JP2004341264A - 光ビーム走査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発光素子から射出された光束を平行光束変換手段により平行光束に変換し、この変換された平行光束の第1の方向の倍率のみを倍率変更手段により変更し、この第1の方向の倍率のみが変更された光束を偏向手段を用いて偏向させることにより被走査面上で走査させるものであって、この光束の第1の方向の幅を規定する第1のスリットを、平行光束変換手段と倍率変更手段との間に備え、さらに、この光束の第1の方向と直交する第2の方向の幅を規定する第2のスリットを、倍率変更手段と偏向手段との間に備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、発光素子から射出された光束を平行光束に変換し、その変換された平行光束の所定方向の倍率のみを変更し、その所定方向の倍率のみが変更された光束を偏向手段を用いて偏向させることにより被走査面上で走査させる光ビーム走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザプリンタ、複写機、ファクシミリなどに備えられている光ビームを被走査面上で走査させることにより走査面に画像を形成する光ビーム走査装置が種々提案されて実用に供している。このような光ビーム走査装置では、コリメータレンズ、スリット、アナモフィック系のレンズなどを用いて、レーザダイオードから射出された光束を、ポリゴンミラーなどの偏向器を用いて偏向させることにより被走査面上で走査させている。光学系内にスリットやアナモフィック系を備えている光ビーム走査装置は、ポリゴンミラーの面倒れ補正が容易であるため、装置が小型化しても比較的高い精度で光ビームを被走査面上で走査させることができる。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−34619号公報(第2、3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、レーザプリンタ、複写機、ファクシミリなどのさらなる小型化、すなわち光ビーム走査装置のさらなる小型化や、走査速度の向上などが要求されてきている。しかしながら、近年の走査速度の高速化を実現するためにポリゴンミラーの回転速度を高速化させると、装置の騒音や、発熱、駆動電源などの種々の問題が発生していた。そこで、装置の小型化、高速化、省電力化、低音、低発熱など、これらの要求を実現するためには、偏向器であるポリゴンミラーをさらに小型化させる必要があった。
【0005】
上述した要求を満たすためにポリゴンミラーを小型化させると、ポリゴンミラーを小さくした分その反射面も小さくなるため、許容される光束の入射位置のずれ量も少なくなってしまう。従って、従来と同様の精度で光ビームを被走査面上で走査させるために、そのポリゴン面に入射する光束の入射位置精度を従来に比べて向上させる必要がある。
【0006】
また、ポリゴンミラーの小型化にはその厚み方向よりもその径方向を従来と比べて小さくすることが有効である。そのため、ポリゴンミラーを小型化する場合、被走査面の副走査方向に該当する反射面の方向よりも主走査方向に該当する反射面の方向を従来と比べてより短く形成する傾向にある。従って、この主走査方向に該当する光束の入射位置精度を特に向上させる必要がある。
【0007】
この入射位置精度を向上させるためには、光ビーム走査装置を構成している光学系に含まれている複数の光学素子の各々やこれらの光学素子を組み込んでいる筐体の加工精度を向上させたり、これらの部品を組み立てた際の組立誤差などを極力抑えたりする必要がある。
【0008】
しかしながら、複数の光学素子の各々は、筐体内に嵌め込まれたり接着されたりして組み込まれているため、複数の光学素子の各々と筐体との嵌め合いを考慮して、複数の光学素子の各々と筐体との間にクリアランスができるように設計されている。さらに、複数の光学素子の各々及び筐体は、部品個々において許容公差の範囲内で加工誤差を含んでいるため、それぞれの部品の組合せによっては、互いのクリアランスがさらに大きくなることがある。また、筐体はモールド品であるため、筐体内に組み込まれる複数の光学素子の各々を高精度に位置決めすることが困難である。従って、このような光ビーム走査装置は、上述したクリアランスや加工誤差による組立誤差に起因して光学性能が低くなってしまい、ジッターなどを引き起こす原因となっていた。
【0009】
