ215〜218は清浄な状態に復帰することになる。
【0057】
このように、回収シーケンスは正極トナーの回収シーケンスと逆極トナーの回収シーケンスとの組み合わせから構成されており、図5に示すように、印字ジョブにおける記録シートの連続通紙枚数が所定枚数Nを超える場合は印字ジョブを一時的に中断して回収シーケンス(図中の網点部分)が実施され、各ブラシロールを逐次清浄な状態に復帰させている。また、印字ジョブの終了時には必ず実施され、各ブラシロールは印字ジョブ後、直ちに清浄な状態に復帰し、次の印字ジョブに備えることになる。尚、一回の印字ジョブにおける記録シートの連続通紙枚数がN枚以下のn枚であれば、印字ジョブを中断して回収シーケンスが実施されることはなく、印字ジョブの最後においてのみ回収シーケンスが実施される。
【0058】
ここで、印字ジョブにおいて各ブラシロールに捕獲される不要トナーの量は、かかる印字ジョブの内容、例えば 記録シートの通紙枚数や形成したトナー像の画像密度、トナー像を最終転写する記録シートの種類によって異なったものとなる。従って、印字ジョブ開始後、記録シートの連続通紙枚数が所定枚数Nに達する毎に回収シーケンスを実施したとしても、かかる印字ジョブの内容によっては、わざわざ印字ジョブを中断して回収シーケンスを実施せずとも、まだまだ各ブラシロールが不要トナーを充分に捕獲できる場合もあれば、逆に、回収シーケンスを開始する前に各ブラシロールが不要トナーで溢れてしまう場合もある。このことから、従来は回収シーケンスを開始する条件としての記録シートの連続通紙枚数Nを、標準的と考えられる使用条件を想定し、この使用条件に合致するように設定している。しかし、ユーザによっては想定した使用条件以上に各ブラシロールが不要トナーを捕獲している場合もあり、そのような場合は回収シーケンスが開始される以前に各ブラシロールが多量の不要トナーを保持してしまい、感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53の表面に除去しきれなかった正極トナーや逆極トナーが残留することになる。その結果、感光体ドラムの帯電不良やゴースト像の発生等、記録画像の画質に対して直接悪影響が及ぶことになる。
【0059】
一方、印字ジョブの終了時に実施される回収シーケンスについては、かかる印紙ジョブの最後における記録シートの連続通紙枚数nや、これら記録シートに形成されたトナー像の画像密度、記録シートの種類によって、該印字ジョブの終了時の各ブラシロールに保持されている不要トナーの量は異なったものとなる。従って、印字ジョブの終了時における回収シーケンスの実施時間が不足する場合は、かかる回収シーケンスが終了しても、各ブラシロールに不要トナーが残存してしまうことになり、印字ジョブを繰り返していくうちに不要トナーがブラシロールに蓄積されてしまい、最終的には不要トナーがブラシロールから溢れ出てしまう。また、印字ジョブの終了時における回収シーケンスの実施時間が必要以上に長い場合には、各ブラシロールは印字ジョブの終了時に充分に清浄化されるものの、感光体ドラム11〜14や、中間転写ドラム51,52,53が印字ジョブとは無関係に長時間駆動されることとなり、これら部材の摩耗や劣化が促進されてしまう。
【0060】
そこで、この実施例のカラープリンタでは、前述の濃度センサ61の検出信号を利用して回収シーケンスの実施時間の最適化を行っている。すなわち、前記濃度センサ61の検出信号は最終転写ロール60に付着しているトナーの量に応じて変化することから、回収シーケンスの実施時における濃度センサ61の検出信号は各ブラシロールが感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53に対して吐き出している不要トナーの量を示していることになる。図6は回収シーケンスの実施最中における前記濃度センサの検出信号の変化の例を示すものである。回収シーケンスが開始され、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230に捕獲されていた正極トナーが一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53上に吐き出されると、これら正極トナーは最終転写ロール60に転写されて濃度センサ61の直前を横切る。