従来、この上述したクリアランス、加工誤差、組立誤差などに起因したポリゴン面に入射する光束の入射位置精度、すなわち被走査面における光ビームの走査精度は、光学系内に配置された種々の誤差を補正する補正用の光学素子の位置を調整して光学性能の低下を防止することにより、保たれていた。しかしながら、このような種々の誤差を補正する調整機構を装置内に備えることは、装置の大型化やコストアップに繋がる。また、このような調整機構による組立時の調整作業はある程度熟練を要する作業であり、また、煩雑な作業でもあるため、組立工程を複雑化する要因となっていた。
【0010】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、複数の光学素子の各々と筐体とのクリアランスや、これらの部品個々の加工精度による組立誤差に起因した光学性能の低下を、これらを補正する調整機構を備えることなく防止することができ、その結果、高い精度で光ビームを被走査面上で走査できる光ビーム走査装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の一態様に係る光ビーム走査装置は、発光素子から射出された光束を平行光束変換手段により平行光束に変換し、この変換された平行光束の第1の方向の倍率のみを倍率変更手段により変更し、この第1の方向の倍率のみが変更された光束を偏向手段を用いて偏向させることにより被走査面上で走査させるものであって、この光束の第1の方向の幅を規定する第1のスリットを、平行光束変換手段と倍率変更手段との間に備え、さらに、この光束の第1の方向と直交する第2の方向の幅を規定する第2のスリットを、倍率変更手段と偏向手段との間に備えている。このように偏向手段に入射する光束の幅を規定するスリットをより偏向手段に近い位置で備えることにより、偏向手段に対する光束の入射角度が変化した場合であっても、第2の方向に関して、偏向手段における光束の入射位置のずれ量を少量に抑えることができる。従って、偏向手段に入射する光束の入射位置精度を向上させることができ、その結果、高い精度で光束を被走査面上で走査させることが可能となる。
【0012】
上記の課題を解決する本発明の別の態様に係る光ビーム走査装置は、発光素子から射出された光束を平行光束変換手段により平行光束に変換し、この変換された平行光束の第1の方向の倍率のみを倍率変更手段により変更し、この第1の方向の倍率のみが変更された光束を偏向手段を用いて偏向させることにより被走査面上で走査させるものであって、この光束の第1の方向の幅を規定する第1のスリットを、倍率変更手段近傍に備え、さらに、この光束の第1の方向と直交する第2の方向の幅を規定する第2のスリットを、第1のスリットと偏向手段との間に備えている。
【0013】
また、上記光ビーム走査装置において、第2のスリットは偏向手段近傍に備えられている。また、第2のスリットは偏向手段と相対的に移動しないよう形成されている。この第2のスリットは、例えば、偏向手段を支持している筐体に形成されていたり、偏向手段を実装している基板上に備えられていたりする。また、上記筐体は、偏向手段を覆っているカバー部材であったりする。このようにビーム走査装置を構成すると、偏向手段に対する光束の入射角度が変化した場合であっても、第2の方向に関して、偏向手段における光束の入射位置のずれ量をより少量に抑えることができる。従って、偏向手段に入射する光束の入射位置精度を向上させることができ、その結果、高い精度で光束を被走査面上で走査させることが可能となる。
【0014】
また、上記光ビーム走査装置において、第1のスリットは、例えば、平行光束変換手段や倍率変更手段などに取り付けられている。また、第1のスリットは、第2のスリットの第2の方向の幅よりも広い幅を、第2の方向に有している。
【0015】
また、上記光ビーム走査装置において、光束の第1の方向の幅は、被走査面上に形成される光束の像の副走査方向の幅に該当するものであり、光束の第2の方向の幅は、被走査面上に形成される光束の像の主走査方向の幅に該当するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態の光ビーム走査装置100の構成を示す図である。この光ビーム走査装置100は、レーザプリンタ、複写機、ファクシミリなどに備えられている光ビームを、被走査面上で走査させることにより走査面上に画像を形成する装置である。図1は、この光ビーム走査装置100の構成を分かり易くするため、この装置の外枠であるハウジング40の上面を覆っている蓋部材を取り除いた状態で、この装置全体を上面から覗いた図である。また、図2は、ハウジング40内に備えられている光ビーム走査装置100の一部の構成を側面から観察した図である。以下に、図1及び図2を用いて、この光ビーム走査装置100の構成と作用を説明する。