正極トナーの吐き出しが開始された直後は、各ブラシロール220,221,230に捕獲されていた不要トナーが一度に一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53の表面に吐き出されることから、濃度センサ61の検出信号は大きく変化する。その後、正極トナーの吐き出し量は減少していき、これに伴って濃度センサ61の検出信号も徐々に回収シーケンスの開始前の状態に近づいていく。逆極トナーの回収シーケンスにおいても濃度センサの検出信号は全く同様に推移する。従って、濃度センサ61の検出信号をチェックすることにより、回収シーケンスにおいて各ブラシロール215〜218,220,221,230が充分に清浄化されたか否かをチェックすることが可能である。
【0061】
以下では、濃度センサの検出信号を用いた回収シーケンスの最適化について具体例を示すが、印字ジョブを中断して実施する回収シーケンスの最適化と、印字ジョブの終了時に実施する回収シーケンスの最適化とについて、別々に説明する。
【0062】
図7は、印字ジョブを強制的に中断して実施する回収シーケンスの最適化の手順を示すフローチャートである。印字ジョブの開始と共にこの最適化手順は開始し、先ずは、印字ジョブの開始から連続して通紙された記録シートの枚数をカウントし、かる通紙枚数がN枚に達したか否かをチェックする(ST1)。この連続通紙枚数N枚は、印字ジョブを強制的に中断して回収シーケンスを実施する場合の初期値であり、プリンタに搭載されたコンピュータシテスムの不揮発性メモリに対して出荷時に書き込まれている。連続通紙枚数がN枚に達すると、印字ジョブが強制的に中断され、先ずは正極トナーの回収シーケンスがスタートする。この正極トナーの回収シーケンスの実施時間の初期値はT1に設定されており、これも不揮発性メモリに対して予め書き込まれている。実施開始後、時間T1が経過したか否かをチェックし(ST3)、経過したならば、濃度センサの検出信号を読み込み(ST4)、かかる検出信号のレベルが予め定められている閾値レベル以下か否かをチェックする(ST5)。閾値レベルを上回っている場合は、実施時間T1を経過してもなお、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230が多くの正極トナーを一次中間転写ドラム及び二次中間転写ドラムに吐き出していると考えられるので、不揮発性メモリにに書き込まれている実施時間T1をそれよりも長いT2に書き換えた後(ST6)、正極トナーの回収シーケンスを終了し、今度は逆極トナーの回収シーケンスをスタートする(ST7)。一方、閾値レベル以下である場合は、実施時間T1の正極トナー回収シーケンスの間に、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230の保持している正極トナーが充分に減少したと考えられることから、実施時間T1を書き換えることなく、正極トナーの回収シーケンスを終了して逆極トナーの回収シーケンスをスタートする(ST7)。
【0063】
逆極トナーの回収シーケンスについても、正極トナーの回収シーケンスと同じことを行う。すなわち、逆極トナーの回収シーケンスの開始後、予め不揮発性メモリに書き込まれていた実施時間t1が経過したならば(ST8)、濃度センサの検出信号を読み込み(ST9)、かかる検出信号のレベルが予め定められている閾値レベル以下か否かをチェックする(ST10)。閾値レベルを上回っている場合は、実施時間t1を経過してもなお、リフレッシャブラシ215〜218が多くの逆極トナーを感光体ドラム11〜14に吐き出していると考えられるので、不揮発性メモリにに書き込まれている実施時間t1をそれよりも長いt2に書き換えた後(ST11)、この回収シーケンスを終了する。一方、閾値レベル以下である場合は、実施時間t1の逆極トナー回収シーケンスの間に、リフレッシャブラシ215〜218の保持している逆極トナーが充分に減少したと考えられることから、実施時間t1を書き換えることなく、回収シーケンスを終了する。
【0064】
これにより、仮に記録シートの連続通紙枚数Nに対して回収シーケンスの実施時間が不足している場合には、図8に示すように、次の印字ジョブから正極トナー及び/又は逆極トナーの回収シーケンスの実施時間が長くなり、かかる回収シーケンスにおいて各ブラシロールを確実に清浄化することができる。プリンタの出荷時においては標準的と考えられる使用条件を想定して回収シーケンスの実施時間を決定しているが、このような手順を用いて回収シーケンスの実施時間を改めるように構成すれば、各ユーザの使用条件を反映して回収シーケンスの実施時間を最適化することができ、感光体ドラム11〜14や中間転写ドラム51,52,53のクリーニング不良に起因する画質劣化のトラブルを回避することが可能となる。尚、図7を用いて説明した例では、濃度センサ61の検出信号に応じて回収シーケンスの実施時間を延長する場合について説明したが、検出信号のレベルが閾値レベルに対して充分に小さい場合には、実施時間T1、t1を短縮することも可能である。その場合には、回収シーケンスの実施時間をユーザの使用条件に応じて短縮化することができるので、感光体ドラム11〜14や中間転写ドラム51,52,53の摩耗及び劣化を抑え、これら部品の短命化を防止することが可能となる。
【0065】
また、図7の例では、正極トナー及び逆極トナーの回収シーケンスの終了時における検出信号の出力レベルに着目したが、回収シーケンスの実行中に定期的にサンプリングした検出信号レベルを積算し、この積算値を所定の値と比較するようにしても良い。そのように構成すれば、回収シーケンスの際に最終回収手段によって回収された不要トナーの総量を把握し、かかる総量に基づいて回収シーケンスの実施時間を決定することが可能となる。
【0066】
また、図7の例では回収シーケンスの実施時間そのものを書き換えるように構成したが、印字ジョブを中断して強制的に回収シーケンスを実施する際の、記録シートの連続通紙枚数Nを変更するように構成することも可能である。すなわち、回収シーケンスの終了時に濃度センサ61の検出信号をチェックし、検出信号が閾値レベルを上回るようであれば、回収シーケンスを実施するまでに各ブラシロールに捕獲された不要トナーの量が、該回収シーケンスにおいて各ブラシロールから吐き出し可能な不要トナーの量よりも多いと判断し、図9に示すように、回収シーケンスを強制的に実施するまでの記録シートの連続通紙枚数Nをこれよりも少ない枚数(例えば、N−1)に書き換えるのである。この方法によれば、回収シーケンスを実施するまでの間に各ブラシロールに捕獲される不要トナーの量を減らすことができるので、結果的には回収シーケンスの実施時間を初期値のままとしても、かかる回収シーケンスにおいて各ブラシロールを充分に清浄化することができる。
【0067】
この場合、正極トナーの回収シーケンス後の濃度センサの検出信号、逆極トナーの回収シーケンス後の濃度センサの検出信号のいずれに基づいて連続通紙枚数の初期値Nを書き換えても良い。但し、リフレッシャブラシ215〜218に付着する逆極トナを回収シーケンスにおいて充分に回収することができないと、帯電ロール21〜24による感光体ドラム11〜14の帯電性能が低下し、中間調の記録画像を正確に再現することができなくなってしまうことから、どちらかといえば、逆極トナーの回収シーケンス後の濃度センサ61の検出信号に基づいて連続通紙枚数の初期値Nを書き換えるのが好ましい。
【0068】
尚、この例においても、回収シーケンスの終了時における検出信号の瞬間的な出力レベルに着目するのではなく、回収シーケンスの実行中に定期的にサンプリングした検出信号レベルを積算し、この積算値を所定の値と比較するようにしても良い。そのように構成すれば、回収シーケンスの際に最終回収手段によって回収された不要トナーの総量を把握し、かかる総量に基づいて回収シーケンスを強制的に実施するまでの記録シートの連続通紙枚数を決定することが可能となる。
【0069】