【0017】
この光ビーム走査装置100は、発光素子であるレーザダイオード10を備えている。レーザダイオード10は、その光軸方向と直交する断面が楕円形状を有している光束50を射出する。また、レーザダイオード10は、このレーザダイオード10の点灯・消灯駆動を行う制御回路基板12上に実装されている。この制御回路基板12は、ハウジング40の底面に形成されている図示しない支持部材により支持されている。すなわち、このレーザダイオード10は、ハウジング40に実質的に支持されている。
【0018】
レーザダイオード10から射出された光束50は、コリメータレンズ14に入射して、このコリメータレンズ14により平行光束に変換される。このコリメータレンズ14は、ハウジング40の底面に形成されている図示しない支持部材により支持されている。平行光束に変換された光束50は、次に、第1スリット18を通過する。
【0019】
第1スリット18は、コリメータレンズ14と後述するシリンドリカルレンズ16との間の光路に配置され、図1の紙面に対する水平方向及び垂直方向にそれぞれ辺をもつスリットである。この第1スリット18は、ハウジング40の底面に形成されている図示しない支持部材により支持されている。コリメータレンズ14から射出した光束50は、光軸方向と直交する断面が楕円形状を有している平行光束であって、図1で示されている径が長軸側となっており、図2で示されている径が短軸側となっている。この第1スリット18は、被走査面38で走査される光束50の副走査方向のスポット幅を規定する機能を有している。本明細書では、被走査面38において光束50が走査される方向を主走査方向とし、その主走査方向に直交する方向を副走査方向とする。この第1スリット18では、図1の紙面に対して水平な方向のスリット幅が光束50の主走査方向のスポット幅に関わるものであって、図1の紙面に対して直行する方向のスリット幅が光束50の副走査方向のスポット幅に関わるものである。従って、第1スリット18を通過した光束50は、その短軸側の径が確実に絞られて被走査面38における光束50の副走査方向のスポット幅を規定される。この第1スリット18を通過した光束50は、次に、シリンドリカルレンズ16に入射する。
【0020】
なお、第1の実施形態では、第1スリット18により光束50の長軸側の径も絞っている。しかしながらこれは被走査面38における光束50の主走査方向のスポット幅を規定するものではなく、例えば、必要以上の光量に起因して発生する迷光などを防止する意味で光束50の長軸側の径を絞っているものである。従って、この第1スリット18の光束50の長軸側のスリット幅は、主走査方向のスポット幅を規定する後述するカバーガラス押え板20の光束50の長軸側のスリット幅よりも広く形成されている。また、別の実施形態では、この第1スリット18を、光束50の短軸側の径のみを絞り、被走査面38における光束50の副走査方向のスポット幅を規定するよう構成してもよい。なお、光束幅が広い状態で光束50の幅を規定すると、被走査面38における光束50のスポット幅を規定し易くなるため、第1スリット18は、コリメータレンズ14とシリンドリカルレンズ16との間の光束幅の広い平行光が通過する光路上に配置されている。
【0021】
シリンドリカルレンズ16に入射した光束50は上述したように光軸方向と直交する断面が楕円形状を有している光束であって、図1で示されている径が長軸側となっており、図2で示されている径が短軸側となっている。シリンドリカルレンズ16は、この光束50の長軸側の倍率を変更させることなく、光束50の短軸側の倍率のみを変更させる光学素子である。さらに説明を加えると、このシリンドリカルレンズ16は、後述するポリゴンミラー24の反射面近傍において光束50が副走査方向においてのみ収束するようなパワーを有している。このシリンドリカルレンズ16は、ハウジング40の底面に形成されている図示しない支持部材により支持されている。シリンドリカルレンズ16を射出した光束50は、カバーガラス押え板20に導かれる。
【0022】
シリンドリカルレンズ16を射出した光束50の光路上には、ハウジング40と一体に形成されているモータフード30の側面に形成されている穴部30cと、その穴部30cを塞ぐように取り付けられているカバーガラス22と、そのカバーガラス22をモータフード30の側面に押えるように固定しているカバーガラス押え板20とが、シリンドリカルレンズ16側からカバーガラス押え板20、カバーガラス22、穴部30cの順に配置されている。