次に、図10は印字ジョブの終了時における回収シーケンスの最適化の手順の一例を示すフローチャートである。印字ジョブの開始と共にこの最適化手順は開始し、先ずは、印字ジョブが終了したか否か、すなわち実行中の印字ジョブに係る総ての記録シートの通紙が完了したか否かをチェックし(ST20)、終了したと判断されるのであれば、正極トナーの回収シーケンスをスタートさせると共に(ST21)、濃度センサの検出信号の読み込みを開始する(ST22)。以降は、濃度センサの検出信号が所定の閾値レベル以下となったか否かをチェックし(ST23)、閾値レベル以下となるまでは正極トナーの回収シーケンスを継続する。また、閾値レベル以下になったと判断された場合には、正極トナーの回収シーケンスを終了すると共に、逆極トナーの回収シーケンスを直ちに開始する(ST24)。そして、濃度センサの検出信号が所定の閾値レベル以下となったか否かをチェックし(ST25)、閾値レベル以下となるまでは逆極トナーの回収シーケンスを継続する一方、閾値レベル以下となれば、直ちに逆極トナーの回収シーケンスを終了し(ST26)、印字ジョブの終了時における回収シーケンスを終了する。
【0070】
回収シーケンス中は、各ブラシロールがある程度の量の不要トナーを感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53の表面に吐き出し続けている限り、前記濃度センサ61の検出信号閾値レベル以下とならないので、図10に示す手順によれば、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230に保持されていた正極トナーの殆どが一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53に吐き出され、これらブラシロールが清浄化されない限り、正極トナーの回収シーケンスは終了せず、また、リフレッシャブラシ215〜218に保持されていた逆極トナーの殆どが感光体ドラム11〜14上に吐き出され、かかるリフレッシャブラシ215〜218が清浄化されない限り、逆極トナーの回収シーケンスは終了しない。従って、各ブラシロールが清浄化された度合いをチェックしながら、回収シーケンスを進めることができ、回収シーケンスが終了した際には各ブラシロールは確実に清浄化されていることになる。また、各ブラシロールが清浄化された後も無駄に回収シーケンスを継続することがないので、感光体ドラム11〜14や中間転写ドラム51〜53の摩耗や劣化を抑えることができ、これら部材の短命化を防止することも可能となる。
【0071】
尚、この図10に示したフローチャートは、印字ジョブの終了時の回収シーケンスに限らず、印字ジョブを中断して強制的に実施する回収シーケンスに対しても適用することが可能である。その場合、長時間回収シーケンスを実施しても濃度センサの検出信号が所定の閾値レベルを下回らないと、印字ジョブの中断時間が長くなり、記録画像の生産性が著しく低下してしまうので、正極トナー及び逆極トナーの双方について回収シーケンスの最大実施時間を設けておき、検出信号が閾値レベルを下回らない場合であっても、最大実施時間が経過した後は、回収シーケンスを終了して印字ジョブの残りを実行するのが好ましい。特に、各ブラシロールが経時的な使用によって劣化してくると、回収シーケンスを実施しても、これらブラシロール内から不要トナーが急激には吐き出されず、時経過に伴って僅かずつ吐き出されるようになる。従って、このような最大実施時間の設定が存在しないと、回収シーケンスが終了しない懸念もある。
【0072】
一方、図11は印字ジョブの終了時における回収シーケンスの最適化の手順の他の例を示すフローチャートである。図10に示した例では回収シーケンスの実施中、常に又は逐次濃度センサの検出信号をチェックすることが必要であり、搭載しているコピュータシステムに対して大きな負荷を及ぼすことになる。そのため、この図11に示す最適化手順では、正極トナー及び逆極トナーの回収シーケンスを所定時間だけ実施した後、その終了時に濃度センサの検出信号をチェックし、かかるチェック結果に応じて臨時回収シーケンスを追加実施するように構成した。先ずは、印字ジョブが終了したか否かをチェックし(ST30)、終了したと判断されるのであれば、正極トナーの回収シーケンスをスタートさせる(ST31)。この後、予め定められた正極トナーの回収シーケンスの実施時間T1が経過したか否かをチェックし(ST32)、経過したと判断される場合には濃度センサの検出信号を読み込む(ST33)。次いで、かかる検出信号のレベルが予め定められている閾値レベル以下か否かをチェックし(ST34)、閾値レベルを上回っている場合は、実施時間T1を経過してもなお、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230が多くの正極トナーを一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53に吐き出していると考えられるので、正極トナーの臨時回収シーケンスをスタートさせる(ST35)。一方、閾値レベル以下である場合は、実施時間T1の正極トナー回収シーケンスの間に、第1ブラシロール220,221及び第2ブラシロール230の保持している正極トナーが充分に減少したと考えられることから、正極トナーの回収シーケンスを終了して逆極トナーの回収シーケンスをスタートする(ST36)。
【0073】
図12に示すように、臨時の回収シーケンスでは更に実施時間T0だけ正極トナーの回収を続行し(ST41)、実施時間T0が経過したならば、再度濃度センサ61の検出信号を読み込むと共に、その検出信号レベルが所定の閾値レベル以下か否かをチェックする。そして、閾値レベル以下であると判断される場合には、正極トナーの回収シーケンスを終了させて逆極トナーの回収シーケンスをスタートさせる。また、実施時間T0が経過した後も依然として濃度センサ61の検出信号が閾値レベルを上回っている場合には、ST41に戻って再度臨時の回収シーケンスを実施する。
【0074】
逆極トナーの回収シーケンスも正極トナーの回収シーケンスと同様にして進行する。すなわち、予め定められた逆極トナーの回収シーケンスの実施時間t1が経過したか否かをチェックし(ST37)、経過したと判断される場合には濃度センサの検出信号を読み込む(ST38)。次いで、かかる検出信号のレベルが予め定められている閾値レベル以下か否かをチェックし(ST39)、閾値レベルを上回っている場合は、実施時間t1を経過してもなお、リフレッシャブラシ215〜218が多くの逆極トナーを感光体ドラム11〜14に吐き出していると考えられるので、逆極トナーの臨時回収シーケンスをスタートさせる(ST40)。一方、閾値レベル以下である場合は、実施時間t1の逆極トナー回収シーケンスの間に、リフレッシャブラシ215〜218の保持している逆極トナーが充分に減少したと考えられることから、逆極トナーの回収シーケンスを終了する。
【0075】
逆極トナーの臨時回収シーケンスは、図12に示す正極トナーの臨時回収シーケンスと全く同じであり、実施時間T0だけ実施した後に濃度センサの検出信号をチェックし、検出信号が閾値レベル以下となっていれば、回収シーケンスを終了する。また、検出信号が閾値レベルを上回っているのであれば、更に実施時間T0だけ回収シーケンスを継続する。
【0076】
この最適化手順においても、印字ジョブ終了時の回収シーケンスの実施によって、どの程度まで各ブラシロールが清浄な状態に復帰したのかを確認しながら、かかる回収シーケンスの実施時間を決定することができるので、次の印字ジョブの最中に転写残留トナーのクリーニング不良が発生し、あるいは感光体ドラム11〜14の帯電不良等の不具合が発生するのを可及的に防止することが可能となる。また、印字ジョブの終了時における回収シーケンスの実施時間を短めに設定しておいても、かかる回収シーケンスによって各ブラシロールが充分に清浄化されない場合には、臨時の回収シーケンスが実施されることになるので、確実に各ブシラロールを清浄化することができ、しかも不要トナーの発生が少ない印字ジョブであれば、感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52及び二次中間転写ドラム53の駆動時間を短縮化することができ、その分だけ感光体ドラム等の寿命の短命化を防止することが可能である。
【0077】
尚、この図11に示したフローチャートも、印字ジョブの終了時の回収シーケンスに限らず、印字ジョブを中断して強制的に実施する回収シーケンスに対しても適用することが可能である。
【0078】
このようにして本実施例のカラープリンタでは印字ジョブの終了時には必ず回収シーケンスが実施され、また印字ジョブの実行中であっても必要な場合には該印字ジョブを中断して回収シーケンスが実行される。これにより、リフレッシャブラシ215〜218、第1ブラシロール220,221、第2ブラシロール230は印字ジョブが終了すると直ちに不要トナーを吐き出して、清浄な状態に復帰し、次の印字ジョブに備えることができる。
【0079】