【0023】
モータフード30は、ポリゴンミラー24及び後述するこのポリゴンミラー24の駆動部を覆うように、ハウジング40と一体に形成されている。ポリゴンミラー24は高速回転する偏向器であるため騒音が大きい。従って、このポリゴンミラー24は、モータフード30とカバーガラス22などにより密閉された状態で騒音が外部に漏れないように備えられている。
【0024】
また、カバーガラス押え板20は、図1の紙面に対する水平方向及び垂直方向にそれぞれ辺をもつスリット部分(第2スリット20a)を有している。従って、シリンドリカルレンズ16を射出した光束50は、カバーガラス押え板20、カバーガラス22、及び穴部30cを通過してモータフード30内に備えられているポリゴンミラー24の反射面に入射する。
【0025】
第2スリット20aは、被走査面38で走査される光束50の主走査方向のスポット幅を規定する機能を有している。第1スリット18と同様に、第2スリット20aでは、図1の紙面に対して水平な方向のスリット幅が光束50の主走査方向のスポット幅に関わるものであって、図1の紙面に対して直行する方向のスリット幅が光束50の副走査方向のスポット幅に関わるものである。従って、第2スリット20aを通過した光束50は、その長軸側の径が確実に絞られて被走査面38における光束50の主走査方向のスポット幅を規定される。
【0026】
また、カバーガラス押え板20及びカバーガラス22は、モータフード30に一体に形成された位置決め部30aによりモータフード30に対して精密に位置決めされている。カバーガラス押え板20、カバーガラス22、及び穴部30cを通過した光束50は、モータフード30内に入射し、さらには、モータフード30内に備えられているポリゴンミラー24の反射面に入射する。
【0027】
図3は、カバーガラス押え板20上の光束50を光源方向から観察した図である。このカバーガラス押え板20上の光束50の長軸側のスポット幅は、第1スリット18の図1の紙面に対して水平な方向のスリット幅と略等しいDである。第2スリット20aを通過する光束50の上記D方向の幅をD0とし、さらに、光軸を含み上記D方向と直交するカバーガラス押え板20の中心を通る線L1と、上記D方向と直交する光束50の中心を通る線L2との上記D方向の距離をeとしたとき、以下の式(1)を満たすように、カバーガラス押え板20に第2スリット20aが形成され配置されている。
【数1】
なお、上記eは、装置を構成しているレーザダイオード10、コリメータレンズ14、シリンドリカルレンズ16などの加工誤差、組立誤差、クリアランス、さらにはこれらの部材が配置されている位置に起因して発生する第2スリット20a上における光束50の主走査方向の入射位置のずれ量を表すものである。
【0028】
なお、第1の実施形態では、第2スリット20aにより光束50の長軸側の径のみを絞って規定している。第1スリット18を排除して、この第2スリット20aにより主走査方向及び副走査方向両方のスポット幅を規定するように、第2スリット20aを形成することは理論的には可能である。しかしながらこれは、第2スリット20aが形成されているカバーガラス押え板20がポリゴンミラー24を備えているモータフード30に取り付けられており、その結果、第2スリット20aがポリゴンミラー24の近傍に位置することとなるため、実質的には不可能となっている。以下に、さらに詳しく説明する。
【0029】
シリンドリカルレンズ16によりポリゴンミラー24の反射面近傍において光束50は、副走査方向においてのみ収束する。従って、ポリゴンミラー24の近傍に位置しているカバーガラス押え板20を通過する際の光束50の短軸側は、略線像となってしまう。このような線像の幅を規定するためには、装置を構成している部品の各々の加工誤差、組立誤差、クリアランスを略0にし、さらに波長変動を起こさないような光源を備える必要がある。従って、このカバーガラス押え板20に形成される第2スリット20aにより主走査方向及び副走査方向両方のスポット幅を規定することは、実質的には不可能となっている。
【0030】
ポリゴンミラー24は、上述したように、モータフード30内に備えられている。このポリゴンミラー24は、ポリゴンミラー24を回転駆動させるモータ25により軸25a中心に矢印A方向に一定速度で回転する。また、モータ25は、モータ25の駆動制御を行う駆動制御回路基板26に実装されており、この駆動制御回路基板26は、モータフード30に一体に形成されている位置決め部30bによりモータフード30に対して精密に位置決めされている。
【0031】
カバーガラス押え板20を通過してポリゴンミラー24の反射面に入射した光束50は、この反射面により被走査面38へ向けて偏向される。このポリゴンミラー24は矢印A方向に一定速度で回転しているため、この光束50は、被走査面38に対して図1の紙面と水平な方向、すなわち主走査方向に走査するよう偏向される。ポリゴンミラー24によって偏向された光束50は、次に、fθレンズ28に入射する。
【0032】
fθレンズ28は、その歪曲特性がy=fθとなっているレンズである。このfθレンズ28は、ハウジング40の底面に形成されている図示しない支持部材により支持されており、ポリゴンミラー24によって偏向されfθレンズ28に入射した光束50を、被走査面38において一定速度で走査するよう変換する。このfθレンズ28から射出した光束50は、ハウジング40の開口部をカバーしているカバーガラス36を通過して、被走査面38上を主走査方向に一定速度で走査する。
【0033】
反射ミラー32は、ハウジング40の底面に形成されている図示しない支持部材により支持されており、被走査面38上における光束50の全走査範囲のうち、実際の描画に用いられる走査範囲Bの外側に位置する非描画領域において、走査方向を遡る側の領域の端部周辺に達した光束を反射する機能を有している。fθレンズ28から射出してこの反射ミラー32に入射した光束50は、受光素子34に導かれる。
【0034】
受光素子34は、ハウジング40の側面に形成されている図示しない支持部材により支持されており、反射ミラー32を介して、被走査面38と光学的に等価な位置に配置されている。また、受光素子34の受光面上には、遮光板が設けられており、光束50が点Cの位置に達してから出力信号が得られるよう構成されている。この受光素子34の出力信号の立ち上がりを検出することにより光束50が点Cの位置に達したことが検出される。すなわち、この受光素子34は水平同期用のセンサとして備えられたものである。
【0035】
ポリゴンミラー24は精密に加工されて形成しているが、このポリゴンミラー24の反射面同士がなすエッジ部24aは、主走査方向に数百ミクロンオーダーでその面がだれてしまっている。水平同期信号や走査毎の描画開始位置及び描画終了位置において反射面に入射する光束50は、このエッジ部24aに接近する位置で入射する。しかしながらこのエッジ部24aの面は、前述したように面がだれているため、反射面として機能できない。従って有効使用範囲外となっており、水平同期信号などにおいて反射面に入射する光束50が、このエッジ部24aから少なくとも面がだれている範囲以上に離れた位置で入射するように、装置内の光学系は構成されている。また、ポリゴンミラーの小型化にはその厚み方向よりもその径方向を従来と比べて小さくすることが有効であるため、ポリゴンミラーを小型化する場合、被走査面の副走査方向に該当する反射面の方向よりも主走査方向に該当する反射面の方向を従来に比べてより短く形成する傾向にある。従って、ポリゴンミラーを小型化すればするほど、副走査方向よりも主走査方向に該当する光束の入射位置精度を特に向上させる必要性が生じてくる。
【0036】
本実施形態では、上述したように、カバーガラス押え板20に形成されている第2スリット20aはポリゴンミラー24近傍に配置しているため、装置を構成しているレーザダイオード10、コリメータレンズ14、シリンドリカルレンズ16などの加工誤差、組立誤差、クリアランスに起因して、ポリゴンミラー24の反射面に対する光束50の入射角度が変化しても、反射面上における光束50の主走査方向の入射位置のずれ量は極めて少ない。従って、本実施形態の構成を用いることにより、ポリゴンミラーを小型化した場合であっても、高い精度で光束を被走査面上で走査させることができる。
【0037】
図4は、本発明の第2の実施形態の光ビーム走査装置100zの構成を示す図である。この図4は図1と同様に、この光ビーム走査装置100zの構成を分かり易くするため、この装置の外枠であるハウジング40の上面を覆っている蓋部材を取り除いた状態で、この装置全体を上面から覗いた図である。なお、第2の実施形態の光ビーム走査装置100zにおいて、図1で示す第1の実施形態の光ビーム走査装置100と同一の構成には、同一の符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
【0038】