前述の如く、このカラープリンタでは記録画像の色再現性や階調性を保証するために、定期的に基準トナー像を感光体ドラム11〜14上に形成させ、かかる基準トナー像を最終転写ロール60に転写した後に濃度センサ61で読み取らせているが、リフレッシャブラシ215〜218、第1ブラシロール220,221、第2ブラシロール230が充分に清浄化されていない状態で前記基準トナー像を形成すると、これらブラシロールから感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53に付着した不要トナーがノイズとなってしまい、基準トナー像の濃度を正確に検出することができない懸念がある。従って、かかる基準トナー像を形成するのであれば、前述した回収シーケンスが実行され、各ブラシロールが確実に清浄な状態に復帰した後に形成するのが好ましい。
【0080】
また、前記濃度センサ61を構成するLED素子や光電変換素子は経時的にトナーによって汚れてしまうため、同じ濃度の基準トナー像を読み込んだ場合であっても、その検出信号は時経過に伴って異なったものとなってしまい、基準トナー像の濃度を正確に検出するためには、検出信号値を補正するためのキャリブレーション動作を定期的に行う必要がある。従って、このキャリブレーション動作に関しても、感光体ドラム11〜14、一次中間転写ドラム51,52、二次中間転写ドラム53に付着した不要トナーがノイズとなるのを防止するという観点からすれば、前述した回収シーケンスが実行され、各ブラシロールが確実に清浄な状態に復帰した後に実行するのが好ましい。
【0081】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の画像形成装置によれば、デトーニング機構を具備しないトナー仮保持部材で感光体ドラムや中間転写体等の像担持体を清掃することにより、かかる像担持体のクリーニング機構を簡易に構成して、カラー化においても装置の小型化を達成することが可能であると共に、前記トナー仮保持部材によって捕獲された不要トナーの回収シーケンスを印字ジョブの内容に対して容易に最適化することができ、クリーニング不良が発生することがなく、しかも像担持体の寿命が極端に短命化するのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したフルカラーレーザビームプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】印字ジョブ中におけるトナーの流れを示した模式図である。
【図3】回収シーケンス中における正極トナーの回収の流れを示した模式図である。
【図4】回収シーケンス中における逆極トナーの回収の流れを示した模式図である。
【図5】一つの印字ジョブに対する回収シーケンスの実施タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】回収シーケンスの実施中における濃度センサの検出信号の変化を示すグラフである。
【図7】印字ジョブを中断して強制的に実施する回収シーケンスの最適化の手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートによって最適化された回収シーケンスの実施状況を示すタイミングチャートである。
【図9】印字ジョブを中断して強制的に実施する回収シーケンスの最適化の手順の他の例を示すタイミングチャートである。
【図10】印字ジョブの終了時に実施される回収シーケンスの最適化の手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】印字ジョブの終了時に実施される回収シーケンスの最適化の手順の他の例を示すフローチャートである。
【図12】図11のフローチャートで示された臨時回収シーケンスの内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11〜14…感光体ドラム、51,52…一次中間転写ドラム、53…二次中間転写ドラム、215〜218…リフレッシャーブラシ、220,221…第1ブラシロール、230…第2ブラシロール
Claims (7)
- 画情報に応じたトナー像を像担持体上に形成すると共に該トナー像を記録シートに転写する印字ジョブを実行する画像形成装置であって、