この第2の実施形態では、シリンドリカルレンズ16を射出した光束50の光路上には、ハウジング40と一体に形成されているモータフード30の側面に形成されている穴部30zと、カバーガラス22と、そのカバーガラス22をモータフード30の側面に押えるように固定しているカバーガラス押え板20zとが、シリンドリカルレンズ16側からカバーガラス押え板20z、カバーガラス22、穴部30cの順に配置されている。
【0039】
カバーガラス押え板20zは、光束50の短軸側及び長軸側のいずれも絞らない程度の開口部を有している。従って、光束50は、その長軸側の幅がシリンドリカルレンズ16を射出した際と同等の幅を有した状態で穴部30zに達する。モータフード30の側面に形成されているこの穴部30zは、図4の紙面に対する水平方向及び垂直方向にそれぞれ辺をもつスリット、すなわち第1の実施形態の第2スリット20aに相当するスリットとして形成されているものであって、光束50の長軸側の径を規定する機能を有している。すなわちこの穴部30zは、ポリゴンミラー24に入射する光束50の主走査方向の幅、さらに言うと、被走査面38における光束50の主走査方向のスポット幅を規定している。なおこの穴部30zは、光束50の短軸側には大きく開口しているため、光束50の短軸側を規定することはない。
【0040】
第2の実施形態でポリゴンミラー24に入射する光束50の主走査方向の幅を規定しているスリットは、上述したように、モータフード30の側面に形成されている穴部30zである。このモータフード30は、ポリゴンミラー24を回転自在に支持しているモータ25が実装されている駆動制御回路基板26を、位置決め部30bにより精密に位置決めしている。従って、ポリゴンミラー24と、ポリゴンミラー24に入射する光束50の主走査方向の幅を規定しているスリットとが、第1の実施形態に比べてより相対的に移動しない状態で構成されている。その結果、ポリゴンミラー24上における光束50の主走査方向の入射位置のずれ量をより少量で抑えることができる。
【0041】
図5は、本発明の第3の実施形態の光ビーム走査装置100yの構成を示す図である。この図5は図1と同様に、この光ビーム走査装置100yの構成を分かり易くするため、この装置の外枠であるハウジング40の上面を覆っている蓋部材を取り除いた状態で、この装置全体を上面から覗いた図である。なお、第3の実施形態の光ビーム走査装置100yにおいて、図1で示す第1の実施形態の光ビーム走査装置100と同一の構成には、同一の符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
【0042】
この第3の実施形態では、シリンドリカルレンズ16を射出した光束50の光路上には、ハウジング40と一体に形成されているモータフード30の側面に形成されている穴部30yと、カバーガラス22と、カバーガラス押え板20zとが、シリンドリカルレンズ16側からカバーガラス押え板20z、カバーガラス22、穴部30yの順に配置されている。
【0043】
モータフード30の側面に形成されているこの穴部30zは、光束50の短軸側及び長軸側のいずれも絞らない程度の開口部である。従って、光束50は、その長軸側の幅がシリンドリカルレンズ16を射出した際と同等の幅を有した状態でモータフード30内に入り込む。
【0044】
モータフード30内に備えられている駆動制御回路基板26y上には、ポリゴンミラー24を回転自在に支持しているモータ25以外に、スリット23が備えられている。このスリット23は、図5の紙面に対する水平方向及び垂直方向にそれぞれ辺をもつスリット、すなわち第1の実施形態の第2スリット20aに相当するスリットであって光束50の長軸側の径を規定する機能を有している。すなわちこのスリット23は、ポリゴンミラー24に入射する光束50の主走査方向の幅、さらに言うと、被走査面38における光束50の主走査方向のスポット幅を規定している。なおこのスリット23は、光束50の短軸側には大きく開口しているため、光束50の短軸側を規定することはない。
【0045】
第3の実施形態でポリゴンミラー24に入射する光束50の主走査方向の幅を規定しているスリットは、上述したように、駆動制御回路基板26y上に備えられているスリット23である。この駆動制御回路基板26yは、ポリゴンミラー24を回転自在に支持しているモータ25を実装している基板である。従って、ポリゴンミラー24と、ポリゴンミラー24に入射する光束50の主走査方向の幅を規定しているスリットとが、第2の実施形態に比べてより相対的に移動しない状態で構成されている。その結果、ポリゴンミラー24上における光束50の主走査方向の入射位置のずれ量をより少量で抑えることができる。
【0046】
図6は、本発明の第4の実施形態の光ビーム走査装置100xの構成を示す図である。この図6は図1と同様に、この光ビーム走査装置100xの構成を分かり易くするため、この装置の外枠であるハウジング40の上面を覆っている蓋部材を取り除いた状態で、この装置全体を上面から覗いた図である。なお、第4の実施形態の光ビーム走査装置100xにおいて、図1で示す第1の実施形態の光ビーム走査装置100と同一の構成には、同一の符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
【0047】
この第4の実施形態では、シリンドリカルレンズ16の光束50の射出面側に第1スリット18xが取り付けられている。この第1スリット18xは、図6の紙面に対する水平方向及び垂直方向にそれぞれ辺をもつスリットであって、光束50の短軸側の径を規定する機能を有している。すなわちこの第1スリット18xは、ポリゴンミラー24に入射する光束50の副走査方向の幅、さらに言うと、被走査面38における光束50の副走査方向のスポット幅を規定している。なおこのスリット23は光束50の長軸側には大きく開口しているため、光束50の長軸側を規定することはない。このように、被走査面38における光束50の副走査方向のスポット幅を規定する第1スリット18xをシリンドリカルレンズ16に取り付けることにより、光束50が通過する複数の光学素子と第1スリット18xとの位置精度をより高くすることができる。
【0048】
また、光束幅が広い状態で光束50の幅を規定することにより被走査面38における光束50のスポット幅を規定し易くなるため、別の実施形態では、第1スリット18xのような被走査面38における光束50の副走査方向のスポット幅を規定するスリットを、コリメータレンズ14の光束50の射出面側に取り付けてもよい。
【0049】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明の光ビーム走査装置は、光束の第1の方向の幅を規定する第1のスリットを、平行光束変換手段と倍率変更手段との間に備え、さらに、この光束の第1の方向と直交する第2の方向の幅を規定する第2のスリットを、倍率変更手段と偏向手段との間に備えている。このように偏向手段に入射する光束の幅を規定するスリットをより偏向手段に近い位置で備えることにより、偏向手段に対する光束の入射角度が変化した場合であっても、第2の方向に関して、偏向手段における光束の入射位置のずれ量を少量に抑えることができる。従って、複数の光学素子の各々と筐体とのクリアランスや、これらの部品個々の加工精度による組立誤差に起因した光学性能の低下を、これらを補正する調整機構を備えることなく防止することができ、その結果、高い精度で光束を被走査面上で走査させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の光ビーム走査装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の光ビーム走査装置の一部の構成を側面から観察した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に用いられるカバーガラス押え板を光束の光軸方向から観察した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の光ビーム走査装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の光ビーム走査装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の光ビーム走査装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
18 第1スリット
20 カバーガラス押え板
24 ポリゴンミラー
38 被走査面
50 光束
100 光ビーム走査装置
Claims (12)
- 発光素子から射出された光束を平行光束変換手段により平行光束に変換し、前記変換された平行光束の第1の方向の倍率のみを倍率変更手段により変更し、前記第1の方向の倍率のみが変更された光束を偏向手段を用いて偏向させることにより被走査面上で走査させる光ビーム走査装置において、
前記光束の前記第1の方向の幅を規定する第1のスリットを、前記平行光束変換手段と前記倍率変更手段との間に備え、