像担持体の表面に付着した不要トナーを除去すると共に一時的に保持するトナー仮保持部材を備え、このトナー仮保持部材に保持された不要トナーを像担持体上に吐き出させる回収シーケンスを定期的に実行して、かかる不要トナーを最終回収手段に集めるように構成した画像形成装置において、
前記最終回収手段に突入する不要トナーの量を検出するトナー検知センサを設け、前記回収シーケンスの開始後、かかるトナー検知センサの検出信号が所定値を下回るのを待って前記回収シーケンスを終了することを特徴とする画像形成装置。 - 前記回収シーケンスの開始後、所定時間が経過した時点で、前記トナー検知センサの検出信号に拘らず、前記回収シーケンスを強制終了することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 画情報に応じたトナー像を像担持体上に形成すると共に該トナー像を記録シートに転写する印字ジョブを実行する画像形成装置であって、
像担持体の表面に付着した不要トナーを除去すると共に一時的に保持するトナー仮保持部材を備え、このトナー仮保持部材に保持された不要トナーを像担持体上に吐き出させる回収シーケンスを定期的に実行して、かかる不要トナーを最終回収手段に集めるように構成した画像形成装置において、
前記最終回収手段に突入する不要トナーの量を検出するトナー検知センサを設け、前記回収シーケンスの終了前に前記トナー検知センサの検出信号をチェックし、かかる検出信号が所定値を上回っていた場合には、通常の回収シーケンスに連続して臨時の回収シーケンスを実施することを特徴とする画像形成装置。 - 前記回収シーケンスの終了後、トナー像の濃度補正に用いる基準トナー像を前記像担持体上に形成することを特徴とする請求項1又は3記載の画像形成装置。
- 前記回収シーケンスの終了後、前記トナー検知センサの初期化動作を実施することを特徴とする請求項1又は3記載の画像形成装置。
- 画情報に応じたトナー像を像担持体上に形成すると共に該トナー像を記録シートに転写する印字ジョブを実行する画像形成装置であって、
像担持体の表面に付着した不要トナーを除去すると共に一時的に保持するトナー仮保持部材を備え、このトナー仮保持部材に保持された不要トナーを像担持体上に吐き出させる回収シーケンスを定期的に実行して、かかる不要トナーを最終回収手段に集めるように構成した画像形成装置において、
前記最終回収手段に突入する不要トナーの量を検出するトナー検知センサを設け、前記回収シーケンスの実施中に最終回収手段によって回収された不要トナーの総量を把握すると共に該総量を所定値と比較し、この比較結果に応じて前記回収シーケンスの実施間隔又は実施継続時間を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 画情報に応じたトナー像を像担持体上に形成すると共に該トナー像を記録シートに転写する印字ジョブを実行する画像形成装置であって、
像担持体の表面に付着した不要トナーを除去すると共に一時的に保持するトナー仮保持部材を備え、このトナー仮保持部材に保持された不要トナーを像担持体上に吐き出させる回収シーケンスを定期的に実行して、かかる不要トナーを最終回収手段に集めるように構成した画像形成装置において、
前記最終回収手段に突入する不要トナーの量を検出するトナー検知センサを設け、前記回収シーケンスの終了時におけるトナー検知センサの検出信号に基づいて、次回の回収シーケンスの実施間隔又は実施継続時間を決定することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2003139273A JP2004341341A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015087451A (ja) * | 2013-10-29 | 2015-05-07 | ブラザー工業株式会社 | 画像形成装置 |
-
2003
- 2003-05-16 JP JP2003139273A patent/JP2004341341A/ja not_active Withdrawn
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