さらに、前記光束の前記第1の方向と直交する第2の方向の幅を規定する第2のスリットを、前記倍率変更手段と前記偏向手段との間に備えていること、を特徴とする光ビーム走査装置。 - 発光素子から射出された光束を平行光束変換手段により平行光束に変換し、前記変換された平行光束の第1の方向の倍率のみを倍率変更手段により変更し、前記第1の方向の倍率のみが変更された光束を偏向手段を用いて偏向させることにより被走査面上で走査させる光ビーム走査装置において、
前記光束の前記第1の方向の幅を規定する第1のスリットを、前記倍率変更手段近傍に備え、
さらに、前記光束の前記第1の方向と直交する第2の方向の幅を規定する第2のスリットを、前記第1のスリットと前記偏向手段との間に備えていること、を特徴とする光ビーム走査装置。 - 前記第2のスリットは、前記偏向手段近傍に備えられていること、を特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の光ビーム走査装置。
- 前記第2のスリットは、前記偏向手段と相対的に移動しないよう形成されていること、を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光ビーム走査装置。
- 前記第2のスリットは、前記偏向手段を支持している筐体に形成されていること、を特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の光ビーム走査装置。
- 前記筐体は、前記偏向手段を覆っているカバー部材であること、を特徴とする請求項5に記載の光ビーム走査装置。
- 前記偏向手段は、ポリゴンミラーと、前記ポリゴンミラーを回転自在に支持している基板上に実装された駆動手段と、を備え、
前記第2のスリットは、前記基板上に備えられていること、を特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の光ビーム走査装置。 - 前記第1のスリットは、前記平行光束変換手段に取り付けられていること、を特徴とする請求項1、請求項3から請求項7のいずれかに記載の光ビーム走査装置。
- 前記第1のスリットは、前記倍率変更手段に取り付けられていること、を特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載の光ビーム走査装置。
- 前記第1のスリットは、前記第2のスリットの前記第2の方向の幅よりも広い幅を、前記第2の方向に有していること、を特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の光ビーム走査装置。
- 前記光束の前記第1の方向の幅は、前記被走査面上に形成される前記光束の像の副走査方向の幅に該当すること、を特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の光ビーム走査装置。
- 前記光束の前記第2の方向の幅は、前記被走査面上に形成される前記光束の像の主走査方向の幅に該当すること、を特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の光ビーム走査装置。
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JP2003138101A JP2004341264A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 光ビーム走査装置 |
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Cited By (2)
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JP2007304140A (ja) * | 2006-05-08 | 2007-11-22 | Ricoh Co Ltd | ポリゴンミラー・光走査装置・画像形成装置 |
JP2014174330A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-22 | Ricoh Co Ltd | 光走査装置および画像形成装置 |
-
2003
- 2003-05-16 JP JP2003138101A patent/JP2004341264A/ja not_active Withdrawn
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